紅葉づ の俳句

紅葉づ の俳句

「紅葉づる」 と言う動詞並びに作例について


辞書に依れば


もみ・づ 【紅葉づ・黄葉づ】

自動詞ダ行上二段活用

活用{ぢ/ぢ/づ/づる/づれ/ぢよ}

紅葉・黄葉する。もみじする。

出典古今集 冬

「雪降りて年の暮れぬる時にこそつひにもみぢぬ松も見えけれ」

[訳] 雪が降って年の暮れてしまった今、最後まで紅葉しない松というものがわかったことだ。◆上代は「もみつ」。


以下に作例を挙げる。


紅葉づ

いち早くもみづる瀧の撓ひ落つ 宮坂静生 春の鹿
かくまでももみづれるとは荒蝦夷 飯島晴子
ぎしぎしももみずる景の一部分 高澤良一 素抱
サワグルミ端正な葉のもみずれり 高澤良一 素抱
そこはかともみづる沼の名無し草 高澤良一 石鏡
てっきりもみづる筈の漆が小火程度 高澤良一 石鏡
とちの樹のもみづるほどにおつ実かな 飯田蛇笏 山廬集
ふるさとのもみづるものに帚草 大橋敦子
ぼけ封じ三尊に山もみづるよ 高澤良一 随笑
ポスターに紅葉づる鎌倉始発駅 高澤良一 石鏡
みづうみのいろくづ鮒ももみづりぬ 森澄雄
みづうみのいろづく鮒ももみづりぬ 森 澄雄
もみずるに一役買って山の霧 高澤良一 素抱
もみずれりオランウータンの体毛も 高澤良一 鳩信
もみづりて落つる一葉や扇塚 田口俊子 『こととひ』
もみづり遅き谿のあさがほ水色に 林原耒井 蜩
もみづるは大師のこゝろ高野いま 桑田青虎
もみづるもよの木々よりやはや漆 貞室
もみづるや高脚蜘蛛のゆく畳 古田紀一
もみづるや千島桜は炎の色に 山田千代 『淡墨』
もみづるや日暮の昏さとも違ふ 宮坂静生
もみづるを急く葉急かぬ葉すべて蔦 山内山彦
もみづる樹下大道芸の下準備 高澤良一 素抱
もみづれるカナダを机上プランかな 高澤良一 ぱらりとせ
もみづれるそこに雉子の尾が見えて 佐々木六戈
もみづれるものに地獄の釜の蓋 高澤良一 燕音
もみづれる高雄ホテルの絨緞も 高澤良一 宿好
もみづれる山の快挙と申すべき 高澤良一 寒暑
もみづれる寺に預かる幽霊図 高澤良一 宿好
もみづれる鹿煎餅は鹿のいろ 中原道夫
もみづれる楓のいろは兵火のいろ 高澤良一 宿好
もみづれる木によ苔布く寂光土 臼田亞浪 定本亜浪句集
もみづれる欅桂に兄事せる 高澤良一 燕音
やんはりともみづりて来し帚草 今井妙子
一切がもみづる中や岩湯浴ぶ 高澤良一 寒暑
宇治十帖もみづるものを恋ひ歩く 林なつを
雨の柿人間くさくもみづれり 高澤良一 宿好
雲間の日もみづる山をさだかにす 松村蒼石 雁
柿の葉鮨少しもみづる葉を以て 大橋敦子
岩抱いてもみづる楓養老谿 高澤良一 寒暑
空蝉の縋る一ト葉ももみづれり 高澤良一 暮津
空知川もみづるいろに峡を出づ 深谷雄大
隙多き暮しと思ふ紅葉づれる 牧石剛明
紅葉づるや女の裸身舟のごと 横山千夏
紅葉づれる断崖秩父古成層 高澤良一 石鏡
紅葉づれる木にターザンの忘れ綱 服部たか子
刻々にもみづる谷ぞ熟睡せり 松村蒼石 雪
今正にもみづる加仁湯の掛け湯浴ぶ 高澤良一 寒暑
沙羅双樹もみづる太宰生家かな 河野照子
山深くもみづるものの一変す 高澤良一 寒暑
自然薯の紅葉づる蔓を憶えおく 柳井梗恒子
手始めに山の頂もみずれり 高澤良一 素抱
秋分やもみづりはやき岩蓮華 那須弥生
秋楡のもみづる日比谷公会堂 高澤良一 素抱
十薬のもみづるままに武家旧居 山田弘子 こぶし坂
宿浴衣もみづる山に向ひ干す 高澤良一 寒暑
色鳥来これだけ森のもみづれば 高澤良一 随笑
人體展もみづるものに骨格筋 高澤良一 石鏡
水草のもみづる辺り堰鳴らず 南典二
西行の愛でし桜のもみづるを 稲畑汀子 春光
石鎚の北壁にして紅葉づれる 松本博之
尖塔に蔦のもみづる異人館 和田きよし
戦ひし恨みは人の子に残れもみづり果てて冬に入る山 杉浦翠子
祖谷はもう秘境といへずもみづれる 桑田青虎
総督府たりしは昔紅葉づれる 三宅芙美女
大欅もみづる「天下禅林」に 高澤良一 燕音
沢蟹も雨にもみづる凹凸竄(おうとつか) 高澤良一 宿好
虫瘤ももみづる頃となりにけり 高澤良一 宿好
潮しぶき島は紅葉づる木々を得ず 増田河郎子
釣忍紅葉ずる今日の胃の在り処 池田澄子
天下の險もみづるにせよせぬにせよ 高澤良一 石鏡
日光沢しぶける岩ももみづらん 高澤良一 寒暑
白樺をもみづる日光沢の風 高澤良一 寒暑
白根かなしもみづる草も木もなくて 上村占魚
苗桜もみづりて芒の中によ 佐野良太 樫
不細工は不細工なりにもみづれり 高澤良一 宿好
風景へ朝の裏窓紅葉づれる 杉野一博
夢殿の清閑桜もみづりぬ 臼田亞浪 定本亜浪句集
霧に影なげてもみづる桜かな 臼田亜浪
木道より木道を見てもみずる沼 高澤良一 素抱
木々おのももみづるきほひはかなしや 松村蒼石 雁
夜を籠めて湯宿の前山もみづらん 高澤良一 寒暑
野葡萄の実をいろいろにもみづりぬ 森澄雄
油瀝青(アブラチャン)紅葉づる日原街道ゆく 高澤良一 石鏡
露天湯の余り湯水草もみずりて 高澤良一 随笑
箒草ゆめみるやうにもみづれり 木附沢麦青
萍にもみづる色ののりそめし 行方克己 無言劇
藜いま杖によき丈もみづりし 児玉輝代

紅葉づ 補遺

かくまでももみづれるとは荒蝦夷 飯島晴子
ぐるりもみづり火を焚ける神咒(のう)寺 岡井省二 大日
その名をば我に秘めつつ紅葉づる木 相生垣瓜人 負暄
とちの樹のもみづるほどにおつ実かな 飯田蛇笏 山廬集
なんとまつかにもみづりて何の木 種田山頭火 草木塔
みづうみのいろくづ鮒ももみづりぬ 森澄雄
メタセコイア曙いろにもみづるも 山田みづえ 手甲
もみづりし影の帚木なりしなり 岡井省二 鯛の鯛
もみづりて草に色あり十三夜 森澄雄
もみづる藻冷えこんでをり浄瑠璃寺 阿波野青畝
もみづる葉見ゆ山葡萄避暑終る 高浜年尾
もみづれど不断桜に花芽かな 松崎鉄之介
もみづれば金色の橡世界あり 阿波野青畝
もみづれる伊吹屹つとて友詠ひし 松崎鉄之介
もみづれる桜に昼の雲たかし 大野林火 海門 昭和七年以前
もみづれる木によ苔布く寂光土 臼田亜郎 定本亜浪句集
雲間の日もみづる山をさだかにす 松村蒼石 雁
絵巻物繰りてもみづる一と条 富安風生
見給ふは学ともみづる学の樹樹 山口誓子
古代杉もみづる水郷行の汽車 山田みづえ 草譜
紅葉づれる桂林の山三百段 松崎鉄之介
刻々にもみづる谷ぞ熟睡せり 松村蒼石 雪
三世佛へ白雲木のもみづりぬ 山田みづえ 草譜
三白の白石にはや紅葉づれる 森澄雄
紙漉場荒れてもみづる帚草 松崎鉄之介
森の奥家あればもみづる木かな 種田山頭火 自画像 層雲集
草紅葉たなごといへどもみづりぬ 森澄雄
大演習葡萄もみづる丘のさき 山口誓子
湯殿山いまもみづる吾のからだかな 岡井省二 前後
白根かなしもみづる草も木もなくて 上村占魚
夢殿の清閑桜もみづりぬ 臼田亜郎 定本亜浪句集
霧に影なげてもみづる桜かな 臼田亜郎 定本亜浪句集
木々おのももみづるきほひはかなしや 松村蒼石 雁
老松や蔦もみづるをさまたげず 阿波野青畝
藁敷てもみづる草の堤かな 河東碧梧桐
苺の葉もみづることも饒けき家 山口誓子

以上

by 575fudemakase | 2017-09-06 08:03 | 秋の季語 | Trackback | Comments(0)
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