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新版 角川俳句大歳事記 春 生活 を読んで(575筆まか勢)

新版 角川俳句大歳事記 春 生活(575筆まか勢)
新版 角川俳句大歳事記 春 生活 を読んで(575筆まか勢)_b0223579_17294385.jpeg
絵踏
絵踏せぬ人をあやめし地獄これ
ぜすきりしと踏まれ踏まれて失せたまへり
小さなる小さなる主を踏まさるる
主のお顔なくなつてゐし踏絵かな

初午
初午や顔見せによる乳母が宿
初午の祠ともりぬ雨の中
初午の朱の塗りたての稲荷駅
初午や束ねて太き巫女の髪
湯の街のとある小路の午祭

二の午
二の午や幟の外に何もなし

二月礼者
出稽古の帰りの二月礼者かな
二月礼者舞台衣裳のまま来る

二日灸
笈磨れの尊き肩や二日灸
老足に足袋美しや二日灸
二日灸据えて代々能役者

事始
朱と墨を恃む篆刻事始

春ごと
板の間に立つ春事の酒の瓶

出替
出がはりの酒しゐられて泣きにけり
出替の笑ひにふくむなみだかな
新参に言つて良いこと悪いこと

針供養
布目よき豆腐をえらみ針供養
ぬきんでて畳針なり祀らるる
祭らるゝ針の林のしじまかな
白紙につつみて来たり針納め

春聯
春聯の戸に鼻当てて驢馬鳴けり

雛市
雛市や浅間小浅間晴れわたり
雛店の雛雪洞の総てに灯

雛祭
裏店や箪笥の上の雛まつり
雛まつり薬罐も笛の音色して
裏窓に富士の裾曳く雛まつり
かんばせのひびのかなしき雛かな
天平のをとめぞ立てる雛かな
雛の座を起つにも齢の骨鳴りて
雛を手に取れば聞こゆる雛の息
これはこれは貝雛の中混み合へる
うす紙のふくらむところ雛の鼻
黒髪の根よりつめたき雛かな
土塊をちんとひねりし雛のかほ
あくびして五人囃子の三人目
親しさは老左大臣雛の宵
仕る手に笛もなし古雛

雛遊
御雛をしやぶりたがりて這子かな

雛流し
雛流し松籟これを悼みけり
天仰ぎつづけて雛流れゆく
老いらくのはるばる流し雛に逢ふ
瀬頭にかかり弾みぬ流し雛
指先を離れて流し雛となる

雛納め
紐すこし貰ひに来たり雛納め
納雛閾に一寸置かれけり
間紙の皺の歳月雛納
雛納雛より鼓とりあげて

闘牛
牛角力の花道うづめ落椿

鶏合
勝鶏の抱く手にあまる力かな
鶏合せ雨に勝負の見えきたる
闘鶏の眼つぶれて飼はれけり
闘鶏のばつさばつさと宙鳴れり
負け鶏を蛇口に伏せて洗ひけり

雁風呂
雁風呂や海あるる日はたかぬなり
乾ひたる藻を焚き付けに雁供養
 
彼岸会
鳶の輪の下に鉦うつひがんかな
彼岸会や九十過ぎし者同士

遍路
道のべに阿波の遍路の墓あはれ
雨やどりやがて立ちゆく遍路かな
村の子に覗かれほどく遍路の荷
夕遍路今さらさらと米出しあふ
この島の遍路道ならざるはなし
乾かしてまた雨を行く遍路笠
遍路杖こまごまと物固結び

伊勢参
大声で桃の里行く伊勢参
このたびは伊勢詣とて又も留守
伊勢参海の青さに驚きぬ

渡り漁夫
渡り漁夫荷に一冊の文庫本

四月馬鹿
飽きるほど麒麟見ている四月馬鹿
万愚節主治医が病んでしまひけり
四月馬鹿玉子を産まぬ鶏飼つて

入学試験
受験子の明日上京の靴揃へ
まつすぐに来し受験子に道ゆづる
すつきりと丸刈りにして受験の子

大試験
大試験山の如くに控へたり
大試験巷の音を遠くしぬ
大試験終へ鉄棒に逆上り
大試験最中の欠伸たて続け

落第
落第の子もゐて言葉選びをり

卒業
たゞならぬ世に待たれ居て卒業す
潦あれば日があり卒業す
寄せ書にちらりと本音卒業す
卒業の握手を強く返しけり
而して以下同文と卒業す
卒業の涙を笑ひ合ひにけり
なつかぬ子なつかぬままに卒業す

春休
鉛筆一本田川に流れ春休み

進級
進級の二子に碌々たる父ぞ
どの絵にも太陽ありて進級す

入学
入学の朝ありあまる時間あり
入学の吾子人前に押し出だす
入学児に鼻紙折りて持たせけり
前歯一本欠けたる笑みや入学す
小さき手を大きく振って入園す
お兄ちゃんだから一年生だから

新社員
新社員リュックサックを負うて来ぬ

春闘
汽車止めて春闘といふ誰が為ぞ

メーデー
ごみ箱に乗りメーデーの列を見る
ガスタンクが夜の目標メーデー来る
労働祭赤旗巻かれ棒赤し

ゴールデンウィーク
ゴールデンウィーク終る海に雨

遠足
遠足の女教師の手に触れたがる
遠足の列大丸の中とおる
遠足やつねの鞄の教師たち
遠足の殿はまだ議事堂に
遠足のまた同じ子の叱られて
遠足の静かに通りもの足らぬ

花衣
花衣ぬぐやまつはる紐いろいろ
花衣紺を己の色として
半衿の色変へてけふ花衣
手を貸して母を立たせる花衣
てのひらをすべらせたたむ花衣

春の服
リボンより古くなりゆく春の服
他所行きの体通して春の服

春外套
臀(ゐしき)皺付けたる春のコートかな

春ショール
春ショール身軽すぎるは不貞めく

春帽子
行先は胸中にあり春帽子

春手袋
いまさらの夫との距離や春手套

春日傘
春日傘まはすてふこと妻になほ
流れ藻に遅れて歩く春日傘

花菜漬
雨音にひとりうなづく花菜漬
うれしさの啄むやうに花菜漬
夫の忌は嫁にもどりて花菜漬

蕗味噌
蕗味噌の適ふ小器晩年や
蕗味噌の苦み尊しいのちなが

桜漬
桜湯や受けて応へて佳き言葉
ゆさぶりて桜湯の花ひらかせり

木の芽味噌
木の芽味噌朱の濃くなりし鮠を焼く
ばあちゃんの味てふ山椒味噌辛し

田楽
雨だれを聴く田楽の焼けるまで
田楽を食ふに等しく前のめり

青饅
青饅のにぎはひといふ貝の足

独活和
独活和や山の泊りも三日なり

鮒膾
水楼や出舟待つ間の鮒膾
墨東の雨こまやかに鮒膾

田螺和
老たのしいつまでかんで田螺和

蜆汁
ほんの少し家賃下りぬ蜆汁

蒸鰈
若狭には仏多くて蒸鰈

干鰈
春月のひと夜の白さ干し鰈

白子干
昨日今日波音のなし白子干
白子干風の国なる遠江

目刺
重なりて同じ反りなる目刺かな
失せてゆく目刺のにがみ酒ふくむ
目刺より抜く一本のつよき藁
燃えながら皿にとらるる目刺かな
目刺焼く路地の先なる海見えて
風荒るる土佐のほほざし歯にあてて

干鱈
軍配のやうな干鱈を叩き売り
未知の地に家族かたまり干鱈裂く
棒鱈の尺の揃ひて吊られけり

壺焼
壺焼やいの一番の隅の客

鶯餅
鶯餅裏山はいまこんな色
病床に払ふうぐひす餅の粉
街の雨鶯餅がもう出たか

草餅
草餅や二三本ある草の筋
草餅や橋のたもとにして老舗
草餅の包みに掛けて赤い紐
草餅を焼く天平の色に焼く
大仏に草餅あげて戻りけり

桜餅
桜餅買うて力士の遊山かな
三つ食へば葉三片や桜餅
とりわくるときの香もこそ桜餅
駒込に菩提寺を訪ふ桜餅

白酒
白酒の紐の如くにつがれけり
白酒に沈みてしんとめしの粒

菱餅
ひし餅のひし形は誰が思ひなる

雛あられ
雛あられ両手にうけてこぼしけり
色あはきいびつを愛すひなあられ

椿餅
食べ終えて葉を重ねけり椿餅

菜飯
母訪へば母が菜飯を炊きくれぬ
箸置いて菜飯の色を賞でにけり

嫁菜飯
納骨といふ旅立の嫁菜飯

白魚飯
一亭の網代天井白魚飯
白魚鍋川の夕霧濃くなりぬ
惜別の一盞ここに白魚汁

土筆飯
土筆めし山妻をして炊かしむる

干蕨
干蕨山家の春は尽きにけり

干薇
陰干しにせよ魂もぜんまいも

蛤つゆ
汁椀に大蛤の一つかな
蛤のひらけば椀にあまりけり
舌やいて焼蛤と申すべき

治聾酒
治聾酒の酔ふほどもなくさめにけり

桃の酒
おやも子も同じ飲み手や桃の酒
桃の酒も李白は一斗例のごとし

春窮
春窮の僧がつたへし奈良茶飯

春灯
春燈やはなのごとくに嬰のなみだ
春燈にひとりの奈落ありて坐す
障子今しまり春の燈ほとともり
春の燈や女は持たぬのどぼとけ

春障子
み仏のほかゐたまはず春障子
春障子越しにひとこゑ掛けにけり

春の炉
春の炉に焚く松かさのにほひけり

春炬燵
春炬燵みんな出かけてしまひけり
書を置いて開かずにあり春炬燵
わが死後のことにも及び春炬燵
ここだけの話たのしむ春炬燵

春火鉢
春火鉢あればあつたで手をかざす
坐りたる所に遠く春火桶
いぶる炭とりのけ春の火桶かな

炉塞
炉ふさぎや床は維摩に掛け替る
塞がむと思ひてはまた炉につどふ
炉塞ぎの畳をならす踏み応へ

厩出し
頂につらなる雪に厩出し
噴煙の真直ぐに立てる厩出し
厩出し一握の塩ふるまはれ
雪舐むる他なし蝦夷の厩出し

北窓開く
山のほか見えぬ北窓開きけり

雪囲
雪囲解き山をなす藁と縄

車組む
車組む馬屋にあかりとり一つ

屋根替
屋根替の藁全量を火となせり
屋根替の段取りに日の暮るるまで
葺替のもつぱら萱を運ぶ役

垣繕ふ
天鵞絨(ビロード)の苔傷めまじ垣繕ふ

松の緑摘む
別院の外堀のはや緑摘む

麦踏
麦踏に金覆輪の入日あり
麦踏の手をどうするか見てゐたる
麦踏んでいるうち眼潤みけり
風の日の麦踏遂にをらずなりぬ
歩み来し人麦踏をはじめけり

野焼く
あつまれば昔のやうに野焼かな
野を焼いて帰れば燈下母やさし
青空の塞がってゆく野焼かな
落日を野火の面に見うしなふ
昼の野火ためらふときはなまめける
遠野火といふ憧れに似たるもの

山焼く
身の丈を越ゆる火の丈阿蘇を焼く
山焼く火檜原に来ればまのあたり

芝焼く
芝焼いて曇日紅き火に仕ふ

農具市
にはとりが叱られてゐる農具市
鍬一丁買ふに駆引き農具市

千年の昔のごとく耕せり
赤人の富士を仰ぎて耕せり
春耕の一鍬にして断乎たり
叱られて耕馬はまこと一馬力
耕耘機心許なき音出せり

田打
かへす田やよそにも牛を呵る声
どこからとなく現れて春田打つ
生きかはり死にかはりして打つ田かな
谷底に田打てる見えて一人なり

畑打
動くとも見えで畑打つ男かな

畦塗
わが影に畦を塗りつけ塗りつけて
塗り了へて畦直なるに汽笛添ふ
あらましの畦はぬられて関ヶ原
塗畦のぐうつと曲りゐるところ

種物
ものの種にぎればいのちひしめける
種売のとり出す種の多からず
種袋妻の耳にも振りにけり
先代の顔となりたる種物屋

種選
手ぬぐひの端に風ある種選び
指先の水にしびれし種選み

種井
月影に種井ひまなくながれけり
散らばって鯉のをさなき種井かな

種俵
種俵つゝき遊べる小魚かな
種俵緋鯉の水につけてあり

種浸し
種浸し俵にすだく小蜷かな

種蒔
種蒔ける者の足あと洽しや
種蒔けば天をかぎりの夕焼ぞ
身のうちに水のひびきの種下ろし

苗床
苗床にをる子にどこの子かときく

苗札
苗札の花の名一字土の中
太陽が出る苗札のうしろより

苗木市
奥多摩の山見えてゐる苗木市
きんかんの実のこぼれをる苗木市
苗木市丈なすものは凭れ合ふ
楼門に立てかけもして苗木市
苗木市泥に落ちたる値札かな
ねんごろに土掃いて去り苗木売
苗木提げなほも見てをり苗木市
 
植木市
植木市当て字ばかりの名札付く
訛には訛で返し植木市

物種蒔く
庭に出でて物種まくや病み上り

花種蒔く
花種を蒔く古妻や子等左右
花種を蒔き常の日を新たにす
花の如花種袋土に挿し

芋植う
佐久平一歩に一個薯植えて
芋植ゑて息つく雨となりにけり

馬鈴薯植う
馬鈴薯を前へならへと植ゑてゆく

剪定
剪定の脚立の足の搔きし土
剪定のすめば日輪力あり
剪定の右手が探る腰鋏
剪定のときどき顔を顰めけり

接木
ふるさとを語り接木を語りけり

挿木
一枝の葉の凜として挿木かな
挿木せしゆゑ日に一度ここに来る

菊根分
わけもなく故人の話菊根分

慈姑掘る
かげろふや泥脚乾くくわゐ掘
勾玉の慈姑泥より掘り出せり

若布刈る
若布干す天神様の庭を借り

海苔掻
此湾を塞ぎて海苔の粗朶はあり
海苔篊の影のさざなみ日和かな

羊の毛刈る
毛を刈る間羊に言葉かけとほす

桑解く
桑を解く伊吹に雪の厚けれど
解かれたる桑の彼方の八ヶ嶽

霜くすべ
霜くすべ終へたる父の朝寝かな

桑摘
桑摘むや桑に隠れて妙義の頭

蚕飼
大乳房たぷたぷ垂れて蚕飼かな
掃立や微塵のいのちいとほしみ
矍鑠たる父も在して蚕時
蚕時雨の食ひ足りてきし音となる

茶摘
茶を摘むや胸のうちまでうすみどり

製茶
もみあげて針の如くに玉露かな

蜆取
蜆舟少しかたぶき戻りけり
蜆選る漁夫のゴム長胸高に

馬蛤突
馬刀串にあはれは馬刀のちからかな

鮎汲
鮎汲みや喜撰ヶ嶽に雲かかる

魞挿す
竹積んで魞挿す舟と覚えたり

上り簗
簗あるぞ向ふみずにも登る鮎

磯竈
磯竈ほどけば髪のたつぷりと

磯開
濡れてより波をいとはず磯開

海女
命綱たるみて海女の自在鏡
はや母の顔にもどりて陸の海女

磯遊び
掌に揃ふ石の五色や磯遊び
磯遊びする子が走り波走る
子との距離いつも心に磯遊び
手を浸すばかりや妻の磯遊び

潮干狩
昔ここ六浦(むつら)とよばれ汐干狩
置きし物遠くなりたる汐干狩
汐干より今帰りたる隣かな

観潮
観潮船天井に潮映しけり
渦潮の曇天にして青奈落

踏青
踏青や城は櫓を残したる
踏青の一歩のつよき野のにほひ
ジーパンに詰め込む肢体青き踏む
青き踏む背骨一本たてとほし

野遊
野遊びの終り太平洋に出づ
野遊の野に忘れ来し何々ぞ
野遊や女は飴をあまた持ち

摘草
摘草や橋なき土手を何処までも
摘草や小川を跳ぶに助走して
摘草のつひに坐つてしまひたる
思はずも摘草となる遠出かな
籠の蓬抑へおさへてまだ摘める
おほらかな人と並んで土筆摘む
聞き役になりてひたすらつくし摘む

梅見
にはたづみいくつも越えて梅見かな

花見
骸骨のうへを粧うて花見かな
一僕とぼくぼくありく花見かな
何事ぞ花見る人の長刀
乗合は花見もどりか川蒸汽
ぐわつつんと此岸に着くや花見舟
一生のおほかた生きて花見酒

桜狩
妻知らぬ月日の中のさくら狩

花筵
凸凹の坐りごこちの花筵

花篝
花篝火の色今や得つゝあり

花守
花守のさらさらと水のみにけり

花疲
花疲れ糸の切れたる如く座す
鉄瓶の白湯の甘さよ花疲れ
土手につく花見づかれの片手かな

島原の太夫の道中
道中の今や拍子木鳴らしゆく

都をどり
鉦チョキチョキ都踊は今なかば
都踊はヨーイヤサほゝゑまし
都踊今年かぎりの老妓にて

東をどり
遅き妓は東をどりの出番とや

ボートレース
競漕のオールをさめてなほ滑る

猟期終る
猟期果つ犬の首輪が三宝に

凧(いかのぼり)きのふの空のありどころ
ゆく春や鄙の空なるいかのぼり
いかのぼり東寺八坂の塔の間
夕空や日のあたりゐる凧一つ
大凧の堕つる一度は立直り
星たちの集まってきし懸り凧
凧糸の白のひとすじ身より出て

風船
風船が乗って電車のドア閉まる
手にしたる風船見あげては走る
風船浮く紐が畳にさはりゐて
おしまひは母が息足す紙風船

風車
風車とまりかすかに逆もどり
風車持ちかへてよく廻りけり
とりあへず空壜に挿し風車

石鹸玉
石鹸玉まだ吹けぬ子も中にゐて
流れつつ色を変へけり石鹸玉
空よりも広いものなし石鹸玉
しやぼん玉独りが好きな子なりけり
膝頭そろへふたりのしやぼん玉
禅僧の払ひのけたるしやぼん玉

鞦韆
鞦韆は漕ぐべし愛は奪ふべし
ぶらんこの三つあれば母真ん中に
ぶらんこに乗りネクタイをひらめかす
ふらここの真顔同士の漕ぎくらべ

春の風邪
病にも色あらば黄や春の風邪
すぐれぬといふはこのこと春の風邪
春の風邪今日一日の閑得たり
水に皿沈めて眠る春の風邪
春の風邪あなどりあそぶ女かな

種痘
鋭きもののこちら向きなる種痘
種痘痕なるいもがさを掻きにけり

花粉症
気の毒に君気の毒な花粉症

朝寝
朝寝せり孟浩然を始祖として
毎日の朝寝とがむる人もなし
寝くたれて朝寝いよいよ起き難し
帰国して畳の朝寝ほしいまま
大朝寝大往生に似たるかな

春眠
春眠の覚めつゝありて雨の音
春眠の身の閂を皆外し
春眠のきれぎれの夢つなぎけり

春の夢
片付けぬから片付かず春の夢
しまひまで見てしまひけり春の夢

春興
春興や頬杖ついて海の上
酔筆におよぶ春興きりもなや

春愁
春愁や冷えたる足を打ち重ね
春愁の頸ふることや空木馬
春愁のつくづくとわが大きな掌
春愁やかたづきすぎし家の中
春愁や掌にへこへこと紙コップ


          春 生活 終  
(注)作者名は原著を当たられたし
(高澤良一)
個人的には 龍太の提唱した“俳句は無名が宜し“を信奉します

by 575fudemakase | 2022-04-22 03:46 | ブログ


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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