もみぢの句いろいろ❗️

もみぢの句いろいろ❗️

拙句(高澤良一)


句の末尾は所収句集名。

また「ねず」は句集「ねずみのこまくら」、「もも」は句集「ももすずめ」、「さざ」は句集「さざなみやつこ」、「ぱら」は句集「ぱらりとせ」の略。


●薄紅葉

何處となく色づいて来ぬ瘤欅 宿好

先代の苦労咄や薄紅葉 寒暑

●桜紅葉

水の面に桜紅葉の心ばえ 鳩信

野毛山 動物園

長雨に櫻もみぢの目減りして 鳩信

桜もみぢどっちつかずの色合にて 燕音

幸田文

櫻もみぢ一片文(あや)の閼伽水に 随笑

●紅葉 もみぢ もみじ葉 紅葉川 紅葉山 紅葉冷 もみづる

もみずれりオランウータンの体毛も 鳩信

手始めに山の頂もみずれり 素抱

サワグルミ端正な葉のもみずれり 素抱

メイプルのもみぢ押し葉にして機内 ぱら

言葉かけ合ひ楷樹もみぢの愛好家 ぱら

どうかうもなく山茱萸の醜(しこ)もみぢ 鳩信

もみぢ葉は真言陀羅尼義趣を秘む 宿好

諸鳥のこゑも染るやもみぢ御所 宿好

大覚寺

さるすべりもみぢ見ながら渡り廊 宿好

滝口寺

横笛をおもひ染めたる色もみぢ 宿好

落柿舎の虫喰いもみぢ栞とす 宿好

一葉よりもみぢ始まる曼珠院 宿好

葉末よりもみぢ始る詩仙堂 宿好

永観堂

心鏡に写し参らむ照もみぢ 宿好

つまらなき色して梅のもみぢ葉は 随笑

もみぢして学問処の孔子木 寒暑

実習の指圧のいろはもみぢの手 素抱

城山公園

山寄りに町は造られ朴もみぢ 素抱

赤もみぢ黄もみぢとことん愉しめり 素抱

梓川ヤナギもみぢの散り込む瀬 素抱

濃尾バス尻を振り振りもみぢ山 素抱

カナダ行

もみづれるカナダを机上プランかな ぱら

建長寺扁額

大欅もみづる「天下禅林」に 燕音

不細工は不細工なりにもみづれり 宿好

虫瘤ももみづる頃となりにけり 宿好

北山

もみづれる高雄ホテルの絨緞も 宿好

もみづれる楓のいろは兵火のいろ 宿好

曼珠院

もみづれる寺に預かる幽霊図 宿好

雨の柿人間くさくもみづれり 宿好

秩父八番札所西膳寺

ぼけ封じ三尊に山もみづるよ 随笑

色鳥来これだけ森のもみづれば 随笑

もみづれる山の快挙と申すべき 寒暑

山深くもみづるものの一変す 寒暑

ロッジ風湯宿丸太ももみづるか 寒暑

今正にもみづる加仁湯の掛け湯浴ぶ 寒暑

日光沢しぶける岩ももみづらん 寒暑

秋楡のもみづる日比谷公会堂 素抱

天下の險もみづるにせよせぬにせよ 石鏡

人體展もみづるものに骨格筋 石鏡

そこはかともみづる沼の名無し草 石鏡

てっきりもみづる筈の漆が小火程度 石鏡

宿の餉にけとばしの出て紅葉季 ねず

柴屋寺

天柱山その脇山の紅葉かな もも

紅葉山人語鳥語に匹敵す 鳩信

拾ひ上ぐ紅葉の中の艶(あで)紅葉 燕音

上々に紅葉仕上がり龍王峡 燕音

逗子 端山 散策

息づける紅葉に急所あるごとし 燕音

神業の柱状節理崖紅葉 燕音

神護寺のここで一服紅葉茶屋 宿好

神護寺の紅葉明りに一凡夫 宿好

祇王寺の日暮紅葉の佛間にゐ 宿好

祇女尊女祇王尊女と紅葉観る 宿好

紅葉冷え佛御前のおん膝も 宿好

天竜寺

兵火八度かうむる寺にして紅葉 宿好

永観堂早紅葉(さもみじ)雨に色づけり 宿好

東福寺

朗々とわたる紅葉の回廊ぞ 宿好

会心の紅葉むらぎも熱くせり 宿好

裸木と紅葉半々山手線 宿好

間引かれて残る紅葉をうち仰ぐ 宿好

それならと紅葉の頃の宿をとり 随笑

この彩に安んじ梅の紅葉せり 随笑

打ちつけてめりこむ魚板紅葉寺 随笑

山麓駅造花紅葉も酣に 随笑

やあ紅葉八番札所のぽっくりさん 随笑

御婦人

ぼけ封じ肌着購ふ紅葉寺 随笑

おびんづるさまに前山紅葉して 随笑

同型の楓紅葉の全しや 随笑

塩原高尾辞世句

雪に上に高尾ゆかりの寺紅葉 寒暑

*寒風にもろくもくつる紅葉かな (高尾)

南部ばやし造花紅葉を稚児負ふて 寒暑

ロープウエイ

山麓と温度差五度の早紅葉 寒暑

履物のとり散らかって紅葉宿 寒暑

加仁湯

団体さん今到着の紅葉宿 寒暑

良寛の草書さながら色葉(いろは)散る 寒暑

紅葉沢落石すんでのところにて 寒暑

紅葉して引湯泉質二系統 寒暑

乗鞍の紅葉如何と登りつめ 素抱

檜原湖

湖畔亭紅葉そこそこ客そこそこ 石鏡

ポスターに紅葉づる鎌倉始発駅 石鏡

これはこれでと云ひつゝ桜紅葉みる 石鏡

紅葉冷猛禽類は眼をつぶり 石鏡

孫 美雨

吾に優るもみぢ葉拾ひ来て見する 石鏡

雨ありて一色増しぬ山紅葉 石鏡

鳩ノ巣渓谷

紅葉谿手すりがありて大助かり 石鏡

紅葉づれる断崖秩父古成層 石鏡

紅葉川聞けばカヌーで下るとよ 石鏡

鳩ノ巣の紅葉愛でつゝ見ず知らず 石鏡

紅葉冷え薄着後悔してみても 石鏡

二つ目の吊橋ここも紅葉佳し 石鏡

山女釣れ紅葉に腹を返しけり 石鏡

滝見茶屋ざっくばらんな紅葉かな 石鏡

油瀝青(アブラチヤン)紅葉づる日原街道ゆく 石鏡

山寺の紅葉の日照時間かな 石鏡

明るさは桜紅葉に優る君 石鏡

大巌が行く手を塞ぐ紅葉川 石鏡

●紅葉狩 紅葉見る

紅葉狩えらい上りとなりにけり さざ

紅葉狩薩摩おごじょのバスガイド 鳩信

紅葉狩落柿舎辺りで日が暮れて 宿好

好事家の嵯峨野もみぢといふを見に 宿好

町内の紅葉処を一巡り 随笑

女夫淵温泉

取敢へず終点で降り紅葉狩 寒暑

紅葉狩内助の功に報ゆべく 寒暑

紅葉狩こゑ掛けられてこゑ返し 石鏡

紅葉狩雨の足許ばかり見て 石鏡

紅葉狩眼鏡を拭いてさあこれから 石鏡

紅葉見る吾らに階(きざはし)魚道にも 石鏡

無線もて後尾と交信紅葉狩 石鏡

危ふきに女近寄る紅葉狩 石鏡

紅葉見の序で氷川の三本杉 石鏡

●黄葉(くわうえふ) 黄葉(もみじ)

いち早く自然薯黄葉狐雨 ねず

そろそろと野老黄葉の竹のぼる もも

日が差して境内欅黄葉いろ さざ

凋落の一歩手前の黄葉とも さざ

そこそこに山吹黄葉したりけり さざ

独特の板谷楓(いたや)もみぢの明るさで さざ

うねる丘ぶだう黄葉の幾区画 さざ

いくらかは山吹黄葉してゐたり ぱら

葉先まで綺麗に蘿蔔(すずしろ)黄葉して ぱら

葛黄葉遠慮がちなる色合ひに 鳩信

神品の桂黄葉とうち仰ぎ 燕音

山芋の黄葉せる道和みけり 燕音

市庁舎のユリの木黄葉始まれり 宿好

初老とは欅黄葉を潜るに似て 宿好

くわりん皆もがれし後も黄葉して 宿好

胸を張るスクリバ石像黄葉冷え 随笑

貴(あて)人のごとく桂の黄葉みる 随笑

天つ日に透けざるは無し沢黄葉 寒暑

捨聖片瀬の黄葉舞ふ中を 寒暑

自然薯黄葉城山の径明るうす 素抱

亜高山帯のもみぢの色はと見て 素抱

乗鞍の黄葉にスリップして下山 素抱

栃黄葉打つ雨音に包まれし 素抱

阿弥陀光桂黄葉の押し照るは 素抱

乗鞍の雨来て黄葉素っ飛べり 素抱

楢の木沢もとより水楢黄葉して 素抱

黄葉どき髪膚完爾と硫黄泉 素抱

乗鞍の黄葉颪と云ふに遭ふ 素抱

先づ洒落た葉なりハルニレ黄葉とよ 素抱

週末のユリの木黄葉散り空きて 素抱

湘南キャンパス黄葉のもとの生演奏 石鏡

零余子黄葉始まってをり覚圓寺 暮津

●照葉

照葉して五體あられもなき岩湯 寒暑

●雑木紅葉

金時山もこもこ雑木紅葉せり ねず

自転車にて近場の雑木紅葉見に 石鏡

●柿紅葉

柿もみぢ柿に根負けして散りぬ もも

朝露のまだ干ぬ内の柿もみぢ 鳩信

しぐれては鄙ぶ高雄の柿もみぢ 宿好

柿紅葉やっぱりよかったこの径で 石鏡

柿紅葉栞にしたき一級品 石鏡

柿もみぢ明りに何ぞ云ひたくなる 石鏡

●漆(うるし)紅葉

山漆紅葉急なり滝の前 寒暑

●櫨(はぜ)紅葉

ゝゝ(ちよんちよん)と夏櫨紅葉したりけり さざ

櫨紅葉十(とを)を数えて湯壺出づ 寒暑

讃集めをり山中の櫨紅葉 石鏡

●銀杏黄葉 いてふもみぢ

二大樹の銀杏黄葉の消耗戦 燕音

銀杏黄葉落つときスイッチバックして 宿好

大銀杏黄葉間引かれ素寒貧 宿好

縣廳前馳すバス銀杏黄葉いろ 随笑

●錦木 にしきぎ

錦木の錦を蔵ふ季来たり 石鏡

●蔦紅葉

一番の冷え込みありぬ蔦紅葉 燕音

逗子市役所

全館を覆ふに足らぬ蔦紅葉 随笑

今市

蔦紅葉して今市の杉並木 寒暑

松のぼることたやすけれ蔦紅葉 寒暑

●草紅葉

幼な子の見て見て見ての草もみぢ 鳩信

アスピーテライン上りの草もみぢ 寒暑

草もみぢミニチュア火山の裾野にも 寒暑

揚舟の艫の下草もみぢして 石鏡

●水草紅葉

いち早く湯川水草黄葉せり 随笑

家鴨があがあ云ふなか水草紅葉せり 石鏡

●野山の錦 野の錦 山の錦

飛倉は野山の錦一っ跳び 鳩信

仁丹の看板のこる野の錦 寒暑

奥鬼怒

序の口の山の錦といふべかり 寒暑

●紅葉且つ散る

紅葉且つ散りて渓流走らする 寒暑

●黄落 黄落期

黄落のいてふ男時の杜抜けて さざ

黄落の骨うづむなら西林寺 ぱら

アムール虎右往左往の黄落期 鳩信

乗鞍の巖も黄落せんとせり 素抱

上高地乗鞍林道

黄落の泡の湯で乗る五人組 素抱

大正初期植ゑしカラマツ黄落期 素抱

黄落の雨の跳ね見ゆ木道に 素抱

木道の終端黄落振返る 素抱

黄落どき葉っぱのフレディ舞ふ林 石鏡

デイケアバス黄落に頭を振り振り来 石鏡


●欅紅葉 句集未所収


吹かれゐる欅もみぢの細葉かな

欅もみぢ若木ばかりの並木道

欅もみぢ潜り神社は正面より

産土の老若欅紅葉して

日表に欅もみぢの欅いろ

大欅もみぢいっぽん谿を統べ

訪うならば欅もみぢの頃がよし

二タもとの欅もみぢの色違ひ

雨往(い)んで欅もみぢに差し込む日

欅もみぢ一色二色三色かな

足柄の欅紅葉は神寂びて

頃合いの欅もみぢの彩と見ぬ

谷戸のそら欅もみぢの幽かな搖れ

欅もみぢ始まるところ指させる


以上


by 575fudemakase | 2017-10-25 14:55 | 秋の季語 | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://fudemaka57.exblog.jp/tb/27493382
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

プロフィールを見る

S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

カテゴリ

全体
無季
春の季語
夏の季語
秋の季語
冬の季語
新年の季語
句集評など
句評など
自作
その他
ねずみのこまくら句会
未分類

以前の記事

2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
more...

フォロー中のブログ

ふらんす堂編集日記 By...

メモ帳

▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

検索

タグ

最新の記事

観覧車 の俳句
at 2017-12-18 09:19
海豹 の俳句
at 2017-12-18 09:14
後評(2017・12)
at 2017-12-18 04:31
映画 の俳句
at 2017-12-15 09:21
歳時記 の俳句
at 2017-12-15 08:02

外部リンク

記事ランキング