瑠璃の俳句

瑠璃

この沢やいま大瑠璃のこゑひとつ 水原秋桜子
この沢やいま大瑠璃鳥(おおるり)のこゑひとつ 水原秋桜子(1892-1981)
シートベルトして大瑠璃なり遠く 市野記余子
その色の天作さしめよ雨の瑠璃鳥 栗生純夫 科野路
ひたぶるに大瑠璃の声光前寺 皆川盤水
ブナ純林大瑠璃のこゑさきざきに 中戸川朝人
やぶれがさ打つ木しづくか小瑠璃なく 金尾梅の門
雨の日は雨の大瑠璃鳴きにけり 原 天明
雲晴れて青磐梯山に大瑠璃鳴く 詫摩まつ子 『卒寿』
奥の湯へすぐる岩の門瑠璃鳥高音 皆吉爽雨
科の皮煮る大釜や小瑠璃鳴く 阿部月山子(春耕)
見えて鳴く瑠璃鳥か樹海の立枯に 皆吉爽雨
源泉守る瑠璃鳥の艶みどりさす 田中水桜
交るとき瑠璃鳥大き瑠璃と凝る 栗生純夫 科野路
行きし瑠璃鳥またかへしきぬ山葵沢 橋本鶏二
黒髪山は神在す山瑠璃鳴けり 小山陽子(杉)
腰引いて大瑠璃*たて蝶の寝所追ふ 攝津幸彦 鹿々集
三光鳥大瑠璃小瑠璃閑古鳥 黒田杏子 花下草上
山葵咲く懸崖づたひ瑠璃鳥一羽 橋本鶏二
山暮るるまで白樺に小瑠璃鳴く 石原栄子
歯朶くらし小瑠璃のこゑのまろびくる 水原秋桜子
秋霞みしてゐる瑠璃鳥や朴の先 飯田蛇笏 霊芝
小瑠璃なき雨の木立の暗からず 和田 祥子
小瑠璃の巣手にとりしとき小瑠璃鳴く 新井 石毛
小瑠璃鳴きから松の穂のきらめけり 棗美沙子
小瑠璃鳴き胡桃も冷えしヨーグルト 澤田 緑生
小瑠璃鳴き止めばからまつ山暮るる 青柳志解樹
小瑠璃鳴き瀧のひびきの遠からず 中村 省一
小瑠璃鳴き朝は雫す森の径 原 柯城
小瑠璃鳴き風吹きはらふ山毛欅の雨 中村信一
小瑠璃鳴き羊歯のそよぎのひろごれる 中村信一
小瑠璃鳴くまだ日の射さぬ谷の宿 八十嶋祥子
小瑠璃鳴く山田の苗は水に立ち 岩村牙童
小瑠璃鳴く出土の銭に緑青ふく 詫摩まつ子 『卒寿』
焼きおにぎり小瑠璃に声を促せり 武田仲一
菖蒲葺く簷あり小瑠璃うたひゐる 水原秋櫻子
神の山瑠璃鳥に風引きしまる 目貫るり子
水音を抜けて小瑠璃の声聞こゆ 茨木和生
杉の香や霧の奥より小瑠璃鳴く 沼田淑子
晴れ渡る*ぶなの樹海に小瑠璃鳴く 長谷川草洲
声まろぶ大瑠璃鳥樹海かたむくに 皆吉爽雨 泉声
赤松を吹き過ぐる風瑠璃鳴けり 西 苓子
大瑠璃に耳澄ます時みな詩人 永岡うろお
大瑠璃に大門の霧晴れにけり 小畑晴子
大瑠璃のこゑころがるや白馬岳 染谷佳之子
大瑠璃のこゑや入江の村しづか 森田かずを「金環蝕」
大瑠璃のこゑ谷空に広がりぬ 丹羽香野
大瑠璃の処替へつつ啼き継げる 小杉伸一路
大瑠璃の声すと深き谿覗く 橋本記縫恵
大瑠璃の声の涼しき立石寺 古賀まり子
大瑠璃の声ひとりじめ露天風呂 山田一恵
大瑠璃の声より明くる御岳山 佐藤 忍
大瑠璃の声をまぢかに書く旅信 冨樫 藤予
大瑠璃の声諸鳥に交はらず 橋本 千秋
大瑠璃の声聞く窓を開け放ち 山口ひろし
大瑠璃の鳴き移り来る呂丸の忌 粕谷容子
大瑠璃の谺をかへす虚空かな 加藤耕子
大瑠璃の谿童顔をためらへり 飯島晴子
大瑠璃やまだ濡色の牧の空 平賀扶人
大瑠璃や一渓制し鳴き止まず 岡田日郎
大瑠璃や雲より出づるダムの壁 岡田 貞峰
大瑠璃や海へせり出す溶岩の原 加藤青女
大瑠璃や岳見る頬を霧が打つ 野中亮介
大瑠璃や岩の鎮もる奥之院 青麻やす子
大瑠璃や岩壁すでに夜明けたる 石野冬青
大瑠璃や渓に鉄泉硫黄泉 鈴木麻璃子
大瑠璃や山毛欅に倒るる山毛欅の影 根岸 善雄
大瑠璃や絶壁攀づる人の点 有働 亨
大瑠璃や草川音もなく流れ 小川斉東語
大瑠璃や島にオンコの原始林 阿部幽水
大瑠璃や入江の深さ眼下にす 目黒十一
大瑠璃や峰より明くる奥鞍馬 長谷川草洲
大瑠璃や峯はなれゆく明の雲 高野 教子
大瑠璃や朴の梢を霧動き 渡辺夏舟
大瑠璃や羊歯に細りし牧の道 藤澤 石山
大瑠璃をあちこちに聞く梓川 杉本寛
大瑠璃鳥の仰がれて枝かへにけり 堀口星眠 営巣期
大瑠璃鳥の鳴くと登れば岩仏 市村究一郎
大瑠璃鳥や白灯台に灘の照り 岡部六弥太
沢風に吹きさそはれて鳴く小瑠璃 山谷 春潮
中の橋過ぎて瑠璃鳴く高野かな 岩木あやこ(萌)
昼暗き走り根の道小瑠璃鳴く 茂木敏子
彫刻のうしろ大瑠璃こゑみがく 河野多希女
朝風に小瑠璃下り来し水場あり 望月たかし
朝靄の山に立ちこめ小瑠璃鳴く 雨宮美智子
日矢きはだつ楢幾樹過ぎ瑠璃鳥また鳴く 中戸川朝人 残心
白樺に来鳴く小瑠璃や日の出前 岡田日郎
白山に月傾くと瑠璃鳴くや 角川源義
菱形となりて大瑠璃駆くるそら 高澤良一 さざなみやつこ
風入るる藤村旧居瑠璃鳥のこゑ 堀口星眠
暮れ残る田水明りに小瑠璃鳴く 鈴木麻璃子
母の日の大瑠璃のこゑ濡れひひく 沼澤 石次
夜明けはや大瑠璃の声森深く 内田 圭介
羊歯くらし小瑠璃のこゑのまろびくる 水原秋櫻子
落葉松に森の大瑠璃うたひ出す 伊藤敬子
立石寺大瑠璃鳴ける岩襖 皆川盤水
旅の私に大瑠璃はりついて取れぬ 若森京子
瑠璃鳥に山荘の森貸してをり 伊藤敬子
瑠璃鳥のあそべり散るは紅空木 山谷 春潮
瑠璃鳥の居らずなりたるさるをがせ 不泥
瑠璃鳥の色のこしとぶ水の上 長谷川かな女
瑠璃鳥の色を残し飛ぶ水の上 長谷川かな女
瑠璃鳥の色残し飛ぶ水の上 龍胆 長谷川かな女
瑠璃鳥の鳴くほの暗き籠の中 藤井 俊一
瑠璃鳥の瑠璃隠れたる紅葉かな 原石鼎
瑠璃鳥の谿渡るらし古今集 角川春樹 夢殿
瑠璃鳥ひびき戸口をふさぐ濡れ朝日 安江緑翠 『枯野の家』
瑠璃鳥や覗くカメラの中に鳴く 阿部竹子
瑠璃鳥澄める連山の夜をはがしつつ 宇咲冬男
瑠璃鳴いて湖おほらかにあけにけり 近藤貴美子
瑠璃鳴いて青嶺閃く雨の中 秋元不死男
瑠璃鳴きて靄の晴れゆく美女平 朝妻 力
瑠璃鳴くやなほ林中の夕明り 戸川稲村
瑠璃鳴くや一磐石に水くだけ 斎藤優二郎
瑠璃鳴くや雨降つて朝みづいろに 大野林火
瑠璃鳴くや渓に横たふ杉丸太 加納圭子
瑠璃鳴くや樹海をはしる霧迅き 吉澤 卯一
瑠璃鳴くや頂きけむる越後駒ヶ岳 佐藤草豊
瑠璃鳴くや日当りながら山の雨 鵜飼登美子
瑠璃鳴くや木洩れ日の散る石畳 大石昌代 『清見潟』
瑠璃鳴くや矢野の神山松荒れて 高井北杜
瑠璃鳴くや熔岩の湿りに掌をおけば 星野麦丘人
瑠璃鳴けば樹海の霧の澄みゐたり 田中由貴子
瑠璃鳴けば蓼科に雲厚くなる 秋山花笠
瑠璃鳴ける雪崩跡日の洽しや 岡田 貞峰
露をのむ瑠璃鳥や涅槃の楢林 永田耕衣
嘴上げて唄ふ瑠璃鳥軽井沢 伊藤敬子
藪漕の間近に瑠璃鳥の騒ぎけり 西尾美穂子(山茶花)



瑠璃 補遺

かさこそと瑠璃鳥のゐる虹葉かな 日野草城
この沢やいま大瑠璃鳥のこゑひとつ 水原秋櫻子 磐梯
岩頭に瑠璃鳥の一羽や瀧かかる 水原秋櫻子 殉教
高枝にて小瑠璃鳥うたへり雪解川 水原秋櫻子 殉教
秋霞みしてゐる瑠璃鳥や朴の先 飯田蛇笏 霊芝
春蝉や梢にもだす瑠璃鳥ひとつ 水原秋櫻子 磐梯
小瑠璃の巣あらずや蕗の葉をかさね 水原秋櫻子 古鏡
小瑠璃啼く洩れ日杜撰の御庭なる 上田五千石『琥珀』補遺
菖蒲葺く簷あり小瑠璃うたひゐる 水原秋櫻子 古鏡
大瑠璃の鳴いて黒髪山とかや 後藤比奈夫
大瑠璃の目差しときに遠嶺まで 飯田龍太
大瑠璃の谿童顔をためらへり 飯島晴子
壇仏巡れば 到る 大瑠璃天 伊丹三樹彦
朝鳥の小瑠璃鳥うたへり霧降るに 水原秋櫻子 殉教
霧をのむ瑠璃鳥や涅槃の楢林 永田耕衣
瑠璃鳥の瑠璃隠れたる紅葉かな 原石鼎 花影
瑠璃鳥去つて月の鏡のかゝりけり 原石鼎 花影
瑠璃鳥鳴くや飛泉こもごも霧となり 水原秋櫻子 旅愁
瑠璃鳴くや雨降つて朝みづいろに 大野林火 月魄集 昭和五十四年
瑠璃鳴けば栗鼠が顔出す夏の空 飯田龍太
靄の中に富士あり鳴くは瑠璃鳥の雛 水原秋櫻子 磐梯

by 575fudemakase | 2017-06-14 07:05 | 夏の季語 | Trackback | Comments(0)
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(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
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例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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