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ほんに、読書とは「急がば、回れ」である。

ふむふむ          ふむふむ
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古典に学ぶ科学の本質 大栗博司さんの研究を支えた本
東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構長

おおぐり・ひろし 1962年生まれ。米シカゴ大学助教授などを経て2000年米カリフォルニア工科大学教授。18年から現職を兼務。専門は素粒子物理学。

小学生のころ、近所の書店に毎日のように通い、本の面白さを知る。
故郷の岐阜市柳ケ瀬には、自由書房という県内最大の書店がありました。アパレル業を営んでいた両親の店の近くで、学校帰りに寄ってツケで本を購入できました。店員とは顔見知りだったし、気に入った本は買うので、立ち読みしても嫌がられませんでした。

まず熱中したのが科学マンガです。シリーズの全巻を買って繰り返し読み、内容を全て覚えました。次に伝記。ニュートンやキュリー夫人、湯川秀樹などの科学者を知りました。湯川の伝記には、真夜中の布団でノーベル賞を受賞する中間子を思いついたと書いてあります。思考の力で自然界の真実にたどり着いたことに感動しました。

小学校高学年になると文庫や新書コーナーに出入りするようになり、次第に2階にある高校生向けの参考書を立ち読みし始めました。本をパラパラとめくりながら読むことを英語でブラウズと言います。放牧された牛や馬が草を食べる様子を表す言葉だったのが、本の斜め読みにも使われるようになりました。小学生のころの私は書店に放牧された結果、本に目覚めたのです。

松尾芭蕉が提唱した「不易流行」に科学探究の本質があると考える。
中学校や高校で『平家物語』や『おくのほそ道』などを暗唱させられ、古典のおもしろさを知りました。おくのほそ道を読むと、芭蕉の変化を感じます。太平洋側を旅していたころは世の無常を読んだ俳句が多いのですが、山を越えて日本海側に進むと自然や宇宙の壮大さがテーマになります。例えば「荒海や佐渡に横たふ天の河」。宇宙は変転極まりない流行であり、永遠不変の不易でもある。宇宙の両面を示す句です。いつまでも変わらないものの中に新しい変化を取り入れる不易流行の境地に芭蕉が至ったのは、出羽三山の羽黒山を訪れたときだといわれています。

物理学の目標は自然界の法則を発見し、宇宙の謎を解くことにあります。研究の現状をよく理解し、学問を大きく進歩させるポイントは何かを見極めねばなりません。基本法則は不易です。今の流れを知って問題を見極める。これは流行です。この両方が大切です。

科学者として指針になったのが高校生のときに読んだ『科学と方法』です。最後の章で「幅広い分野に影響を与える普遍的な発見にこそ価値がある」と書いてあります。学問は進歩するにつれて細分化が進みます。普遍性のある発見は細分化した分野に新たなつながりを生み、発展を促します。新しいテーマに取り組む際は「普遍的な価値があるか。広い分野にインパクトを与えられるか」と問いかけています。

過去の失敗から学ぶことは多い。
問題を見つけても、価値のある発見につなげることは簡単ではありません。そこで重要になるのは「粘り強く考え続ける力」です。『失敗の本質』は考え続けることを放棄した日本軍の失敗を解説しています。短期決戦志向や長期的展望の欠如、情報や兵たん、科学的思考の軽視による失敗はどんな世界にも当てはまると思います。

これに対し『宇宙の果てまで』は粘り強さが成功につながった例でしょう。巨大望遠鏡「すばる」をハワイに建設する構想から予算折衝、制度改革に奔走した研究者の物語です。「外国に国有財産を置いた例がない」「なぜ日本が作らなければならないのか」。こうした問題を諦めずに対処し、解決策を考えたことがわかります。

言葉の力を鍛えることが重要だ。
大学教員や科学者として重要だと感じるのは言葉の力です。講義や学会発表などで強く印象に残るからです。『万葉集』などでも、天皇や側近が読んだ歌は言葉の力を感じさせるものが多い。

『リンカーン演説集』は参考になります。リンカーンはユークリッドの数学書『原論』を読んで立証の意味を学びました。原文を読むと数学的なセンスを感じる部分があります。例えば、自由と平等の原則を訴えたゲティズバーグの演説では「proposition」という単語が使われています。信条と訳されていますが、数学では「命題」です。論理的に判断した結果だという意味を込めたのでしょう。

(聞き手は編集委員 青木慎一)
日経 2022年8月6日付 リーダー 本棚より

以上

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by 575fudemakase | 2022-08-07 13:41 | ブログ


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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