カテゴリ:ねずみのこまくら句会( 14 )

後評(2017・5)

後評(2017・5)


6束の間の連綿として春尽きぬ

作者は「束の間」がずーと続いていると言っているんですね?そして春が

尽きると云つているんですね? しかし肝心な実態が示されていない。

これは何だと言う訳であるが、胸にすとんと収まるところもある。

この句は解釈するな、以心伝心で判れとでも言っているような句である。


9麦笛に野良の一服なりしかな

農俳句が身についていますなぁ…と言いたい。


18山の辺の名もなき古墳竹散れり

俳句は無名がいい… を懐かしく思いだす。


32夏来る大琵琶の沖海の色

ひとつ難点がありとせば、色である。「いろ」と平仮名にしたい。

これ以上の解説はしたくない。


48学級に馴染みし子らに夏来たる

学級に馴染みし子ら と実に細かいタイミングを見ている

この観察眼が全てである。


55東天紅の神さぶ声に夏立てり

神さぶ声に にグットタイミングのものを持って来た。夏立てり である。


67立夏なり仕立て下ろしの波と風

「仕立て下ろし」は一寸粋であると思えるも、どこか小智であるとも…

まあ硬いことは言わずに頂いて置こう。


72茶屋町の紅殻格子燕交ふ

茶屋町の紅殻格子 はどこかありそう。其れに配するに 乙鳥。

まあ出来ているのでしょうね…


89そら豆の花の目怖し母は亡し

この子はこどもの時、そら豆の花が怖いと言っては … と事ある度に

からかっていたその母も今や亡しと言うことか?


138団扇太鼓に合わせ山鳥母衣を打つ

団扇太鼓は幾たびも聞いた。唯 山鳥の母衣を打つが適切であるか否かであるが、

適切と思えた。


171昭和の日キューピーの浮く船溜り

「天皇誕生日」「みどりの日」「昭和の日」と変遷した。

老人にとって、回顧詠は得手である。横浜育ちの小生にとって、

濱の定例句会のあった石川町あたりの船溜まりでは日常茶飯に見られ景で

あつたと記憶する。人形と言えば横濱は 赤い靴履いてた女の子…の故郷

である。



149芽吹き急トピアリーパンダの歩きさふ

177下闇の見えぬわたかの水輪生む

上記 二句を

トピアリーパンダのっそり芽吹く中

下闇にうっすらわたかの水輪生む

と改変した方がよいのでは…と申すのが小生の意見。


状況を仔細に渡って述べる替わりに「のっそり」「うっすら」なる擬態語で

むんずとやってしまった方が手取り早いと思うのである。

擬態語の効用と言いたい。


by 575fudemakase | 2017-05-21 03:08 | ねずみのこまくら句会 | Trackback | Comments(0)

2017年 5月 ねずみのこまくら句会の諸句

2017年 5月 ねずみのこまくら句会の諸句



予選でザッと句を抜いてみたら、下記の如くとなった。

句の前の番号は、選句稿の通し番号


6束の間の連綿として春尽きぬ

9麦笛に野良の一服なりしかな

16父の手の網より外す花うぐひ

18山の辺の名もなき古墳竹散れり

19正座して無言の食事昭和の日

24大甍囲み萌黄の薄暑光

25懸け橋を菩薩のお練り清和の天

28高々と挙兵の山の吹流し

32夏来る大琵琶の沖海の色

33緋牡丹に煩わしきこと忘れをり

40荷風忌や投込寺の碑に雫

43蛇の衣聖天堂に燭ひとつ

48学級に馴染みし子らに夏来たる

49野良の足洗ふ外井戸月おぼろ

50昭和の日切干し大根甘く煮て

55東天紅の神さぶ声に夏立てり

56山寺の和尚と眺む桐の花

58若僧の総出伽藍の溝浚ひ

59牡丹の芽朱塗りに螺鈿硯箱

61松の芯天守に続く能舞台

66河鹿笛息子おごりの露天風呂

67立夏なり仕立て下ろしの波と風

75蚕豆や頑固おやじに育てられ

79月山を遠景にしてさくらんぼ

89そら豆の花の目怖し母は亡し

91雨止みぬ牡丹十花の崩れざま

104淀の渦ゆらりと飛花を巻きこみぬ

107菖蒲湯はやはり銭湯下駄ばきで

110雨細し蕾も見えて花あやめ

112半鐘に始まる雅楽来迎会

121田植え機の動く二反田遠筑波

123トンネルの先にトンネル谷若葉

125行商の籠の触れゆく花卯木

138団扇太鼓に合わせ山鳥母衣を打つ

141源流の音にこごみの渦を解く

145ゆつくりと溶かす漢方花疲れ

155雪彦山(せつぴこ)の沢にさ走る柳鮠

163すみれ咲く本郷菊坂石畳

166練供養泣き抱かれ行く稚児菩薩

167富士に向き畝切る音の五月かな

171昭和の日キューピーの浮く船溜り

175山頂へ向かう小道や新樹光

178翡翠の消えしところに巣のあらむ

179八十八夜いまだに背戸のある暮らし

180麦秋をサイクリングの光ゆく


以上







by 575fudemakase | 2017-05-15 06:24 | ねずみのこまくら句会 | Trackback | Comments(0)

2017年 5月 ねずみのこまくら句会の諸句

2017年 5月 ねずみのこまくら句会の諸句



予選でザッと句を抜いてみたら、下記の如くとなった。

句の前の番号は、選句稿の通し番号


6束の間の連綿として春尽きぬ

9麦笛に野良の一服なりしかな

16父の手の網より外す花うぐひ

18山の辺の名もなき古墳竹散れり

19正座して無言の食事昭和の日

24大甍囲み萌黄の薄暑光

25懸け橋を菩薩のお練り清和の天

28高々と挙兵の山の吹流し

32夏来る大琵琶の沖海の色

33緋牡丹に煩わしきこと忘れをり

40荷風忌や投込寺の碑に雫

43蛇の衣聖天堂に燭ひとつ

48学級に馴染みし子らに夏来たる

49野良の足洗ふ外井戸月おぼろ

50昭和の日切干し大根甘く煮て

55東天紅の神さぶ声に夏立てり

56山寺の和尚と眺む桐の花

58若僧の総出伽藍の溝浚ひ

59牡丹の芽朱塗りに螺鈿硯箱

61松の芯天守に続く能舞台

66河鹿笛息子おごりの露天風呂

67立夏なり仕立て下ろしの波と風

75蚕豆や頑固おやじに育てられ

79月山を遠景にしてさくらんぼ

89そら豆の花の目怖し母は亡し

91雨止みぬ牡丹十花の崩れざま

104淀の渦ゆらりと飛花を巻きこみぬ

107菖蒲湯はやはり銭湯下駄ばきで

110雨細し蕾も見えて花あやめ

112半鐘に始まる雅楽来迎会

121田植え機の動く二反田遠筑波

123トンネルの先にトンネル谷若葉

125行商の籠の触れゆく花卯木

138団扇太鼓に合わせ山鳥母衣を打つ

141源流の音にこごみの渦を解く

145ゆつくりと溶かす漢方花疲れ

155雪彦山(せつぴこ)の沢にさ走る柳鮠

163すみれ咲く本郷菊坂石畳

166練供養泣き抱かれ行く稚児菩薩

167富士に向き畝切る音の五月かな

171昭和の日キューピーの浮く船溜り

175山頂へ向かう小道や新樹光

178翡翠の消えしところに巣のあらむ

179八十八夜いまだに背戸のある暮らし

180麦秋をサイクリングの光ゆく


以上







by 575fudemakase | 2017-05-15 06:24 | ねずみのこまくら句会 | Trackback | Comments(0)

後評(2017・4)

後評(2017・4)


評をしたくなる句とそうでない句がある。

なかには、評などするまでもなく、自明な句もある。


76山頭火の句碑にいきなり初音かな

句碑を山頭火のものとしたことが、「いきなり」の語彙に適う。

他のものでは、替え難い。


81墨堤の開花促すスカイツリー

スカイツリーの句はごまんと作られていよう。

だが、スカイツリーが開花を促すとやったのは先ず無いのでは…?。

又墨堤と前近代的な語彙を置いた作者のオトボケもグーである。


148本降りとなり彩ましぬ花海棠

これは旨さの句。「本降りとなり彩ましぬ」等と嘘っぱちのような事を

言っておいて、ホントと思わせるところなど、上手の手の込んだ一句。

騙されたのだが、その手の内に感心するという読み手降参の程の一句。


158ずわい蟹その膝頭なんとせう

これは食すときの難儀な点を指摘した句であろう。

あの関節の辺りの肉をせせり出すのには誰もが苦労する。

そこを問題にしたのが当句。へんな処に注目したのがこの句の手柄であろう。


173馬酔木咲き生駒庭石明るくす

関東には「鎌倉石」なる固有名詞がある。阪神には「生駒石」なるそれが

ある。地名を石に被せてそれらしい感じを読み手に与えること、何も説明せず

とも、伝わってくるものがある。その点の効率の良さを思う。配した季語の

花馬酔木が又よい。


by 575fudemakase | 2017-04-22 02:39 | ねずみのこまくら句会 | Trackback | Comments(0)

2017年 4月 ねずみのこまくら句会の諸句

2017年 4月 ねずみのこまくら句会の諸句


予選でザッと句を抜いてみたら、下記の如くとなった。
句の前の番号は、選句稿の通し番号


1 マングローブ樹林の谷間田水張る
5 自刃跡手箒に掃く春落葉
6 垣繕へり棕櫚縄の蝶結び
15 花韮ら古木をそっと押し包み
17 雲雀よく鳴く天平の野と知りて
19 髪切りて帽子も新調花のとき
21 残雪掘り母納めたる日の遠し
24 鳧おやこ返し田の空鳴きわたる
27 罹災地の父母と上京入学式
30 大護摩会比良の残雪緩びけり
31 自転車は晩節の足うららけし
32 沈丁の夜半に深まる香りかな
35 手伝つて突出し分の土筆受く  
39 湖うらら土器投げの若き声
44 沈丁花襲脱ぎつつ匂ひけり
48 思ひ出は戦中戦後菜飯かな
53 縺れ来て初蝶止まる野良帽子
55 初蝶や卒寿のほそき足もとに
61 緑摘む庭師に樹令たずねけり
63 辛夷咲く山へ夕鐘かけのぼる
66 祇王寺へ坂緩やかや鳥の恋
69 春の闇過行く人の小鈴の音
70 八講の八荒鎮む大護摩会
72 弥生尽午後の醫院に忘れ傘
73 春三番雨戸叩いて去りにけり
74 等々力の渓谷歩く遅日かな
76 山頭火の句碑にいきなり初音かな
77 水草生ふ休日の野の柔ら日に
79 啓蟄や湯気をこもらす堆肥小屋
81 墨堤の開花促すスカイツリー
83 接骨木の花や素知らぬ顔が過ぐ  
87 土筆野に影置く一基通信塔
88 芽柳の天衣のなびく湖明り
89 山鳥の母衣につられて女坂
91 葱坊主に挨拶したき日和かな
94 あれこれを忘れ草笛吹きにけり
103 印刷屋残る界隈沈丁花
105 差し当たりガラスの函の中の春
108 初蝶の畑より庭に長居せり
110 草もろとも削りし畦を厚く塗る
114 晩酌を嗜むための青き踏む
118 八荒の湖へ護摩の矢逆落とし
122 大空に迷ひすぐ落つ初雲雀
124 墨田べりはこべ花咲く塚一つ
125 春霞伊吹の嶺の宙に在り
126 野良帰りの夕風甘し山桜
127 おぼろ夜の仏壇に読む母の手記
131 からくりの蝶を遊ばせ山笑ふ
134 雪形の爺の種まく山日和
138 猫柳垂水の音に揺れ続く
148 本降りとなり彩ましぬ花海棠
149 衣脱ぐ蛇ならば是非見届けん
152 ものなべて遥るけきものに花吹雪
153 胡麻炒りて春菊の早や一品に
158 ずわい蟹その膝頭なんとせう
161 敗戦を経し黒髪の少女雛
163 春の湖ラジコンの舟遊ばせて
167 鎌倉の抜け道覚ゆ日永かな
173 馬酔木咲き生駒庭石明るくす
176 万愚節己が捨てし句また拾ひ
178 深む闇もうすぐ花の咲く気配
180 「舌抜く」と一休の文冴え返る

以上
by 575fudemakase | 2017-04-12 12:44 | ねずみのこまくら句会 | Trackback | Comments(0)

2017年 3月 ねずみのこまくら句会の諸句 【再実施】

2017年 3月 ねずみのこまくら句会の諸句 【再実施】

投句後 パソコンがクラッシュしたので、句会を有志にて再実施した。

予選でザッと句を抜いてみたら、下記の如くとなった。
句の前の番号は、選句稿の通し番号

6立子忌の礼儀正しき句会かな
12下萌えや歩くたび鳴る稚児の靴
22奥津城の椿は落ちて色褪せず
36総門に鳩除けネット涅槃西風
41焼け山の縞目くつきりとのぐもり
44古書市に師の初版本鳥雲に
60水中の無音の世界いしぼたん
82大釜を滾らせ白子船を待つ
94五年ものの蒟蒻芋置く梅見茶屋
97陽炎は俑の嘆息かも知れぬ
100老いらくの雛の菓子をたなごころ
111子のノート子の衣を捨つる鳥曇

114病み抜けて久の外出春袷
115姑となりて久しや花大根
両句とも「久」が効果的に、無難なく使われている

117畑屑のうちのめさるる雨水かな
130縄延びといふことらしき山笑ふ
見返すと両句とも 「農」のなかなかな句と思える。
「畑屑」という言葉遣いも「農」の実践者として見ればなかなか
の味のある言葉である。それであるから、「うちのめさるる」がより
一層痛ましい。問題は「雨水」である。鑑賞者めいめいに取って季語
「雨水」がどう響くか? 参考に雨水の語義を挙げて置く。更に雨水
一例句も挙げて置く。

二十四気の一つ。立春から十五日目で、陽暦二月十九日ごろ。雪が雨に変わり、草木が芽吹き始める時季。

 書道部が墨擦つてゐる雨水かな

                           大串 章
雑誌の月号表示を追い越すように、季節がどんどん進んでいく今日この頃、ならばと時計を二ヶ月ほど逆回転させても罰は当たるまい。季語は「雨水(うすい)」で春。根本順吉の解説を借用する。「二十四節気の一つ。陰暦正月のなかで、立春後15日、新暦では2月18、19日にあたる。「雨水とは「気雪散じて水と為る也」(『群書類従』第19輯『暦林問答集・上』)といわれるように、雪が雨に変わり、氷が融けて水になるという意味である」。早春の、まだひんやりとした部室だ。正座して、黙々と墨を擦っている数少ない部員たちがいる。いつもの何でもない情景ではあるのだが、今日が雨水かと思えば、ひとりでに感慨がわいてくる。表では、実際に雨が降っているのかもしれない。厳しい寒さがようやく遠のき、硯の水もやわらかく感じられ、降っているとすれば、天からの水もやわらかい。このやわらかい感触とイメージが、部員たちの真剣な姿に墨痕のように滲み重なっていて美しい。句には派手さも衒いもないけれど、まことに「青春は麗し」ではないか。こうしたことを詠ませると、作者と私が友人であるがための身贔屓もなにもなく、大串章は当代一流の俳人だと思っている。「書道部」と「雨水」の取りあわせ……。うめえもんだなア。まいったね。俳誌「百鳥」(2002年4月号)所載。(清水哲男)

又 次句の「縄延び」も独特な一語。その語義も挙げて置く。

縄縮み・縄伸び【なわちぢみ・なわのび】
実測した土地の面積が、登記簿に記載されたものより小さいことを縄縮み、大きいことを縄伸びといいます。
縄縮みや縄伸びは、主に地方の農地や山林で起こります。その原因として考えられるのが、これらの登記簿の面積が、測量技術の未熟な明治初期のものが多いことです。また意図的な理由としては、縄伸びは、税負担軽減のための過少申告、縄縮みは、売買代金の嵩上げを狙った、などが考えられます。

127何事もなかったやうにひひな達
129さんしゅうや庭下駄揃え客を待つ



【一寸ひとこと】

34真つ白の新車を止めて麦を踏む
真っ新な自動車止めて麦を踏む
原句 通りだと若干 青と白の対比が強すぎるきらい有り、そこを避けたい
というのが私の提案。
85ひとりにも一人の意地や蜆汁
「底意地」という言葉が有る。 私流だと ひとり者にも底意地ありて蜆汁
121囀りの同じ一語をひたすらに
私なら 囀りの同じ調子で一日中 とやりたい
129さんしゅうや庭下駄揃え客を待つ
「さんしゅう」の表記だが、文語なら 「さんしゅゆ」と表記したい

以上
by 575fudemakase | 2017-03-26 09:23 | ねずみのこまくら句会 | Trackback | Comments(0)

2017年 3月 ねずみのこまくら句会の諸句

2017年 3月 ねずみのこまくら句会の諸句


予選でザッと句を抜いてみたら、下記の如くとなった。
句の前の番号は、選句稿の通し番号

3料峭やシート囲いのぼやの跡
9立子忌の礼儀正しき句会かな
13金盞花太陽の黄を散りばめぬ
16四温晴れ幌を外してマーケット
17手松明に頬なぶらるる送水会
18下萌えや歩くたび鳴る稚児の靴
20梅散らす風かと見れば番い鳥
26啓蟄や水抜く池の穴あまた
27雪舞へる函館市場に氷下魚汁
30瀬戸の海凪ぎ素麺の天日干し
32柔らかに纏ふ光や雛納め
33奥津城の椿は落ちて色褪せず
35沈丁花襲脱ぎつつ匂ひけり
44庭畑の残雪散らし矮鶏番ふ
56総門に鳩除けネット涅槃西風
64焼け山の縞目くつきりとのぐもり
66亀鳴くや耳付き壺の耳失せて
67古書市に師の初版本鳥雲に
68雛納め振子時計の音ばかり
74舫ひ船脇差めきて東風の竿
77涅槃絵図掲げる床の鏡なす
81その昔上級生に御蚕の部屋
82母あらば急くや遅日の夕げ時
89芝居はね街におぼろの十日月
91花ミモザ海辺の町のピザの店
99新海苔や甥の嫁御のお里より
107岩窟に銭を洗ひて春浅し
112一輌車来る無人駅雪解靄
113こまがえる草々羨し妹亡く
119くもりけり幼なの握る竜の玉
120享保雛飾り門前写真館
133亀鳴くやもの憂き午後の美容室
134桜餅もぐもぐ鼻毛ごともぐもぐ
141つと突けば磯巾着のすと窄む
142五年ものの蒟蒻芋置く梅見茶屋
145陽炎は俑の嘆息古墳山
151房総の菜の花畑ゆく電車
154終曲の指ねんごろに春の宵
156啓蟄や嘴に虫垂れてをり
158啓蟄や街に出会ひて旧知なる
164梅白し子ども相撲の声高し
165姫椿落ちて乱れず苔の上
166曲がり来て沈丁の香に突き当たる
167病み抜けて久の外出春袷
168姑となりて久しや花大根
172けふはまだましと春めく日の言葉
188何事もなかったやうにひひな達

以上

後評(2017・3)


20梅散らす風かと見れば番い鳥
庭先でこんな光景によく出会うので、ごもっともと相槌を打つ次第。
我が家の梅は枯れてしまったので、桃である。桃は花が終わって葉が
モサモサである。其処へ一陣の擦過音、なあーんだ目白かである。

44庭畑の残雪散らし矮鶏番ふ
「番ふ」がいかにも春到来を告げて、躍動する動詞。
名詞の「番い」は静的であるが、動詞の「番ふ」は動的である。

68雛納め振子時計の音ばかり
静寂な座敷での雛納めといふ一仕事。時計の振り子の音が支配せる世界。
振り子の規則的なリズムに作業もはかどる。

81その昔上級生に御蚕の部屋
養蚕が旺んな時代にはこんな光景もままあったことであろう。
勉強部屋とお蚕さんの部屋が同居していたといふ… 昭和といふ
佳き時代である。そう言えば、濱の古参同人に竹中龍青という人が
居って、その人の句集に「御蚕神」というのがあった。信州 佐久
在の人である。その人の案内で渚男さん等と上田あたりを吟行した
のを思いだした。林火師も信州によく遊んだ一時期があったと仄聞
している。十日夜とか、穂高 山葵農園とか、しょなら様とか挑戦しがい
のある吟行地が多い。

89芝居はね街におぼろの十日月
じっくりと十日月を眺めたことがないが何となく惹かれる。


99新海苔や甥の嫁御のお里より
「甥の嫁御のお里」と畳み込んでゆく処にある種の親身を感じる。
その上に季語が効いているではないか?

100畦焼きは遠き日のこと老ふまじや
「老ふまじや」と、俳句を介して、自分自身に向き合っている。
遠き日の出来事はみな佳きものと感ぜられるよう神様は人間を造った
とでも言っておこうか?。

134桜餅もぐもぐ鼻毛ごともぐもぐ
かなりレトリックのかかった一句である。
ぬけぬけと小汚いところを詠むのも老者の特権であろう。

141つと突けば磯巾着のすと窄む
「つ」と「す」の関係は「あ」と「うん」の関係に類似する。
一音、一字の 照応が面白い。押し合い圧し合いしている。

172けふはまだましと春めく日の言葉
他人が言っているのか それとも 自分が言っているのか?
自分なら自分自身を慰める為の独言?
表現として「春めく日の言葉」がよい。
by 575fudemakase | 2017-03-26 09:20 | ねずみのこまくら句会 | Trackback | Comments(0)

2017年 2月 ねずみのこまくら句会の諸句

2017年 2月 ねずみのこまくら句会の諸句


予選でザッと句を抜いてみたら、下記の如くとなった。
句の前の番号は、選句稿の通し番号


4彩保つ冬薔薇有りて淋しからず
11藁苞の小粒納豆春を呼ぶ
16鳥帰る針葉樹林映す湖
18流感の一夜ラジオを友として
20二面石二面泣き顔寒の雨
22染付展吹墨の鶴冴え冴えと
28復興へ鱶鰭(ふかひれ)干し場活気湧く
30大根と葱買ひ河津桜狩り
38林泉の浮島めぐる鴛鴦の沓
41煮凝りに添えて木曽路の檜箸
47ひと握り多く鬼門へ豆撒きぬ
51掬いとる生湯葉ぬくし外は雪
53笹鳴のお清めを待つ百足注連  白山神社
55紅さされ雛の息づく雪催ひ
56金継ぎの色絵双鳥寒開くる
60受験子の小さき寝顔に声をかけ
72下宿屋と今も言はれて柊挿す
74春光の滝降臨の水柱
78春立ちぬ固き結び目解くやうに
86鷽替えて亀戸大根提げ帰る
89目借時文机のほか当てどなし
90山笑ふ新幹線に貫かれ
95炬燵寝の果ての熟睡でありしかな
102雪しんしん父母亡きことを今さらに
103花菜飯なんと盛りよき海女の茶屋
106寒鯉の身を細くして沈みをり
112看取らるるまでは看取りて大石忌
113牡丹雪積るつもりはなかりけり
115待春や振り子時計の遅れ癖
117訥弁になりし留守電寒の入
118福音の知らせのやうに日脚伸ぶ
119鬼の豆散らかる中に玩具かな
124寒鴉ホーム短き無人駅
128磐座に喰ひ入る寒の椎の幹
132聖歌隊君は右から三番目
134古伊万里の布袋を眼福小正月
138松明の煙の匂ふ節分会
141起き抜けの水に身震ひ春立てり
143つれづれの試着に落とす紙懐炉
144お下がりの頃の話をつくしんぼ
149かたかごの吉祥天女飛ぶさまに
153雪垂る音のとり巻く浮御堂
155起き抜けに春立つ子らの笑声
157鴨の陣風に解れて風に組む
164ゆつくりと色を楽しむ木の芽和
165春障子ひとりとなりて久しけれ
166しらじらとポーチの糞は寒雀
168紐育よりテレビ電話の寒見舞
171土筆摘みつ水門までの土手歩き
173禅林にかつと日の射す青木の実
177深海魚やたら出回り冴返る
178太鼓橋ふたつ抱えて山眠る
184喪に閉じし窓そのままに北塞ぐ
190神苑の敷き藁厚く牡丹の芽
192万華鏡めき風花のひとしきり
194磐座に掛かりし幣に春の日矢
195老いてなお炬燵の中の陣地取り
196近江富士おぼろに据えて湖暮るる
197稜線を越え来る木霊春立てり
199菓子いろいろ置かれ春待つ水子仏
200雛店のシアトル宛の発送荷

以上

後評(2017・2)


38林泉の浮島めぐる鴛鴦の沓
「林泉」「浮島」「鴛鴦」等と並べられると絵巻だとか
大和絵だとかを想像して仕舞う。雅な色合い、構図を思い浮かべるのである。

78春立ちぬ固き結び目解くやうに
凍てが解ける の内の 「解ける」を「紐の結び目が解ける」に換骨奪胎した。


86鷽替えて亀戸大根提げ帰る
作者が主婦ということを大っぴらに持ち出して詠ったところに
共感。市民感覚が横溢している。

128磐座に喰ひ入る寒の椎の幹
樹木とコンクリート、樹木と金属、樹木と岩石の相克するさまを折々目に
することがある。例えば、樹木の幹に針金を巻きつけて置くと数年後には
樹皮がそれを呑み込んで仕舞う。樹皮は軟体生物のようなもの。
樹木は逞しい。岩手の石割り桜を思い出した。

138松明の煙の匂ふ節分会
「煙の匂ふ」に鄙びた感じが宿る。野趣あふれる一句。
チマチマした節分会に終わっていない。

153雪垂る音のとり巻く浮御堂
「とり巻く」の措辞がうまい。それに「浮御堂」の「浮」の一漢字が効いている。
春先に向かうウキウキ感に繋がるのである。

165春障子ひとりとなりて久しけれ
句柄に余裕がある。確か小説に余裕派というのがあった。漱石だったか?
何事にも余裕のあるのが佳い。

177深海魚やたら出回り冴返る
皆さんは金目鯛が深海魚であることをご存知ですか?
あろうことか、水産資源が枯渇して深海魚の金目まで網に
掛けるようになった。もうジリ貧である。(金目漁は、金目が朝方、深海から浮上して
来る性質を狙って捕獲する漁だという)
中国では内陸部の人間までが魚を食うようになった。仲買で中国に競り負ける事態と
なっている。魚好きの私としては慨嘆の日々である。

197稜線を越え来る木霊春立てり
「稜線」「木霊」「春立つ」等変哲のない用語を三つ並べただけだが、それでも匂ってくる季感
がある。

200雛店のシアトル宛の発送荷
日本人も海外に頻繁に出向く時代となった。一時的にしろ、永住にしろ、海外は
もう身近だ。そでも古い人間には、海外は ヤレ一入の感がある。
by 575fudemakase | 2017-03-26 09:19 | ねずみのこまくら句会 | Trackback | Comments(0)

2017年 1月 ねずみのこまくら句会の諸句

2017年 1月 ねずみのこまくら句会の諸句


予選でザッと句を抜いてみたら、下記の如くとなった。
句の前の番号は、選句稿の通し番号

5仏壇の香炉灰より淑気満つ
9数え日の陽のポケットのような里
26天水に篝燃えゐる除夜詣
28初春の尾道水道碧豊か
31旧水軍の島を眠らせ冬霞
41芹摘むや大揺れに過ぐ一両車
42初富士へ大観覧車せりあがる
43除夜の鐘大海原へ撞きにけり
46七面鳥に船上パーテイ星も飛ぶ
55仄明かり障子九枚に九体仏
57金田一耕助ぬかる木の葉髪
60兜町兜神社の初御籤
61子は農を捨つるつもりか田鳧鳴く
63雪嶺を前自販機のゴトと鳴る
74年の宿大広間にて治部煮膳
76東京の無垢の青空お元日
80あらぬ用見付けデパート煤逃げに
82お年玉鴨居に頭届く孫
85屠蘇祝ふ喜寿も傘寿も夫は亡く
86度忘れが慣ひとなれりちゃんちゃんこ
87数へ日の楽ゆるやかに美容室
89鉄鉢に硬貨ことりと淑気かな
94元朝や定位置にある潜水艦
95裏木戸に闇のしづもる年の暮
96冬しんしん妻の塗絵の根気よき
97敷網の湾を俯瞰や初明り
98年の市身を乗り出せる嗄れ声
103花八手入れ替はり鳴く路地の猫
110ふたりきり向き合ひ雑煮すする朝
111天心のオリオンに撞く除夜の鐘
112お若いとヨイショされおり女正月
124言ふなれば炭火の爆ぜる如くなり
133トーストの四日の朝となりにけり
137あをぞらの一瞬怯む威し銃
146マフラーに顔を埋めて鶴を待つ
154はや四日とはいへ何をするでなし
157締め切りて白さの違ふ坊障子
161お元日先づは一献田神にも
163寒柝を打つて路地裏大つぴら
165朱ヶ褪せず祖母母を経し雑煮椀
173初席や呆けに徹する芸達者
174富士へ向く小道が恵方試歩のばす
175噛んで脱ぐ手袋それは断固ノー
180餅花をくぐり塩豆求めけり
181七日粥泣くも笑ふも一人なり
183やはらかき朝陽が届き七種粥

以上

後評 2017年一月ねずみのこまくら句会


●天水に篝燃えゐる除夜詣
この頃 足許不如意となったので近場の除夜詣ばかりやっている。
そんな親近感があって頂いた。

●初春の尾道水道碧豊か
かって良寛さんの里を詠もうと思って一人旅をやった。
そこから良寛さんが発心を起こして旅立ったのが尾道。
「初春の尾道水道」と先ず据えた。「碧豊か」とはよう享けたとおもう。

●仄明かり障子九枚に九体仏
これはおそらく浄瑠璃寺の作であろう。
一つの堂に九体の阿弥陀さまが祀られている。上品 中品 下品 の三体づつが一つの堂宇
に祀られている。何といっても、あの堂宇の開放的な空間が魅力である。
堂障子の向こうはお池。堂障子が明り取りである。以下は拙句。季は同じく冬。

うすらひをつつつつと鶸浄瑠璃 ねずみのこまくら 昭和五十八年

●東京の無垢の青空お元日
東京と言えば、女房方の会津の俳人 新城杏児 の次句を思い出す。
東京の悪に触れたる冬銀河 杏児
新城杏児は栄泉と並ぶ会津の造り酒屋 末廣の当主で、わが女房の父親はその新城家の
七男である。その縁もあって、過日 その新城家の墓地を訪れたことがあったが、その中に
出稼ぎ先のここ会津で亡くなった杜氏の墓を見い出して、その〝あわれ〟を想ったこと
があった。杏児句はたしか、平凡社の歳時記、冬銀河の部に例句として載っている筈である。
そんな訳があって掲句に関心が及ぶのである。

●屠蘇祝ふ喜寿も傘寿も夫は亡く
高齢者さん 淡々と境涯をお詠みになる。
俳句の行き着く先はかくなる所か?ブレずに行こう。

●元朝や定位置にある潜水艦
このところ、横須賀参りが続いている。
イオンにある映画館行とヴェルニー公園からみる軍艦の勇姿がハラショーである。
小生はそれを楽しむ極めて危ない老人である。
三が日から護衛艦 出雲を撮りたくてパチパチやって来たが、尖閣方面へでも行ったのか
お留守であった。帰路は、銭湯が好きなので、その近くの吉倉というところの新湯にザブン
と入って来た。今年の読み初めは「米中戦争 その時日本は(渡辺悦和)」「米中もし戦わば
戦争の地政学(ピーター・ナヴァロ)」と潜水艦の本 4、5冊である。(「潜水艦の戦う技術 現代の「海の忍者」-その実際に迫る」「潜水艦のメカニズム完全ガイド なぜ、日本の潜水艦は世界最高水準と言われるのか?」「知られざる潜水艦の秘密 海中に潜んで敵を待ち受ける海の一匹狼」等)
渡辺悦和氏は元東部方面総監、ピーター・ナヴァロ氏は教授で、対中強硬派で、ドナルド・トランプ政権の国家通商会議代表。
話変わって、掲句に係わる点については、かって貞雄さんの句集紹介をした折に指摘した
一部を以下抜粋する。下記一連につらなる句である。
あと正月に観た映画と言えば、「この世界の片隅に」である。横須賀と並ぶ軍港 呉の戦前 戦中 戦後を描いたアニメである。空襲のシーンだったか、忘れたが呉と言う地名の謂れが印象的であった。後でグーグルマップで地形を調べたら、たしかにここは天然の要塞。戦艦大和が建造されるのにふさわしい地である。
「灰ヶ峰」をはじめとする呉一帯をつつむ連峰を「九嶺(きゅうれい)」と呼びそれが訛って「 くれ」になったという説があります…

(抜粋)
季語別 田中貞雄句集を読んで(特徴を中心に)

俳誌のサロン 2015・5・10

貞雄さんとのおつき合いは、そもそも俳句初学の頃
俳句結社 濱の同人であった 下田稔氏の教えを共に
受けたというご縁であった。句会を共にするように
なって15年を経た。目下、作句力は爆発しているようだ。

▼ご自宅周辺
お住まいは横須賀 田浦 。軍港に近く港町に因んだ町名が
多い。因みに、田浦 長浦 船越 汀橋等々…
とりわけ〝潜水艦が街の顔〟の句は、自宅周辺を詠って秀逸
である。

ぼんやりと尾をひく汽笛年替はる
艦艇の舳先ずらりと年迎ふ
初明り潜水艦が街の顔
浅蜊汁分の浅蜊を採つて足る
きぶし咲く素掘隧道出入口
春眠を引きずるやうに油槽船
泣き言の代りに鳴らす海酸漿
軍艦碑竜舌蘭を供花とせむ
釣瓶落し艦旗降納見届けて
行く年の憂さの捨て場の転舵渦
釣瓶落し艦旗降納見届けて
潮溜りあれば覗きて秋うらら

●冬しんしん妻の塗絵の根気よき
高齢者が塗り絵をするシーンと言えば、デイケアでよく見かけるところ。
ちょっと切ない一句。わが妻と思えば…。

●年の市身を乗り出せる嗄れ声
かって浅草 浅草寺の年の市に出向いたことがあった。この年の市、元来、仲買人が相手で
小売は無かったのではなかろうか?冬の寒さの中、股火鉢でもしながらの商売であった。
こんな中で詠んだ拙句は

年の市海山の幸積み上げて さざなみやっこ
神棚の値切り落とさる年の市 HAIKU199812sono3

健脚であった当時を懐かしむばかり。

●冬牡丹眺め居る間の陽の翳り
わたしの感覚では、「眺め居る間の」では無く「眺め居る間を」である。
いろいろな日の翳りの句があろうが、冬牡丹への日の翳りは、微妙であり、格別である。
かっての上野 牡丹園での寒牡丹当日詠の興奮を思い出す。拙作(細見綾子特選)は以下。
寒牡丹こゑあたたかく讃へらる ねずみのこまくら 昭和五十八年

●七日粥泣くも笑ふも一人なり
泣くも笑ふも一人 とは切ない。
孤独に耐えるのが老人の仕事 と言ったのが佐藤愛子。
今 彼女の 「九十歳。何がめでたい」を読んでる最中。
キンドルのペーパーホワイトを買ったので、これからは全て電子書籍。
寝床の真っ暗闇でポーッとした明りの中で読んでるいる。
by 575fudemakase | 2017-03-26 09:17 | ねずみのこまくら句会 | Trackback | Comments(0)

2016年 12月 ねずみのこまくら句会の諸句

2016年 12月 ねずみのこまくら句会の諸句


予選でザッと句を抜いてみたら、下記の如くとなった。
句の前の番号は、選句稿の通し番号

2煤払ひ日々の過ぎゆくあっ気なき
14花形役者来りし如く鴛鴦飛来
20師の墓を訪へば零るる花柊
24誰も居ぬ舞台に来たる冬の蝶
26冬日向絵馬にとまりし蜂一つ
30風荒れの日の二重窓氷下魚汁
41山眠る活断層をふところに
42着膨れて弾き出さるるラツシュどき
49富士山を前合唱隊めく藁ぼっち
52流れ堰き洗ふ大根まぶしかり
53町会に饒舌多し十二月
66走り根の縦横に張る凍土かな
67粛々と雪舟庭の木の葉降る
73冬の鳩胸七色にきらめけり
74毀れゆく私と地球鳥渡る
76学校に障子ある部屋鳥の影
77砂利路の残る私道や枇杷の花
78冬天に連山深き襞刻む
79大綿や放哉の居の水場より
82願掛けの高下駄真赤枯るるなか(道了尊)
83満天星の紅葉の雨となりにけり
94酉年の間近き道に寒雀
104山峡を報恩講のふれあるき
105子規庵の縁に足垂れ冬うらら
107日に高く陰れば低く雪蛍
108桐一葉筆圧心もとなかり
110雪の音夜を包んで深まりぬ
111雪蛍暮色を纏ひむらさきに
112冬桜いつを盛りとなく咲けり
113大榾の骨を残して山を閉づ
115色鳥にもろ手ひろげしマリヤ像
125検診車より覗き見る枯野かな
126大根を吊り年金を待ちてゐし
131雪蛍翁墓より木曽殿へ
132湯たんぽやもはや卒寿を過ぎにけり
137判子はとまた戸惑ひて十二月
140寒禽の通ふ木々あり日の射して
141せこ蟹食ぶ昔話を訥訥と
142冬満月けふを終なるクラス会
143葛湯溶くひとりの午後を愛おしみ
147目上ぐれば夫の遺影や冬の夜半
159仁左衛門のまねきしぐるる京夕べ
161おでん屋に誘われたのがはじめです
164冬桜根方に残る昨日の雪
168金印の話におよぶ夜長かな
173牡丹焚尉となりても香りけり
177冬滝に外つ国人の鼻真っ赤
181耳痴れのちぐはぐ会話日向ぼこ
186谷紅葉映して宿の店仕舞
195燻されしお品書より鰤大根
196声かかるうちは惜しまず紅葉狩

以上
by 575fudemakase | 2017-03-26 09:16 | ねずみのこまくら句会 | Trackback | Comments(0)


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らくらく例句検索

インターネットの「Google」や「yahoo」の検索ボックスから、季語等を入力して数多くの例句を得られれば大変便利である。

具体的に季語“新樹”の例句を求めるには、先ず検索ボックスに“新樹”と入力する。
その後、ひらかなで“れいく”と入力する。この時、日本語変換候補に幾つかの語彙が表示されるが、その中から“575筆まか勢”を選択する。
この結果、検索ボックスには “新樹575筆まか勢”と表示される筈である。
この用語で検索すれば求めるサイトが表示される。

但し、上述の ひらかなの“れいく”と入力して“575筆まか勢”を選択する為には、事前に小細工をしておく必要がある。
即ち、ユーザーズ辞書を使って “れいく=575筆まか勢”を定義しておく必要がある。以下はその指定方法。

ユーザーズ辞書定義

▼iPadの場合
設定>一般>キーボード>ユーザーズ辞書

単語 575筆まか勢
よみ れいく

▼kindleの場合
アプリ>設定>言語とキーボード>キーボードの設定>ユーザーズ辞書

読み れいく
表記 575筆まか勢

PCの場合も同様に「ユーザーズ辞書」機能を使い、前もって定義しておく。

春の季語から現在の当季季語までは既に表示可能である。
来年の三月末(2015年3月末)までに全季語について表示可能となる。

以上

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