硯洗 の俳句

硯洗 

いにしへの硯洗ふや月さしぬ 加藤楸邨
うき草に硯洗へり鵜匠の子 飯田蛇笏 山廬集
おもへただ硯洗ひの後の恥 園女
おもへたゞ硯洗ひの後の恥 園女 俳諧撰集玉藻集
この硯誰にゆづらん洗ひけり 美津口たけお
さざなみや硯洗ひし手をあらひ 長谷川双魚
すり減りし父の遺愛の硯洗ふ 武田光子
すり癖の残る硯を洗ひけり 福田寿子
ひとり洗ふ硯の上の咀華忌かな 齋藤玄 飛雪
ゆく年の硯を洗ふ厨かな 三好達治
愛硯のよはひを思ひつつ洗ふ 百合山羽公
愛用の名も無き硯洗ひけり 冨田みのる
悪筆の硯洗ふはかなしきこと 後藤比奈夫
何は置き硯を洗ひ清めんと 高木晴子 花 季
家ひそかなるや硯を洗ひけり 石田波郷
家学われに絶ゆる硯を洗ひけり 池上浩山人
我が俳句不作の硯洗ひけり 長尾俊一郎
我の手に帰したる硯洗ひけり 大石暁座
我永久に遺す硯を洗ひけり 深川正一郎
巌に灯して硯洗ふや女の童 会津八一
興福寺の筆あり硯洗ひけり 鈴木しげを
句に生きて慾なき硯洗ひけり 田口雲雀
窪みたる硯の月日洗ひけり 森緑葉
君が名や硯に書いては洗ひ消す 夏目漱石 明治二十九年
形見分せむと洗ひし硯かな 下村 梅子
月詠みし重硯を洗ひをり 宇佐美魚目 天地存問
硯より心を洗ふ一苦労 後藤比奈夫 めんない千鳥
硯洗うや虹濃き水の豊かなる 飯田蛇笏 霊芝
硯洗つてたそがれの音となる 松澤雅世
硯洗ひ干す亭二三歩の斜面かな 飯田蛇笏 山廬集
硯洗ひ肉声もたぬ父の文字 水鳥ますみ
硯洗ひ半日の閑あまりあり 横井迦南
硯洗ひ野分の端に波郷病む 秋元不死男
硯洗ふてのひらほどの一つ得て 神蔵器
硯洗ふは心を洗ふにもまさり 原コウ子
硯洗ふやりんりんと鳴る山水に 新田 豊
硯洗ふや虹濃き水の豊かなる 飯田蛇笏 山廬集
硯洗ふや落ち来る水の高きより 原月舟
硯洗ふリラの花ある小さき闇 桜井博道 海上
硯洗ふ雲ながれてはとどまらず 岬雪夫
硯洗ふ献句短冊着きたれば 殿村菟絲子
硯洗ふ妻居ぬ水をひびかせて 石田波郷
硯洗ふ手もと小暗く噴井かな 石川桂郎 高蘆
硯洗ふ蔵王真水をあふれしめ 小枝秀穂女
硯洗ふ天山山脈見ゆるまで 九鬼あきゑ
硯洗ふ墨あをあをと洗れけり 橋本多佳子
硯洗ふ墨あをあをと流れけり 橋本多佳子
硯洗ふ良寛自得自在たり 田中水桜
硯洗へば梶ながるるやさやさやと 飯田蛇笏 山廬集
硯二つ重ね沈めて洗ひけり 池上浩山人
硯面の歳月の疵洗ひけり 藤井凌雪
午後の日の早くもかげり洗硯す 西村止子
御秘蔵の硯を洗ふ小姓かな 鈴木苔花
高階に硯を洗う鈴の空 鈴木六林男
高僧のかたみの硯洗ひけり 星野立子
今年またひとつの硯洗ひをり 石川桂郎
今年より吾子の硯のありて洗ふ 能村登四郎
山水の迅きに洗ふ硯かな 大橋越央子
子の名前薄れし硯洗ひけり 下間ノリ
志存して洗ふ硯かな 池上浩山人
詩の舟や硯を洗ふ春の水 会津八一
手で洗ふ硯の裏や柚子の花 藤田あけ烏 赤松
手を洗ひ耳洗ひ硯洗ひけり 柏禎
十年の硯洗ふこともなかりけり 硯洗 正岡子規
塾閉ぢし妻の洗へる硯かな 綾部仁喜 樸簡
徐霞客の暴に洗ひし硯かな 尾崎紅葉
少しづつ山遠ざかり硯洗ふ 折井紀衣
振袖をしぼりて洗ふ硯哉 硯洗 正岡子規
深き秋もの言はぬ師に硯洗ふ 小池文子 巴里蕭条
親と子のごとき硯を洗ひけり 八染藍子
摺り減りし硯洗へり業のごと 絵馬寿
生涯の一つ硯を洗ひけり 綾部仁喜 寒木
生涯の硯とおもひかつ洗ふ 竹本白飛
雪解や湖舟に洗ふ旅硯 西島麦南 人音
洗はるる大硯石にかへらんと 皆吉爽雨
洗ひあげて端渓と知る硯かな 柴原碧水
洗ひたる机洗ひたる硯哉 硯洗 正岡子規
洗ひたる硯にほそき筆二本 高橋淡路女
洗ひたる硯に暫し待しにけり 相生垣瓜人 明治草抄
洗ひたる硯に侍る思ひあり 篠塚しげる
洗ひたる硯に水の澄んでをり 上野泰 佐介
洗ひたる硯のせ行く掌 赤星水竹居
洗ひたる硯の海といふところ 杉浦 東雲
洗ひたる硯を磨れば墨の虹 三星山彦
洗ひたる硯匂ふに任せけり 相生垣瓜人
洗ひもせで帳場硯や二十年 升本翠華
洗硯す晩年はかく寂びたらむ 林翔
洗硯の一戸球磨川べりにあり 神尾季羊
洗硯の雲にかがやき戻りたり 矢野典子
洗硯の後棒硯の事あらむ 相生垣瓜人
洗心の一刻を措く初硯 西岡伸実
袖濡れて硯洗へり大三十日 水原秋桜子
大硯を引きずり出して洗ひけり 加藤国彦
大望を捨てんと硯洗ひけり 村松紅花
濁り川硯洗ひしのちに見る 百合山羽公 寒雁
誰がもちし硯ぞ今日をわが洗ふ 水原秋櫻子
誰が持ちし硯ぞ今日をわが洗ふ 水原秋桜子
天に河地に川硯洗ひけり 飯沼三千古
二人にて硯は一つ洗ひけり 池上不二子
年々や硯を洗ふ墨の滓 佐藤紅緑
梅雨ぐもり写経の硯洗ひけり 高橋淡路女 梶の葉
髪梳いて硯を洗ふ歌娘 鈴鹿野風呂 浜木綿
眉の辺に宵ある硯洗ひけり 岡井省二
筆硯を洗ふ朝涼おのづから 長谷川素逝 暦日
夫亡くて子ありて洗ふ硯かな 鈴木真砂女 夕螢
父と子に一つの硯洗ひけり 細川加賀 生身魂
撫でたくて小春の硯洗ふなり 林翔
物好や硯洗ふて鮓の圧 尾崎紅葉
文弱のいのちの硯洗ひけり 上田五千石(1933-97)
片手では持てぬ硯を洗ひけり 鈴木 榮子
名を書くと硯洗ひし誕生日 八木三日女
命名のための硯を洗ひけり 三村純也
門川や机洗ふ子五六人 七夕 正岡子規
余震なほ硯を洗ふいとまにも 菅原和子
旅の吾に妻や硯を洗ひをらむ 星野麦丘人
炉の名残墨交る朱硯洗ひけり 柴田紫陽花
恍として洗はるるなる硯かな 相生垣瓜人 明治草抄
濤音の天より硯洗ひけり 菅原多つを
疵数多の無銘硯も洗ひけり 岩本光曜

硯洗 補遺

あきらめし旅あり硯洗ひけり 水原秋櫻子 餘生
いちにちの硯洗へば初音かな 飴山實 句集外
いにしへの硯洗ふや月さしぬ 加藤秋邨
うき草に硯洗へり鵜匠の子 飯田蛇笏
おもかげの映ろふ硯洗ひけり 上田五千石『琥珀』補遺
ひとり洗ふ硯の上の咀華忌かな 齋藤玄 飛雪
愛硯を愛児の如く洗ひけり 相生垣瓜人 負暄
悪筆の硯洗ふはかなしきこと 後藤比奈夫
家ひそかなるや硯を洗ひけり 石田波郷
海深く浚ひて硯洗ひけり 鷹羽狩行
旧仮名を墨守硯も洗ひけり 百合山羽公 樂土以後
献立てを日々書く硯洗ひけり 鈴木真砂女
献立を日々書く硯洗ひけり 鈴木真砂女 夏帯
硯より心を洗ふ一苦労 後藤比奈夫
硯洗うや虹濃き水の豊かなる 飯田蛇笏 霊芝
硯洗ひて夜の闇の馬肝色 岡井省二 鯨と犀
硯洗ひまだ憑きものの落ちぬ顔 能村登四郎
硯洗ひ干す亭二三歩の斜面かな 飯田蛇笏 山廬集
硯洗ひ先づは心に書かむかな 林翔
硯洗ひ野分の端に波郷病む 秋元不死男
硯洗ふや虹濃き水の豊かなる 飯田蛇笏 山廬集
硯洗ふ意地に徹して老いにけり 鈴木真砂女 都鳥
硯洗ふ空しからざる日にせんと 水原秋櫻子 餘生
硯洗ふ硯の海で人は死ねず 鈴木真砂女 紫木蓮
硯洗ふ己が行く末見えてゐて 鈴木真砂女
硯洗ふ妻居ぬ水をひびかせて 石田波郷
硯洗ふ手もと小暗く噴井かな 石川桂郎 高蘆
硯洗ふ水の貧しき路地に住み 鈴木真砂女
硯洗ふ墨あをあをと流れけり 橋本多佳子
硯洗へば梶ながるるやさやさやと 飯田蛇笏 山廬集
甲骨文字書くため硯洗ひけり 岡井省二 鯨と犀
今年またひとつの硯洗ひをり 石川桂郎 含羞
今年より吾子の硯のありて洗ふ 能村登四郎
佐久の句を書くべき硯洗ひけり 水原秋櫻子 蘆雁
子規の忌を待ちて硯を洗ひけり 相生垣瓜人 負暄
師が賜びし硯重しと洗ひけり 林翔
七夕の硯洗はば息あへがむ 石田波郷
若楓影さす硯洗ひけり 水原秋櫻子 重陽
十年の硯洗ふこともなかりけり 正岡子規 硯洗
振袖をしぼりて洗ふ硯哉 正岡子規 硯洗
水をゆたかに硯を洗ふ筆洗ふ 山田みづえ まるめろ
数へ日になほ洗硯の大事あり 相生垣瓜人 負暄
雪解や湖舟に洗ふ旅硯 西島麦南 人音
洗ひたる机洗ひたる硯哉 正岡子規 硯洗
洗ひたる硯に暫し侍しにけり 相生垣瓜人 明治草
洗ひたる硯に水の澄んでをり 上野泰 佐介
洗ひたる硯の上の試めし書き 阿波野青畝
洗ひたる硯の面の遊仙図 阿波野青畝
洗ひたる硯匂ふに任せけり 相生垣瓜人 明治草
洗ひつつ硯を水に飽かしめし 相生垣瓜人 明治草
洗ひては青鱗めづる硯あり 水原秋櫻子 殉教
洗硯す晩年はかく寂びたらむ 林翔 和紙
洗硯に興じて鬱を散じけり 相生垣瓜人 負暄
洗硯のゆくへ迷へる墨一縷 能村登四郎
洗硯の後捧硯の事あらむ 相生垣瓜人 明治草
洗硯やそよぐ楓に雨蛙 水原秋櫻子 餘生
束脩の薄き硯を洗ひけり 阿波野青畝
袖濡れて硯洗へり大三十日 水原秋櫻子 晩華
存問の減りゆく硯洗ひけり 上田五千石『天路』補遺
濁り川硯洗ひしのちに見る 百合山羽公 寒雁
誰が持ちし硯ぞ今日をわが洗ふ 水原秋櫻子 霜林
奈良墨を愛して硯洗ふなり 村山故郷
如法水求めて硯洗ひたまへ 阿波野青畝
年逝くや硯洗ひしあとの刻 森澄雄
白露なり洗硯の事又あらむ 相生垣瓜人 明治草
発心のあやふき硯洗ひけり 上田五千石『琥珀』補遺
眉の辺に宵ある硯洗ひけり 岡井省二 山色
筆硯を洗ふ朝涼おのづから 長谷川素逝 暦日
夫亡くて子ありて洗ふ硯かな 鈴木真砂女 夕螢
撫でたくて小春の硯洗ふなり 林翔
文弱のいのちの硯洗ひけり 上田五千石 天路
墨しかと離さぬ硯洗ひけり 鷹羽狩行
墨流れ雲龍となる硯洗ふ 山口青邨
名硯にならざりいくら洗ひても 後藤比奈夫
門川や机洗ふ子五六人 正岡子規 七夕
夕桜鬱然として硯洗ふ 橋閒石
夕爾遺愛の硯をまづは洗ふべし 安住敦
夕星のころ洗硯の父なりし 能村登四郎
落魄のおもひの硯洗ひけり 上田五千石『天路』補遺
恍として洗はるるなる硯かな 相生垣瓜人 明治草
恃むなる硯洗へる飛雪かな 石田波郷
翡翠の去来す硯洗ひけり 水原秋櫻子 帰心

by 575fudemakase | 2017-06-09 18:06 | 秋の季語 | Trackback | Comments(0)
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《方法1》 残暑 の例句を調べる
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次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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