2017年 05月 11日 ( 17 )

春の夕焼  の俳句

春の夕焼  の俳句

春の夕焼

例句を挙げる。

さきがけてわが部屋灯す春夕焼 桂信子 黄 炎
つばくらや春夕焼の岩の角 加藤楸邨
一切の記憶なき町春夕焼 中村汀女
喪の家も春夕焼の一戸たり 蓬田紀枝子
師と坐り茶の出ごろ待つ春夕焼 羽部洞然
帰りなむ春夕焼を壜に詰め 櫂未知子 蒙古斑
想ふこと春夕焼より美しく 富安風生
揚げ物の音が窓洩れ春夕焼 三村純也
春夕焼いくつも橋を渡りけり 岩井久美恵
春夕焼たれも虔しき明日はもつ 石田波郷
春夕焼ぶつかりさうな礁と礁 加藤憲曠
春夕焼へ遠き鶴嘴そろひ落つ 加藤楸邨
春夕焼ジャングルジムより子をとり出す 井上真実
春夕焼向ひの家の鏡見ゆ 岡本 眸
春夕焼土積むトラック坂のぼる 桜井博道 海上
春夕焼星の生るる波紋見ゆ 橋本鶏二
春夕焼海女も鴎も染めつくす 柴田白葉女 『冬泉』
春夕焼真珠筏を染めにけり 小山南史
春夕焼終命の夫あどけなし(翌、十八日午後四時四十五分永眠、六十九才なり) 殿村菟絲子 『旅雁』
春夕焼華やぐ中に宴待つ 相馬遷子 山河
松籟のほとりただよふ春夕焼 猿山木魂
白帝城幕おとす如春夕焼 田中英子
白鳥の去りし水面へ春夕焼 佐藤美恵子
竹山の声つつぬけや春夕焼 長谷川 櫂
笑い声ぶつかり歩く春夕焼 二村典子
総金歯の美少女のごとき春夕焼 高山れおな
縄とびの波の向うに春夕焼 小林蘇美
茶の泡に春夕焼のとどまらず 加藤楸邨
荒海や不意に死が馳す春夕焼 柴田白葉女 花寂び 以後
誰恋ふとなく庭にあり春夕焼 勝又一透
遊ぶ輪を春夕焼に解かれけり 長島武彦
鈴買つて春夕焼の肩ぐるま 菅原鬨也
馬具耕具軒に掛け干す春夕焼 畑中七郎
高野切墨継ぎも佳き春夕焼 伊藤敬子
鴨耀りて万の綺羅おく春夕焼 柴田白葉女 『月の笛』
地に子供春の夕焼母のごとし 三谷昭
女坂のぼれば春の夕焼け町 中村汀女
春の夕焼背番「16」の子がふたり ねじめ正也
春の夕焼魚焼き終るまでありぬ 角野正輝
水飲んで春の夕焼身に流す 岡本 眸
雪山に春の夕焼滝をなす 飯田龍太 百戸の谿

春の夕焼 補遺

*もう山を下りくる唐手春夕焼 松崎鉄之介
ここは神の戸あすのため春夕焼 佐藤鬼房
さきがけてわが部屋灯す春夕焼 桂信子 女身
どの坂を上らうと春夕焼かな 飯島晴子
一度来てまた消えし燈や春夕焼 大野林火 冬雁 昭和二十二年
鎌倉の海に出る道春夕焼 村山故郷
旗雲の夕焼けて春の造船所 大野林火 潺潺集 昭和四十二年
畦曲り春の夕焼の水曲る 水原秋櫻子 残鐘
犬が抱きくふ春夕焼の麺麭の耳 加藤秋邨
殊に濃き春夕焼の死者の家 飯島晴子
春夕焼へ遠き鶴嘴そろひ落つ 加藤秋邨
春夕焼華やぐ中に宴待つ 相馬遷子 山河
春夕焼海門ひらく溺谷 角川源義
春夕焼向ひの家の鏡見ゆ 岡本眸
春夕焼紅顔のいつ失せしや 上田五千石『田園』補遺
春夕焼山越え盆地蔽ふべし 大野林火 潺潺集 昭和四十三年
春夕焼水に苗木の根を滌ぎ 飯田龍太
人が人に疲れて帰る春夕焼 鷹羽狩行
人登り来る山上の春夕焼 松崎鉄之介
水飲んで春の夕焼身に流す 岡本眸
水底の砂にも映り春夕焼 大野林火 早桃 太白集
雪山に春の夕焼滝をなす 飯田龍太
想ふこと春夕焼より美しく 富安風生
茶の泡に春夕焼のとどまらず 加藤秋邨
長江の千紫万紅春夕焼 松崎鉄之介
乳子泣いて春の夕焼濃かりけり 日野草城
尾道に水の道あり春夕焼 鷹羽狩行
富士筑波湖にきて侍す春夕焼 角川源義
辭という字画の多き字が好き春夕焼 楠本憲吉 方壺集

by 575fudemakase | 2017-05-11 21:54 | 春の季語 | Trackback | Comments(0)

朧月 の俳句

朧月 の俳句

朧月

例句を挙げる。

「をんな文」かきしは男朧月 龍胆 長谷川かな女
あじろ木のゆるぐ夜比や朧月 高井几董
いたむ歯は皆抜きすてて朧月 会津八一
いとぐるま母が鳴らして朧月 福島小蕾
おもふこと伏籠にかけて朧月 遊女-のざと 俳諧撰集玉藻集
かたむきてなほ朧月なりしかな 稲畑汀子 ホトトギス汀子句帖
きるものの色を覚えて朧月 広瀬惟然
くちづけの動かぬ男女朧月 池内友次郎 結婚まで
くもりたる古鏡の如し朧月 高浜虚子
これを故郷と云ふ朧夜の更けにけり 中島月笠 月笠句集
さしぬきを足でぬぐ夜や朧月 蕪村 春之部 ■ もろこしの詩客は千金の宵をゝしみ、我朝の哥人はむらさきの曙を賞す
そのかみの檜の香り朧夜に 和田悟朗 法隆寺伝承
たのしさよ闇のあげくの朧月 向井去来
だんだらのかつぎに縫ひぬ朧月 子規句集 虚子・碧梧桐選
つんとせし乳房を抱く月朧 仙田洋子 橋のあなたに
どこをもて故郷となさむ朧月 中村苑子
どちへゆく水ともさらに朧月 希因
どの路地もくさやの匂ひ月朧 田中俊尾
なほ告げることあり朧夜を追ふ 江口喜一
もういない鶫私もいない朧夜 金子皆子
ゆきひらの粥の白さや月朧 岡部名保子
ゆきゆけば朧月夜となりにけり城のひむがし菜の花の村 佐佐木信綱
よき人を宿す小家や朧月 蕪村 春之部 ■ もろこしの詩客は千金の宵をゝしみ、我朝の哥人はむらさきの曙を賞す
よき風の松から来るや朧月 井月の句集 井上井月
カンテラが照らせる朧夜の水場 岡田日郎
三毛よ今帰つたぞ門の月朧 寺田寅彦
三輪を出て朧月夜の径かな 竹冷句鈔 角田竹冷
上げ汐の千住迄来て朧月 古白遺稿 藤野古白
世の花を丸うつつむや朧月 千代尼
両手で顔被う朧月去りぬ 金子兜太
中川やほゝり込んでも朧月 服部嵐雪
五位鷺を狂はす朧月夜かな 柳澤和子
享年の見えかくれする朧月 田中湖葉
人聲のやがて笑ひぬ朧月 池内友次郎
仏壇の間に朧夜の母ひとり 廣瀬直人
仮初に死を言ふなかれ月朧 小出秋光
会終へて朧月夜の女かな 山下 雄子
伽羅さめし伏籠の衣や朧月 会津八一
傘不意にひらいて朧夜のホーム 大石雄鬼
入眼しててのひらひろき朧月 古館曹人
冬おわり北国は田の朧月 和知喜八
前の世に見し朧夜の朧の背 平井照敏
力入て鐘つきにけり朧月 素由
十五夜とかたかたよらず朧月 百池 五車反古
博多人形裸になれず朧月 大石雄鬼
口惜しの朧夜かへりしらふにて 尾崎紅葉
古利眼の葱そゝけたる朧月 殿村莵絲子 牡 丹
名画座の看板古き朧月 市ヶ谷祥子
吾と吾の影がずれゆく朧月 吉本和子
味噌まめの煮ゆるにほひや朧月 中村史邦
塩竃を出てゆく禰宜や朧月 野村泊月
墨よしや千鳥こぼるゝ朧月 嵐山
夕川の音生きて来し朧月 柴田白葉女
夜遊びへ猫の出でゆく朧月 太田土男
大はらや蝶のでて舞ふ朧月 内藤丈草
大仏に落ちかゝりけり朧月 古白遺稿 藤野古白
大切の猫も留守なり朧月 井上井月
大原や蝶の出てまふ朧月 丈草
大名のしのびありきや朧月 正岡子規
大坂の朧夜さても夕霧忌 山上樹実雄
女体とは苦き米なり朧月 攝津幸彦
妻の墓はいづれわが墓朧月 水野柿葉
妻戸まで誰か音信て朧月 井上井月
家根舟の提灯多し朧月 正岡子規
富士見えていよ~朧月夜かな 古白遺稿 藤野古白
山の灯は京のうしろや朧月 古白遺稿 藤野古白
川下に網うつ吾や朧月 太祇
工女位く機場の窓や朧月 乙字俳句集 大須賀乙字
己が問ひ己が応へて朧月 角川照子
帆をはるとまでは見えしが朧月 一鼠
師は荼毘に吾は家路に朧月 橋本美代子
弔ひにゆく朧夜の待合せ 細川加賀 『玉虫』
往診も冥利と思う月朧 中川岩魚
待合の門を出づれば朧月 寺田寅彦
恋をせば滋賀のあたりや朧月 松岡青蘿
悲しみに急ぐ梢の月朧 藤崎美枝子
払ふ事松もかなはず朧月 千代尼
指貫(さしぬき)を足でぬぐ夜や朧月 蕪村
救急車始動す朧夜の錐へ 田川飛旅子
春ならば朧月とも詠(なが)めうに 上島鬼貫
晴天に暮てまもなし朧月 成文 五車反古
最上川船の難所も月朧 竹本青苑
月朧おぼろに仰ぐ別れかな 稲畑汀子 汀子第二句集
月朧たゞ漆黒の吉野なる 桑田青虎
月朧わたくしといふかたちかな 大川ゆかり
月朧松の梢にちゝり見ゆ 四明句集 中川四明
月朧灯明り朧観世音 小原菁々子
朧夜にまさしく山の見ゆる死ぞ 松澤昭 山處
朧夜に声ありて句を聴くうつゝ 尾崎紅葉
朧夜に引や網場のからす貝 乙州 俳諧撰集「有磯海」
朧夜に肋叩けば鳴りにけり 岡井省二
朧夜に鼠やつたふ藤の棚 亀柳 俳諧撰集「藤の実」
朧夜のあまたの翳のなかに母 福永耕二
朧夜のこの木に遠き祖先あり 正木ゆう子
朧夜のしいて思えば先祖あまた 池田澄子
朧夜のそぞろ歩きも飽きて来し 上村占魚 球磨
朧夜のただやうものに石を投ぐ 椎橋清翠
朧夜のつまみて茄子の雲母漬 石嶌岳
朧夜のときに枕と入れ替はる 齋藤愼爾
朧夜のひとりの紅茶冷めやすし 谷口桂子
朧夜のひと呼んで声やはらかき 西村和子 窓
朧夜のふりむかずともひとりかな 佐野美智
朧夜のべに憚らず濃くしけり 林原耒井 蜩
朧夜のまた抱き起こす広辞苑 藤原駿二
朧夜のまなざしはきと見取りけり 林原耒井 蜩
朧夜のむんずと高む翌檜 飯田龍太(1920-)
朧夜のもう誰も出ぬ不浄門 飯田龍太 遅速
朧夜のわが後頭部を蝶の爪 齋藤愼爾
朧夜のエリとは人の掛けし罠 中島斌雄
朧夜のネオンヘ翔ちし蝶見たり 園部雨汀
朧夜のピンで刺しおく蝶の数 岡田史乃
朧夜の一人帰せば一人着く 山田弘子
朧夜の人のあとより歩きけり 長谷川かな女 雨 月
朧夜の体臭のこる昇降機 黒瀬としゑ
朧夜の何処まで行かば心足る 吉野トシ子
朧夜の出口を探す親子かな 小泉八重子
朧夜の医療機われにのしかかる 加藤知世子 花 季
朧夜の南大門とや大いなる 辻桃子 ねむ 以後
朧夜の君鸛ににて怨じけり 中勘助
朧夜の唇の奥なる親知らず 飯田龍太 山の木
朧夜の嘘が大きく育ちをり 藤原たかを
朧夜の四十というはさびしかり 黒田杏子
朧夜の埴輪の口の開き澄む 青木重行
朧夜の妹が嵩張つてゐる 大石雄鬼
朧夜の子へ買ひ戻る星座表 橋本榮治 麦生
朧夜の孕雀が山へ飛ぶ 飯田龍太
朧夜の学校に用ありにけり 増田龍雨 龍雨句集
朧夜の宴の氷菓くづし領く 久米正雄 返り花
朧夜の家に角衝くも人の性 石塚友二 光塵
朧夜の寝髪樹根が曳きにくる 小檜山繁子
朧夜の少年が買ふ遠めがね 橋本榮治
朧夜の底を行くなり雁の声 諸九尼
朧夜の影神か魔か連れ通る 野澤節子 黄 炎
朧夜の息ふかく読む遺稿あり 宍戸富美子
朧夜の手に消えさうな泪壺 加藤知世子
朧夜の旅の身に添ふ弦楽器 冨田みのる
朧夜の星一つ入れさるすべり 和知喜八 同齢
朧夜の昼来て恋をさましけり 尾崎紅葉
朧夜の月の在処と共にゆく 渡辺白泉
朧夜の朧と化さむ眠りかな 村越化石
朧夜の格子は愛のとりでめく 岩田昌寿 地の塩
朧夜の樒浸けある海女の桶 山本洋子
朧夜の死体置場といふところ 飯田龍太 遅速
朧夜の母が病父守る子守唄 吉野義子
朧夜の母ひらかなのやうに老い 小檜山繁子
朧夜の気づかぬほどの下り坂 池田澄子
朧夜の水より覚めて来たる町 稲畑汀子 汀子第三句集
朧夜の海にも似たる黒髪よ 河野多希女 両手は湖
朧夜の渡しの船のエチカかな 攝津幸彦 鹿々集
朧夜の潮騒神の燈をゆりて 原 柯城
朧夜の物言ふ如き星のあり 鈴木花蓑句集
朧夜の猫が水子の声を出す 飯田龍太
朧夜の白絹に置く一分金 井上康明
朧夜の眠り醒めねばみごとな死 小檜山繁子
朧夜の粂の平内拝みけり 野村喜舟 小石川
朧夜の胸のかたちに息をせり 中村正幸
朧夜の船団北を指して消ゆ 飯田龍太(1920-)
朧夜の花売車病廊に 石田あき子 見舞籠
朧夜の蔀の格子ありにけり 野村喜舟 小石川
朧夜の蛇屋の前を通りける 山口青邨
朧夜の袋小路の喧嘩かな 長谷川双魚 風形
朧夜の襲ひごつこは止しておけ 八木三日女 紅 茸
朧夜の農学校を猫歩く 太田土男
朧夜の風に木蓮くづれけり 冬葉第一句集 吉田冬葉
朧夜の馬車*戛々と行き過ぐる 久米正雄 返り花
朧夜の鬚根がはえたドラム罐 真鍋呉夫
朧夜の鶏が夢見る白世界 能村研三 騎士
朧夜は朧に高し筑波山 杉山花鳥
朧夜は繭に入りたる心地して 志賀咲地子
朧夜やあるとばかりに丸い山 寺田寅彦
朧夜やうたはぬ歌に行き過し 千代尼
朧夜やおり居の御所の月の松 晋才
朧夜やお小夜狐は嫁入す 寺田寅彦
朧夜やちりしく梅に蝦蟇雌雄 島村元句集
朧夜やにごりワインのコルク抜く 吉原文音
朧夜や下男のはこぶ夜食膳 田中冬二 俳句拾遺
朧夜や侍侯の官妓誰れ~ぞ 寺田寅彦
朧夜や分別ゴミの尖りたる 大石雄鬼
朧夜や吉次を泊し椀のおと 成美
朧夜や垣根に白き牡蠣の殻 寺田寅彦
朧夜や堤走るにまとふ道 尾崎迷堂 孤輪
朧夜や女盗まんはかりごと 正岡子規
朧夜や悪い宿屋を立ち出づる 子規句集 虚子・碧梧桐選
朧夜や憚り打ちする子のドラム 奈良文夫
朧夜や晩く着きたる泊り客 田中冬二 俳句拾遺
朧夜や本所の火事も噂ぎり 飯田蛇笏 山廬集
朧夜や来し友の留守訪うてみたき 中島月笠 月笠句集
朧夜や殺して見ろといふ声も 高浜虚子
朧夜や水の音する壁の中 中田剛 珠樹以後
朧夜や氷離るる岸の音 吉川五明 (1731-1803)
朧夜や河の向ひに丸い山 寺田寅彦
朧夜や洲崎へつゞく木場の水 増田龍雨 龍雨句集
朧夜や湯殿の窓の磨硝子 寺田寅彦
朧夜や狐嫁入なんどする 寺田寅彦
朧夜や狐源氏の早蕨野 菅原師竹句集
朧夜や百姓の子の笛を吹く 前田普羅
朧夜や米一升を買ひ提げて 小杉余子 余子句選
朧夜や見届けたもの梅ばかり 千代尼
朧夜や鞍馬山中由岐神社 尾崎迷堂 孤輪
朧夜や顔に似合ぬ恋もあらん 夏目漱石
朧夜や首さげて飛ぶ群鶴図 古舘曹人 樹下石上
朧夜をどこかで餅を搗いてゐる 田中冬二 若葉雨
朧夜を寄り添ふひとの髪匂ふ 田中冬二 冬霞
朧夜を東京へゆくと別れたる 田中冬二 俳句拾遺
朧夜を泪のごとく湧きしえび 宇佐美魚目 秋収冬蔵
朧夜を流すギターやサンタ・ルチア 寺田寅彦
朧夜を笛吹いて出よ池の主 中村史邦
朧夜を鬼のすさべる会式かな 宮下翠舟
朧月あまりに淡く憎むなり 柴田白葉女 遠い橋
朧月いまより谷を捨つるかな 松澤昭 宅居
朧月はなれて星の数ふ程 高木晴子 花 季
朧月ゆがみゆがめり咳堪ふる 斎藤空華 空華句集
朧月一足づゝもわかれかな 向井去来
朧月大学生となりしかな 高柳重信
朧月左右の木の間や衣かつぎ 椎本才麿
朧月応へのなきは許されしか 殿村菟絲子 『樹下』
朧月据うより刻がとどまりぬ 柴田白葉女 花寂び 以後
朧月放下の親子戻りけり 維駒
朧月放牧のごと人眠り 北原志満子
朧月暈のうちなる軒の蜘蛛 阿部みどり女
朧月淀のわたりの水の音 徳野
朧月狐に魚を取られけり 子規句集 虚子・碧梧桐選
朧月睫毛に落ちて刻知らず 加藤知世子 黄 炎
朧月置く仏像の顔もかなし 加藤知世子 黄 炎
朧月薫売がしめりかな 椎本才麿
朧月蛙に濁る水やそら 蕪村遺稿 春
朧月誰そ橋板の足拍子 青木薫風郎
朧月軽き身なれば寄り添える 高澤晶子 復活
朧月違へし道をきてしまひ 成瀬桜桃子
朧月露国遠しと思ふとき 飯田龍太(1920-)
村人と同じ師の墓朧月 岡本苔水
林泉守の木菟のこゑかも月朧 沼澤 石次
梟にあはぬ目鏡や朧月 榎本其角
森昏れて庭昏れはてて月朧 柴田白葉女 『夕浪』
樹を抱けば妙なる冷えや朧月 渡邊水巴 富士
止り木の鶏ふんはりと朧月 藤井寿江子
残世に打つ待針や朧月 秦夕美
母と居るたゞ朧夜の古襖 小林康治 四季貧窮
水に添ふて橋たづぬるや朧月 三峡
水吸つて大地ふくるる朧月 高島つよし
水騰げて青麦山の朧月 中拓夫
泊まりたる宿はランタン月朧 吉木フミエ
波先や勢田の水行く朧月 猿雖 俳諧撰集「有磯海」
浄瑠璃の阿波の鳴門の朧月 富安風生
浮世絵の絹地ぬけくる朧月 泉鏡花
海に入りて生れかはらう朧月 高浜虚子(1874-1959)
温泉の町や海に上りし朧月 高濱年尾 年尾句集
潜水夫の喞筒の音にや月朧 河東碧梧桐
灯の海の広場にあるや朧月 池内友次郎 結婚まで
灯心よあいたいの隈を朧月 一蜂 選集「板東太郎」
点滴の元気湧く彩朧夜へ 高澤良一 鳩信
片寄する琴に落ちけり朧月 夏目漱石 明治三十一年
牛面の目のくりぬかれ月朧 仙田洋子 橋のあなたに
猫の声だんだん高し朧月 ジャック・スタム
猫の恋やむとき閨の朧月 芭蕉
猫逃げて梅動りけり朧月 言水
猿を待つ猿のこしかけ朧月 鬼子
玄上は失せて牧場の朧月 寺田寅彦
珍らしや風呂も我家の朧月 寺田寅彦
町ありく鹿の背高し朧月 雷夫
白魚の生るゝ夜なり朧月 かきね草 藤井紫影
盗まれし女ありけり朧月 柴田奈美
種浸す朧夜の杉くろぐろと 中拓夫 愛鷹
種芋や朧月夜のまろきもの 癖三酔句集 岡本癖三酔
穴の明く松風もなし朧月 千代尼
立ち出でゝ蕎麦屋の門の朧月 子規句集 虚子・碧梧桐選
竹の根に水打つ朧夜のことぞ 田中裕明 山信
竹縁にぐすと踏み込む朧月 服部嵐雪
罪もうれし二人にかかる朧月 夏目漱石 明治三十七年
翌日の空どちらへならむ朧月 横井也有 蘿葉集
花の顔に晴れうてしてや朧月 松尾芭蕉
花を盗む朧月夜の検事かな 尾崎紅葉
花を見て帰る後ろや朧月 熊二
蚊屋の内に朧月夜の内侍かな 蕪村遺稿 夏
蛸壷もことにおぼろの朧月 和知喜八 同齢
行違ふ舞妓の顔や朧月 尾崎紅葉
裏側は緑色なり朧月 中田美子
言ひさして見直す人や朧月 千代尼
誰が糸につなぎとめたぞ朧月 立花北枝
諍いて席立つわれに朧月 大樫常人
諸越の使者来る夜なり朧月 古白遺稿 藤野古白
貝塚の町へ入れば朧月 道之
踊子の負はれて戻る朧月 大須賀乙字
送別の歌のもれくる朧月 有賀玲子
過て勾ふ酢屋の門辺や朧月 春坡
酒買ひに女房出て行く朧月 寺田寅彦
野おくりや膝がくつきて朧月 中村史邦
野の雪や空照り返す朧月 古白遺稿 藤野古白
野送りや膝がくつきて朧月 史邦 芭蕉庵小文庫
鍵穴に鍵差したまま朧月 塩見 恵介
鐘の音に箏(こと)吹き合ひぬ朧月 中村史邦
門付のしば~来けり朧月 寺田寅彦
閨の戸の細目にあきて朧月 尾崎紅葉
陸橋の坂ゆるやかに朧月 秋元波末子
障子には夜明のいろや朧月 横井也有 蘿葉集
雨ちかき温泉のけふりや朧月 召波
雪のまゝに竹うちふして朧月 松岡青蘿
雲も座も持かためてや朧月 水田正秀
飛鳥人と恋をせん奈良の朧月 中勘助
饂飩うつ跡や板戸の朧月 内藤丈草
首輪なき犬蹤き来たる朧月 藤原たかを
駱駝歩む先は浄土か朧月 松本旭
高らかに堰の戸開けぬ朧月 前田普羅 新訂普羅句集
鶫旅立つ朧月夜の朧の躯 金子皆子
黒土の庚申塚や朧月 許六 正 月 月別句集「韻塞」
黙礼の跡見かへるや朧月 柳之 古句を観る(柴田宵曲)
おぼろ夜かも吾は妻を見つつ 伊藤松風
おぼろ夜に消え入るもよしひとり旅 藤原照子
おぼろ夜の*えりとおもへば思はるゝ 森田峠 避暑散歩
おぼろ夜のあかつき方の屋根の雨 滝井孝作 浮寝鳥
おぼろ夜のいくさのあとのしかばねよ 長谷川素逝 砲車
おぼろ夜のいちばんはじめから歩く 山崎 聰
おぼろ夜のうどんにきつねたぬきかな 木田千女
おぼろ夜のおぼろのはてのいのちかな 渡辺幸子
おぼろ夜のかげまろまろと鯛車 宇佐美魚目 秋収冬蔵
おぼろ夜のかたまりとしてものおもふ 加藤秋邨 吹越
おぼろ夜のからくり時計せり上り 高澤良一 寒暑
おぼろ夜のきりりと鳴りし馬の顎 加藤秋邨 吹越
おぼろ夜のさしつさされつ酌む縁 征一
おぼろ夜のしば天踊り余興の座 高澤良一 寒暑
おぼろ夜のはふり火に立つわれ隊長 長谷川素逝 砲車
おぼろ夜のぷぽぷぽちぽぽ魚啼けり 深谷鬼一
おぼろ夜の一節切一管の音なりけり 久保田万太郎 流寓抄以後
おぼろ夜の人語しづかに家の外 河野南畦 『焼灼後』
おぼろ夜の佛とはなり給ひけり 石塚友二
おぼろ夜の作業衣壁にかげふかく 細谷源二 鐵
おぼろ夜の刻の流れに遅るる身 小松崎爽青
おぼろ夜の声やむ妻の来し蟇か 皆吉爽雨 泉声
おぼろ夜の妙見社殿朱塗りにて 松本陽平
おぼろ夜の寝むと鏡の前に久し 殿村菟絲子 『路傍』
おぼろ夜の昔はありし箱まくら 能村登四郎
おぼろ夜の木曽の藁馬歩き出す 佐川広治
おぼろ夜の東京だいだらぼつちがゆく 加藤楸邨
おぼろ夜の桜吹雪を知つてをり 角川春樹 夢殿
おぼろ夜の橋に荒瀬のひゞくなり 上村占魚 鮎
おぼろ夜の橋弧は耐へて人運ぶ 原田種茅 径
おぼろ夜の母にかよひし父の舟 吉田汀史
おぼろ夜の水音に添ひ坂下る 柴田白葉女
おぼろ夜の汽笛トンネルが国境 野澤節子 黄 炎
おぼろ夜の注遅しらじらと若秋の井 北見さとる
おぼろ夜の湯の梯子して椿の湯 高澤良一 寒暑
おぼろ夜の潮騒つくるものぞこれ 秋櫻子 (竜燈鬼)
おぼろ夜の竹へとなりの嫁の声 太田鴻村 穂国
おぼろ夜の翳簷下にうづたかく 長谷川素逝 暦日
おぼろ夜の胸の砂漠をだれか行く 長浜聰子
おぼろ夜の舌読神の声を読む 赤松[ケイ]子
おぼろ夜の舞はずに古りし舞扇 鳥居美智子
おぼろ夜の船に老人ばかり乗る 森 則夫
おぼろ夜の身起こせばありし妻の衣 河野南畦 『黒い夏』
おぼろ夜の金平糖に夢もらふ 東出沙羅夫
おぼろ夜の闇濃き方に母眠り 石田阿畏子
おぼろ夜の雪のふる夜にさも似たる 久保田万太郎 草の丈
おぼろ夜の雪ふる夜にさも似たり 久保田万太郎
おぼろ夜の霊のごとくに薄着して 能村登四郎(1911-2002)
おぼろ夜の頬をひきつらせ泣かじ男 長谷川素逝 砲車
おぼろ夜の鬼ともなれずやぶれ壺 加藤秋邨 吹越
おぼろ夜の鬼なつかしや大江山 加藤楸邨
おぼろ夜やそれではなうて人は人 千代尼
おぼろ夜やぽとんと淵に魚躍る 幸田露伴 拾遺
おぼろ夜やわが身ゆすれば水の音 石嶌岳
おぼろ夜やアパートの鍵店の鍵 鈴木真砂女 夕螢
おぼろ夜や南下リにひがし山 高井几董
おぼろ夜や厨夫が海になげしもの 五十嵐播水 埠頭
おぼろ夜や去年の稲づか遠近に 泉鏡花
おぼろ夜や塀の棟木の鳥の糞 徐寅 正 月 月別句集「韻塞」
おぼろ夜や小狗啼くなる小柴垣 幸田露伴 江東集
おぼろ夜や幼き頃の鐘のこゑ 佐野良太 樫
おぼろ夜や旅先ではく男下駄 あざ蓉子(1947-)
おぼろ夜や本所の火事も噂ぎり 蛇笏
おぼろ夜や松の子どもに行きあたり 千代尼
おぼろ夜や梶空ざまに置車 清原枴童 枴童句集
おぼろ夜や櫺子にたれし花一朶 飯田蛇笏 山廬集
おぼろ夜や片輪車のきしる昔 泉鏡花
おぼろ夜や籠提灯の一つづつ 久保田万太郎 流寓抄以後
おぼろ夜や紺を長子の色となし 石川雷児
おぼろ夜や舞坂いづる針魚舟 水原秋櫻子
おぼろ夜をうすじめりして海女の桶 宇佐美魚目 秋収冬蔵
おぼろ夜をぬれて一八垂れにけり 太田鴻村 穂国
おぼろ夜を再び出でゝ水辺かな 高濱年尾
おぼろ夜を斜めに登山電車かな 今井杏太郎
おぼろ夜を来てたしかむる己が顔 高橋悦男
おぼろ夜を聴くうつせ貝耳にあて 大竹孤悠
おぼろ夜を酌み俳諧師女弟子 北見さとる
おぼろ夜を金堂灯る花会式 水原秋櫻子
おぼろ月あげ潮騒のマリア像 朝倉和江
おぼろ月みてゐるわれも朧なる 安田 晃子
おぼろ月大河をのぼる御舟かな 蕪村遺稿 春
おぼろ月影なき人のまじりけり 佐藤春夫 能火野人十七音詩抄
おぼろ月放下の親子戻りけり 維駒 五車反古
おぼろ月月はおぼろにあらねどもわれも世界もおぼろなりけり 前川博
おぼろ月狐の檻に狐の尾 黒谷忠
おぼろ月素足の美女のくさめかな 幸田露伴 拾遺
くちづけの動かぬ男女おぼろ月 池内友次郎
しやせまし志賀の山越おぼろ月 高井几董
ゆき過ぎて狐と気付く月おぼろ 小林黒石礁
三尺は師と弟子の距離おぼろ月 長谷川双魚 『ひとつとや』以後
五、六人居ておぼろ夜の形見わけ 吉田汀史
公園の木立も人も月おぼろ 武原はん
嘘つきしあとゝもみえで月おぼろ 上村占魚 鮎
壬生寺の猿うらみ啼けおぼろ月 蕪村
大歌舞伎はねて浪華の月おぼろ 山下 佳子
大津絵の鬼も踊るか月おぼろ 長谷川史郊
山鳩の巣籠る声や月おぼろ 石丸恭子
思ひあまたいくさする身のおぼろ夜は 長谷川素逝 砲車
手枕に身を愛す也おぼろ月 蕪村
昆布なめて夜となる媼おぼろ月 宇佐美魚目 秋収冬蔵
月おぼろ地にもわが影おぼろなる 下村梅子
月おぼろ弧のしなやかに臥牛垣 杉山青風
月おぼろ悪の吉三の赤蹴出し 柳沢 君子
月おぼろ星座も西に傾きて 稲畑汀子 春光
月おぼろ舟に掲げる万国旗 佐川広治
月おぼろ藁屋にこもる笑ひ聲 幸田露伴
月おぼろ野良着のままに湯を貰ふ 佐川広治
月おぼろ高野の坊の夜食時 蕪村遺稿 春
梅散りて古郷寒しおぼろ月 松岡青蘿
百年の榧は切られ月おぼろ 内藤良子
箔打の音絶え路地の月おぼろ 小坂優美子
絵の島に詩の波よるや月おぼろ 佐藤春夫 能火野人十七音詩抄
胎動の時々ありて月おぼろ 佐々木 小夜
自転車の音無く去つて月おぼろ 幸田露伴 江東集
落ぬべき西山遠しおぼろ月 高井几董
藥盜む女やハ有おぼろ月 蕪村 春之部 ■ もろこしの詩客は千金の宵をゝしみ、我朝の哥人はむらさきの曙を賞す
諒闇の第一宵や月おぼろ 飯田蛇笏 山廬集
都府楼の石にしみじみ月おぼろ 小原菁々子
隣家に孫等来て泣くおぼろ月 殿村莵絲子 雨 月
三日月に地は朧なり蕎麦の花 松尾芭蕉
三日月に朧の椎の大樹かな 京極杞陽 くくたち上巻
三日月のしばらくながら朧かな 横井也有 蘿葉集
朧三日月吾子の夜髪ぞ潤へる 草田男
朧三日月妻の恙を見舞はなむ 小林康治 四季貧窮

朧月 補遺

あひのりのさゝめごとあり朧月 正岡子規 朧月
おぼろ月奥の雪嶺の夜は見えず 大野林火 潺潺集 昭和四十二年
おぼろ月懸るや足の腱疼く 赤尾兜子 歳華集
かいた字も影の様なり朧月 正岡子規 朧月
かけろふや空までたつて朧月 正岡子規 陽炎
かたむきてなほ朧月なりしかな 稲畑汀子
そゝろありく朧月夜や酒の酔 正岡子規 朧月
だんだらのかつきに逢ひぬ朧月 正岡子規 朧月
どこ見ても高い山なし朧月 正岡子規 朧月
どぶ六に野茶屋は暮て朧月 正岡子規 朧月
ともし火の漏れて留守也朧月 正岡子規 朧月
ならぶ火は隣の国よ朧月 正岡子規 朧月
ふらでやみし朧月夜や薪能 正岡子規 朧月
やけ残る松にものうし朧月 正岡子規 朧月
よき人の小歌うたふや朧月 正岡子規 朧月
よき人の小歌聞きけり朧月 正岡子規 朧月
惟光をひとり供したり朧月 正岡子規 朧月
羽衣の裾かけて月や朧なる 正岡子規 朧月
嘘つきしあとゝもみえで月おぼろ 上村占魚 鮎
永き日やじつと出て居る朧月 正岡子規 朧月
煙硝の煙かすむや朧月 正岡子規 朧月
奥底のなきのどかさや朧月 正岡子規 朧月
屋根舟の提灯ゆかし朧月 正岡子規 朧月
下宿屋の窓皆あかし朧月 正岡子規 朧月
下駄借りて宿屋出づるや朧月 正岡子規 朧月
化物の噂やみけり朧月 正岡子規 朧月
家根舟の提灯多し朧月 正岡子規 朧月
家焼けたあとの匂ひや朧月 正岡子規 朧月
花の香か黒髪の香か月おぼろ 水原秋櫻子 餘生
霞とも山とも見えず朧月 正岡子規 朧月
蟹の泡流れて白し朧月 正岡子規 朧月
貝入れし袂の湿り朧月 橋閒石 雪
垣間見やそらたきもるゝ朧月 正岡子規 朧月
岸に立て女舟呼ぶ朧月 正岡子規 朧月
気に入らぬ遊女眠りぬ朧月 正岡子規 朧月
気車戻る三津街道や朧月 正岡子規 朧月
牛部屋に牛のうなりや朧月 正岡子規 朧月
居酒屋の喧嘩押し出す朧月 正岡子規 朧月
月おほろ花の間にまつち山 正岡子規 朧月
月おほろ夜ふけて帰る話し声 正岡子規 朧月
月おほろ簾に動く花の影 正岡子規 朧月
月や朧窓やはつきり影法師 正岡子規 朧月
月朧おぼろに仰ぐ別れかな 稲畑汀子
月朧なり寝腐れの眼のやうに 佐藤鬼房
月朧花の下には火の往来 正岡子規 朧月
月朧窓ありありと影法師 正岡子規 朧月
犬吠えて足音近し朧月 正岡子規 朧月
古寺やいくさのあとの朧月 正岡子規 朧月
古城やいくさのあとの朧月 正岡子規 朧月
御所を出る小溝の音や朧月 正岡子規 朧月
公園の奥の茶店や朧月 日野草城
荒繩も老ゆれば蛇か朧月 中村苑子
行燈の火を消して見ん朧月 正岡子規 朧月
高らかに堰の戸開けぬ朧月 前田普羅 普羅句集
三筋程雲たなびきぬ朧月 正岡子規 朧月
取リ残ス棚ノ糸瓜ヤオボロ月 正岡子規 朧月
首とれし何の聖者や月おぼろ 山口青邨
樹を抱けば妙なる冷えや朧月 渡邊水巴 富士
舟やあると呼べど答へず朧月 正岡子規 朧月
舟一つ花を出たり朧月 正岡子規 朧月
舟一つ花を出てけり朧月 正岡子規 朧月
宿の月朧に余所の梅白し 正岡子規 夜の梅
女負ふて川渡りけり朧月 正岡子規 朧月
小格子より出す手を握る朧月 正岡子規 朧月
小少将の君呼び出さん朧月 正岡子規 朧月
焼土に建つ家の白さや朧月 山口青邨
心得ぬばたの匂ひや朧つき 正岡子規 朧月
真白な花に影なし朧月 正岡子規 朧月
人を呼ぶ矢場の女や朧月 正岡子規 朧月
人黒し朧月夜の花あかり 正岡子規 朧月
翠簾ごしの美人の顔や朧月 正岡子規 朧月
川水も流れぬさまや朧月 正岡子規 朧月
浅茅生の宿と答へて朧月 内藤鳴雪
足音や胸のとゞろく朧月 正岡子規 朧月
大空は夜半も霞むやおほろ月 正岡子規 朧月
大森や海苔取る頃の朧月 正岡子規 朧月
大名のしのびありきや朧月 正岡子規 朧月
大門を出て朧なり土手の月 正岡子規 朧月
長刀の影おぼろなり橋の月 正岡子規 朧月
長刀の影も更けたり朧月 正岡子規 朧月
辻君を待たずしもあらず朧月 正岡子規 朧月
庭の松小さしその上に朧月 山口青邨
兎。薬を搗く此頃月の朧なる 正岡子規 朧月
刀身は二尺二寸や月朧 星野麥丘人 2003年
敦盛の笛聞こえけり朧月 正岡子規 朧月
奈良の町の昔くさしや朧月 正岡子規 朧月
入眼しててのひらひろき朧月 古舘曹人 砂の音
禰宜も居らす野社荒れて朧月 正岡子規 朧月
脳髄に忍び入りたる朧月 林翔
馬ひとり帰る小道やおほろ月 正岡子規 朧月
梅か香はうしろになりぬ朧月 正岡子規 梅が香
麦畑の南に低し朧月 正岡子規 朧月
膝すこしつめたき朧月夜とも 飯田龍太
物くらふ音もかすかや朧月 正岡子規 朧月
兵船の笛吹きやみぬ朧月 正岡子規 朧月
弁慶の足音高し朧月 正岡子規 朧月
亡き妻のまほろし消えておほろ月 正岡子規 朧月
眠薬のあとに美酒あり朧月 林翔
明寺やいくさのあとの朧月 正岡子規 朧月
幽霊ノ如キ東寺ヤ朧月 正岡子規 朧月
由良さんを呼ぶ声更ぬ朧月 正岡子規 朧月
立ち出でゝ蕎麦屋の門の朧月 正岡子規 朧月
両手で顔被う朧月去りぬ 金子兜太
諒闇の第一宵や月おぼろ 飯田蛇笏 山廬集
恋やあらぬ我や昔の朧月 正岡子規 朧月
朧月ぐづぐづと照るしぐれかな 阿波野青畝
朧月どこまで川の長いやら 正岡子規 朧月
朧月ものくふ音のかすかなり 正岡子規 朧月
朧月狐ニ魚ヲ取ラレケリ 正岡子規 朧月
朧月五條の橋の人もなし 正岡子規 朧月
朧月四條をとほる小歌哉 正岡子規 朧月
朧月四條をわたる小唄かな 正岡子規 朧月
朧月耳なし山を見に行かん 正岡子規 朧月
朧月女車の帰りけり 正岡子規 朧月
朧月須磨の釣舟ありやなし 正岡子規 朧月
朧月千人斬の噂かな 内藤鳴雪
朧月宋淵老師現れ給ふ 飯田龍太
朧月男女の影遠し 正岡子規 朧月
朧月釣する蜑の小唄かな 内藤鳴雪
朧月夜か煌々と蟇のこゑ 飯田龍太
朧月露国遠しと思ふとき 飯田龍太
朧三日月妻の恙を見舞はなむ 小林康治 四季貧窮
獺の祭も過ぎぬ朧月 正岡子規 朧月

朧月 続補遺

あじろ木のゆるぐ夜比や朧月 高井几董
うたゝ寝の声のにごりや朧月 木導
おぼろ月そゞろにかゆき目いぼ哉 尚白
おぼろ月なんなく末は雨の夜る 土芳
おぼろ月まだはなされぬ頭巾かな 仙化
おぼろ月宇治の山辺を行ひとり 加藤曉台
おぼろ月雨になるやら猿の声 桃妖
おぼろ月障子に影は何~ぞ 馬場存義
おぼろ月鯛のかつらは打止みぬ 寥松
おぼろ月匂ひはこれぞ山椒の木 野径
おぼろ月夢に来るか西の対 露川
おぼろ月夜風の毒は離れたり 三宅嘯山
おぼろ月浪のうき鯛よるさへや 加藤曉台
おぼろ月獺の飛込水古し 黒柳召波
おもしろう松かさ燃よおぼろ月 土芳
かいどらぬ雨の降出や朧月 嵐青
きるものゝ色を覚えて朧月 惟然
さしぬきを足でぬぐ夜や朧月 与謝蕪村
さればとてどちら向ふぞ朧月 古謙 新類題発句集
しやせまし志賀の山越おぼろ月 高井几董
そしらるゝ中となりけり朧月 旦藁
たのしさよ闇のあげくの朧月 去来
たらしやる酔たんほあり朧月 三宅嘯山
つく~と何おもふ竹の月朧 加藤曉台
なき跡の出家むすこや朧月 許六
なぐさみの念仏もやみぬ朧月 三宅嘯山
まだ雪を貯ゥて居るか朧月 凉菟
まほならぬ匂ひなつかし朧月 三宅嘯山
みりん酒に酔た顔也朧月 木導
よい空に夜る~馴て朧月 浪化
よむ文を噛で捨けり朧月 木導
わやりして何やらこはし朧月 りん女
雲も座も持かためてや朧月 正秀
横に見る五条のはしや朧月 三宅嘯山
音のなき巨椋の沼や朧月 三宅嘯山
何おもふゆかたながらに朧月 魯九
家こぼつ土のにほひや朧月 去来
火に酔て猫も出るや朧月 木導
我はかの梦はさめずに朧月 舎羅
我影や心もとなき朧月 黒柳召波
駕籠舁に見覚られつ朧月 晩得 哲阿弥句藻
泣ざめの顔に似たりや朧月 林紅
魚鳥も気をやすむるや朧月 露川
暁も埋めたまゝや朧月 白井鳥酔
玉くしげ朧月夜やものゝ音 嵐青
君見ずや奥の吉野の朧月 千那
穴の明松風もなし朧月 千代尼
言さして見直す人や朧月 千代尼
枯芝に味な香もあり朧月 露川
五加木茶の匂ひもふかし朧月 桃妖
黒土の庚申塚や朧月 許六
左義長の燃やむまゝに朧月 土芳
山あひや左へよりて朧月 兀峰
山の井に蓋する音や朧月 成田蒼虬
四日へもやらぬ三日の朧月 林紅
市人もどこへちつてや朧月 魯九
紫陽花の宿はいづこぞ朧月 成田蒼虬
尺八の庵は遠しおぼろ月 魯九
手をはなつ中に落ちけり朧月 向井去来
十五夜はさくらにありて朧月 野坡
春ならば朧月とも詠(なが)めうに 鬼貫
宵~に門の被や朧月 吾仲
鐘の音に筝吹合ぬ朧月 史邦
上下の庵の往来や朧月 卓袋
人添てもらはむ宿の月朧 魯九
吹颪屋根の流や朧月 紫道
水くさき空や淡雪朧月 支考
水風呂に夢見る朧月夜哉 支考
水溜めの水の青みや朧月 基継
世の花を丸うつゝむや朧月 千代尼
正月の息や吹かけて朧月 吾仲
青柳に念なかりけり朧月 杉風
石山へまいらばとても朧月 風国
雪のまゝに竹うちふして朧月 松岡青蘿
雪の竹はねかへす夜や朧月 蘆文
雪花の於泥にくみけり朧月 荻人
大はらや蝶のでゝ舞ふ朧月 丈草
大原や蝶の出でまふ朧月 内藤丈草
誰が糸につなぎとめたぞ朧月 北枝
築地より風匂ひけり朧月 高桑闌更
竹椽にぐすと踏込おぼろ月 嵐雪
中ほどやみじかい橋も朧月 田川鳳朗
中川やはふりこんでも朧月 嵐雪 玄峰集
中川やほゝり込んでも朧月 嵐雪
土とりのあとの溜リや朧月 黒柳召波
当分の雲は附たり朧月 浪化
鍋蓋や柴の木の間の朧月 凉菟
波先や勢田の水行朧月 猿雖
梅散りて古郷寒しおぼろ月 松岡青蘿
麦畑に鴛の啼音や朧月 曽良
舞~かあつらえし夜か朧月 鈴木道彦
払ふ事松もかなはず朧月 千代尼
味噌まめの熟るにほひや朧月 史邦
鳴し行朧月夜の扇かな 田川鳳朗
餅花もちるやこれから朧月 露川
野をくりや膝がくつきて朧月 史邦
有明になるやなるほど朧月 半残
夕風の何吹上ておぼろ月 北枝
落ぬべき西山遠しおぼろ月 高井几董
恋をせば滋賀のあたりや朧月 松岡青蘿
咄しきく中に鼾や朧月 除風
朧月あやしき人の藁草履 三宅嘯山
朧月いつぞや捨し猫帰る 尚白
朧月やなぎの枝をはなれたり 夏目成美
朧月一足づゝもわかれかな 去来
朧月幾度雨に流しても 三宅嘯山
朧月薫売がしめりかな 椎本才麿
朧月左右の木の間や衣かつぎ 椎本才麿
朧月小町が哥の風情あり 三宅嘯山
朧月松も出ぬけて海広し 素覧
朧月夜の更てある九条かな 成田蒼虬
梟にあはぬ目鏡や朧月 其角
梟は琵琶ひく鳥や朧月 中川乙由
饂飩うつ跡や板戸の朧月 丈草

by 575fudemakase | 2017-05-11 21:50 | 春の季語 | Trackback | Comments(0)

桜鯛 の俳句

桜鯛 の俳句

桜鯛

例句を挙げる。

うろこ飛ぶ男料理の桜鯛 中村純代
お七夜の皿に余りて桜鯛 堤 京子
けむり吐くやうな口なり桜鯛 藤田湘子
こま~と白き歯並や桜鯛 川端茅舎
しきたへの光琳笹や桜鯛 秋津
しぼりゆく鯛網ふるへはじめけり 森田峠 三角屋根
たっぷりとつかはれる水桜鯛 木下野生
にぎやかに酒杯かさぬる桜鯛 福永みち子
ぬれ笹をとけばすなはち桜鯛 鈴鹿野風呂 浜木綿
ぴしぴしと鱗をとばし桜鯛 小檜山繁子
ふるさとの海のにぎやか桜鯛 松林慧
まなこより大きな鱗桜鯛 島津教恵
よこたへて金ほのめくや桜鯛 青畝
トトトトと鳴る徳利や桜鯛 京極杞陽
俎板に鱗ちりしく桜鯛 正岡子規
俳諧の松山生れ桜鯛 深川正一郎
八方へ鱗ちらして桜鯛 本内怜子
刃いま匂ひたつなり桜鯛 上田五千石 琥珀
包丁を取りて打撫で桜鯛 松本たかし
南天の一枝飾りて桜鯛 高木晴子
召されゆく茂兵衛にこれの桜鯛 佐野まもる 海郷
吾が舟も鯛網舟も波高し 宇川紫鳥
喪の家の焼いて縮める桜鯛 大木あまり(1941-)
囀りのこぼるる海の桜鯛 大屋 達治
在り馴れて夕な焼くなる桜鯛 佐野まもる 海郷
壱岐対馬泊りかさねて桜鯛 小原菁々子
夕餉まだ日のあるうちや桜鯛 森澄雄 空艪
大いなるうろこ飛び散る桜鯛 山口波津女 良人
大渦を離れて小渦桜鯛 渡 たみ
天然のものしか召さず桜鯛 藤本安騎生
夫婦箸の在り処おぼろや桜鯛 草田男
宇宙より暗き眼のあり桜鯛 大石雄鬼
安宿とあなどるなかれ桜鯛 森田峠(1924-)
定年の夫にとどきし桜鯛 佐藤 芙陽
小鳴門に泊り重ねて桜鯛 奥山梅村
尾道の花はさまでも桜鯛 後藤夜半
岬山の雨のけむれる桜鯛 石田阿畏子
帰朝子につづく箸やり桜鯛 皆吉爽雨
庖丁も厨もゆだね桜鯛 中村汀女
庖丁を取りて打撫で桜鯛 松本たかし
急雨の桜山即桜鯛 攝津幸彦
料られて桜鯛まだ生きてをり 高木桂史
料理して今日もくらしつ桜鯛 重頼
明石屋に落ち合ふ昼餉桜鯛 堀恭子
春雷や暗き厨の桜鯛 秋櫻子
朝網の桜鯛とて明石より 日下小波
板の間にはねけり須磨の桜鯛 正岡子規
桜鯛かなしき眼玉くはれけり 茅舎
桜鯛さげて少女の瞳の涼し 阪本謙二
桜鯛と名付けて食へば桜鯛 竹本健司
桜鯛と座は少し燈の暗し 鈴木鷹夫
桜鯛はねつぎ秤定まらず 菅本政子
桜鯛ひと切買ひて妻ならず 谷口桂子
桜鯛もつとも跳ねて買はれけり 木村 風師
桜鯛包丁にある息ぐもり 今瀬剛一
桜鯛小さきを供へ地鎮祭 有賀玲子
桜鯛庖丁にある息ぐもり 今瀬剛一
桜鯛持て来弁慶顔をして 辻桃子
桜鯛掬ひて客の買ふ気読む 岡田拓
桜鯛揚げて虹生む船生簀 松本幹雄
桜鯛料る尾が飛び鱗散り たかし
桜鯛桜に遠き漁村かな 蘇山人俳句集 羅蘇山人
桜鯛江戸海流に峡(かい)いくつ 鷹羽狩行
桜鯛目に深海の藍を溜め 岡田貞峰
桜鯛砂へ刎ねたるいさぎよさ 日野草城
桜鯛絵島を見よと誘はれて 長谷川かな女 雨 月
桜鯛言葉少なに糶られたり 品川鈴子
桜鯛量らるる眼のしづかなる 那須乙郎
桜鯛釣れしと夕餉待たさるる 朝倉和江
水道の水のはげしさ桜鯛 草城句集(花氷) 日野草城
法外に糶値飛ばせし桜鯛 辻萍花
浦里や米のまづさに桜鯛 小杉余子 余子句選
海に日の生まれて睦む桜鯛 八木荘一
海の色変る鯛網しぼるとき 塩川雄三
海流の冷え残りたる桜鯛 石田美保子
渡し場に釣れてまさしく桜鯛 佐野まもる 海郷
渦潮にもまれし色の桜鯛 浅野白山
渦潮の青を身に刷く桜鯛 内田雅子
滅びたる平家の裔か桜鯛 西川織子
潮煮やむかしをくぐる桜鯛 丸露 選集「板東太郎」
濡れし目はまだ海のもの桜鯛 柴田佐知子
灯の下に大桜鯛運ばるゝ 星野立子
燧灘目差し鯛網船続く 岡田一峰
白浪はもと来た海へ桜鯛 磯貝碧蹄館
皿選ぶ夕たのしも桜鯛 石田あき子
砂の上曳ずり行くや桜鯛 高濱虚子
磯料理ばかりか生きの桜鯛 稲畑汀子 春光
紫の背びれ尾びれや桜鯛 上崎暮潮
絶て魚荷とふや渚の桜鯛 井原西鶴
舷をおさへて買へる桜鯛 浜秋邨
花よりも実こそ欲しけれ桜鯛 兼載
苞解いて大額なり桜鯛 皆吉爽雨
茜が寺を通りのたうつ桜鯛 西川徹郎 町は白緑
諸声に鯛網を曳きしぼりつゝ 高濱年尾 年尾句集
身をひたす闇やひしめく桜鯛 横山康夫
還り来て桜鯛釣るめでたさよ 佐野まもる 海郷
醜男ども手鉤な打ちそ桜鯛 日野草城
阿波にひと夜鳴門ふた夜の桜鯛 小澤満佐子
霊の巫(もののふ)として鯛網に加はりをり 岡井省二
青柳の糸にや釣らん桜鯛 一十
青空より跳ねて来たりし桜鯛 柿畑文生
風荒れしひと日の宿の桜鯛 山口いさを
魚信より船酔早し桜鯛 細谷定行
鯛網に瀬戸の新樹がせまり来る 米沢吾亦紅 童顔
鯛網に長寿一村かがやけり 長谷川秋子 『菊凪ぎ』『鳩吹き』『長谷川秋子全句集』
鯛網の沖の眩しき立夏かな 伊藤いと子
鯛網の海を控へし島ホテル 高濱年尾
鯛網の辺を過ぎたれば長閑なり 佐野まもる 海郷
鯛網やはなれてつよき水しぶき 宇佐美魚目 秋収冬蔵
鯛網や刺子の沖着紺ばかり 井上土筆
鯛網や山陽線の笛かすむ 佐野まもる 海郷
鯛網や左に越後右に佐渡 金子 蜂郎
鯛網や浜街道は山に入り 内田百間 百鬼園俳句帖
鯛網や濱街道は山に入り 内田百間
鯛網を曳く刻限の潮と見ゆ 竹下陶子
鯛網を狭めて鯛の紅もだゆ 三好潤子
鯛網を見ての戻りの舟に疲れ 高濱年尾 年尾句集
鯛網を見て来て鞆の町せまく 江川三昧
鯛網を見に来し土佐の女なり 澤村 芳翠
鯛網を観る親舟に乗りうつる 五十嵐播水
跳落ちし計量の上の櫻鯛 広瀬 みのる
櫻鯛爼厚く新しく 岡田耿陽
皿選ぶ夕たのしも櫻鯛 石田あき子 見舞籠
尾道の花はさまでも櫻鯛 後藤夜半

桜鯛 補遺

けむり吐くやうな口なり桜鯛 藤田湘子
この小さき桜鯛紅金魚なり 山口誓子
さくら鯛砂へ刎ねたるいさぎよさ 日野草城
さくら鯛死人は眼鏡ふいてゆく 飯島晴子
さむき日の鱗を立てて桜鯛 能村登四郎
まだ海の夢をみてゐる桜鯛 伊藤白潮
みそなはせ今献饌の桜鯛 阿波野青畝
よこたへて金ほのめくや桜鯛 阿波野青畝
一匹としても天つ晴桜鯛 阿波野青畝
浦ひとつ灯をゆたかにす桜鯛 藤田湘子 てんてん
化粧塩却つて卑し桜鯛 阿波野青畝
家ぢゆうが厨のさわぎ桜鯛 鷹羽狩行
金剛の骨を持つもの桜鯛 阿波野青畝
骨相を賞でるは楽し桜鯛 阿波野青畝
桜鯛ありバースデーケーキあり 後藤比奈夫
桜鯛翁のときの父訪はむ 岡井省二 夏炉
桜鯛頃は明石の月夜哉 正岡子規 桜鯛
桜鯛糸にちりかひ散かゝり 千那
桜鯛醜の魚等にかゞやける 日野草城
桜鯛笑はゞたゝにくれつべし 琴風
桜鯛到来草の戸にあふれ 山口青邨
桜鯛買はんととどむ老の杖 中村草田男
桜鯛料り来し手をまだ拭かず 鷹羽狩行
桜鯛料る刃をもて刃を磨き 鷹羽狩行
三枚におろしてさてと桜鯛 鷹羽狩行
雫ちる鱗は花か桜鯛 正岡子規 桜鯛
醜男ども手鉤な打ちそ桜鯛 日野草城
祝言の箸の一触桜鯛 阿波野青畝
初会かな台に小さき春の鯛 正岡子規 桜鯛
妾宅と見たは僻目か桜鯛 日野草城
松原や荷ひつれたる桜鯛 正岡子規 桜鯛
刃いま匂ひたつなり桜鯛 上田五千石 琥珀
水道の水のはげしさ桜鯛 日野草城
瀬戸内のことに明石の桜鯛 鷹羽狩行
瀬戸内の潮濃くなる桜鯛 鷹羽狩行
青潮の竜宮より来しか桜鯛 村山故郷
絶て魚荷とふや渚の桜鯛 井原西鶴
草の戸や桜の鯛に桃の酒 正岡子規 桜鯛
潮煮やむかしをくゞる桜鯛 丸露 坂東太郎
腸を牡丹と申せさくら鯛 高井几董
濡れ笹に七彩あまる桜鯛 能村登四郎
濡煮の眼には青葉や桜鯛 沾路 靫随筆
年々歳々さくら咲きさくら鯛 岡井省二 鯛の鯛
白雲に似た魚もなし桜鯛 兀峰
板の間にはねけり須磨の桜鯛 正岡子規 桜鯛
板の間にひちひちはねるさくらたい 正岡子規 桜鯛
尾に鰭に水玉をどり桜鯛 鷹羽狩行
庖丁の殺気だちたり桜鯛 日野草城
目の下をめのこで測り桜鯛 鷹羽狩行
目の玉の澄みて畏し桜鯛 阿波野青畝
洛陽の水に浮けり桜鯛 正岡子規 桜鯛
俎に夕日のなごり桜鯛 森澄雄
俎板に鱗ちりしく桜鯛 正岡子規 桜鯛
俎板のまつさらにして桜鯛 正岡子規 花影
鰈らは乞食魚かも桜鯛 日野草城

by 575fudemakase | 2017-05-11 21:46 | 春の季語 | Trackback | Comments(0)

桜漬 の俳句

桜漬 の俳句

桜湯

例句を挙げる。

桜湯にひしほの匂ふ師走かな 青木重行
桜湯にほのと見えゐる大江山 友岡子郷 翌
桜湯にまなこいたはる健吉忌 角川春樹
桜湯に嫂の紅泛びゐる 小島ノブヨシ
桜湯に眼もとがうるむ仮の世や 佐藤鬼房
桜湯のかなたは風の雲となる 友岡子郷 翌
桜湯の八重にあふつに湯を満たす 赤松[けい]子 白毫
桜湯の桜をたべて昼の月 吉田紫乃
桜湯の香を放ちつつほどけゆく 河本遊子
桜湯やみんないい顔して撮らる 黄川田美千穂
桜湯や隣の彼のぎごちなく 工藤眞智子
桜湯を含めばとほる山がらす 飯田龍太 山の木
気がくるうほどさびしきに桜湯や唇にちいさき花は寄りたり 村木道彦
いと軽き石のおもしや桜漬 高浜虚子
塩じみてはなはだ赤し桜漬 岡田耿陽
暗算のやうに桜漬湯にひらく 田川飛旅子
桜漬ふはりと開く誕生日 安斉君子
桜漬白湯にひらきてゆくしじま 黒田杏子
止みさうな雨あがらずよ桜漬 岸田稚魚
湖のあらなみどきの桜漬 小澤實 砧
父親にうすくらがりや桜漬 小島千架子
結納の娘の幸せや桜漬 富川 敬三
ぱとひらくぽつくり寺の桜茶ぞ 辻桃子 ねむ 以後
夕立雲立つ山や花漬の宿 河東碧梧桐
御仏飯菜の花漬にいただきぬ 森川暁水 黴
鮎ずしの菜の花漬も吉野かな 角川春樹 夢殿
さくら湯に山水またもにぎやかに 宇佐美魚目 天地存問
さくら湯に空のかがやき野のかがやき 北さとり
さくら湯のひとひら口に余りけり 藤田あけ烏 赤松
さくら湯の桜のひらく冬燈 猪俣千代子 堆 朱
さくら湯の花のゆつくりひらきけり 関戸靖子
さくら湯や橋とほる人羽ばたきて 宇佐美魚目 秋収冬蔵
さくら湯や言葉選びて疲れけり 肥田埜恵子

桜漬 補遺

花ひらくまで桜湯を掌 後藤比奈夫
桜湯にして繽紛といふ落花 後藤比奈夫
桜湯に一花一蕾よかりけり 後藤比奈夫
桜湯に眼もとがうるむ仮の世や 佐藤鬼房
桜湯の花の離さぬつぼみかな 鷹羽狩行
桜湯の熱きを吹きて寿ぐよ 鷹羽狩行
桜湯の靉靆として花ほころぶ 山口青邨
桜湯を含めばとほる山がらす 飯田龍太
桜湯召せ山妻つけし桜漬 山口青邨
雑草園お憩所桜漬 山口青邨
止みさうな雨あがらずよ桜漬 岸田稚魚 雁渡し
誕生日桜湯すこし濃ゆけれど 後藤比奈夫
眺望として桜湯の花ざかり 後藤比奈夫
夜は冷ゆる障子のしろさ桜漬 鷲谷七菜子 黄炎

by 575fudemakase | 2017-05-11 21:43 | 春の季語 | Trackback | Comments(0)

花衣 の俳句

花衣 の俳句

花衣

例句を挙げる。

いとことは一つ違ひや花衣 星野椿
きてもみよ甚平が羽織花衣 松尾芭蕉
きのふ近江けふは吉野の花衣 福永耕二
しぐるるや花衣句碑朱を放つ 穴井太 原郷樹林
しどけなく帯ゆるみ来ぬ花衣 高橋淡路女 梶の葉
じやんけんの白き拳や花衣 日野草城(1901-56)
その頃の空の色なる花衣 岩田由美 夏安
つれだちていづれ劣らじ花衣 吉田小幸
なほ花の見えゐる窓に花衣 岩田由美 夏安
ぬぎすてし人の温みや花衣 飯田蛇笏(1885-1962)
ぬぎ捨てて一夜明けにき花衣 山口波津女 良人
ひとり来てひとりの冷えの花衣 杉本雷造
まだぬくき殺意をたたむ花衣 岸本マチ子
まつろわぬ者として負う花衣 宇多喜代子
みのむしの此奴は萩の花衣 阿波野青畝
やや派手を母にすすめて花衣 中村明子
ゆうらりと立たるる刀自の花衣 大石悦子 聞香
ネクタイを肩に回して花衣 木暮陶句郎
一本の紐あればよし花衣 黒田杏子 一木一草
人妻の姉と連れ立つ花衣 山口波津女 良人
借らねどもそこに夫の手花衣 赤松[けい]子 白毫
千の私語のみこんで脱ぐ花衣 水沼幸子
夕風と言ふには強し花衣 青山克子
嬉野の雨を拒まず花衣 松村幸子
実家の名の畳紙に残る花衣 有馬籌子
川筋にくはしきひとの花衣 綾部仁喜 樸簡
待ち合すフラミンゴのまえ花衣 田畑益弘
従姉妹とは一つ違ひや花衣 星野椿
文机に凭れねむりし花衣 山本洋子
旅疲れさらりと捨てん花衣 稲畑汀子 春光
旅衣はた花衣恋衣 落合水尾
旅衣花衣ともなりながら 星野立子
旅鞄ほどけばあふれ花衣 稲畑汀子 ホトトギス汀子句帖
沢蟹に花ひとひらの花衣 矢島渚男 船のやうに
留守の戸の鍵を袂や花衣 皆吉爽雨
百歳を越ゆるどなたも花衣 黒田杏子 花下草上
筏士の蓑やあらしの花衣 蕪村
紀の善の二階に座あリ花衣 深見けん二
胸あはぬ日もありつらん花衣 松岡青蘿
胸もとに鍵の鈴鳴る花衣 井上雪
花衣いらぬところに足入れて 辻桃子
花衣かけつらねたる織子部屋 滝沢鶯衣
花衣すとんと体より落ちる 大石雄鬼
花衣そのままに夜を読み書きす 鈴木栄子
花衣そのまま睡る夜汽車ゆゑ 稲垣きくの 黄 瀬
花衣たたみ終へたる日の重さ 吉野のぶ子
花衣たたむ座敷に風入れて 上住和子
花衣たたむ恋せし日のごとく 中村初枝
花衣つめたき酒を好みけり 黒田杏子 一木一草
花衣ぬぎてたゝみてトランクに 星野立子
花衣ぬぐやまつはる紐いろ~ 杉田久女
花衣ぬぐやみだるゝ恋に似て 千原叡子
花衣ひきずりはなす電話かな 大橋櫻坡子 雨月
花衣よごれ去来と見ゆる也 一茶 ■年次不詳
花衣乱しうなじに酔ひふかめ 雨宮抱星
花衣二の腕あたり冷えてきし 神尾久美子
花衣女がさぐるうしろ帯 筑紫磐井 婆伽梵
花衣朱の濃かりけり古りにけり 辻桃子
花衣無残なものまで脱いでしまう 岸本マチ子
花衣着て三鬼以下雲を漕ぐ 平畑静塔
花衣縫ひし熱かも知れず咳く 神尾久美子
花衣縫ひつゝ涙こらえつゝ 吉村 敏子
花衣脱いでいそ~夕支度 清原枴童
花衣脱ぎて三児の母となる 西浦一滴
花衣脱ぎて夜勤の看護婦に 阿久津渓音子
花衣脱ぎもかへずに芝居かな 高浜虚子
花衣脱ぎ影の世より還る 齋藤愼爾
花衣脱ぐもう一枚のはなごろも 木村せゑじ
花衣著るよろこびを妻あらは 下村槐太 天涯 下村槐太全句集
花衣解くかにほぐれ寒牡丹 水原春郎
花衣足袋をよごしてかへりけり 山口波津女 良人
草履の緒すこしかたくて花衣 山口波津女 良人
落日の魚に袖なし花衣 上島鬼貫
蓑虫の此奴は萩の花衣 阿波野青畝(1899-1992)
蓑虫の萩の花衣濡らす雨 山田弘子 こぶし坂
蔵王堂よりぞろぞろと花衣 黒田杏子
袴著や寒紅梅の花衣 癖三酔句集 岡本癖三酔
足袋ぬいでつかれ覚えぬ花衣 山口波津女 良人
鎌倉の遠忌に罷る花衣 深見けん二 日月
阿国の忌なりしと思ふ花衣 有馬朗人 耳順
雨の樹の下には紅の花衣 横光利一
顔見せや老い椀久が花衣 松瀬青々
鱗粉をこぼしつつ花衣かな 櫂未知子 蒙古斑

花衣 補遺

あるじ亡き大黒にして花衣 鷹羽狩行
うつぶいて衣紋聳ゆる花衣 日野草城
ざれありく主よ下人よ花衣 其角
じやんけんの白き拳や花ごろも 日野草城
ぬぎすてし人の温みや花衣 飯田蛇笏
ぬきをへて衣桁にとほき花ごろも 鷹羽狩行
はし鷹や雪吹を己が花衣 早野巴人
衣桁よりくづほれ落ちて花ごろも 鷹羽狩行
一句碑の幕はさながら花衣 阿波野青畝
火熨斗する花見衣やよべの雨 内藤鳴雪
花ごろもかへし日も繰るなみだ哉 寥松
花衣うつくしき人は美しく 山口青邨
花衣こゝに吾妹子風呂の中 日野草城
花衣しどけなきまで着くづれて 鈴木真砂女 紫木蓮
花衣にて陣取りが茣蓙抱ふ 平畑静塔
花衣ぬぐやまつはる紐いろ~ 杉田久女
花衣みささぎどころにも動く 阿波野青畝
花衣高野法師の勢ぞろひ 阿波野青畝
花衣紺を己の色として 鈴木真砂女 紫木蓮
花衣蚕の命いく千万 正岡子規 蚕
花衣脱ぎて脱がざる心あり 稲畑汀子
花衣脱ぎて匂はぬ身に戻る 鷲谷七菜子 銃身
花衣着て三鬼以下雲を漕ぐ 平畑静塔
花衣閉ぢ込める釘打つ音す 飯島晴子
外梯子降りる一佳人花衣 山口青邨
紀の善の二階に座あリ花衣 深見けん二
胸あはぬ日もありつらん花衣 松岡青蘿
後れじとゆすらの梅も花ごろも 石塚友二 光塵
師にまゐらす句なり花衣恋衣 山口青邨
少年吉郎美しとしたふ花衣 山口青邨
数片を付け銅像の花ごろも 鷹羽狩行
石切の見に来る苔の花衣 早野巴人
栓抜を帯に挿せども花衣 阿波野青畝
男の花衣緋の一筋は血の証 中村草田男
湯の峰の湯に脱がばやの花衣 阿波野青畝
働いて作りし花見衣かな 鈴木真砂女 都鳥
晩炊の花見衣を脱ぎあへず 日野草城
姫松のねまきか藤の花衣 信清 ゆめみ草
風入るる妻の遺せし花衣 森澄雄
蓑虫の此奴は萩の花衣 阿波野青畝
友猿のともえらびすな花衣 其角
落花繽紛敞衣おのづから花衣 山口青邨
落日の魚に袖なし花衣 鬼貫
旅鞄ほどけばあふれ花衣 稲畑汀子
老妻の花衣とや人の婚 山口青邨
佗人の虱尽して花ごろも 黒柳召波

by 575fudemakase | 2017-05-11 21:39 | 春の季語 | Trackback | Comments(0)

しどみの花 の俳句

しどみの花 の俳句

*しどみの花

例句を挙げる。

さるほどに*しどみ咲く地のあをみけり 飯田蛇笏
しどみ咲く清瀬ときゝて日を経しが(東京療養所に波郷先生を訪ふ) 殿村菟絲子 『繪硝子』
しどみ咲く祭の郷の狐雨 松村蒼石 寒鶯抄
しどみ咲く頃のまぼろし少年記 佐藤鬼房 潮海
北風のまだ力ある花しどみ 福田甲子雄
富士ふつと立つ草木瓜の返り花 浅羽緑子
山の日はここ草木瓜の赤に消ゆ 影島智子
巣鳥鳴く森のしとねの草木瓜に 皆吉爽雨
手をついて振り向き話す花しどみ 星野立子
武蔵野に多き岐れ路しどみ咲く 岸風三楼 往来
磨崖仏草木瓜噛んで酸つぱいぞ 加藤楸邨
童が跼みゐて草木瓜に朱がのこり 長谷川双魚 風形
舂くや草木瓜はやゝあからめる 飴山實 辛酉小雪
花*しどみ小笹は春を寂びにけり 松村蒼石 寒鶯抄
花しどみ倚れば花より花こぼれ 橋本多佳子
花しどみ切株原の冷えはじむ 岸田稚魚
花しどみ田毎の畦はつくろはず 能村登四郎
花しどみ老いしにあらず曇るなり 橋本多佳子
花しどみ見舞ひて気弱叱しけり 石田あき子 見舞籠
花しどみ赤鬼どもの忘れもの 山中葛子
花しどみ靄ひく土は嗜眠せり 飯田蛇笏 霊芝
草木瓜と松の実生と朝日影 瀧春一 菜園
草木瓜にかげろふたつや埴輪より 飯田蛇笏 春蘭
草木瓜にかげろふふかき墳墓かな 石原舟月 山鵲
草木瓜にどうと響きて若葉風 中村汀女
草木瓜に春の風雨のたけなはなる 内藤吐天 鳴海抄
草木瓜のくれなゐも冷えまさるなり 飯田龍太
草木瓜のくれなゐを踏む忌日かな 木下夕爾
草木瓜のひとひらとばす風の音 加藤楸邨
草木瓜の地を踏むさへ誰かに見られ 岩田昌寿 地の塩
草木瓜の実に風雲の深空あり 飯田龍太
草木瓜の真只中に夕日あり 広瀬町子
草木瓜の紅も冷えまさるなり 飯田龍太 忘音
草木瓜の花に笑顔を使ひ捨て 綾部仁喜
草木瓜の花山国の緋を極め 飯田龍太
草木瓜は紅きがゆゑに狐寄らず 橋本多佳子
草木瓜ばかり持たして子守が戻途(もどり) 北原白秋
草木瓜や墓の日向の魔法瓶 小島千架子
草木瓜や幼女の尿またゝく間 殿村莵絲子 雨 月
草木瓜や故郷のごとき療養所 石田波郷
草木瓜や歩きつつ子は風邪癒やす 加藤知世子
草木瓜や猫ならば鈴のイヤリング 岩田昌寿 地の塩
草木瓜や男ぶり女ぶりの嶺の晴 鷲谷七菜子
草木瓜や見とがめられぬ舌を出す 小島千架子
草木瓜や退院の夫受取りに 石田あき子 見舞籠
風吹いて天日古りし花しどみ 勝又一透

しどみの花 補遺

くまどりの淡き山の陽花しどみ 佐藤鬼房
なぞへ親し花しどみさへ目の高み 中村草田男
鉛筆でさはる草木瓜草の中に 佐藤鬼房
花*しどみ小笹は春を寂びにけり 松村蒼石 寒鶯抄
花しどみ火を獲し民の代の炉焦げ 橋本多佳子
花しどみ田毎の畦はつくろはず 能村登四郎
花しどみ母のことすら忘れさう 星野麥丘人 2002年
花しどみ老いしにあらず曇るなり 橋本多佳子
花しどみ倚れば花より花こぼれ 橋本多佳子
花しどみ靄ひく土は嗜眠せり 飯田蛇笏 霊芝
乎をついて振り向き話す花しどみ 星野立子
石田波郷を少し忘るる花しどみ 山田みづえ 木語
掃苔にぼつばつ出でむ花しどみ 雨滴集 星野麥丘人
草木瓜にかげろふたつや埴輪より 飯田蛇笏 山響集
草木瓜にわが跼みたる姿とも 富安風生
草木瓜に雪のこりたり与市坂 星野麥丘人
草木瓜のちりてもかなし草の中 山口青邨
草木瓜のひとひらとばす風の音 加藤秋邨
草木瓜の一顆一歳児の歯型 佐藤鬼房
草木瓜の花の中より雉子翔つ 飯田龍太
草木瓜の花山国の緋を極め 飯田龍太
草木瓜の花卒然と落暉浴び 飯田龍太
草木瓜の紅も冷えまさるなり 飯田龍太
草木瓜の歯型にほひて月稚く 飯田龍太
草木瓜の実に風雲のみ空あり 飯田龍太
草木瓜の実のあくる夜も月夜かな 飯田龍太
草木瓜やみささぎめぐる鳰のこゑ 藤田湘子 途上
草木瓜や何事もかの人のため 村山故郷
草木瓜や岩にあたりて径ほろぶ 上田五千石 森林
草木瓜や故郷のごとき療養所 石田波郷
草木瓜や小学校に風埃 森澄雄
草木瓜や男ぶり女ぶりの嶺の晴 鷲谷七菜子 天鼓
草木瓜や天上になほ雪の界 森澄雄
草木瓜や放牛の歩み十歩ほど 大野林火 雪華 昭和四十年
草木瓜や盲となりし妹思ふ 森澄雄
地梨(しどみ)食ふ鬼子母のははを思ひつつ 佐藤鬼房
尼寺の低き築地や花しどみ 星野麥丘人
返暁り咲く草木瓜あれば畦の蝶 水原秋櫻子 餘生
木瓜の雨草木瓜の雨吹き降りす 阿波野青畝
夜ふけなれども草木瓜の実を割る匂ひ 加藤秋邨
涕きながら弟を連れ草木瓜(しどみ)沢 佐藤鬼房
舂くや草木瓜はやゝあからめる 飴山實

by 575fudemakase | 2017-05-11 21:27 | 春の季語 | Trackback | Comments(0)

赤楊の花 の俳句

赤楊の花 の俳句

榛の花

例句を挙げる。

ふるさとの田母木さびしき榛の花 五十嵐修
まなじりを流るる風の榛の花 草間時彦 櫻山
むかしより田伏はくらき榛の花 松村蒼石 雪
一塩の魚の荷ひらく榛の花 鷲谷七菜子
井川ダム底をあらはに榛の花 大坪貞子
傷きし白鳥榛の花おもく 松村蒼石 雁
古利根の鉄橋小ぶり榛の花 杉良介
夕雲に浮くうすらひの榛の花 松村蒼石 雪
山の木と別れ来りて榛の花 市村究一郎
捨て舟の乾きてをりぬ榛の花 皆川盤水
木の橋の影とゆらぐよ榛の花 星野恒彦
枝先に昼月かかる榛の花 寺岡捷子
榛の花かむさつてくる空があり 石田郷子
榛の花こぼれて穢す身のほとり 山口啓介
榛の花どどと嶺渡る夜の雷(箱根仙石原) 角川源義 『神々の宴』
榛の花仰げばぎらと空ゆらぐ 川島彷徨子 榛の木
榛の花余呉は琵琶湖の忘れ潮 川井玉枝
榛の花垂るるに月のあることも 神山冬崖
榛の花垂れをり野外音楽堂 高橋六一
榛の花夕日に向けて椅子一つ 藤田れい子
榛の花夜目にも垂れて寒ンぬくき 金尾梅の門 古志の歌
榛の花対馬は海と山ばかリ 角川源義
榛の花水辺は馬をやさしくす 新井博
榛の花雪嶺かすかに光り暮れ 岡田日郎
渓声に山羊鳴き榛の花垂りぬ 飯田蛇笏 霊芝
磨かれし青空揺れる榛の花 布川武男
空のくもりうつゝに咲きし榛の木の花 中塚一碧樓
空ふかく夜風わたして榛の花 飯田龍太
空ふかく夜風わたりて榛の花 飯田龍太
航跡の沖にとゞまる榛の花 森田正実
良寛は細面かと榛の花 星野紗一
赤んぼに逢ひにゆく径榛の花 林徹
赤楊の朱けなる花を交へたり 軽部烏帽子 [しどみ]の花
赤楊の花うなだるる穀倉地 角田双柿
足許に水鳴つてをり榛の花 斎藤たかを
跳箱の一列しろし榛の花 鈴木鷹夫 渚通り
遍路にも昼はさびしき榛の花 森澄雄
阿夫利嶺にひと日雲なし榛の花 石原栄子
雪ゆるぶ曇り日つづく榛の花 篠田悌二郎
雪催ふ夕べに垂れて榛の花 松村蒼石 雪
雪後の天息つめてをり榛の花 篠田悌二郎
音のせぬ雨の滴る榛の花 相馬沙緻

赤楊の花 補遺

それとなく寝村と知れる榛の花 佐藤鬼房
はんの木の花さく窓や明日は発つ 高野素十
はんの木の花踏まれあり花粉黄に 高野素十
まなじりを流るる風の榛の花 草間時彦 櫻山
むかしより田伏はくらき榛の花 松村蒼石 雪
一塩の魚の荷ひらく榛の花 鷲谷七菜子 一盞
鴛鴦の糞榛の花かと掌にのせし 右城暮石 句集外 昭和六十一年
岳陽が噛む苦蟲や榛の花 石田波郷
気が乗らぬ眼さき眼さきの榛の花 飯島晴子
空のくもりうつつに咲きし榛の木の花 中川一碧樓
空ふかく夜風わたりて榛の花 飯田龍太
渓声に山羊鳴き榛の花垂りぬ 飯田蛇笏 霊芝
月の出の水揚げてをり榛の花 能村登四郎
山葵田に雪しづれして榛の花(長野県安曇山葵田二句) 細見綾子
春風や一期さかえし榛の花 建部巣兆
傷きし白鳥榛の花おもく 松村蒼石 雁
榛の花あまたの日射海に注ぐ 角川源義
榛の花どどと嶺渡る夜の雷 角川源義
榛の花のもとにてたかき空を見き 大野林火 海門 昭和十四年
榛の花伊豆の踊り子この道を 山口青邨
榛の花鴎しばらく町の空 飯田龍太
榛の花湖ねんごろに眠りゐる 飯田龍太
榛の花溝腐れ切つて母子親しげ 中村草田男
榛の花水の真澄みを魚影過ぐ 飯田龍太
榛の花対馬は海と山ばかり 角川源義
榛の花冬湧き水の靄に咲く(長野県安曇山葵田二句) 細見綾子
榛の花日ざせば饐うる厩藁 能村登四郎
雪催ふ夕べに垂れて榛の花 松村蒼石 雪
熱の身の遠まなざしに榛の花 鷹羽狩行
夕雲に浮くうすらひの榛の花 松村蒼石 雪
鬱の日が三日つづきぬ榛の花 草間時彦

by 575fudemakase | 2017-05-11 21:18 | 春の季語 | Trackback | Comments(0)

桜桃の花 の俳句

桜桃の花 の俳句

桜桃の花

例句を挙げる。

小樽港桜桃の花ともに暮れ 細見綾子
月山の裾桜桃の花浄土 阿部月山子
桜桃の花に奥嶺の雪ひかる 大竹孤愁
桜桃の花に挿替へ子をみとる 遠入たつみ
桜桃の花の静けき朝餉かな 川崎展宏
桜桃の花みちのべに出羽の国 角川源義
桜桃の花満面に茂吉歌碑 皆川盤水

桜桃の花 補遺

桜桃の花窓下に海の宿(北海道) 細見綾子
桜桃の花みちのべに出羽の国 角川源義

by 575fudemakase | 2017-05-11 21:12 | 春の季語 | Trackback | Comments(0)

三鬼忌 の俳句

三鬼忌 の俳句

三鬼忌

例句を挙げる。

おろかしく三鬼忌待てり雪解けず 殿村菟絲子
ひとつづつ目刺を解き三鬼の忌 福島 勲
よき父として嘘に乗る三鬼の忌 橋本榮治 麦生
ボールペンと一杯の水三鬼の忌 原田喬
一日は次から次や三鬼の忌 藤田湘子 てんてん
三鬼の忌くるみなかなか割りにくし 成瀬桜桃子 風色
三鬼の忌蛸の吸出効きはじむ 宮坂静生 山開
三鬼の忌近し未完の酔胡面 殿村莵絲子
三鬼忌のくらきくれなゐばかりかな 斎藤玄 雁道
三鬼忌のつひにしづかに吹くあらし 三橋敏雄
三鬼忌のまさかの雪が降つてをり 鈴木しげを
三鬼忌のハイボール胃に鳴りて落つ 楠本憲吉
三鬼忌のロビー葉巻の香りして 池田秀水
三鬼忌の何の微笑ぞ静臥夫 石田あき子 見舞籠
三鬼忌の大魚担がれ貨車の中 火村卓造
三鬼忌の山傾けて霰かな 角川源義 『神々の宴』
三鬼忌の斜めに浮かすベレー帽 佐々木いつき
三鬼忌の森海鳴りの音を出す 大高弘達
三鬼忌の水面は風の影ばかり 鷲谷七菜子
三鬼忌の湯屋はいつより閉ざされし 伊丹裕子
三鬼忌の終わりて回る夜のレコード 寺井谷子
三鬼忌の肉塊に串ふすふすと 内田美紗 浦島草
三鬼忌の舟虫つひに顔出さず 青柳志解樹
三鬼忌の踏んですべりし紙の山 鳥居美智子
三鬼忌の野よりひき抜くハイヒール 正木ゆう子 静かな水
三鬼忌の雹の水輪の大粒に 石田波郷
三鬼忌の霞きてゐる軒あはひ 下田稔
三鬼忌の風に花種とばされぬ 石田あき子 見舞籠
三鬼忌は万愚節なり空港に 秋山巳之流
三鬼忌や靴の尖もて芝突つく 藤田湘子 てんてん
三鬼忌雨連翹忌雨太芽立ち 中戸川朝人 星辰
伸べし手をぱんと払はれ三鬼の忌 谷口智行
執拗に小綬鶏が鳴く三鬼の忌 皆川白陀
女物干してあるなり三鬼の忌 湯浅康右
待ちて過ぎし三鬼忌なほも待つ心 殿村菟絲子
御守の中味は木つ端三鬼の忌 斎藤由美子
敏雄逝き白泉忌すぎ三鬼の忌 池田澄子 たましいの話
桟橋にひびく靴音三鬼の忌 片山由美子 風待月
横文字の新聞燃やす三鬼の忌 桂信子
渚のフォーク射されしままや三鬼の忌 石寒太 炎環
灰皿で腹割る煙草三鬼の忌 楠本憲吉
矮鶏が木に上手に登り三鬼の忌 高澤良一 ねずみのこまくら
紙を切る紙の抵抗三鬼の忌 野窪茜子
美作の茶屋の麦飯三鬼の忌 大岩節子
花便り聞き流す三鬼の忌なりけり 小林康治
軒借りのひとに傘貸す三鬼の忌 桂信子 遠い橋
逗子駅やバスは四方へ三鬼の忌 石野 梢
鳴くに任せよ三鬼忌の鳶鴉 百瀬美津
黒をもて派手と言ひなす三鬼の忌 中原道夫
パンジーを貌と見てゐる西東忌 辻田克巳
一湾に灯の橋架かる西東忌 三田きえ子
効き腕のやや萎えてきし西東忌 大牧 広
咽喉にたつ鰊の骨や西東忌 石田あき子
天使魚の悍の静止や西東忌 秋元不死男
廃れたるものにステッキ西東忌 池田秀水
悪書二三隠しにありぬ西東忌 嶋田麻紀
支那街に揺るる焼肉西東忌 秋元不死男
日の差さぬまま海暮れて西東忌 榎本栄子
昨日会い今日は訪い西東忌 鈴木六林男 王国
松鳴らす風によろめく西東忌 河野南畦 『風の岬』
橙が墓に触れゐる西東忌 横山白虹
狛犬の阿吽を抜ける西東忌 森田智子
男らに吊革の痩せ西東忌 小林 貴子
町川に朝日の腐る西東忌 平畑静香
竜巻の柱して西東忌を呼べり 平畑静塔
薪割つて鶏とばす西東忌 鷹羽狩行
西東忌帽子はやらぬ世となりし 片山由美子 水精
西東忌撒骨の沖晴れてをり 赤尾恵以
西東忌脱ぎし帽子を膝に置き 森田智子
西東忌花びらつきし傘たたむ 森田智子
足踏みの桜前線西東忌 片山由美子 水精
轍中のわれは魚なり西東忌 佐藤鬼房 潮海
釘ぬきに釘きしませて西東忌 土生重次
釘買つて出る百貨店西東忌 三橋敏雄
雨やんで傘の重たき西東忌 辻田克巳

三鬼忌 補遺

シンガポールに流寓の友西東忌 三橋敏雄
パンジー買ふ埃の街の西東忌 秋元不死男
ひかり飛ぶ雪の微塵に西東忌 佐藤鬼房
わが生きて弟子の子を抱く西東忌 秋元不死男
一日は次から次や三鬼の忌 藤田湘子 てんてん
一湾にヨット狼藉西東忌 鷹羽狩行
雨樋の雨の奔流三鬼の忌 佐藤鬼房
横文字に舌かむことも三鬼の忌 花桂信子 影
解体の機器にもの言ふ三鬼の忌 佐藤鬼房
灰皿で腹割る煙草三鬼の忌 楠本憲吉 孤客
曲汀哭けと如くに曇る三鬼の忌 楠本憲吉 楠本憲吉集
君らに風の強いスカート西東忌 秋元不死男
鶏たちに疾風波うつ西東忌 秋元不死男
古樋に雀の妻や西東忌 星野麥丘人
航跡の上に航跡西東忌 鷹羽狩行
三鬼の忌寝所いづれも春の灯を 飯田龍太
三鬼の短冊一枚持てり西東忌 鈴木真砂女 紫木蓮
三鬼忌のくらきくれなゐばかりかな 斎藤玄 雁道
三鬼忌の吸殻埋む海の砂 楠本憲吉 孤客
三鬼忌の急雪の闇十重二十重 佐藤鬼房
三鬼忌の山傾けて霰かな 角川源義
三鬼忌の水面は風の影ばかり 鷲谷七菜子 一盞
三鬼忌の竹青ければ伐りにけり 星野麥丘人 2003年
三鬼忌の雹の水輪の大粒に 石田波郷
三鬼忌や靴の尖もて芝突つく 藤田湘子 てんてん
支那街に揺るる焼肉西東忌 秋元不死男
寝顔には消えてゆくなり西東忌 平畑静塔
薪割つて鶏とばす西東忌 鷹羽狩行
西東忌牛の不死男はまだ見えて 平畑静塔
西東忌貯へしもの髭一つ 鷹羽狩行
西東忌笛は必ず昔呼ぶ 平畑静塔
西東忌濡れて椿の一夜酒 平畑静塔
奏でゐる自動ピアノや三鬼の忌 三橋敏雄
大晴はせぬ西東忌との出会 平畑静塔
釘買つて出る百貨店西東忌 三橋敏雄
的中の悪しき予感や三鬼の忌 上田五千石『琥珀』補遺
轍中(てっちゅう)のわれは魚なり西東忌 佐藤鬼房
轍中のわれは魚なり西東忌 佐藤鬼房
天使魚の悍の静止や西東忌 秋元不死男
湯で割つてのむウイスキー西東忌 鈴木真砂女
踏み尽すとも落椿三鬼の忌 斎藤玄 狩眼
突堤に原色五人西東忌 鷹羽狩行
忍び音の夜雨となりぬ西東忌 佐藤鬼房
被り疲れたベレー帽西東忌 鷹羽狩行
飛行船ぬつと出て去り西東忌 鷹羽狩行
報ふべき何もなけれど三鬼の忌 佐藤鬼房
目隠しの手の感じより西東忌 平畑静塔
龍巻の柱して西東忌を呼べり 平畑静塔
恍と三鬼忌コップにビール溢れしめ 楠本憲吉 方壺集
珈琲館昆虫色の西東忌 鷹羽狩行
瑣事をもち霽れし街ゆく西東忌 角川源義

by 575fudemakase | 2017-05-11 21:09 | 春の季語 | Trackback | Comments(0)

蕨餅の俳句

蕨餅の俳句

蕨餅

例句を挙げる。

*あだ討の古き辻あり蕨餅 古館曹人
すぐ折れてしまふ男に蕨餅 小田島亮悦
はらわたをしぼる吟なし蕨餅 上田五千石(1933-97)
わらび餅ひるの鐘うつ二尊院 浦田一代
わらび餅口中のこの寂寥よ 堀井春一郎
わらび餅老師の口の墨を消す 宇佐美魚目 天地存問
一日を余さず使ひわらび餅 神蔵器
埃立ちやすき境内わらび餅 後藤比奈夫
大仏蕨餅奈良の春にて木皿を重ね 河東碧梧桐
奈良坂の割箸しろし蕨餅 田島和生
山風に雨沿うて来ぬ蕨餅 芝不器男
山麓は麻播く日なり蕨餅 田中冬二 行人
御影供の馬のうはさや蕨餅 四明句集 中川四明
文の助茶屋といふだけ蕨餅 後藤比奈夫
火の山の麓の茶屋の蕨餅 田中冬二 俳句拾遺
火渡りを済ませて蕨餅を食ふ 堀 古蝶
腹減るとにはあらねども蕨餅 雑草 長谷川零餘子
蕨餅ひんやりとしてうす青く 田中冬二 俳句拾遺
蕨餅昨日のまゝにやはらかし 中溝 八重子
蕨餅本家と元祖向き合ひて 田中冬二 俳句拾遺
讐討の古き辻あり蕨餅 古舘曹人 砂の音
豆の粉の中にころがり蕨餅 田中冬二 行人
越えて来し山すぐ軒に蕨餅 田中冬二 麦ほこり
雪解や経木をしいて蕨餅 長谷川櫂 古志
青かつし貴船の茶屋の蕨餅 佐藤漾人
青によし奈良の都の蕨餅 天谷 敦
高き日の人をあたため蕨餅 森澄雄 四遠

蕨餅 補遺

はらわたをしぼる吟なし蕨餅 上田五千石 琥珀
わらび餅口さみしきにあらねども 鷹羽狩行
降らずみの塔の天あり蕨餅 上田五千石『天路』補遺
高き日の人をあたため蕨餅 森澄雄
讐討の古き辻あり蕨餅 古舘曹人 砂の音
女の子ろの黄粉にむせし蕨餅 森澄雄
食べてみむ九體寺さまの蕨餅 星野麥丘人
文の助茶屋といふだけ蕨餅 後藤比奈夫
蕨餅たうべ乍らの雨宿り 杉田久女
蕨餅嫋々と春逝かむとす 相生垣瓜人 負暄
埃立ちやすき境内わらび餅 後藤比奈夫

by 575fudemakase | 2017-05-11 21:06 | 春の季語 | Trackback | Comments(0)


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《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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