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初夏である


初夏である


我が家の庭も桜、椿が終わって楓、紫陽花のシーズンに入った。

と言っても、たった60坪ぐらいの狭い庭。通常の紫陽花を植えたら、

すぐ満杯になってしまうので、アジサイと言っても、山あじさいの方。

目下、瑠璃色のおめめをパチクリさせて、訪れる人をワンダフルと

言わせている。さて初夏の方であるが、角川の「俳句」5月号を見ると

付録に「2017 夏 俳句手帖」が付いている。それから 夏 の季節感溢れる

もの(例句)を拾って見よう。(作者名は原典を参照のこと)


どの雲となく水となく端午かな

花ならぬものとなりゆく牡丹かな

緑さす小鳥も小鳥さすゆびも

送る日は錆びて泰山木の花

老いてゆく驚きの日々かたつむり

夕闇の剥落に似てかはほりは

片蔭のとぎれとぎれとなり途切れ

夕立や次の市電がすぐ後ろ

百合咲くや棒立ちといふまぶしさに

泡消えしビールの前に二人かな

月涼し遺されし者句座に拠り

妹は兄の手花火見るばかり

かなぶんのぶつかつてきし聖書かな


夏雲の動かぬを見て立ちゐたる

青嵐ますらを振りの樟欅

原色の素粒子模型驟雨来る

滴りを水の歓語と聴きゐたり

甚平をたたみ直して夫は亡し

羅を吐息のやうにまとひをり

太陽の上がる速さよ田を植うる

梅を干すあしたの目覚め疑はず

膝を組む母のをりけり夜の団扇

風鈴はとこしへに鳴りつづけゐん

冷房や書店に拾ひ読みをして

そんなに笑ふと線香花火が落ちてしまふ

六人に一人まづしくこどもの日

夏うぐひす英虞は谺のすぐ返る

滑空のひらりと葭へ行々子

はんざきや渥美清のことをふと

天牛のとんだる空のまだそこに

金蠅と若草山に登りけり

蚊柱をしなはせ通る畑境

ががんぼや箪笥に倒れどめ金具

花は葉にたいしたことも考へず

一木の茂りを窓に一日病む

青葉闇大切なのは愚問です

合歓の花あの泣き虫が母となる

瓦礫にもたちまち月日凌霄花

母と子の夜をいろどるさくらんぼ


以上



by 575fudemakase | 2017-05-27 16:49 | その他 | Trackback | Comments(0)

2016年 8月 ねずみのこまくら句会の諸句

2016年 8月 ねずみのこまくら句会の諸句

予選でザッと句を抜いてみたら、下記の如くとなった。
句の前の番号は、選句稿の通し番号
気づいた点ズバズバとやりますが妄言陳謝。

2天平仏青葭一本高き供花
3中庭に平笊十枚梅干しぬ
5揚花火独立記念日夜を徹し
8七日盆小餅の予約済ませけり
9初秋の水面に鳥の飛び交ひて
12青葉木兎眠りつく間の泰さかな
15魂棚の父母の句帳に眼鏡添へ
23勉強は明日やるよと花火の夜
25姦しく鬼灯籠を提げて乗る
27八月大名爪を磨いてみたくなり
29夜に蛾の張り付きしまま朝の窓
32釣り堀の誰も釣る気のなささうな
33雷に焦ぐ大樹も神としてさやか
35盆僧の御足の怪我に椅子用意
36夕焼けて千木の金泥神宿る
39夕日より赤きギヤマン耳飾
46大護摩火消えたる闇にあをばづく
47山蛭降る俊寛妻子隠れ窟
54禅定の白鷺佇てる一脚に
59流るると見えて水母の泳ぎをり
61夏山を借景にして文学部
63ビル街の空縦横に夏燕
66為損じの苦笑幾度蟻地獄
69立秋や浦曲の空に魚を干し
70合歓の花峡に嫁ぎしパリジェンヌ
78走り穂の甘き香流る御神田かな
80築山の笹刈り濟ませ汗の顔
83ビー玉に海の色ある夏夕べ
87瀬田川の下流をひとりカヌー漕ぐ
88夕焼けの雲上真っ只中を航く
89飛ぶ時の羽音高しよ唖の蝉
90帰省子の一日たりとも家に居ず
95同齢の葬を昨日に螻蛄の鳴く
97鷺草の枯れかけてなほ飛ぶ構へ
99野良に出る渦巻蚊遣二つ折り
101蜩の率ゐるものとつくものと
102ひづめあるもの集ひ来る泉かな
109地ぼてりや義民宗吾の直訴道
110ひぐらしや一人っきりの野良帰り
112見えねども頬過る風今朝の秋
113書く手止め真夜の蝉声聞いてをり
115ビール酌む水上飛行機の灯を見つつ
123宣言と言へないまでも梅雨開くる
128空蝉の姫ひおうぎにすがりをり
134初秋の湖の艇庫を開け放し
136はらからの吾れのみ残る断腸花
137桔梗や朝の空気のひんやりと
140地蔵盆蝗の飴煮売り切れに
141をととひのままの日捲り梅雨明けぬ
152麦藁帽一と雨のきてよれよれよ
153夕焼をひとり下校のランドセル
158岩牡蠣はてのひら程や海の家
162羽抜鳥につぶらな瞳ありにけり
169父の日のそれはなかなかいい話
178線香の焦げ跡二本盆畳
180阿蘇噴煙くっきり白く梅雨明けぬ
181立秋や歩くすがたの雲とゐて
182竹串の白き肌(はだえ)や鮎を打つ
185水の裏ばかりを金魚見て泳ぐ


以上
by 575fudemakase | 2016-08-18 16:29 | その他 | Trackback | Comments(0)

シルバー川柳

シルバー川柳

かって、サラリーマン川柳というものがあることは承知していたが、
最近、シルバー川柳というものがあるのを知って驚いた。
小生も今年後期高齢者となった。
この歳になって、我が身にビンビンと響くシルバー川柳が面白い。
俳句と同様、共鳴するものを挙げてみよう。
因みに、出版部数はシリーズ累計で60万部 突破!とのこと。

▼シルバー川柳  ポプラ社 2012・9・11 より

日帰りで行ってみたいな天国に
紙とペン探してる間に句を忘れ
三時間待って病名「加齢です」
起きたけど寝るまでとくに用もなし
躓いて何もない道振り返り
ガガよりもハデだぞウチのレディーババ
指一本スマホとオレをつかう妻
遺影用笑い過ぎだと却下され
誕生日ローソク吹いて立ちくらみ
万歩計半分以上探しもの
なれそめを初めてきいた通夜の晩
お迎えはどこから来るのと孫が聞く
目には蚊を耳には蝉を飼っている
「お年です」それが病気か田舎医者
探しものやっと探して置き忘れ
なぁお前はいてるパンツ俺のだが
腰よりも口につけたい万歩計
立ちあがり用事忘れてまた座る
立ちあがり用を忘れて立ちつくし
無農薬こだわりながら薬漬け
婆さんよ犬への愛を少しくれ
ご無沙汰を故人がつなぐ葬儀場
お若いと言われ帽子を脱ぎそびれ
このごろは話も入れ歯も噛み合わず
いざ出陣眼鏡補聴器義歯携帯
くり言を犬はまじめな顔で聞く
定年だ今日から黒を黒と言う
自己紹介趣味と病気をひとつずつ
景色よりトイレが気になる観光地
手をつなぐ昔はデート今介護
「こないだ」と五十年前の話する
年重ねくしゃみするのも命がけ

▼シルバー川柳2 ポプラ社 2013・3・6 より

その昔恐竜見たかと問う曽孫
五十年かかって鍋と蓋が合う
老後にと残した夢も夢のまま
老人会ハイカイ王子がまた一人
今日も又雨戸を開けて無事知らせ
お出かけは歯科外科内科耳鼻眼科
ああくやし夫の名前がでてこない
猫だけが今日の出来事聞き相手
恐いもの見たさや妻のフラダンス
合掌の姿で乗った体重計
空気よりお経読みたくなる老後
目ん玉もはずしてみせてとせがまれる
遺言を二度も書いたがこの元気
祖父と祖母ツッコミなしのダブルボケ
子には脛孫には虎の子かじられる
「アーンして」むかしラブラブいま介護
つまずいたふと見た床に段差なし
持病には医者顔負けの知識あり
老後にと汗した家で一人棲む
動かないエレベーターや押し忘れ
味のある字とほめられた手の震え

▼シルバー川柳3 ポプラ社 2013・9・11より

孫が聞く膝が笑うとどんな声?
白内障術後びっくりシミとシワ
本性が出ると言うからボケられぬ
ひ孫の名読めない書けない聞きとれない
症状を言えば言う程薬増え
お迎えは何時でも良いが今日は嫌
欲しいもの今じゃ優しさだけになり
足腰を鍛えりゃ徘徊おそれられ
来世も一緒になろうと犬に言い
この墓も入居間近とよく磨く
居れば邪魔出かけりゃ事故かと気をもませ
亡き妻と朝は分け合う健康茶
年寄りに渡る世間は罠ばかり
あの世ではお友達よと妻が言い
混浴は足湯だったと友ぼやき
食事会薬でしめておひらきに
補聴器をそっとはずして聞く小言
「アレどこだ?」「アレはあそこにソレですよ」
断捨離を始めた妻が俺を見る
しわふえて生命線も手首まで
ヤブ医者めみんな老化で片づける
約束は「生きとったらな」の但し書き
体中ひび われ・ゆがみ・水不足
あの世にはあるのだろうか冥土カフェ
年上がタイプだけれどもういない
はげぬうち遺影を撮れとせかす妻
日本語でたてて下さいケアプラン
AKBわしらはこれよAED
ばあさんが「若奥様」で振り返る
口喧嘩昭和初期まで蒸し返す
わが家での序列は妻・犬・金魚・オレ
勧誘に夫婦二人でぼけた振り
背で泣いた孫に背負われ芝居見る
孫の菓子食べたと言えずねこのせい
夫婦して風呂めし済んでまだ六時

▼シルバー川柳4 ポプラ社 2014・9・10より

叱った子に今は優しく手をひかれ
恐妻を天使に変えた認知症
鏡見て懐かしくなる母の顔
元酒豪今はシラフで千鳥足
LED絶対見てやる切れるとこ
どこで見る東京五輪天か地か
老いるとはこういうことか老いて知る
あの世より近い気がする宇宙行き
運動会撮った写真に孫いない
ディケアでスマホあやつりヒーローに
フラダンスぷんぷん匂う湿布薬
関心はAKBよりPPK (PPKはピンピンコロリの意)
自慢した高台もはや恨めしい
病院の待ち合い室もしきる妻
決めゼリフ「冥土のみやげ」でまた旅行
たくましい俺が出てくる夢の中
早起きは徳と言いつつ今朝も二時
この頃は医者に意見をして帰る
大福を食べると娘に見守られ
自費出版葬儀代にと止められる
青信号渡りきれたらまだ若い
今日にでも死にたい人が鰻丼

▼シルバー川柳5 ポプラ社 2015・9・8より

長生きをほめる世間に子は疲れ
年賀状出さずにいたら死亡説
お互いにボケかトボケか気がつかず
浪花節何のだしかと嫁が聞き
想い出が身辺整理の邪魔をする
うす味を愛だと知った四十年
確かめるむかし愛情いま寝息
孫の名は読めない書けないわからない
図書館の快眠夜につけがくる
会社やめいつのまにやら妻の部下
家の中あがりこんだら別の家
バレエ会妻だけトドの盆踊り
書道中「戒名」ですかと覗く老妻(つま)
たまに来る嫁は決まって客気分
仏壇のローソク借りる誕生日
歳とれば誰も貰える脳減る賞
余生とは妻に従い暮らすこと
レントゲン「息を止めて」で咳こんで
シワシワで喜怒哀楽に差が出ない
乾杯の前に黙禱クラス会
息子よりすぐ来てくれる救急車
アマゾンで買ったという孫いつ行った
百歳を生きてみたいが予算難
親よりも先に逝くなと百の母
爺と婆どっちが好きと犬に聞き
血圧を納得するまで計る父
人混みで疲れ過呼吸寝て無呼吸
本当に寝ているのかと揺する妻
とっておけ孫の歩行器使うかも
ヘルパーに抱かれたじいちゃん赤くなる
戒名の好みを坊さん聞きに来た
最新の病名もらい得意顔
車椅子乗りたい私が押している
妻と俺いつの間にやら妖と怪
爺ちゃんが描き足している生命線

以上
by 575fudemakase | 2016-03-01 06:07 | その他 | Trackback | Comments(0)

2016年 1月 ねずみのこまくら句会の諸句(コメント付)

2016年 1月 ねずみのこまくら句会の諸句(コメント付)

予選でザッと句を抜いてみたら、下記の如くとなった。
句の前の番号は、選句稿の通し番号

9吹き溜る落ち葉に温みありにけり
見ていると、誰もが落葉を一掬ひ、二掬ひやってみるもの。
11海桐の実夕日を食べてしまひけり
きわどい句と第一感を印してある。
小学生の句でも通ると思われる。然るに作者群の大方は高齢者。壮年者
と思われる方も若干居られるが…。もし高齢者が作者ならば、ちょっと
稚拙と感じた次第。壮年者なら別に文句無いと。そんな句柄当句は。
俳句は最後には作者に還る… 作者を其処に置いてどうなんだということが
俳句なのである。
14終列車枯野にレール残しゆく
言葉には述べ方があると言っている
15黒焦げの餅を分かたれとんど果つ
16東天紅長鳴きは長淑気満つ
長長で攻めて見た?
22猿大夫宙返りあと拗ねて見せ
25寒入りの部活竹刀の音ひびき
28初新聞亡夫の机辺に置く慣ひ
佗しいが大切な思い出。これが今日の活力だ。
30転びしが夫との縁スケート場
36川無聊元日の日を流しをり
元日を最も平凡に詠う。これ歳旦吟の極意。
42京の菓舗大羽子板の見得を切る
48笹鳴の小節の機嫌漣す
49四日はや整形外科と歯科通ひ
53単線や下仁田葱を苞として
ことしは八百屋で下仁田葱をさんざん買い込んだ。
買い込んで来て鋤焼を催促するのである。金目のかかる肉類は
すべて妻の勘定任せといったところ。
54張替へし障子真つ白鮟鱇鍋
鮟鱇の白い腹わたに照応させたか?
56二日はや所在なさげに鳴く鴉
61空っ風南蛇井(なんじゃい)という無人駅
時に言葉遊びも句作りの息抜き ?
63初摺や表紙より鶴舞ひあがり
66子規庵の子規の机の水仙花
まあ真面目な詠み方
69麦踏みの仕草や膝のストレッチ
農俳句作者らしい一句
71枯葎鹿の作りし鹿の道
七五が端正な感じ与える…
72湯豆腐や根岸午後より雨もよひ
湯豆腐…根岸…と来れば雰囲気は私小説路線?
74葉牡丹の紅白を置く玄関口
90奈良墨を含ます写経冬あたたか
単なる墨でなく奈良墨で当句は活きた…
94熱燗に写楽顔してよく飲むよ
写楽顔が真っ当な日本語であるかよう知らんが句の雰囲気には
呑まれる。
98身辺りに何時も一杖年守る
100心字池塔影に浮く散紅葉
103不覚にも一人住まいの風邪寝かな
120子犬をシャンプー煤掃き終えて方丈さん
句調がどこかモダン?俳句の音階を少しいじっている。
122ニホンカモシカ図鑑の顔で現はるる
図鑑の顔というアプローチが面白い。今句会での私の一押しである。
実は上記の図鑑であるが、リアルな写真入りのそれではなく、
著者自筆などによるイラスト風の図鑑を想像した。
エッセイ風であれば、なおさら良い。
それでこそ、「 図鑑の顔で現はるる」が生きるのである。
126着膨れてムーミントロール児らと視る
127お正月積み木のあとの糸電話
子供遊びにはまっている
135鯛焼き買ひしばらく人形町歩く
これも何処か私小説風…
137ひらがなの踊ってをりぬ年賀状
140職人の指の包帯冬の菊
白白の照応?
148ふるさとの寺より届く新暦
153初吟行丹の橋二つ渡りけり
丹の橋二つとは豪勢
161ポケットに鍵入れしまま去年今年
162冬暖か巌に海猫の毛繕ひ
167葉牡丹やドレミドレミと歌ひさう
昨今の葉牡丹の仕立て方はこんなもの。三本立または
五本立、七本立等々の寄せ植え商法。
168千両やひとり住ひの刺繍店
172初明りして一川のはがね色
177総身を真つ赤に拝す初日の出
何処で切れるかと言うと
総身を真つ赤に、拝す初日の出
これで意図するところはよく判る
別に
おろがめる総身真っ赤初日の出
という形もある。これの方が判り易いか?
178切り株につんのめり鳴く寒鴉
鴉は何でもやらかす。
184一才が指して数へる蜜柑かな
185白息や押しくら饅頭して絆
194少年の低き声あり寒稽古
200出初式ハイパー・レスキュー・ヘリ降下
私の住んでいる横浜 金澤文庫には海べりにハイパー・レスキュー・ヘリ
の基地がある。散歩の途中、丘から海難救助の訓練等よく目にする。
by 575fudemakase | 2016-01-15 06:10 | その他 | Trackback | Comments(0)

2015年 7月 ねずみのこまくら句会の諸句(コメント付)

2015年 7月 ねずみのこまくら句会の諸句(コメント付)

予選でザッと句を抜いてみたら、下記の如くとなった。

3天明の飢饉の碑文楊梅落つ
楊梅落つのあの殺伐は飢饉のそれだ
5頭の中を浚つてほしき青嵐
「頭の中を」ではなく「頭の中も」の方がよいと思う。
溝浚いという季語があるが、当句はこれに青嵐という季語を加えて二つの季語を盛り込んだ欲張った仕立ての俳句
6ねぢ花に捩じる力の溢れをり
「捩じる力」という通常は視覚的には見えない抽象概念を、当句は 「見える」化した。
7二番子の孵りて忙し親つばめ
8等間隔隊列なして群れ川鵜
11葉隠れに目つむる飼はれ木葉木莵
12黒蝶の臭木の花に無我夢中
確かにあの縺れようは無我夢中
15骨董市亜米利加ガラスの香水瓶
17雀の子尻尾立て立て餌をねだる
尻尾立て立てがよい見立てだ
18年寄の出番なかりし庭花火
なにやかや期待されない老人というシロモノの感慨が出ていていい。
20荒梅雨や薄ぼんやりと駅灯る
こうゆう梅雨の詠み方があってもいい
21今生の見納めのやう夏至没日
22秀吉の残念石や梅雨しとど
残念石という語彙についつい引き込まれる
26桜の実聖天堂に燭ひとつ
32夏座敷渓谷の風通り抜け
34明易や勿体なくて寝て居れぬ
七五は老人の通念であろう
36巌伝ふ栗鼠万緑の谷に消ゆ
42十日振り晴れて墓参や百日紅 (松崎先生)
44蛍飛び闇新しくなりにけり
46吊り忍福助足袋を売りし店
「忍」という漢字と「福助」という漢字が微妙に呼び合ふ
52儀仗兵一糸乱れずリラの風
ハイカラな一景
53行々子小止みの雨に葦移り
55七夕や短冊の字の踊りゐし
まさか風に短冊の文字が躍った訳でもあるまい。
バタバタと書いてソソクサと吊るした様がありあり。
56耳と眼を塞ぎ唄ふ児雷激し
たしかに児童はこんなことをする。めんこいことだ。
57梅酒壜氷砂糖の角の取れ
「角の取れ」とはこなれた文体だ
61枝折戸が好き竹節虫と蝸牛
竹節虫は七節虫とも書く。句意はなるほどである。小生にも次句がある。
七節蟲の単なる棒が歩き出す
63御田植祭見目良き子らの手を泥に
64つくづく見る仏法僧の長睫毛
66隣り合ふ金魚田金魚色違へ
67群れ泳ぐ金魚に水の盛り上がり
金魚でなく鯉でもよいがそれぞれに趣があろう
68熱湯に布巾を浸す梅雨の底
昔の人はよくこんなことをしたものだ
70山百合や峡かけのぼる日照雨
雨脚という言葉があるが当句はそれを感じさせてくれる
72蚊の姥と脚の弱さを嘆き合う
「脚の弱さ」というところ一寸間延びする。「足弱」とやりたいところだが、表現どうつづめるか?
73掛香や男机のインテリア
74また一人海へ入りゆく遠泳子
「また」がうまい
76溶接の火花の蒼き初伏かな
79かけつぎ屋足踏みミシンの音涼し
かけつぎ屋 または かけはぎ屋とも言うらしい。
昭和の言葉である。平成の俳人には通じない
83昼寝児の一歳にして大の字に
七五につき、ごもっともと言いたい
84骨董市古伊万里皿を歩く蟻
市古伊万里の絵柄というものがあって活きてくるのだろう
91大巌に根を張る松の繁りかな
95森深く入れば水の香銀龍草
96これはこれは越境茗荷に子が幾つ(隣家より)
まるで良寛さんがお作りになった句のよう
97プール疲れに瞼くっつく一年生
「瞼くっつく」とは一年生の姿態をよく観察し尽くした一句
98植田道遅れがちなる路線バス
99アロハ着る勇気なきまま一生涯
どの老人もこんなところ
103冷奴忘れるという術もあり
ときに、「冷奴」にこんな思いを寄せることもあろう
104働き蜂ぐるぐる回る花の上
よくこんな仕草目にみる
106桜桃忌独り降り立つ津軽線
108全身を振りて金魚の子の逃ぐる
110一匹となりし金魚の悠々と
この「悠々と」には、金魚に仮託された作者の独自の思いというものが感じられる
111聖堂の方より来たる夏の蝶
一種、擬人化の一句。聖堂の方より来たのは聖人さんか何かであろう
112蛍狩りちょっとこの世を抜け出して
表現が一寸大仰と言われる方もあろうが、これはこれで一つの見方ではあろう
120梔子のおほかたは色保てざる
まァこまかいところを見ていること!
126駐在所椎の落ち葉の吹き溜まり
私の知っている駐在所は楊梅の実がボトボト落ちているような所か当句のようなところ
127扇風機子の来る度に仕舞はるる
親心 ジジババ心というものであろう
131つくばいの水飲む山雀・四十雀
140猛暑急このうへショートケーキなんぞ
短歌の下部がちょん切られたようなシロモノ。
このぶった切れた文体が頗る面白い
142をさな児に如何に伝へむ金魚の死
143焼き茄子に息子所望の自前味噌
世の常を描いた一句
146轟々と時には透けて滝の落つ
濁る滝、澄む滝 時間の経移をよく観察している
147とうすみとんぼ瀞の碧(みどり)に紛れけり
148脱毛の尼ともならで衣更ふ
抗ガン剤か何かのんでおられるのかこの自嘲は読み手として痛切なるものを感じる。ご自愛願うこと切である。
153古茶淹れて事なきひと日良しとせり
小品としてまとまっている
160満開をいつも強ひられ水中花
こんな見方もあるのだ!
163夏掛けにそっとしておく男かな
まあ面白いところを詠んだ
164梅雨深しセールスマンの黒鞄
言いたいことを隠して反応を見ているような一句。
読み手の解釈を試されているような一句。
笑うセールスマンの喪黒福造を連想した
167叱られてすぐにケロリと日焼けの子
文体少しおかしい。正確には
叱られしことをケロリと日焼けの子 だろう
172大空を翻したる夏燕
五七が多少ユニーク
173子らに描く大き花マル雲の峰
177かき氷むくむく育つ沖の雲
かき氷の山盛りと雲の山盛り。相似形を二つ並べた
179初蝉のつぎの声待つ建長寺
固有名詞建長寺が効いている。「つぎの声待つ」が又いい
189夏河原径あるやうなないやうな
確かにこんな感じ

以上
by 575fudemakase | 2015-07-18 06:26 | その他 | Trackback | Comments(0)

夏男

夏男

以下の一文はネンテンさんの最近のブログからの引用であるが、掲出句の
一大特徴は、その詠み方の傍若無人さぶりであろう。


和歌に痩せ俳句に痩せぬ夏男 正岡子規

 夏痩せをした男、それが夏男だろう。明治33年、亡くなる2年前の句である。虚子編『子規句集』から引いた。この句集、岩波文庫だが、このほど、ワイド版になって出た。ワイド版は文字が大きいので助かる。ちなみにこの本の解説は私が書いている。皆さん、ワイド版『子規句集』をお手元にどうぞ。

実は上句と同じ思いをしたのは、星野麥丘人の遺句集 「小椿居以後」にある次句。

行く春や俳句は久保田万太郎

こちらは春男だ。

以上
by 575fudemakase | 2015-06-23 02:11 | その他 | Trackback | Comments(0)

護衛艦 いずも

一昨日は、護衛艦「いずも」を見に、横須賀 ヴェルニー公園まで山妻と出かけた。米国 原子力空母 ジョージワシントンと護衛艦「ひゅうが」を見に行った時以来である。
護衛艦「いずも」の一般公開は今回は二度目で、前回の見学応募者は9千名の応募枠にたいし4万名の応募があったと言う。今回は見学枠なしの一般公開である。巨大な昇降機に乗って甲板に立つと横須賀港が一望でグッドな見晴らしである。湾内周遊の遊覧船も一望できるし、手に届く所には数隻のイージス艦も見える。ハラショーである。
いつもは映画館のあるダイエイの4階から 「いずも」の勇姿を眺めているが今回はこちらから遥か遠方にダイエイを望むのである。

因みに いずもの基準排水量は1万9000トン。戦前の中型空母 「飛龍」並みという。

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by 575fudemakase | 2015-06-15 07:00 | その他 | Trackback | Comments(0)

蛇。咄嗟に蛇。

蛇。咄嗟に蛇。

今日、さる人のブログを読んでいたら、蛇に出くわした
模様を興奮気味に描いていた。(以下に引用)

昨日は見事な青大将を見たが、わたしの身近でも別の場所ではじめて青大将が泳ぐのを見たという人間がいた。

「いやあ、何かが川を渡っていくと思ってみていたら、蛇だったんだよね」

「あっという間だったよ」とかなり興奮して話してくれた・

蛇が泳ぐのを見たことあります?

わたしはある。

身をくねらせながら美しいフォームであっという間に川を横断する。

写真におさめる間もないほどのスピードである。

蛇を目撃するとやはり心が騒ぎ、興奮する。

蛇をみた場所はわたしの脳細胞に刻印されるのだ。
だからその場所を通ると決まって、その時の蛇の様子が甦ってくる。

昨日みた蛇は草木をなめるようにしずしずと前進していたが、ふっと生臭い風がわたしを襲った。この生臭さ、ふたたびここを通るとき甦るものだ、きっと。


6月の武蔵野はあちらこちらに蛇が潜んでいる。


さて 私も同様な経験をしている。場所は東京都 目黒区 自然教育園。その時、咄嗟に紙切れに書きつけた拙句はお恥ずかしながら以下の通り…。



蛇(くちなわ)を滑り込ませて沼無風
すすむ胴水に密着させ蛇(くちなわ)
蛇の舌まざと脳裡に刻まれぬ
蛇よぎる水脈須臾にして跡かたなし
水上を突き進む蛇不敵なり
蒐まって軍団めける水馬

以上
by 575fudemakase | 2015-06-09 02:55 | その他 | Trackback | Comments(0)

五月句会終わって

五月句会終わって

(妄言陳謝)

言いたいこと言います

潮引くや素足の裏を砂流れ
(自分が言いたい所を人に先に言われてしまったと言う感じ)
麦は穂に無頼なりしが便り寄す
(俳句には季語が必須と言う条件に、一寸格好がつかなくなってしまったという感じがする。私だけか?そこで開き直ってやってみたのが無季の次句。
その昔無頼なりしが便り寄す 無理は身体に毒である)
踏青や仏になかり土踏まず
(仏足石に土踏まずが無いというのは常識。それを思えば当句若干さっぴかれる)
飛鳥なる名もさまざまの石遅日
(何かまだ表現がごたごたしている。言わんとしている所は面白い。いっそ、こうしちゃったら、と提示したのが次句。やんわりと正面を外して詠う。飛鳥野にふさはしき石遅日の石)
冷奴何か足らざる一日かな
(かな が一寸間伸びしているなと言う感じ。完成の形は
冷奴……何か足らざる日)
気風よき羽田漁師の穴子飯
(漁師で気風がよいのは言うまでもなく当たり前。気風よき穴子漁師の… なら判る。)
谷若葉日に日に橋を隠しゆく
(山の吊橋を上から俯瞰しているようで)
桜蘂降りて昨日も今日も雨
(昨日も今日も などと二語も使わずに。今日も の一言で充分。その形は。前にも述べたとおり 自堕落に桜蘂降り今日も雨)
草笛吹く戦前戦後を生きて来て
(草笛吹く戦前戦後と生きて来て 「と」の効用を思っていただきい。「と」のところで一呼吸入れるのだ)
尾の位置の変はれば蛇の動きけり
(動くなり だろう。何か意思を徹す如く断言するのだ)
ひっそりと木を伐る響き芽吹き山
(この時期の芽吹山は何か神聖さすら感じる。シュッシュッという鋸の音がこぎみよい)
魔除けにと残す一本蝮草
(こんな縁起の担ぎ方もあるのですね)
鍵曲(かいまがり)土塀はみ出し夏みかん
(鍵曲(かいまがり)をネットで調べてみると。鍵曲. 萩・長門エリア; 名所・史跡. カイマガリ. 鍵曲は鍵の手に曲がった通路で、戦いの際見通しを悪くして防御しやすくしたもの。 堀内地区・追い回し筋、平安古地区・大児玉横丁にある。 城下町特有の街路の姿をそのままに残している…とある。夏蜜柑と言えば九州辺りだろうが、萩と聴けばその歴史を含めて一興)
市場暑し籠の合鴨声あぐる
(「暑し」と「蒸し」は違う。ここは「蒸し」だろう)
せつなき香たどれば椎の花咲ける
(私の場合の実地体験は東京 港区の狸穴坂)
ふるさとや夏炉をなほも常として
(叙述は「ふるさとや夏炉をなほも常の景」か「ふるさとや夏炉を常の景として」ではないか?)
馬車うまの昼餉時間や君影草
(何処を思えばよいのだろう。私は那須高原の◯◯ランド辺りがいいと思った)
菖蒲湯をどつと溢らす若さあり
(「若さあり」ではなく「青年ら」とストレートにやってもよいと思う)

以上
by 575fudemakase | 2015-05-18 09:55 | その他 | Trackback | Comments(0)

2015年4月 ねずみのこまくら句会の諸句(コメント付)

2015年4月 ねずみのこまくら句会の諸句(コメント付)

予選でザッと句を抜いてみたら、下記の如くとなった。
ちなみに、当句会メンバーの平均年齢は後期高齢者の部類にはいる。

1シャッター街明るきものに初燕
11と同様に、これまたご近所の風景。
3鞆の浦石蓴畳の船着き場
「石蓴畳の船着き場」なんて、極めてリアリティーありですネ
7出雲より棕櫚箒売り春一番
作者の位置関係だが、出雲の左寄りなら、山口県、右寄りなら兵庫、京都といったところ。評者はときに探偵のようなこともします。
10子に従ふ齢諾ふ雲に鳥
11空家殖ゆ隣保にひとり一年生
隣保とはリンポと読み、となり近所の意と辞書にある。極めて現実的な昨今の、ご近所の風景である。こちらは少子化問題を指摘。
13掬うては浴びる花屑下校の子
15永き日の夕べ髭のび他人貌
「他人貌」とは自意識の世界。
22車椅子の母にふうはり花の散る
23春立つや暮しの隅の靴と杖
いかにも「暮しの隅の靴と杖」は現代社会というものを暗示しますネ
24芽柳の川辺をゆけば師の旧居
一途に師に惚れ込んだ慎ましさのようなものを感じます。
句の行間から滲み出てくるものがあります。
26花ぼこり払ひてどつと疲れしよ
28鏝絵なる飛天の朱唇桜冷え
30奥志摩の波が残せる桜貝
志摩といへば半島が幾重にも折り重なったというイメージがある。それに「奥」という字がくっついているのだから、奥の奥といったイメージ。
そこに桜貝が鎮座ましましているのだ。
37惜春や明日知らぬ身の袖袂
「明日知らぬ身の袖袂」とは昭和以前の文言。言の葉の妙味をかんじます。
38菜の花や日の沈みゆく相模湾
39花吹雪今日といふ日は今日かぎり
謂わば自分に言い聞かせているような俳句。こんな俳句があってもよいのではないか?
40花の村移動スーパー着くチャイム
最近こんな情景で始まるテレヴィドラマありますねぇ
41雁返る小島へ継ぐ長き橋
瀬戸内海などふさわしいですネ
43蕗のたう摘めばおのづと郷の唄
44昨夜月蝕庭の其方此方地虫出づ
45翅破れし蝶の執する一花かな
生きとしいけるものの行き着くところ。
47甘茶仏甘茶にみ足冷えたまふ
51花疲れ着替えに気づく打ち身痕
ワーハリンのんでいますから打身のムラサキ世界親しむところです。
53夕なぎさ送り節句の貝探す
3月2日は「宵の節句」 3月4日は「送り節句」。5日過ぎには片づけねばならない。「送り節句」など言う雅語などを持ち出して来たところが当句の手柄というところか?
54永福寺跡草萌えの光ゲと香
56花冷えの早灯の点るパスタ店
57潮入りの川に漂ふ若布かな
61堰越ゆる水の勢ひに散る桜
65大瑠璃の消えたるあとの青水面
青水面とは大瑠璃の青の残像?一瞬にして飛び去る大瑠璃の生態に注目した一句。
68赤い靴の女の子像春遅々と
69箸墓の穴出し蛇の逡巡す
箸墓の穴とは箸墓古墳群の穴ということ。
74半生の俳誌括るや鳥雲に
結社誌〝濱〟が廃刊したのが 二年前。大方はその雑誌処分に手を焼いたことだろう。未だ未処分の方もおられよう。
76魁けて親子三羽の鶴帰る
77化石の忌残雪白根天にあり
79雨降れば傘傾げして花貝母
82歌劇場へ桜吹雪を浴びて行く
95しゃぼん玉くるくる森が回りだす
97子の指に戯る蝌蚪となりにけり
98終焉の三鬼句碑尋む遅日なり
99福寿草雪間より陽を鷲掴み
蕾が弾けて花開く様は掲句の通りであろう。
100舟を漕ぐ掛け声揃ふ水の春
103鼻息に落花舞ひ立つ飼葉桶
104砂浜に落花を残し波の引く
105接骨木の花や過疎地の小学校
111花の雲行雲流水人は逝く
小生の菩提寺は栃木県 田沼であるが、亡くなった先代のお坊さんの法要のお経の中に〝行雲流水落花五十年〟とあったのを記憶している。
115剥落の奪衣婆に積む春の塵
116安珍の塚を囲みて椿落つ
119氷室跡きれいに掃かれ朝ざくら
140戦死とのみ彰義隊墓花舞へり
142花の雨生マ八ツ橋の手に撓ふ
花の雨に手に纏わり付く生マ八ツ橋はピッタリだ。
143墨東の雨まだ止まず桜餅
149春空に飛びたてさうや高速路
少々乱暴な表現であるが、何か 伝わってくるものはある。
150気が付けば残党のやう養花天
上五七は如何にも唐突と一般的には感ぜられよう。
ところが濱廃刊という目に遭った小生などにとっては掲句のような表現がピタリとくる。であるから俳句は不思議で面白い。
養花天という季語も一般的に使用例は少なく、何か煙に巻いたようで面白い。
151初雲雀しばらく聞えもう止むか
153惜春や笑はせ泣かせ巨匠逝く
156えんぴつの筆圧弱き入学児
「えんぴつの筆圧」実はこの後が問題だが、掲句は常識の範囲に納まっている。もちろんこれで充分に一句となっているのだが、もっと先鋭にするには、以下の様な形もある。
えんぴつの筆圧成人の日の伝言
162すかんぽの赤芽の一揆砲座跡
166茶室ほどの松下村塾松の芯
169あはうみの湖尻満満水の春
171みちのくの海の届きぬ新若布
「みちのくの海の届きぬ」というと一寸ギョとするが、俳句も詩歌だと思えば、その思いも解消する。ちょっと驚かせて納得させる。それも俳句だ。
176花筏流れのままに意のままに
七五の辺りうまく流している。言葉の方も。
177須臾の間のまぼろしかとも初蝶黄
初蝶黄のところ紋白蝶もあり。
まぼろしという語彙に対して「黄」よりは「白」の方が適切かも知れない。それに初蝶黄といえば虚子の初蝶来何色…が思い起こされ、そのイメージが邪魔をする。
178しだれ桜のうねり大きく法の山
180遠足や手に包帯の子も笑顔
189木漏れ日に金襴楚々と咲きいたり
195たっぷりと空の紺吸ふ犬ふぐり
198大根の花とびとびに和紙の里
199フルートとハープのための春の水
この句についての諸氏の句解を聴いてみたいところである。
変な関心の仕方だがそんな一句である。
203水温むあてなく開く旅ガイド
「水温む」の温み方が「あてなく」なのだろう。
204春筍を待つ大釜に湯が滾り
206電線につつと寄り添う鳥の恋
209一人来てつがふ三人土筆摘む
「つがふ」という言葉遣いがどこか懐かしいですね。一にも二にも俳句は日本語の使い方次第ですね。
210春の雪ぶつかってくる法の山
「春の雪ぶつかってくる」がいいですね。こんな春雪の詠み方もあるんですネ。
211山里のはたと児が減り花祭
「はたと児が減り」なんてところがうまい
212待ち合はせまでの古書店沈丁花
214昼月をくすぐつてをり欅の芽
欅の芽吹については以前から関心があって、私の場合は以下の通り。
一般的には、欅の芽吹を詠うのは少数派である。

ずん抜けて杜の欅の片芽吹き 高澤良一 随笑
広前に欅芽吹きの金色相 高澤良一 素抱
洞欅ぽやっぽやっと芽吹きけり 高澤良一 随笑
漫然と欅は芽吹き初めにけり 高澤良一 宿好
芽吹かんと樹皮を寄る辺の洞(うろ)欅 高澤良一 ぱらりとせ
芽吹くなら欅パパッとパパッとな 高澤良一 宿好
いつ見ても欅の芽吹きへんてこりん 高澤良一 石鏡
先づこんなところ欅の芽吹きとは 高澤良一 暮津
未完なる塔にしぶけり欅の芽 高澤良一 ぱらりとせ

215お辞儀せし象の背中に花の塵
むかし横浜の野毛山動物園に浜子さんという象がおりました。
もうとっくに亡くなっているのですが…。そういえば、雌の駱駝のつがる(津軽)さんも老衰で数年前に亡くなりました。山妻がこれが好きで幾度かおじゃましました。青森の津軽から貰われて来たラクダだそうです。
217花の闇ひしひしと寄る山気かな
219灌仏に座して心の話など
220ライラツク日和といひて妻癒ゆる
222 人麿が好きと阿騎野の畑を打つ
223空眩し海が眩しや磯遊び
225絵蝋燭燃え尽きてより春の闇
228雪解水ごうごう村の無縁墓
229一条の轍あしたの落花道

以上
by 575fudemakase | 2015-04-14 17:18 | その他 | Trackback | Comments(0)


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《方法1》 残暑 の例句を調べる
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(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
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尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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