2014年 12月 28日 ( 11 )

狐罠

狐罠

例句を挙げる。

なみだ目の湖の宵星狐罠 平井さち子 紅き栞
ふか~と創ある老樹狐罠 花田春兆
天上の日を鎮めゐし狐罠 磯貝碧蹄館
星に吹く強き風あり狐罠 黒田咲子
狐罠かけきし夕餉黙し食ふ 亀井糸游
狐罠かけて冠を正しけり 広瀬盆城
狐罠かけて夕日を大きうす 大峯あきら 宇宙塵
狐罠かけもし炭も焼けるかな 林夜詩桜
狐罠はじきとばして猪逃ぐる 古川芋蔓
狐罠一村智恵を同じうす 長谷川双魚 風形
狐罠女もつよき地酒欲る 水谷芳子
狐罠日沈むとき月のぼる 大峯あきら
狐罠月あをあをと出でにけり 山木洋子
狐罠狸罠あり異らず 細川加賀 生身魂
狐罠覗く狐の顔をして 大立しづ
狐罠野犬荒すと炉守言ふ 福田蓼汀 秋風挽歌
美しき夕日三日や狐罠 大峯あきら
雪山の初明りして狐罠 小坂順子
餌も失せて風のままなり狐罠 大網信行
鶏の足を呼び餌に狐罠 上村佳与
黎明の星みな強し狐罠 大峯あきら

以上
by 575fudemakase | 2014-12-28 00:28 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)

のっぺい汁

のっぺい汁

例句を挙げる。

うろたへて嘘言ふ老母のっぺ汁 草間時彦
のっぺい汁妻の都会になじめざる 柴崎左田男
のっぺ汁伽藍にひびく夜の音 渡辺七三郎
のっぺ汁絶やさずあれば機嫌よき 相馬 真砂子
のつぺ汁昔ぜいたく憎みけり 宮田静江
のつぺ汁狐の化けしものがたり 町田しげき
婆依怙地爺臍曲がりのつぺ汁 川村紫陽
病人の一と匙で足るのつぺ汁 前内木耳
車座に宇宙の話のつぺ汁 赤尾恵以

以上
by 575fudemakase | 2014-12-28 00:26 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)

狸罠

狸罠

例句を挙げる。

人間に見えてをりけり狸罠 茨木和生 三輪崎
大江山生野の道の狸罠 富安風生
消防士非番の狸罠かくる 富永 花鳥
狐罠狸罠あり異らず 細川加賀 生身魂
狸罠かけてそしらぬ顔をして 赤沼山舟生
狸罠かけて後生も願はざる 清原枴童
狸罠仕掛けて忘れ逝きにけり 和湖長六
狸罠掛かりし酒に招かるゝ 渡辺流萍
狸罠燈台の灯の淡く過ぎ 斎藤梅子
狸罠見について行く頬かむり 中村春逸
狸罠見回りに持つ棒一本 橋本榮治 越在
返したる足跡のあり狸罠 金川晃山
逃げてゐてくれし狸や狸罠 鶴丸白路
風が抜ける狸かからぬ狸罠 成瀬櫻桃子

以上
by 575fudemakase | 2014-12-28 00:25 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)

納豆汁

納豆汁

例句を挙げる。

うつくしき句をそしりけり納豆汁 小杉余子 余子句選
ひたぶるに旅僧とめけり納豆汁 月居
ふるさとに忌を修しけり納豆汁 新井悠二
二三子を招かばやと思ふ納豆汁 会津八一
人道のよよとまゐりぬ納豆汁 蕪村
俳諧の堂に入りけり納豆汁 青木月兎
僧と居て古び行気や納豆汁 炭 太祇 太祇句選
入道のよゝとまいりぬ納豆汁 蕪村 冬之部 ■ 題七歩詩
午近く主人起きけり納豆汁 癖三酔句集 岡本癖三酔
反椀は家にふりたり納豆汁 黒柳召波 春泥句集
天領の村の葬儀や納豆汁 木下咲子
山寺に杣雇ふ日や納豆汁 岡本癖三酔
我庵の暖炉開きや納豆汁 正岡子規
斎(とき)腹の便々たりや納豆汁 黒柳召波 春泥句集
旅疲れ納豆汁に酔ひて居り 赤塚喜美枝
早咲の梅の香もあり納豆汁 黎鶏
朝霜や室の揚屋の納豆汁 蕪村 冬之部 ■ 題七歩詩
板の間に敷く座布団や納豆汁 草間時彦
機不況口には出さぬ納豆汁 松本 ます枝
海へ鳴る五山の鐘や納豆汁 会津八一
直会の辛き地酒と納豆汁 山崎千枝子
砧盡て又のね覚や納豆汁 榎本其角
禅寺や丹田からき納豆汁 夏目漱石
箸割れば響く障子や納豆汁 石塚友二
糟糠の妻が好みや納豆汁 高浜虚子
納豆汁おのが機嫌をとれずをり 岡田史乃
納豆汁に口すぼめ語る天保火事 島村元句集
納豆汁僧に参らす妻忌日 柴田松雪
納豆汁冬嶺孤松秀でたり 佐藤飯人
納豆汁坂東をなほ軽んずる 大石悦子 百花
納豆汁必くるゝ隣あり 高井几董
納豆汁教師が故の貧しさに 小林宗一
納豆汁旅に教師の髯のびぬ 近藤馬込子
納豆汁杓子に障る物もなし 石井露月
納豆汁比丘尼は比丘に劣りけり 黒柳召波 春泥句集
納豆汁犬も喰はざる喧嘩かな 会津八一
納豆汁腹あたたかに風寒し 正岡子規
練り繰りや烟に落ちる納豆汁 調和 選集「板東太郎」
老僧の洟をすゝつて納豆汁 寺田寅彦
腸をさぐりて見れば納豆汁 許六(臘八)
膳の時はづす遊女や納豆汁 炭 太祇 太祇句選
臘八や腹を探れば納豆汁 許六 極 月 月別句集「韻塞」
藁づとに客な引きけり納豆汁 自笑 選集「板東太郎」
行脚せば振舞ひうけん納豆汁 伊藤観魚
言ひ澱むには都合よき納豆汁 折原あきの
達磨忌や廓然として納豆汁 会津八一
陋巷に尚生きる身や納豆汁 峰青嵐
雪国の朝はすがしや納豆汁 今城余白
雪見舟葱ふんだんに納豆汁 佐川広治
霜の降る落葉となりぬ納豆汁 癖三酔句集 岡本癖三酔
飽食の子等の好みの納豆汁 高田洋子
なつと汁雪のとびつく戻り舟 角川春樹

以上
by 575fudemakase | 2014-12-28 00:25 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)

兎狩

兎狩

例句を挙げる。

しぐるゝや笹原もどる兎狩 寺田寅彦
一揆塚野をほうほうと兎狩 中拓夫 愛鷹
兎狩すみたる牧の扉を閉めて 佐藤念腹
兎狩する頃合の雪降りし 居附稲声
兎狩などと一笑されにけり 茨木和生 往馬
兎狩ふたたび牡丹雪となる 依田由基人
兎狩古き海老刺網張りて 茨木和生 遠つ川
兎狩枯木枯枝鳴らしつゝ 西沢破風
兎狩隣の国も山ばかり 大峯あきら
城内に兎狩する枯野かな 野村泊月
学校をからつぽにして兎狩 茨木和生 遠つ川
寺の障子の近くへ兎狩り立てし 廣江八重櫻
少年の夜々の夢なる兎狩 石塚友二
山の兎狩りおろす湖の氷かな 菅原師竹句集
懸鳥の兎狩らむと集まれり 茨木和生 倭
渤海に傾ける野の兎狩り 石田波郷
臍の緒を母屋にしまひ兎狩る 大石雄鬼
躍る胸持ちてありし日の兎狩 小木ひろ子
人間がときどきかかり兎罠 今瀬剛一
人間の足がかかりぬ兎罠 福田蓼汀 秋風挽歌
兎罠いびつに山の月昇る 江部二峰
兎罠かけし昂り子の屯 村上しゆら
兎罠かけて口笛もう吹かず 宮坂静生 雹
兎罠その上を行く風ばかり 今瀬剛一
兎罠もつ山賊の眼の少年 赤座閑山
兎罠雪をくぼめてありにけり 井桁蒼水
少年の夜々の夢なる兎罠 石塚友二 光塵
平家武者敗走のみち兎罠 國本正巳
恐山閉ざし麓の兎罠 松本進
朴の葉をいちまい噛みて兎罠 木内彰志
歯朶刈りしところに仕掛け兎罠 宮脇和正
猟犬が嗅ぎていぶかる兎罠 米澤吾亦紅
裏山に出て雪ありぬ兎罠 鈴鹿野風呂
裏山の残雪になほ兎罠 高濱年尾 年尾句集
遠まきに杣のぞきをり兎罠 美柑みつはる
針金の輪のみにあはれ兎罠 福田蓼汀 秋風挽歌
針金を輪にせるのみの兎罠 矢野間妙子
雪晴の月夜をたのみ兎罠 桑田青虎

以上
by 575fudemakase | 2014-12-28 00:23 | Trackback | Comments(0)

狸汁

狸汁

例句を挙げる。

すけといふは女の隠語狸汁 稲垣きくの
分校の或日給食狸汁 江本 如山
善悪の玉の浮世の狸汁(加賀鶴来和田屋投宿) 上村占魚 『天上の宴』
壁を背に唐紙を背に狸汁 高木晴子 晴居
寒菊は白き一輪狸汁 山口青邨
心電図とられしあとの狸汁 星野秀則
方正を守る豆腐や狸汁 石井露月
段々に部屋暖かく狸汁 高木晴子 晴居
烏賊徳利灰に突つ立て狸汁 北川蝶児
狸汁あすゆく山を月照らし 下田稔
狸汁もう一杯と言はせたる 泉田秋硯
狸汁喰べて睡むたうなりにけり 大橋越央子
狸汁山のいただき夜も見えて 小林輝子
狸汁座中の一人ふと消えぬ 佐藤紅緑
狸汁煮えこぼれゐる榾火かな 橋本鶏二
狸汁背中見られぬところに座 吉田紫乃
狸汁花札の空月真赤 福田蓼汀
百姓に雨の一日狸汁 松本 ます枝
眼帯をはづして狸汁すする 山上荷亭
色欲の僅かを恃む狸汁 鈴木鷹夫
蔵王の裾に棲み古り狸汁 渡辺蔵王
裏戸よりのそりと顔や狸汁 鶴丸白路
跫音は座敷童子か狸汁 武市明子
酔うてゆくわれを知りをり狸汁 星野立子
鍋尻がチカチカ燃えて狸汁 富安風生
髪そめて妻のあはれや狸汁 石橋秀野

以上
by 575fudemakase | 2014-12-28 00:22 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)

年木樵

年木樵

例句を挙げる。

しなやかなみどりを踏みぬ年木樵 山本洋子
どちらへ倒す評定ながし年木樵 西山泊雲 泊雲
ふみ渡る伏木の苔や年木樵 楠目橙黄子 橙圃
下総の丘の低きに年木樵 水原秋櫻子
年木樵けふの入日を拝みけり 白水郎句集 大場白水郎
年木樵その天彦をくりかへし 稲荷島人
年木樵つて呉の舟人に売りにけり 比叡 野村泊月
年木樵ふたり縹の空の下 友岡子郷 春隣
年木樵また白雲の流れ込む 友岡子郷 日の径
年木樵ゐるらし煙あがりけり 遠藤正年
年木樵峯に車をのぼしけり 松瀬青々
年木樵日ざし讃へてとほりけり 児玉輝代
年木樵木の香に染みて飯食へり 前田普羅 新訂普羅句集
年木樵無灯自転車にて帰る 辻桃子 ねむ 以後
年木樵老いぬ高嶺をいたゞきて 小川枸杞子
年木樵鴉の羽根をつけ戻る 皆川盤水
日ざし移る尾の上明るく年木樵 金尾梅の門 古志の歌
木隠れにもひとりゐるも年木樵 池内たけし
梟の目(ま)じろぎ出でぬ年木樵 芝不器男
湖の雲風にしたがふ年木樵 角川源義
湯の町の裏山に会ふ年木樵 茂里正治
空洞木に生かしおく火や年木樵 芝不器男
背袋にあまる手斧や年木樵 楠目橙黄子 橙圃
谷越に聲かけ合うや年木樵 太祗
車無きこの国人の年木樵 軽部烏帽子 [しどみ]の花
雪のふる空の高処に年木樵 宇佐美魚目 秋収冬蔵
富士見えぬ方が裏口年木積む 嶋田一歩
屋根裏にはんにち年木積むことに 長谷川素逝 村
市役所の渡廊下も年木積み 早川紀水
年木売櫺子に馬をつなぎけり 中村草田男
年木積み即ちこれを風除に 高浜虚子
年木積み居る山の温泉の朝茜 青木よしを
年木積み野の家々の豊なる 竹内素風
年木積むまさをな年の竹も積む 辻桃子
年木積むや凍らんとして湖青き 内藤吐天
年木積むや遥かに濁る町の空 鍵和田[ゆう]子 浮標
年木積む嵩にも生活しのばるゝ 坊城としあつ
年木積んでみより少き夫婦もの 阿部みどり女 笹鳴
年木積んで子らの遊び場かはりけり 上村占魚 球磨
年木積んで手を洗ふなり月の水 岡本松浜 白菊
曲り屋の窓庇まで年木積む 渥美鳴子
火山灰の村捨てぬたつきの年木積み 稲畑汀子
薩摩屋敷床下高し年木積む 大立しづ
餅花や暗きところに年木積む 角川春樹 夢殿
うれしさよ御寺へ年木まいらせて 黒柳召波 春泥句集
さるをがせつけてかなしき年木かな 富安風生
光悦寺余す年木の雪かげろふ 殿村莵絲子 牡 丹
冷めてゐる番茶甘露や年木作務 河野静雲 閻魔
切口に今年ひしめく年木かな 星野紗一
割台のへりて年木のよく割るる 阿部みどり女
千山は早くも年木用意かな 箱崎晴山
城廓のごとく年木を木曾長者 高橋東光
大ぜいの子に負はせ来る年木かな 大橋櫻坡子 雨月
大鉈を年木にかませ納屋に用 上野泰 春潮
夫婦してわき目もふらず年木結ふ 阿部みどり女 笹鳴
山川や年木をわたす綱かゝる 水原秋桜子
崇徳院御陵の年木かたづけよ 阿波野青畝
年木伐る右手に鉈を離さずに 高浜虚子
年木割かけ声すればあやまたず 飯田蛇笏 霊芝
年木割つててのひら若き筋はしる 榎本冬一郎 眼光
年木割つて少年の手の痛かりけり 山口誓子
年木割りたる掌や湯の香しみ 高橋冬青
年木割る夕日に僧の眉太き 羽田岳水
年木割る少年の日のわが姿 森田峠 逆瀬川
年木割る師弟の僧の代り合ひ 広瀬規木
年木売櫺子に馬をつなぎけり 中村草田男
年木屑飛んで空うつ時もあり 高浜虚子
年木負ひ下りくる足の確かな 依田明倫
年木負ひ杖しかと手に杣女房 上村占魚 球磨
年木負ひ降り来る足の確かな 依田秋葭
年木負ふ胸伏せ眼を上げ裏日本 草間時彦
晴れひと日年木をとりに家あけて 長谷川素逝 村
柄を替へて使ひよき斧年木割る 山川喜八
湖を打つて年木の一枝おろされぬ 前田普羅 新訂普羅句集
男体を崇む年木を軒に詰め 平畑静塔
盗まれし年木取りにやる父剛し 比叡 野村泊月
石垣のあひを負ひくる年木かな 大橋櫻坡子 雨月
老僕の頑固一徹年木割る 川端紀美子
舟路行年木や付る土左日記 井原西鶴
詣路の年木の松の匂ひけり 石田勝彦 秋興
赤々と年輪みえし年木かな 加藤三七子
追ひ炊きして白飯や年木宿 萩原麦草 麦嵐
遠目にも切口白き年木かな 千原叡子
針金張つて山から舟へ年木かな 比叡 野村泊月
鎌倉の鄙びや年木車くる 矢野蓬矢
雲碧く僧の頭青し年木作務 河野静雲 閻魔
青頭り法衣からげて年木作務 五十嵐 象円
黙々と雲衲はよし年木作務 河野静雲 閻魔

以上
by 575fudemakase | 2014-12-28 00:21 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)

報恩講

報恩講

例句を挙げる。

この谷の報恩講のしんのやみ 大峯あきら
こんにやくの煮しめの艶や報恩講 井上雪
しらぬまに鳩に囲まれ報恩講 大木あまり 火球
しわしわと老婆罷りぬ報恩講 村山古郷
一団の越後訛りや報恩講 立川昌子
京の娘に会ふ心当て報恩講 堀口新祐
俗にして門徒はうれし報恩講 四明句集 中川四明
咳一つ報恩講に置いてくる 星永文夫
咳払せねば出ぬ声報恩講 小松月尚
報恩講厠の草履はきしまま 大西尚子
報恩講大椀に盛るむかご飯 堀文子
報恩講後山西日の影流れ 飯田蛇笏 椿花集
報恩講来る九年母の熟れにけり 中本柑風
報恩講灯がちらちらと耳穴に 大山安太郎
報恩講覗くつもりの数珠袂 河野静雲
報恩講農の自動車闇に駐め 寒川北嶺
塗椀の薄紙古りて報恩講 井上雪
大いなる泡消えずいる報恩講 古庄智佳子
女湯に報恩講のお貼紙 黒田杏子
寺に来て落葉かく日や報恩講 石月洋子
小寺には小寺ながらに報恩講 矢野牛童
山の闇報恩講の灯を洩らす 津田清子
山路来て報恩講の白襖 大峯あきら
御院家に乳人の嫗報恩講 河野静雲 閻魔
戸締もなく寝る里の報恩講 阪田姉川
曇りゐて桐の実鳴れり報恩講 木村三男
椀の泣くいとこ煮汁や報恩講 吉田冬葉
海女もまた報恩講の中にあり 鬼頭進峰
熱湯が蛇口から出る報恩講 井上真理子
異端われに雪となりゆく報恩講 中尾良也
白湯うくる朱椀おほらか報恩講 赤松子
肉づきの鬼面をはがす報恩講 森本青三呂
舟出して報恩講荒れの天地かな 黒田杏子 花下草上
落葉掃く夕べのはやき報恩講 徳本映水
蓮を掘る日の前後して報恩講 高浜年尾
蟹売りの湯気をくぐりて報恩講 木村滋子
衣の裾に草の絮連れ報恩講 伊藤京子
道端の小便桶や報恩講 村上鬼城
野に山に報恩講のあかりかな 前田普羅
いちにちの微笑疲れや親鸞忌 井上雪
かけちがふ釦を正す親鸞忌 小池つと夢
くらがりに女美し親鸞忌 大峯あきら(1929-)
すすりゐる白湯のあまみや親鸞忌 森澄雄
みあかしの朱蝋あえかに親鸞忌 藤田しづ
ゆくところ雪のふるくに親鸞忌 西本一都 景色
わが代のかぎりは門徒親鸞忌 大橋桜坡子
一藁家に没日の光背親鸞忌 香西照雄
俳諧の他力を信じ親鸞忌 深見けん二 日月
僧にして大学教授親鸞忌 森薫花壇
冬青き樫に雨降る親鸞忌 秋光泉児
厨事するも寄進や親鸞忌 田原紫城
境内に古着市立つ親鸞忌 嵯峨柚子
大根の真只中や親鸞忌 大峯あきら
妻もまた僧籍に入り親鸞忌 蘭添水
寺の柿とり遅れたり親鸞忌 黒田櫻の園
寺も村も暗かりしかな親鸞忌 土田亘平
弥陀立ちてわれを呼ぶ声親鸞忌 藤平静々子
往診鞄暮雪に重し親鸞忌 伊与幽峰
手擦れたる仏書繙く親鸞忌 笹部秋江
捨藁の嵩に月さす親鸞忌 河北斜陽
昨日より今日あたゝかし親鸞忌 角川春樹
法悦の母うつくしや親鸞忌 森本五十鈴
潟の舟着きて客来ぬ親鸞忌 南部白夜
生も死も自然の歩み親鸞忌 富田潮児
百姓は野良着のまゝや親鸞忌 久我清紅子
蜑が家は残らず門徒親鸞忌 三井峡村
親鸞忌あまたの蝋火油煙立つ 堀内 薫
親鸞忌とは大銀杏仰ぐこと 大峯あきら
親鸞忌人の温みの下駄借りる 西島民江
親鸞忌北国婆の濃き匂 平畑静塔
親鸞忌小島は雲を集めたり 鍵和田[ゆう]子 飛鳥
親鸞忌身を粉にしても報ずべし 池田嘉禄
親鸞忌近き山影大いなる 飯島晴子
雨傘を横に払うて親鸞忌 桂信子 草樹
雨濡れの田づら赤らむ親鸞忌 田平龍胆子
雪に実を降らして松や親鸞忌 沼澤石次
風を嗅ぐ罠師の村や親鸞忌 高橋一翠
髪も黒綸子もほむら親鸞忌 赤松[けい]子 白毫
鯉料る寺に目覚めし親鸞忌 原裕 『新治』
お七夜の海女米袋かつぎ行く 荏原京子
お七夜の皿に余りて桜鯛 堤 京子
お取越新発意いまだあどけなく 岡田蕉風
お取越第一日のあたゝかし 尼子 凡女
参詣の人に冬涸れ御講水 高浜虚子
御七夜や法主に見ゆ白衣講 名和三幹竹
御講水帰り咲く花枝々に 河東碧梧桐
提灯の下にあそぶ子お霜月 銀漢 吉岡禅寺洞
斎膳の大根熱しお取越 内藤蕉雨
門番がたんを切るなり御講日和 一茶
御正忌の鯉を空輸の一仕事  高澤良一  石鏡

以上
by 575fudemakase | 2014-12-28 00:20 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)

歳暮

歳暮

例句を挙げる。

うなぎ屋が歳暮によこす味醂かな 龍岡晋
お次まで執事案内の歳暮客 野島無量子
お歳暮と鯉二尾淀の農家より 宮林爽司
お歳暮に庄助さんの國の酒 高澤良一 随笑 
お歳暮のあまりかさばりはづかしく 村松一平
お歳暮のしるべの道の一日かな 阿波野青畝
お歳暮の下見の筈が荷のふえし 江口久子
お歳暮の真心を解くリボンかな 岡林知世子
お歳暮の米の名前の佐賀錦 千川稚泉
お歳暮の蝦あち抑へこち抑へ 後藤綾子
お歳暮の雉子の尾長吊りながめ 皆吉爽雨
お隣のお歳暮ばかりあづかりし 谷口まち子
さる方や歳暮礼なる花一把 尾崎迷堂 孤輪
しんかんたる英国大使館歳暮れぬ 加藤楸邨
ときめきて紐解く歳暮子より来し 村井昌子
ないそでをなをふる雪の歳暮かな 井上井月
にんべんの節の切手や歳暮礼 蝶衣句稿青垣山 高田蝶衣
はらからの富まざるがよき歳暮かな 小川恭生
ひたむきに歳暮つかいひの急ぐなり 岡本松濱
パセリ水揚げて歳暮の波となる 蓬田紀枝子
一椀の歳暮の砂糖に童話読む 原子公平
北海のことし貌よき歳暮鮭 遠藤正年
声からして歳暮の人となりしかな 長谷川かな女 雨 月
大俎歳暮の鰤と格闘す 有岡和子
寝そべつているお歳暮の長芋が 佐藤鬼房
届きたる歳暮の鮭を子に持たす 安住敦
山国へ送る乾鮭歳暮かな 小澤碧童
師へ父へ歳暮まゐらす山の薯 松本たかし
息かけて押すお歳暮の受領印 杉 良介
教へ子の家業を継げる歳暮かな 鈴木貞雄
曳売の本屋が歳暮呉れにけり 石田 波郷
棟梁に乾鮭贈る歳暮かな 佐藤肋骨
歳暮てふ書箋百枚やさしかり 田中裕明 櫻姫譚
歳暮とて五粒もらひし花の種 如月真菜
歳暮ともつかず贈りて戀に似る 上村占魚 『萩山』
歳暮の荷小雪に庇ひ抱きゆけり 岡本まち子
歳暮の街の灯基地の主婦の目つきまとう 栗林一石路
歳暮るるうす灯に烏賊・海老・蛸の絵馬 山本一糸
歳暮使邸の勝手鵜呑かな 喜谷六花
歳暮鮭とけばこぼるる結び文 阿部慧月
畦買ひの蓮根を添へて歳暮酒 渡会 昌広
盲ひゆく患者の歳暮受くべきや 向野楠葉
知遇の縁歳暮今年も変りなく 横井迦南
竃の火歳暮の使ひあたり行く 喜谷六花
脚折れし蟹を歳暮に大工来る 上林レイ子
自転車の荷台に歳暮女行く 岸 栄一
薬鍋やりて嬉しき歳暮かな 立花北枝
藷穴の藷さげ歳暮客となる 大熊輝一 土の香
角巻に歳暮の鱈と知れる瘤 中戸川朝人 残心
遠母へ妻が歳暮と縫ふは何 岩瀬善夫
郵袋にはみでし鮭の歳暮かな 黒沼 草生
餅哥や君が歳暮の馬下りに 上島鬼貫
鯉さげて歳暮に来たり沼漁師 黒川 龍吾
鴨の脚冷たかりける歳暮かな 岡本松浜

以上
by 575fudemakase | 2014-12-28 00:19 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)

掃納

掃納

例句を挙げる。

はろ~と啼きつぐ鶏や掃納 佐野青陽人 天の川
人通り絶えざる門を掃納 中島曾城
傾きし南天くゝり掃納 馬場 迪子
味噌倉の一つ一つを掃納む 水田清子
地球儀を一と拭ひして掃納 須川洋子
塵取に今年の塵や掃納 泥谷竹舟
我どこに居ても邪魔な身掃納 中山勝仁
掃納して一時を坐しにけり 温亭句集 篠原温亭
掃納して美しき夜の宿 高浜虚子
掃納めしたり静かに床のべよ 林翔 和紙
掃納めて常の如くに置く机 温亭句集 篠原温亭
掃納め門燈くらく思ひけり 高橋淡路女 梶の葉
掃納帚のちりも払ひけり 三木清子
消しゴムの消屑をわが掃納め 鷹羽狩行
灯多き中に影して掃納む 篠原温亭
燈台の螺旋階段掃納む 高橋紀代
男手に何か淋しく掃納 山本呂門
茶袋のこぼれくすべぬ掃納め 富田木歩
裏山のにはかに暮るる掃納 中村智恵子
触れて響く馬橇の鈴や掃納 鳥羽とほる
起き臥しの一と間どころを掃納め 富安風生
風邪患者いたはり帰し掃納め 瀧澤伊代次
夫婦して磨く玻璃戸の年の塵  高澤良一  随笑

以上
by 575fudemakase | 2014-12-28 00:18 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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らくらく例句検索

インターネットの「Google」や「yahoo」の検索ボックスから、季語等を入力して数多くの例句を得られれば大変便利である。

具体的に季語“新樹”の例句を求めるには、先ず検索ボックスに“新樹”と入力する。
その後、ひらかなで“れいく”と入力する。この時、日本語変換候補に幾つかの語彙が表示されるが、その中から“575筆まか勢”を選択する。
この結果、検索ボックスには “新樹575筆まか勢”と表示される筈である。
この用語で検索すれば求めるサイトが表示される。

但し、上述の ひらかなの“れいく”と入力して“575筆まか勢”を選択する為には、事前に小細工をしておく必要がある。
即ち、ユーザーズ辞書を使って “れいく=575筆まか勢”を定義しておく必要がある。以下はその指定方法。

ユーザーズ辞書定義

▼iPadの場合
設定>一般>キーボード>ユーザーズ辞書

単語 575筆まか勢
よみ れいく

▼kindleの場合
アプリ>設定>言語とキーボード>キーボードの設定>ユーザーズ辞書

読み れいく
表記 575筆まか勢

PCの場合も同様に「ユーザーズ辞書」機能を使い、前もって定義しておく。

春の季語から現在の当季季語までは既に表示可能である。
来年の三月末(2015年3月末)までに全季語について表示可能となる。

以上

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