虫鳴く

虫鳴く

あすは去なん舟に虫鳴く月夜かな 臼田亞浪 定本亜浪句集
いつの世の我か藻に住む虫鳴くよ 福島壺春
かゝる夜のロンドンに虫鳴かざりき 林原耒井 蜩
かしゃかしゃと番屋近くに鳴く虫も 高澤良一 燕音
くつわ虫鳴きやんで闇作りけり 沖崎一考
くつわ虫鳴きゐる門を訪ねあて 廣瀬河太郎
この道の虫も鳴かざる良夜かな 比叡 野村泊月
しのび鳴く虫炎天の野にひろく 瀧春一 菜園
とらはれて鳴く虫の音のことならず 木下夕爾
はてしらぬ闇東京の虫が鳴く 林原耒井 蜩
闇に鳴く虫に気づかれまいとゆく 酒井弘司
闇邃し目開きて鳴く虫なるか 橋本榮治 麦生
縁先から虫鳴いてくらい山がある シヤツと雑草 栗林一石路
奥飛騨や昼の虫鳴く雑貨店 山田英津子
歌麿の虫鳴き銀河たわんだり 池上不二子
火葬場に生きゐて昼の虫鳴けり 成瀬桜桃子 風色
魁けて虫鳴くことも奥の旅 藤田美乗
貝塚に虫鳴けば白し波の泡 桂樟蹊子
気がつけば何時もひとつの虫鳴ける 西村和子 夏帽子
鬼剣舞鬼の挙の虫鳴くぞ 昆ふさ子 『冬桜』
金鵄勲章虫鳴く通夜の枕辺に 亀井しげ子
月しあればいのちしあれば鳴く虫よ 清水一翁
月に向き替へて又鳴く虫の髯 原月舟
月の萩うねりに堪へて虫も鳴かず 西山泊雲 泊雲句集
犬が居て虫鳴く村の出水あと 猿橋統流子
湖畔宿虫鳴く夜々となりにけり 高浜年尾
砂山の砂となるまで虫鳴けり 平川常廼
残る虫鳴く刈込の奥ならむ 水原秋桜子
耳すます闇の奥へと虫鳴ける 高木晴子 花 季
松杉や晝の虫鳴く八重葎 虫 正岡子規
鐘の下掃くに虫鳴く方広寺 山内喜美子
新涼や一と日鎖す戸に虫鳴いて 臼田亜浪 旅人
人は寝て籠の松虫鳴き出でぬ 正岡子規
人病んで籠の虫鳴く枕もと 虫 正岡子規
睡るたび齢加はる虫鳴けり 菖蒲あや
睡れば忘るさみしさ遠く虫が鳴く 菖蒲あや
錐をもむかにずずと鳴く虫もあり 福田蓼汀 秋風挽歌
生きもののなげきを虫も鳴きつげる 木下夕爾
青松虫鳴き降るこゑの青かりし 飯島みのる
青松虫鳴く山荘も夢二遺居 松田百合子
赤とんぼ画を鳴く虫の草の上 大谷句佛 我は我
切々と翅擦つて鳴く虫ならむ 鈴木貞雄
千の虫鳴く一匹の狂ひ鳴き 三橋鷹女
船の虫鳴きゐて鞴火を散らす 米沢吾亦紅
船出でし岸壁に鳴く虫のあり 五十嵐播水 埠頭
草むらに虫鳴き澄めり御来光 林白扇子
草泉鳴く虫ありてながれけり 飯田蛇笏
太文字によく鳴く虫と書きて売る 村井桂子
太陽神ラーとミイラと昼鳴く虫 高澤良一 燕音
炭団造るうしろ虫鳴くくらさかな 菖蒲あや 路 地
知盛最期と奈落の虫が鳴くなめり 太田鴻村 穂国
昼の虫鳴いて居りたる墓拝む 秋畑 やすえ
昼も鳴く虫となりけり貝割菜 徳永夏川女
昼鳴く虫炉辺より離れがたくゐぬ 石橋辰之助 山暦
昼闌けて鳴く虫もなき岡城阯 高澤良一 鳩信
虫が鳴くからさみしさがこみあげる 菖蒲あや
虫が鳴く甕のおもてもはや昏き 林原耒井 蜩
虫も鳴き月も更けたり忌(いみ)の内 上島鬼貫
虫鳴いて闇の深さを推量す 塩川雄三
虫鳴いて因幡の闇の深さかな 大峯あきら 宇宙塵
虫鳴いて学園の夜は灯を絶ちぬ 柴田白葉女 遠い橋
虫鳴いて舷梯下りる人もなし 五十嵐播水 埠頭
虫鳴いて故人は老いることのなし 高木石子
虫鳴いて砂漠の町の裏通り 山口牧村
虫鳴いて書斎のなかに細い径 工藤克巳
虫鳴いて万の火花のしんの闇 西東三鬼
虫鳴いて裏地のやうな故郷かな 大石雄鬼
虫鳴いて裏町の闇やはらかし 憲吉
虫鳴かせそこに家あり家羨し 文挟夫佐恵 黄 瀬
虫鳴かぬ秋と気づきて書きゐたり 林原耒井 蜩
虫鳴きて海は暮るるにいとまあり 鷲谷七菜子 黄 炎
虫鳴き満ち灯影々々に団欒あり 福田蓼汀 山火
虫鳴くと病む子へこころ馳せゐたり 吉田未灰
虫鳴くやあたかも月のあるごとく 依光陽子
虫鳴くやいつまでも居り客一人 尾崎迷堂 孤輪
虫鳴くやきまぐれ降りの夜々の雨 白水郎句集 大場白水郎
虫鳴くやしとゞに濡れし草に月 上村占魚 鮎
虫鳴くやわが半生の不眠症 相馬遷子
虫鳴くや暗さ極めし星の空 東洋城千句
虫鳴くや一人のベッドゆるぎなし 池上不二子
虫鳴くや嫁かぬひけ目を持たねども 菖蒲あや あ や
虫鳴くや会ひたくなりし母に書く 井上兎径子
虫鳴くや海峡の闇岬の闇 池田秀水
虫鳴くや外寝に馴れてよく眠る 大場白水郎 散木集
虫鳴くや嵯峨に宿借るよしもなき 井上井月
虫鳴くや皿打ち割られ窯の裏 滝口 悟
虫鳴くや人少し野の停車場 虫の声 正岡子規
虫鳴くや昼の光にうちひゞき 遷子
虫鳴くや虫聞きに来しにあらねども 徳永山冬子
虫鳴くや梯子かけたる洋書棚 大峯あきら 宇宙塵
虫鳴くや湯さめぬほどの炉の火なる 尾崎迷堂 孤輪
虫鳴くや灯のまはり飛ぶ小さき鬼 原月舟
虫鳴くや芭蕉の下の音新らし 尾崎迷堂 孤輪
虫鳴くや表町は夜も人通り 一茶 ■寛政五年癸丑(三十一歳)
虫鳴くや母へ解きやる薬包紙 影島智子
虫鳴くや木もなき闇の山一つ 正岡子規
虫鳴くや夕映のまゝ月となり 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
虫鳴くや夕日の金のかすれ音に 内藤吐天
虫鳴くや柩のお顔横向きに 茨木和生 倭
虫鳴けば孤独も詩の肥しかな 富田潮児
虫鳴けば妻の厨も月夜ぬち 香西照雄 対話
虫鳴けば虫の言葉と思ひ聞く 上野章子
虫鳴けりまだ濡れている土踏まず 清水澄子
虫鳴けり太平洋もまつくらに 茨木和生 遠つ川
虫鳴けり膝崩しても正しても 見學 玄
虫鳴や俳句分類の進む夜半 虫の声 正岡子規
虫籠の虫鳴き出でし真昼かな 神戸鼕々
眺めゐる虫鳴き初めし親しさよ 徳永山冬子
通夜の時よりかゝなべて鳴く虫よ 安斎櫻[カイ]子
通夜の灯の届くところも虫鳴けり 茨木和生 倭
庭茂り放題虫も鳴き放題 高澤良一 暮津
島の虫鳴けば兵隊も泣きたいよ 藤後左右
東京へ東京へ汽車虫鳴かせ 今瀬剛一
灯に馴れて虫籠の虫鳴き出せり 伊藤文子
洞ふかく鳴く虫ありて神在す ひろし (宮崎県鵜戸神宮)
二条陣屋残る虫鳴く落し階 奥田智栄子
婆々が茶屋夜は虫鳴く處哉 虫の声 正岡子規
百千の虫鳴き一つづつ鳴けり 山口草堂
米に水ひたひた虫が鳴いてゐる 鈴木鷹夫 春の門
穂屋祭虫鳴く闇に霧ヶ峰 鳥羽とほる
菩提樹下籠揺るとなく虫鳴けり 飯田蛇笏 霊芝
抱き寝る吾子欲し虫も鳴き細り 菖蒲あや あ や
本丸の雨に高鳴く虫を愛づ 鈴鹿野風呂 浜木綿
鳴く虫のただしく置ける間なりけり 久保田万太郎
鳴く虫のたゞしく置ける間なりけり 久保田万太郎
鳴く虫のひとつひとつに星応ふ 相馬 遷子
鳴く虫の名など訊ねて寝入りけり 吉武月二郎句集
鳴く虫の命を切に思ふ夜ぞ 相馬遷子
鳴く虫も鉦のやうなり西馬音内 高澤良一 素抱
鳴く虫も鵙の鳴く音もはつきりと 高野冨士子
鳴く虫をあらはに見つゝ栗拾ふ 秋櫻子
木の枝に鳴く虫もあるらしき闇 高木晴子
夜は過疎に虫鳴く青山通りかな 高橋美登里
夜は夜の天の恵みに虫鳴くも 上村占魚
揚舟に昼の虫鳴き海荒るゝ 荒川あつし
佛壇の萩に何やら虫が鳴く 寺田寅彦
籠り居の父に虫鳴く何と鳴きし 原裕 『新治』
蛬せんきの虫も鳴にけり 一茶 ■文化九年壬甲(五十歳)

by 575fudemakase | 2017-06-08 13:40 | 秋の季語 | Trackback | Comments(0)
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《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
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全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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