2017年 11月 07日 ( 1 )

屛風 の俳句

屛風 の俳句

屛風

*こおろぎや一夜宿せし歯朶屏風 白雄
あかあかと屏風の裾の忘れもの 波多野爽波
あはあはと日の没したり金屏風 中西夕紀
アルプスを衝立として夏の湖 関森勝夫
いくたりか亡き句屏風の初茜 西村公鳳
いつもする枕屏風の安らかに 遠藤梧逸
うぐひすや螺鈿古りたる小衝立 久女(京都白川荘)
うすらひのとけゆく無双銀屏風 加藤耕子
カピタンの顔白く塗る屏風かな 由山滋子
かりがねの空ひきよせる鬼屏風 堺 信子
くらがりに七賢人の屏風かな 山口誓子
くらがりの屏風はいつも虎の居る 鳥海むねき
ここにゐる誰もが読めぬ屏風の字 山口昭男
このうしろ禍福のせめぐ屏風かな 宮武寒々 朱卓
この屏風たためば年も新なり 渡辺あらた
こもり居の妻の内気や金屏風 飯田蛇笏 山廬集
しめやかに起居見らるる屏風かな 吉武月二郎句集
すき焼や屏風絵の川流れゐて 池田秀水
それなりに屏風に影や豆雛 深見けん二 日月
それよりは家宝となりし金屏風 京極昭子
たゝまれし屏風の傍の黄水仙 上村占魚 鮎
たたみたる屏風の裏の雲母かな 片山由美子 風待月
たはれめの彦根屏風の絵にも萩 森澄雄
ちりかゝるむしろ屏風のもみち哉 散紅葉もみち<木+色> 正岡子規
ところどころつゝじ咲く也屏風岩 つつじ 正岡子規
なきがらに立てて屏風の山河かな 土屋秀穂
なきがらや光ひしひしと銀屏風 斉藤夏風
はしか子に古りし屏風をとり出だし 京極杞陽
はしか子に立てし屏風の南畫かな 京極杞陽
はせ川の河童屏風の雨月かな 竜岡 晋
ははそはの習はれし絵の屏風かな 後藤夜半 底紅
ビイドロの大衝立や夏座敷 会津八一
ひつそりと枇杷を食ひをる屏風かな 岸本尚毅 舜
ひらきゆく屏風に遊女現はるる 下村 梅子
ひんやりと屏風祭の二階かな 細川加賀
ふるさとや屏風へだてて舸子と寝る 木村蕪城
まつりの日屏風合の判者かな 炭 太祇 太祇句選後篇
みじか夜や枕にちかき銀屏風 蕪村 夏之部 ■ 雲裡房に橋立に別る
みなづきの何も描かぬ銀屏風 黒田杏子 花下草上
やうやくに座のあたたまる屏風かな 飯田蛇笏 山廬集
やはらなる風のゆきゝや葭屏風 堀谷 鋭子
わが書屋句屏風半双あれば足る 小田尚輝
をし鳥や廣間に寒き銀屏風 鴛鴦 正岡子規
安居寺大衝立の奥知らず 今村泗水
遺言は句屏風逆さに立てぬこと 京極杞陽
井戸の辺をすり抜け屏風運ばるる 波多野爽波 『骰子』
一声や屏風倒れて子規 時鳥 正岡子規
一双の秘蔵と見ゆる屏風かな 後藤夜半 底紅
一双の蕪村の屏風拝しけり 海老沢 貞子
一双の片方くらし金屏風 高浜虚子
一度見てそののち遠き屏風かな 橋本鶏二
一燈の世襲の闇の金屏風 森田雄
一瞥の屏風の朝臣がふりむきぬ 福田葉子
一枚の波屏風立ち磯焚火 上野泰
一雙の屏風の源氏物語 高橋淡路女 梶の葉
引きまはす襖の外も稲屏風 立花北枝
宇治に来て屏風に似たる茶つみかな 上島鬼貫
雨の雁ひとり屏風の月を見る 雁 正岡子規
瓜の花屏風の如き雨通る 辻桃子
瓜小屋や莚屏風に二間あり 村上鬼城
運ばむと四枚屏風に抱きつきぬ 後藤綾子
運ばるる屏風に闇のしたがひぬ 石田郷子
運ぶ人見えず屏風の這入りきし 細谷ふみを
影といふものの滲みつく屏風かな 長谷川櫂 天球
奥の間へ祭屏風の松つづき 皆吉爽雨
襖の絵より目を移す屏風の絵 後藤夜半
襖古り屏風古りけり花の宿 大峯あきら 宇宙塵
何ひとつ箸を付けざる葭屏風 中原道夫
夏山に対ふ衝立どかとあり 遠藤梧逸
夏山は寝覚の枕屏風かな 宗因「境海草」
河豚の座の屏風にふかき疵一つ 皆吉爽雨
河豚食ひし顔が屏風の上にのる 井沢正江
花嫁の輝くときの金屏風 今井千鶴子
花過ぎて秋の気もする銀屏風 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
花寂びて日月山水屏風かな 長谷川櫂 古志
蚊をとらふ眼が金屏の剥落に 古舘曹人 能登の蛙
会話にも屏風立てられをりにけり 稲畑廣太郎
海に入る日をこころとし屏風書く 宇佐美魚目 天地存問
海暗くなる金屏風立ち続け 永末恵子
海鼠噛む音しくしくと古屏風 鈴木鷹夫 大津絵
絵屏風に入つてみたき誕生日 浦川聡子
絵屏風に比叡三千坊納む 梶田ふじ子
絵屏風のむかう知つたる顔をして 大石悦子 聞香
絵屏風のわが世になりて古びたる 後藤夜半
絵屏風の山へ逃げゆく道細し 大石雄鬼
絵屏風の死際までも演技して 田浪富布
絵屏風の女を恋ひてかなしけれ 小貝一夢
絵屏風の中も雪降る加賀泊 橋本栄治
絵屏風の鶴の目つきが気になりぬ 夏井いつき
絵屏風の倒れかゝりし火桶かな 子規
絵屏風の年惜めよと展く四季 亀井糸游
絵屏風の撫子赤し子を憶ふ 撫子 正岡子規
絵屏風の名所尽しに遊ぶのみ 真下喜太郎
絵屏風の遊女は遊女いくら見ても 後藤比奈夫 めんない千鳥
絵屏風の洛中に入るさくらかな 神崎忠
絵屏風の龍虎発止と火花散る 邑上キヨノ
絵屏風や病後なごりの二三日 飯田蛇笏 山廬集
貝寄風をここに集めて屏風岩 檜 紀代
垣間見や屏風ものめく家の内 飯田蛇笏 山廬集
覚めてまた今日ある枕屏風かな 中山碧城
割床や屏風の裏に明易き 明け易し 正岡子規
鎌倉の駅を下りたる屏風売 西本一都
甘蔗ばなの影をさばくか石屏風 鳥居おさむ
岩つばめ湧かせ朝日の屏風岩 奈良文夫
岩屏風衿まだ固き水芭蕉 加藤耕子
貴船茶屋屋根も屏風もみな葭簀 岩崎三栄
起き臥しのすこし恙や葭屏風 大橋杣男
起居する灯のふためける屏風かな 吉武月二郎句集
祇園会や飾り屏風も巡行図 南光翠峰
義士屏風女の嗚咽えがかれず 上田フサ子
桔梗活けて屏風は狩野の繋馬 桔梗 正岡子規
汲み置きの水衰ふる屏風かな 山西雅子
居(すえ)風呂や屏風すわらぬ庭の隅 巴流 俳諧撰集「藤の実」
居籠や屏風の裾の筆硯 清原枴童 枴童句集
虚子屏風前に主客の白地かな 井上雪
凶事に金泥尽す屏風かな 大石悦子
曲水を繞らす雛の屏風かな 尾崎紅葉
金泥の無地の衝立春寒し 松藤夏山 夏山句集
金剥落秋冷まとひ屏風の虎 鍵和田[ゆう]子 未来図
金屏にともし火の濃きところかな 高浜虚子
金屏にものの翳ある寒さかな 武藤紀子
金屏にもんぺの新婦鼓のごとく 宮武寒々 朱卓
金屏にわたる虫ある牡丹かな 岡本松浜 白菊
金屏に雨吹きいるる野分かな 蓼太
金屏に宮様虚子を語らるる 星野椿
金屏に君が五木の子守唄 京極杞陽
金屏に袈裟ちかぢかと燭もゆる 飯田蛇笏 春蘭
金屏に人日の目見ず寒牡丹 岡本松浜 白菊
金屏に惜しみなき火の映りつつ 下村槐太 天涯
金屏に惜みなき火のうつりつつ 下村槐太 光背
金屏に昼を灯す雛の店 野見山ひふみ
金屏に灯火の影あるばかり 本田あふひ
金屏に旅して冬を籠る夜ぞ 加舎白雄
金屏のうしろのひとのゆききかな 橋本鶏二 年輪
金屏のかくやくとしてぼたんかな 蕪村「新花摘」
金屏のさかさに夜ごろ燭ともる 飯田蛇笏 春蘭
金屏の金くろずめり山桜 茨木和生 野迫川
金屏の金の剥落山桜 齋藤愼爾
金屏の金ンを放てる虚空かな 上野泰
金屏の金痩せにけり秋の風 小川軽舟
金屏の空の如くに翳りけり 上野泰
金屏の隅に追儺のこぼれ豆 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
金屏の虎が睨んでゐるところ 長谷川櫂 虚空
金屏の松の古さよ冬籠り 松尾芭蕉
金屏の松もふるさよ冬籠 芭蕉 芭蕉庵小文庫
金屏の畳んでありし寒さかな 大石悦子 聞香
金屏の羅は誰があきのかぜ 蕪村
金屏の裏に孵りてまだ飛ばず 中原道夫
金屏の裡の泊りに父の夢 木村蕪城
金屏や寒風描きあるごとく 長谷川櫂 虚空
金屏や刺繍屏風や亀城館 高野素十
金屏や晶子百首をちらしたる 土山紫牛
金屏や父の世に古りいまに古り 上田五千石 風景
金屏風わが生ぶ声の返りくる 岩淵喜代子 螢袋に灯をともす
金屏風何とすばやくたたむこと 飯島晴子(1921-2000)
金屏風何んとすばやくたたむこと 飯島晴子
金屏風傾城こもる秋の暮 秋の暮 正岡子規
金屏風松茸鍋にくもりけり 山田弘子
金屏風立てしがごとく焚火かな 川端茅舎
銀屏にとびつくごとく灯ともりぬ 上村占魚 『球磨』
銀屏に葵の花や社家の庭 野坡「小柑子」
銀屏に今はも心定まりぬ 星野立子
銀屏に今は心も定まりぬ 星野立子
銀屏に今日はも心定まりぬ 星野立子
銀屏に淡し愛子の柩影 伊藤柏翠
銀屏に燃ゆるが如き牡丹哉 牡丹 正岡子規
銀屏に萩を焚く火や光悦寺 橋本鶏二 年輪
銀屏に蕪村の打てる凍み米点 高澤良一 随笑
銀屏に魍魎あそぶ冬燈 富安風生
銀屏の銀の老い行くめでたさよ 池上浩山人
銀屏の古鏡の如く曇りけり 高浜虚子
銀屏の夕べ明りにひそとゐし 杉田久女
銀屏や崩れんとする白牡丹 牡丹 正岡子規
銀屏風にうつす緑や青葉山 盧元
銀屏風紅葉の風に立揺らぎ 京極杞陽 くくたち下巻
銀屏風無月ときめて直しけり 野村喜舟
銀屏風立てし残暑の月夜かな 尾崎紅葉
句を作る屏風の陰や年忘 山口青邨
句屏風の虚子に親しむ一日得し 丸川越司
駒鳥や霧吹きかへす屏風岩 豊長みのる
靴はいてから屏風絵を今一度 波多野爽波 『骰子』
傾城の昼寝はあつし金屏風 昼寝 正岡子規
傾城は屏風の萩に旅寐哉 萩 正岡子規
鶏の目のまはり雪降る金屏風 あざ蓉子
隙間風屏風の山河からも来る 鷹羽狩行
月花のあそびを描く屏風かな 小路智壽子
月蝕のしづかにすすむ金屏風 遠山陽子
月落ちて雲の屏風を星の閨 七夕 正岡子規
見馴れたる物静かなる屏風かな 後藤夜半 底紅
元日の日を満面に屏風巌 関森勝夫
元日やむしろ屏風に梅のかげ 元日 正岡子規
源氏物語の絵屏風立てて新年会 春日井智恵子
源氏屏風に追儺の物の音しける 長谷川かな女 雨 月
古き代の胡粉真白き屏風かな 阿波野青畝
古屏風の金泥淑気はた寒気 鈴木鷹夫
古屏風の潮汲ひとりうしろむき 宇佐美魚目 天地存問
古屏風の剥落とどむべくもなし 松本たかし
古屏風破れしあたりに桃源郷 飯島士朗
枯どぐい海鳴り返す崖屏風 山岸巨狼
虎尾草や鐘掛岸は屏風立ち 本田一杉
五月雨や色紙はげたる古屏風 斯波園女
光琳の金屏の前に祝はれし 石川 梨代
光琳の屏風の梅の香なりけり 細川加賀
公家町や春物深き金屏風 召波
向きかへてふたゝび眠る屏風かな 久保田万太郎 草の丈
紅花の船出を描く屏風かな 小林松代
黒田屏風鬨の声こめ描かれゐる 大橋敦子
今消ゆる夕日をどつと屏風かな 山口青邨
座敷わらし消えて屏風の残りけり 中嶋秀子
冴え返る屏風の銀や霽月忌 三由孝太郎
桜餅置けばなくなる屏風かな 岸本尚毅
三方の山を屏風に輪中秋 関森勝夫
山ざくらまことに白き屏風かな 山口青邨
山と水花と鳥ある屏風かな 後藤夜半
山はまだ知らぬ屏風の紅葉哉 乙由 (百地氏宅)
山靴を脱ぎ金屏の間にとほる 石川桂郎 高蘆
山桜活く玄関の板屏風 茨木和生 遠つ川
山宿の絵屏風なじむ泊りかな 新田千鶴子
山茶花の垣湖の衝立に 山口誓子
山脈のすそが崩れて金屏風 南村健治
山屏風かりがね寒き闇囲ひ 鳥越すみこ
子規選句稿を貼りたる屏風かな 茨木和生 倭
糸繰りの枠積む露地や屏風祭 小笠原貞子(耕)
紙雛に倒れ易くて金屏風 高澤良一 素抱
寺町の奥に秘蔵の屏風かな 平野美子
時雨来と屏風の歌仙隠りけり 阿波野青畝
時鳥鳴くや局の銀屏風 時鳥 正岡子規
次の間へ鈴虫籠を袖屏風 竹腰千恵子 『和景』
鹿の絵の屏風を立てて茶店かな 下村梅子
借りて来し屏風に馴れて住みなれて 上野 章子
借りものといへどめでたし金屏風 森川暁水 黴
手をひかれ屏風見あるく祭かな 大橋櫻坡子 雨月
狩衣をかけて日永し金屏風 日永 正岡子規
受賞者は花束を見ず金屏風 鈴木鷹夫 千年
秀頼の手といふ歌の屏風あり 下村梅子
秋光をさへぎる銀の屏風かな 前田普羅 新訂普羅句集
秋晴や屏風開きに八ヶ岳 岡田日郎
秋風のわたる六曲屏風かな 宇多喜代子
秋風の屏風の蔭の産湯かな 野村喜舟 小石川
秋風や筆みな動く筆屏風 会津八一
舟遊び屏風の如く島ひらき 上野泰 春潮
十三夜炉辺をへだつる小衝立 木村蕪城 一位
祝言の金屏梅に触れにけり 橋本鶏二 年輪
春の夜のともし火赤し金屏風 春の夜 正岡子規
春の夜や屏風の陰に物の息 春の夜 正岡子規
春の夜を屏風囲うて遊ひけり 春の夜 正岡子規
春雨やはなればなれの金屏風 許六
春寒き光琳屏風水流る 行方克己 無言劇
春暁や枕元なる歌屏風 高橋淡路女 梶の葉
春山にそむきて暗き屏風かな 菊池明雲
春山に二十四孝の屏風立つ 後藤夜半
春泥や屏風かついで高足駄 飯田蛇笏 山廬集
春灯や菊勇のかげ銀屏風に 田中冬二 俳句拾遺
春風に屏風の釘の浮いてをり 鈴木鷹夫 春の門
春望といふべし屏風一帆図 森澄雄 空艪
春立つや六枚屏風六歌仙 高浜虚子
春曉や夢の尾消ゆる屏風の絵 松根東洋城
初雪にさらりと鷹の屏風かな 才麿
初嵐衝立はたと倒れける 寺田寅彦
初屏風まへの座布団位あり 井沢正江 湖の伝説
初屏風天の橋立くりひろげ 大石悦子 百花
小屏風にかくれて寝ねし女かな 長谷川かな女
小屏風に人しはぶきす夕蚊遣 蚊遣 正岡子規
小屏風に茶を挽きかかる寒さかな 斜嶺 芭蕉庵小文庫
小屏風のうちの炬燵にくつろぎて 高濱年尾 年尾句集
小屏風の撫子見ても子を思ふ 撫子 正岡子規
少し読めて屏風の文字に待たさるる 田中英子
照明をぐんとしぼつて金屏風 河村信子
笑ふは花歌ふは鳥の屏風かな 上田五千石 琥珀
衝立に良寛の句や蕪蒸し 遠畑勝人
衝立のころびさうなる虫時雨 真山 尹
衝立のへだつ背二つ二日灸 井沢正江
衝立の遺墨の虎や仙忌 小原菁々子
衝立の奥も衝立貴船川床 梶山千鶴子
衝立の花鳥はなやか年忘れ 木国
衝立の金おとろひぬ河豚の宿 楠目橙黄子 橙圃
衝立の虎嘯はだかる写経門 塚田秋邦
衝立の向うよりこゑつつじ寺 高澤良一 暮津
衝立の向冬濤立て昏るる 中原道夫
衝立の繍ひ鳳凰も宵の春 軽部烏帽子 [しどみ]の花
衝立の達磨見まもる名刺受 小路智壽子
衝立の裏にねどこや榾の宿 橋本鶏二 年輪
衝立はしぐれてゐるか煮頃鮒 高橋龍
衝立や栗飯の香を隣なす 石川桂郎 高蘆
衝立や香水の香をその陰に 鈴木鷹夫 大津絵
象川の夜は聞ゆる屏風かな 大峯あきら
畳まれてひたと吸ひつく屏風かな 長谷川櫂
燭置けば金屏巌のごときかな 橋本鶏二 年輪
心ゆく絵紙屏風や冬籠 会津八一
新春の水かがやふや屏風松 落合水尾
真贋はともかく屏風ひらきけり 森村冬人
身に入むと立てし屏風の巡錫図 亀井糸游
身勝手を言ひそばめたる屏風かな 廣江八重櫻
人の世のうつりかはりし屏風かな 鈴木綾園
人の世の屏風の陰といふところ 後藤比奈夫
須磨の宿の屏風に描く千鳥哉 千鳥 正岡子規
水音をはさむ蛍の屏風哉 蛍 正岡子規
水辺の梅を画きし屏風哉 梅 正岡子規
雛の座にかち~山の屏風かな 虚吼
雛の座にかちかち山の屏風かな 相島虚吼
雛屏風舟遊びの図なりしかな 加藤三七子
雛屏風船遊びの図なりしかな 加藤三七子
杉本家屏風祭の案内状 黒田杏子 花下草上
世にうとくなりゆく身なり歌屏風 鈴木綾園
星よ借り着簾台(れんだい)屏風残る松 調古 選集「板東太郎」
晴天に神話ぐらつく金屏風 田中幸子
西海や二人で組んで屏風売 加倉井秋を
醒めきりし丑三ッ刻の金屏風 柴田白葉女
醒めきりし丑三ツ刻の金屏風 柴田白葉女 雨 月
青垣の山たたなはる雛屏風 上田五千石
青簾銀屏よりも撥の冴え 沢木欣一
石楠花や屏風にかこむ巫女だまり 古館曹人
折目正しき屏風より隙間風 鷹羽狩行
雪の精金粉わき立たせ金屏風 永井龍男
雪起しきくべくなりし屏風かな 京極杞陽
雪止みて墨絵の屏風伊賀連山 田中義明
雪信が屏風も見えつ雛祭 高井几董
雪深き夜の金屏風照らひけり 永井龍男
雪晴に明るき百花屏風かな 森田 愛子
雪積みしけはひにしらむ屏風かな 金尾梅の門 古志の歌
浅間嶺へ夕立雲の屏風立ち 深見けん二
曾良に代へ吾が供せん初屏風 山口昭利
相馬家の奔馬屏風も深む秋 宮坂静生 春の鹿
草花の屏風をたゝむ野分哉 也好
袖屏風して迎火を焚きにけり 町田裕康
大寒ややおら銀屏風起ちあがる 佃 悦夫
大石忌遊興の図の屏風展べ 大橋敦子
鷹の絵のかくも古りたる屏風かな 橋本鶏二 年輪
誰が袖を描く遊里の屏風かな 大森扶起子
炭売つて安堵屏風の大字読む 飯田蛇笏 山廬集
短夜やうすものかゝる銀屏風 短夜 正岡子規
短夜やともし火うつる銀屏風 短夜 正岡子規
短夜や枕にちかき銀屏風 蕪村
暖房や葭の衝立扉を隠す 山口誓子
地魚の白身をほぐす葭屏風 綾部仁喜 樸簡
蜘の子や一つ居て這ふ銀屏風 会津八一
竹騒や屏風の鳥の引くさまに 大木あまり
筑波嶺を屏風仕立てに薺摘む 杉本和子
丁子屋のいろはにほへと屏風かな 大石悦子 聞香
丁字屋のいろはにほへと屏風かな 大石悦子
鳥毛立屏風の女に桃供ふ 伊丹さち子
鳥毛屏風展示秋日を遮光して 野村慧二
通夜混みて屏風が倒れかゝりけり 森田峠 三角屋根
鉄瓶の坐りし屏風祭かな 明円のぼる
貼りまぜの屏風や失せし友の句も 及川貞 夕焼
貼りまぜも狂言綺語の屏風かな 高橋睦郎
田鳧啼く屏風しづかにたたまれし 黒田杏子 花下草上
冬ぬくし熔岩を屏風として住まふ 高濱年尾 年尾句集
冬の夜の小屏風立てゝ寐入りけり 筏井竹の門
冬枯や繪の嶋山の貝屏風 冬枯 正岡子規
唐へ行屏風も画やとしの暮 炭 太祇 太祇句選
桃山の屏風めぐらし地虫出づ 山口青邨
湯気立てて花鳥濡れたる屏風かな 橋本鶏二 年輪
内裏雛五曲の金の屏風背に 石井いさお
南蛮の絵屏風立てて曝涼会 若松克子
二位どのが田鶴(たづ)ゑがかせし屏風かな 筑紫磐井 野干
忍の城水攻屏風若葉寺 山口青邨
猫をみて描きし屏風の虎ならん 長谷川櫂 虚空
熱の瞳に動く屏風の花鳥かな 井久保巽
波音や応挙の銀の屏風より 三浦久子
波打てる畳に屏風傾ける 高浜虚子
破れ屏風なれど三十六歌仙 下村梅子
破れ屏風夫在りし日のままに置く 大和田享子
破浪忌や花も供へず屏風立て 飯田蛇笏 山廬集
梅の図の光琳写し雛屏風 大橋敦子 勾 玉以後
梅雨寒や句屏風をたて香をたき 武原はん女
梅雨寒や屏風を渡る蝸牛 庄司瓦全
梅雨鯰古地図にのれる屏風岩 足立 紅
萩寺の屏風に萩の發句哉 萩 正岡子規
萩屏風透けてほとけのけむりだす 河野多希女
伯母の忌の屏風払えば鴨の池 渋谷道
白山屏風そこに渓墨桜の裳 伊藤敬子
白鶴の銀と化したる屏風かな 大石悦子 百花
白屏風谷の魚どちさびはじむ 宇佐美魚目 秋収冬蔵
八けんの灯も衝立のかげも冬 久保田万太郎 流寓抄
抜け山ゆくまめやかものや肉屏風 加藤郁乎
晩秋や金屏除けて富士を見る 鈴木花蓑
尾を垂れて鼠ののれる屏風かな 京極杞陽
美酒や春の屏風のいろは歌 鈴木鷹夫 風の祭
百歳の双子姉妹や金屏風 富田昌宏
氷る岩肌初日さし金屏となりぬ 岡田日郎
病む床や花の春見る屏風越し 杉風
病床の目かくしとなり雛屏風 木場田秀俊
夫恋ひの百首屏風の黴寄せず 八牧美喜子
父ありしごとくに母の屏風かな 黒田杏子
父がたたみ兄の搬びし金屏風 星野恒彦
父の世のはなやかなりし屏風かな 堀内鴻乙
父の世の如金屏と寒牡丹 松本たかし
風音の屏風の内に聞えけり 高浜虚子
風神の衝立古りし生家かな 東畑孝子
風神の衝立立てて神の留守 下村梅子
風吹て禿寒がる屏風哉 寒し 正岡子規
物のけの消えて屏風に蚊の声す 蚊 正岡子規
物知の蘊蓄を聴く屏風かな 野中亮介
蓬莱の屏風の後ろ通りけり 会津八一
北風や山の妙義の屏風立ち 上村占魚 球磨
墨古りて屏風の富士のほのかなり 大橋櫻坡子 雨月
麻刈りて屏風に淋し山の影 麻 正岡子規
枕屏風花鳥の裏の何もなき 高橋淡路女
繭蔵の屏風隔てて婚衣裳 根岸善雄
万太郎のちよぼちよぼ文字屏風かな 中村千絵
茂林寺の縁起屏風に春蚊出づ 神田幸子
木の芽晴風の笛生む屏風岩 雨宮抱星
木曽谷へ霞屏風をめぐらせる 加藤耕子
夜の音遮り更けし屏風かな 吉武月二郎句集
夜の雪屏風一枚ものおもふ 中尾寿美子
夜は秋の死をたたみたる金屏風 井口荘子
夜よりも昼の淋しき屏風かな 岸本尚毅 舜
遊興の図の屏風のべ大石忌 大橋敦子
陽だまりの屏風に虎の寝息かな 岩尾可見
羅かけし屏風に透きて歌麿画 阿部みどり女
落箔のはげしき源氏屏風かな 島田みつ子
利休忌や乱を描きし屏風ある 角 光雄
裏妙義屏風のごとし後の月 上村占魚 球磨
里神楽庄司が屏風借られけり 小杉余子
立てひらく屏風百花の縫ひつぶし 松本たかし
立てまはす古き屏風や隙間風 阿部みどり女 笹鳴
流れ星山屏風して配流めく 文挟夫佐恵 遠い橋
流寓の屏風なきことふとさびし 木村蕪城 寒泉
流鏑馬の絵屏風飾るおん祭 九折和子
嶺屏風ひねもす立てて夏蚕飼ふ 細井みち
礼者迎へ衝立の虎躍り出づ 宮下翠舟
礼帳やたてまはしたる金屏風 高濱虚子
連れ立ちて屏風の裾より雁どち 高澤良一 寒暑
連峰を屏風びらきに桜かな 鷹羽狩行
浪音のをりをりとどく屏風かな 矢島久栄
六曲に委細尽しし屏風かな 大石悦子 百花
六曲の屏風に遊び六歌仙 堀 政尋
六双の屏風に描く気魄かな 高浜虚子
六双屏風並べてみんなみなしご 津のだとも子
六面の銀屏に灯のもみ合へり 上村占魚
囀や枕屏風の水の景 石嶌岳
屏風あり几張なかりし裸雛 後藤比奈夫 めんない千鳥
屏風から糸瓜の枯れに目をうつし 佐々木六戈 百韻反故 吾亦紅
屏風たて子のぬぎしものそのもとに 上野章子
屏風とはかくあたたかき面に立つ 井沢正江 以後
屏風ともり姑の死顔に手を仕ふ 柴田白葉女
屏風には山を画書いて冬籠り 松尾芭蕉
屏風の金惜しむ本家は睡くなる 増山美島
屏風の図ひろげてみれば長恨歌 下村 梅子
屏風はる糊のかはきや秋の蝿 雨柳
屏風ほし老の望の外になし 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
屏風より榛の木立を見るとなく 田中裕明 花間一壺
屏風蔭看護疲の目をふさぎ 清原枴童 枴童句集
屏風絵にかゞまりて船の行火かな 長谷川零余子
屏風絵に丹波は古し薬喰 久保龍 『火口の蝶』
屏風絵の花鳥も古りぬ武家屋敷 松本 美簾
屏風絵の寒山拾得つぶやける 鈴木貞雄
屏風絵の雁の山河に薄日差す 鈴木鷹夫 大津絵
屏風絵の山河たたみて小正月 澤村昭代
屏風絵の松林を行く渺々と 大石香代子
屏風絵の仙人と座す山の寺 松永兼子
屏風絵の鷹が余白を窺へり 中原道夫
屏風絵の男女もわかず古びけり 大橋櫻坡子 雨月
屏風絵の田楽舞も日の永し 辻桃子
屏風絵の婆娑羅も湯女(ゆな)も勤化(くわんげ)かな 筑紫磐井 婆伽梵
屏風絵の文武秀でし女たち 鈴木幸一
屏風絵の鞴祭の絵ときなど 松本たかし
屏風岩河鹿が鳴けば谺する 塚田正子
屏風岩廻ればすぐに滝の前 比叡 野村泊月
屏風岩高く翔れる鴛鴦もあり 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
屏風岩垂水ぞすなり著莪の花 木津柳芽 白鷺抄
屏風岩刳りたる湯壺雪囲ふ 中戸川朝人 星辰
屏風見えゐしに唐紙しまりたる 京極杞陽 くくたち上巻
屏風見に紅毛あがる祭宿 大橋櫻坡子 雨月
屏風祭幾世の人のよぎりけり 西村和子
屏風置き部屋の正面決りけり 稲畑汀子
屏風売つて家運を興すよしもなし 福田蓼汀 秋風挽歌
屏風売ゆらりと曲り荒磯道 岸田稚魚
屏風売ゆらりと曲る荒磯道 岸田稚魚
屏風売軒に疾風を躱しけり 白岩三郎
屏風碑の太陽は白踊子は黒 田村了咲
屏風立つ二つ返事のやりとりに 中原道夫
屏風立つ旅雁の屏風その一つ 後藤夜半 底紅
屏風立てて結界せばき起居かな 松本たかし
屏風立て紅梅殿と申しつつ 後藤夜半 底紅
慟哭の屏風の陰に身を寄せて 斎藤双風
稻妻に屏風をかこふ遊女かな 稲妻 正岡子規
簀屏風に柳垂れたる夜店かな 増田龍雨 龍雨句集
簀屏風を戸口に立てゝ蔵住ひ 渡辺そてつ
繪屏風に木槿を漏るゝ夕日哉 木槿 正岡子規
繪屏風の倒れかゝりし火桶かな 火桶 正岡子規
羚羊に雪吹き上ぐる屏風岩 津野美都江 『ひなげし』
葭屏風あらたまりては話なく 西村和子 かりそめならず
葭屏風立ててへだつる話かな 西村和子
葭屏風立てて待ちゐてくれたるよ 辻桃子
邯鄲の屏風のかげに飼はれをり 辻桃子
靉靆と雲を描きたる屏風かな 森田峠

屛風 補遺

繪屏風の倒れかゝりし火桶かな 正岡子規 火桶
繪屏風に木槿を漏るゝ夕日哉 正岡子規 木槿
稻妻に屏風をかこふ遊女かな 正岡子規 稲妻
煖房や葭の衝立扉を隠す 山口誓子
炬燵に屏風立てて鳩のきている聲 荻原井泉水
濤屏風寄せては倒れ*はまなすに 山口青邨
屏風立て紅梅殿と申しつつ 後藤夜半 底紅
屏風立てて結界せばき起居かな 松本たかし
屏風立つ旅雁の屏風その一つ 後藤夜半 底紅
屏風売朽ちし錨に坐し憩ふ 草間時彦 中年
屏風売ゆらりと曲り荒磯道 岸田稚魚 負け犬
屏風売つて家運を興すよしもなし 福田蓼汀 秋風挽歌
屏風置き部屋の正面決りけり 稲畑汀子
屏風絵の蘆より鴨を追ふところ 松本たかし
屏風絵の中の打ちかけありし烏鷺 後藤比奈夫
屏風絵の漁翁がさげし鯉ひとつ 水原秋櫻子 緑雲
屏風の絵桃山時代よかりけり 後藤比奈夫
屏風して夜の物隠す桃の花 村上鬼城
屏風あり几張なかりし裸雛 後藤比奈夫
凩は屏風を浮かす如く吹く 山口青邨
六面の銀屏に灯のもみ合へる 上村占魚 鮎
露草は屏風這ひも上らん草の宿 山口青邨
龍描かれて金屏の畳まれず 鷹羽狩行
流寓の屏風なきことふとさびし 木村蕪城 寒泉
立てひらく屏風百花の縫ひつぶし 松本たかし
立ててある屏風や疵をかくすやうに 山口青邨
裏妙義屏風のごとし後の月 上村占魚
落款なき紅梅白梅図初屏風 山口青邨
遊船や倒れかかるか崖屏風 能村登四郎
遊君のうち連るる絵の屏風かな 阿波野青畝
夜の屏風牟婁の汐騒きこえずや 阿波野青畝
夢に鳴く八島屏風の千鳥かな 内藤鳴雪
夢に書く墨痕淋漓屏風 山口青邨
末枯の中なる屏風七小町 能村登四郎
枕屏風白き短冊あはれなり 山口青邨
枕屏風のひなげしの花と吾子遊ぶ 篠原梵 年々去来の花 皿
麻刈りて屏風に淋し山の影 正岡子規 麻
魔の鳥の鴉を描きし祭屏風 山口誓子
本屏風人形屏風雛飾る 星野立子
本陣の屏風に鋭目の鷹構へ 阿波野青畝
墨痕を淋漓のままに古屏風 鷹羽狩行
北風や山の妙義の屏風立ち 上村占魚 球磨
焚火して金屏風裡にあるが如 川端茅舎
物のけの消えて屏風に蚊の声す 正岡子規 蚊
福寿草何隠したる古屏風 村上鬼城
風吹て禿寒がる屏風哉 寒し 正岡子規
父の世の如金屏と寒牡丹 松本たかし
彦根屏風また春愁の図とも見る 能村登四郎
尾長来て躑躅の花を屏風とす 山口青邨
板屏風立てし板間の大爐かな 松本たかし
麦の芽や土の屏風の立ちつづき 山口青邨
爆竹に驚く屏風絵の龍も(横浜中華街) 鷹羽狩行
萩寺の屏風に萩の發句哉 正岡子規 萩
梅雨の寺銀屏墨の如く古り 野見山朱鳥 曼珠沙華
芭蕉忌の屏風に天女飛行せり 山口誓子
破浪忌や花も供へず屏風立て 飯田蛇笏 山廬集
濃紅葉と夜を隔てたる句の屏風 中村汀女
忍の城水攻屏風若葉寺 山口青邨
二上の屏風がこひに寒牡丹 能村登四郎
南蛮を富める国とし屏風の絵 後藤比奈夫
燈が入りてひとりさびしき屏風かな 森澄雄
桃山の屏風めぐらし地虫出づ 山口青邨
冬枯や繪の嶋山の貝屏風 正岡子規 冬枯
冬の医王金屏映ゆる館より(金沢郊外、湯涌温泉にて) 細見綾子
貼りまぜの屏風や失せし友の句も 及川貞 夕焼
朝焼の屏風のごとくうつくしく 山口青邨
丁子屋のいつもの屏風「いろはにほ」桂信子 花影
築山を屏風がこひに今年竹 鷹羽狩行
遅降を衝立の町冬を待つ 鷹羽狩行
蜘蛛が呪縛の六枚屏風に父祖の詩 三橋鷹女
短夜やともし火うつる銀屏風 正岡子規 短夜
短夜やうすものかゝる銀屏風 正岡子規 短夜
炭売つて安堵屏風の大字読む 飯田蛇笏 山廬集
瀧屏風をりをり黄鶺鴒放つ 石塚友二 曠日
大江山屏風立ちして冬の村 高野素十
泰平の世の美しき屏風かな 上野泰
蔵ふかきままの金屏鳥ぐもり 鷲谷七菜子 一盞
霜除を出て金屏に寒牡丹 松本たかし
草の家の屏風に張れり絵双六 尾崎放哉 大学時代
前山の漆屏風に天の川 水原秋櫻子 帰心
船からは屏風絵のさま島紅葉 鷹羽狩行
洗場や枯野に藁の衝立して 川端茅舎
浅間嶺へ夕立雲の屏風立ち 深見けん二
雪の宿屋の金屏風だ 尾崎放哉 小豆島時代
折目正しき屏風より隙間風 鷹羽狩行
石楠花や屏風にかこむ巫女だまり 古舘曹人 樹下石上
惜春の屏風絵に塗師・傘づくり 能村登四郎
青垣の山たたなはる雛屏風 上田五千石 森林
青あらし堰きて倒れし葭屏風 百合山羽公 樂土
水辺の梅を画きし屏風哉 正岡子規 梅
水音をはさむ蛍の屏風哉 正岡子規 蛍
須磨の宿の屏風に描く千鳥哉 正岡子規 千鳥
壬生狂言風が屏風を吹き倒す 右城暮石 句集外 昭和四十六年
人の世の屏風の陰といふところ 後藤比奈夫
衝立や栗飯の香を隣なす 石川桂郎 高蘆
衝立もすだれも葭簀川床料理 鷹羽狩行
衝立の夏山の絵や亀城館 高野素十
衝立の陰の声音や薬喰 桂信子 花影
衝立の陰に猫侍すどぜう鍋 村山故郷
衝立のはしに庭見ゆ石蕗の花 富安風生
衝立に隠れて暑き食事かな 村上鬼城
笑ふは花歌ふは鳥の屏風かな 上田五千石 琥珀
小屏風の撫子見ても子を思ふ 正岡子規 撫子
小屏風に竹四五本や雪もよひ 寒食 星野麥丘人
小屏風に人しはぶきす夕蚊遣 正岡子規 蚊遣
小百姓の屏風持ちけり今日の月 村上鬼城
春望といふべし屏風一帆図 森澄雄
春泥や屏風かついで高足駄 飯田蛇笏
春昼や彦根屏風の盲瞽女 安住敦
春宵の金屏風負ふここにあれば 山口青邨
春山に二十四孝の屏風立つ 後藤夜半 翠黛
春寒の銀屏ひきよせ語りけり 杉田久女
春は曙屏風の山に遊びけり 山口青邨
春の夜を屏風囲うて遊ひけり 正岡子規 春の夜
春の夜や屏風の陰に物の息 正岡子規 春の夜
春の夜のともし火赤し金屏風 正岡子規 春の夜
俊成卿九十の賀の雛屏風 飯島晴子
十三夜炉辺をへだつる小衝立 木村蕪城 一位
舟遊び屏風の如く島ひらき 上野泰 春潮
秋燈のま下にくぎる小衝立 星野立子
秋桜明かりの絵本を 屏風立て 伊丹三樹彦
狩衣をかけて日永し金屏風 正岡子規 日永
耳屏風して囀りを聴き分くる 右城暮石 句集外 昭和五十四年
而うして初ひぐらしや虚子屏風 藤田湘子 神楽
時鳥鳴くや局の銀屏風 正岡子規 時鳥
時雨来と屏風の歌仙隠れけり 阿波野青畝
詩の屏風廊板にして立てりけり 山口誓子
山坊すずし古屏風画中真紅の日 中村草田男
山茶花の垣湖の衝立に 山口誓子
山桜屏風に描けるより淡し 山口青邨
山靴を脱ぎ金屏の間にとほる 石川桂郎 高蘆
山の寺蕪村屏風を舒べて待つ 高野素十
山と水花と鳥ある屏風かな 後藤夜半 底紅
山ざくらまことに白き屏風かな 山口青邨
座布団の退いてありたる屏風かな 石田勝彦 秋興以後
今消ゆる夕日をどつと屏風かな 山口青邨
黒奴ゐる屏風の絵とは哀しけれ 後藤比奈夫
鉱の*つる春の屏風と申すべく 山口青邨
甲比丹の跣にならぬ屏風かな 阿波野青畝
公卿たちの短冊屏風背に春夜 大野林火 方円集 昭和五十一年
御手植の松へ躑躅屏風のいざなへる 山口青邨
古屏風の剥落とどむべくもなし 松本たかし
古き代の胡粉真白き屏風かな 阿波野青畝
元日やむしろ屏風に梅のかげ 正岡子規 元日
元日の屏風隠れに化粧かな 河東碧梧桐
軒ごとや背の荷ゆらりと屏風売 草間時彦 中年
見馴れたる物静かなる屏風かな 後藤夜半 底紅
月落ちて雲の屏風を星の閨 正岡子規 七夕
月光に屏風のもののあはれ合戦 山口青邨
月を銀に描きて黒し古屏風 山口青邨
隙間風屏風の山河からも来る 鷹羽狩行
鶏頭を屏風の如くわが書屋 山口青邨
傾城は屏風の萩に旅寐哉 正岡子規 萩
傾城の昼寝はあつし金屏風 正岡子規 昼寝
君が居に小屏風おくる萩の秋 石田波郷
靴はいてから屏風絵を今一度 波多野爽波
空間を画せりただの金屏風 山口誓子
句屏風の二双十二句身に沁めり 松崎鉄之介
句屏風の一句心を領し初め 上野泰
句屏風のおはんの家に遊びけり 山口青邨
句屏風に夏の句がなし面白し 星野立子
句を作る屏風の陰や年忘 山口青邨
銀屏風母の遺骨も蚊帳外に 中村草田男
銀屏を立ててめでたき百姓家 高野素十
銀屏や崩れんとする白牡丹 正岡子規 牡丹
銀屏の夕べ明りにひそと居し 杉田久女
銀屏の文字分かぬまで古りにけり 清崎敏郎
銀屏の前桔梗の挿されけり 河東碧梧桐
銀屏の前に五人の沈金師 高野素十
銀屏に魍魎あそぶ冬燈 富安風生
銀屏に燃ゆるが如き牡丹哉 正岡子規 牡丹
銀屏に今日はも心定まりぬ 星野立子
銀屏にとびつくごとく灯ともりぬ 上村占魚
銀無地の屏風をひらく淑気かな 能村登四郎
金屏風立てしがごとく焚火かな 川端茅舎
金屏風傾城こもる秋の暮 正岡子規 秋の暮
金屏風距つ相客祭宿 山口青邨
金屏風何んとすばやくたたむこと 飯島晴子
金屏風何も書かれぬまま立てり 山口誓子
金屏風ななめに立てて夏座敷 山口青邨
金屏風おはん白々と舞ひにけり 山口青邨
金屏や父の世に古りいまに古り 上田五千石 風景
金屏や刺繍屏風や亀城館 高野素十
金屏や一輪牡丹瓶の中 正岡子規 牡丹
金屏の裡の泊りに父の夢 木村蕪城 寒泉
金屏の如くに倒れ鯉游ぐ 野見山朱鳥 曼珠沙華
金屏の前に置かれし田植笠 高野素十
金屏の前に新婦の父としわれ 富安風生
金屏の前で耳うち呉れしこと 波多野爽波
金屏の人影過ぐる翳りかな 上野泰
金屏の晶子百歌や春火鉢 中村汀女
金屏の虎賓客をまじまじと 阿波野青畝
金屏の空の如くに翳りけり 上野泰
金屏の金ンを放てる虚空かな 上野泰
金屏の金には染り菊の白 後藤比奈夫
金屏のかげりもあらぬ今宵かな 上田五千石『天路』補遺
金屏のかげにうかがふ隙間風 富安風生
金屏のうちの我等や十二月 高野素十
金屏のうこんのいろにまぎれなし 岡井省二 有時
金屏に明暗はあり菖蒲の日 古舘曹人 砂の音
金屏に南国の蠅いまだつよく 中村草田男
金屏に灯さぬ間あり猫の恋 原石鼎 花影
金屏に昼の一間や露の宿 原石鼎 花影
金屏に惜みなき火のうつりつつ 下村槐太 光背
金屏に惜しみなき火の映りつつ 下村槐太 天涯
金屏に紅打ち重ぬ牡丹かな 中村汀女
金屏に銀髪これぞ年賀なる 林翔
金泥の雲屏風出て花の雲 山口誓子
橋に出て屏風掃きけり煤払ひ 原石鼎 花影
峡の栖寝ても雪光金屏風 飯田蛇笏 家郷の霧
桔梗活けて屏風は狩野の繋馬 正岡子規 桔梗
祇園会や衝立に透く塔ひとつ 鷹羽狩行
冠*えいの影は立ちけり雛屏風 山口青邨
鴨宿の屏風金屏とはゆかず 桂信子 花影
割床や屏風の裏に明易き 正岡子規 明け易し
掛大根屏風の如く書を読める 山口青邨
垣間見や屏風ものめく家の内 飯田蛇笏 山廬集
外は今暑きさなかよ葭屏風 星野立子
貝寄風や衝立のごと巌島 鷹羽狩行
絵屏風や病後なごりの二三日 飯田蛇笏 山廬集
絵屏風の遊女は遊女いくら見ても 後藤比奈夫
絵屏風の撫子赤し子を憶ふ 正岡子規 撫子
蚊をとらふ眼が金屏の剥落に 古舘曹人 能登の蛙
花暮るる山楽の屏風また古ぶ 山口青邨
花鳥の絵のはなやげる屏風かな 村山故郷
夏炉あり屏風うごかしつゝ掃除 阿波野青畝
何双も五百羅漢の屏風立つ 阿波野青畝
牡丹崩る屏風の牡丹崩るると 山口青邨
牡丹色とはむかしながらの屏風絵の 山口青邨
牡丹の屏風ことしも逝かんとす 山口青邨
鴬や螺鈿古りたる小衝立 杉田久女
襖あけ屏風に当りさうになる 清崎敏郎
遠望の山河さながら初屏風 鷹羽狩行
嬰児籠の児屏風の花鳥見て機嫌 山口青邨
瓜小屋や筵屏風に二タ間あり 村上鬼城
鵜の川の六双屏風金華山 鷹羽狩行
雨の雁ひとり屏風の月を見る 正岡子規 雁
稲架襖開き屏風の形せる 山口誓子
一枚の波屏風立ち磯焚火 上野泰
一双の秘蔵と見ゆる屏風かな 後藤夜半 底紅
一声や屏風倒れて子規 正岡子規 時鳥
一月や屏風絵めきて卯辰山 鷹羽狩行
一と日父が子とあそぶ暇葭屏風 中村汀女
井戸の辺をすり抜け屏風運ばるる 波多野爽波
囲爐裏火に照り輝くや板屏風 松本たかし
阿羅漢の屏風の間をはしりぬけ 阿波野青畝
をし鳥や廣間に寒き銀屏風 正岡子規 鴛鴦
わが前につつじむらさき屏風なす 山口青邨
わが寝ぬる枕屏風のただましろ 星野立子
わが宿の山を屏風の十三夜 山口青邨
やうやくに座のあたたまる屏風かな 飯田蛇笏
みちのく泊り屏風語中に「月支銭」中村草田男
みちのくの山里かなし屏風売 山口青邨
ほぼ真下より見て屏風岩つつじ 鷹羽狩行
ふるさとや屏風へだてて舸子と寝る 木村蕪城 一位
ひひなより屏風の金の世に古れる 上田五千石『琥珀』補遺
ははそはの習はれし絵の屏風かな 後藤夜半 底紅
ナイ夕ーの燈の衝立は吾に向く 山口誓子
とんでゐる屏風の蝶を向けてあり 阿波野青畝
とりいだす屏風ひらくや山桜 山口青邨
ともしびを剪れば明るき屏風かな 富安風生
ところどころつゝじ咲く也屏風岩 正岡子規 つつじ
つぼみ向きむき水仙の花屏風 鷹羽狩行
ちりかゝるむしろ屏風のもみち哉 散紅葉もみち<木+色> 正岡子規
ぢぢばばに紫つつじ屏風なす 山口青邨
たはれめの彦根屏風の絵にも萩 森澄雄
たゝまれし屏風の傍の黄水仙 上村占魚 鮎
さむかぜに衝立の句碑無季を書く 平畑静塔
こもり居の妻の内気や金屏風 飯田蛇笏 山廬集
こちばかり見てゐる人や屏風の絵 星野立子
くらはんか舟の賑ふ屏風の絵 後藤比奈夫
くらがりに七賢人の屏風かな 山口誓子
あきかぜのそよりと彦根屏風かな 鷲谷七菜子 一盞
あかあかと屏風の裾の忘れもの 波多野爽波
*こおろぎの高音夜の山屏風なす 右城暮石 句集外 昭和十五年

屛風 続補遺

*こおろぎや一夜宿せし歯朶屏風 白雄 白雄句集
*蟋蟀や一夜宿せし歯朶屏風 加舎白雄
あつき日やふつと見かゝる屏風の画 成田蒼虬
かげろふや障子かげろふ金屏風 介我
ながき夜を我にむかふや屏風の檜 夏目成美
なき魂の何を耻て歟立屏風 三宅嘯山
はしらかす屏風のうちや年忘 浪化
ほとゝぎす鳴や屏風に寒山寺 桜井梅室
まつりの日屏風合の判者かな 炭太祇
もみぢ見や寺の屏風のやまざくら 三宅嘯山
わくら葉に立や屏風の木地のふち 荷兮
衣がへ躍らば屏風越ぬべし 琴風
引まはす襖戸の外も稲屏風 北枝
宇治に来て屏風に似たる茶つみかな 鬼貫
鴬も屏風ひとへの初音かな りん女
黄鳥の影たゝみこむ屏風かな 桜井梅室
家わたりや屏風摺小木白ぼたん 支考
菓子売の莚屏風や春の風 許六
海棠の朝の香たゝむ屏風かな 桜井梅室
金屏にあらたまりけり百千鳥 凉菟
金屏に雨吹いるゝ野分かな 蓼太 蓼太句集初編
金屏に乾く時雨のやどりかな 中川乙由
金屏に鶴の歩みや秋の色 露川
金屏に夢見て遊ぶ師走かな 支考
金屏に旅して冬を籠る夜ぞ 加舎白雄
金屏のかくやくとしてぼたんかな 与謝蕪村
金屏の隠者となりて花の春 木因
銀屏に葵の花や社家の庭 野坡
銀屏の夜や七夕の嫁入前 支考
五月雨や色紙はげたる古屏風 園女
公家町や春物深き金屏風 黒柳召波
三か月の影まつ雛の屏風哉 野紅
山はまだしらぬ屏風の紅葉かな 中川乙由
山川や金屏移る華の宿 露川
残されて屏風一重や置火燵 りん女
施餓鬼火や不二を屏風に駿河浜 田川鳳朗
春雨やはなれ~の金屏風 許六
春雨や離れ~の金屏風 許六
暑日や産婦も見えて半屏風 黒柳召波
小屏風に山里涼し腹の上 丈草
小屏風に茶を挽かゝる寒サ哉 斜嶺
小屏風やたてはさまるゝ秋の蝶 夏目成美
小屏風や弟通さぬ雛の関 越人
青柳にのまるゝひなの屏風かな 風国
雪信が屏風も見えつ雛祭 高井几董
扇置秋を屏風の折め哉 沙明
大年や屏風傘味噌畳 〔ブン〕村
竪横と屏風に暮て時雨かな 浪化
短冊の屏風を見たり秋のくれ 黒柳召波
虫ぼしにあそぶ八島の屏風哉 如行
土べたに屏風立けり里祭 卓池
唐へ行屏風も画やとしの暮 炭太祇
年棚の下や屏風の梅の花 岱水
病ム床や花の春見る屏風越 杉風
風の来る道に屏風や后の月 嵐青
仏名や屏風見くらす小僧哉 浪化
物売も橋に屏風や冬籠 露川
楊貴妃を屏風で囲ふ煤払ヒ 許六
蘭の香やほのかに光る金屏風 知足
臨終の屏風張せて老の松 琴風
屏風さへ見れば睡たし梨子の花 寂芝
屏風にて庵仕双らべん冬ごもり 土芳
屏風にて押出す猫の別哉 土芳
屏風にも見しか此絵は秋のくれ 支考





by 575fudemakase | 2017-11-07 08:47 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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