2017年 03月 19日 ( 39 )

切山椒 の俳句

切山椒 の俳句

切山椒

例句を挙げる。

いつまでも老いぬあはれや切山椒 石田波郷
たまさかに電話が掛かる切山椒 今泉貞鳳
つまみたる切山椒のへの字かな 行方克己 昆虫記
てのひらに古備前愛す切山椒 岸風三樓
ふりしきる雪のあかるさ切山椒 久保田万太郎 流寓抄
もも色の袋に入りて切山椒 下田実花
わかくさのいろも添へたり切山椒 久保田万太郎 流寓抄以後
バレリーナより届きしは切山椒 大橋敦子
一日の休みのこりて切山椒 仙田洋子 橋のあなたに
不意にくる怒りは秘めて切山椒 倉橋羊村
仲見世の四辻小さし切山椒 川崎慶子
仲見世の灯ともし頃や切山椒 工藤久平
切山椒ひとりの数を減らしをり 石川桂郎 高蘆
切山椒へなへな雨の一の酉 有馬朗人 天為
切山椒やや母さびし手に淡し 小池文子 巴里蕭条
切山椒万太郎の句碑の裏側見つ 長谷川かな女 花寂び
切山椒仏の父母に味を問ふ 久保東海司
切山椒受けし懐紙に雪の紋 伊藤京子
切山椒大き袋の中に乾ぬ 八木林之助
切山椒学びに終の言あらず 四条ひろし
切山椒指につまんで淡きかな 小池文子
切山椒玉露淹れれば喜びぬ 後藤比奈夫 めんない千鳥
切山椒話古しといふにあらず 後藤比奈夫 めんない千鳥
切山椒買うて仲見世書肆に寄る 石原八束
切山椒買ひそこばくの足の冷 永方裕子
切山椒買ふや熊手を子に托し 橋本冬樹
吉原のはづれの町や切山椒 村山古郷
姑方は係累多し切山椒 星野麥丘人
小袋の切山椒分け神詣 脇坂啓子
左手に熊手右手に切山椒 高澤良一 燕音
座敷より茶の間が好きや切山椒 池内たけし
弟を子どもあつかひ切山椒 久保山敦子
戦なき切山椒の香なりけり 石川桂郎 含羞
手のひらに古備前愛す切山椒 岸風三楼
押され出て切山椒買ふ酉の市 石崎宏江
敵あらばおそらく五人切山椒 小澤克己
新橋にありと教へて切山椒 及川貞
暮からの風邪まだぬけず切山椒 久保田万太郎 流寓抄
歯いたくていたくてならず切山椒 久保田万太郎 草の丈
母の髷ピン交又見え切山椒 平井さち子 完流
浅草の芝居帰りや切山椒 福島勲
紅白の切山椒を打ち重ね 増田手古奈
紫も紅も江戸前切山椒 後藤比奈夫 めんない千鳥
老父に浅草遠し切山椒 渡辺千枝子
舞の出を待つ人に置き切山椒 畑耕一 蜘蛛うごく
茶の間にて用済む仲や切山椒 大久保橙青
菓子鉢のふところゆたか切山椒 鷹羽狩行 六花
裁板の切山椒の落葉籠 阿部みどり女 笹鳴
言ひ当てて雪となりたる切山椒 中戸川朝人 星辰
賑やかをもて来しひとや切山椒 星野立子
身の老いにかなふさむさや切山椒 久保田万太郎 流寓抄
雪が来る切山椒の香なりけり 細川加賀 生身魂
青空の冷え込んでくる切山椒 岸田稚魚 『花盗人』

切山椒 補遺

かんぶくろ代々浅草切山椒 百合山羽公 樂土以後
この座敷湖を入れたる切山椒 岡井省二 山色
出稽古の終りの家の切山椒 鷹羽狩行
切山椒ひとりの数を減らしをり 石川桂郎 高蘆
切山椒へなへな雨の一の酉 有馬朗人 天為
切山椒係累遠くなるばかり 亭午 星野麥丘人
切山椒浅草はかく去りがたき 中村汀女
切山椒浪花に住みて江戸育ち 後藤比奈夫
切山椒玉露淹れれば喜びぬ 後藤比奈夫
切山椒話古しといふにあらず 後藤比奈夫
切山椒買ひたる雪になりにけり 岸田稚魚 紅葉山
切山椒雪の降る夜を浅草に 雨滴集 星野麥丘人
句ごころの艶こそたもて切山椒 上田五千石 琥珀
吉原のはづれの町や切山椒 村山故郷
姑方は系累多し切山椒 弟子 星野麥丘人
戦なき切山椒の香なりけり 石川桂郎 含羞
改元のこととはなりぬ切山椒 雨滴集 星野麥丘人
浅草の盛衰うたた切山椒 百合山羽公 樂土以後
笑ひたえぬ茶の間の客よ切山椒 松崎鉄之介
紫も紅も江戸前切山椒 後藤比奈夫
菓子鉢のふところゆたか切山椒 鷹羽狩行
青空の冷え込んでくる切山椒 岸田稚魚
食べるともなしに減りゆき切山椒 鷹羽狩行

以上

by 575fudemakase | 2017-03-19 08:05 | 新年の季語 | Trackback | Comments(0)

門松 の俳句

門松 の俳句

門松

例句を挙げる。

いち早く門松舟の著きにけり 斎藤雨意
みづほ高きに素十低きに門松を 高濱年尾 年尾句集
古きさま寛し門松に丁の烏帽子着たる 信徳
大いなる門松日本の星宿る 草田男
憎みつつ紙の門松貼りにけり 福永耕二
折てさす是も門松にて候 一茶
掃けば又すぐとざす門松の花 松岡伊佐緒
片瀬腰越と門松つづき川は海へはいる 荻原井泉水
眼鏡橋門松舟の著きにけり 子規句集 虚子・碧梧桐選
研究所小さき門松たてにけり 石原 透
芦中や門松たてし漁家見ゆる 冬葉第一句集 吉田冬葉
花十八門松琴を含哉 井原西鶴
草の戸の門松を出て内裏かな 東洋城千句
門松にあたまうたれし舎人かな 雑草 長谷川零餘子
門松にかくれ顔なり角大師 吉田冬葉
門松にこぼれてありぬ龍の玉 中村汀女
門松にしかも甘露の日和かな 水田正秀
門松にぬれ身すり寄する雨の鹿 大谷句佛 我は我
門松にひそと子遊ぶ町の月 木歩
門松に千鳥も来るや浜の宿 柑子句集 籾山柑子
門松に夕凍いたりそめしかな 久保田万太郎 草の丈
門松に月を見る哉柴屋町 妻木 松瀬青々
門松に結晶体の雪刺さる 林 翔
門松に聞けとよ鐘も無常院 支考
門松に霜いたく見し大戸かな 青峰集 島田青峰
門松に青きゆふぐれ来たりけり 柏木冬魚
門松に風吹き下る石だたみ 広瀬直人
門松に馴染の鳶職も老いにけり 吉屋信子
門松のすこしゆがんでいる日向 桂 信子
門松のたちそめし町や雁渡る 渡辺水巴 白日
門松のみどりしづかな雪となる 井沢芹風
門松のややかたむくを直し入る 原 石鼎
門松のやや傾くを直しけり 小堀弘恵
門松のやゝ傾くを直し入る 原石鼎
門松の器量よしあし先斗町 高木青二郎
門松の影浅く月に掃かれけり 中島月笠 月笠句集
門松の枯癖に山思ふなり 佐野良太 樫
門松の竹の切つ先雪降れり 井上美子
門松の竹の切り口海光る 佐々木千代恵
門松の竹の切鋒(きっさき)何斬るメス 楠本憲吉
門松の笹のふれあひ隣り合ひ 実花
門松の笹の葉喰めり初荷馬 高橋淡路女 梶の葉
門松の雪のあたたかに降りにけり 涼菟
門松は大きからねど国技館 岩田由美 夏安
門松もなく学生の寮並ぶ 民郎
門松も根曳きのままに城下町 蓼汀
門松やうしろに笑ふ武庫の山 鬼貫
門松やおもへば一夜三十年 芭蕉
門松やすこしの用に隣まで 小杉余子 余子句選
門松やまだ誰も来ず誰も出ず 原田喬
門松やわがほとゝぎす発行所 正岡子規
門松や万歳去つてちょろ来る 大釜菰堂
門松や久しぶりなる三日の月 素外
門松や佐渡と越後は筋向ひ 許六
門松や例のもぐらの穴のそば 滝井孝作 浮寝鳥
門松や匂ふ日かりの槍皮ぶき 水田正秀
門松や吾妻安多太良雪置いて 豊田君仙子
門松や山風ここにきては吹く 飛鳥田[れい]無公 湖におどろく
門松や後に笑ふ武庫の山 上島鬼貫
門松や我にうかりし人の門 高浜虚子
門松や日の出の大気富士に凝り 佐野青陽人 天の川
門松や月明らかに応へ無し 水巴
門松や木と紙の家浮沈の家 柴田美代子
門松や松籟落つる大覚寺 大谷句仏
門松や板戸艶もつ武家屋敷 上部晴子
門松や藍師の青き石畳 藤江駿吉
門松や雪のあしたの材木屋 飯田蛇笏 山廬集
門松や霜に敷きたる新筵 大谷句佛 我は我
門松や静かに雪の積る音 墨水句集 梅澤墨水
門松や鳥語と人語相似たり 脇本星浪
門松や鶯のなく玉造り 真鍋薫水
門松をまともに見れば亡師の笑ひ 斉藤夏風
門松を水に打ちたて貴船川 荻野杏子
かくれ家も世に交りけり松飾 高橋淡路女 梶の葉
ふりいでし雪の中なる松飾 久保田万太郎 草の丈
よその山にはばかり折りて松飾る 木村蕪城 寒泉
亡き妻の天へ七夕竹飾る 小川原嘘帥
入れられて泣きし蔵なる松飾 瀧澤伊代次
前山に山彦棲む日松飾る 渡辺柳風
千客の万来の松飾りけり 村山葵郷
友らいつか集ひ棲みけり松飾 石田 波郷
吉野路や冬の桜に松飾 古白遺稿 藤野古白
吹かれゐし白魚舟の松飾 斎藤夏風
吾を見る墓石の前に松飾る 百合山羽公 寒雁
呉竹の根岸の里や松飾り 正岡子規
夜の雲のましろさ門木とげ~し 金尾梅の門 古志の歌
大いなる門のみ残り松飾り 虚子
太古より宇宙は霽れて飾松 正木ゆう子 静かな水
山社松の木の間の松飾 古白遺稿 藤野古白
幾霜に心ばせをの松飾り 松尾芭蕉
斧の刃にうつる地炉の火松飾る 早崎 明
松山の囲める町の松飾 汀女せん 吉屋信子
松飾いづこで焚くも地の厚み 神尾久美子
松飾して新造の春日丸 阿部みどり女 笹鳴
松飾その他も略すつねのこと 石塚友二 光塵
松飾はづし素顔の街となる 福原ふじこ
松飾りして曳売りの焼いも屋 新井太四郎
松飾りとれて小さき船ばかり 山下和人
松飾りをるはやつぱり日本人 辻井ト童
松飾り妻が大きく見ゆる日ぞ 中条明
松飾り妻は玻璃拭き空澄ます 今村米夫
松飾り小さし大きな虚子のこと 安立恭彦
松飾り小ぶりよ海女の消えし戸に 鍵和田[ゆう]子 未来図
松飾り岩木颪の吹く門に 増田手古奈
松飾るコンクリートに膝をつき 岩崎健一
松飾る機械住みつく厩にも 松倉ゆずる
松飾る病者ばかりが相寄りて 古賀まり子 洗 禮
松飾る鶏炯々と風の中 古舘曹人 樹下石上
松飾松は山よりたまはりぬ 小澤 實
松飾焚き悲しみの昭和果つ 小松崎爽青
松飾焚く火幣より発しけり 皆吉爽雨
松飾解かざる船は休みをり 穐好樹菟男
松飾錠をつらねて藩庫かな 雑草 長谷川零餘子
浜風の絶ゆることなき竹飾 清崎敏郎
海坂のきらりきらりと松飾り 渡辺大円
潮風にそよぐ門木や明け易き 金尾梅の門 古志の歌
燃えてゆく一家々々の松飾 阿部みどり女
病み臥すや蝉鳴かしゆく夜の門 木歩句集 富田木歩
苗代田に松飾りして農に生く 江藤 睦子
衣紋師の胡粉暖簾や松飾 四明句集 中川四明
賑かに人の出入や松飾 高橋淡路女 梶の葉
身の幅の龍飛裏路地松飾る 福永耕二
酒の雫しぐれそめけり飾松 二三子 選集「板東太郎」
門川は凍りて白し松飾 田村了咲
雪ふかくヒュッテの戸あり松飾 水原秋櫻子
雪国のありとも見えず松飾 龍胆 長谷川かな女
顔かくすためにある袖松飾り 橋本草郎
風音を伊賀に聞きをり松飾 鈴木鷹夫
きのふこそ峰に寂しき門の松 宗因
名月や客を窺ふ門の松 立花北枝
名月や花屋寐てゐる門の松 炭 太祇 太祇句選
春立つやにほんめでたき門の松 徳元
月雪のためにもしたし門の松 去来
能因が車おりけむ門の松 美濃-落梧 元禄百人一句
蛤のはしらつよかれ門の松 浜田酒堂
門の松たてのならびか源氏の御代 紀子 選集「板東太郎」
門の松背戸の大松みどりなり 泉鏡花
新橋の似たやうな路地松飾り 高澤良一 寒暑
カーフェリー船首にいっぽん松飾 高澤良一 石鏡

門松 補遺

いさゝかの松結ひつけぬ門柱 正岡子規 門松
ふじのねや麓は三保の松飾り 正岡子規 門松
ゴルフハウス門松真竹三本のみ 山口誓子
一人子と閑かに住めり松飾 日野草城
主柱なす船のアンテナ松飾 右城暮石 句集外 昭和四十五年
今年また門松とりにあの山へ 細見綾子
元日や門松に照る朝日影 正岡子規 元日
兄の子の背丈のびたり門の松 正岡子規 門松
兄の子の背丈ハのひて門の松 正岡子規 門松
呉竹の根岸の里や松飾り 正岡子規 門松
土牢はいまも錠かけ松飾 山口青邨
大いなる門松日本の星宿る 中村草田男
大家や出口出口の松かざり 正岡子規 門松
天神の敷石料亭の門松へ 山口青邨
妻逝きてにはかに空し松飾 松崎鉄之介
子が買つて来し門松をわが立てて 安住敦
家持て門松立てゝけさの春 正岡子規 今朝の春
寐て居れば松や松やと賣に來る 正岡子規 門松売
居籠のさかさ門松伝りぬ 後藤比奈夫
御所の門門松もなき尊さよ 正岡子規 門松
御飾は千羽鶴門松は稀 平畑静塔
我庵は明家にあらず門の松 正岡子規 門松
我庵は門松引て子の日せん 正岡子規 子の日
日させよちちままははの門飾 渡邊白泉
明家や門松の齒拔面白き 正岡子規 門松
松飾して滝の水氷りたる 右城暮石 句集外 昭和四十五年
松飾して空豆が咲いてゐる 清崎敏郎
松飾しんしん青し兵に書く 三橋鷹女
松飾その他も略すつねのこと 石塚友二 光塵
松飾燃えて橙笛鳴らす 右城暮石 虻峠
此隅に門松立てり江戸の春 正岡子規 初春
病床に豆門松の置きどころ 百合山羽公 樂土以後
眼鏡橋門松舟の着きにけり 正岡子規 門松売
砂浜に門松立ちて人の門 清崎敏郎
竝べたる門松店や寺の前 正岡子規 門松売
肥舟と門松舟と運河ゆく 山口青邨
苧殻賣の門松賣に來りたり 正岡子規 門松売
萬歳の入口せばし門の松 正岡子規 門松
萬歳の袖かざしけり松かさり 正岡子規 門松
蓮莱の嶋の緑や門の松 正岡子規 門松
誰が言ひし象牙の塔と松飾 山口青邨
門の松めをと門松とし棲みふりぬ 山口青邨
門松と門松と接す裏家哉 正岡子規 門松
門松にそへし梅が枝花一つ 山口青邨
門松に右し左す矢來町 正岡子規 門松
門松に紅ぎつしりの実南天 山口誓子
門松に結ひし水引も燃えて尉 山口青邨
門松に結晶体の雪刺さる 林翔
門松のたちそめし町や雁渡る 渡邊水巴 白日
門松のない家もあり榮螺町 正岡子規 門松
門松のやゝかたむくを直し入る 原石鼎 花影
門松の松ちくと刺す吉か凶か 山口青邨
門松の松を正して四日かな 鷹羽狩行
門松の立ちたる国へ帰り来し 高田風人子
門松の竹の切鋒何斬るメス 楠本憲吉 方壺集
門松の竹切口を前へ向け 山口誓子
門松の荷に菰着せて舫ひ舟 富安風生
門松は立つか象牙の塔に赤旗 山口青邨
門松やあひだあひだの枯柳 富安風生
門松やわがほとゝきす發行所 正岡子規 門松
門松や上手下手なき筆使ひ 正岡子規 門松
門松や八百八屋町のその外も 正岡子規 門松
門松や戸をさして住む百姓家 村上鬼城
門松や蔭言多き吉良屋敷 村上鬼城
門松や門なき家の門はしら 正岡子規 門松
門松や雪のあしたの材木屋 飯田蛇笏 山廬集
門松や電柱こころもち斜め 鷹羽狩行
門松を立てんと人数かかはりて 清崎敏郎
雪ふかくヒユツテの戸あり松飾 水原秋櫻子 新樹
風吹て門松うたふけさの春 正岡子規 今朝の春
風吹て門松琴をしらべけり 正岡子規 門松
風吹て門松生けるものゝ如し 正岡子規 門松
高砂の松の二タ子が門の松 正岡子規 門松
鯨船松飾してかかりをり 富安風生


門松 続補遺

今ぞ売あすは門松下馬させむ 一笑(金沢)
夜の明て門松すがた定りぬ 吏登 吏登句集
春たつや門松はまだみねの雪 凉菟
目に門松山折敷売塩松魚 米翁 染井山荘発句藻
花十八門松琴を含哉 井原西鶴
門松と名にこそたてれまんまる木 重久 ゆめみ草
門松にしかも甘露の日和哉 正秀
門松に聞けとよ鐘も無常院 支考
門松に鄙の往来や二里三里 土芳
門松に顔こそ塗らね一芝居 寥松
門松の嵐の戻る幟かな 班象 発句類聚
門松の木薬店や大袋 木因
門松の精とうたふや年男 朱廸
門松の雪あたゝかに降にけり 凉菟
門松はかざらぬよりも跡さびし 土芳
門松は宿の世続の翁かな 舟泉
門松やおもへば一夜三十年 桃青 六百番誹諧発句合
門松やけふ月花のはしら立 中川乙由
門松やひとりし聞けば夜の雨 小林一茶
門松や世は日々~に新タ也 壺中
門松や人のをしゆる神の道 嶺利 歳旦発句集
門松や佐渡と越後は筋向ひ 許六
門松や匂ふ日かりの檜皮ぶき 正秀
門松や君が千とせの請にたつ 荷兮
門松や坊主一人もちりははず 乙訓
門松や後に笑ふ武庫の山 上島鬼貫
門松や息づえおろす民の春 琴風
門松や我衰へのわすれ草 望月宋屋
門松や死出の山路の一里塚 小西来山
門松や生れながらの男やま 存義 古来庵発句集
門松や秋津州塵も神慮 琴風
門松や網代の杭に朝霞 介我
門松や裏は仕切て御師に借ス 山店
門松や軽微ながらも老が宿 挙白
門松や黒キ格子の一つゞき 呂風
門松をくらべて廻る子守かな りん女
門松をやつとくゞるや福禄寿 木導
飾竹杜子美が管をこゝろみむ 角上

以上

by 575fudemakase | 2017-03-19 08:02 | 新年の季語 | Trackback | Comments(0)

飾海老 の俳句

飾海老 の俳句

飾海老

例句を挙げる。

伊勢といふ字のさながらに飾海老 鷹羽狩行
四捨五入して七十の飾海老 梅田男
橙を抱く肱張りて飾海老 富安風生
浜宿の床に過ぎたる飾海老 山崎雪嶺
老いとはかく鬚しなやかな飾海老 能村登四郎
飾海老ひんがしへ向け安房の端 木村蕪城
飾海老四海の春を湛へけり 吉田冬葉
飾海老日出づる国のめでたけれ 野村喜舟 小石川
飾海老置くや家紋のど真ん中 大石悦子 百花
飾海老髭を大事に売られけり 佐藤惠美子
鬚はねて太(はなはだ)長し飾海老 松本たかし
娘手離す決意の年の飾り海老 吉田紫乃
橙を抱く肱張りて飾り海老 富安風生
睨まれて髭の折れたる飾り海老 安斉君子
老いし身に喜の字づくめや飾り海老 友常玲泉子
鎌倉の海いろ澄まし飾り海老 久米正雄 返り花
飾り海老ばかり売る店華やげり 町田しげき


飾海老 補遺

これやこの伊勢海老の紅の舵 鷹羽狩行
べた赤の張子めでたし飾海老 百合山羽公 樂土以後
ガサ市の桶のものなる飾海老 石田勝彦 雙杵
伊勢といふ字のさながらに飾海老 鷹羽狩行
伊勢海老のかゞ見開や具足櫃 許六
伊勢海老の生きて跳ねつぐ歳暮かな 鷹羽狩行
伊勢海老の陰にかゞまることし哉 句空
伊勢海老の髭のはみ出て雑煮椀 鷹羽狩行
伊勢海老の髭をさまらず節料理 後藤比奈夫
伊勢海老の髭八文字飾りけり 鈴木真砂女 紫木蓮
伊勢海老の鳴く気息よき船溜り 赤尾兜子 玄玄
伊勢海老は髭がいのちよ夏料理 鈴木真砂女 居待月
伊勢海老やがんじがらみの網を出て 百合山羽公 樂土以後
初釜の人に背を向く飾り海老 山口誓子
樽詰の飾海老真紅年の市 山口青邨
清明の伊勢海老角を鳴らしけり 鈴木真砂女 紫木蓮
老いとはかく鬚しなやかな飾海老 能村登四郎
裏白のある夜伊勢海老に語って曰く 正岡子規 裏白
角を振る伊勢海老どうせう妻の留守 林翔
金銀の水引くくる飾り海老 山口誓子
錺レり蓬莱既伊勢海老の山近ク 一笑(金沢)
飾り海老朱く模造の海老の如 山口誓子
飾り海老金の水引にて縛る 山口誓子
飾海老張子の金をこぼしけり 百合山羽公 樂土以後
飾海老朱竹の軸を掛けにけり 阿波野青畝
髭うごく伊勢海老を土産観月会 大野林火 月魄集 昭和五十五年
鬚はねて太(はなはだ)長し飾海老 松本たかし

以上

by 575fudemakase | 2017-03-19 07:58 | 新年の季語 | Trackback | Comments(0)

注連飾 の俳句

注連飾 の俳句

注連飾

例句を挙げる。

*えり挿しの舟にも小さき注連飾り 佐川広治
あまゆるは風の水光注連飾り 飯田蛇笏 雪峡
たれも通らぬ山道の注連飾 広瀬町子
ロープウエー起点終点注連飾る 小西領南
一頭となりし馬小屋注連飾る 宮田 勝
三日月の繊さや風の注連飾 永井龍男
人生は非可逆変化注連飾る 田川飛旅子
仰ぎ見る大注連飾出雲さび 杉田久女
半壊のわが家へ父の注連飾 井田みさ子
単身の古りし官舎に注連飾る 桜田和夫
古釘にながきなじみの注連飾 能村登四郎
大銀杏雌雄別なく注連飾る 村上辰良
奥飛騨や金扇つけし注連飾 羽部洞然
女手に注連飾打つ音きこゆ 日野草城
客室を一戸と見立て注連飾る 合田丁字路
屋島駕注連飾りして並びをり 一都
故郷や臼も竃も注連飾 田中寒楼
新妻の差し上ぐる注連飾りけり 橋本自然児
日の在る内購ひおかむ注連飾 高澤良一 さざなみやっこ
注連飾して鯨揚ぐ大轆轤 沖一風
注連飾の逞しき縒男の子産め 鷹羽狩行
注連飾りうしほ濃くなる日向かな 鷲谷七菜子
注連飾り南の海の静かな眼 川崎展宏
注連飾り手っ取り早く済ませけり 高澤良一 燕音
注連飾り燭に新藁匂ひけり 佐々木春蔵
注連飾る一本の釘しかと打つ 松村明石
注連飾る古き一軒吾が生家 平野 六角牛
注連飾る墓の頭に日が平ら 猿山木魂
注連飾る醗酵槽の泡烈し 芦川 巣洲
注連飾南に海ひらけたる 森澄雄
注連飾日蔭かづらを掛けそへたり 鬼城
注連飾終へてくつろぐなにとなく 山本詩翠
洗はれて櫓櫂細身や注連飾 林火
浜小屋に小舟をさまり注連飾る 憲曠
溶鉱炉注連飾して真赤なり 富安風生
火止めせし窯の余熱や注連飾る 藤谷 紫映
炭住に住み残る戸の注連飾 植田のぼる
炭焼きの七つ道具に注連飾る 谷本 圭司
煙筒に注連飾して川蒸汽 高浜虚子
熔鉱炉注連飾して真赤なり 風生
燈台の町に住みつき注連飾 柴田白葉女 『夕浪』
爪立ちてかまどの神へ注連飾 今井つる女
牛の居ぬ納屋の車に注連飾 林 康子
牛の瞳の中へ入りゆき注連飾る 佐野操
畑中の神のあらはや注連飾 余子
老人がとる田植機の注連飾 岡部弾丸
老杉も注連飾りして神棲める 大木健市
臼に注連飾りて神の餅を搗く 梅島 婦美
舟ごとに注連飾りして堅田びと 所 山花
落ちぎはの山の日のある注連飾り 福島 勲
藪口に注連飾して藪の村 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
観音様のお水屋に売る注連飾 阿部みどり女 笹鳴
諏訪大社たおやかに注連飾りけり 宮本永子
軒吊の避難舟にも注連飾 野原春醪
造る船なき船台に注連飾り 鈴木鷹視
遠く住む子の空部屋へ注連飾る 宮田富昭
遠賀川文化の土器に注連飾る 野見山朱鳥
門に注連飾りめでたく休診す 高槻青柚子
開けることなき門なれど注連飾 鈴木道雄
鳥船のマストにむすぶ注連飾り 佐川広治
売りそこねし牛の小舎にも〆飾る 林佑子
仰ぎ見る大〆飾出雲さび 杉田久女
宵ひそと一夜飾りの幣裁ちぬ 富田木歩
石山寺郵便局の大根注連 高澤良一 燕音
託(ことづか)る注連・松・牛蒡忘れまじ 高澤良一 宿好

注連飾 補遺

あまゆるは風の水光注連飾り 飯田蛇笏 雪峡
ひとすぢの長き藁*しべ垂れ注連飾り 鷹羽狩行
ゆゝしさや旧正月の注連飾 高浜年尾
ゴルフ場自生の羊歯の注連飾 山口誓子
一に一足せば三かも注連飾 桂信子 草影
凍滝に注連張る二重三重に 右城暮石 一芸
凍結の一車一車に注連飾 右城暮石 句集外 昭和四十九年
古井戸のつかはぬままに注連飾 山口青邨
古梅園のくぐり門佳し注連飾り 村山故郷
大杉に金の注連縄七五三 平畑静塔
家ひしひし手児奈の井戸も注連飾る 山口青邨
御船形石も注連縄夏祓 阿波野青畝
朽木それにも注連張る 保健婦病む島の 伊丹三樹彦
極月の石に注連張る峠口 燕雀 星野麥丘人
注連張つて神輿のみちの船溜り 原裕 青垣
注連張つて竹伐ることをしてをりぬ 燕雀 星野麥丘人
注連張りし椎の老木の花こぼす 山口青邨
注連縄の真一文字の端を撥ね 鷹羽狩行
注連縄の逞しき縒男の子産め 鷹羽狩行
注連飾る兄弟杉や荒法師 佐藤鬼房
注連飾る間も裏白の反りかへり 鷹羽狩行
注連飾深く眠れる四方の山 森澄雄
洗はれて櫓櫂細身や注連飾 大野林火 白幡南町 昭和三十一年
涼しさや石に注連張る山の奥 正岡子規 涼し
滝に注連張る声のして小晦日 能村登四郎
白波の淡海に来り注連飾 鷲谷七菜子 一盞
糸繰り屋浄め閉して注連飾る 能村登四郎
縄文杉平成の注連飾らるる 阿波野青畝
縒りふとき注連縄の下詣でけり 能村登四郎
蟇鳴くや注連縄ゆるむ椎の虚 古舘曹人 樹下石上
遠賀川文化の土器に注連飾る 野見山朱鳥 運命
飾縄や幾千代かけん青ろくろ 酉水 江戸広小路

以上

by 575fudemakase | 2017-03-19 07:56 | 新年の季語 | Trackback | Comments(0)

飾臼 の俳句

飾臼 の俳句

飾臼

例句を挙げる。

あかねさす近江の国の飾臼 有馬朗人
新しき土足す土間や飾臼 古市枯声
日射し来し石の匂ひや飾臼 池田弥生
洗はれて罅あらはなる飾臼 坂梨文代
潮の香にまじる馬の香飾臼 藤木倶子
牛を診し手を洗ひをり飾臼 戸塚時不知
百姓のわれにて終る飾臼 牛尾緑雨
飾臼みづの青藁仄かにも 飯田蛇笏
飾臼を仔牛の濡れし鼻が嗅ぐ 木場田秀俊
飾臼据ゑて落ちつく通し土間 影島智子
飾臼牛の貌出て舌うごく 加藤楸邨
飾臼罅ふかぶかと置かれたり 宮田正和
飾臼虫くひ居るもめでたけれ 河越風骨
飾臼鶏駈けあがり追はれけり 宮下翠舟
鶏のとびあがりたる飾臼 五十嵐渡河
鶏鳴の刻ふさはしき飾臼 中戸川朝人
体内に時間とどまる飾り臼 永原三郎
八重雲に鶏鳴くや飾り臼 飯田蛇笏 霊芝
我が家に三十年の臼飾る 田中冬二 俳句拾遺
新らしき筵の上や飾り臼 中村泰山
武家門をくぐればありし飾り臼 二木汀骨
男臼女臼飾り並べけり 山口漁壮
粗ら彫の臼飾り土間濡るるかに 村上しゅら
臼飾る路地を距てて蔵二つ つじ加代子
飾り臼しづかにをれば怒濤音 加藤楸邨
飾り臼南の窓の雪明り 村上一央
飾り臼歳月母へつもりけり 黒木野雨

飾臼 補遺

あかねさす近江の国の飾臼 有馬朗人 天為
八重雲に鶏鳴くや飾り臼 飯田蛇笏 霊芝
近よれば土が匂へり飾り臼 加藤秋邨
飛騨涼し祖に仕へし臼飾る 秋元不死男
飾り臼みづの青藁ほのかにも 飯田蛇笏 山響集

以上

by 575fudemakase | 2017-03-19 07:53 | 新年の季語 | Trackback | Comments(0)

鏡餅 の俳句

鏡餅 の俳句

鏡餅

例句を挙げる。

いと小さき歳神さまの鏡餅 戸塚茅亭
さし覗きたる方丈に鏡餅 岩田由美 夏安
たま~に来る患者や鏡餅 五十嵐播水 播水句集
つぎつぎに子等家を去り鏡餅 楸邨
なかんづく土蔵の神への大鏡餅 長谷川素逝 村
ひび割れをうしろへ廻す鏡餅 嶋田麻紀
ひわれけり天神様の鏡餅 寺野竹湍
みづからの力に割れて鏡餅 伊藤 通明
わが闇の何処に据ゑむ鏡餅 飯島晴子
一と筵大小鏡餅並ぶ 滝沢鶯衣
一中のお家がらなり鏡餅 中村吉右衛門
一枚は大鏡餅餅莚 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
一臼は船霊さまの鏡餅 山 信夫
一茶の像ちひさしこれに鏡餅 蕪城
三方の前やうしろや鏡餅 後藤比奈夫 めんない千鳥
丸まりてまだやはらかに鏡餅 長谷川櫂 蓬莱
二タ灘の音重なれり鏡餅 栗栖恵通子
今昔のわれにも移り鏡餅 森澄雄
仮住みの書棚に飾る鏡餅 小俣由とり
伊セ海老の橙かじる鏡餅 河野静雲
伊予柑のよきを選びぬ鏡餅 三幹竹
傍観す女手に鏡餅割るを 西東三鬼
大ぶりの鏡餅来る宅急便 斉藤葉子
存在に罅が奔つて鏡餅 山本一双
定年や大きく割れて鏡餅 池田秀水
宿泊簿記す傍ら鏡餅 高澤良一 寒暑
寝所の埃蒙むらん鏡餅 滝井孝作 浮寝鳥
小舟して島の祠へ鏡餅 泊月
山の名のあるにはあるや鏡餅 斎藤隆顕
師に献ず鏡餅とて母が撫す 田子水鴨
店さきの駄菓子の中の鏡餅 奈良鹿郎
庭の松一朶は這へり鏡餅 青邨
思ひ出づる赤人にまで鏡餅 言水
悔ばかり本の谷間に鏡餅 田川飛旅子 『植樹祭』
掛軸に静の一文字鏡餅 中村嘉風
揉み叩くゐさらひ鏡餅に似て 矢島渚男 延年
文机や柚子を代りの鏡餅 石川桂郎 高蘆
東京に渇き始めた鏡餅 櫂未知子 貴族
板の間の猫の爪あと鏡餅 中拓夫 愛鷹
橙の据りがよくて鏡餅 高浜虚子
正月を出して見せうぞ鏡餅 向井去来
水垢離の水にほとびし鏡餅 塩谷はつ枝
水甕の底にまづ置く鏡餅 下村かよ子
海鳴りが罅を殖して鏡餅 池谷市江
湖のほとりの玉や鏡餅 才麿
漉槽の四隅四隅に鏡餅 金丸鉄蕉
澱みなく一日終る鏡餅 直人
火種なき父の間夜の鏡餅 雅人
玄関の一隅に書架鏡餅 関森勝夫
生きてゐしかばしろたへの鏡餅 田中鬼骨
生家すなはち終の栖家や鏡餅 下村ひろし 西陲集
白少し透きし三日の鏡餅 森澄雄
瞑らねばみえぬもの在り鏡餅 河原枇杷男 蝶座 以後
神占のごと罅はしる鏡餅 津田清子
神灯の色に染りて鏡餅 浅野京子
神託をうべなふ鏡餅の罅 静塔
種籾の俵の上の鏡餅 蒲原 ひろし
空港の管制塔に鏡餅 塩川雄三
紙漉の舟の上なる鏡餅 市川三三
罅にびくともせぬ鏡餅多子家系 狩行
罅に刃を合せて鏡餅ひらく 橋本美代子
置きてすぐまろき影添ふ鏡餅 岡本まち子
美しの宮は姫神鏡餅 石崎 晋象
老妻の今年も割りぬ鏡餅 碧童
舟に据ゑ海へ供へし鏡餅 誓子
舵を守る人のうしろに鏡餅 五十嵐播水 埠頭
蛇神の祠はみ出し鏡餅 藤原孝子
裁台に針娘等よりの鏡餅 溝越春甫
褒貶をひねり上げたり鏡餅 永田耕衣 泥ん
襖絵の一瀑緊る鏡餅 関森勝夫
親ひとり子ひとりに夜の鏡餅 飯田龍太
診療の机狭めし鏡餅 山下 公三
赤子泣く家の大きな鏡餅 鷲谷七菜子
軍神の古びるままに鏡餅 仁平勝 東京物語
野の宮のあをきたそがれ鏡餅 南部憲吉
鉱山に生れし誇り鏡餅 深見けん二 日月
鏡餅うしろの正面畏けれ 三橋敏雄
鏡餅こころの海の光るなり 鍵和田釉子
鏡餅ことし奮発したりけり 高澤良一 宿好
鏡餅しばらく紺の潮目あり 友岡子郷 未草
鏡餅つくる粉の手もみぢの手 山田 渓舟
鏡餅にレモンを据ゑて中年なり 沢木欣一 地聲
鏡餅のあたりを寒く父母の家 林 朋子
鏡餅の内なる声を聴かむとす 山田みづえ
鏡餅ばかりがしんとしてゐたり 石崎径子
鏡餅ひらくや潮の満ちきたり 林徹
鏡餅まはり明るく暮れにけり 松山足羽
鏡餅ゆるがぬままや水の中 赤尾兜子
鏡餅わけても西の遥かかな 飯田龍太
鏡餅不景気の年重ねけり 高澤良一 宿好
鏡餅丑三つどきに笑み割るる 星野石雀
鏡餅余生思ひのほか永し 松木実
鏡餅供ふ漁船の命綱 右城暮石 上下
鏡餅前山の風しづまれり 菅原鬨也
鏡餅割る手力を妻に見せ 野中春艸
鏡餅午からもまた山しづか 大峯あきら
鏡餅厠の坐りごこちかな 高澤良一 随笑
鏡餅天日かつと照らしゐる 飯田龍太 涼夜
鏡餅寒気憑きては離れては 龍太
鏡餅小さな鼾立てにけり 栗林千津
鏡餅岩にのせあり貴船道 播水
鏡餅弁天池の石となれ 阿波野青畝
鏡餅据ゑても暗き納戸神 下村ひろし 西陲集
鏡餅暗きところに割れて坐す 西東三鬼
鏡餅暗闇を牛通りけり 桂信子 草樹
鏡餅本尊諸仏諸菩薩に 山口笙堂
鏡餅母在して猶父恋し 暁台
鏡餅海図の端をおさへけり 福永耕二
鏡餅湯気さめて黴喚びにけり 松村蒼石
鏡餅疎外のひびを拡げたる 有働 亨
鏡餅童女丸めて童女の丸 楠節子
鏡餅置いて正方形の部屋 黛まどか
鏡餅置き処なし本の山 田川飛旅子 『使徒の眼』
鏡餅荒山風に任せあり 石田波郷
鏡餅裂目するどくなりにけり 宮本千恵子
鏡餅鉄のごときをひらきけり 新田祐久
鏡餅鉄槌で割る勤め母 楠節子
鏡餅霰まじりの音となリ 深見けん二
長病の母さびしさや鏡餅 五十嵐播水 播水句集
門弟の名札そろふや鏡餅 吉右衛門
閨へ行くことわりを云う鏡餅 増山美島
雪明りして井戸神の鏡餅 赤石明子
露坐仏の大悲の御手の鏡餅 森桂樹楼
青黴の春色ふかし鏡餅 有風
風年や笑み割れそむる鏡餅 鬼城
風雨つき担ぐ寄進の鏡餅 新家豊子
一村を鼓でよぶや具足餅 中村史邦
具足餅由々しき影を構へたり 畑耕一 露座
我が宿の春は来にけり具足餅 上島鬼貫

鏡餅 補遺

いきいきと夜気がうごめく鏡餅 飯田龍太
いで子ども花見越れし鏡餅 半残
お茶の間やラヂオの上の鏡餅 星野立子
たちまちに闇来てつつむ鏡餅 飯田龍太
つぎつぎに子等家を去り鏡餅 加藤秋邨
なかんづく土蔵の神への大鏡餅 長谷川素逝 村
わが闇のいづくに据ゑむ鏡餅 飯島晴子
一の字に白き串柿鏡餅 山口誓子
一茶の像ちひさしこれに鏡餅 木村蕪城 一位
七曜の序は易りなし鏡餅 阿波野青畝
三方の前やうしろや鏡餅 後藤比奈夫
両眼に明らかな灯と鏡餅 廣瀬直人
丸きもの初日輪飾り鏡餅 正岡子規 鏡餅
今年また切りごろ過ぎて鏡餅 鷹羽狩行
今昔のわれにも移り鏡餅 森澄雄
佛にも机も小さき鏡餅 森澄雄
傍観す女手に鏡餅割るを 西東三鬼
光る空より授かりし鏡餅 廣瀬直人
八寸の御鏡餅は大き草の宿 山口青邨
大きくて扁平神の鏡餅 山口誓子
大挙来る鏡餅をもち切餅もち 山口青邨
女の子二人かさねや鏡餅 正岡子規 鏡餅
家々に鏡餅のみ鎮座せり 桂信子 草影
尼君のまろみに倣ひ鏡餅 鷹羽狩行
川鵜また日なかにとべり鏡餅 岡井省二 五劫集
巫女の手にありてこの世の鏡餅 飯田龍太
常搖れの船霊様へ鏡餅 三橋敏雄
庭の松一朶は這ヘり鏡餅 山口青邨
庵の春鏡餅より白みけり 正岡子規 初春
御鏡に曠古一瞬蝉しぐれ 石塚友二 方寸虚実
御鏡に松明映り冴え返る 正岡子規 冴返る
御鏡に篝火映り冴え返る 正岡子規 冴返る
御鏡の間は常に鎖す暑きけふも 山口誓子
扉より歌舞伎幕見ゆ鏡餅 水原秋櫻子 餘生
手より手に受けてまことの鏡餅 飯田龍太
文机や柚子を代りの鏡餅 石川桂郎 高蘆
日と月と重なつてゐる鏡餅 山口誓子
日の上に月を重ねて鏡餅 鷹羽狩行
日月に光籠れる鏡餅 山口誓子
橙は赤し鏡の餅白し 正岡子規 鏡餅
正月を出して見せうか鏡餅 去来
歳の神お招ぎ申す鏡餅 山口青邨
母刀自のごとどつしりと鏡餅 鷹羽狩行
海老赤く穂俵黒し鏡餅 正岡子規 鏡餅
澱みなく一日終る鏡餅 廣瀬直人
玄翁でわるや鍛冶屋の鏡餅 正岡子規 鏡餅
画餅即ち画餅に非ず鏡餅 永田耕衣
白少し透きし三日の鏡餅 森澄雄
磔像に据ゑ日の本の鏡餅 阿波野青畝
神垣や百味磨出す鏡餅 中川乙由
秋雨や御鏡曇る青和幣 正岡子規 秋雨
紅白が日月雛の鏡餅 山口誓子
膝に手をおく父が目に見ゆ鏡餅 加藤秋邨
舟に据ゑ海へ供へし鏡餅 山口誓子
花の香のただよひ来たる鏡餅 飯田龍太
褒貶をひねり上げたり鏡餅(現代俳句協会大賞を契す・平成二年二月十七日追記) 永田耕衣
見えてこそ道筋消ゆれ鏡餅 永田耕衣
親ひとり子ひとりに夜の鏡餅 飯田龍太
誰もゐぬ一間の寒気鏡餅 森澄雄
赤子泣く家の大きな鏡餅 鷲谷七菜子 一盞
重なりて安定したる鏡餅 山口誓子
鏡餅あり種袋どさとあり 飯田龍太
鏡餅いみじき罅を見せにけり 安住敦
鏡餅うしろの正面畏けれ 三橋敏雄
鏡餅かつ櫃の影そこにあり 岡井省二 大日
鏡餅ここには居らぬ声ありて 加藤秋邨
鏡餅すぐ前を潮流れゐる 飯田龍太
鏡餅でんと据ゑたり草の宿 山口青邨
鏡餅なければ嫁が君も来ず 桂信子「草影」以後
鏡餅の内なる声を聴かむとす 山田みづえ 手甲
鏡餅はや二分けの罅走る 山口誓子
鏡餅ひとごゑ山に消えしまま 飯田龍太
鏡餅ひとまづ置ける岩の上 飯田龍太
鏡餅ゆるがぬままや水の中 赤尾兜子 玄玄
鏡餅わけても西の遥かかな 飯田龍太
鏡餅不出来人工衛星の世や 山口青邨
鏡餅並べ硝子の家くもる 鷹羽狩行
鏡餅今では飯の名所かな 李由
鏡餅供ふ漁船の命綱 右城暮石 上下
鏡餅切る爛々と稜がふゆ 山口青邨
鏡餅多門は鉾をあれ鼠 池西言水
鏡餅大のチーズと冬ごもり 鷹羽狩行
鏡餅大俎板の真ン中に 上村占魚
鏡餅天日かつと照らしゐる 飯田龍太
鏡餅寒気憑きては離れては 飯田龍太
鏡餅山々はいま月下にて 飯田龍太
鏡餅弁天池の石となれ 阿波野青畝
鏡餅昆布が黒き舌垂らす 山口誓子
鏡餅暗きところに割れて坐す 西東三鬼
鏡餅暗闇を牛通りけり 桂信子 草樹
鏡餅本気にするもせぬもよし 飯島晴子
鏡餅杉の板戸も新しく 星野立子
鏡餅此処を展望台となし 阿波野青畝
鏡餅母在して猶父恋し 加藤曉台
鏡餅生き残りめく家長の座 能村登四郎
鏡餅立山の民麓なり 平畑静塔
鏡餅縦に一筋罅が入る 山口誓子
鏡餅荒山風に任せあり 石田波郷
鏡餅載る橙のアンバランス 山口誓子
鏡餅霰まじりの音となリ 深見けん二
鏡餅青歯朶左右に葉を張れり 山口誓子
鏡餅食べて韋駄天走せ給ふ 山口誓子
鏡餅高廈かすみのなかに聳ち 飯田龍太
雛段に日の餅紅き鏡餅 山口誓子
風強き夜が明け鏡餅に罅 鷹羽狩行
鳶鴎こゑのとどきて鏡餅 森澄雄
黴生て曇るといふらん鏡餅 正岡子規 鏡餅
齒固や鼠もためす鏡餅 正岡子規 歯固め

以上

by 575fudemakase | 2017-03-19 07:50 | 新年の季語 | Trackback | Comments(0)

飾米 の俳句

飾米 の俳句

飾米

例句を挙げる。

いくつぶか床にもこぼれ飾米 木内怜子
三宝に載せて艶やか飾米 鎌田政子
丸盆やまろく盛りたる飾米 桑原青草人
泥舟に富士の筆太飾米 向山隆峰
石塊を立てて一仏飾米 古舘曹人 樹下石上
飾米さらさら鳴らし飾りけり 藤田知子
母の手の節槫立ちて米飾る 久永芦秋
米飾るわが血脈は無頼なり 角川春樹

飾米 補遺

石塊を立てて一仏飾米 古舘曹人 樹下石上
米飾る正座の母の膝の嵩 鷹羽狩行
米飾る米にも小町.ひとめぼれ 鷹羽狩行
飾米大海原のごとく敷く 平畑静塔

以上

by 575fudemakase | 2017-03-19 07:46 | 新年の季語 | Trackback | Comments(0)

楪 の俳句

楪 の俳句


例句を挙げる。

あきらかに身を退いている楪 寺井禾青
さびさびと楪ぬぐふ女かな 兜子
そこばくの銭に楪売られけり 吉武月二郎句集
まづ箸は楪に盛る柿なます 及川貞
二上山の楪採りに出会ひけり 小野淳子
侘住めば楪青しやゝ紅し 石田波郷
十津川の巨き楪大壺に 山岸澄子
山中に楪氷るものを踏み 宇佐美魚目 秋収冬蔵
松の雪楪の葉をすべりけり 長谷川かな女 雨 月
楪(ゆずりは)の世阿彌まつりや青かづら 服部嵐雪
楪にしゃきっと朝が来たりけり 高澤良一 燕音
楪にすることもなし指の舞 齋藤玄 『狩眼』
楪に句を書くこともあらぬかな 安藤橡面坊
楪に日和の山を重ねけり 大峯あきら 鳥道
楪に橙色を流しけり 龍雨
楪に筆こころみん裏表 浪化
楪のこぼれて朝の言葉透く 佐野鬼人
楪のこぼれて青き畳かな 渡辺大年
楪のちぎれちぎれて核家族 小川一路
楪のほこりもとめぬ青さかな 藤田旭山
楪のゆづりきれない紅残し 中井智子
楪の世阿弥まつりや青かづら 嵐雪
楪の互ひに知らぬ過去のあり 溝口 博子
楪の何に別るる月日かな 山田みづえ 木語
楪の在る谷を知る父に蹤き 藤井大渓
楪の垂葉にこまか春の雪 雑草 長谷川零餘子
楪の日向老いたる村ばかり 櫛原希伊子
楪の日本の家明るき日 高島茂
楪の柄のくれなゐの淑気かな 鈴木貞雄
楪の汀のけしきみてゐたり 岡井省二
楪の瑞葉の照れる端午かな 長谷川かな女 花 季
楪の紅に心のある如く 町 春草
楪の紅ほのぼのと三世代 奥村直女
楪の艶を飾りて子を持たず 穂坂日出子
楪の茎も紅さすあしたかな 園女
楪の萎びからびや寝正月 夢筆
楪の葉の輝きのおそろしき 中条明
楪の葉総ふさぬる樹相かな 轡田進
楪の赤き筋こそにじみたれ 高浜虚子
楪の青くて歯朶のからびたる 池内たけし
楪やいまだ娶らぬ子が二人 石渡 旬
楪やひそかに継ぎし詩の系譜 能村登四郎
楪やまぶしさまさる沖の雲 蕪城
楪や一男旅に一女嫁し 上田五千石 琥珀
楪や仏弟子なれど寺継がず 宇咲冬男
楪や厭ふべきものはひた厭へ 石田波郷
楪や和菓子屋辞める決意して 町田敏子
楪や手先器用は父祖の血統 つじ加代子
楪や灯を清めたる家の内 蛯名晶子
楪や町筋上下ただ寄りあふ 中村草田男
楪や積みたるままの老荘子 金箱戈止夫
楪や脚下照顧といふ語あり 草間時彦 櫻山
楪や裏庭つなぐ帚の目 野島抒生
楪や西の空さす鳥の影 岩田育左右
楪や農俳一世たるもよし 小出秋光
楪や過不足のなき米と塩 和田祥子
楪や高処の一戸よく見ゆる 児玉輝代
楪を今の金座もうつしけん 直方 (ゆづり葉の形より大判の工ミありて)
楪を流るる日ざし高野口 友岡子郷
楪を箸置きにして祝ひ膳 中村苑子
楪葉にこは年玉の霰かな 古白遺稿 藤野古白
楪葉や玄孫まで抱く一系図 三好夜叉男
楪葉や遠い昔の父の顔 山本敏倖
次男よく背が伸びており楪や 寺井谷子
生きるのみの愚かさ楪飾りたり 神田 岩魚
盆の上に枝楪の逞しき 長谷川かな女
神前の楪青きめでたさよ 吉田 隆子
追分や楪つけし門並び 鳥越憲三郎
雪山の照り楪も橙も 森澄雄
餅が敷く裏白楪病に死ぬな 野沢節子
餅のこな楪につき目出度けれ 虚子
ゆずり葉に粥三椀や山の春 飯田蛇笏 山廬集
ゆづり葉にのせて大和の焼肴 大島民郎
ゆづり葉にふれておきたる旅かばん ただし
ゆづり葉に一線の朱や雲の峰 石鼎
ゆづり葉に暁雪うすき山家かな 飯田蛇笏 春蘭
ゆづり葉に粥三椀や山の春 飯田蛇笏
ゆづり葉の一片敷きし硯かな 飛雨
ゆづり葉の上を鳥ゆく農暦 梶浦さだ
ゆづり葉の紅緒垂れし雪掻きにけり 室生犀星 魚眠洞發句集
ゆづり葉の茎も紅粉(べに)さす旦かな 斯波園女
ゆづり葉の見事にたれて霰かな 原石鼎
ゆづり葉や口にふくみて筆始 其角 (手握蘭口含鶏舌)
ゆづり葉や古歌の終りは妹を恋ひ 鍵和田[ゆう]子
ゆづり葉や巖に白筋吾に血脈 香西照雄 素心
ゆづり葉や歯朶や都は山くさし 子規
ゆづり葉や父に似てきし筆の跡 今泉貞鳳
楪を今の金座もうつしけん 直方 (ゆづり葉の形より大判の工ミありて)

楪 補遺

いつせいに楪の茎笑ひけり 岡井省二 猩々
ゆずり葉に粥三椀や山の春 飯田蛇笏 山廬集
ゆづり葉や齒朶や都は山くさし 正岡子規 楪
侘住めば楪青しやや紅し 石田波郷
凍楪の魂さまよへる草の中 飯田龍太
楪あまた男の力失せにけり 加藤秋邨
楪にすることもなし指の舞 斎藤玄 狩眼
楪に筆こゝろみんうら表 浪化
楪のみ凍ててへたへたへたへたと 阿波野青畝
楪の世阿彌まつりや青かづら 嵐雪
楪の何に別るる月日かな 山田みづえ 木語
楪の土用芽春にまさりけり 卓池
楪の大樹の前の夏の昼 岡井省二 夏炉
楪の彼方の空の晴をよむ 能村登四郎
楪の柄のくれなゐの川の闇 岡井省二 夏炉
楪の梛に似よとやかゞみもち 馬場存義
楪の汀のけしきみてゐたり 岡井省二 有時
楪の紅よくつきし雑木中 右城暮石 句集外 昭和九年
楪の葉柄赤く年あらた 右城暮石 散歩圏
楪はかさねも厚き若葉かな 露川
楪もいま夏木なるめでたさよ 高野素十
楪も悉く火となり了る 高野素十
楪やひそかに継ぎし詩の系譜 能村登四郎
楪や一男旅に一女嫁し 上田五千石 琥珀
楪や其もゝとせの鼻の下 早野巴人
楪や厭ふべきものはひた厭ヘ 石田波郷
楪や父の反骨わが反骨 林翔
楪や脚下照顧といふ語あり 草間時彦 櫻山
楪や顎に醜い風がつく 飯島晴子
楪や齢を楯に逃げばかり 能村登四郎
楪をとる妻に園はうす雪す 飯田蛇笏 山響集
父の忌や茂りに入りし楪も 石田勝彦 雙杵
篠の子は楪もある深きより 右城暮石 句集外 昭和十一年
蓬莱の楪ことに目出度けれ 右城暮石 散歩圏
赤松林韆る思いで夏の楪と 金子兜太
輪飾に楪一片去来の墓 岡井省二 明野
雪山の照り楪も橙も 森澄雄
雪濡れの楪晴れて若狭かな 岡井省二 鹿野

以上

by 575fudemakase | 2017-03-19 07:42 | 新年の季語 | Trackback | Comments(0)

福寿草 の俳句

福寿草 の俳句

福寿草

例句を挙げる。

あたゝかく出ませる日子や元日草 長谷川かな女 雨 月
あらそはぬ国いたゞくや福寿草 蓼太
いたはりに狎れて籠りて福寿草 風生
うち初めし鼓に蕾む福寿草 長谷川かな女 牡 丹
かぐはしき磯の香ありてお元日 草間時彦
かぐはしき荒磯のありてお元日 草間時彦
ぬくもりて来し指先や福寿草 草間時彦 櫻山
ねむる嬰に日向がありて福寿草 伊藤京子
ふたもとはかたき莟や福寿草 召波
ふるさとのかたまりなりし福寿草 福原貴子
べらぼうに薬罐大なる福寿草 久米正雄 返り花
まどろめるわれを見守り福寿草 みどり女
みづうみの北は淋しき福寿草 角川春樹
もつさりと言ふも目出たし福寿草 殿村菟絲子 『菟絲』
わが好きの数の七つの福寿草 播水
わりなくも眠き灯明し福寿草 竹の門
一人居のにはかに日差福寿草 川崎展宏
一湾の真帆見てをりぬ福寿草 小澤克己
七芽八芽色のぼりゐて福寿草 荒井正隆
下町や軒端の鉢の福寿草 石塚友二
世淡れの我に濃さとや福寿草 永田耕衣 泥ん
両国の初買やこれ福寿草 文車
丸腰の兜太が行くぞ福寿草 清水哲男(1938-)
人の世の庫裏の裏なる福寿草 瀧 春一
仏具屋に日向がありて福寿草 清崎敏郎
何もなき床に置きけり福寿草 高浜虚子
何時の間に越へたる峠福寿草 佐藤愛子
兎親子福寿草亦親子めく 草田男
出作り小屋開く日群れて福寿草 茂里正治
動かねば他に音はなし福寿草 阿部みどり女
千両の実の凍てやうや福寿草 増田龍雨 龍雨句集
南山を窓の間まや福寿草 四明句集 中川四明
和の一字家訓となして福寿草 辻口静夫
土の香のはなはだ強し福寿草 吉岡秋帆影
地に低く幸せありと福寿草 保坂伸秋
地の果に咲きほほけゐし福寿草 稲畑汀子
地球儀の海青青と福寿草 浅賀渡洋
壁の色すこしさびしく福寿草 京極杞陽 くくたち下巻
夜や坐る刻がわがもの福寿草 川島千枝
大き師の遺墨にまみゆ福寿草 佐藤いね子
大地より金を放てる福寿草 山田閏子
大雪に行方不明の福寿草 長谷川かな女 花寂び
妹が欲しいといふ子福寿草 岡本一代
妻の座の日向ありけり福寿草 石田波郷
子に頼る心も少し福寿草 閑田梅月
寄せ植ゑて一つが傾ぐ福寿草 菅野一狼
寿の一字を立てゝ福寿草 小松崎転石
小書院のこの夕ぐれや福寿草 炭 太祇 太祇句選後篇
嶺を躍り出でし日の子や福寿草 岡部六弥太
帳箱の上に咲きけり福寿草 一茶
幾鉢の花に遅速や福寿草 句仏
座蒲団が十ばかり並び福寿草 相馬 黄枝
庭隅にきゝ耳立つる福寿草 毛塚静枝
愛弟子もまた病者なり福寿草 阿部みどり女
手さぐりの卒寿さておき福寿草 前田 鶴子
指揮棒を福寿草に振るわたし 五島エミ
掛物に十二ケ月や福寿草 阿波野青畝
擂鉢に百本植ゑぬ福寿草 会津八一
文書くもかごとも日向福寿草 汀女
日のあたる窓の障子や福寿草 荷風
日の障子太鼓の如し福寿草 松本たかし(1906-56)
日は一ぱい相寄りもたれ福寿草 及川貞
日本のここが要の福寿草 宇多喜代子 象
日記まだ何も誌さず福寿草 遠藤梧逸
日輪の福寿草の庭二歩三歩 阿部みどり女
書屋のみすがしさ保つ福寿草 水原秋櫻子
朝日さす弓師が店や福寿草 蕪村
椅子よりも正座が好きや福寿草 塩谷はつ枝
楮皮干したる庭の福寿草 田中冬二 行人
水そそぐ石に縞現れ福寿草 大竹きみ江
水入の水をやりけり福寿草 子規
水溜りぴよんと福寿草一家 小平 湖
水音のする雪中の福寿草 菊地弘子
海山の風をつなぎし福寿草 関 千恵子
灯をあげて鎧櫃あり福寿草 小原菁々子
父母在す世を包み居り福寿草 中島月笠 月笠句集
片づけて福寿草のみ置かれあり 高浜虚子
物干の雪払はずよ福寿草 中島月笠 月笠句集
玉蟲を含めりにけり福寿草 松本たかし
病室の湯婆の側や福寿草 広江八重桜
病室の煖炉のそばや福寿草 正岡子規
福寿草くさとは見えぬ影ぼうし 梅室
福寿草くしゃみが腰に応えたぞ 永田耕衣
福寿草ここも風音波音も 村田脩
福寿草この子大器の相ありと 水原春郎
福寿草さいて筆硯多祥かな 鬼城
福寿草しもげしまゝに咲きにけり 白水郎句集 大場白水郎
福寿草すでに異国語まじゆ児と 村上淑子
福寿草なれば豊かや静心 森澄雄
福寿草に日の当たり居り言ふことなし 中村汀女
福寿草のかたちに結ぶ祝ひ帯 影島智子
福寿草の少し開いて亭午なり 大野洒竹
福寿草の日向に母を連れ出して 伊藤通明
福寿草の黄に陽たまれる豊かさよ 青峰集 島田青峰
福寿草ひらききつたりまぶしかり 細見綾子 天然の風
福寿草ひらきてこぼす真砂かな 鶏二
福寿草ひらきてまろし古典よむ 高橋淡路女 淡路女百句
福寿草や卓にかけたる白錦 村上鬼城
福寿草ゆるやかに過ぐ今の刻 能村登四郎
福寿草よりかも苔に喜色あり 後藤夜半 底紅
福寿草わがそばに咲き黄いろなる 廣江八重櫻
福寿草わが晩年の知己増えぬ 伊東宏晃
福寿草一寸ものゝ始なり 言水
福寿草二輪ひらきぬ福と寿と 林 翔
福寿草処士といふ名の美しき 遠藤梧逸
福寿草十花燦たる鉢一つ 水原秋櫻子
福寿草咲いてもわたしは嫁きませぬ 八木三日女
福寿草咲いて筆硯多祥かな 村上鬼城
福寿草咲きて始まる花日記 岡村月子
福寿草咲き簇り棲む二た夫婦 久米正雄 返り花
福寿草咲くや後に土佐が鶴 大魯
福寿草咲くを待ちつつ忘れたる 佐藤紅緑
福寿草奉書は折り目ケバ立ちて 久米正雄 返り花
福寿草女暮しの南窓 村上喜代子
福寿草妻まる顔に女児生むか 柴崎左田男
福寿草家族のごとくかたまれり 蓼汀
福寿草小昼の雨にあてにけり 白水郎
福寿草平均寿命延びにけり 草城
福寿草年かさねても夢多き 尾村馬人
福寿草延びて莟の日数かな 会津八一
福寿草悲喜の話の中に咲く 阿部みどり女 月下美人
福寿草憶良のやうに子を思ふ 大庭星樹
福寿草折れたるままに咲きにけり 会津八一
福寿草掘るとて兵ら野をさがす 長谷川素逝 砲車
福寿草日を一ぱいに含みたる 高浜年尾
福寿草朝の影濃く相寄れる 柳清子
福寿草植ゑよくくれる小鉢かな 会津八一
福寿草母なる子なる蕾かな 山田弘子
福寿草母にこにこと在しけり 森 重昭
福寿草母の嫁の座永かりし 小野克雄
福寿草氷雪の巌迫り立つ 千代田葛彦 旅人木
福寿草泥鰌思いの人に咲く 永田耕衣 人生
福寿草満開雪塊しりぞくに 青邨
福寿草漁師の庭にほゝけたる 松藤夏山 夏山句集
福寿草留守とも見えて亡き翁 永井龍男
福寿草看りごころに子の進路 都筑智子
福寿草縁なきやうなあるやうな 深田やすを
福寿草聞香といふ集ひあり 大橋敦子 手 鞠
福寿草膝に日を乗せ露店翁 百合山羽公
福寿草自適の日々が待たれけり 高澤良一 宿好
福寿草舳に置いて泊り舟 高山利根
福寿草襖いろはにほへとちり 青畝
福寿草見てしづかなる命かな 清原枴童
福寿草買ひに出て除夜更けにけり 中島月笠 月笠句集
福寿草遺産といふは蔵書のみ 高浜虚子
福寿草雪しりぞきしところより 永田耕一郎
福寿草雪の予報に眠りつぐ 小野口 繁
福寿草黄の走り見せあたたかき 野村完升
禰宜の子に秀でし歌人福寿草 大橋櫻坡子 雨月
窓に向き眼鏡が光る福寿草 菖蒲あや
笈を負ひその後の月日福寿草 深川正一郎
筆の穂の長いのが好き福寿草 後藤夜半
紙漉きの干し場に咲ける福寿草 田中冬二 俳句拾遺
縁の日に当てて山家の福寿草 石 昌子
置きものの如く着ぶくれ福寿草 遠藤梧逸
美しき老にありたし福寿草 串上 青蓑
膳について子等賑々し福寿草 久女
臥すのみの父とてもよし福寿草 毛塚静枝
花ぞ時元日草やひらくらん 井原西鶴
苔くぼに銀の水玉福寿草 静雲
茶を飲める福禄人や福寿草 河野静雲 閻魔
葉の伸びて花の了りし福寿草 川原 道程
蒔絵師の身ほとりに置く福寿草 いちろ
裏山にゑくぼの日ざし福寿草 成田千空
足の痛み時には忘れ福寿草 阿部みどり女 月下美人
金の弁こぞりて開く福寿草 阿部みどり女 月下美人
針山も日にふくらみて福寿草 八染藍子
陽微動福寿草僅かに莟む 西山泊雲 泊雲句集
青丹よし寧楽に墨する福寿草 秋櫻子
青空の端に出されし福寿草 千葉皓史
静かなる元日草に日闌けたり 橡魚子
音もなく日はかがやけり福寿草 仙田洋子 雲は王冠
頼もしき二十七顆の福寿草 後藤夜半 底紅
魚屋が散らす紅鱗福寿草 林翔 和紙
黄は日射し集むる色や福寿草 藤松遊子


福寿草 補遺

「雲去来」漱石の書や福寿草 村山故郷
あそびてはあたまぞよけれ福寿草 岡井省二 五劫集
うれしくも淋しくもなし福寿草 藤田湘子 てんてん
おのづから老いて足らへり福寿草 日野草城
かすがひのその子は見えず福寿草 鷹羽狩行
ととのはぬ庭一塊の福寿草 山口青邨
どこ向けて見てもやさしや福壽草 正岡子規 福寿草
ぬくもりて来し指先や福寿草 草間時彦 櫻山
ひとり暮しに賑やかな福寿草 鷲谷七菜子 一盞
ふゝと笑ふ夫婦二人や福壽草 正岡子規 福寿草
また汝の汝汝しさよ福寿草 永田耕衣
ガラス越に日のあたりけり福壽草 正岡子規 福寿草
ストーヴにほとりして置く福壽草 正岡子規 福寿草
ダイヤ買はず福寿草買ふ年の暮 山口青邨
ボーナスのなきわが前に福寿草 鷹羽狩行
一花や洞然として福寿草 阿波野青畝
世淡(うす)れの我に濃さとや福寿草 永田耕衣
仏具屋に日向がありて福寿草 清崎敏郎
仏弟子のごとくに侍り福寿草 鷹羽狩行
住き鉢に替へてひらきぬ福寿草 水原秋櫻子 餘生
何もかもめでたけれども福壽草 正岡子規 福寿草
俗な名を色を形を福壽草 正岡子規 福寿草
元日草女正月もはや過ぎし 山口青邨
兎親子福寿草亦親子めく 中村草田男
医の友の伊豆にこもりぬ福寿草 松崎鉄之介
南山をかざすや窓の福壽草 正岡子規 福寿草
取合ヒや梅に鄙しき福壽草 正岡子規 福寿草
取数らす几辺なれども福寿草 松本たかし
句を好む書生の室や福壽草 正岡子規 福寿草
名をかへてことぶき草や歌に詠む 正岡子規 福寿草
咲き置きといふがごとくに福寿草 鷹羽狩行
唐子立つごとく十あまり福寿草 大野林火 方円集 昭和四十九年
善き鉢の殊にいやしや福壽草 正岡子規 福寿草
在りし日の御指南番や福寿草 日野草城
多摩の瀬のひびき淙々福寿草 山口青邨
大雪の夜を福寿草ひらきけり 橋閒石 朱明
夫婦して素謡めでたき福寿草 伊丹三樹彦
妻の座の日向ありけり福寿草 石田波郷
居直りの死もあるやらん福寿草 永田耕衣
山に咲くごと福寿草雪消えぬ 山口青邨
峨々と苔峨々と苔置き福寿草 後藤比奈夫
庭のものいまだ稚し福寿草 山口青邨
恐らくは念笑死のむれ福寿草 永田耕衣
掃除して土あたらしく福寿草 右城暮石 散歩圏 補遺 頑張れよ
掛物に十二ケ月や福寿草 阿波野青畝
日あたりや小窓に開く福壽艸 正岡子規 福寿草
日ざしもろとも運ばれて福寿草 鷹羽狩行
日の障子太鼓の如し福寿草 松本たかし
日輪のゑがける如く福寿草 山口青邨
時計木莵啼き出す福寿草の国 鷹羽狩行
最後尾車輌にて膝の福寿草 橋閒石 微光
月の夜を重ねふくらむ福寿草 鷹羽狩行
本の山高く福寿草の鉢低く 山口青邨
枯枝の落ちて横たふ福寿草 山口青邨
枯草の中福寿草はや蕾 山口青邨
柴の戸や黄金花さく福壽艸 正岡子規 福寿草
梅日和福寿草に早や虻ついて 細見綾子
正月のはでな花なり福壽草 正岡子規 福寿草
正月も古りつつ福寿草たもつ 松本たかし
水仙の冬にならんで福壽草 正岡子規 福寿草
水入の水をやりけり福壽草 正岡子規 福寿草
煎餅賣る根岸の家や福壽草 正岡子規 福寿草
照り昃りわれより敏く福寿草 山口青邨
猫の居る椽の日南や福壽草 正岡子規 福寿草
病室の煖爐の側や福壽草 正岡子規 福寿草
白砂青苔にかこまれ福寿草 鷹羽狩行
盆栽の梅早く福壽草遲し 正岡子規 福寿草
盆栽や梅つぼみ福壽草黄なり 正岡子規 福寿草
相生のひとつはひらき福寿草 鷹羽狩行
短命の佛妻にも福寿草 森澄雄
石のごとくに歳晩の福寿草 阿波野青畝
福壽草の蕾をいぢる机かな 正岡子規 福寿草
福壽草影三寸の日向哉 正岡子規 福寿草
福壽草貧乏艸もあらまほし 正岡子規 福寿草
福寿草 父似の咳の否応なく 伊丹三樹彦
福寿草くしやみが腰に応えたぞ 永田耕衣
福寿草ひらききつたりまぶしかり 細見綾子
福寿草ひらきつぼむも野のごとく 山口青邨
福寿草また蕗の薹早春賦 山口青邨
福寿草や卓に掛けたる白錦 村上鬼城
福寿草ゆるやかに過ぐ今の刻 能村登四郎
福寿草よりかも苔に喜色あり 後藤夜半 底紅
福寿草一鉢置けば座右の春 松本たかし
福寿草何隠したる古屏風 村上鬼城
福寿草別火ぐらしの能大夫 角川源義
福寿草十花燦たる鉢一つ 餘生 水原秋櫻子
福寿草咲いて筆硯多祥かな 村上鬼城
福寿草天使を銀の線描きに 中村草田男
福寿草家族のごとくかたまれり 福田蓼汀 山火
福寿草小雨にぬるる年の市 山口青邨
福寿草山の日さして晴れにけり 岡井省二 有時
福寿草平均寿命延びにけり 日野草城
福寿草掘るとて兵ら野をさがす 長谷川素逝 砲車
福寿草梅の根方に寄りて咲く 細見綾子
福寿草楽鳴る漁家の尺の庭 角川源義
福寿草泥鰌思いの人に咲く 永田耕衣 人生
福寿草満開雪塊しりぞくに 山口青邨
福寿草煌と孤客の凝視に遭い 楠本憲吉 方壺集
福寿草礼記文持つみやつこ碑 松崎鉄之介
福寿草置いて一膳飯屋かな 石田勝彦 秋興以後
福寿草落葉の中や人にかくれ 山口青邨
福寿草襖いろはにほへとちり 阿波野青畝
福寿草覆面をして蕾あぐ 山口青邨
福寿草鉢紺青に海のごと 山口青邨
福寿草長寿の奢りなしとせず 百合山羽公 樂土以後
福寿草雪をかぶりて金ほのか 山口青邨
窓掛の房さがりけり福壽草 正岡子規 福寿草
籬して武蔵野の芽の福寿草 三橋敏雄
而して黄金小出しに福寿草 鷹羽狩行
膝もとの日の明るさや福寿草 松本たかし
花かずに過不足のなき福寿草 鷹羽狩行
草萌ゆるまた福寿草も野の如く 山口青邨
莟太く開かぬを愛す福壽草 正岡子規 福寿草
蓬髪のわが率て小法師福寿草 山口青邨
蕗の薹福寿草にも似たりけり 正岡子規 蕗の薹
虎の子のつぼみの福寿草の数 鷹羽狩行
覚めぎはの大き寝息や福寿草 岡井省二 鹿野
誕生を祝ぐ初花か福寿草 阿波野青畝
誰も知らぬやさしき日向福寿草 山口青邨
賤が家に置くも笑ふや福壽草 正岡子規 福寿草
里昂製のテーブル掛や福壽草 正岡子規 福寿草
金鉱をなお眠らせて 福寿草 伊丹三樹彦
雪とまがふ白き石おき福寿草 山口青邨
雪のごとき白砂を敷き福寿草 山口青邨
青丹よし寧楽の墨する福寿草 水原秋櫻子 重陽
非凡にも凡にもあらず福寿草 清崎敏郎
頬杖に昼を眠れり福寿草 岡本眸
頼もしき二十七顆の福寿草 後藤夜半 底紅
風邪の眼にかがよふ黄あり福寿草 松本たかし
餅のかびけづるや福寿草つぼむ 細見綾子
魚屋が散らす紅鱗福寿草 林翔 和紙
龍神に福寿草咲く山襞あり 能村登四郎

福寿草 続補遺

この雪にまづつゝがなし福寿草 成田蒼虬
しほらしき松の薄氷や福寿草 成田蒼虬
しほらしき誠や今朝の福寿草 土芳
僧正の児祝われぬ福寿草 三宅嘯山
天地のいでもの見せむ福寿草 早野巴人
家々やいづれの野より福寿草 午心 発句類聚
小書院のこの夕ぐれや福寿草 炭太祇
拝まれぬだけが草也福寿草 田川鳳朗
文机に可愛のものや福寿草 晩得 哲阿弥句藻
朝日さす弓師が店や福寿草 与謝蕪村
福寿草くさとは見えぬ影ぼうし 桜井梅室
福寿草咲や後に土佐が鶴 露印
福寿草唯に目出たき根ざし哉 琴風
福寿草此外の名のあらば有れ 自来 発句題叢
色がはりなくてめでたし福寿草 桜井梅室
花ぞ時元日草やひらくらん 井原西鶴
袖光れ朝戸出衆生福寿草 貞佐 桑々畔発句集
隠れ家や麦の二葉を福寿草 中川乙由

以上

by 575fudemakase | 2017-03-19 07:40 | 新年の季語 | Trackback | Comments(0)

福藁 の俳句

福藁 の俳句

福藁

例句を挙げる。

日の中に福藁散るも七日かな 小宮山政子
旧法華寺村福藁の一戸かな 茨木和生 往馬
歯朶青く福藁五尺あまりかな 露月句集 石井露月
福藁にあふれて女流はなやぎ来 石田波郷
福藁に仔牛の誕生待つ農家 横溝養三
福藁に歌膝組むや梅が下 尾崎紅葉
福藁に降りて雀のもの言ひたげ 小松崎爽青
福藁に雀の下りる日向かな 正岡子規
福藁のはつかなる青産見舞 中村清子
福藁のよごるる雨となりにけり 吉沢蕪洲
福藁の雀吹かれつやはらかし 榎本桃幸女
福藁はみ出た「団結横丁」踏み基地へ 原子公平
福藁や塵さへけさは美しき 千代尼
福藁や壁白うして外厠 荒井正隆
福藁や天鈿女命の匂ひせり 西田夢荘
福藁や暖さうに犬眠る 安藤橡面坊
福藁や福来るまでに汚れけり 中条角次郎
福藁や籾置を敷く薔薇の蔓 香西照雄 素心
福藁や藪の家より童唄 村山古郷
福藁や足にかゝりて美しき 野村喜舟
福藁や開け放ちある白木門 高橋悦男
福藁や雀が踊る鳶がまふ 一茶
福藁や雪はしづかに降りつのり 井上烏三公
福藁をかさりと踏みて風もなし 平井 梢
福藁を上ぐる土竜や御座所跡 丸田余志子
福藁を厚く神鶏飼はれをり 堀之内和子
福藁を敷いて飾れる唐箕かな 岩谷山梔子
福藁を最初に踏みて孫来たり 能村登四郎
福藁を雀に踏ますひとり住 朝倉和江
農留守の戸に福藁に日いつぱい 石川桂郎 高蘆
生みたての卵が二つふくさ藁 八染藍子
背負ひ子をあやしつつ踏むふくさ藁 本宮鼎三
まづ出でし猫の鈴鳴るふくさ藁 森澄雄

福藁 補遺

福藁にあふれて女流はなやぎ来 石田波郷
福藁にとて届けらる地主より 能村登四郎
福藁にまづは声して初雀 森澄雄
福藁に微酔の足を降しけり 能村登四郎
福藁に田毎の秋ぞおもはるゝ 中川乙由
福藁に雀の下りる日向かな 正岡子規 福藁
福藁や樹紋飾りし古椿 石田波郷
福藁や籾置を敷く薔薇の蔓 香西照雄 素心
福藁や藪の奥より童唄 村山故郷
福藁や誰取初し早苗より 三宅嘯山
福藁を敷きし埃のしばらくあり 能村登四郎
福藁を最初に踏みて孫来たり 能村登四郎
福藁を貰ひすぎたる嬉しさよ 能村登四郎
福藁を踏みし弾みの今年も佳し 能村登四郎
福藁を踏みたしかめて今年もよし 能村登四郎
豊穣の福藁なりや厚く敷く 能村登四郎
農留守の戸に福藁に日いつぱい 石川桂郎 高蘆
雀躍に福藁のまだよごれなき 富安風生

以上

by 575fudemakase | 2017-03-19 07:37 | 新年の季語 | Trackback | Comments(0)


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《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
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全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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