2017年 10月 16日 ( 5 )

朝冷 の俳句

朝冷 の俳句

朝冷

郷愁の朝冷えにゐるうすごろも 飯田蛇笏 雪峡
武具飾り朝冷つよき城下あり 大峯あきら 鳥道
朝冷や神の湧玉池の靄 佐野梧朗

朝冷 補遺

郷愁の朝冷えにゐるうすごろも 飯田蛇笏 雪峡
朝冷えの主が触れし馬に触れぬ 中村草田男
朝冷に夏炉を焚いておくことも 稲畑汀子

朝冷 続補遺

朝冷や蒲団にまとふあやめ刈 野坡


by 575fudemakase | 2017-10-16 09:58 | 秋の季語 | Trackback | Comments(0)

雨冷 の俳句

雨冷 の俳句

雨冷

パスにがし雨冷えの夜を口あけて 鳥居おさむ
磯菊の雨冷えて来し目鼻かな 細川加賀
雨冷えて吾子を寝棺にうつしがたし 川島彷徨子 榛の木
雨冷えのくらがり鳴りだす冷蔵庫 西垣 脩
雨冷えの甘茶こくりとのみほせり 高澤良一 ももすずめ
雨冷えの汽笛みじかし忌を寄るのみ 古沢太穂 古沢太穂句集
雨冷えの桑もち込みて軒くらし 山本つぼみ
雨冷えの白花をつづり茜草 高槻弘文
雨冷のいもどのさんに詣でけり 山田みづえ
雨冷の広間に客のかしこまる 尾崎紅葉
雨冷ゆる日の甘酒をあつうせよ 高柳碧川
雨冷ゆる日は出てをらず*むつ五郎 本田杏花
雨冷を解いてくれたる春暖炉 永森とみ子
雲雀仰ぐ降り残る雨冷たからず 大熊輝一 土の香
夏炉焚き沙翁の町の雨冷か 山口青邨「雪国」
銀行一つ国境に雨冷ゆるかな 吉野義子
樹雨冷の香の火の紅手くらがり 古舘曹人 砂の音
稚鮎汲む朝の雨冷え残る瀬に 大曲鬼郎
東京の水甕に雨冷奴 鈴木鷹夫 風の祭
藤の雨冷えまさる火桶守りけり 碧雲居句集 大谷碧雲居
萩の葉のこま~と雨冷えにけり 草城
萩の葉のこまごまと雨冷えにけり 日野草城
夜寒人雨冷えを来て湯に沈む 高澤良一 暮津
榾雨冷の友白き髭もちて来ぬ 山口青邨

雨冷 補遺

蕗の雨冷えのぼりくる夜這ひ口 能村登四郎
萩の葉のこま~と雨冷えにけり 日野草城
樹雨冷の香の火の紅手くらがり 古舘曹人 砂の音
夏炉焚き沙翁の町の雨冷か 山口青邨
雨冷のいもどのさんに詣でけり 山田みづえ 草譜
雨冷えや刈り残したるからす麦 寒食 星野麥丘人
雨冷えの汽笛みじかし忌を寄るのみ 古沢太穂 古沢太穂句集

雨冷 続補遺

雨冷に羽織を夜の簑ならん 其角



by 575fudemakase | 2017-10-16 09:57 | 秋の季語 | Trackback | Comments(0)

秋冷 の俳句

秋冷 の俳句

秋冷

雫しきりに秋冷の塔のなか 中田剛 珠樹
手が見えてをり秋冷といふべかり 斎藤梅子
手を浸し秋冷ひしと貴船川 小川濤美子
手燭消えしままの秋冷遺著の嵩 鍵和田[ゆう]子 浮標
樹々の間の秋冷日毎ぼや拾ひ 石橋辰之助 山暦
秀野忌の秋冷触るる薔薇の白 西島麦南
秋冷えの目覚め誘うて啼く雀 臼田亞浪 定本亜浪句集
秋冷えの姨捨に佇つ女身われ 柴田白葉女 『朝の木』
秋冷えは小樽の日向日陰の差 竹中碧水史
秋冷が韋駄天ばしり近江ノ国 澁谷道
秋冷と腕叩きて云へる人 高澤良一 暮津
秋冷にとり残されてゐたりけり 山田 弘子
秋冷の0番線といふホーム 片山由美子 風待月
秋冷のうぐひす張りを誰か来る 梶山千鶴子
秋冷のおろかに太る豚の首 石原舟月
秋冷のかます焼く火の透きとほり 高澤良一 石鏡
秋冷のささやきかはす形見かな 恩田侑布子
秋冷のさし込む膝を二タさすり 高澤良一 素抱
秋冷のさすがにしぼむ乳房かも 飯田蛇笏 椿花集
秋冷のとびらを敲く月よわが過去も愛する覚悟はあるか 松本典子
秋冷のにはかに到り老いしごと 山口波津女 良人
秋冷のはりまや橋に捕鯨砲 田中信義
秋冷のひと夜が明けぬ一位の木 鈴木鷹夫 大津絵
秋冷のひよどり草や落人部落 長谷川かな女 花寂び
秋冷のまなじりにあるみだれ髪 飯田蛇笏
秋冷の一幹として立ちつくす 鷲谷七菜子
秋冷の駅に慰霊の人ら降り 村松紅花
秋冷の仮死金色をなせりけり 柚木紀子
秋冷の家族にわかつ箸のかず 飯田龍太
秋冷の火口湖黄泉のごと湛ふ 伊東宏晃
秋冷の俄かに至る瀧の村 東原 芦風
秋冷の牛舎いのちという匂い 対馬康子 純情
秋冷の極みの滝の散れるかな 鷲谷七菜子 花寂び
秋冷の空とどまれば子の頭にも 原裕 葦牙
秋冷の径穴ありてみづのおと 飯田蛇笏 雪峡
秋冷の見渡すかぎり蔵の中 杉野一博
秋冷の現世なりし*まど曉けそむ 内藤吐天 鳴海抄
秋冷の黒牛に幹直立す 飯田龍太
秋冷の砂丘を雨の堅め降る(駿河濱岡砂丘) 上村占魚 『石の犬』
秋冷の彩違へたる湖二つ 竹屋睦子
秋冷の坂下りきたる蹄音 近藤きくえ
秋冷の山なだるるよ大伽藍 河野南畦 湖の森
秋冷の山の流水みたらしに 野澤節子
秋冷の山より山を眺めけり 大野風子
秋冷の山気にひらく掌 柴田白葉女
秋冷の自転車光る離別ばかり 鈴木六林男 後座
秋冷の書を買ふ怒り鎮めんため 山田みづえ 忘
秋冷の少年紙の匂いする 鈴木 映
秋冷の掌に溜む化粧水 ふけとしこ 鎌の刃
秋冷の上り框に山刀 瀧澤伊代次
秋冷の新月の那須今宵かな 及川貞 夕焼
秋冷の身におよぶまで雨後の幹 桂 信子
秋冷の身に及ぶまで雨後の幹 桂信子 黄 瀬
秋冷の水切れ易き旅の顔 青木重行
秋冷の瀬音いよ~響きけり 草城
秋冷の瀬音いよいよ響きけり 日野草城
秋冷の西本願寺門を閉づ 相沢透石
秋冷の草ちよぼちよぼと坑住址 奈良文夫
秋冷の男鯉となりぬ水摶つて 中尾杏子
秋冷の地をゆるがせて牛相撲 高橋悦男
秋冷の竹林や片襖なす 皆川白陀
秋冷の嬬恋キャベツ老が漬け 古賀まり子 緑の野以後
秋冷の土中掻き出す釜一つ 皆川白陀
秋冷の土鈴のごろりごろりかな 照敏
秋冷の東京に出て人體展(人体の不思議展東京国際フォーラム) 高澤良一 石鏡
秋冷の堂の裏ゆく女ごゑ 原裕 『出雲』
秋冷の道いつぱいに蔵の影 広瀬直人
秋冷の日々新たなる供養華 松村蒼石 寒鶯抄
秋冷の入みとほりたるかたつむり 綾部仁喜
秋冷の猫撫でやれば転がれり 瀧澤伊代次
秋冷の廃山いまは人に見す 大橋敦子 匂 玉
秋冷の白襖またはるかかな 飯田龍太
秋冷の白馬岳日毎夜毎の炉 石橋辰之助 山暦
秋冷の八溝山脈茜さす 柴田白葉女 花寂び 以後
秋冷の琵琶かき鳴らす回向かな 稲田眸子
秋冷の膝にのり来し子を抱く 堤靭彦
秋冷の病舎に残る水枕 藤原美規男
秋冷の風鈴ひびく肋かな 新田祐久
秋冷の壁の北海道大地図 成瀬正とし 星月夜
秋冷の木椅子に人も朽ちてゆく 横山 房子
秋冷の木箱二つに影ひとつ 茨木和生 遠つ川
秋冷の野に咲くものはこまやかに 川口咲子
秋冷の幽谷めきし耳の穴 栗林千津
秋冷の炉明りに蠅うごかざる 石橋辰之助 山暦
秋冷の檜山杉山匂ひけり 山田みづえ
秋冷の琥珀に入りし翅きはやか 矢島渚男 船のやうに
秋冷の襞ふかくして裏比叡 木内彰志
秋冷やかすかに魚の息を吐き 増田萌子
秋冷やか湖円錐に瑠璃深め 岡田貞峰
秋冷やともされて書架よろこべる 小宅容義
秋冷やもの憶ふ口一文字 成瀬正とし 星月夜
秋冷やわが手ながらもしびれをり 高濱年尾
秋冷やわが手乍らもしびれをり 高浜年尾
秋冷や音たて燃ゆるランプの灯 高木 杏子
秋冷や灰となるべき扉が閉まる 藤井伸子
秋冷や崖の脆きに指触れて 八木三日女 紅 茸
秋冷や古りし茅の輪をくぐるより 石川桂郎 高蘆
秋冷や座り馴れたる駅の椅子 松尾踏青
秋冷や山のこほろぎ日を歩き 藤田あけ烏
秋冷や山河光りを失へり 阿部みどり女
秋冷や指輪離さぬ薬指 小川公子
秋冷や枝に濡れたる登山帽 秋尾敏
秋冷や珠洲焼に濃き波状紋 千田一路
秋冷や人をむかへて慇懃に 飯田蛇笏 椿花集
秋冷や石畳ゆく馬車の音 野崎ゆり香
秋冷や石炭出づるこのあたり 成瀬正とし 星月夜
秋冷や濡縁古びゆく色に 高木晴子
秋冷や白き覆面の一病馬 有働亨 汐路
秋冷や包丁研げば鉄匂ふ 青木重行
秋冷や万象の一潦 西本一都
秋冷や夜の汐ときにおそろしき 鈴木真砂女
秋冷や落ちて来さうな白鳥座 穂坂日出子
秋冷や瑠璃色尽す山上湖 宮田俊子
秋冷や佛にのこる金の耳 古舘曹人 砂の音
秋冷ゆる胸にひびかふ舟の窓 阿部みどり女
秋冷を行くや草花親まず 清原枴童 枴童句集
秋冷を手に収めたる手櫛かな 中山須美子
秋冷を心地よきとも思ふ旅 稲畑汀子
舟べりの秋冷掴む別れかな 金箱戈止夫
出土の土師器黝く秋冷到りけり 阿部みどり女
女女しくゐて秋冷といふ語に溺る 下村槐太 天涯
女々しくゐて秋冷といふ語に溺る 槐太
神の鈴振り秋冷を払いけり 杉本美寿津
杉箸をもて秋冷の嶺を指す 大石悦子 聞香
性きつき梛に秋冷到りけり 高澤良一 燕音
聖歌彌撒に汝が声を聴く秋冷か 内藤吐天 鳴海抄
折鶴に秋冷満ちてくる夜かな 林桂
息とめて着る秋冷の弓道着 塩崎光江
乳搾る秋冷の地に祈るごと 宮坂静生 青胡桃
肌いたきまで秋冷の深山空 原 裕
頒けあふ秋冷汝が寝台より低くゐて 磯貝碧蹄館 握手
眉上げて唯秋冷といふばかり 高澤良一 暮津
苗一束秋冷に抱くは苦しき 汎 馨子
父の死に秋冷ゆる夜となりにけり 稲畑汀子 汀子第二句集
物売の来ぬ秋冷の夕べかな 阿部みどり女
暮雨暗し秋冷窓に迫るなり 六花
無名石仏彫って 秋冷 媽祖の町 伊丹公子 沿海
面打のいちまい畳秋冷ゆる 山口都茂女
夕まけて秋冷いたる岩燕(志賀高原) 角川源義 『秋燕』
夕澄みて秋冷の岳そろひけり 有働 亨
廊の蟻に秋冷いたるあはれさよ 角川源義
老柳に秋冷早も溺れる 深川正一郎
榧の木に秋冷いたる西行庵 角川春樹 夢殿
眞珠もて今日秋冷のイヤリング 坊城としあつ
磔像の釘に秋冷いたりけり 朝倉和江
槇の葉に秋冷いたる朝日ざし 松本可南

秋冷 補遺

コタン暮れバスに秋冷もてあます 角川源義
どの村となく秋冷の来てゐたり 廣瀬直人
むらさきの秋冷こぞる淵のいろ 上田五千石『田園』補遺
雨澄んでゐる秋冷のさるすべり 鷲谷七菜子 天鼓
黄ばむもの赤らむものに秋冷えす 右城暮石 句集外 平成元年
黄金咲くみちのくの棺秋冷す 野見山朱鳥 幻日
牛曳いて消ゆ秋冷の桑がくれ 廣瀬直人 帰路
戸隠の秋冷にあり體操す 岡井省二 猩々
後めたき秋冷の右手となりゐたり 山田みづえ 忘
山国の秋冷に開け屋台蔵 藤田湘子 神楽
山荘の秋冷到るたちまちに 高浜年尾
獅子の笛吹く秋冷の肱を張り 伊藤白潮
紫陽花に秋冷いたる信濃かな 杉田久女
蛇踊り秋冷誘ふ辻の楽 角川源義
秋冷えの彫り痕粗き膝がしら 伊丹三樹彦
秋冷えの目覚め誘うて啼く雀 臼田亜郎 定本亜浪句集
秋冷にふれて小蕪の肌白し 鈴木真砂女
秋冷のかはせみ声をあやまたず 岡井省二 有時
秋冷のさすがにしぼむ乳房かも 飯田蛇笏
秋冷のさだまる岸の深みどり 飯田龍太
秋冷のふるさとを瞰る子のために 飯田龍太
秋冷のまなじりにあるみだれ髪 飯田蛇笏 家郷の霧
秋冷の一幹として立ちつくす 鷲谷七菜子 一盞
秋冷の一夜を経たる新墓域 飯田龍太
秋冷の雲少しづつ海に出る 廣瀬直人
秋冷の樫に葬家の煙り澄む 飯田龍太
秋冷の嬉々たる歩み戸を過ぎし 飯田龍太
秋冷の機中を飾る頬の肉 飯田龍太
秋冷の凝りて一剣伐折羅像 鷹羽狩行
秋冷の極みの滝の散れるかな 鷲谷七菜子 花寂び
秋冷の空とどまれば子の頭にも 原裕 葦牙
秋冷の径穴ありてみづのおと 飯田蛇笏 雪峡
秋冷の黒牛に幹直立す 飯田龍太
秋冷の三箇(さんが)二元(りゃんえん)の卵掌に 加藤秋邨
秋冷の重慶睡る裾に泊つ 中村汀女
秋冷の書を買ふ怒り鎮めんため 山田みづえ 忘
秋冷の丈あきらかに羽黒杉 鷲谷七菜子 游影
秋冷の新月の那須今宵かな 及川貞 夕焼
秋冷の人の気づかぬ梅林 廣瀬直人 帰路
秋冷の瀬音いよ~響きけり 日野草城
秋冷の勢ひゆるめぬ白瀬かな 鷲谷七菜子 游影
秋冷の石階靄の濃き方ヘ 廣瀬直人
秋冷の大きく干され舞衣裳 平井照敏
秋冷の朝の巨船のうごきそむ 岡井省二 前後
秋冷の土鈴のごろりごろりかな 平井照敏
秋冷の道いつぱいに蔵の影 廣瀬直人 帰路
秋冷の虹鱒とよぶ影仄か 飯田蛇笏 家郷の霧
秋冷の日々新たなる供養華 松村蒼石 寒鶯抄
秋冷の白襖またはるかかな 飯田龍太
秋冷の畔うるほひて渓こだま 飯田蛇笏 家郷の霧
秋冷の碑を見つ仰ぐ四囲の山(矢筈山麓、京子碑『茶の花』の遺句に) 飯田龍太
秋冷の膝掛紅き花模様 山口青邨
秋冷の魯公顔真卿の碑ぞ 安住敦
秋冷の檜山杉山匂ひけり 山田みづえ 忘
秋冷の舫ひて白き呉越丸 山田みづえ 草譜
秋冷やかにあぢけなき吾等が世 山口誓子
秋冷や何かの声に身を正す 能村登四郎
秋冷や古りし茅の輪をくぐるより 石川桂郎 高蘆
秋冷や人をむかへて慇懃に 飯田蛇笏
秋冷や船中泊も異国の夜 上田五千石『天路』補遺
秋冷や摩耶六甲と峯連ね 鈴木真砂女 夏帯
秋冷や夜の汐ときにおそろしき 鈴木真砂女
秋冷や佛にのこる金の耳 古舘曹人 砂の音
秋冷や呟きつかれたる夜の汗 飯田蛇笏 家郷の霧
秋冷喉にあり繊きあごを引く 日野草城
女女しくゐて秋冷といふ語に溺る 下村槐太 天涯
小漁港にて秋冷の叺編み 佐藤鬼房
城壁に秋冷にはか汽車ひびく 中村汀女
剃師来て剃る秋冷の朝の髪 能村登四郎
日がさしてゐて秋冷を覚えけり 清崎敏郎
如来にもある秋冷の耳ふたつ 鷲谷七菜子 游影
病床に秋冷身近なる思ひ 高浜年尾
富士遂に見ず秋冷の盆地去る 角川源義
父の死に秋冷ゆる夜となりにけり 稲畑汀子
木洩日もまた秋冷をまとふもの 後藤比奈夫
夕まけて秋冷いたる岩燕 角川源義
緑樹仰ぎて秋冷の座に会へり 飯田龍太
廊の蟻に秋冷いたるあはれさよ 角川源義
齋藤秀雄忌秋冷へ楽高まりぬ 林翔
聲いでてこの秋冷の岩の音 岡井省二 前後


by 575fudemakase | 2017-10-16 09:56 | 秋の季語 | Trackback | Comments(0)

ひえびえ・ひやひや の俳句

ひえびえ・ひやひや の俳句

ひえびえ・ひやひや

あけるよりはやひやひやと氷室哉 氷室 正岡子規
いまは妻なしひえびえと青き竹を伐る 栗林一石路
お百度や胃のひやひやと十二月 角川春樹 夢殿
かたびらや汗ひえびえと座にたゆる 飯田蛇笏 山廬集
すさまじくひと木の桜ふぶくゆゑ身はひえびえとなりて立ちをり 岡野弘彦
てゝら干竿ひやひやと秋の海 見道
ひえびえとただ白きもの鶴病めり 宇佐美魚目 秋収冬蔵
ひえびえとなすこと溜る山の影 飯田龍太
ひえびえと闇のさだまる初秋かな 飯田蛇笏
ひえびえと雨月を祭る山の寺 有泉七種
ひえびえと鵜の川透きて蚊帳はじめ 長谷川双魚
ひえびえと鵜川の月の巌かな 飯田蛇笏 山廬集
ひえびえと下掃かれある栗林 綾部仁喜 樸簡
ひえびえと海に色ある小菊かな 藺草慶子
ひえびえと海女の裸に裸の影 飯田龍太
ひえびえと吉野葛餅雉子鳴く 飯田龍太
ひえびえと湖港の楡に秋の虹 石原舟月 山鵲
ひえびえと高野の杉の青山気 豊長みのる
ひえびえと妻の布団をたたみけり 岸本尚毅 舜
ひえびえと手摺見おろせば犇く貨車 古沢太穂 古沢太穂句集
ひえびえと春月のある行手かな 岸本尚毅 舜
ひえびえと春蘭の土こぼれたる 下田稔
ひえびえと朝顔さかりうすれけり 松村蒼石 雪
ひえびえと鳶泛いてゐる雛流し 本村轡
ひえびえと二日の夢に銀の檣 友岡子郷
ひえびえと来るものを知る黒髪(かみ)の芯 宇多喜代子
ひえびえと緑金ひかる薔薇の虫 飯田蛇笏 春蘭
ひえびえと霖すぎし菌山 松村蒼石 寒鶯抄
ひやひやとおとろへてゆく眼かな 黒田杏子
ひやひやときて鮪身を料しをり 菊地一雄
ひやひやとセルの胸辺に夜がたまる 猿橋統流子 『丹波太郎』
ひやひやとどこまで渚桂郎忌 岸田稚魚 『花盗人』
ひやひやとゐて楽めど妻子かな 河東碧梧桐
ひやひやと雲が来る也温泉の二階 夏目漱石 明治二十九年
ひやひやと火絶ちの月日登り窯 木野好枝
ひやひやと句座の空席眼で数ふ 小出秋光
ひやひやと空気を噛めば朝の月 内田美紗 誕生日
ひやひやと月も白しや秋の風 上島鬼貫
ひやひやと賢治の居間の燈りけり 辻桃子
ひやひやと鎖の垂るる夏の山 小島 健
ひやひやと最上紅染膝こぼる 蓬田紀枝子
ひやひやと三猿の顔擦りへつて 水越菖石
ひやひやと水の落ちゆく山の中 宇佐美魚目 秋収冬蔵
ひやひやと瀬にありし手をもちあるく 田中裕明 櫻姫譚
ひやひやと積木が上に海見ゆる 河東碧梧桐
ひやひやと赤貝のぬた春の雪 長谷川櫂 虚空
ひやひやと臓腑まさぐる超音波 中村 弘
ひやひやと竹を過ぎたる人の影 永方裕子
ひやひやと朝日うつりて松青し 冷やか 正岡子規
ひやひやと朝日さしけり松の中 正岡子規
ひやひやと日のさす秋の昼寝かな 長谷川櫂 虚空
ひやひやと白気の上る氷室かな 氷室 正岡子規
ひやひやと百姓帰る山の影 鷲谷七菜子 花寂び
ひやひやと風吹き入るゝ桜哉 桜 正岡子規
ひやひやと壁をふまえて昼寝哉 松尾芭蕉
ひやひやと壁をふまへて昼寝かな 芭 蕉
ひやひやと万多奈の丘の土の黴 阿部みどり女
ひやひやと明けて舟足遅きかな 魴子
ひやひやと夜の手が触れて眠草 高澤良一 暮津
ひやひやと陽水のこゑ裏返る 内田美紗 魚眼石
ひやひやと檜山に坐る水の音 田中裕明 櫻姫譚
ひやひやと蕣のさく垣根哉 士朗
みどりごは泣きつつ目ざむひえびえと北半球にあさがほひらき 高野公彦
よく晴れて景色の芯のひやひやと 内田美紗 魚眼石 以降
一円玉ひえびえマリア観世音 辻桃子
一夜ひえびえ居酒屋に霧かかりけり 川島彷徨子
雲雀湧くはじめ高音のひえびえと 飯田龍太
夏杉の幹ひえびえと楽焼窯 中拓夫 愛鷹
夏富士のひえびえとして夜を流す 飯田龍太
嫁菜摘む裾ひえびえと風通り 草間時彦
樫の瘤ひやひやと風とらへけり 小林道子 『下萌』
刈田の足あともひえびえと兵隊にとられてゆく年 栗林一石路
乾鮭の腹ひやひやと風の立つ 乾鮭 正岡子規
忌の近し触れてひえびえ小米花 鍵和田[ゆう]子 飛鳥
古都首里 にふみみがかれし石畳、ひえびえとして風ふきとほる 嶋袋全幸
紅葉見や顔ひやひやと風渡る 闌更
山紅葉ひやひやするからもう帰ろ 高澤良一 石鏡
山葡萄までひやひやと眼のゆけり 岸田稚魚 『雪涅槃』
手に受くる絹糸の束ひやひやと 鈴木綾子
春蝉のひやひやと鳴くや山の松 河東碧梧桐
春蝉の音のひえびえとながさるる 飯田龍太
水引草風ひやひやと膝に来る 阿部みどり女
水羊羹匙ひやひやと使ひけり 高澤良一 素抱
怠りし机の朝やひやひやと 藤井巨文星
歎抄霞ひえびえ顔にせり 稲垣法城子
竹林に入るひやひやと暮れにけり 小島健 木の実
朝桜駒のひづめのひやひやと 朝桜 正岡子規
朝雉子のひやひや歩く茄子の畝 中山純子
芭蕉碑や木木ひやひやとよりそひて 小池文子 巴里蕭条
馬追の髪ひえびえとしたがへり 木下夕爾
馬追ひの影ひえびえとしたがへり 木下夕爾
白玉のひやひやういてゐるらん気 松澤昭 山處
畑打の音ひやひやととゞくなり 飴山實 少長集
八重桜日差が胸にひえびえと 川崎展宏
苗床の土ひえびえとあるを覗く 西垣脩
木の芽和に雨意ひえびえと到りけり 島田青峰
夜が去りて花ひえびえと蘭の露 野沢節子
陽炎の芯ひえびえと立ちにけり 綾部仁喜 寒木
翼なき空ひえびえと朝の卓 原裕 葦牙
蓮如忌や木櫃に米のひえびえと 長谷川櫂 古志
炉をひらく火のひえびえともえにけり 飯田蛇笏
老鶯に谷ひえびえとこだましぬ 飯田蛇笏
帷子や汗ひえびえと座にたゆる 飯田蛇笏
爐をひらく火のひえびえともえにけり 飯田蛇笏
簟ひやひや暗し祭笛 節子
蒟蒻の刺身ひやひや山紅葉 井桁白陶

ひえびえ・ひやひや 補遺

あけるよりはやひやひやと氷室哉 正岡子規 氷室
かたびらや汗ひえびえと座にたゆる 飯田蛇笏 山廬集
さてわたしを作る一塊の土ひえびえとあり 荻原井泉水
なほありて生絹の時のひやひやと 岡井省二 前後
ひえびえとなすこと溜る山の影 飯田龍太
ひえびえと闇のさだまる初秋かな 飯田蛇笏 春蘭
ひえびえと一茶の知らぬものばかり 飯田龍太
ひえびえと鵜川の月の巌かな 飯田蛇笏
ひえびえと海女の裸に裸の影 飯田龍太
ひえびえと菊揺れ一機にはあらず 加藤秋邨
ひえびえと吉野葛餅雉子鳴く 飯田龍太
ひえびえと月に親しむ二重窓 飯田龍太
ひえびえと魂さまよへる花辛夷 飯田龍太
ひえびえと酌むや鞠子の梅月夜 上田五千石『琥珀』補遺
ひえびえと手摺見おろせば犇く貨車 古沢太穂 三十代
ひえびえと樟脳匂ふ秋袷 山口誓子
ひえびえと朝顔さかりうすれけり 松村蒼石 雪
ひえびえと日の坂をゆく人の距離 飯田龍太
ひえびえと夕桜旧漁師町 佐藤鬼房
ひえびえと緑金ひかる薔薇の虫 飯田蛇笏 春蘭
ひえびえと囁きあへる返り花 飯田龍太
ひえびえと霖すぎし菌山 松村蒼石 寒鶯抄
ひやひやとお釜なぎさの照り返し 佐藤鬼房
ひやひやとどこまで渚桂郎忌 岸田稚魚
ひやひやと鬼の洗濯岩に波 佐藤鬼房
ひやひやと玄室くらき残暑かな 阿波野青畝
ひやひやと水送りてはたたずめる 上田五千石 天路
ひやひやと朝日うつりて松青し 正岡子規 冷やか
ひやひやと朝日さしけり松の中 正岡子規 冷やか
ひやひやと白気の上る氷室かな 正岡子規 氷室
ひやひやと百姓帰る山の影 鷲谷七菜子 花寂び
ひやひやと風がもてくる若葉の香 林翔
ひやひやと風吹き入るゝ桜哉 正岡子規 桜
ひやひやと齢の華甲負ひにけり 上田五千石 天路
ひやひやと廬遮那佛ほの暗きかな 佐藤鬼房
夏富士のひえびえとして夜をながす 飯田龍太
嫁菜摘む裾ひえびえと風通り 草間時彦 櫻山
家々のひえびえ遠き春隣 飯田龍太
掛稲のかげひえびえとしみじみと 阿波野青畝
乾鮭の腹ひやひやと風の立つ 正岡子規 乾鮭
山葡萄までひやひやと眼のゆけり 岸田稚魚
次の汽車までひえびえと茜空 廣瀬直人
春蝉の音のひえびえとながさるる 飯田龍太
晴夜なり沼ひえびえと火の木影 佐藤鬼房
雪雀湧くはじめ高音のひえびえと 飯田龍太
大地ひえびえとして熱のある体をまかす 種田山頭火
短夜のひえびえ据る八ッ嶽 飯田龍太
竹の山ひやひやありぬ昼の酒 岡井省二 山色
朝桜駒のひづめのひやひやと 正岡子規 朝桜
爪とぐ猫幹ひえびえと桜咲く 西東三鬼
天の川のあざやかさもひえびえ風ふく 種田山頭火 草木塔
曇る坂ひえびえと喪主足早に 廣瀬直人 帰路
梅雨ひえびえ肌みづいろに水死仏 大野林火 雪華 昭和三十六年
畑打の音ひやひやととゞくなり 飴山實
鮒ずしの町ひやひやと桜の芽 鷲谷七菜子 一盞
亡き友とありひやひやと夏炉の火 大野林火 飛花集 昭和四十七年
翼なき空ひえびえと朝の卓 原裕 葦牙
老鴬に谷ひえびえとこだましぬ 飯田蛇笏 春蘭
老鶯に谷ひえびえとこだましぬ 飯田蛇笏 山響集
憑き落ちし面ひやひや風の秋 上田五千石『田園』補遺
暾近くて嶽ひえびえと錦せり 飯田蛇笏 心像

ひえびえ・ひやひや 続補遺

ひやひやと月も白しや秋の風 鬼貫


by 575fudemakase | 2017-10-16 09:54 | 秋の季語 | Trackback | Comments(0)

秋湿り の俳句

秋湿り の俳句


肖像の並ぶ廊下や秋湿り 片山由美子

ひとりごと言うては答ふ秋湿り 深谷雄大

青の洞門歳月幽き秋湿り 関根紀恵

秋湿り写真在中の便り手に 青木つね子

揚菓子の拍子抜けして秋湿り 高澤良一 素抱

秋湿り別れの握手痛すぎる 山崎幸子

秋湿りここに極まる窟仏 川崎慶子

肖像は苦悩の気配秋じめり 赤尾恵以

秋湿り虚子の歩みし廊きしむ 松本澄江

秋湿り首都の窪地に貸本星 北野民夫

足の裏むずむず山の秋湿り 岡田史乃

陸の橋さびしと渉る秋じめり 上田五千石『琥珀』補遺

秋湿八切の渡しこれだけか 佐藤鬼房


by 575fudemakase | 2017-10-16 03:21 | 秋の季語 | Trackback | Comments(0)


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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