2014年 12月 29日 ( 11 )

冬ざれ

冬ざれ

例句を挙げる。

いのちあるもの皆眠り冬ざるゝ 能美丹詠
いまみえてゐた猫みえず冬ざるゝ 久保田万太郎 流寓抄
いらぬ石かたづけにけり冬ざるる 室生犀星 犀星発句集
おかめ坂過ぎ冬ざれの狸坂 伊藤直介
さふらんの花は紫冬ざるゝ 野村泊月
しらたきと豆腐と買ひて冬ざるゝ 久保田万太郎 流寓抄
はらからの結び目に母冬ざるる 藤原照子
ひざら貝冬ざるる身を張り詰めて 高澤良一 鳩信 
スプーンに船の曲線冬ざるる 大石雄鬼
フェリーより女が降りて冬ざるる 和田耕三郎
一葉忌冬ざれの坂下りけり 安住敦
三階より落ちし靴下冬ざるる 寺井谷子
井戸端に冬ざれてある砥石かな 仲岡楽南
人おのおの負へる齢や冬ざるゝ 大橋敦子
入日、雲に、まぶしけれども冬ざるゝ 久保田万太郎 流寓抄
冬ざるるセザンヌの耳ゴツホの耳 行方克巳
冬ざるるリボンかければ贈り物 波多野爽波 『骰子』
冬ざるる上野鴬団子かな 青木重行
冬ざるる木の實草の實絵筆さへ 高橋睦郎 稽古飲食
冬ざるる箱に海苔巻ぎつしりと 辻桃子
冬ざるる豆柿のあまさとほりけり 犀星
冬ざるる遠くの石を叩きけり 佐々木六戈 百韻反故 冬の皺
冬ざるる野積の檜の香衰へず 坂本 玲子
冬ざるる階高きほど水の艶 対馬康子 純情
冬ざるる雲が畑道たがへしか 稲垣きくの 牡 丹
冬ざるる顰(ひそみ)を深く裏浅間 風生
冬ざるゝ音なきひゞき廟に満つ 岩松草泊
冬ざれてうるさき程に鴉鳴く 山下孝子
冬ざれてしかつべらしき座敷哉 尾崎紅葉
冬ざれてたましひ氷るあしたかも 日夏耿之介 婆羅門俳諧
冬ざれて伊那路は情の濃かりけり 草間時彦 櫻山
冬ざれて女子寮煙出しにけり 長谷川双魚 風形
冬ざれて如来の耳のうつくしき 佐野青陽人
冬ざれて枯野へつづく妻の乎か 日野草城
冬ざれて水垢のつく釣瓶かな 柑子句集 籾山柑子
冬ざれて火焔つめたき不動かな 正岡子規
冬ざれて焚く火に凹む大地かな 長谷川かな女 雨 月
冬ざれて石朽つ遣新羅使の墓 文挟夫佐恵 遠い橋
冬ざれて笊売る家の竹匂ふ 『定本石橋秀野句文集』
冬ざれて虎刈りの神屈まりぬ 攝津幸彦
冬ざれて隣家が遠く澄みにけり 山田麗眺子
冬ざれといへどかぢけぬ猫もなし 一雪
冬ざれにつきあたりたる別れかな 清水基吉 寒蕭々
冬ざれに匂へる君を離れ見つ 稲岡長
冬ざれのくちびるを吸ふ別れかな 草城
冬ざれの中に角帽あぶらじみ 誓子
冬ざれの塩田を踏む許得て 山口誓子
冬ざれの墓地のうすれ陽ひくひくと雀が飛んで 人間を彫る 大橋裸木
冬ざれの墓地より街へ下る径 真下ますじ
冬ざれの天道虫は能く歩く 高澤良一 素抱 
冬ざれの天龍河原妹を点ず 大峯あきら
冬ざれの子供が跳んで来るひかり 細川加賀 生身魂
冬ざれの家にガラスの運ばるる 鈴木伸一
冬ざれの宿の斑鳩物語 細川加賀 生身魂
冬ざれの山一椀の熱き白湯 松村蒼石 雪
冬ざれの山家の欠け茶碗に酒なみなみつがれる 人間を彫る 大橋裸木
冬ざれの山家醤油の香を洩らす 鷲谷七菜子 花寂び
冬ざれの庭たわいなく母転ぶ 林明子
冬ざれの掃けば首ぬけ箒かな 冬葉第一句集 吉田冬葉
冬ざれの断つは恋情のみならず 咲間 匡
冬ざれの新薬師寺を素通りに 岸田稚魚 筍流し
冬ざれの梢駈け行く千切れ雲 手島知韶
冬ざれの機影大きく基地の町 相河美智子
冬ざれの沖の夕焼陸へは来ず 赤城さかえ
冬ざれの深まるばかり風の土手 鶴田佳三
冬ざれの牛に真赤な唐辛子 大貫弘司
冬ざれの独轆轤やをのゝおく ツシマ一笑
冬ざれの猫の描きある杉戸かな 中村吉右衛門
冬ざれの石の残照声届く 高澤晶子 純愛
冬ざれの砂漠に群れて化石売 都筑智子
冬ざれの肩より暮るる畑鴉 高澤良一 鳩信 
冬ざれの肩をとこ山をんな山 猪俣千代子 秘 色
冬ざれの身にはまばゆき万華鏡 文挟夫佐恵 雨 月
冬ざれの身の裡馳せしヨハネ像 河野南畦 湖の森
冬ざれの道に拾ひぬ空ラ財布 高橋淡路女 梶の葉
冬ざれの道をへだてて機ひびく 上村占魚 球磨
冬ざれの野の馬塚と人の墓 殿村莵絲子 遠い橋
冬ざれの野を来て君に何捧ぐ 岩田昌寿 地の塩
冬ざれは韮にかくるゝ鳥ひとつ 蕪村遺稿 冬
冬ざれやあらぬ方向く道路鏡 高間礼子
冬ざれやきたなき川の夕鴉 京-定雅 選集古今句集
冬ざれやことに谷中の銅壺店 杉野諒一
冬ざれやころろと鳴ける檻の鶴 水原秋桜子(1892-1981)
冬ざれやしやがんで私穴になる 峠谷清広
冬ざれやつぎはぎしたる村の橋 松藤夏山 夏山句集
冬ざれやつく~松の肌の老 東洋城千句
冬ざれやひとつ灯がつく過疎の村 鈴木幸子
冬ざれやものを言ひしは籠の鳥 高橋淡路女 梶の葉
冬ざれや両手につつむ旅の顔 草間時彦 櫻山
冬ざれや乾ききったる野の仏 高橋 重男
冬ざれや利根片岸に水寄せて 星野魯仁光
冬ざれや北の家陰の韮を刈る 蕪村 五車反古
冬ざれや北向いて錆ぶ風見鶏 内田園生
冬ざれや十一匹の猫の床 平井照敏 天上大風
冬ざれや卵の中の薄あかり 秋山卓三
冬ざれや堤もあらぬ千曲川 山中杏花
冬ざれや墓に薄るるロシア文字 高橋悦男
冬ざれや壁に挟みし柄なし鎌 井月の句集 井上井月
冬ざれや大戸おろして御師の宿 刑部大木
冬ざれや子供がとんで来るひかり 細川加賀
冬ざれや小鳥のあさる韮畠 蕪村 冬之部 ■ かの曉の霜に跡つけたる晋子が信に背きて、嵐雪が懶に倣ふ
冬ざれや屈葬甕にひび走り 冨田みのる
冬ざれや屋根にかたより雀群る 清之介
冬ざれや岩たゞれたる湧泉のあと 那須辰造 天窓
冬ざれや庭より高くひとの畑 林翔 和紙
冬ざれや廓につづく漁師町 石原舟月 山鵲
冬ざれや復員列車駅に入る 福田清人 麦笛
冬ざれや惑星の絵を地にひさぎ 藺草慶子
冬ざれや房々として実南天 日野草城
冬ざれや手にやはらかき笠間焼 横田和子
冬ざれや手にライターの握り皺 高井北杜
冬ざれや拾ひ足して渚鶴 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
冬ざれや日あし沁み入る水の垢 室生犀星 魚眠洞發句集
冬ざれや机に愛す百舌鳥の贄 広江八重桜
冬ざれや枝にすがりて枸杞の紅 古舘曹人 砂の音
冬ざれや柳の幹のよごれやう 尾崎迷堂 孤輪
冬ざれや歩み遮る何か有れ 林翔 和紙
冬ざれや母港切絵の影となる 対馬康子 吾亦紅
冬ざれや汐木にからむ荒布屑 重利 帆南
冬ざれや沿ひて渡らぬ飛鳥川 稲垣きくの 黄 瀬
冬ざれや溜桶に水底つくも 石川桂郎 四温
冬ざれや父母の拠る灯がわが灯 野澤節子 黄 瀬
冬ざれや狢をつるす軒の下 夏目漱石 明治三十二年
冬ざれや生きて騒げる魚籠の中 鷹羽狩行 六花
冬ざれや画舫揚げある亭の裏 原田青児
冬ざれや石に腰かけ我孤獨 高浜虚子
冬ざれや石段おりて御堂あり 中村草田男
冬ざれや磧の中に見ゆる橋 尾崎迷堂 孤輪
冬ざれや神とし祀る石一つ 比叡 野村泊月
冬ざれや網の目山羊の顔にのみ 山口誓子
冬ざれや翡翠を洗ふ越の海 松永千鶴子
冬ざれや菖蒲田の縁水急ぎ 鈴木しげを
冬ざれや虫のぬけがら風に飛び 和田 祥子
冬ざれや貴船の宮の手水鉢 洛山人
冬ざれや足にこたゆる貝の殻 闌更
冬ざれや道よくなりし鳥羽伏見 藤田耕雪
冬ざれや長者が庭のしかすがに 尾崎紅葉
冬ざれや雨にぬれたる枯葉竹 荷風
冬ざれや青味帯びゐる鷲の嘴 中川宋淵 詩龕
冬ざれや鳩に委したる宮の様 比叡 野村泊月
冬ざれや鶲あそべる百花園 水原秋桜子
冬ざれを統べし巨石とおもひをり 岸田稚魚 筍流し
加茂川は葱洗ふより冬ざれぬ 喜谷六花
古るき井に冬ざれの水ありにけり 癖三酔句集 岡本癖三酔
啄木鳥の孔遺す家冬ざるる 堀口星眠 営巣期
噴水の栓のあらはに冬ざるる 山本歩禅
城址とは名のみの起伏冬ざるる 岡安仁義
夏を愛す水盤の石冬ざれぬ 辰間伯洲
大いなる河をへだてゝ冬ざれし 佐藤 峻峰
大石や二つに割れて冬ざるゝ 鬼城
太秦は冬ざれもよし朱の扉 西山泊雲 泊雲句集
太陽の塔の猫背の冬ざるる 山田弘子
子等去りて芝生俄かに冬ざるゝ 阿部みどり女 笹鳴
小鹿越えしごと冬ざれの野川跳ぶ 樋笠文
山国や冬ざれてゐる畑の土 渡辺水巴 白日
山色を尽しきるとき冬ざるる 稲畑汀子
峡の空一鳶占めて冬ざるる 河野南畦 湖の森
崖をこぼるる雀の冬ざれの空暮れくる 人間を彫る 大橋裸木
工事場の火花の昏く冬ざるる 大西岩夫
常かへりみぬ庭にして冬ざるゝ 相馬遷子 山河
廃線の鉄道官舎冬ざるる 福原紫朗
往来のころく石や冬ざるゝ 内田百間
心臓がまつかに歩きゐる冬ざれ 内田暮情
思ひ出や三田の古町冬ざるる 石川桂郎 四温
新しき墓新しきまま冬ざるる 津村節子
日の差して篝の籠の冬ざるる 佐々木六戈 百韻反故 冬の皺
木彫仏冬ざれ空に眼をつむり 河野南畦 湖の森
椋鳥の嬌声こぼれ冬ざるる 堀口星眠 営巣期
機械街冬ざれの船たかく浮き 細谷源二 鐵
水涸れて橋番小屋の冬ざれぬ 寺田寅彦
水車小屋ありしはここら冬ざれて 松尾緑富
浜茱萸の冬ざれつくし熟れつくし 細木芒角星
涸谿の木霊言霊冬ざるる 佐原トシ
火を焚くや川原にはかに冬ざるる 小島 健
炭焼の貌の冬ざれ岩よりも 金子兜太
熔岩色を重ねて古りて冬ざれて 高濱年尾 年尾句集
田舟皆沼に集る冬ざれて 乙字俳句集 大須賀乙字
男三瓶は古陶のごとく冬ざるる 橋本鶏二
白樺の冬ざれことに発哺の湯 堀口星眠 営巣期
皿一枚こはれ一気に冬ざるる 小泉八重子
目つむりて何処よりの夜ぞ冬ざるる 深谷雄大
眼帯や片目の街の冬ざるる 桂信子 黄 瀬
石切の石の鋭角冬ざるる 門 みのる
笹掻きの音雨に似て冬ざるる 橋本榮治 越在
籠の蟲なきがらとなり冬ざるる 室生犀星
聚まれる冬ざれ小石踏みにけり 松村蒼石 雪
舗道ありなほ冬ざれの田を列ね 楸邨
落雁をくだく口中冬ざるる 石嶌岳
葬儀屋に金銀満開冬ざるる 檜 紀代
蔦の実の数へられつゝ冬ざれて 高濱年尾 年尾句集
見えぬ一病憎み愛しつ冬ざるる 角川源義 『西行の日』
貝殻が見え水中も冬ざるる 狩行
野に在るは首塚ひとつ冬ざるる 松本透水
野の家の冬ざるるものに軍鶏と豚 瀧春一 菜園
野ブドウの蔓を残して冬ざるる 浦野芙美
野生馬の馬身艶なく冬ざるゝ 大橋敦子
防塁の石みな尖り冬ざるる 向野楠葉
陽の消印あり冬ざれの美術館 吉田透思朗
風吹くはこの世彼の世や冬ざるる(急逝の大中祥生を憶ふ) 石原八束 『人とその影』
馬ひいて兵たりし街冬ざるる(沢木欣一と金沢へ) 角川源義 『冬の虹』
鳶の貌まざと翔けつゝ冬ざるゝ(松江大橋畔二句) 『定本石橋秀野句文集』

以上
by 575fudemakase | 2014-12-29 00:49 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)

枯芝

枯芝

例句を挙げる。

これや天使われより低く枯芝に 林翔
しなやかにふくよかに芝枯れてあり 油布五線
たばこの甘さ枯芝に置く郵便帽 磯貝碧蹄館 握手
ふらここへ枯芝の上走りけり 高木晴子 晴居
をとめ羨し枯芝にまろび芝着けて 及川貞 夕焼
ゴルファーらヘアピンのごと枯芝に 川崎展宏
サーカスの犬枯芝をゆく犬見る 古屋秀雄
ラヂオより拍手万雷芝枯らす 山口誓子
何せむとわが枯芝に火を焚きゐし 大石悦子
佳き庭の石打ち沈み芝枯るゝ 高木晴子 花 季
兄いもといつも一緒に枯芝に 安住敦
四百年経し枯芝や興聖寺 児嶌すぐろ野
基地沿ひの車窓や枯芝明りのみ 奈良文夫
墓に焚く新聞紙の火枯芝に 原裕 葦牙
太陽の直射平らに芝枯るる 阿部みどり女
子ども枯芝すべりくる水辺でとまる シヤツと雑草 栗林一石路
子を追へる親は緩走芝枯るる 林翔 和紙
市の音すれど静かや芝枯るゝ 阿部みどり女 笹鳴
師の忌はや枯芝に日を浴びゐつつ 原裕 葦牙
意味が字となり石となる枯芝に 鷹羽狩行
扁平な巨獣老いたり芝枯るる 林 翔
手毬かくる狐ケ崎の枯芝に 萩原麦草 麦嵐
朝の日や老いたる鹿が枯芝に 関戸靖子
未来図や枯芝に置く椅子二脚 林 翔
枯芝かげろふ誰かこほこほと 北原白秋
枯芝があつて幸福さうな家 加倉井秋を
枯芝が少し蘇鉄がたくさんに 京極杞陽 くくたち下巻
枯芝こまやか女は裾を彩重ね 加藤かけい
枯芝で彼らは実にほがらかな 藤後左右
枯芝と枯蔓映りゐる鏡 京極杞陽 くくたち上巻
枯芝にいのるがごとく球据ゆる 横山白虹
枯芝にうしろ手ついて何も見ず 角川春樹
枯芝にうつくしき日はとどまれり 吉武月二郎句集
枯芝にうはさの影のさしにけり 久保田万太郎
枯芝にこもる日ざしを背に吸ふ 篠原梵
枯芝にそびえ澄みたるつくしかな 大橋櫻坡子 雨月
枯芝にねむり虚空に出てゆきぬ 横山白虹
枯芝にはなしは尽きじ梅日和 五十崎古郷句集
枯芝にまみれて女学生楽し 小林拓水
枯芝に一団欒のブーツ脱ぐ 館岡沙緻
枯芝に九品浄土のみぢんたつ 川端茅舎
枯芝に今まで人のゐたらしく 西村和子 夏帽子
枯芝に俳諧の国子供の国 福田蓼汀 山火
枯芝に円陣若く爆笑す 木下夕爾
枯芝に四温の月を眺め立つ 大場白水郎 散木集
枯芝に回転木馬影まはす 慶伊邦子
枯芝に夕日の山の影のびる 伊藤淳子
枯芝に嫁ぐ日までの犬を愛す 大島民郎
枯芝に寝て天国と対ひ合ふ 辻岡紀川
枯芝に居て常春や舞子浜 鈴鹿野風呂 浜木綿
枯芝に山裾流れ来てをりぬ 五十嵐播水 埠頭
枯芝に影長く竿に旗あらず 久米正雄 返り花
枯芝に彳てば歳月なきごとし 西村和子 かりそめならず
枯芝に忘れたる如待たされて 川上明女
枯芝に投げ出す脚を犬跳び越え 神田敏子
枯芝に折れ線香のみどり濃き 館岡沙緻
枯芝に日あたり来よと思ひゐつ 細見綾子 花 季
枯芝に日ざしは語る如くあり 稲畑汀子 春光
枯芝に日当たりをれば心足り 西村和子 夏帽子
枯芝に最も広く雪残る 高浜年尾
枯芝に来て足音のなくなりし 山下しげ人
枯芝に柩の夫を連れ還る 横山房子
枯芝に校塔の影来る時刻 粟津松彩子
枯芝に椅子テーブルを下しくる 比叡 野村泊月
枯芝に煙草捨つひとりとなれる シヤツと雑草 栗林一石路
枯芝に煙草踏み消す直ぐは消えず 森田峠 避暑散歩
枯芝に生ひし蘇鉄と竜の髯 京極杞陽 くくたち下巻
枯芝に白猫飛ぶや黙読す 中拓夫 愛鷹
枯芝に紙飛行機の落ちて来し 佐々木 美乎
枯芝に置きて再びピアノ運ぶ 今井 聖
枯芝に置き雲の影相寄らず 木下夕爾
枯芝に置く田楽の衣裳櫃 民井とほる
枯芝に置く駅長の赤き帽 松山足羽
枯芝に膝抱く乙女ジードの忌 和田 祥子
枯芝に蓬薊と萌えて居し 松藤夏山 夏山句集
枯芝に身を置く心澄ましむと 加藤楸邨
枯芝に転べば肝のあたたかき 栢尾さく子
枯芝に陽の暮れかかる旅寂し 井上 隆幸
枯芝に障子開けたるまま夜に 岸本尚毅 舜
枯芝に雨夫婦仲しぶきけり 長谷川双魚 風形
枯芝に青春もかく翳りたる 木下夕爾
枯芝に音立てゝ見よ鴛鴦の沓 龍胆 長谷川かな女
枯芝に鼻梁まぶしく中学生 田中裕明 櫻姫譚
枯芝のあまり広くてかなしけれ 波多野爽波 鋪道の花
枯芝のそこらも夜となりにけり 長谷川春草
枯芝のときに青みてみゆるかな 久保田万太郎 草の丈
枯芝のひろさ犬に口笛を吹く 川島彷徨子 榛の木
枯芝のわが座のくぼみ惜しみ去る 中村秋晴
枯芝の上手鏡のごとく海 木下夕爾
枯芝の中に上向く蛇口あり 中嶋延江
枯芝の人影が去り夕日去り 清崎敏郎
枯芝の少し光りて道があり 高木晴子 晴居
枯芝の日にひよわなる子を連れて 成瀬桜桃子 風色
枯芝の日向跳ぶ禽歩く禽 原 柯城
枯芝の海に傾き榻もまた 山口青邨
枯芝の道は十字にある広場 対馬康子 吾亦紅
枯芝の陽にかがむ児よ宝あるか 寺井谷子
枯芝の隅々にあるベンチかな 比叡 野村泊月
枯芝の風ゴチツクの扉にひかる 川島彷徨子 榛の木
枯芝は眼をもて撫でて柔かし 富安風生
枯芝ふと燈台と墓一線に 香西照雄 対話
枯芝へ犬放ちたり吾も駈け 蓬田紀枝子
枯芝も老一徹に今朝の霜 今泉貞鳳
枯芝やまだかげろふの一二寸 芭 蕉
枯芝ややや陽炎の一二寸 松尾芭蕉
枯芝や子の逆立ちをゆるすべき 原田種茅
枯芝や庭の小椅子に黒鶫 三好達治 俳句拾遺
枯芝や廊下あかるき照りかへし 高田保
枯芝や服光りつつ学生ら 波多野爽波 鋪道の花
枯芝や石と冷えゐる詩をしかと 木下夕爾
枯芝や萩の節折茎高き 深山柴(橡面坊句集) 安藤橡面坊、亀田小[ゼン]選
枯芝や金の茶壷の二坪ほど 石口光子
枯芝や鹿の肉むら起ちあがる 不破 博
枯芝をいたはり歩く祝意こめ 古舘曹人 能登の蛙
枯芝をなにも持たずに歩きけり 佐川広治
枯芝を四角に切つてありし処 行方克巳
枯芝を尻に背中につけてをり 高浜虚子
枯芝を来る三人の影斜め 田中丈子
枯芝を焼きたくて焼くてのひらほど 西東三鬼
枯芝を踏む返りくる力あり 辻美奈子
枯芝を踏んで囑目初句会 吉屋信子
枯芝を踏んで居り長身に見ゆ 久米正雄 返り花
枯草を手に枯芝のかがやきに 山西雅子
熔岩のみち枯芝のみち海に墜つ 大橋宵火
牝去れば枯芝の犬皆去れり 阿部みどり女
犬首を寝せ身體寝せ枯芝に 京極杞陽
紫を着て枯芝にをとめさぶ 太田鴻村 穂国
絨毯につづく枯芝海も見ゆ 和田祥子
芝枯れてねむりさだまる石の数 木下夕爾
芝枯れて庭の隅々まで黄なり 山口波津女 良人
芝枯れて海女のいち日おだやかに 鈴木真砂女
芝枯れて眠りさだまる石の数 木下夕爾
芝枯れて運河は青し朝のお茶 片山桃史 北方兵團
若ものの来ずなりし芝枯れにけり 林翔 和紙
葬列たたまり輪となれり枯芝の夕日 シヤツと雑草 栗林一石路
言ひかけて枯芝に瞳を逸しけり 谷口桂子
試験期や枯芝に椅子一つ残し 中拓夫 愛鷹
身に一ぱい枯芝附けて若返る 右城暮石 上下
閑庭や芝枯れてねむる鴨ふたつ 水原秋櫻子
鶺鴒が峡の温泉宿の枯芝に 高濱年尾

以上
by 575fudemakase | 2014-12-29 00:42 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)

粕汁

粕汁

例句を挙げる。

吹きすする粕汁訛飾らざり 高萩篠生
小屋掛けて牛市あての粕汁屋 浅賀渡洋
居残れる子に粕汁を温めて 児山綸子
粕汁にあたたまりゆく命あり 石川桂郎 四温
粕汁にぶち斬る鮭の肋かな 石塚友二 光塵
粕汁にほてりし頬を撫でて居り 木村 いつを
粕汁にむせしと見せむ師を追ひて 石川桂郎 四温
粕汁に汗ばむ程となりにけり 菅内左山
粕汁に衆人環視の中に酔ふ 猿橋統流子
粕汁に酔ひし瞼や庵の妻 日野草城
粕汁に頭を割つて鮭とばしたり 石川桂郎 四温
粕汁に鮭の鱗の浮びけり 稲垣陶石
粕汁の一つ座にわれ夜の国 村越化石 山國抄
粕汁の一椀雪の朝発ちに 古賀まり子
粕汁の大あつ~の斎をうけ 田畑比古
粕汁やねむたき児の手あたたかし 船山順吉
粕汁やもやもやもやがてのみほす こしのゆみこ
粕汁や大いなる月木にかけて 小原俊一
粕汁や夫に告げざることの殖ゆ 大石悦子 群萌
粕汁や山の鳴る夜は闇深し 橋本花風
粕汁や巨いなる月木にかけて 小原俊一
粕汁や朝からのこと夢のごと 細川加賀 生身魂
粕汁や父にかしづく母亡くて 木附沢麦青
粕汁や空也の痩を拝みきて 田中英子
粕汁や老いていよいよ顎長く 草間時彦 櫻山
粕汁や蓋を浮かせて沸きたちし 富安風生
粕汁や裏窓にある波がしら 千田一路
粕汁や野の風遠くわたる音 水原秋櫻子
粕汁をすすり早寝の老夫婦 岸風三樓
粕汁を吹き凹めてはたうべけり 金子杜鵑花
粕汁を噴きこぼしけり啄木忌 佐野農人
行きも戻りも粕汁の中を通つて 稲葉直
かす汁をうすめてくれる内儀かな 中村吉右衛門

以上
by 575fudemakase | 2014-12-29 00:41 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)

干菜汁

干菜汁

例句を挙げる。

冷腹を暖め了す干菜汁 高濱虚子
夜ふかしを妻に叱られ干菜汁 沢木欣一 往還
大鍋に総本山の干菜汁 上田正久日
家郷いつも誰かが病めり干菜汁 関戸靖子
山鳴りの他は聞えぬ干菜汁 小林輝子
干菜汁ふるさとの闇温めて 戸川稲村
干菜汁みちのくに住み五十年 鈴木綾園
干菜汁仏縁の日に当りけり 鈴木芋村
干菜汁妻との会話そつけなし 清水基吉
干菜汁徹夜ののんど通りけり 藤田あけ烏 赤松
干菜汁田舎育ちの抜けきれず 石川久
海鳴りの日々続きゐて干菜汁 井波美雪
烈風の入江を走る干菜汁 大木あまり 火球
笑ふとき父の老見ゆ干菜汁 木附沢麦青
言の葉も湯気ももてなし干菜汁 岡部名保子
貧富なき暮しもよしや干菜汁 翁長日ねもす
貧農の身をあたたむる干菜汁 金谷土筆
電燈の一つ下がりし干菜汁 滝沢伊代次

以上
by 575fudemakase | 2014-12-29 00:39 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)

蕪汁

蕪汁

例句を挙げる。

うき宿の朝な朝なや蕪汁 松瀬青々
こぼす子はいつも同じ子蕪汁 平位登代子
にんげんの不幸が愉し蕪汁 増田まさみ
ふるさとのまどゐうれしき蕪汁 牧野 豊陽
一宿を和尚と共に蕪汁 大塚松籟
俳諧に老いて好もし蕪汁 高浜虚子
向学のまつすぐ古稀へ蕪汁 赤松[ケイ]子
奥人の大飯食ふや蕪汁 大須賀乙字
婢を御してかしこき妻や蕪汁 飯田蛇笏
床あげやかさねて啜る蕪汁 富田潮児
母すこやか蕪汁大き鍋に満つ 目迫秩父
炉話に煮こぼれてゐる蕪汁 高濱虚子
煮ゆるとき蕪汁とぞ匂ひける 虚子
白河に風がうがうと蕪汁 福原十王
真珠棚打つ潮鳴りや蕪汁 稲瀬奈加枝
砂のある飯に馴れけり蕪汁 菅原師竹
織機を祝ふ日のあり蕪汁 広江八重桜
花冷えや京の旅籠の蕪汁 田中冬二 行人
草山に夜の風きて蕪汁 大木あまり
蕪汁ではれやれ何の菜のなさ 広瀬惟然
蕪汁に世辞なき人を愛しけり 高田蝶衣
蕪汁に僧眼を病んでおはしけり 大橋櫻坡子 雨月
蕪汁に敗残の党集ひけり 雉子郎句集 石島雉子郎
蕪汁に足ること知りて憂ひなし 高橋淡路女 梶の葉
蕪汁みちのくぶりに人親し 山口青邨
賽の目の豆腐は白し蕪汁 川島奇北
雨毎につのる寒さや蕪汁 皿井旭川
ひとり居も馴れゝば楽しかぶら汁 永井荷風

以上
by 575fudemakase | 2014-12-29 00:37 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)

冬杣

冬杣

例句を挙げる。

冬の杣渡り初めたり島荒るる 伊藤凍魚
冬杣に片根の雪のあらはなり 田中勝次郎
冬杣の谺杉枝の雪散らす 町田しげき
冬杣や猿は再び出でざりき 宵信二
冬杣を見てゐし鴉立ちにけり 小笠原燈鳥
年輪と冬日を杣が会はせけり 都筑智子
杣が家の一畑五菜冬に入る 白井爽風
杣の子にうさぎの耳の冬帽子 菅原多つを
父を待つ杣の子に椎の冬日消ゆ 石島雉子郎
諸道具や冬めく杣が土間の壁 原石鼎
身綺麗な杣下りてくる冬の山 橋石 和栲
鎌やせて杣の夫婦の冬仕度 渥美文窓
頬皺の深き杣なり冬帽子 松藤夏山 夏山句集
骨どこか鳴らし杣ゆく冬の山 鷲谷七菜子 花寂び
火を焚きて眼を燃やしゐる冬木樵 大野林火

以上
by 575fudemakase | 2014-12-29 00:35 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)

牡蠣剥く

牡蠣剥く

例句を挙げる。

しぐるゝや牡蠣割る辻も灯りぬ 貞
ひとり過ぐ巴里の灯牡蠣の剥かれゐし 小池文子 巴里蕭条
乳呑ますときは乳の香牡蠣割女 田村劉一郎
余所者に口固かりき牡蠣割女 安東せつ
入海の寒き汐時牡蠣を割る 百合山羽公 故園
剥かれたる牡蠣の白さをなほ洗ふ 花田春兆
剥きし牡蠣こぼれてぺたとすぐに穢や 中戸川朝人 残心
剥きし牡蠣生きゐて水を濁らしむ 山口誓子
同性に見られ加速の牡蠣割女 中村明子
夜は疼く指をかばひて牡蠣割女 湯川雅
嫁取りの噂や牡蠣を割りながら 小西 藤満
岩くだくごとくに牡蠣を割りにけり 波出石品女
廃線を跨ぎ牡蠣割女となりぬ 斉藤弘子
新月を揺る波に泣く牡蠣割女 飯田蛇笏 霊芝
比喩探しをればするんと牡蠣剥かる 秋元不死男
浜名湖の女波ばかりや牡蠣割女 百合山羽公
渺々と海はありけり牡蠣割女 鈴木真砂女 夕螢
牡蠣の殼打割れば潮匂ひたる 城戸春弥
牡蠣を剥くをりをり女同士の目 加藤楸邨
牡蠣を剥く牡蠣のくらさをいつしんに 正木ゆう子 悠
牡蠣を剥く迅さの傷と諾へり 河野美奇
牡蠣を割る妻よゑくぼのいつ失せし 佐野まもる 海郷
牡蠣を割る方一尺の無言の座 水原 春郎
牡蠣剥くは身ぐるみ剥ぐに似たりけり 瓜人
牡蠣剥くやたのしくもまた切なくも 大木あまり 火球
牡蠣剥くや洗ふや巌の夕汐に 石塚友二
牡蠣剥場海の星よりくらき灯を 掬池路
牡蠣剥女黄昏は児が慕ひ寄る 木村蕪城 寒泉
牡蠣割つて脛に傷もつ女かな 鈴木真砂女
牡蠣割の一隅はつと乳子泣くこゑ 橋本多佳子
牡蠣割の女の中の男かな 相島虚吼
牡蠣割りのとばす牡蠣殻冴えかへる 細見綾子
牡蠣割るや舟着の板欠きしまゝ 百合山羽公 寒雁
牡蠣割る手染めし夕日もきえにけり 西島麦南
牡蠣割る瞳牡蠣負ふ夫へ向けやさし 岸田稚魚
牡蠣割女かきは女体の青さもつ 日垣四月子
牡蠣割女ただ一瞥をくれしのみ 山田弘子 初期作品
牡蠣割女にも確執のありにけり 的場松葉
牡蠣割女をとこの如き口きける 霞村
牡蠣割女貝の要を一撃す 品川鈴子
牡蠣打の時には剥身啜りては 坂本雅陵
牡蠣舟を出るや牡蠣割既になし 五十嵐播水 播水句集
白菊や血の滲むまで牡蠣を剥く 小泉八重子
百千の牡蠣を割りたる刃のしづか 和田 祥子
空色のゴム手袋や牡蠣を割る 松本みず代
老の手の乾く間もなく牡蠣を割る 堺 祥江
耶蘇島のなべて無口の牡蠣割女 武藤壱州
街人の跫音ちかく牡蠣を割る 松村蒼石 寒鶯抄
風花す牡蠣割の黙われの黙 川畑火川
ひとひとり生きる淋しさ牡蠣打場 原裕
午後の日の膝までとどき牡蠣を打つ 山田弘子 初期作品
南風と子らの牡蠣打つ音と来る 篠原梵 雨
夕潮の静かに疾し牡蠣筏 打出綾子
如月の牡蠣打ち割れば定型を持たざるものの肉やわらかき 道浦母都子
岩牡蠣を打つ手力のまだ老いず 稲生 正子
波暮れて牡蠣打小屋に灯の点る 藤井すみ子
牡蠣の殼打割れば潮匂ひたる 城戸春弥
牡蠣を打つ岩と同じに死にたけれ 萩原麦草 麦嵐
牡蠣を打つ鐵刃濡れては鐵光り 中島斌男
牡蠣打たれ積まる爆音みなぎれり 中島斌男
牡蠣打ちし後あり~と潮満つる 森岡とも子
牡蠣打ちの妻の姿を遠まもる 佐野まもる 海郷
牡蠣打つや島に生れて島に嫁し 佐藤三男
牡蠣打つや舳の向きの島をかヘ 石川桂郎 高蘆
牡蠣打に日和の声をかけにけり 飴山實 辛酉小雪
牡蠣打の一人がかへり皆かへる 鶴田亜星
牡蠣打女坐して濡れざるところなし 藤井亘
牡蠣打女灯台やがて灯るころ 田尻牧夫

以上
by 575fudemakase | 2014-12-29 00:34 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)

泥鰌掘る

泥鰌掘る

例句を挙げる。

うつむける声のをさなき泥鰌掘り 八木林之助
つくるより崩るゝ堰や泥鰌掘 田上一焦子
掘られたる泥に泥鰌の動きあり 岡安仁義
掘られたる泥鰌は桶に泳ぎけり 青木月斗
掘返す泥にさゝりし泥鰌かな 平松草山
次の田へ笊をひきずり泥鰌掘り 今瀬剛一
泥鰌掘どこの漢か見知らざる 野村喜舟
泥鰌掘りの暮色の顔に見送らる 大野林火
泥鰌掘り去りぬよごれし日の面 栗生純夫 科野路
泥鰌掘り善良な顔上げにけり 遠藤梧逸
泥鰌掘り集つて来て火を焚けり 皆川盤水
泥鰌掘るすべを覚えて学うすれ 礒崎 緑
泥鰌掘るだんだん遊び心かな 有馬朗人 耳順
泥鰌掘る受難イエスのごと汚れ 景山筍吉
泥鰌掘る向ふは藁の屋根ばかり 成田千空 地霊
泥鰌掘る宇佐も田舎のことなれば 松田 禹川
泥鰌掘る手にちよろ~と左右の水 阿波野青畝
泥鰌掘る痩田ばかりに子が跳ねて 星野麥丘人
泥鰌掘る白き手拭昏るるなよ 辻田克巳
泥鰌掘泥そのままに立ち去れり 棚山 波朗
泥鰌掘眼に風の集まり来 柳澤和子
泥鰌掘肺の中まで赤らまむ 宮坂静生 山開
田のくろや鳥声もなき泥鰌掘る 石川桂郎 高蘆
畦つひにほろび泥鰌を掘りつくす 栗生純夫 科野路
眠りまだ覚めざる泥鰌掘られけり 川崎栖虎
葦原を撫でて日が落つ泥鰌掘 斎藤道子
逃げられて本気になりし泥鰌掘り 大久保白村
闇に馴れ泥鰌掘る手の巧みなる 清水徹亮

以上
by 575fudemakase | 2014-12-29 00:32 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)

鉢叩

鉢叩

例句を挙げる。

これはこのあたりの僧や鉢叩 巌谷小波
その古き瓢箪みせよ鉢たたき 去 来
なき父に似た声もあり鉢叩 正岡子規
まねし人のゆかしや夜半の鉢叩 高井几董
わが門を鉢叩かずに通りける 河東碧梧桐
われが手で我が顔なづる鉢叩 上島鬼貫
われてこそ空の一宇ぞ鉢たたき 立花北枝
われもいま半僧半俗鉢叩 森澄雄
一しきり雨に止みけり鉢叩 大谷句佛
一瓢に酔ふや出初の鉢叩 名和三幹竹
下京の暗に消えけり鉢叩 伊藤松宇
京にきて京の辻なり鉢叩 星野麦丘人
今少し年寄見たし鉢叩 服部嵐雪
付そひて妻は出でぬか鉢たたき 京-淵瀬 元禄百人一句
先達も藪もおそろし鉢叩 鈴木六林男
北さして暗に消えけり鉢叩 菅原師竹句集
千鳥たつ加茂川こえて鉢叩 其角
夏痩のもどらぬ顔や鉢叩 漣月
夕かほのそれは髑髏か鉢叩 蕪村
夜泣する小家も過ぬ鉢叩き 蕪村
嫁入の門も過ぎけり鉢たたき 許六 選集古今句集
子を寝せて出て行く闇や鉢叩き 蕪村
寐て聞は西へ過きけり鉢叩 佳則
山彦をつれて歩行や鉢たたき鉢叩 千代尼
川音や声遠くなる鉢叩 雉子郎句集 石島雉子郎
師の坊にまねて見せけり鉢叩 吉野左衛門
幽霊に水のませたか鉢たたき 智月 芭蕉庵小文庫
弥兵衛とは知れど哀や鉢叩 蟻道
愚なる御僧と申せ鉢叩 黒柳召波 春泥句集
戯れに雀ころがる鉢叩 宮坂静生
戻ろかと月に問ふなり鉢叩 蝶衣句稿青垣山 高田蝶衣
投節のその次来るや鉢たたき 野坡
旅人に銭もらひけり鉢たたき 佳棠 五車反古
曙の松原行くや鉢叩 蘇山人俳句集 羅蘇山人
月の夜に笠きて出たり鉢叩 高浜虚子
月雪や鉢たたき名は甚之丞 越人 選集古今句集
有りし世の憂さをも語れ鉢叩き 井上井月
朔日は猶あはれなり鉢叩 イセ-柴雫 閏 月 月別句集「韻塞」
朝めしの浮世になりぬ鉢叩 田福
東寺まで道濡れてゐる鉢叩 西田栄子
梟の空でわらふや鉢叩 妻木 松瀬青々
殊勝なり牛の糞ふむ鉢叩 上島鬼貫
清水の灯は暗うして鉢叩 藤野古白
狼のひよつと喰ふべし鉢たたき 野童 俳諧撰集「有磯海」
白髪より細き世や経ん鉢叩 松岡青蘿
真葛から女夫出てゆく鉢叩 四明句集 中川四明
納豆きる音しばしまて鉢叩 芭蕉
紛るべき物音絶えて鉢叩 樗良
縦横に洛の夜々や鉢叩 松根東洋城
聞きも居るや行くか踊るか鉢叩 松根東洋城
船岡に影こほらすや鉢叩 内藤丈草
花に表太雪に君あり鉢叩 蕪村 冬之部
落柿舎の日記に句あり鉢叩 正岡子規
裏門の竹にひびくや鉢叩き 内藤丈草
賀茂川に灯のこぼれたる鉢叩き 大森理恵
辻君に衣借られな鉢叩 旧国
鉢たたき修行初かおさな立 水田正秀
鉢たたき右京左京の行き戻り 黒柳召波 春泥句集
鉢たたき夜毎に竹を起しける鉢叩 千代尼
鉢たたき昼は浮世の茶筌売 支考
鉢たたき来ぬ夜となれば朧なり 向井去来(1651-1704)
鉢たたき洛中洛外初しぐれ 角川春樹 夢殿
鉢たたき頭巾まくれて髪の霜 黒柳召波 春泥句集
鉢叩いまだ昭和の終らざる 原裕 出雲
鉢叩うかれ女に名を問はれけり 可重
鉢叩かたまつてゆく橋の上 角川春樹
鉢叩かの岸とはん瓢箪船 椎本才麿
鉢叩き夜更けて道の広さかな 智月 俳諧撰集「藤の実」
鉢叩き月下の門をよぎりけり 闌更
鉢叩ものに狂はであはれなり 家足
鉢叩七つの月は西(せい)のあて 浜田酒堂
鉢叩五条東に行く声す 寺野竹湍
鉢叩四条を渡り東山 倉知漁村
鉢叩応仁の乱過ぎしより 四明句集 中川四明
鉢叩惟然丈草戀しさよ 孤輪 尾崎迷堂
鉢叩枯木に影の添ふごとく 野村喜舟
長嘯の墓もめぐるか鉢叩き 芭蕉
頭巾着て尊くなりぬ鉢叩 路景
飯くはぬ腹にひびくや鉢叩き 正岡子規
鳴らし来て我夜あわれめ鉢叩 蕪村 冬之部

以上
by 575fudemakase | 2014-12-29 00:31 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)

年籠

年籠

例句を挙げる。

くらやみを見るとき立ちて年籠 綾部仁喜 寒木
とかくして又古郷の年籠り 小林一茶
みづうみの風のすさめる年籠 木村蕪城
他愛なく眠つてしまふ年籠 大須賀浅芳
南無不可思議光如来や年籠 森澄雄
大榾の火の粉柱や年籠 松本浮木
崩れゆく熾(おき)美しき年籠 水谷敦子
年籠りして小面は美女と思ふ 阿波野青畝
年籠る子の片言のむつかしき 中谷朔風
年籠る御題島の香焚きて 伊藤 文女
心經の心しづかに年籠 石原 すみ子
新刊書二三手にして年籠 高澤良一 宿好 
月もなき杉の嵐や年籠 黒柳召波 春泥句集
深川や木更津舟の年籠 正岡子規
爪取てこころやさしや年籠り 素龍 選集古今句集
物忌みのさんげさんげの年籠 太田権六
買ひ置きの焼栗つまみ年籠 高澤良一 宿好 
身ほとりを片づくるのみ年籠 石川桂郎 高蘆
配られて赤福餅よ年籠 下田稔

以上
by 575fudemakase | 2014-12-29 00:29 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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らくらく例句検索

インターネットの「Google」や「yahoo」の検索ボックスから、季語等を入力して数多くの例句を得られれば大変便利である。

具体的に季語“新樹”の例句を求めるには、先ず検索ボックスに“新樹”と入力する。
その後、ひらかなで“れいく”と入力する。この時、日本語変換候補に幾つかの語彙が表示されるが、その中から“575筆まか勢”を選択する。
この結果、検索ボックスには “新樹575筆まか勢”と表示される筈である。
この用語で検索すれば求めるサイトが表示される。

但し、上述の ひらかなの“れいく”と入力して“575筆まか勢”を選択する為には、事前に小細工をしておく必要がある。
即ち、ユーザーズ辞書を使って “れいく=575筆まか勢”を定義しておく必要がある。以下はその指定方法。

ユーザーズ辞書定義

▼iPadの場合
設定>一般>キーボード>ユーザーズ辞書

単語 575筆まか勢
よみ れいく

▼kindleの場合
アプリ>設定>言語とキーボード>キーボードの設定>ユーザーズ辞書

読み れいく
表記 575筆まか勢

PCの場合も同様に「ユーザーズ辞書」機能を使い、前もって定義しておく。

春の季語から現在の当季季語までは既に表示可能である。
来年の三月末(2015年3月末)までに全季語について表示可能となる。

以上

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