2017年 03月 17日 ( 20 )

仏の座 の俳句

仏の座 の俳句

仏の座

例句を挙げる。

かたまつて野火まぬがれし仏の座 石丸 誠
たびらこの花に憩ひて古戦場 北田桃代
たびらこは西の禿に習ひけり 其角
たびらこや洗ひあげおく雪の上 吉田冬葉
どの路地も目覚めてをりぬ仏の座 酒井秀洋
もう一つ満開の花仏の座 上島清子
七草やけふ一色に仏の座 支 考
七草や何をちなみに仏の座 江戸-路通 元禄百人一句
児の声の届く辺に摘む仏の座 磯貝ひろし
土のまゝつまんで来るや仏の座 琢 堂
土手にして日だまりにして仏の座 渋谷士郎
夜は海が近づくといふ仏の座 中尾寿美子
大葬も雨たびらこの花も雨 鶴丸白路
女童の手がかしこくて仏の座 木村虹雨
山裾の日に燦とあり仏の座 工藤弘子
打ち晴れて富士孤高なる仏の座 勝又一透
指先で覚めよと起し仏の座 笠間文子
日の先にあそぶ雀や仏の座 本土みよ治
田平子や午後より川に人の出て 岡井省二
田平子出づ亡母の眼いまも腫れぼたし 磯貝碧蹄館 握手
秀つ峰の赤みさしきし仏の座 川端庸子
秋燈や人鎮まつて仏の座 吉武月二郎句集
膝つきしところにありし仏の座 栗田素江
萩に訪へば飛鳥の御代の仏の座 上村占魚 鮎
貝塚に密生したる仏の座 笹野俊子
遠来のもののごとくに仏の座 鷹羽狩行 六花
限もなや人間の座と仏の座 和田悟朗 法隆寺伝承
雑草と言ふ草あらず仏の座 宇咲冬男
雪の田に手鍬がおこす仏の座 鳥越すみこ
雲割れて日矢の射しけり仏の座 豊長みのる
霜の葉をしかとたたみて仏の座 町田勝彦

仏の座 補遺

たびらこの誰へうなずくや田の晩年 古沢太穂 捲かるる鴎
たびらこは西の禿に習ひけり 其角
七草やけふ一色に仏の座 支考
七草や何をちなみに仏の座 路通
天籟を聴くべく立てば仏の座 上田五千石『琥珀』補遺
幽かにも活仏の座の夕焼けぬ 加藤秋邨
田平子や午後より川に人の出て 岡井省二 鹿野
遠来のもののごとくに仏の座 鷹羽狩行

以上

by 575fudemakase | 2017-03-17 21:35 | 新年の季語 | Trackback | Comments(0)

土竜打 の俳句

土竜打 の俳句

土竜打

例句を挙げる。

その中の一つ音よき土竜打 原 不沙
みちのくは根雪の上の土竜打 長谷川浪々子
二の丸といふ古き町土竜打 紙田 幻草
先づ叩く己の影や土竜打 新井盛治
国分寺よりぞろ~と土竜打 井上烏三公
土竜打ち薄暮の土をめつた打つ 土井まさゑ
土竜打つてコツと捨てたる海鼠かな 菅原師竹句集
土竜打つをりをり月の覗きけり 山県瓜青
土竜打つ後先に行く犬の鼻 宮崎二健
土竜打幼き声を揃へけり 野田歌生
土竜打店の硝子戸震はせて 菅 大元
土竜打近づく門を灯しおく 鶴丸白路
奈良坂に百姓家あり土竜打 中村三山
日の本や土竜打ちなる日を重ね 永島転石
村中が小豆飯炊く土竜打ち 福島勲
束ねたる藁も短かし土竜打ち やしま季晴
泣きさうな声ひとつゆく土竜打 宮沢房良
知らぬ貌ばかり父郷の土竜打 持丸子蕪
納屋裏に来て雪のあり土竜打 松瀬天浪
青竹と子の丈揃ひ土竜打 川井玉枝
女わらべのことに執念もぐら打 岡入万寿子
東洲斎写楽頤出しもぐら打つ 長谷川双魚 『ひとつとや』

土竜打 補遺

土竜打つさまを越後のむかし唄 加藤秋邨
条里易へても祟莫し土竜打 阿波野青畝

以上

by 575fudemakase | 2017-03-17 21:33 | 新年の季語 | Trackback | Comments(0)

薺打つ の俳句

薺打つ の俳句

薺打つ

例句を挙げる。

あの藪に人の住めばぞ薺打つ 一茶
こと~と老の打出す薺かな 鬼城
その藪に人の住めばぞ薺打 一茶
はしための古りまさりてぞ薺打つ 松藤夏山 夏山句集
はやし唄母より洩れて薺打つ 遠藤喜久女
まなうらにふるさとの海薺打つ 小久保洋子
みかど崩御いまも胸打つ薺の日 富田潮児
一きほひ六日の晩や打薺 許六
一と抓み薺を打ちて足りにけり 山谷傘夜
世に古りし色の俎板薺打つ 南秋草子
俎板の染むまで薺打ちはやす 龍胆 長谷川かな女
八方の嶽しづまりて薺打 飯田蛇笏
包丁の真新しさが薺打つ 小阪喜美子
和す者もあらぬ薺を打ちゐたる 沢田しげ子
四方に打つ薺もしどろもどろ哉 松尾芭蕉
妹が子は薺打つ程に成にけり 成 美
山脈に闇なじみたる薺打 長崎玲子
川を渉りてあがればきこゆ薺打 廣江八重櫻
打つ音に暁色動く薺かな 石原草人
机にもきこえてきたり薺打 森澄雄 空艪
根小屋まで打下したる薺哉 史邦
母よりは高き声上げ薺打ち 九鬼あきゑ
無器用に世の隅に生き薺打つ 古賀まり子 緑の野以後
眠られぬ朝に見る夢薺打つ 二村典子
若殿を抱て夕打つ薺哉 牧童
薺の句薺打つ日を忘れたり 高浜虚子
薺打ちし俎板に据ゑん盆栽も 河東碧梧桐
薺打って打つて昔を引寄せる 茂木白燕子
薺打つしらじらしさをたのしめり 絵馬寿
薺打つすととんとんと母癒えよ 渡辺恭子
薺打つてわづかに老の胸ともる 黒木 夜雨
薺打つて浮名まうけの恋も果つ 稲垣きくの
薺打つとぎれとぎれのむかし唄 小川匠太郎
薺打つや袂をつめし出羽紬 古賀まり子 緑の野以後
薺打つ俎板を先づ濡らしけり 山田みづえ
薺打つ唄の終りは忘れしが 奥田とみ子
薺打つ大瀬に雪のしまきつつ 龍太
薺打つ妻ソプラノに囃しをり 大野裕康
薺打つ姑の生涯すこやかに 小池美千子
薺打つ無雙の母となりにけり 斎藤玄
薺打つ細め細めし粥の火に 赤松子
薺打つ音か女の哀しい音 加倉井秋を 『武蔵野抄』
薺打つ音が母呼ぶ亡き母を 林翔 和紙
薺打つ音につながる母は亡し 林 翔
薺打つ音に目醒めて二日酔 根岸善雄
薺打つ音やめば隣り子も寝てか 平栗猪山
薺打つ音をも聴かず住み古りぬ 杉山岳陽
薺打つ音澄むくりや雪降れり 足羽雪野
薺打中に女の笑ひかな 冠露
薺打来世も父母を父母とせむ 渡邊千枝子
裃を着け端然と薺打つ 本岡歌子
裏町にすぐ打ちやみし薺かな 長谷川春草
七種や似つかぬ草も打まじり 松藤夏山
海鳴りへ七種を打つ音加ふ 柏 禎
草枕薺うつ人時とはん 山川
薺うつ先々のこと考へず 岸田稚魚
薺うつ遠音に引や山かづら 松岡青蘿
客二人七種はやす戸に来る 高浜虚子
行燈に七種はやす手暗がり 句仏

薺打つ 補遺

世わすれに薺打らん月と梅 井上士朗
八方の嶽しづまりて薺打 飯田蛇笏 家郷の霧
其雪をそのままはやす薺かな 正岡子規 薺打
君か代の薺をはやす拍子哉 正岡子規 薺打
大嶺よりやまびこかへす薺打 飯田蛇笏 家郷の霧
揚げ蓋も少し伴奏薺打ち 林翔
早蕨の七草打ば寒からむ 其角
机にもきこえてきたり薺打 森澄雄
玉簾にきこしめすらむ薺打と 加藤曉台
百姓の門をのぼる日や薺打 飯田蛇笏 心像
薺うつ都はづれの伏家かな 正岡子規 薺打
薺打つ人とこそ見れ五百石 正岡子規 薺
薺打つ大瀬に雷のしまきつつ 飯田龍太
薺打つ無双の母となりにけり 齋藤玄 飛雪
薺打つ音が母呼ぶ亡き母を 林翔 和紙
薺打つ音黄泉よりの母の音 林翔
薺打日はさし櫛の落用意 木因
雪山に日が真赤ぞな薺打 岸田稚魚 紅葉山

以上

by 575fudemakase | 2017-03-17 21:30 | 新年の季語 | Trackback | Comments(0)

七種粥 の俳句

七種粥 の俳句

七種粥

例句を挙げる。

あるままに野菜揃へて七日粥 川村甚七
いくさ深しすめらみくには薺粥 渡邊水巴 富士
いたはりついたはられつつ七日粥 小松崎爽青
おふくろと呼ばるることよ薺粥 永方裕子
くちびるを七種粥へ尖らせる 蔦三郎
けふすこし早起きしたる薺粥 守山琴女
さゞんくわは名残の花や七日粥 渡邊水巴
すずしろのもつともあをし七日粥 長倉閑山
その年のその日のいろの薺粥 龍太
たまきはる命あかりの七日粥 橋本榮治 麦生
はし紙の汚れも少し薺粥 村木記代
みほとけに七種粥の灯を上ぐる 中川 みさえ
ゆきばらのけさもやめるや薺粥 久保田万太郎 流寓抄
わが摘みし芹の香めでて七日粥 斎藤 道子
アメリカの大屋根の下薺粥 秋本敦子
一椀を思ひ立ちたる薺粥 藤田あけ烏 赤松
七日客七種粥の残りなど 高浜虚子
七日粥うまし老境はじまるや 藤原たかを
七日粥母の言葉の今も生き 河野南畦 『硝子の船』
七日粥虫食ひの菜もきざみたる 中村泰子
七曜を忘れてすごす七日粥 檜紀代
七種粥ははがりの塩ひとつまみ 長谷川久々子
七種粥欠けたる草の何何ぞ 鷹羽狩行
三猿にまだ徹しかね七日粥 富田潮児
丹田に応ふるものぞ薺粥 齋藤玄 飛雪
兄のこと書いて母恋ふ七日粥 古舘曹人
先づ春の匂ひも嬉し薺粥 二遊
南に洋ひらけたる七日粥 原裕 出雲
受験子の紅き耳たぶ薺粥 松村多美
吹くたびに緑まさりて七日粥 小沢初江
吾が摘みし芹が香に立つ七日粥 小松崎爽青
喪ごもりのひととせが過ぎ薺粥 佐川広治
喪心を一掃七日粥を炊く 富田潮児
境内に薺摘みけり七日粥 大谷句佛 我は我
夜明けつつ弥陀にけぶるや七日粥 藤原 如水
大釜で炊く宿坊の七日粥 山崎羅春
大釜の色かぐはしき七日粥 浅見咲香衣
大鍋に炊きあふれけり薺粥 高橋淡路女 梶の葉
天暗く七種粥の煮ゆるなり 普羅
妻に供(お)く野の香稚き七日粥 雨宮抱星
小障子に峠の日あり七日粥 木村蕪城
手許には芹だけされど七日粥 及川 貞
昨日大事明日大切に薺粥 大沢ひろし
晴天の山ひとつ負ひ薺粥 廣瀬直人
杓子動かぬ七種粥を恐れけり 龍胆 長谷川かな女
母より先に起きしことなし薺粥 鈴木栄子
比良すこし暮れて来りし七日粥 西田栄子
炬燵居のふた草あらぬ七日粥 角川源義
煮え立ちてはるけき色の薺粥 廣瀬直人
煮させけり七種粥を八日にも 林原耒井
田ほとりにありあふものの七日粥 黒坂紫陽子
畑のもの薺に足せり七日粥 滝村正道
病室も常の日となる薺粥 古賀まり子 降誕歌
糸底の掌にこそばゆし七日粥 石田あき子 見舞籠
老の知る老のさびしさ薺粥 遠藤梧逸
耶蘇名持つ下宿子のをり薺粥 石川幸子
胸の闇濃ゆく七種粥冷ゆる 小松崎爽青
膝に来る子のいつまでや薺粥 深澤 厚子
花拒み言葉を拒み祖母の咳く(七日粥) 橋本榮治 麦生
菜畑に雨の残りし七日粥 中野あぐり
葉のさきや雪に焦げたる薺粥 室生犀星
蓋とれば野の明るさの薺粥 谷口稠子
薺粥さらりと出来てめでたけれ 杣男
薺粥とて世の母と在るごとし 田中鬼骨
薺粥ながき眉毛のうちふるひ 吉本伊智朗
薺粥はやくも不義理二つかな 江口千樹
薺粥むさし野の雪消えぬまに 渡辺桂子
薺粥もしやの二人ごころして 諸角せつ子
薺粥仮の世の雪舞ひそめし 飯田龍太 今昔
薺粥六十路を父母は赭顔に 大熊輝一 土の香
薺粥吹きくぼめつゝ香ぐはしき 逢坂月央子
薺粥妻も五十になりにけり 西本一都 景色
薺粥家持ち上げる風の出て 上原富子
薺粥椀のうつり香よかりけり 鈴鹿野風呂
薺粥母とむかひし齢かな 小林康治 四季貧窮
薺粥独りの音を立てにけり 渡辺桂子
薺粥痴呆の母の口へさざなみ 安西 篤
薺粥箸にかからぬ緑かな 高田蝶衣
薺粥遠白雲に家冷ゆる 中拓夫
赤松は躍れる木なり七日粥 宮坂静生
里心つましホテルの薺粥 今関幸代
雨すぐに雪にかはりて七日粥 宇佐美魚目 秋収冬蔵
雪となる窓の明るさ薺粥 佐藤明日香
雪国の訛すこしく薺粥 長谷川櫂 古志
風邪の児にすこし熱くて七日粥 田中一荷水
食べごろの湯気あそばせて薺粥 檜 紀代
髭の邪魔いかにきのふの薺粥 也有 (正月八日附丈草の手紙鬚は汁をすゝる邪魔になり云々とあれは)
鳥寄せてまたあそぶ木や薺粥 魚目
黒楽茶碗七種粥の匂ふなり 近本雪枝
なづな粥すする昭和の消え行く日 町田しげき
なづな粥吹きよせて野のあさみどり 稲島帚木
なづな粥泪ぐましも昭和の世 沢木欣一
粥食のつづきの中のなづな粥 能村登四郎
紅走るひと切れの餅なづな粥 茂里正治
膝の児に覗く歯二本なづな粥 山田弘子 こぶし坂
一度に粥の中に落し七草廣がる 著森遺稿集 貴志著森
七種のどれも濃みどり粥の中 上田 芳子
七種の三つがそろひて粥炊くも 谷迪子
七種や今を昔の粥の味 鴻村
七種や薺すくなの粥すする 臼田亞浪 定本亜浪句集
七草のまことに淡き粥の味 角川春樹
七草の粥のあをみやいさぎよき 青々
七草の粥の米磨ぐひとにぎり 朝倉和江
七草の粥ふつくらと父は亡し 津田仙子
七草の粥まにあはず息絶えし 瀧澤伊代次
七草の粥煮ゆる間の炉の火色 井上雪
七草や粥にあつまる門弟子 四明句集 中川四明

七種粥 補遺

いくさ深しすめらみくには薺粥 渡邊水巴 富士
うごきそめし影に朝靄七日粥 桂信子 花影
おろそかにせず一人炊く薺粥 飯島晴子
その年のその日のいろの薺粥 飯田龍太
なつかしき七種粥よ小母は亡し 星野立子
ややうすくやや熱くして七日粥 鷹羽狩行
七種や薺すくなの粥すする 臼田亜郎 定本亜浪句集
七種粥眼を病む傷が炊ぎけり 古沢太穂 捲かるる鴎以後
七草のすずしろばかり七日粥 右城暮石 虻峠
丹田に応ふるものぞ薺粥 齋藤玄 飛雪
国の喪となりし七種粥のいろ 佐藤鬼房
天暗く七種粥の煮ゆるなり 前田普羅 普羅句集
妻よ無事を倖せとせむ薺粥 村山故郷
子ら来ねば餅も減らずよ七日粥 安住敦
家居して七種粥も怠らず 安住敦
小畑にくさぐさ摘まん七日粥 飴山實 句集外
慟哭や七種粥の箸措きて 阿波野青畝
成人の案内真理に七日粥 角川源義
晴天の山ひとつ負ひ薺粥 廣瀬直人
比良が峯は雪吹きつのり薺粥 鷲谷七菜子 一盞
淡雪の箸さはりなり薺粥 素丸 素丸発句集
炬燵居のふた草あらぬ七日粥 角川源義
物ごとを浅黄にめされ薺粥 素覧
芹薺根のたくましき七草粥 細見綾子
草の香をまづかしこみて七日粥 上田五千石『琥珀』補遺
薄らがぬ喉の痛みや七日粥 佐藤鬼房
薺粥仮の世の雪舞ひそめし 飯田龍太
薺粥業平みちに日ざしかな 岡井省二 山色
薺粥母とむかひし齢かな 小林康治 四季貧窮
遠き音風音となり七日粥 橋閒石 朱明
雪峡にしづもる家族薺粥 飯田蛇笏 家郷の霧
額にさす須臾の朝日や七日粥 佐藤鬼房
飲明す上戸へ直に薺粥 越人
齢ひとつ旅にかさねて薺粥 鷲谷七菜子 天鼓

以上

by 575fudemakase | 2017-03-17 07:31 | 新年の季語 | Trackback | Comments(0)

粥柱 の俳句

粥柱 の俳句

粥柱

例句を挙げる。

つぶらなる鳥の眼と合ふ粥柱 中戸川朝人
丸餅も小豆も好きで粥柱 町春草
喪の家の音微かなり粥柱 吉川千丘
失はず来し信条や粥柱 伊東宏晃
湯気もまた箸に引くなり粥柱 井沢正江
父のごと老夫いたはり粥柱 杉原竹女
白きもの白きにありて粥柱 坂井建
粥柱しづかに老を養はむ 富安風生
粥柱ひんがしは雪西は雨 寺井谷子
粥柱鳥のつぶらな眼と出合ひ 中戸川朝人 星辰
薺の斑つけて大きな粥柱 千原草之
雪山に雪降り重ね粥柱 陣内イサ子
鵯鳴いて相模は晴れぬ粥柱 原石鼎
かしこくも粥杖うちぬ狐つき 松瀬青々
粥杖に冠落ちたる不覚かな 内藤鳴雪
粥杖に逃ぐるふりしてうたれけり 三 敲
粥杖や伊賀の局にたぢろぎし 伊藤松宇
粥杖や梨壷の五人打はづし 羅川
粥杖を祝はれし戸に落首かな 安斎桜[カイ]子

粥柱 補遺

それらしき湯気神楽あげ粥柱 鷹羽狩行
ひと欠けの青のかぐはし粥柱 飴山實 句集外
みづからを恃むほかなし粥柱 上田五千石『天路』補遺
一男の祖父となりけり粥柱 上田五千石『天路』補遺
天われにこの壽を賜ふ粥柱 富安風生
子の数を家財にかぞへ粥柱 上田五千石『琥珀』補遺
杉山のおもて見てゐる粥柱 岡井省二 夏炉
枯淡には年歯足らずよ粥柱 上田五千石 天路
粥柱しづかに老を養はむ 富安風生
菜の花を入れてめでたし粥柱 山田みづえ 草譜

以上

by 575fudemakase | 2017-03-17 07:28 | 新年の季語 | Trackback | Comments(0)

寝正月 の俳句

寝正月 の俳句

寝正月

例句を挙げる。

けもの鍋こと~煮えて寝正月 石橋秀野
ははそはの母にすすむる寝正月 高野素十
ふるさとにのこす名もなく寝正月 古舘曹人 樹下石上
まむし酒ありて湯治の寝正月 穐好樹菟男
みどり児の起きてしまひし寝正月 稲畑汀子
みほとけのおん膝ちかく寝正月 高岡智照
ゆふぐれの机ありけり寝正月 藤田あけ烏
わが老をわれがいたはり寝正月 福井艸公
われになき才智のぞまず寝正月 上村占魚
一さきに雀のめざめ寝正月 原石鼎 花影以後
九十一才の寝正月なりしかな 粟津松彩子
京の端の北白川や寝正月 日野草城
南天を食べに来る鵯寝正月 草間時彦
又かかる誘ひの電話寝正月 湯川雅
壺の薔薇ほぐるるを見て寝正月 大島民郎
夜となりて吉夢むさぼる寝正月 金子兜太 皆之
孫子等の遠きもよけれ寝正月 副島ふみ
寝正月からだを薬かけめぐり 長谷川秋子 『菊凪ぎ』『鳩吹き』『長谷川秋子全句集』
寝正月さめてふと思ふ梅見月 原石鼎 花影以後
寝正月せめて敷布の新しく 野村喜舟 小石川
寝正月と決めこむ顔のないボンベ 加藤三陽
寝正月なれど天地広くゐる 森澄雄
寝正月の今宵も星の美しき 村山古郷
寝正月またよからずや訪ひもせむ 下村梅子
寝正月一ト笑ひして起きにけり 渡辺軍平
寝正月大和島根の浮くまゝに 中島月笠
寝正月子供の話聞くとなく 丸山綱女
寝正月川音そして山の音 戸塚時不知
寝正月帯の流れのやうな町 片岡とし子
寝正月西方浄土へ足向けて 小出秋光
寝正月鶲を欲れば鶲来る 橋本多佳子
山海の幸たつぷりと寝正月 久米谷和子
常磐木の青さ眼にしむ寝正月 原コウ子
我も折れていはるるままに寝正月 富安風生
把手磨けど握手は嫌ひ寝正月 香西照雄 対話
新しき千年紀まづ寝正月 松尾隆信
旅行書の南海青し寝正月 大島民郎
明日はよきあきうどたらん寝正月 小畑一天
朝風呂を立てゝ百姓寝正月 渡部余令子
松風もつのればわびし寝正月 高田蝶衣
楪の萎びからびや寝正月 夢筆
次の間に妻の客あり寝正月 日野草城
歩み板はづし艀の寝正月 守矢牧彦
死神に居留守をつかふ寝正月 山下律子
母われを生みし地に棲み寝正月 松村多美
牛の糧やるよりほかは寝正月 羽野 蕗村
玄関に風の訪れ寝正月 阿部みどり女 月下美人
目出度さや老いて互に寝正月 高浜虚子
虚子庵に不参申して寝正月 松本たかし
裏街に住む気安さよ寝正月 久保田一穂
贅肉がたつぷり寝正月の母 楠節子
透きとほる葛湯さみしき寝正月 中村苑子
金輪際決め込む妻が寝正月 岸田稚魚
食べるものきちんと食べて寝正月 丁野弘
飲食の子規を羨しむ寝正月 石田波郷

寝正月 補遺

「娑婆遊び」と言えど曖味寝正月 金子兜太
「黒髪」の御山の許す寝正月 平畑静塔
けもの鍋こと~煮えて寝正月 石橋秀野
こつとりをことりと落し寝正月 日野草城
すべて過去 すべて未来の 寝正月 伊丹三樹彦
ははそはの母にすすむる寝正月 高野素十
ふるさとにのこす名もなく寝正月 古舘曹人 樹下石上
みどり児の起きてしまひし寝正月 稲畑汀子
めをととてくしきえにしや寝正月 上田五千石 天路
やは~と生きると決めて寝正月 飴山實 句集外
一さきに雀のめざめ寝正月 原石鼎 花影以後
乱行の雪となりけり寝正月 上田五千石 琥珀
京の端の北白川や寝正月 日野草城
人々のなさけを謝して寝正月 山口青邨
僕婢なきわが代うれしや寝正月 上田五千石『天路』補遺
南天を食べに来る鵯寝正月 草間時彦
咳き込んで あかつき憎む 寝正月 伊丹三樹彦
喪正月寝正月なる手足かな 山田みづえ 草譜
喰べさしのぽんかんにほふ寝正月 日野草城
夜となりて吉夢むさぼる寝正月 金子兜太
大濤の上げし日の出の図寝正月 山口青邨
宇宙遊泳もかくやと寝正月 鷹羽狩行
寝ることのさびしさ知るや寝正月 林翔
寝正月さめてふと思ふ梅見月 原石鼎 花影以後
寝正月なれど天地廣くゐる 森澄雄
寝正月には広島菜□にあふ 佐藤鬼房
寝正月の今宵も星の美しき 村山故郷
寝正月世に処する道練りにけり 阿波野青畝
寝正月賀客のベルのまた響く 日野草城
寝正月退屈の虫だましだまし 佐藤鬼房
寝正月鶲を欲れば鶲来る 橋本多佳子
寝積むや煙草火つくり独言 角川源義
寝積や布団の上の紋どころ 阿波野青畝
山棲みの畳青しも寝正月 飯田蛇笏 家郷の霧
幻の秘宝が恃み寝正月 佐藤鬼房
廻ぐる日の色麗かや寝正月 川端茅舎
我も折れていはるるままに寝正月 富安風生
把手(ノブ)磨けど握手は嫌ひ寝正月 香西照雄
昼過ぎの水汲みに出て寝正月 鷹羽狩行
東山晴れて曇りて寝正月 日野草城
松茸も出てくる夢と寝正月 金子兜太
枯れてゆく山毛欅と共寝の寝正月 金子兜太
次の間に妻の客あり寝正月 日野草城
老成(ねびる)とはいびることらし寝正月 佐藤鬼房
虚子庵に不参申して寝正月 松本たかし
裸木に 雨の鞭鳴る 寝正月 伊丹三樹彦
襖絵の美女に囲まれ寝正月 鷹羽狩行
軽いひもじさに 風聴く 寝正月 伊丹三樹彦
辰年の男九十六歳寝正月 山口青邨
陶の狸御慶を申す寝正月 山口青邨
風の音きこゆるばかり寝正月 日野草城
骰ひとつ畳の上に寝正月 鷹羽狩行

以上

by 575fudemakase | 2017-03-17 07:24 | 新年の季語 | Trackback | Comments(0)

鷽替 の俳句

鷽替 の俳句

鷽替

例句を挙げる。

倖せをはなしたくなき鷽替ふる 有森一雄
八十路なほ恃むものあり鷽替ふる 千原満恵
別々に鷽替へて居る夫婦あり 武藤樹青
友ら遠し立身の鷽替へもせず 小林康治 玄霜
吉凶の顔や等しく鷽替へぬ 吉田鴻司
弾き出されては飛び込み鷽替ゆる 岡部六弥太
手から手へ鷽替神事鼓に果つる 小松弘枝
晴天に雪散る日なり鷽替る 前川素泉
暁の鷽替へて来た袂かな 尾崎紅葉
死にはぐれ嫁ぎはぐれて鷽替ふる 古賀まり子
病む母の産土神の鷽替へて 能村研三
茶屋に待つはゝそはに鷽替へて来し 竹末春野人
雪の中鷽替への渦移りゆく 岡部六弥太
音たてぬ夫いることも鷽替える 古川塔子
鷽替て幸せくると信じをり 徳重 敏乃
鷽替に楠の夜空は雪こぼす 野見山朱鳥
鷽替に親子で渡る太鼓橋 白木サダ子
鷽替のいとちさき鷽もらひけり 石田あき子 見舞籠
鷽替のこぼれもどりの隅田川 杉山岳陽
鷽替の人波勢ひつき来たる 浅井陽子
鷽替の勢子先づ禰宜の神酒を受く 福井大節
鷽替の嘘を誠に替えにけり 芝田教子
鷽替の寒き鯉汁たうべけり 増田龍雨 龍雨句集
鷽替の掌をふれ合ひしよりの仲 竹内 一芝
鷽替の数だけ福の笑み貰う 中川三千草
鷽替の金の当りて埓もなき 後藤比奈夫 めんない千鳥
鷽替ふるならば徹頭徹尾替ふ 後藤比奈夫 祇園守
鷽替ふる顔見うなづき替へにけり 小原菁々子
鷽替へてあをき空ある太鼓橋 喜多みき子
鷽替へてそくばくの運あるごとし 大沢ひろし
鷽替へて巾着うせぬ戻り道 松瀬青々
鷽替へて手のぬくもりを戴きし 竹中弘明
鷽替へて日向の方へ歩きけり 宮下翠舟
鷽替へて昔の色の寒夕焼 塚原巨矢
鷽替へて眉目おもしろき鷽にあふ 仁井一路
鷽替へにをとこ東方より来る 内田美紗 魚眼石
鷽替やどうせこの世は嘘ばかり 菖蒲あや
鷽替や夕べ吹かるる橋の上 福島勲
鷽替や少女の白き手に触れて 永沢達明
鷽替や節くれの指華奢な指 橋本 博
鷽替や隣の孀婦替へ当てし 上田僊堂
鷽替や鷽売切れの旗あがる 高木良多
鷽替や黒き手套の落ちてをり 館岡沙緻
鬼燻べて楠の大樹も枝鳴らす 山田つるの
亀戸天満宮
頭上を雀ひゅんひゅん鷽替日和かな 高澤良一 暮津
鷽替や破格の鷽が先づ売れて 高澤良一 暮津
ひょうきんな目をした鷽の替えらるる 高澤良一 暮津
懐に滑り込ませぬ木彫鷽 高澤良一 暮津
これみんな鷽替を待つ人の列 高澤良一 暮津
鷽替の列の後尾はここですか 高澤良一 暮津
納め鷽大小よくも並べたり 高澤良一 暮津
携帯の懐中鷽も売られをり 高澤良一 暮津

鷽替 補遺

人の世の袂に替へし鷽はあり 福田蓼汀 山火
友ら遠し立身の鷽替へもせず 小林康治 玄霜
娘夫婦来てその母と鷽替に 安住敦
替へてきし鷽と貰つてきし鷽と 後藤比奈夫
替へ過ぎて鷽たよりなくなつて来し 後藤比奈夫
替鷽の口の大きさくらべ合ふ 後藤比奈夫
然らざる手のうちへ鷽替へにけり 阿波野青畝
鷽替のをとめばかりに声かけて 森澄雄
鷽替の決着つかぬ空の色 飯島晴子
鷽替の金の当りて埓もなき 後藤比奈夫
鷽替の鷽はかわゆし飾りおく 山口青邨
鷽替ふるならば徹頭徹尾替ふ 後藤比奈夫
鷽替へて人の鑑になるつもり 後藤比奈夫

以上

by 575fudemakase | 2017-03-17 07:19 | 新年の季語 | Trackback | Comments(0)

初神楽 の俳句

初神楽 の俳句

初神楽

例句を挙げる。

しんしんと鈴を振り込む初神楽 山口草堂
ひきしぼりたる笛の音や初神楽 上田春比古
ひとところゆつくり舞ひて初神楽 橋本榮治 越在
みづうみに日のゆきわたり初神楽 山崎秋穂
人形の撓わぬ手足初神楽 中村天詩
伊那谷の杉の真闇の初神楽 太田 嗟
八方の柱の冷の初神楽 橋本榮治 越在
初神楽の巫女に明日を見てゐたり 市野沢弘子
初神楽ぼろんぼろんと琴奏で 山口波津女
初神楽をろちいつまで酔の所作 桑原志朗
初神楽吹かねば氷る笛を吹く 加藤かけい
初神楽太(いた)く神慮に叶ひたり 山口誓子
初神楽待つ紫の幕紋り 清崎敏郎
初神楽扇の紐を地に垂らし 下村非文
初神楽潮灼けの耳二つみせ 諸角せつ子
初神楽火桶に笙を焙りては 河野石嶺
初神楽誘ひ音に出づひよつとこ面 栗岡こと
初神楽雪の御嶽にひびきけり 山下竹揺
古への争ひを今初神楽 上野泰 春潮
山窪の二十戸足らず初神楽 百合山羽公
庭燎にちらつく雪や初神楽 上野巨水
悪の神にぬかづく女神初神楽 上野泰 春潮
斧あてしごとき一笛初神楽 伊藤敬子
早池峰の神々こぞる初神楽 山本一歩
木の瘤に子がまたがりて初神楽 吉田栄
杉はなほ夜の高さに初神楽 鷹羽狩行
止みてすぐもとのしづけさ初神楽 鷹羽狩行
泥濘に檜葉敷き詰めし初神楽 茨木和生 遠つ川
潮鳴りも囃子のひとつ初神楽 伊藤いと子
白波のときをり見ゆる初神楽 片山由美子 風待月
篤農の確かな手足初神楽 伊藤通明
美しき神の黙あり初神楽 伊藤敬子
翁金扇拡ろげ初神楽 石原栄子
髪長く神を慰む初神楽 山口誓子

初神楽 補遺

初神楽いぶせきまでに扇古り 鷹羽狩行
初神楽大蛇のとぐろ隆々と 飯島晴子
初神楽太く神慮に叶ひたり 山口誓子
初神楽離れて聞けば過疎の声 百合山羽公 樂土以後
古への争ひを今初神楽 上野泰 春潮
山窪の二十戸足らず初神楽 百合山羽公 樂土以後
悪の神にぬかづく女神初神楽 上野泰 春潮
杉はなほ夜の高さに初神楽 鷹羽狩行
止みてすぐもとのしづけさ初神楽 鷹羽狩行
焚火また人見知りせず初神楽 百合山羽公 樂土以後
髪長く神を慰む初神楽 山口誓子

以上

by 575fudemakase | 2017-03-17 07:15 | 新年の季語 | Trackback | Comments(0)

初薬師 の俳句

初薬師 の俳句

初薬師

例句を挙げる。

かんざしを豊年挿しや初薬師 後藤綾子
ささやかな願ひごとして初薬師 関口栄子
すぐ裏を電車の通る初薬師 山下竹揺
なゝくさや明日は野寺の初薬師 松岡青蘿
み仏に男の煮炊き初薬師 松本千代子
もちよりし幕やうすべり初薬師 駒田菓村
ハイヒール提げて火渡る初薬師 永井武子
一山の雪の深さや初薬師 野津無字
人波へ湯気吐く露店初薬師 加藤風信子
初薬師かへりの芹を摘みにけり 岸風三樓
初薬師ぬくき一ト日となりにけり 佐藤信子
初薬師ねんねこがけで詣でけり 河原白朝
初薬師より青空を連れ帰る 小澤克巳
初薬師初金毘羅と逢ひ貯めて 鈴木栄子
初薬師参道匂ふ焼つぐみ 津和大樹
初薬師売れぬ苗木を糶つてゐる 嶋崎楓峰
初薬師小雪のあとの薄日ざし 徳田林泉
初薬師磴に霰の敷きそめし 松波はちす
初薬師祖母に買ひたる一位箸 安田建司
初薬師苗木に隣る農具市 中沢文次部
初薬師風邪いましめて帰しけり 安住敦
団扇餅鬻ぐ草家や初薬師 吉田一彩
平成の月日はじまる初薬師 城戸緑楼
御前に重たき餅を初薬師 今川凍光
念仏の雨にとぎれて初薬師 山口 得
接待の火鉢撫でをり初薬師 土橋石楠花
杉の雪しきりに落ちぬ初薬師 大峯あきら
枯桑の径の往来は初薬師 奥田可児
水煙の雀が呼ぶや初薬師 杉田賀代子
海見ゆる産湯の里の初薬師 児島青波
畑見ゆ町のはづれの初薬師 山村庄太郎
真言のおんころころや初薬師 馬場一扇
矮鶏の閧山に弾めり初薬師 林 ヨシ子
荒星の掴む近さや初薬師 曽根原幾子
護摩祈祷待つ日溜や初薬師 富田潮児
遊里よりつき来し猫や初薬師 岡本庚子
鉈彫の秘仏はくらし初薬師 北澤瑞史
降る雪に大護摩焚けり初薬師 熊田鹿石
願かけの母の手をひき初薬師 新井桜邨
願ひごとあれば参らむ初薬師 大賀 賢子
香煙を母にかけやる初薬師 宮田俊子
鼻がしら凍みつぱなしや初薬師 溝口青於

初薬師 補遺

なゝくさや明日は野寺の初薬師 松岡青蘿
初薬師父の篤信承けざれど 上田五千石『天路』補遺
初薬師風邪戒めて帰しけり 安住敦
千余年出湯たうたう初薬師 上村占魚
木に寄せて篠束青し初薬師 石田勝彦 百千

以上

by 575fudemakase | 2017-03-17 07:12 | 新年の季語 | Trackback | Comments(0)

十日戎 の俳句

十日戎 の俳句

十日戎

例句を挙げる。

三日目の十日戎となりにけり 秋山巳之流
十日戎所詮われらは食ひ倒れ 岡本圭岳
十日戎浪花の春の埃かな 岡本松濱
南座もはねたる十日戎かな 杉岡せん城
売れ残る十日戎や宝なり 玉越琅々
小屋傾ぎ十日戎の箕をかぶる 古舘曹人 砂の音
手ぶらにて十日戎の人と会ふ 藤田湘子
母も居て十日戎のその昔 中村祐子
注ぎ足して十日戎の桶の水 渡部昭波
浪花女の十日戎の土産かな 高浜虚子
菓子買ふや十日戎の風の中 桂信子
きらきらと賽銭舞へり初戎 金田初子
さづかりし粗末なるもの初戎 後藤夜半 底紅
ぬかるみも賑ひのなか初戎 高木石子
ひとゆらしして福笹を買ひにけり 深見けん二
一と俵足して福笹撓ひたる 藤田あけ烏 赤松
七星のしだり尾あをき戎笹 ほんだゆき
人を思ひをり福笹の人の中 藤田あけ烏 赤松
人波に方角生れ初戎 山田弘子 こぶし坂
凶くれて残り福とは面白し 細見しゆこう
初戎ねがひのうなじうつくしく 牧野多太士
初戎押すな押すなと押してをり 塩川雄三
初戎拡声器より笑ひ声 熊口三兄子
初戎曲れば四條通の灯 辻田克巳
初戎櫓櫂を雪にねむらせて 中村翠湖
前をゆく人の福笹顔にくる 山田 静雄
吾よりも妻に商才初戎 五島沖三郎
商人になる一念や初戎 速水真一郎
商魂を子にも給へと初戎 堀恭子
地下道を華やぎ通る福笹持ち 橋詰沙尋
堀川の水の暗さや宵戎 青木月斗
大阪の寒さこれより初戎 西村和子
大阪の遊びはじめや宵戎 長谷川櫂 蓬莱
大阪を好きも嫌ひも宵戎 吉田すばる
大鮪とどく神前初戎 山本 正樹
宵戎手相見の灯は別にあり 山田弘子 こぶし坂
小火騒ぎありて今宮宵戎 後藤鬼橋
戎笹手に手にかざし楽屋入り 廣瀬ひろし
旅の手に福笹しなふ重さあり 有働 亨
昼からのつんぼ戎の残り福 藤田あけ烏 赤松
智恵熱かすぐ引きにけり宵戎 宇佐美魚目
機織つて来し手を合せ残り福 土井糸子
残り福いただき戻り風邪ごゝち 岸風三楼 往来
残り福とて駈け込みし人等あり 稲畑汀子
残り福なれば残らず貰はんか 鎌田杏化
残り福疲れし声をあげて売る 大戸貞子
火の中の鈴が音持つ初戎 野見山ひふみ
町川に録音車映え宵戎 宮武寒々 朱卓
留守居して風呂の湯を張る宵戎 岡本差知子
福笹にきり~舞の小判かな 倉西抱夢
福笹につけてもらひし何やかや 高濱年尾 年尾句集
福笹に他人の笹を触れさせず 竹中碧水史
福笹のやさしき音を持ち帰る 山下澄江
福笹の人あとさきに法善寺 茂里正治
福笹の大判小判重からず 嶋杏林子
福笹の子を鳳のごと抱く 古舘曹人 砂の音
福笹の笹の乾きも厄をんな 後藤綾子
福笹をかつぎ淋しき顔なりし 高濱年尾 年尾句集
福笹をかつぐにあらず袖に抱く 館岡沙緻
福笹をかつげば肩に小判かな 山口青邨
福笹をかつげる夫を見失ふ 高林三代女
福笹を売る側に立ちいきいきす 有馬いさお
福笹を置けば恵比寿も鯛も寝る 上野章子
立止るすべなく詣で初戎 広瀬ひろし
肉筆の幟立てたり初戎 茨木和生 倭
賑はひを見過しゆくも残り福 稲畑汀子
雑踏を夫にかばはれ初戎 上野美代子
頬べたにさはる小判や戎笹 皿井旭川
風もなき残り戎の誕生日 市野沢弘子
食ひものの匂ひ雑多や初戎 茂里正治
飯茶碗温めて盛りぬ初戎 宮本永子
鳩時計鳴るや早寝の宵戎 赤尾兜子
本覚寺
甍見え十日戎の寺はそこ 高澤良一 暮津
初戎乾びし風が吹きにけり 高澤良一 暮津
福笹に当り矢紛れなかりけり 高澤良一 暮津
福笹の大福帳が風に舞ひ 高澤良一 暮津
偽小判出回る世にして初戎 高澤良一 暮津
福笹に吊らるゝもののおもしろや 高澤良一 暮津
真っ赤か十日戎の日暮れ雲 高澤良一 暮津

十日戎 補遺

さづかりし粗末なるもの初戎 後藤夜半 底紅
ひとゆらしして福笹を買ひにけり 深見けん二
ほれ吉兆つけてもろうて宵戎 岡井省二 鯨と犀
一つ何か重く垂れたり戎笹 高浜年尾
人よりも笹の混みあひ初戎 鷹羽狩行
円高を耐へむと十日戎かな 阿波野青畝
宮司様もまれて十日戎かな 阿波野青畝
小屋傾ぎ十日戎の箕をかぶる 古舘曹人 砂の音
戎笹人の押し来しゆゑに買ふ 後藤比奈夫
手ぶらにて十日戎の人と会ふ 藤田湘子
松の幹に縛す裸燈下宵戎 右城暮石 句集外 昭和三十三年
灯のながれ扨て扨て十日戎へと 阿波野青畝
福に縁なきに似し身や初戎 後藤比奈夫
福笹のしなふは鯛の重さなる 鷹羽狩行
福笹の子を鳳のごと抱く 古舘曹人 砂の音
福笹の福とは光るものらしく 稲畑汀子
福笹や早足火扇に蹤きて行く 村山故郷
福笹をいただきし夜の小雪かな 雨滴集 星野麥丘人
福笹をかつげば肩に小判かな 山口青邨
福重し持てばしなひて戎笹 稲畑汀子
笑ひあふ十日夷の烏帽子哉 正岡子規 十日戎
身を揉まるることが福なり初戎 鷹羽狩行
鳰時計鳴るや早寝の宵戎 赤尾兜子 玄玄

以上

by 575fudemakase | 2017-03-17 07:07 | 新年の季語 | Trackback | Comments(0)


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

プロフィールを見る

S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

カテゴリ

全体
春の季語
夏の季語
秋の季語
冬の季語
新年の季語
句集評など
句評など
自作
その他
ねずみのこまくら句会
未分類

以前の記事

2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
more...

フォロー中のブログ

ふらんす堂編集日記 By...

メモ帳

▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

検索

タグ

最新の記事

朝冷 の俳句
at 2017-10-16 09:58
雨冷 の俳句
at 2017-10-16 09:57
秋冷 の俳句
at 2017-10-16 09:56
ひえびえ・ひやひや の俳句
at 2017-10-16 09:54
秋湿り の俳句
at 2017-10-16 03:21

外部リンク

記事ランキング