初夏である


初夏である


我が家の庭も桜、椿が終わって楓、紫陽花のシーズンに入った。

と言っても、たった60坪ぐらいの狭い庭。通常の紫陽花を植えたら、

すぐ満杯になってしまうので、アジサイと言っても、山あじさいの方。

目下、瑠璃色のおめめをパチクリさせて、訪れる人をワンダフルと

言わせている。さて初夏の方であるが、角川の「俳句」5月号を見ると

付録に「2017 夏 俳句手帖」が付いている。それから 夏 の季節感溢れる

もの(例句)を拾って見よう。(作者名は原典を参照のこと)


どの雲となく水となく端午かな

花ならぬものとなりゆく牡丹かな

緑さす小鳥も小鳥さすゆびも

送る日は錆びて泰山木の花

老いてゆく驚きの日々かたつむり

夕闇の剥落に似てかはほりは

片蔭のとぎれとぎれとなり途切れ

夕立や次の市電がすぐ後ろ

百合咲くや棒立ちといふまぶしさに

泡消えしビールの前に二人かな

月涼し遺されし者句座に拠り

妹は兄の手花火見るばかり

かなぶんのぶつかつてきし聖書かな


夏雲の動かぬを見て立ちゐたる

青嵐ますらを振りの樟欅

原色の素粒子模型驟雨来る

滴りを水の歓語と聴きゐたり

甚平をたたみ直して夫は亡し

羅を吐息のやうにまとひをり

太陽の上がる速さよ田を植うる

梅を干すあしたの目覚め疑はず

膝を組む母のをりけり夜の団扇

風鈴はとこしへに鳴りつづけゐん

冷房や書店に拾ひ読みをして

そんなに笑ふと線香花火が落ちてしまふ

六人に一人まづしくこどもの日

夏うぐひす英虞は谺のすぐ返る

滑空のひらりと葭へ行々子

はんざきや渥美清のことをふと

天牛のとんだる空のまだそこに

金蠅と若草山に登りけり

蚊柱をしなはせ通る畑境

ががんぼや箪笥に倒れどめ金具

花は葉にたいしたことも考へず

一木の茂りを窓に一日病む

青葉闇大切なのは愚問です

合歓の花あの泣き虫が母となる

瓦礫にもたちまち月日凌霄花

母と子の夜をいろどるさくらんぼ


以上



# by 575fudemakase | 2017-05-27 16:49 | その他 | Trackback | Comments(0)

夜半と比奈夫

夜半と比奈夫


俳句界(2017・4)で特集「夜半と比奈夫」をやっていたので、覗いて見た。

既読の著名な作品は外して、その他の作品で現在の小生の好みに合う作品を

メモってみた。


後藤夜半

春の月上りて暗き波間かな

松の内相見ゆこと美しく

嗜むは草木の薬十三夜

手にお瀧足にお瀧と寒垢離女

噴水の穂をはなれゆく水の玉

端居して遠きところに心置く

風邪を引くいのちありしと思ふかな


後藤比奈夫

人の世をやさしと思ふ花菜漬

雲は行き懸大根はとどまれり

流さるる雛に桟俵の隙間

文字摺の花が次第に渇筆に

腰振ってゐる孑孒といふ字かな


「諷詠」主要作家からは以下。(作者名は同書を参照ください)

陽炎を抜け出して来る馬が勝つ

暗闇を祭の色として使ふ

顔見世のはねて夜だけ残りたる

力抜き金魚を掬ふ手となりぬ

水よりも冷たき鮎をつかみけり

水の味頼りなければ風邪らしき

雨空が雨蛙ばら撒きにけり

鹿の背がいつも静かに逃ぐるなり

雪渓を渡る還らぬ人のごと

悴むんでならないものに糶の声

アフリカに蚤の季節といふがあり

菜の花に明けてゆくなり筑後川

カチューシャを妻が歌へば冬近し

一日は一日蟻も人間も


とりわけ、

雨空が雨蛙ばら撒きにけり

が現在の時候にあって素晴らしい。


以上





# by 575fudemakase | 2017-05-27 13:08 | 句評など | Trackback | Comments(0)

冬瓜 の俳句

冬瓜 の俳句

冬瓜 の例句

あんかけの冬瓜のせてありにけり 田中冬二 俳句拾遺
うすくもる日の冬瓜に細き火を 正木ゆう子 悠
うつし世の冬瓜を煮て透きとほる 辻美奈子
おだやかな漓江下りに冬瓜汁 松崎鉄之介
ことのほか鼈甲いろの冬瓜汁 石田小坡
さびし世の瓜冬瓜や茄子南瓜 横澤放川
そこに在るまゝの冬瓜師と仰ぐ 高澤良一 暮津
その白描冬瓜あはくなりにけり 赤尾兜子
とうがんの透いてくるまで煮てをりぬ 仙田洋子 橋のあなたに
とうがんをにこりともせず煮てをりぬ 仙田洋子 雲は王冠
どこ叩きても冬瓜の貌なりし 上田操
なまけ癖冬瓜汁より移りけり 高澤良一 随笑
ひとところ擦れて冬瓜届きけり 日原傳
ものごとにはじめとをはり冬瓜汁 大石悦子 聞香
もの言へば父ならむこの冬瓜は 鈴木鷹夫 風の祭
やや寒の病棟に炊く冬瓜汁 小島千架子
よきものと冬瓜勧むるくすしかな 黒柳召波 春泥句集
われものと書かれ冬瓜届きけり 山尾玉藻
一刀の断冬瓜の腹真白 宮崎笛人
三角畑守る冬瓜多産なり 百合山羽公
人間をくりかへしてや冬瓜汁 岡井省二
俎板に冬瓜のせてありにけり 田中冬二 俳句拾遺
俳諧は肚(はら)でするもの冬瓜汁 高澤良一 寒暑
冬枯や八百屋の店の赤冬瓜 冬枯 正岡子規
冬瓜か石か一と雨ごとに秋 宇佐美魚目 天地存問
冬瓜さげぽつくり寺の前通る 奥村さだ子
冬瓜といふ曖昧を二三日 赤尾冨美子
冬瓜と帽子置きあり庫裏の縁 北園克衛
冬瓜と老いて友誼を深めけり 相生垣瓜人
冬瓜におもふ事かく月見かな 山口素堂
冬瓜にききすぎし酢や小丼 飯田蛇笏 山廬集
冬瓜にことに燭のいろ地蔵盆 森 澄雄
冬瓜にこんな食べ方あったっけ 高澤良一 暮津
冬瓜に月のいろある今宵かな 森澄雄
冬瓜に笊の坐りのままならず 神山 果泉
冬瓜のいたゞき初むる秋の霜 李由
冬瓜のうぶ毛に刺さる昼の夢 加藤浩子
冬瓜のかくてもあられ降る夜かな カガ-句空 霜 月 月別句集「韻塞」
冬瓜のころげて荒るる畠かな 村上鬼城
冬瓜のごろりごろりと出羽に雲 鷲谷七菜子 天鼓
冬瓜のごろりと上り框かな 吉村 明
冬瓜のごろりと二日ばかりある 飯田希々
冬瓜のどこを撫でても尾*てい骨 北迫正男
冬瓜のなかに棲みたし火点して 大石悦子
冬瓜のひとつがふさぐ野菜籠 和田 祥子
冬瓜のふくらみを撫し男老ゆ 伊藤白潮
冬瓜のほとり日暮れてゐたりけり 長谷川櫂 虚空
冬瓜のほめられてゐる夏料理 岩田由美 夏安
冬瓜のぽつてり煮えて喜寿祝 梶山千鶴子
冬瓜のわた抜くけむり掴むごと 中尾杏子
冬瓜の切口にたつ秋気かな 織田烏不関
冬瓜の味のやうなる人なりし 桝井順子
冬瓜の坐り碧湖となりにけり 山本洋子
冬瓜の実の一郎さん次郎さん 岩淵喜代子 硝子の仲間
冬瓜の寝こけてゐたる朝月夜 百合山羽公 寒雁
冬瓜の尻のしもふり星祭 辻桃子
冬瓜の枕さだむるかかしかな 千代尼
冬瓜の椀にとろける神無月 横山房子
冬瓜の清しき白をサクと切る 祝 恵子
冬瓜の煮方煮崩れ防止策 高澤良一 素抱
冬瓜の白粉も濃くなりにけり 宮川白夢
冬瓜の種を培っておろおろと泣きたいけれど涙がでない 山崎方代 迦葉
冬瓜の粉吹く子規の面がまへ 川崎展宏
冬瓜の翡翠に透けて母の味 長谷川祥子
冬瓜の老人食を出されけり 高澤良一 随笑
冬瓜の腸刳り檻の猪 山田晧人
冬瓜の葉も蔓も無く行く秋や 漁夫
冬瓜の銀あん下処理ねんごろに 高澤良一 素抱
冬瓜の霜粉老寿のまづはじめ 百合山羽公 寒雁
冬瓜の面々授々に他ならぬ 高澤良一 暮津
冬瓜の面取りをして一人かな 平井 梢
冬瓜は父に南瓜は母に似る 近藤巨松
冬瓜やたがひにかはる顔の形 芭 蕉
冬瓜やたがひに変る顔の形 芭蕉
冬瓜やとりとめのなき日の終り 片山由美子 風待月
冬瓜やもろもろにある上と下 中尾寿美子
冬瓜やよよと泣きたる覚えなし 中尾寿美子
冬瓜や改造農家夢肥やし 百合山羽公 寒雁
冬瓜や海ゆく旅を恋ひゐたる 辻美奈子
冬瓜や牛鳴くことも宵の内 山本洋子
冬瓜や置くといふより転がされ 野中 亮介
冬瓜や補陀落浄土ここにあり 角川春樹 夢殿
冬瓜や霜ふりかけし皮の色 霜 正岡子規
冬瓜や霜ふりかけし秋の色 秋の霜 正岡子規
冬瓜をつゝみ大きくうねる線 相生垣瓜人 微茫集
冬瓜をまたぎ青天白日なり 橋石
冬瓜をまはしてなにもなかりけり 原田喬
冬瓜をもてあましをる一家族 高澤良一 寒暑
冬瓜を二つ並べし脳の皺 柿本多映
冬瓜を他人行儀に叩いてみる 田邊香代子
冬瓜を割つて慈愛にゆきあたる 小宅容義
冬瓜を割り半分の置きどころ 水谷芳子
冬瓜を抱えこの身を恥じらいぬ 鳴戸奈菜
冬瓜を提げて五条の橋の上 川崎展宏
冬瓜を提げて五條の橋の上 川崎展宏
冬瓜を月余に亙り愛蔵す 相生垣瓜人 明治草抄
冬瓜を月餘に亙り愛蔵す 相生垣瓜人
冬瓜を求めて蟹の入り来る 相生垣瓜人 微茫集
冬瓜を煮てゐて友を失へり 柿本多映
冬瓜を置ひに鼓楼をくぐりけり 有馬朗人 耳順
冬瓜を買ひきて妻をおどろかす 星野麥丘人
冬瓜を静物として横たふる 相生垣瓜人 明治草抄
冬瓜一つかぼちや二つに馴染まざる 川崎展宏
冬瓜一個ころがり幻想交響楽 遠山 陽子
冬瓜汁すすまぬ箸を奨められ 高澤良一 素抱
冬瓜汁子あればあるで憂ひけり 安住敦
冬瓜汁病院食に何處か似て 高澤良一 寒暑
冬瓜汁空也の痩を願ひけり 加舎白雄
冬瓜汁腹八分とは佳き言葉 高澤良一 寒暑
冬瓜汁還らぬ人に心寄す 岡崎三四子
北京の宿冬瓜汁のうすみどり 細見綾子 存問
吝ん坊のごとく冬瓜煮てとろ火 高澤良一 素抱
器ごと冬瓜冷やしありにけり 鈴木しげを
土間掃いて冬瓜を轉がして置く 前山 百年
地蔵会のこどもの色の紅冬瓜 森澄雄
坐りよき冬瓜を乗せ猫車 本宮哲郎
大冬瓜撫でてゐたしよいつまでも 鳳 佳子
嫁の座といふ冬瓜のごときもの 奥坂まや
子を棄てよ 冬瓜かくもあまかりき 星永文夫
尼留守の冬瓜座る框かな 服部翠生
山寺や斎の冬瓜きざむ音 飯田蛇笏 霊芝
山晴れてとうがんの尻白きこと 飯島晴子
抱き持つ冬瓜に子の温みあり 百瀬美津
指はじきして冬瓜の品定め 川村紫陽
昨夜の熱身ぬちに残り冬瓜汁 岡部名保子
昼月は冬瓜の味してゐたり 鳥居真里子
晩年は引き算ばかり冬瓜汁 高澤良一 暮津
木耳のよき歯当りや冬瓜汁 下村ひろし
木耳のよき歯當りや冬瓜汁 下村ひろし 西陲集
板敷に冬瓜と時をすごしけり 川崎展宏
母逝きて冬瓜汁の遠くなり 小松弘枝
江南の冬瓜枕よりも大 森田峠 逆瀬川
波音の四方に聞ゆる冬瓜かな 八木林之介 青霞集
流れよる冬瓜一つ九十九里 自在丸幸子
猫舌の家内がつくる冬瓜汁 高澤良一 暮津
産み月のごと冬瓜を抱へゆく 宮内とし子
石垣で大きくなりし冬瓜かな 松藤夏山 夏山句集
笠智衆的に冬瓜を切りにけり 服部智恵子
総体にとぼけた味の冬瓜汁 高澤良一 寒暑
腋といふ腋でとうがん持ち去りぬ 攝津幸彦 鹿々集
自己主張せぬ冬瓜を餡掛けに 高澤良一 燕音
舟つくる音を峯(お)越しや冬瓜汁 中戸川朝人 尋声
舟つくる音を峯越しや冬瓜汁 中戸川朝人
買はれ来て冬瓜十日目もごろり 後藤静枝
買ふ人もなき冬瓜の置かれけり 岸本尚毅 舜
賜はりし冬瓜尉の面したり 水口楠子 『泉汲む』
転がりしままの冬瓜日暮れけり 平田はつみ
転がりて蔓の枯れたる冬瓜かな 高木 一水
追ひかけてきて冬瓜をくれにけり 原田喬
陽のぬくみある冬瓜に刃を入れる 河村与志子
鬼城忌の宵は冬瓜汁とせむ 鈴木五鈴
麓人の描く冬瓜や良寛忌 草間時彦 櫻山


冬瓜 補遺

あはあはと冬瓜汁や月今宵 森澄雄
おだやかな漓江下りに冬瓜汁 松崎鉄之介
この佛冬瓜の粉つきし掌か 岡井省二 五劫集
この間から冬瓜が床の間に 飯島晴子
ころがつて秋のありける冬瓜かな 森澄雄
その白描冬瓜あはくなりにけり 赤尾兜子 玄玄
まんぞくといへばまんぞく冬瓜汁 星野麥丘人 2001年
三角畑守る冬瓜多産なり 百合山羽公 樂土
中伏といふおんじきの冬瓜汁 岡井省二 五劫集
人間をくりかへしてや冬瓜汁 岡井省二 鯛の鯛
八朔の大きとうがんいただきぬ 星野麥丘人
冬の暮冬瓜流れ来桃は来ず 森澄雄
冬枯や八百屋の店の赤冬瓜 正岡子規 冬枯
冬瓜が嫌ひで髪の豊かなる 石田勝彦 百千
冬瓜と老いて友誼を深めけり 相生垣瓜人 負暄
冬瓜にききすぎし酢や小丼 飯田蛇笏 山廬集
冬瓜にことに燭のいろ地蔵盆 森澄雄
冬瓜にはにかみのいろ走りけり 飯島晴子
冬瓜により添ひてゐる影淡し 岸田稚魚 紅葉山
冬瓜に月のいろある今宵かな 森澄雄
冬瓜のいくつころがる月の山 岡井省二 夏炉
冬瓜のいはぬことではなき白さ 飯島晴子
冬瓜のごろりごろりと出羽に雲 鷲谷七菜子 天鼓
冬瓜のその無器用な運びざま 岸田稚魚 紅葉山
冬瓜のとどのつまりを見届けむ 飯島晴子
冬瓜のよこたはり居る出来ごころ 飯島晴子
冬瓜の一塊ゆゑに畑あはれ 相生垣瓜人 負暄
冬瓜の出来まづまづや島の畑 亭午 星野麥丘人
冬瓜の姿がありぬ眉とても 岡井省二 猩々
冬瓜の寝こけてゐたる朝月夜 百合山羽公 寒雁
冬瓜の寝そべつて野良まだ広し 百合山羽公 樂土
冬瓜の微笑といふもありさうな 飯島晴子
冬瓜の畑にをるも潮暦 岡井省二 鯨と犀
冬瓜の畑をありく鈍(のろ)の日よ 燕雀 星野麥丘人
冬瓜の白尻叩く讃岐かな 岡井省二 猩々
冬瓜の種とるそこら火と水と 岡井省二 鯨と犀
冬瓜の種採つてゐる万濃池 岡井省二 山色
冬瓜の粉噴いてをる海と山 岡井省二 鯛の鯛
冬瓜の花に触るるも晴夜かな 飯島晴子
冬瓜の霜粉老寿のまづはじめ 百合山羽公 寒雁
冬瓜の面目もなく重ねられ 川端茅舎
冬瓜も*ろうかんの色帯びにけり 相生垣瓜人 負暄
冬瓜や改造農家夢肥やし 百合山羽公 寒雁
冬瓜や霜ふりかけし皮の色 正岡子規 霜
冬瓜や霜ふりかけし秋の色 正岡子規 秋の霜
冬瓜をさがしに妻の出かけけり 燕雀 星野麥丘人
冬瓜をつゝみ大きくうねる線 相生垣瓜人 微茫集
冬瓜をまたぎ青天白日なり 橋閒石俳句選集 『和栲』以後(Ⅱ)
冬瓜を二枚目半と思ひけり 燕雀 星野麥丘人
冬瓜を優男一刀両断す 岸田稚魚 紅葉山
冬瓜を描けり見るに止め得で 相生垣瓜人 負暄
冬瓜を提げきて結婚するといふ 雨滴集 星野麥丘人
冬瓜を月余に亙り愛蔵す 相生垣瓜人 明治草抄
冬瓜を月餘に亙り愛蔵す 相生垣瓜人 明治草
冬瓜を求めて蟹の入り来る 相生垣瓜人 微茫集
冬瓜を矢鱈に重ね小屋は破れ 川端茅舎
冬瓜を買ひきて妻をおどろかす 星野麥丘人
冬瓜を買ひに鼓楼をくぐりけり 有馬朗人 耳順
冬瓜を跨ぎて男ばかりの日 橋閒石 微光
冬瓜を静物として横たふる 相生垣瓜人 明治草抄
冬瓜汁子あればあるで憂ひけり 安住敦
北京の宿冬瓜汁のうすみどり(中国旅行吟) 細見綾子
周平の武士は微禄や冬瓜汁 星野麥丘人 2004年
地蔵会のこどもの色の紅冬瓜 森澄雄
如意輪を祀れる寺の冬瓜畑 森澄雄
嫂と母が来し日の冬瓜汁 雨滴集 星野麥丘人
山寺や斎の冬瓜きざむ音 飯田蛇笏 霊芝
山晴れてとうがんの尻白きこと 飯島晴子
日が没りぬふと冬瓜の喰ひたくて 星野麥丘人
横ざまに抱き冬瓜の下ぶくれ 伊藤白潮
湖の縁冬瓜佛と縄束と 岡井省二 山色
畫かざる日も冬瓜に惹かれけり 相生垣瓜人 明治草
谷空のかくもけうとき冬瓜汁 飯島晴子
麓人の描く冬瓜や良寛忌 草間時彦 櫻山

冬瓜 続補遺

おとづれに冬瓜おかし狂哥よみ 嵐青
かれ~なるやのべに冬瓜の独ぬる 杉風
よきものと冬瓜勧るくすし哉 黒柳召波
冬瓜におもふ事かく月見かな 素堂
冬瓜のいたゞき初る秋の霜 李由
冬瓜のかくてもあられ降夜哉 句空
冬瓜の市もくづるゝ時雨かな 木導
冬瓜の枕さだむるかゝしかな 千代尼
冬瓜の毛ぶかくなるや後の月 曲翠
冬瓜の針立にけり君が指 三宅嘯山
冬瓜の隅に目を待さむさかな 芙雀
冬瓜やことに江湖の寺の背戸 句空
冬瓜やにらみの介が売屋敷 露川
冬瓜やふたつ有礒の浜庇 句空
冬瓜や垣根はなれてはりまなげ 桃妖
冬瓜や棚におのれが霜の儘 三宅嘯山
冬瓜をほめる医者こそ藪の中 支考
冬瓜汁空也の痩を願ひけり 加舎白雄
扨ははや秋も更たり冬瓜汁 露川
月雪や酒を冬瓜に腫やまひ 樗良
雪空に裸でふとる冬瓜かな 梢風尼

以上

# by 575fudemakase | 2017-05-25 06:58 | 秋の季語 | Trackback | Comments(0)

新酒 の俳句

新酒 の俳句
新酒

*ひしこを得て厨に捜る新酒哉 寺田寅彦
ある時は新酒に酔うて悔多き 夏目漱石
うき人の新酒勸めついなみあへず 新酒 正岡子規
くゝ~とつぐ古伊部の新酒かな 皿井旭川
この願ひ新酒の升目寛うせよ 河東碧梧桐
したたらす顎鬚欲しや新酒酌む 平畑静塔
しみじみと新酒噛みしめ通夜の客 白岩 三郎
そばかすをくれたる父と新酒汲む 仙田洋子 雲は王冠
たまさかの君に新酒を參らせん 新酒 正岡子規
だぶだぶと桝をこぼるゝ新酒かな 下村牛伴
とつくんのあととくとくと今年酒 鷹羽狩行 第九
なみなみとともしび揺れて新走 藤原たかを
のむほどに顎したたる新酒かな 飯田蛇笏 山廬集
ばうとして新酒の酔のさめやらず 寺田寅彦
ひんがしに校舎二つの新走 平橋昌子
ふくみみる新酒十点みなよろし 西山小鼓子
ふたぬいて月のかけくむ新酒哉 新酒 正岡子規
ほつほつと話解ぐれて新酒酌む 古市絵未
まづ夫と口もとゆるび今年酒 森谷美恵子
よく飲まば価はとらじ今年酒 太祇
わらぢ売る店に新酒をたづねけり 寺田寅彦
カンテラに新酒をあぶる夜長哉 寺田寅彦
ワイン新酒ひとはきらきら才こぼす 紅露ゆき子
一升瓶千本分の新酒樽 高澤良一 石鏡
一本は彼女の為の新酒かな 稲畑廣太郎
一滴もあまさぬ新酒貧清し 栗生純夫 科野路
三輪山の月をあげたる新酒かな 石嶌岳
世のうさや新酒飲み習ふきのふけふ 新酒 正岡子規
九八屋へそろそろ新酒届く頃 河合寿子
九十九の鼻かけ猿に新酒かな 立花北枝
二三人くらがりに飲む新酒かな 村上鬼城
二三匹馬繋ぎたる新酒かな 新酒 正岡子規
二三子の携へ来る新酒かな 高浜虚子
五斗の米すてゝ久しや今年酒 加藤郁乎 江戸桜
人が酔ふ新酒に遠くゐたりけり 加藤楸邨
今年酒にがきは頒つ友も居ず 新谷ひろし
今年酒鯖もほどよくしまりけり 片山鶏頭子
伊丹風の一句作らばや今年酒 岡野知十
伊香保路や新酒仕込みの杜氏唄 田淵定人
元酒蔵の食事処や今年酒 熊谷愛子
八九分に新酒盛べし菴の月 高井几董
出稼ぎの土産に新酒下げて来し 亀井幸子
升呑の價はとらぬ新酒かな 蕪村遺稿 秋
南国の猪口はおほぶり新走 高橋ツトミ
古酒新酒遠くにありて病みにけり 石川桂郎 四温
可からすと能はすと嘗めし新酒哉 尾崎紅葉
名は要らぬとしてかくして新酒古酒 加藤郁乎 江戸桜
君今來ん新酒の燗のわき上る 新酒 正岡子規
呉れたるは新酒にあらず酒の粕 高浜虚子
唐辛子は赤し新酒は酒倉に 田中冬二 俳句拾遺
四十五年我に妻無し新走 岡本圭岳
国取りの国なる新酒汲みにけり 有馬朗人
地言葉のほろほろ新酒香りけり 東谷満也
大厄を残して夫の新走 中村真由美
大蛇より姫聞こしめす今年酒 小村武子
女人とも淡くなりけり新走 藤田湘子 てんてん
客観のコーヒ-主観の新酒哉 寺田寅彦
宵々の二合のきめや今年酒 抱琴
富士包む闇大いなり新酒酌む 渡邊千枝子
小便して新酒の醉の醒め易き 新酒 正岡子規
居酒屋に新酒の友を得たりけり 新酒 正岡子規
山の声火の声出雲の新走 伊達みえ子
山の聟七晩とまる新酒かな 北村春畦
山ン神祀りて杣の新酒酌む 青柳照葉
山神に新酒を供へ石を切る 児玉 菊比呂
岳下り来て安曇野に新酒酌む 岡田 貞峰
征く君に熱き新酒とおぼえけり(波郷氏出征) 『定本 石橋秀野句文集』
御立ちやるか御立ちやれ新酒菊の花 夏目漱石 明治二十八年
思ふこと新酒に醉ふてしまひけり 新酒 正岡子規
恋にせし新酒呑けりかづら結 炭 太祇 太祇句選
恙なく帰国の夫に新酒酌む 野畑節子
惡僧の評議をこらす新酒かな 新酒 正岡子規
憂あり新酒の酔に托すべく 夏目漱石
憂に堪へて市に出づれば新酒かな 鎌田白浜
我もらじ新酒は人の醒やすき 服部嵐雪
我病で新酒の債をはたらるゝ 新酒 正岡子規
我盛らじ新酒は人の醒易き 嵐 雪
拭きこみし酒蔵の階新走 深見けん二
斧置いて框に杣や今年酒 野村泊月
新走きまつて憶ふ父のこと 岡田すず子
新走その一掬の一引を 稲畑汀子
新走舐めて西鶴忌なりけり 柴田孤岩
新走長広舌を揮ひけり 仲岡楽南
新酒あり馬鹿貝を得つ野の小店 新酒 正岡子規
新酒かけて見ばや祇王の墓の上 新酒 正岡子規
新酒かけ御輿の綱の引き締まる 西池みどり
新酒かや火影を口に運びゐし 三宅隆
新酒くまん四十九年の秋は何 加舎白雄
新酒の栓息噴く如く抜かれけり 長野多禰子
新酒や天窓叩きてまいる人 黒柳召波 春泥句集
新酒や秋風渡る蔵の隅 浜田酒堂
新酒や鳴雪翁の三オンス 新酒 正岡子規
新酒よし蜂の子も可ならずとせず 富安風生
新酒よと言ひつつ進め上手かな 池上不二子
新酒を醸す祈りの杜氏の唄 石塚友二
新酒三盃天高く風髪を吹く 新酒 正岡子規
新酒上りて安堵の杜氏と夕餉かな 比叡 野村泊月
新酒上りて燈明あかし庫の奥 比叡 野村泊月
新酒利くことの得手なる漢かな 高浜年尾
新酒利く杜氏の櫛目乱れなし 多田照江
新酒古酒千木鰹木の構へかな 進藤一考
新酒問へばなしと答へて麻をうむ 寺田寅彦
新酒売る茶店ならぶや二三軒 寺田寅彦
新酒愛づ立ち香ふくみ香残り香と 清水教子
新酒汲みとどのつまりは艶話 片山依子
新酒汲み交はし同居の始まりぬ 中村恵美
新酒甕に盈てり家訓壁に在り 露月句集 石井露月
新酒賣る亭主が虎の話哉 新酒 正岡子規
新酒賣る亭主の髯や水滸傳 新酒 正岡子規
新酒賣る家は小菊の莟かな 新酒 正岡子規
新酒酌むは中山寺の僧どもか 正岡子規
新酒酌むをちの鶏鳴ほろほろと 橋本榮治 越在
新酒酌む口中の傷大にして 櫂未知子 蒙古斑
旅人となりにけるより新酒かな 椎本才麿
旅憂しと歯にしみにけり新走 宇田零雨
日の旗の杉葉に竝ぶ新酒哉 新酒 正岡子規
明き灯に新酒の酔の発しけり 日野草城
更に一杯の新酒を盡せ路遠し 新酒 正岡子規
月高し新酒賣る家は猶一里 新酒 正岡子規
杉玉にみどりの残る新酒蔵 佐藤信子
杉玉の新酒のころを山の雨 文挾夫佐恵
杜氏健在新酒の色の皮膚をせり 栗生純夫 科野路
松風に新酒を澄ます山路かな 支考
枯萩を折焚く宿や今年酒 松瀬青々
柿むいて新酒の酔を醒すべく 寺田寅彦
槽上げの玉ほとばしる新走 慶徳健吾
横波にゆさぶる船の新酒哉 新酒 正岡子規
樽あけて泡吹かれよる新酒かな 飯田蛇笏 山廬集
樽の香の少し残りし新酒かな 高濱年尾
母衣(ほろ)かけて新酒に酔る祭かな 黒柳召波 春泥句集
水は*ばくばく鳥は関々新酒店 廣江八重櫻
浮世いかに貧乏徳利の新酒哉 寺田寅彦
灘五郷ふくべに満たす今年酒 大橋克巳
火男の顔して新酒ふくみ見る 広川鴻
熊皮を敷き延ぶ炉辺や新走 黒崎歩
燗もせぬ新酒の味や唐辛子 寺田寅彦
父が酔ひ家の新酒のうれしさに 召波
父が酔ふ家の新酒のうれしさに 黒柳召波 春泥句集
父に供へ妻が相手や今年酒 今泉貞鳳
牛売りし綱肩にあり新酒汲む 西山泊雲
狐啼いて新酒の醉のさめにけり 新酒 正岡子規
猪口の波そのまま口へ今年酒 角光雄
猪口才な孫を肴に今年酒 川田さちえ
瓢成て入り七合や今年酒 純
甕の罅新酒に熊を祭りけり 会津八一
甘海老のとろりとあまき今年酒 片山鶏頭子
生きてあることのうれしき新酒かな 吉井勇
病床に届けてくれし新走 田畑美穂女
登り窯新酒を小さく祀りたり 辻田克巳
盗みたる新酒の味や唐辛子 寺田寅彦
目しひ目をしばたゝき酔ふ新酒かな 阿波野青畝
直会といふは新酒と鯣なり 猿渡青雨
磊落は新酒を偸む事にあらず 新酒 正岡子規
神饌に産地さまざま今年酒 佐々木久子
秋田より新酒と髭の男来る 都筑智子
竹の風新酒の醉はさめにけり 新酒 正岡子規
竹の風新酒の醉を吹きにけり 新酒 正岡子規
竹立てゝ新酒の風の匂ひかな 新酒 正岡子規
竹立てゝ門に新酒と記しけり 新酒 正岡子規
笑ひ皺ふかめし翁新走 長谷川和子
筋書のなき世は楽し新酒どき 西川 五郎
老いて会ふ寮友三五今年酒 下村ひろし 西陲集
聟入に樽提て来る新酒哉 高井几董
肘張りて新酒をかばふかに飲むよ 中村草田男
胸中の父をよごさず今年酒 岩永佐保
膝がしらたゝいて酔へる新酒かな 大橋櫻坡子 雨月
舟盛はいまだ崩さず今年酒 上林レイ子
船頭の風に吹かるゝ新酒哉 新酒 正岡子規
芒さす樽や新酒の贈り物 古屋幾句拙
菊も咲きぬ新酒盗みに來ませ君 新酒 正岡子規
菊咲いて自ら醸す新酒かな 高浜虚子
落ち合ひて新酒に名乗る医者易者 夏目漱石 明治三十一年
落慶の寺に新酒の樽とゞく 小野 秀子
葬禮の崩れや新酒のむ月夜 新酒 正岡子規
蔵明けて旅人入るゝ新酒かな 月居
薄給に妻を愛する新酒かな 会津八一
衣更へて新酒樽に屋號かく 内田百間
袖口のからくれなゐや新酒つぐ 日野草城
見晴しにドナウの長流新酒愛づ 和田西方
試し飲み弥右衛門さんの今年酒 高澤良一 石鏡
詩僧棲む此庫裡新酒熟すべし 渋川玄耳 渋川玄耳句集
諏訪明神のわれも氏子よ新酒酌む 矢崎良子
貧農の足よろよろと新酒かな 飯田蛇笏
貧農の足よろ~と新酒かな 飯田蛇笏 霊芝
買ほどは尽さぬ旅の新酒かな 黒柳召波 春泥句集
迸る音の確や新走 富田のぼる
遠山は雨か飲み干す新走 服部一彦
還暦の祝や新走二本 根津芙紗
酔うてよき越後のどぶといふ新酒 後藤比奈夫 めんない千鳥
酔へば足る新酒否まず古酒辞せず 三溝沙美
野蕪漬辛し新酒の封を切る 谷内茂
長老と諸君とありて新酒酌む 富田巨鹿
陶狸新酒の味見終へた貌 橋本雅枝
霊前の榊にそゝぐ新酒哉 寺田寅彦
願はくば生(き)のまま召せと新酒着く 高澤良一 宿好
風に名のついて吹くより新酒かな 斯波園女
風の名の付いて吹きよる新酒かな 園女 俳諧撰集玉藻集
風をあるいてきて新酒いつぱい 山頭火
飲めといふあと無口なる新走 辻美奈子
馥郁と流人の島の今年酒 鳥居おさむ
馬叱る新酒の醉や頬冠 新酒 正岡子規
馬方に價問ひけり今年酒 寺田寅彦
馬鹿貝の名をなつかしみ新酒哉 新酒 正岡子規
駆け降りて高尾の蕎麦屋新酒汲む 矢野春行士
駕かきのすき腹に飲む新酒哉 新酒 正岡子規
駕に揺る新酒の醉や眠くなる 新酒 正岡子規
駕舁のすき腹に飲む新酒かな 正岡子規
高嶺星わけなく新酒酌みにけり 武田伸一
鬼貫や新酒の中の貧に處ス 蕪村 秋之部 ■ 几董と鳴瀧に遊ぶ

新酒 補遺

うき人の新酒勸めついなみあへず 正岡子規 新酒
かねがねもひとりが好きや今年酒 中村汀女
きよらかに白盃や今年酒 日野草城
ことほぐに古酒も新酒もなかりけり 上田五千石『琥珀』補遺
この願ひ新酒の升目寛うせよ 河東碧梧桐
したたらす顎髯欲しや新酒酌む 平畑静塔
すきはらの舌にするどき新酒かな 日野草城
たまさかの君に新酒を參らせん 正岡子規 新酒
とつくんのあととくとくと今年酒 鷹羽狩行
ながらへよとて今年米今年酒 鷹羽狩行
のむほどに顎したたる新酒かな 飯田蛇笏 山廬集
ふたぬいて月のかけくむ新酒哉 正岡子規 新酒
下戸なりし師も神にます新酒召せ 林翔
世のうさや新酒飲み習ふきのふけふ 正岡子規 新酒
丹波よりうまかりし筈新酒著く 高浜年尾
二三匹馬繋ぎたる新酒かな 正岡子規 新酒
人が酔ふ新酒に遠くゐたりけり加藤秋邨
先づは取る可杯(べくさかづき)や新走 三橋敏雄
古酒新酒みちのく人と酌み交す 高野素十
古酒新酒遠くにありて病みにけり 石川桂郎 四温
君今來ん新酒の燗のわき上る 正岡子規 新酒
呑口をほとばしりたる新酒かな 日野草城
外ケ浜見てきしよりの新酒かな 高野素十
小便して新酒の醉の醒め易き 正岡子規 新酒
居酒屋に新酒の友を得たりけり 正岡子規 新酒
山の色しふねくこぞる新走 飯島晴子
征く君に熱き新酒とおぼえけり 石橋秀野
思ふこと新酒に醉ふてしまひけり 正岡子規 新酒
惡僧の評議をこらす新酒かな 正岡子規 新酒
愁人に今宵すゝむる新酒かな 村山故郷
我病で新酒の債をはたらるゝ 正岡子規 新酒
手力や新酒の樽に錐を立つ 日野草城
故人こゝに在りし遺物と新酒かな 河東碧梧桐
新走その一掬の一引を 稲畑汀子
新酒あり馬鹿貝を得つ野の小店 正岡子規 新酒
新酒かけて見ばや祇王の墓の上 正岡子規 新酒
新酒や鳴雪翁の三オンス 正岡子規 新酒
新酒三盃天高く風髪を吹く 正岡子規 新酒
新酒賣る亭主が虎の話哉 正岡子規 新酒
新酒賣る亭主の髯や水滸傳 正岡子規 新酒
新酒賣る家は小菊の莟かな 正岡子規 新酒
新酒酌むは中山寺の僧どもか 正岡子規 新酒
日の旗の杉葉に竝ぶ新酒哉 正岡子規 新酒
明き灯に新酒の酔の発しけり 日野草城
更に一杯の新酒を盡せ路遠し 正岡子規 新酒
月高し新酒賣る家は猶一里 正岡子規 新酒
東宮司富岡宮司新酒酌む 高野素十
横波にゆさぶる船の新酒哉 正岡子規 新酒
樽あけて泡吹かれよる新酒かな 飯田蛇笏 山廬集
炉の側に信夫女と新酒かな 河東碧梧桐
狐啼いて新酒の醉のさめにけり 正岡子規 新酒
癩者見し新酒美酒飲む人も見し 中村草田男
目しひ目をしばたたき酔ふ新酒かな 阿波野青畝
磊落は新酒を偸む事にあらず 正岡子規 新酒
竹の風新酒の醉はさめにけり 正岡子規 新酒
竹の風新酒の醉を吹きにけり 正岡子規 新酒
竹立てゝ新酒の風の匂ひかな 正岡子規 新酒
竹立てゝ門に新酒と記しけり 正岡子規 新酒
老いたりや舐めてすぐ足る今年酒 森澄雄
職人衆に注ぐ新酒の口鳴れり 松崎鉄之介
肘張りて新酒をかばふかに飲むよ 中村草田男
肴謡戦友と酌む新酒かな 松崎鉄之介
船頭の風に吹かるゝ新酒哉 正岡子規 新酒
草の戸に辰馬が新酒匂ひけり 河東碧梧桐
菊も咲きぬ新酒盗みに來ませ君 正岡子規 新酒
葬禮の崩れや新酒のむ月夜 正岡子規 新酒
袖口のからくれなゐや新酒つぐ 日野草城
貧農の足よろ~と新酒かな 飯田蛇笏 霊芝
酔うてよき越後のどぶといふ新酒 後藤比奈夫
馬叱る新酒の醉や頬冠 正岡子規 新酒
馬鹿貝の名をなつかしみ新酒哉 正岡子規 新酒
駕かきのすき腹に飲む新酒哉 正岡子規 新酒
駕に揺る新酒の醉や眠くなる 正岡子規 新酒
鬼貫のこれや伊丹の新走 星野麥丘人 2001年

新酒 続補遺

あら川の音聞て酔ふ新酒かな 桜井梅室
うけ持た盃軽き新酒哉 三宅嘯山
かけ出の貝にもてなす新酒哉 其角
さめやすき新酒はくまじ白雄来 鈴木道彦
はじめから跡振て見る新酒哉 鳳朗
ひと徳利別にちいいさき新酒哉 成田蒼虬
よもすがら津に新酒で泥に成る 乙訓
一ッづゝ新酒の酔の跡ぞ追ふ 三宅嘯山
一盃に貝つくりたる新酒哉 三宅嘯山
九十九の鼻かけ猿に新酒哉 北枝
二階から二階へ送る新酒かな 木導
今年酒箒にまつる日もありや 寥松
八九分に新酒盛べし菴の月 高井几董
八庄司新酒拡めの喧嘩かな 三宅嘯山
凝るこゝろ新酒の沫に散もの歟 寥松
初萩の花の雫に新酒かな 沙明
噛酒の代を語らばや今年酒 存碩 江左風流
恋にせし新酒呑けりかづら結 炭太祇
我もらじ新酒は人の醒やすき 嵐雪
我れもらじ新酒は人の醒やすき 嵐雪 玄峰集
戸をたゝく人も寐声や新酒買 野坡
手短に新酒の酔の男らし 三宅嘯山
新酒にはよき肩あり松の月 支考
新酒に酔ふはえふ同士五百弟子 支考
新酒の伊丹の湯には幾廻り 〔ブン〕村
新酒の樽のかゞみや旅の宿 許六
新酒の銭がめ橋や駕のもの 凉菟
新酒まで盃とりし仏かな 乙訓
新酒や天窓叩てまいる人 黒柳召波
新酒や秋風渡る蔵の隅 洒堂
新酒や青葉そへたる酒ばやし 呂風
新酒少し色に出けり百の媚 三宅嘯山
新酒酌て又見直すや角田川 田崔産 犬古今
旅人となりにけるより新酒哉 椎本才麿
末とげぬ人にたとへて新酒かな 素丸 素丸発句集
松風に新酒を澄す山路かな 支考
母衣かけて新酒に酔る祭哉 黒柳召波
涼風や新酒をおもふ蔵の窓 支考
湯女臭き有馬の里の新酒かな 許六
炉びらきもちかし新酒のあたゝまり 怒風
父が酔家の新酒のうれしさに 黒柳召波
片手つく下女が酌にて新酒哉 木導
町内の新酒ひろめや口ふさぎ 諷竹
聟入に樽提て来る新酒哉 高井几董
草鞋のまゝにかけ寄る新酒かな 馬場存義
蕣のあはれをかへせ新酒汲 松窓乙二
衣裳にも恋にも替し新酒籠 東皐
買ほどは尽さぬ旅の新酒哉 黒柳召波
足あぶる亭主にきけば新酒哉 其角
風に名のついて吹より新酒哉 園女
風流の宿や新酒の器まで 凉菟
馬士の雪をほしがる新酒哉 風国

以上

# by 575fudemakase | 2017-05-25 05:41 | 秋の季語 | Trackback | Comments(0)

後評(2017・5)

後評(2017・5)


6束の間の連綿として春尽きぬ

作者は「束の間」がずーと続いていると言っているんですね?そして春が

尽きると云つているんですね? しかし肝心な実態が示されていない。

これは何だと言う訳であるが、胸にすとんと収まるところもある。

この句は解釈するな、以心伝心で判れとでも言っているような句である。


9麦笛に野良の一服なりしかな

農俳句が身についていますなぁ…と言いたい。


18山の辺の名もなき古墳竹散れり

俳句は無名がいい… を懐かしく思いだす。


32夏来る大琵琶の沖海の色

ひとつ難点がありとせば、色である。「いろ」と平仮名にしたい。

これ以上の解説はしたくない。


48学級に馴染みし子らに夏来たる

学級に馴染みし子ら と実に細かいタイミングを見ている

この観察眼が全てである。


55東天紅の神さぶ声に夏立てり

神さぶ声に にグットタイミングのものを持って来た。夏立てり である。


67立夏なり仕立て下ろしの波と風

「仕立て下ろし」は一寸粋であると思えるも、どこか小智であるとも…

まあ硬いことは言わずに頂いて置こう。


72茶屋町の紅殻格子燕交ふ

茶屋町の紅殻格子 はどこかありそう。其れに配するに 乙鳥。

まあ出来ているのでしょうね…


89そら豆の花の目怖し母は亡し

この子はこどもの時、そら豆の花が怖いと言っては … と事ある度に

からかっていたその母も今や亡しと言うことか?


138団扇太鼓に合わせ山鳥母衣を打つ

団扇太鼓は幾たびも聞いた。唯 山鳥の母衣を打つが適切であるか否かであるが、

適切と思えた。


171昭和の日キューピーの浮く船溜り

「天皇誕生日」「みどりの日」「昭和の日」と変遷した。

老人にとって、回顧詠は得手である。横浜育ちの小生にとって、

濱の定例句会のあった石川町あたりの船溜まりでは日常茶飯に見られ景で

あつたと記憶する。人形と言えば横濱は 赤い靴履いてた女の子…の故郷

である。



149芽吹き急トピアリーパンダの歩きさふ

177下闇の見えぬわたかの水輪生む

上記 二句を

トピアリーパンダのっそり芽吹く中

下闇にうっすらわたかの水輪生む

と改変した方がよいのでは…と申すのが小生の意見。


状況を仔細に渡って述べる替わりに「のっそり」「うっすら」なる擬態語で

むんずとやってしまった方が手取り早いと思うのである。

擬態語の効用と言いたい。


# by 575fudemakase | 2017-05-21 03:08 | ねずみのこまくら句会 | Trackback | Comments(0)


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


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らくらく例句検索

インターネットの「Google」や「yahoo」の検索ボックスから、季語等を入力して数多くの例句を得られれば大変便利である。

具体的に季語“新樹”の例句を求めるには、先ず検索ボックスに“新樹”と入力する。
その後、ひらかなで“れいく”と入力する。この時、日本語変換候補に幾つかの語彙が表示されるが、その中から“575筆まか勢”を選択する。
この結果、検索ボックスには “新樹575筆まか勢”と表示される筈である。
この用語で検索すれば求めるサイトが表示される。

但し、上述の ひらかなの“れいく”と入力して“575筆まか勢”を選択する為には、事前に小細工をしておく必要がある。
即ち、ユーザーズ辞書を使って “れいく=575筆まか勢”を定義しておく必要がある。以下はその指定方法。

ユーザーズ辞書定義

▼iPadの場合
設定>一般>キーボード>ユーザーズ辞書

単語 575筆まか勢
よみ れいく

▼kindleの場合
アプリ>設定>言語とキーボード>キーボードの設定>ユーザーズ辞書

読み れいく
表記 575筆まか勢

PCの場合も同様に「ユーザーズ辞書」機能を使い、前もって定義しておく。

春の季語から現在の当季季語までは既に表示可能である。
来年の三月末(2015年3月末)までに全季語について表示可能となる。

以上

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