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観覧車 の俳句

観覧車 の俳句

観覧車

いとたかき淵へかゴンドラ瀧こえる 竹中宏 句集未収録
いわし雲ビル屋上の観覧車 竹澤 聡
お台場のあぢさゐ色の観覧車 高澤良一 素抱
がうがうと雲湧く九月観覧車 寺澤慶信
ゴンドラから姥子の小さき秋が見ゆ 鈴木栄子
ゴンドラに乗りて花の世を離る 岸原清行
ゴンドラに乗り込む兜虫をさげ 和田崎増美(雨月)
ゴンドラに乗るとき冬の月傾ぐ 佐藤 博重
ゴンドラの陰通りゆく日の盛り 稲畑汀子
ゴンドラの影の横切れり捩花 行方克己 知音
ゴンドラの影の遅々たり大氷河 西条ゆき「夕陽」
ゴンドラの窓拭き男冬ぬくし 桑原芳彦
ゴンドラの宙に踏み出す青山河 徳田千鶴子
ゴンドラの発つ春山の一拠点 大橋敦子 手 鞠
ゴンドラの離れぬ月に遊びけり 高木晴子 花 季
ゴンドラや空中遊歩の大枯野 遊佐光子
ゴンドラ行く雪降る宙は雪に満ち 有働 亨
つちふるや乗る人のなき観覧車 瀧登喜子
ゆるやかに愛されてをり観覧車 松本恭子 二つのレモン 以後
一月の空に静止の観覧車 本宮哲郎
一人だけ死ぬ冬空の観覧車 磯貝碧蹄館
一人にも動くゴンドラ冬紅葉 岡田順子
炎日のひとを容れざる観覧車 中島斌雄
夏寒しひと日動かぬ観覧車 伊藤幸子
花の山からゴンドラの急降下 岩切恭子
花屋敷冬の日の乗る観覧車 高澤良一 燕音
花岩菲ゴンドラおそるおそる着く 沼けい一
蒲公英や空より戻る観覧車 佐藤幸子
寒鴉のせて夕日の観覧車 柴田襄子
観覧車てっぺんに来て春の海 横田昌子
観覧車のてっぺんにをりみどりの日 牧野春江
観覧車ゆつくり回す若葉風 渡井一峰
観覧車よりの眺めの子供の日 清崎敏郎
観覧車より春荒の椎の梢 辻桃子
観覧車より東京の竹の春 黛まどか
観覧車より夕焼のありつたけ 土肥あき子
観覧車一席づつの初明り 塩川雄三
観覧車回れよ回れ思ひ出は君には一日我には一生 栗木京子
観覧車回れよ回れ想ひ出は君には一日我には一生 栗木京子
観覧車空に見られるために乗り 佐孝石画
観覧車降り黄落の地を踏める 隅田恵子
観覧車秋の夜空にかたまれる 阿部みどり女
観覧車天上天下左右小春 田中由子
観覧車動き動かず初霞 六本和子
観覧車背比べして春休み 武田和郎
銀漢のはづれにまはる観覧車 谷口摩耶
五月の空を四分さぐる観覧車 横山白虹
鯖雲の鱗数へて観覧車 大塚とめ子
視界ゼロ霧にゴンドラ揺れはじむ 岩崎照子
若草に我がゴンドラの影進む 西村和子 夏帽子
秋山路ありゴンドラを羨まず 百合山羽公 寒雁
秋晴の観覧車乗るまでもなし 高澤良一 暮津
終発のゴンドラに霧殺到す 池上和子
十二月緘じて空中観覧車 松山足羽
春光のてつぺんにあり観覧車 佐野すすむ
新涼や空の深さを観覧車 田山諷子
身に入むや観覧車の灯真夜に消ゆ 村田美穂子
人絶えぬ西日にとどく観覧車 仙田洋子 橋のあなたに
人日の空のぼりつめ観覧車 星野恒彦
星合の空でゴンドラすれ違ふ 山崎みのる
清和なる天に遊べる観覧車 落合ひろ恵(松籟)
赤き肩掛け四時には点る観覧車 大橋沙知
雪嶺へ通ふゴンドラ外より鍵 大橋敦子
大阪の残暑真つ赤な観覧車 平松美知子
地に帰る星座になれぬ観覧車 かわにし雄策
天高し登山ゴンドラ片猿臂 百合山羽公 寒雁
冬空を押しあげてゆく観覧車 塩川雄三
凍星やおほかた空(から)の観覧車 片山由美子 風待月
梅雨空を押上げのぼる観覧車 中里泰子
白南風や海一望の観覧車 倉田静子
八月六日朝の空に観覧車 森田智子
氷壁に着くゴンドラの終の駅 山口誓子
風邪声も押しこめゴンドラ揺らぎ発つ 平井さち子 鷹日和
噴水の強弱観覧車をまわす 中塚忠則
母と児で月へゆきます観覧車 土谷多賀司
北颪ゴンドラ動く気配なく 武田光子
霧襖ゴンドラ宙へ突き出さる 溝口 昭二
立冬や白骨都市の観覧車 和田悟朗
旅の身を預け遅日の観覧車 山田弘子 こぶし坂
薔薇の風を汲みあげくみあげ観覧車 渡辺恵美
驟雨来空ゴンドラを送りけり 高澤良一 宿好

観覧車 補遺

いと易く妻との昇天 観覧車 伊丹三樹彦
お手玉に似たるゴンドラ雲涼し 阿波野青畝
ゴンドラに浮き雪渓に立つ不思議 百合山羽公 樂土
ゴンドラの 何の頓挫か いっさい霧 伊丹三樹彦
ゴンドラの 来し方行方の 索断つ霧 伊丹三樹彦
ゴンドラのはるか下方の雪煙 右城暮石 句集外 昭和四十四年
ゴンドラの酔ひ高山病一合目 百合山羽公 樂土
ゴンドラの静止とおもふ雲涼し 阿波野青畝
ゴンドラは振子を演じ紅葉狩 阿波野青畝
ゴンドラを乗り捨て暑き山の駅 雨滴集 星野麥丘人
ひぐらしが啼くゴンドラの最終便 鷹羽狩行
ふぶく中ゴンドラは定められた道 平畑静塔
ペンキ屋の春のゴンドラ最上階 岡本眸
夏山の神ゴンドラを小突くらし 百合山羽公 樂土
寒やゴンドラ揺れて発つ揺れて着く 鷹羽狩行
観覧車よりの眺めの子供の日 清崎敏郎
岩燕 ガム噛む僕らのゴンドラ 截り 伊丹三樹彦
秋山路ありゴンドラを羨まず 百合山羽公 寒雁
職業的会釈を雪のゴンドラより 山口誓子
新雪や山のゴンドラに犬も乗る 村山故郷
雪の降る宙ゴンドラに女子ひとり 山口誓子
雪嶺に凍て観覧車解を待つ 山口誓子
停電のゴンドラに坐す霧の宙 右城暮石 句集外 昭和四十八年
天高し登山ゴンドラ片猿臂 百合山羽公 寒雁
登山客替へてゴンドラ猿臂張る 百合山羽公 樂土
氷壁に着くゴンドラの終の駅 山口誓子
老鴬やゴンドラに透く人の数 鷹羽狩行

以上

by 575fudemakase | 2017-12-18 09:19 | 無季 | Trackback | Comments(0)

海豹 の俳句

海豹 の俳句

海豹

アザラシのほえるがごときいびきかな 岡村ともみ
あざらしの仔にはゆりかご流氷来 佐藤シズ
あざらしの腹の上なる春入日 高澤良一 素抱
アザラシの立泳ぎつつ鯵丸呑み 上原瑞子 『燈台草』
あざらしの涙をもつて年明くる 森田 廣
あざらしの啼き声昏れる管理棟 穴井太 天籟雑唱
あざらし見て夕焼いろの肉を買う 岸本マチ子
海豹となり寝返りを打つ虚空 羽石昭子
海豹のひとり遊びや流氷原 杉山鶴子
海豹の泳ぐ手見ゆる春の水 磯貝碧蹄館
海豹の見に来て観られお江戸かな 関戸一正
海豹の池にうつれる花篝 岸風三楼 往来
海豹もくる陽が潮流となるわが家 高野ムツオ 陽炎の家
海豹を載せ流氷の迫りくる 墓田いさを
喝采に海豹の芸ひとつのみ 金井文子
岩むらに潜む海豹ひそみ観る 深谷雄大
熊となり海豹となる夏の雲 法本フミ女
薫風や海豹の頭の濡れどほし 水原秋櫻子
月の濱に身は四十の海豹か 藤後左右
孤独無限あざらし温む水くぐり 稲垣きくの 牡 丹
春眠の海豹(トッカリ)を見に町の犬 平井さち子 紅き栞
水上にアザラシの息うそ寒し 高澤良一 鳩信
船長の怒鳴るごとくに海豹告ぐ 小林雪雄 『海明け』
着膨れて海豹の貌してゐたる 長谷川櫂 虚空
冬波や浜のあざらしまで幾重 鈴木幸江
北海は海豹泳ぐときむらさき 富澤赤黄男
夜霧さむし海豹などは灯なく寝む 藤田湘子(1926-)
欄干の朱のあざらしき神迎へ 谷口ゆり女
流氷の親に乗り添ふ子アザラシ 福田惟子

海豹 補遺

あざらしの潜きたのしむ寒の水 日野草城
ころりんと胡麻斑海豹氷上に 松崎鉄之介
さんま落下天より海豹の口ヘ 山口青邨
伊藤柏翠アザラシの帽端然と 飯島晴子
薫風や海豹の頭の濡れどほし 水原秋櫻子 晩華
破籐椅子海豹の皮掛け敷きて 山口青邨
夜霧さむし海豹などは灯なく寝む 藤田湘子

以上

by 575fudemakase | 2017-12-18 09:14 | 無季 | Trackback | Comments(0)

映画 の俳句

映画 の俳句

映画 劇映画 邦画 洋画 活動 シネマ テクニカラー 総天然色 天然色 記録映画 アニメーション アニメ fin

映画

*はまなすや映画になりし小燈台 西本一都 景色
アネモネや雨の降る夜の映画観て 和田耕三郎
おはぐろ蜻蛉無声映画の齣落し 湧井信雄
かの映画T市にきたる百日紅 鈴木しづ子
かの映画ではサイレント夏怒濤 依田明倫
かろやかに村葬りの黄色いシネマ 星永文夫
きさらぎの映画見に出し忌中人 宮武寒々 朱卓
ギヤング映画みて南京虫に螫さる 西波二郎
キャンプの火欧州映画ごとき湖 河合大拙
コートの袴たてるは洋画観てのこと 石川文子
これは観たことある映画煤籠 高澤良一 随笑
サフランや映画はきのう人を殺め 宇多喜代子
シクラメン妻を映画に誘ひける 楡井 秀孝
シネマ観るひとふしの過去鮮かに 藤木清子
シネマ出てさしかたむけぬ春日傘 清原枴童 枴童句集
シネマ出て退勤工の群にまじる 藤木清子
シネマ冷房空席冷えに冷えゐたり 高澤良一 暮津
しやが咲いてひとづまは憶ふ古き映画 三橋鷹女
スチーム寒し光の雨の降る映画 宮坂静生 雹
すべり来るスキー映画に大映し 高浜虚子
その映画見忘れまじく五月川 佐々木六戈 百韻反故 わたくし雨
ソ連映画見て新鮮なセロリ買ふ 及川 貞
たくわえなくも妻をつれてきて暗い映画を見ている 橋本夢道 無禮なる妻抄
たはやすく弾丸に撃たれて雪山をまろび落つる熊は映画に撮られぬ 半田良平
ドラエもん映画ねだられ春休 高澤良一 石鏡
にわとりへ白黒映画の手が伸びる あざ蓉子
ハーモニカ上手な軍曹シネマ夏 高澤良一 暮津
ピカソの胸毛 消えて 梅雨蒸す地下シネマ 伊丹三樹彦
ピカソの胸毛消えて梅雨蒸す地下シネマ 伊丹三樹彦 人中
ふるさとの映画の中に舞ふ蝶よ 原裕 『投影』
めかり時映画はシルバー料金にて 高澤良一 寒暑
ラムネのごと Finの三文字昇り来る 高澤良一 暮津
リバイバル映画満席文化の日 佐藤弘子
ロシア映画みてきて冬のにんじん太し 古沢太穂
ロシヤ映画みてきて冬のにんじん太し 古沢太穂
ロシヤ映画見てきて冬のにんじん太し 古沢太穂
愛鳥日まだ封切らぬ映画あり 皆吉司
暗さもジャズも映画によく似ショールとる 星野立子
杏咲き古き映画に雨降れる 関 成美
稲妻や露天映画はまだなかば 左右木圭子
雨のふるふらんす映画栗の飯 穴井太 原郷樹林
雨ばかりの映画観る雨ばかり降る 前島篤志
映画では恋を囁く露台かな 守屋明俊
映画のように四万十川で泳いでいるよ 峠 素子
映画の死者にまた葬送の楽おなじ 林田紀音夫
映画の日耳聡き日を想ひをり 河野南畦 『元禄の夢』
映画の日縮図の蓮池この辺り 松崎せつ子
映画またハッピーエンド街は秋 松尾いはほ
映画みて花壇の榻にまどろめり 石原舟月 山鵲
映画みる衣嚢つめたき鍵のあり 鷲谷七菜子 黄 炎
映画よりもどりて藁を打つ気なく 田村了咲
映画会病者ら寒く椅子余す 肥田埜勝美
映画街に辛夷小さく咲きにけり 三宅隆
映画観て夕空蒼き毛皮夫人 榎本冬一郎
映画見てヒロイン気分東風の中 詫摩まつ子 『卒寿』
映画見ぬ歳月久し巴里祭 石川冬扇「待降節」
映画散じ一樹秋めく月の広場 野沢節子
映画終り続篇として鳥わたる 工藤克巳
映画終れば独りに復るわが囲りのシート荒荒しく畳まれゆきて 三國玲子
映画出でホセとまぎるゝ炎天下 川口重美
映画出てまだ明るしセルの肩を前 原田種茅 径
映画出て火事のポスター見て立てり
映画出て銀座の夜長喫茶店 成瀬正とし 星月夜
映画女優柩車に添へる二月かな 宮武寒々 朱卓
駅前の寒さ貧しさ映画ビラ 右城暮石 声と声
炎天の葬儀モノクロ映画のやう 岡崎光魚
黄落や刻ゆるやかに小津映画 児玉 寛幸
夏の雨白黒映画の画面ぶれ 高澤良一 素抱
夏休ゴジラ映画に夜を更かす 高澤良一 随笑
花みかん野外映画に誘ひあふ 和田 祥子
花煙草死亡の友と見しシネマ 攝津幸彦 鹿々集
寒天やしやがまる妻の熱き映画 攝津幸彦
雁ゆくや古き映画の二本立 安住敦
帰燕過ぎ朝痴呆めくシネマ街 高井北杜
記録映画の白黒のチユーリップ 夏井いつき
泣けぬ映画観て歳晩の橋渡る 寺井谷子
蕎麦の花無声映画のごとき村 村上喜代子
蕎麦食うべあとは映画の鬼貫忌 手塚美佐
極月の飲屋の壁に裕次郎(日活映画ポスター) 高澤良一 石鏡
九年母や映画半券ポケットに 小平湖
軍属は映画好きなり松の内 田村了咲
月見草野外映画のはじまれる 西村三穂子
月涼し映画をひとつみて帰る 古沢太穂 古沢太穂句集
見し映画あつけなかりし日脚のぶ 成瀬正とし 星月夜
古きよき雨の映画やパリー祭 鷹羽狩行
孤児たちに映画くる日や燕の天 古沢太穂
枯野バス映画ポスター胴に巻き 宮坂静生 青胡桃
枯蟷螂無声映画のごとき雨 佐藤あすな
吾が好むドンパチ映画春休 高澤良一 寒暑
口シヤ映画みてきて冬のにんじん太し 古沢太穂
校庭に映画はじまるまでの蝉 大牧 広
校庭の納涼映画裏から見る 石原 透
国境やシネマのなかの扇風機 大井恒行
砂漠の映画見て海雨の街傘ささず 田中英子
歳晩や場末顔なるシネマ館 清原枴童 枴童句集
桜貝映画のやうな恋は無く 真田 清見
山頂駅寒き映画の闇のぞく 石原八束 空の渚
事変映画兵の子父を見しと言へり 細谷源二 鐵
若き日の映画も見たりして二日 大牧 広
手はすこし映画のように芒原 あざ蓉子
手袋をかんで映画を見て泣いて 野見山ひふみ
秋雨は無声映画のやうに降る 仁平 勝
秋澄むや古き映画に連れ立ちて 織田 耀子
十五夜の月はシネマの上にあり 横光利一
十薬や映画を見ては鬱を増し 日原傳
春はやてシネマ『雨情』のはねし街 角川源義
春や映画シモーヌ・シニヨレ撃たれけり 皆吉司
春雪いくたび切腹で終る色彩映画 三橋鷹女
春昼や壁の洋画にとりまかれ 上野泰 春潮
初映画ほろほろ泣けて恥かしや 富安風生
女もす口笛夜涼映画待つ 岸風三楼 往来
小津映画に過去呼びおこす冬銀河 村松弘美
消えた映画のうすむらさきのさるすべり 栗林千津
消えた映画の無名の死体椅子を立つ 林田紀音夫
真夏夜をチャンバラ好きの映画好き 高澤良一 石鏡
針を納めもとより映画観るつもり 成瀬櫻桃子
震災忌の映画ひらひら人走る 鳥居おさむ
人が生き返る映画や四月馬鹿 松尾隆信
人日や古き映画に原節子 木内満子
水の秋映画はヴェニスにて終る 皆吉司
数え日をタイムスリップして邦画 高澤良一 随笑
青葡萄島の祭に映画あり 加倉井秋を
赤い羽根つけてシネマの列に入る 肥后潤子
接吻もて映画は閉ぢぬ咳満ち満つ 石田波郷
戦時下映画深夜に及ぶ敗戦日 高澤良一 随笑
戦傷兵征けり薄暑の映画街 宮武寒々 朱卓
早春の雲の魚形に映画街 宮武寒々 朱卓
草餅や映画となりし大師伝 大島民郎
村に映画月光の稲架夜もほてる 藤本寿秋
隊伍の兵ふりむきざまの記録映画 三橋敏雄 まぼろしの鱶
大学祭闇に映画のビラ替はる 林原耒井 蜩
大根で殴られつ放し無声映画 川村三千夫
暖房に橋のない川とふ映画 内野 修
仲秋や場末映画にカラマゾフ 西本一都
虫分けて来るや麓の映画バス 長谷川かな女 雨 月
潮浴びし気だるさ夜涼映画すゝむ 岸風三楼 往来
長き夜の黒澤映画「まあだだよ」 佐藤知敏
天高しいま見し映画の筋忘れ 吉屋信子
天竺や涼み映画の客として 佐々木六戈 百韻反故 初學
天然色映画の雪が実に白し 内藤吐天 鳴海抄
土砂降りの映画にあまた岐阜提灯 摂津幸彦
冬あたたかシルバー料金映画にも 高澤良一 石鏡
冬ふかし朝は煤降る映画街 金子潮
冬深しイタリア映画観て眠る 岡田匡子
冬暖か小津のシネマのやうな午下 山田夏子
凍る夜の悲劇映画を遠ながめ 飯田蛇笏 雪峡
湯ざめして古き映画を見たりけり 小宮山政子
寅さんの映画に行けり生身魂 蟇目良雨
日盛りの老人割引利く映画 高澤良一 随笑
納涼の映画の巴里にあそびけり 大島民郎
納涼の映画渚が近過ぎる 山口波津女 良人
納涼映画チャーリーと犬にうつゝの濤 中村草田男
納涼映画チヤーリーと犬にうつゝ濤 中村草田男
納涼映画に頭うつして席を立つ 田川飛旅子
納涼映画国境越えて逃亡せり 鈴木栄子
納涼映画小学校の椅子出され 池田秀水
納涼映画触れてつめたき人の膚 富岡掬池路
納涼映画裸電球椰子に吊り 水田光雄
梅の咲く窓を映画の如く見る 岩田 由美
梅雨さむく映画製作の深夜あり 瀧春一 菜園
煤逃や映画三まはり半も見て 杉山とし
白黒の映画の続きちちろ鳴く 長谷川陽子
白黒の十一月の映画かな 小原すさ
八月十五日春画上半の映画ビラ 中村草田男
被爆映画終わる冷房止めしまま 嶋谷陽子
噴水の向うは無声映画なり 岸田竹女
糞のごとひかるビフテキ アメリカ映画 島津 亮
母と見し映画白黒浅蜊汁 井上宗雄
母遠し映画の中に雪がふる 岩崎健一
忘れ霜モノクロ映画に血の騒ぐ 小池 溢
北極の映画白かりき天の川 殿村莵絲子 遠い橋
奔放な男の映画罌粟坊主 都筑智子
麻畠白黒映画とともに伸ぶ 攝津幸彦 鹿々集
椋鳥逃げず映画へ急ぐ懐ろ手 田川飛旅子 花文字
夜半の冬昭和レトロの小津映画 大西恒生
野外映画鞍馬天狗のをぢさん出づ 高澤良一 素抱
野外映画海のひびきに星殖ゆる 小泉礼子
友兵となれり友の子と映画見に 細谷源二 鐵
両窓に稲妻ゆたか映画会 中戸川朝人 残心
冷房の映画寝台のシーン長し 内藤吐天 鳴海抄
恋の映画ひとりで見に行くホワイトデー 菖蒲あや
恋の映画見て来て汗疹の子を抱くも 清水基吉 寒蕭々
老夫婦映画ヘバレンタインの日 景山筍吉
涅槃の日仏典アニメに見入る子等 大西敦子
涅槃会の煙着たまま映画みる 近江禮一
臘月やゆつたりまはる小津映画 藤原禎子
蚋払うシネマ哀しき睫毛なり 中北綾子
霰ふる悪しき映画のポスターに 京極杞陽
鷦鷯ヒッチコツク映画見たる頃 堀口みゆき

映画 補遺

シネマ観て出て来てひとり春の雨 日野草城
しやが咲いてひとづまは憶ふ古き映画 三橋鷹女
たまの映画蜜の如し咳殺しつつ 中村草田男
ニュース映画梅雨寒し兵の細面 中村草田男
はじまりに余白が少し納涼映画 鷹羽狩行
ピカソの胸毛消えて梅雨蒸す地下シネマ 伊丹三樹彦
ビラを横目に 牛行く 映画多産国 伊丹三樹彦
ふらんす映画の終末のごとき別れとつぶやく 安住敦
ふらんす映画観る正月の飴嗅がれ 伊丹三樹彦
モノクロのシネマの春の氷かな 燕雀 星野麥丘人
モノクロの昔を今に除夜映画 林翔
ロシヤ映画みてきて冬のにんじん太し 古沢太穂 三十代
わが妻の口笛古きシネマの歌 安住敦
暗さもジャズも映画によく似ショールとる 星野立子
映画ありこの時雨の涼しけれ 山口青邨
映画ただ凍てしヒマラヤの肌が移る 中村草田男
映画はて露夜にもどる寿康館 角川源義
映画はねぞろ~と皆鯖の漁夫 高野素十
映画はねたる雑踏へ寒柝音 鷹羽狩行
映画みる衣嚢つめたき鍵のあり 鷲谷七菜子 黄炎
映画もどり秋の時雨に肩ぬらす 鈴木真砂女 卯浪
映画会聖誕祭の童ばかり 山口誓子
映画見て湖畔の夜寒寝るほかなし 大野林火 白幡南町 昭和三十二年
映画見て毛皮脱ぐことなき人等 山口誓子
映画見て来しショールさへまだ脱らず 安住敦
駅前の寒さ貧しさ映画ビラ 右城暮石 声と声
絵空事大真面目なる初映画 百合山羽公 樂土
寒日和シネマの深空見て飽かず 飯田蛇笏 山響集
眼患者シネマの冬燈浴び行けり 飯田蛇笏 山響集
雁ききしことの映画の楽にをれど 大野林火 青水輪 昭和二十三年
雁ゆくや古き映画の二本立 安住敦
機内映画は「抱擁」 北極白夜航 伊丹三樹彦
銀漢や勇(いさみ)斬首に映画果つ 角川源義
月涼し映画をひとつみて帰る 古沢太穂 古沢太穂句集
古きよき雨の映画やパリー祭 鷹羽狩行
孤児たちに映画くる日や燕の天 古沢太穂 古沢太穂句集
高階にシネマ見果てて湧く思慕か 安住敦
桜餅映画に死闘多くして 相生垣瓜人 明治草
傘の雫で生む汚点 映画 絞首で果て 伊丹三樹彦
事変映画兵の子父を見しと言へり 細谷源二 鐵
事務始午後は映画の薄闇に 日野草城
時雨る夜は古りし恋ゆゑ映画みる 佐藤鬼房
手袋を映画の如く投げて脱ぐ 後藤比奈夫
受験期や忽々と映画替りつつ 能村登四郎
春はやてシネマ『雨情』のはねし街 角川源義
春は侘し場末にひとり見る映画 三橋鷹女
春雪いくたび切腹で終る色彩映画 三橋鷹女
春昼や壁の洋画にとりまかれ 上野泰 春潮
接吻もて映画は閉ぢぬ咳満ち満つ 石田波郷
節分やシネマのあとのカプチーノ 亭午 星野麥丘人
草の実や新選組の映画来る 角川源義
啄木の映画街にありほととぎす 山口青邨
短日のシネマの廊に出てひとり 伊丹三樹彦
短日を泪滂沱とシネマに兵 伊丹三樹彦
中年の眠り冷房映画の暗 山口誓子
冬籠してゐて映画見てはをり 後藤比奈夫
凍る夜の悲劇映画を遠ながめ 飯田蛇笏 雪峡
納涼映画チャーリーと犬にうつつの濤 中村草田男
納涼映画のはづれ明るき汽車馳せすぐ 岸田稚魚 負け犬
納涼映画の裏月光の溢れゐき 岸田稚魚 負け犬
煤枯れの金雀枝 慰安映画の門 伊丹三樹彦
八月十五日春画上半の映画ビラ 中村草田男
飛ぶ星や野外映画のフィルム断れ 伊丹三樹彦
氷水夜の映画は始まれり 山口誓子
父死したりひとり来て地下のシネマ見る 安住敦
綿虫とぶ古い映画の色で飛ぶ 岡本眸
野外映画の歔欷するうしろにて涼む 岸田稚魚 負け犬
友兵となれり友の子と映画見に 細谷源二 鐵
夕焼失せ 野外映画は基督伝 伊丹三樹彦
冷風機シネマの國の夜となく 百合山羽公 春園
冷風口シネマの椅子のあしもとに 百合山羽公 春園
冷房や巨きシネマの館のうち 百合山羽公 春園
哈爾浜の映画みじかし氷る夜を 山口誓子
颱風はわれを罰せず映画惨 渡邊白泉
鳰に雨 無声映画に雨降るごと 伊丹三樹彦

以上

by 575fudemakase | 2017-12-15 09:21 | 無季 | Trackback | Comments(0)

歳時記 の俳句

歳時記 の俳句

歳時記

ねぢあやめ異国の花と歳時記に 野田 武
ふれてみよ点字歳時記夏の項 辻桃子
温故知新紙魚の季寄せに佳句多し 小島左京
花の歳時記開きて春を惜しみけり 川村紫陽
葛飾に歳時記を閉づ野火煙 石田波郷
季寄せ繕ふだけをいとまに三日かな 東洋城千句
虚子編の歳時記も古り几董の忌 小川竜雄
歳時記がありてしみじみ夜の秋 皆川白陀
歳時記と二十世紀を見渡しぬ 高橋京子
歳時記にあそぶ独りや年のくれ 松本思桂
歳時記に砂糖水ありなつかしき 佐々木 美乎
歳時記に載せてはならぬ人間忌 立花ひかる
歳時記に載りしわが句を読始 高間礼子
歳時記に説ける二行や紫蘇漬くる 亀井糸游
歳時記のやうな人きて種を蒔く 大牧 広
歳時記のわが名一つに根雪くる 木村敏男
歳時記の牡丹も五月長谷寺も 河野静雲
歳時記の師の句友の句菊日和 藤谷十三子
歳時記の二月は薄し野に出づる 佐伯哲草
歳時記の波郷は若し雪催 木村敏男
歳時記の表紙藍鉄夜の秋 高澤良一 素抱
歳時記の蠅の例句も古りにけり 高澤良一 暮津
歳時記はばけものに似て葱の花 石堂摩夜子
歳時記は秋を入れたり旅かばん 川崎展宏
歳時記やなんじやもんじやの花明り 長谷川双魚 風形
歳時記をかざし初日を眩しみぬ 館岡沙緻
歳時記を繰れば寄りくる鹿のあり 岩崎照子
歳時記を世に問ふ年の改る 稲畑 汀子
冴え返る大歳時記の函きつく 喜多杜子
持ち古りし歳時記大事初句会 吉屋信子
捨がたき手擦の季寄せ素十の忌 匂坂こと
捨てがたき手擦れの季寄せ素十の忌 匂坂こと
春を待つ花の歳時記開きては 岩崎富久子
書き込みの季寄せのかたみ鳥雲に 篠原暁子
新しき歳時記もらふ神無月 渡辺一枝
童貞聖マリア無原罪の御孕りの祝日と歳時記に 正木ゆう子
枕頭の歳時記更へむ猫の恋 相馬遷子 雪嶺
友の歳時記借りれば旧姓草紅葉 中村明子
老人用歳時記は無し蚊遣香 鈴木鷹夫 千年
俎は妻の歳時記水ぬるむ 鈴木一夫
囀りや歳時記の句を繰り返す 石田仁子
粽出て菓子の歳時記夏に入る 鈴木栄子
黴の香の父の歳時記干しにけり 水木陽子

歳時記 補遺

葛飾に歳時記を閉づ野火煙 石田波郷
歳時記に忌の字忌の字の冬に入る 林翔
歳時記に聞きて冬至のはかりごと 松本たかし
歳時記を愛して夏に入りゆけり 山口誓子
歳時記を世に問ふ年の改る 稲畑汀子
蛇穴に入る歳時記を忘れずに 橋閒石 微光
頁繰る二月の季寄せ猫柳 星野立子
枕頭の歳時記更へむ猫の恋 相馬遷子 雪嶺

以上

by 575fudemakase | 2017-12-15 08:02 | 無季 | Trackback | Comments(0)

俳句 の俳句

俳句 の俳句

俳句 発句 十七文字 俳諧 連句 狂句 雑俳 名句 秀句 駄句 ホ句

俳句

息きつて発句もできぬあつさ哉 暑 正岡子規
其角忌やあらむつかしの古俳諧 加藤霞村
駄句百句捨てに涅槃図見て歩く 中村葉子
待遠しき俳句は我や四季の国 三橋敏雄 長濤
待遠し俳句は我や四季の国 三橋敏雄
大蟻の畳を走る俳諧寺 竹川貢代
大福茶ホ句舌頭に口ずさむ 磯野充伯
達磨忌やホ句三昧の隠居僧 寺北茶斗
達磨忌や外道俳諧愚俳諧 小杉余子 余子句選
達磨忌や僧を眺めて俳諧師 川端茅舎
短夜や遅くはじまる俳句会 五十嵐播水 播水句集
遅々としてわが俳諧や獺祭忌 山口誓子
茶點つれば茶に俳諧や霜旦 松根東洋城
着ぶくれて俳句に狎れしをとこども 小島千架子
着膨れたやうな俳句の道具立 高澤良一 素抱
虫鳴や俳句分類の進む夜半 虫の声 正岡子規
蝶よ蝶よ唐土(もろこし)の俳諧問はん 松尾芭蕉
蝶よ蝶よ唐土の俳諧問はん 松尾芭蕉
通天やしぐれやどりの俳諧師 川端茅舎
底紅や俳句に極致茶に極致 阿波野青畝
庭に下りてホ句書いて来ぬ秋の暮 長谷川かな女 雨 月
天を衝く俳諧弔花閒石に 高澤良一 さざなみやつこ
杜若われに発句のおもひあり 芭蕉
杜若われに発句の思ひあり 松尾芭蕉
土手にひねもす発句大のバルカンせんさう 加藤郁乎
冬の夜や我俳諧のありどころ 小杉余子 余子句選
冬鵙を前や俳句は気合いもの 高澤良一 随笑
唐辛子ぽつりと巴里に発句なす 小池文子
唐土の俳諧問はん飛ぶ胡蝶 松尾芭蕉
桃一片三口に食べて俳諧師 磯貝碧蹄館
桃史死ぬ勿れ俳句は出来ずともよし 日野草城
藤の実は俳諧にせん花の跡 松尾芭蕉
闘ふ楸邨俳諧とごきぶりと 石寒太 炎環
南瓜煮る妻に俳句の出来栄え問ふ 高澤良一 随笑
日の影のかなしく寒し発句塚 中村史邦
日の影の悲しく寒し発句塚 史邦
日の本の俳諧見せふふしの山 正岡子規
日盛りにくさめを一つ古俳諧 宇佐美魚目 天地存問
年の瀬を俳諧舟の棹さして 京極杞陽
年の瀬を俳諧舟はながれゆく 京極杞陽
年男われ俳諧の鬼たらむ 西本一都
芭蕉忌の俳句短かくありにけり 萩原麦草 麦嵐
芭蕉忌やとはに淋しみ古俳諧 村上鬼城
芭蕉忌やみな俳諧の長者顔 前田普羅
芭蕉忌や我俳諧の奈良茶飯 芭蕉忌 正岡子規
芭蕉忌や吾が俳諧に迷ひなく 山田閏子
俳句おもう以外は死者か われすでに 折笠美秋 虎嘯記
俳句が文字になるとき十三夜 黒田杏子 花下草上
俳句ちふ淵や在るらし星の秋 河原枇杷男
俳句というしずかなしずかな舟遊び 橋田サカエ
俳句とはすっと立つもの葱坊主 中川青野子
俳句とはのつぺらぼうか僕の夢 筑紫磐井 花鳥諷詠
俳句とは禅とは梅の花咲けり 稲荷島人
俳句とは泥鰌掘るため曲げる指 鈴木六林男
俳句とは冬日だまりのひとり言 今井杏太郎
俳句にも修羅場がありし猫の恋 森田かずや
俳句は季箴としかゝぐ年頭語 河野静雲
俳句やさし俳句むつかしゆすらうめ 後藤比奈夫 めんない千鳥
俳句凶作「強努の末」ぞ汝も然りと 橋本夢道 無類の妻
俳句史に発禁・検挙・鳴く蚯蚓 池田澄子
俳句思う以外は死者かわれすでに 折笠美秋
俳句思へば泪わき出づ朝の李花 赤尾兜子
俳句大事父も大事や海鼠食ふ 石 寒太
俳句莫迦ばかり集り初句会 高澤良一 随笑
俳句莫迦通す一年亦過ぎて 高澤良一 随笑
俳句文学館ぼろんかづらの茂るかな 山田みづえ
俳磚は俳句曼陀羅花は葉に 滝青佳
俳諧と孫と将棋と熱燗と 里見宜愁
俳諧にそつぽを向いて油虫 岬雪夫
俳諧につぐ闘菊や西鶴忌 飯田蛇笏 山廬集
俳諧に何ことはりや秋のくれ 小杉余子 余子句選
俳諧に我も自分の相撲とる 高澤良一 宿好
俳諧に虚の恋ばかり雛飾る 品川鈴子
俳諧に古人有世のしぐれかな 几董
俳諧に国境はなし虚子祀る 杉崎西風
俳諧に残る律義の寒さかな 増田龍雨 龍雨句集
俳諧に守武の名や紀元節 鳥居白山
俳諧に大事いくつや年が逝く 新居ッャ子
俳諧に伴奏あらばひよんの笛 成瀬櫻桃子
俳諧に命あづけて菊枕 伊藤柏翠
俳諧に孟母断機や嫁ケ君 浜明史
俳諧に遊ぶたのしみ亀の鳴く 吉年虹二
俳諧に遊ぶ楽しみ亀の鳴く 吉年虹二
俳諧に老いて好もし蕪汁 高浜虚子
俳諧に霰飛び散り長子得し 齋藤玄 『玄』
俳諧の「自然」のこころ秋澄めり 杓谷多見夫
俳諧のこころに荒地野菊かな 富安風生
俳諧のはらわた見せる紙衣かな 紙衣 正岡子規
俳諧のまことの如く萩青し 鈴木鷹夫 春の門
俳諧のまだ宵なから月氷る 尾崎紅葉
俳諧のよしみの酒をそら豆に 高澤良一 随笑
俳諧のわが一灯や千灯会 谷川朱朗
俳諧の伊丹の寺や鬼貫忌 佐藤紅緑
俳諧の一つにおたまじゃくしかな 増成栗人
俳諧の夏座布団の十余枚 中村 志ま
俳諧の海に蜻蛉あそびけり 阿部みどり女
俳諧の忌日の中の子規忌かな 上村占魚 球磨
俳諧の忌日は多し萩の露 高浜虚子
俳諧の虚実を見たり古茶新茶 新茶 正岡子規
俳諧の軽みの教へ更衣 成瀬正とし 星月夜
俳諧の古格に遊び読始 高澤良一 暮津
俳諧の御師(おし)のひとりの寒さかな 角川源義
俳諧の御師のひとりの寒さかな(句集「秋燕」上梓) 角川源義 『神々の宴』
俳諧の腰強うせよ草の餅 長谷川櫂 虚空
俳諧の骨拾はうよ枯尾花 尾崎紅葉
俳諧の座布団小さし几董の忌 柴原保佳
俳諧の雑誌の数や獺祭忌 楠目橙黄子 橙圃
俳諧の三神こゝに冬ごもり 高井几董
俳諧の志度寺泊まりや海女の墓 三木朱城
俳諧の手ほどき蝿虎より受く 高澤良一 寒暑
俳諧の秋さびてより二百年 秋さぶ 正岡子規
俳諧の秋はさみしき赤松忌 阿波岐滋
俳諧の宿の昼餉のふかし藷 桑田青虎
俳諧の小楯もなしに寒に入る 小林康治
俳諧の松山生れ桜鯛 深川正一郎
俳諧の寝物語や夜の秋 赤星水竹居「ホ誌雑詠選集」
俳諧の神の留守なる懈怠かな 清原枴童
俳諧の西の奉行や月の秋 月 正岡子規
俳諧の雪降れり溺れなむいざ 小林康治 『虚實』
俳諧の船にわれあり西祭 松尾いはほ
俳諧の膳所に致仕して鳰 麻田椎花
俳諧の俗事を辞せず桃青忌 深川正一郎
俳諧の他力を信じ親鸞忌 深見けん二
俳諧の端に侍りて大嚏 土田祈久男
俳諧の仲間の蝌蚪の泳ぎをり 村越化石
俳諧の昼のふかみに猫の恋 下村槐太 光背
俳諧の町を宰して菊に健 遠藤梧逸
俳諧の腸絞る海鼠を前 高澤良一 随笑
俳諧の庭に太りてひきがへる 鈴木綾園
俳諧の冬の虱をひねりけり 佐々木六戈 百韻反故 吾亦紅
俳諧の堂に入りけり納豆汁 青木月兎
俳諧の毒の只中なる秋風 石塚友二 光塵
俳諧の毒を畏み土用入 藤田湘子 てんてん
俳諧の奈良茶茶の湯の柚味噌哉 柚味噌 正岡子規
俳諧の二十三夜を誰と待たん 景山筍吉
俳諧の萩刈ならば手伝はむ 阿波野青畝
俳諧の飛耳張目や鳥渡る 尾崎迷堂 孤輪
俳諧の仏千句の安居かな 正岡子規
俳諧の仏千句の安居哉 夏籠 正岡子規
俳諧の奉行何処に豊の秋 高澤良一 鳩信
俳諧の木の実拾ひに又来べし 高浜虚子
俳諧の夜の語らひの誘蛾灯 渋谷 一重
俳諧の慾の飽くなき熊手買ふ 富安風生
俳諧の来しかた透ける簾かな 久保田万太郎 流寓抄
俳諧の落穂拾いの夜は更けて 高澤良一 寒暑
俳諧の旅に拾ひし木の実植う 麻田椎花
俳諧の旅に日焼けし汝かな 高浜虚子
俳諧の旅を寒行とぞ思ふ 下村梅子
俳諧の炉火絶やさずに守れよと師 村松紅花
俳諧の腕力振るへ其角の忌 高澤良一 ぱらりとせ
俳諧の咄身にしむ二人哉 身に入む 正岡子規
俳諧の鬱と激しや吹流し 鈴木六林男 谷間の旗
俳諧はさびしや薬缶の氷水 藤田あけ烏
俳諧はほとんどことばすこし虚子 筑紫 磐井
俳諧は寒きものぞと教へしが 松根東洋城
俳諧は鬼貫に聴けほととぎす 鈴木鷹夫 千年
俳諧は狂気も佳けれ火吹竹 鈴木鷹夫 風の祭
俳諧は業余のすさび籠枕 長谷川櫂 蓬莱
俳諧は樹海のごとしかたつむり 伊藤久生
俳諧は破格破格と木菟の云ふ 高澤良一 燕音
俳諧は木綿文学たにし鳴く 政所小枝
俳諧は唯一の快楽糞ころがし 丘本風彦
俳諧は老子に近し小夜時雨 京極杞陽
俳諧は屁のやうなもの浮いてこい 中原道夫
俳諧は肚(はら)でするもの冬瓜汁 高澤良一 寒暑
俳諧もこの世のさまも青邨忌 深見けん二 日月
俳諧もすなるあるじの三宝柑 辻桃子
俳諧も紙の類なり春埃 竹本健司
俳諧やセル著なしてはふはとぬぐ 加藤郁乎 佳気颪
俳諧や言葉がくれの蛸と月 中村ヨシオ
俳諧や斧鉞一閃の蟻地獄 石原八束 『風信帖』
俳諧や報國も翼賛も芋嵐 筑紫磐井 花鳥諷詠
俳諧や木の實くれさうな人を友 木の実 正岡子規
俳諧や藁を担いで出てゆけり 森下草城子
俳諧を阿呆とののしり榾をつぐ 辻 桃子
俳諧を云ふべきは云ふ尾花かな 加藤郁乎 江戸桜
俳諧を鬼神にかへす朧かな 前田普羅
俳諧を守りて小千谷の雪の中 長谷川櫂 蓬莱
俳諧を受話器に切りし春の暮 加藤郁乎
俳諧史いま桔梗の志 川崎展宏
俳諧師あやしみ立てり毒茸 平赤 繪
俳諧師青水無月の星愛す 岸風三樓
俳諧寺一茶も見たり蝉の穴 川崎展宏
俳諧寺一茶忌あなたまかせかな 増田龍雨
俳諧寺鳴かしてみたき亀のをり 橋本榮治 麦生
俳諧道五十三次蝸牛 加藤郁乎(1929-)
俳諧奉行去来の庵に夕鵙来 高澤良一 燕音
俳諧未生以前の案山子かな 小杉余子 余子句選
敗荷より俳句授かるまで長居 高澤良一 寒暑
梅さくや居酒屋の主発句よむ 梅 正岡子規
畑打つて俳諧国を拓くべし 佐藤念腹
八十の恋や俳句や年の花 細見しゆこう
発火性十七文字寒の雨 高野ムツオ 蟲の王
発句してわらわせにけりけふの月 内藤丈草
発句なり松尾桃青宿の春 松尾芭蕉
髪が枯れ俳句三昧壁炉愛づ 飯田蛇笏 雪峡
飛ぶ蝶に我が俳諧の重たさよ 幸田露伴
苗売の声流れ来し俳句会 肥田埜勝美
夫唱婦随俳諧一途獺祭忌 滝川名末
仏道に如意俳諧に蠅叩 成瀬正とし 星月夜
文字摺草さらりと発句ひとひねり 角田双柿
碧天を占めた俳句の時間帯 浅野逍風
墓撫でて吾も俳諧の一遍路 富安風生
抱一は発句も読んで梅の花 夏目漱石 明治三十二年
蓬莱に俳句の神を祭らんか 蓬莱 正岡子規
忙しきよ花よ蝶よと俳諧は 高澤良一 暮津
朴落葉俳諧の一舎残らまし 河東碧梧桐
枕にす俳句分類の秋の集 秋 正岡子規
味気なきたるみ俳句の御慶かな 加藤郁乎
娘にも俳句作らせ夢二の忌 鈴木鷹夫 春の門
命より俳諧重し蝶を待つ 阿部みどり女
毛衣の悪女俳句を得手とせり 小松道子
木瓜の花もってまはらぬ俳句好し 高澤良一 素抱
木枯や俳諧のこと稚魚のこと 大石悦子 聞香
木深くも入りてホ句得ず秋の声 長谷川かな女 雨 月
木々は芽に二句の連句を墓おもて 京極杞陽
目高泳げり俳句する人空気吸えよ 豊山千蔭
目醒めがちなるわが尽忠は俳句かな 高柳重信
餅焦がす捨て切れぬ駄句うろうろし 渡辺 恭子
夜の秋の今は俳句の友たりき 瀧春一 菜園
夜の蝉も十七文字も紋切り型 高澤良一 素抱
夜寒うれしこの頃われとホ句うれし 京極杞陽 くくたち上巻
野菊晴母の俳句はをさなくて 清崎敏郎
野分してわれら俳諧浪曼派 大山雅由
野坡の忌や俳諧の道古きより 島元義之助
夕焼けに顔を燃やして発句修羅 高澤良一 随笑
謡ヲ談シ俳句ヲ談ス新茶哉 新茶 正岡子規
羅に透けて俳諧観世音 後藤比奈夫 めんない千鳥
落葉厭ふひとに俳諧なかりけり 阿部みどり女
立つ蛆に手の有無からうじて俳句 竹中宏 句集未収録
励めとは俳諧のこと草萌ゆる 木村蕪城 一位
裂いて辛夷のごとき紙屑駄句二百 塚本邦雄 甘露
恋の猫わがホ句小屋をのぞき鳴く 小原菁々子
連句して御室に鹿を聞く夜かな 蕪村
連句読めば芭蕉が好きや冬籠 星野立子
連句讀めば芭蕉が好きや冬籠 星野立子
炉開や又俳諧の友にして 高浜虚子
露の身の吾れに俳諧なかりせば 緒方句狂
露ほどの俳諧せむとや生まれけむ 加藤郁乎
露燦と俳諧やくざ恥多し 山口草堂
和歌に痩せ俳句に痩せぬ夏男 夏 正岡子規
和歌優雅俳諧自由翁の忌 岩崎照子
懈怠日々わが俳諧の神の留守 木部八千代
涅槃図に顔寄せ俳句亡者かな 藤田湘子 てんてん
爰ぞ万句俳諧名所の桜塚 井原西鶴
獺祭忌発句にもある著作権 高澤良一 宿好
筍に発句題して帰りけり 筍 正岡子規
筍を剥いて発句を題せんか 正岡子規
絲爪忌やドイツに俳句育ちつつ 千原草之
蕣に見者俳句に読み手あり 高澤良一 寒暑
閼伽すこし枯野にそそぎ俳諧師 古舘曹人 砂の音
霍乱や拙が名句の日々に疎し 加藤郁乎
鯊船にあらず俳諧夜舟なり 鈴木鷹夫 風の祭

俳句 補遺

あたかもよしわれら俳諧五月祭 山口青邨
いくまんの露の俳句が勲章に 山口青邨
うぐひすの夜飼上手や俳諧師 秋櫻子 殉教
うねる黄河に 浮腰 機上の俳句仲間 伊丹三樹彦
かげろふの甲斐はなつかし発句の大人 石橋秀野
かへりみる吾が俳諧や年の暮 松本たかし
ここにまた俳諧の炉や涼しき火 山口青邨
この町にホ句育てつつ鬼城の忌 上村占魚 球磨
これをたゝけばホ句~といふ南瓜かな 村上鬼城
すこしにぎやか俳諧人も神楽見る 山口青邨
セル軽く俳諧われを老いしめし 三橋鷹女
たのもしき発句の医や吾子種痘 石橋秀野
ちび筆に俳諧うとし春の風邪 石橋秀野
つんぼうの日なた発句にささないて 阿波野青畝
どぶろくの境界発句の天下かな 河東碧梧桐
ながき夜の枕かかへて俳諧師 飯田蛇笏 山廬集
ふだん着の俳句大好き茄子の花 上田五千石 琥珀
ほほゑみをかくさぬ発句始かな 上田五千石『琥珀』補遺
ホ句ずきの顔の揃うて夜長かな 日野草城
ホ句たのし松葉くゆらせ煖炉たく 杉田久女
ホ句のわれ慈母たるわれや夏痩ぬ 杉田久女
まじまじと宗祇発句を読みはじむ 佐藤鬼房
みなし栗ふめばこころに古俳諧 富安風生
わが俳句歌より来たる曝書かな 富安風生
悪魔の辞典俳諧の辞典年の暮 山口青邨
維摩会にまゐりて俳諧尊者かな 村上鬼城
一生を賭けし俳諧春の燭 飯田蛇笏 雪峡
芋の葉の露や俳諧かをり初む 三橋鷹女
引き据うるわが俳諧や飢餓の前 日野草城
隠棲にあらず俳諧に竹の春 山口青邨
卯の花に鍋を干したが発句かや 正岡子規 卯の花
奥の間の軸は古俳句狩の宿 山口青邨
佳句秀句すなどることを初仕事 上田五千石 天路
夏ごもりの門に佇ちしは俳諧師 阿波野青畝
夏近き俳句の会や夏の題 正岡子規 夏近し
夏草の今も細道俳句の徒 西東三鬼
夏来れば夏をちからにホ句の鬼 飯田蛇笏 家郷の霧
夏籠や我は発句を書きためん 正岡子規 夏籠
歌よみよ我俳諧の奈良茶飯 正岡子規
花ちるや俳諧ほいとにはあらず 燕雀 星野麥丘人
我病んで花の発句もなかりけり 正岡子規 花
柿喰の俳句好みしと傳ふべし 正岡子規 柿
柿主といふ俳諧の言葉あり 高野素十
柿食ふや俳諧我に敵多し 原石鼎 花影
額の花これより夏の俳句会 山口誓子
寒に逝くまこと俳句の鬼として 桂信子 草影
寒雀病者ら俳句愛すなり 村山故郷
寒燈やホ句のまことのひとすぢに 西島麥南 金剛纂
寒富士や俳句の行衛国の行衛 中村草田男
閑子鳥扨も発句師のかしましき 正岡子規 閑古鳥
菊を売るまた俳諧の心なり 山口青邨
曲水の俳諧椿などを詠み 佐藤鬼房
群肝と駄句と抱えて蒲団の中 金子兜太
傾城の発句名高し初松魚 正岡子規 初鰹
月浴びて 骨の髄まで俳諧師 伊丹三樹彦
個性(さが)まげて生くる道わかずホ句の秋 杉田久女
古日記俳句の蟲の糞りしもの 富安風生
枯るゝ中石火の発句欲りにけり 上田五千石『風景』補遺
枯芝に俳諧の国子供の国 福田蓼汀 山火
御入来の俳諧和尚花見酒 百合山羽公 樂土以後
御墓に俳諧の柿供へけり 山田みづえ まるめろ
行く年の伊賀にたづねん古俳諧 高浜年尾
行く年や白紙残る俳句帳 日野草城
行年のひびきを聴かん俳諧師 阿波野青畝
今もある美濃派俳諧柿自慢 阿波野青畝
今返す冬の発句ぞ冴えかへる 正岡子規 冴返る
今様俳諧師か 夏越のあばらぼね 伊丹三樹彦
沙羅咲いて俳諧いよよ神妙に 雨滴集 星野麥丘人
歳晩や裏町にあるホ句の会 日野草城
三千の俳句を閲し柿二つ 正岡子規 柿
三冬のホ句もつづりて狩日記 飯田蛇笏 山廬集
残暑尚続く一日の俳句会 上村占魚 球磨
子を祝ふ俳句の会や柏餅 正岡子規 柏餅
師にうくるわが俳諧や菊の秋 西島麦南 人音
枝豆ヤ俳句ノ才子曹子建 正岡子規 枝豆
糸瓜忌や俳諧帰するところあり 村上鬼城
守武忌俳諧のまだ身に添はず 松崎鉄之介
酒を煮る男も弟子の発句つくり 正岡子規 酒煮る
秋ぐちの日暮は藁の俳諧寺 能村登四郎
秋の雲眺めて無為や俳諧師 山口青邨
秋の夜の俳諧燃ゆる思かな 石田波郷
秋水や俳諧奉行址橋たもと 角川源義
秋晴や寝台の上のホ句つくり 杉田久女
秋風やあはれ氣もなき俳諧師 正岡子規 秋風
秋風や薄清にしてホ句つくる 川端茅舎
十薬や世に古りそめしわが俳句 石田波郷
春寒し俳句止めざる男の面 相馬遷子 雪嶺
春風や藪のやうなる古俳諧 藤田湘子 てんてん
初仕事俳句の蟲をもて任じ 富安風生
少年の木の実のホ句に振ひけり 河東碧梧桐
食を断ち水絶ちホ句を絶ち涼し 後藤比奈夫
新興俳句忌ちふはなけれど春の雪 三橋敏雄
生身魂俳句は判りたまひけり 後藤比奈夫
西行忌ホ句にあそべる我は生く 阿波野青畝
西行忌俳句には恋詠まぬかな 阿波野青畝
赤とんぼ 恋着 俳諧師某之墓 伊丹三樹彦
雪原に兵の壮夫の発句生れよ 石橋秀野
煎餅かんで俳句を談す火鉢哉 正岡子規 火鉢
僧や俗や梅活けて発句十五人 正岡子規 梅
挿木して俳諧堕つるところかな 藤田湘子 神楽
窓あけてホ句細心や萩晴るる 飯田蛇笏 山廬集
霜柱俳句は切字響きけり 石田波郷
息きつて発句もできぬあつさ哉 正岡子規 暑
待遠しき俳句は我や四季の國 三橋敏雄
大夏炉俳諧の火を燃やすべく 高野素十
大年や茶の間の客は俳諧師 日野草城
滝寺の俳諧守ぞ頼母しき 角川源義
茸狩の松茸を秀句賞とせり 右城暮石 句集外 昭和六十一年
達磨忌や僧を眺めて俳諧師 川端茅舎
端居して遠しと信ず古俳諧 阿波野青畝
着ふくれて俳句の鬼と任じけり 阿波野青畝
昼の蟲一期のホ句を案ずらし 松本たかし
虫鳴や俳句分類の進む夜半 正岡子規 虫の声
通天やしぐれやどりの俳諧師 川端茅舎
釣人も俳諧のこころ年の暮 山口青邨
底紅や弔電のホ句とどくころ 上田五千石『天路』補遺
底紅や俳句に極致茶に極致 阿波野青畝
田楽は茄子を俳諧は荘子を祖 上田五千石 天路
田螺田の雨俳諧師逗留す 高野素十
田螺鳴くひとり興ずる俳諧師 山口青邨
冬晒地蔵の前過ぎ俳諧師(はいくつくり)なれど 中村草田男
桃史死ぬ勿れ俳句は出来ずともよし 日野草城
虹の前老俳諧師忸怩たり 山口青邨
日の本の俳諧見せふふしの山 正岡子規
年男われは俳句の季題にて 三橋敏雄
芭蕉忌の流燈俳諧亡者ども 山口誓子
芭蕉忌やとはに淋しき古俳諧 村上鬼城
芭蕉忌やみな俳諧の長者顔 前田普羅 普羅句集
芭蕉忌や我俳諧の奈良茶飯 正岡子規 芭蕉忌
芭蕉破れぬ俳句怠りゐし我に 村山故郷
俳句とは業余のすさび木の葉髪 中村苑子
俳句やさし俳句むつかしゆすらうめ 後藤比奈夫
俳句思へば泪わき出づ朝の李花 赤尾兜子 玄玄
俳諧(へえけへ)は四季に雜さて年新た 三橋敏雄
俳諧にかかはらぬものを読始 富安風生
俳諧につぐ闘菊や西鶴忌 飯田蛇笏
俳諧に捨てしこの身や炉を開く 日野草城
俳諧に生きて男の子や秋の風 日野草城
俳諧に凡の日あらぬ寝茣蓙かな 上田五千石 天路
俳諧に遊ばばや明易くとも 阿波野青畝
俳諧に遊びほうけて去年今年 山口青邨
俳諧に惑はず銀河南北に 日野草城
俳諧のあやめ結ばむ禿頭 阿波野青畝
俳諧のけふを酒宴に恵比寿講 森澄雄
俳諧のこころに荒地野菊かな 富安風生
俳諧のはらわた見せる紙衣かな 正岡子規 紙衣
俳諧のものの一つの冬日かな 高野素十
俳諧の一後進や万愚節 相生垣瓜人 明治草
俳諧の蛙フランス風に食ぶ 後藤比奈夫
俳諧の葛一袋夏見舞 高野素十
俳諧の忌日の中の子規忌かな 上村占魚 球磨
俳諧の虚実を見たり古茶新茶 正岡子規 新茶
俳諧の栗を拾はむ虚栗も 阿波野青畝
俳諧の月の心をともなひて 稲畑汀子
俳諧の御師のひとりの寒さかな 角川源義
俳諧の行往坐臥や夏来る 富安風生
俳諧の今宵の宿り月の空 高野素十
俳諧の秋さびてより二百年 正岡子規 秋さぶ
俳諧の心に蝶の美しく 高野素十
俳諧の西の奉行や月の秋 正岡子規 月
俳諧の疎まれ弟子の余寒かな 石田勝彦 百千
俳諧の草餅一つ啖ひけり 寒食 星野麥丘人
俳諧の大人(うし)といふべく友二の忌 星野麥丘人 2003年
俳諧の竹馬の友よ虹かけよ 山口青邨
俳諧の昼のふかみに猫の恋 下村槐太 光背
俳諧の帳面閉ぢよ除夜の鐘 村上鬼城
俳諧の毒の只中なる秋風 石塚友二 光塵
俳諧の毒を畏み土用入 藤田湘子 てんてん
俳諧の奈良茶茶の湯の柚味噌哉 正岡子規 柚味噌
俳諧の萩刈ならば手伝はむ 阿波野青畝
俳諧の仏千句の安居哉 正岡子規 夏籠
俳諧の欲の飽くなき熊手買ふ 富安風生
俳諧の咄身にしむ二人哉 正岡子規 身に入む
俳諧の諧にそむけり放屁虫 松崎鉄之介
俳諧や木の實くれさうな人を友 正岡子規 木の実
俳諧をさみしくしたり鳥威 阿波野青畝
俳諧夏行ゆるがせならぬ一昼寝 松本たかし
俳諧師ならばと 月の独吟百 伊丹三樹彦
俳諧師東明雅もしぐれけり 山田みづえ 草譜
俳諧事に非ず喪の家に蚊火焚いて 安住敦
俳諧寺一茶に綿ななかまど 百合山羽公 樂土
俳諧肺腑に沁みて腥し 富安風生
梅さくや居酒屋の主発句よむ 正岡子規 梅
八匹の俳句の鬼に鬼の飴 百合山羽公 樂土
発句修羅の仏おはして冴返る 石橋秀野
発句脇句第三とおき夕蛙 星野麥丘人 2001年
髪が枯れ俳句三昧壁炉愛づ 飯田蛇笏 雪峡
板書には英訳俳句 桜草 伊丹三樹彦
晩涼やおのおの語る古俳諧 飯田龍太
頻り頻るこれ俳諧の雪にあらず 中村草田男
蕗の薹そこらに台所俳句はいかに 山口青邨
蕗味噌をなめて俳諧はかく寂びし 山口青邨
宝舟届けくれけり俳諧師 秋櫻子 緑雲
蓬莱に俳句の神を祭らんか 正岡子規 蓬莱
朴落葉俳諧の一舎残らまし 河東碧梧桐
凡そ世に花の名句は山ほどに 鈴木真砂女 紫木蓮
盆の月俳句亡びるかもしれず 高田風人子
妹とゐて俳諧の夏たのしけれ 山口誓子
枕にす俳句分類の秋の集 正岡子規 秋
万両や詞すくなき俳句会 阿波野青畝
餅花や俳句に痩せし黄裸秤る 伊丹三樹彦
野菊晴母の俳句はをさなくて 清崎敏郎
謡ヲ談シ俳句ヲ談ス新茶哉 正岡子規 新茶
羅に透けて俳諧観世音 後藤比奈夫
立春や俳句とあそぶ法と遊ぶ 村山故郷
励めとは俳諧のこと草萌ゆる 木村蕪城 一位
連句読めば芭蕉が好きや冬籠 星野立子
和歌に痩せ俳句に痩せぬ夏男 正岡子規 夏
侘助の加はりをれる俳句会 相生垣瓜人 負暄
楸邨忌俳諧軽くなりしかな 林翔
涅槃図に顔寄せ俳句亡者かな 藤田湘子 てんてん
筍に発句題して帰りけり 正岡子規 筍
筍を剥いて発句を題せんか 正岡子規 筍
籐寝椅子子に俳諧は継がしめず 安住敦
閼伽すこし枯野にそそぎ俳諧師 古舘曹人 砂の音
霙るるや襖の文字の古俳諧 山口青邨

俳句 続補遺

としの暮あるひて発句あんじばや 土芳
なき人の発句きゝけり秋の雨 高桑闌更
ほとゝぎす坐当も一度発句かな 存義
夷講海老蔵秀句出かしたり 東皐
意味ふくむ今俳諧や雪の梅 西鶴
一字づゝ発句かゝばやちるもみぢ 井上士朗
一里は皆俳諧ぞくさの華 支考
花さけや発句に事をかきつばた 支考
花鳥や灰買船に俳諧師 支考
寒くとも出せ俳諧の船子ども 万子
曲水に秀句の遅参気色あり 曉台
今朝国士笑はせ初めぬ俳諧師 菅野谷高政
字を置てホ句になし侍る 存義
初ゆきの発句や皃の南ミ向ク 卓袋
初雁やあたまに発句尻に哥 万子
初日の花俳諧中間より銘々木々 西鶴
水のやうな発句のほしや夏坐敷 朱拙
杉焼の鳧や伺候の俳諧師 三宅嘯山
巣の為にならばとらせん発句の屑 東皐
霜がれの芭蕉をうへし発句塚 杉風
天の川明て空見る発句ぬし 子珊
日の影のかなしく寒し発句塚 史邦
俳諧でむすめの名也さよ碪 支考
俳諧にすゝむ人あり比良三上 里東
俳諧に古人有世のしぐれ哉 几董
俳諧に寐ころびがたし蓮の上 支考
俳諧の鎧を着ばや酒のかん 朱拙
俳諧の佐野のわたりやほとゝぎす 許六
俳諧の三神こゝに冬ごもり 几董
俳諧の紫陽花をしれ七変化 凉菟
俳諧の鼠も多し小豆種 支考
俳諧の草木なりけり梅の花 井上士朗
俳諧の袖も翁も時雨かな 梢風尼
俳諧の袖も芭蕉も枯野かな 梢風尼
俳諧の道くさにせん茶挽草 舎羅
俳諧の羅漢ならべりほとゝぎす 高桑闌更
俳諧師見かけて啼や諌皷鳥 支考
俳諧師梢の柿の蔕ばかり 松窓乙二
俳諧説て関路を通るしぐれかな 曽良
発句してわらわせにけりけふの月 丈草
筆柿に発句きかせよ越の人 凉菟

以上

by 575fudemakase | 2017-12-15 07:58 | 無季 | Trackback | Comments(0)

電飾 の俳句

電飾 の俳句
電飾

イヴの電飾庭木をうまく使ひけり 高澤良一 石鏡
クリスマスツリー電飾シンプルに 高澤良一 石鏡
クリスマス電飾抜けて来し眼鏡 原田栖子
こずゑまで電飾されて街路樹あり人のいとなみは木を眠らせぬ 小池光
画廊出てポインセチアも電飾に 原田嶺子
国慶節の電飾用意へ 薯煮える 伊丹公子 機内楽
聖夜来てすずらん通りの電飾樹 高澤良一 石鏡
電飾の胸元もまた十二月 嶋田麻紀
電飾の光さざめく師走の夜 牛島淳吉
電飾の仕掛け昼にてあらはな樹 高澤良一 石鏡
電飾の聖樹のともる夜の川 魚井イチエ
電飾の青々と醒め寒の雨 水田むつみ
電飾の木に隣りして社会鍋 岩崎照子
電飾の木より離れし冬木立 赤尾恵以
夕凪にもう電飾のトラック部隊 横山白虹
裸木の電飾いくつ星に足す 鱒澤行人

電飾 補遺
電飾樹残る日数をかぞへよと 林翔
石畳濡らす電飾悪誘う 伊丹三樹彦
ホテル広場電飾のみの大聖樹 山口誓子

以上

by 575fudemakase | 2017-12-11 12:10 | 無季 | Trackback | Comments(0)

宿木 の俳句

宿木 の俳句

宿木

あなたが死んで宿り木に雪我に雪 原 雅子
あはれなる寄生木さへや芽をかざす 加藤楸邨
寄生木と鳥籠かけぬ枯木宿 前田普羅 新訂普羅句集
寄生木に雪嶺浮かみゐしが雨 木村蕪城 寒泉
寄生木に冬いきいきと鳥かよふ 杉本寛
寄生木に冬を残して帰り花 菊童
寄生木に夢あづけあり春夕 藤田湘子 てんてん
寄生木のうすうす見えて霧の中 花蓑
寄生木の影もはつきり冬木影 篠原鳳作
寄生木の春のみどりの御社 川崎展宏
寄生木の裏かゞやかす秋の潮 佐野まもる 海郷
寄生木やくさめとどきし夕鴉 桂樟蹊子
寄生木やしづかに移る火事の雲 水原秋桜子
寄生木やスケート一団山に入る 堀口星眠 火山灰の道
寄生木や静かに移る火事の雲 水原秋桜子
高梢に寄生木昇り初日受く 高澤良一 ももすずめ
宿り木の吹きあらはれし野分かな 岸本尚毅 舜
宿り木は葉をつけしまま大枯木 清水幸子
宿り木も薄紅葉して気多の杜 千田一路
宿り木を仰ぎて寒きふたりなり 山尾玉藻
宿り木を風が梳きゆく二月尽 鈴木一子
宿木と古巣は枝を異にして 高澤良一 石鏡
宿木にほうと佇む耳袋 高澤良一 鳩信
宿木に雀睦める年の暮 高澤良一 随笑
宿木に大甕のごと空冷えて 高澤良一 燕音
宿木に飛雪張りつく峠越え 高澤良一 随笑
宿木の円かに月の朧なる 長谷川久々子
宿木の翔び立ちさうな冬青空 高澤良一 随笑
宿木も共に神木小鳥来る 川崎桂子
宿木を寄せぬ欅でありにけり 高澤良一 さざなみやつこ
宿木を見つけしこゑの高弾み 高澤良一 随笑
春浅き旅は寄生木見つつ行く 加倉井秋を 午後の窓
春田から見えて火の見も寄生木も 藤田湘子 てんてん
初弥撒や寄生木に日の凍りつつ 堀口星眠
初彌撒や寄生木に日の凍りつつ 堀口星眠
水涸れて木に宿り木の高さかな 波多野爽波
大寒や榎木に百の寄生木の毬 西本一都 景色
汝が魂よ冬霧すさぶ寄生木よ 堀口星眠 営巣期
梅の木になほ宿り木や梅の花 松尾芭蕉
梅の木に猶宿り木や梅の花 松尾芭蕉
富士颪わけて細枝の寄生木は 市村究一郎
風に敏く寄生木に冬長からむ 中戸川朝人 残心
幽谷の宿り木にして春を待つ 津田清子
落葉して寄生木が編む毬の数 福永耕二
落葉尽き寄生木の群天を占む 林翔 和紙
楼門より寄生木高し春日の中 沢木欣一
鶸の讃歌寄生木のまづ萌えたつを 堀口星眠 火山灰の道

宿木 補遺

あはれなる寄生木さへや芽をかざす 加藤秋邨
何の木ぞ宿り木多き裸木は 右城暮石 散歩圏
寒禽に寄生木の雲ゆきたえぬ 飯田蛇笏 山響集
寄生木と鳥籠かけぬ枯木宿 前田普羅 普羅句集
寄生木にして薄紅葉したりけり 清崎敏郎
寄生木に雪嶺浮かみゐしが雨 木村蕪城 寒泉
寄生木に魅せられ餅を搗く女 橋閒石 卯
寄生木に夢あづけあり春夕 藤田湘子 てんてん
寄生木のみどりを春の驟雨過ぐ 飯田龍太
寄生木の毬青め青めてみそさざい 山田みづえ 手甲
寄生木やしづかに移る火事の雲 水原秋櫻子 葛飾
山祗のゆりかごであり宿り木は 佐藤鬼房
春田から見えて火の見も寄生木も 藤田湘子 てんてん
初茜して寄生木は藻のごとし 鷹羽狩行
水涸れて木に宿り木の高さかな 波多野爽波
母危篤寄生木に雪吹きつけて 大野林火 白幡南町 昭和二十九年
落葉尽き寄生木の群天を占む 林翔 和紙

宿木 続補遺

宿り木のうと~青し初時雨 六窓 新類題発句集
寄生木や宇那提の巣からこぼれ種 露川

以上


by 575fudemakase | 2017-12-10 18:42 | 無季 | Trackback | Comments(0)

料理屋 の俳句

料理屋 の俳句

料理屋

料理屋 料亭 菜館 飯店 飯屋 鮨屋 蕎麦屋 飲食店 レストラン グリル



あやめ咲く料亭の口斜めに入る 長谷川かな女 花 季
この街の古き飯屋の汚れし燈 細谷源二 砂金帯
この町に料亭ひとつ年忘 上崎暮潮
この町に料亭一つ年忘 上崎暮潮
ちり鍋や古き港の料亭に 小路紫峡
てふてふに隣の蕎麦屋・のぞき部屋 筑紫磐井 花鳥諷詠
ネオンなき菜館ならぶ夜の若葉 大島民郎
バラライカ爪弾く霜夜のレストラン 河村凌子
ホテルあり木槿づたひにグリルあり 京極杞陽
まだ誰も来ぬ料亭の端居かな 下田実花
レストランとは名ばかりや守宮住み 高橋 向山
一徹を通す蕎麦屋の夏暖簾 内藤洪基(悠)
雨の蕎麦屋に濤の寄りくる音すなり 阿部完市 春日朝歌
奥能登の蕎麦屋に売れる雪割草 坂部尚子
下駄履や春光をぬひ蕎麦屋まで 加藤 隆一
夏柳岸の鮨屋も蔵造り 酒詰万千雄
寒念仏夜の料亭に入り来たる 今井三重子
機帆船のごとし七月飯屋あり 小木ひろ子
蕎麦屋にて青水無月と思ひけり 田中裕明 先生から手紙
蕎麦待つ間蕎麦屋の鉢植え岩煙草 高澤良一 暮津
駆け降りて高尾の蕎麦屋新酒汲む 矢野春行士
懸想文蕎麦屋の湯気にひらきけり 佐土井智津子
拳銃がありそうな棚 港のレストラン 伊丹公子 メキシコ貝
現はるゝ白き飯屋や天の冬 攝津幸彦
古き名の一料亭や都鳥 阿波野青畝
国旗又飯店の赤国慶節 高澤良一 燕音
歳晩の向ひの窓もレストラン 高木晴子
坂本の里の蕎麦屋の師走かな 久保田万太郎 流寓抄以後
師と背中合はせ五月のレストラン 名井ひろし
児とともに海の料亭春の旅 飯田蛇笏 雪峡
受験子の出でたる飯屋わが入りぬ 井沢正江 晩蝉
春の夜や料理屋を出る小提灯 春の夜 正岡子規
春節の飯店気前よき盛り付け 高澤良一 素抱
春燈や石段のあるレストラン 田中冬二 麦ほこり
小屋掛けの蕎麦屋一軒雪間草 岡本菊絵
小春日や玻璃窓広きレストラン 大下 健二
松に菊蕎麦屋の庭の時雨かな 渡辺水巴 白日
新そばとなりし蕎麦屋も宿ほとり 皆吉爽雨
吹越の舞ひ来る昼のレストラン 満田玲子
水のめば葱のにほひや小料亭 芝不器男
水呑めば葱のにほひや小料亭 不器男
聖樹はや十一月のレストラン 大久保白村
西瓜食ぶ海のにほひのレストラン 北川みよ子
雪道を来相知の鮨屋龍安寺道 橋本夢道 『無類の妻』以後
先を切られて料亭の竹生き抜く夏 田川飛旅子 花文字
扇子一本腰に収めて飯店へ 高澤良一 寒暑
素っ気なき飯屋のお嬶御神渡 千曲山人
素つ気なき飯屋のお嬶御神渡 千曲山人
僧ひとり料亭に待つ湯びき鱧 岩下四十雀「長考」
大寒をかなしむ田舎料亭に 相馬遷子 雪嶺
卓上のエリカに憩ふレストラン 塙 きく
昼ともすレストラン秋めく翳 柴田白葉女 『朝の木』
昼過ぎし蕎麦屋の閑や花木槿 森澄雄
昼閉ざす河岸の料亭葉月潮 木村蕪城
町暑し蕎麦屋下宿屋君か家 暑 正岡子規
天井の高き蕎麦屋の幸木 天野きらら
藤棚のある料理屋や町はづれ 藤 正岡子規
虹鱒や釣れし湖見てレストラン 稲畑汀子
日盛りや順番を待つレストラン 千葉ゆき枝
日盛を蕎麦屋暗きに入りにけり 野村喜舟 小石川
熱き皿配られ雪のレストラン 田川飛旅子 花文字
年越の親子贔屓の蕎麦屋あり 安住敦
煤逃げの蕎麦屋には酒ありにけり 小島健
白鳥を見ながら蕎麦屋葱きざむ 吉岡昭治
白萩の花や繭蔵レストラン 山口富子
鉢植えの蕎麦屋の風船かづらかな 高澤良一 暮津
飯店 月光 どこかのノブが毀れている 伊丹三樹彦 写俳集
飯店の招牌月にしまひをり 高濱年尾 年尾句集
飯店の盛夏の器器かな 高澤良一 寒暑
飯店の卓に扇子を置き待てる 高澤良一 寒暑
飯店を出でたる森の夕永き 堀口星眠 営巣期
避暑客で賑はふ三ッ星レストラン 高澤良一 燕音
富士仰ぐ一膳飯屋のさくらえび 平林孝子
頬あかきグリルのをとめ聖週期 飯田蛇笏
餅花や名代の蕎麦屋楽ひくく 高井北杜
厄詣帰りの飯店古老肉(すぶた)食ぶ 高澤良一 暮津
柳散り蕎麦屋の代のかはりけり 久保田万太郎
葉桜や蕎麦屋でたのむ玉子焼 鈴木真砂女
落葉してつばめグリルのフォークたち 大隅優子
立ち出でゝ蕎麦屋の門の朧月 朧月 正岡子規
料亭となりし酒蔵菰円座 山田千代
料亭に今歩む我都鳥 上野泰 春潮
料亭に早く来すぎし端居かな 築城百々平
料亭ののうぜん下火となりにけり 高澤良一 素抱
料亭の一繋舟に秋日差 高澤良一 さざなみやつこ
料亭の松の手入へ昼の客 山本岳南
料亭の昼深閑と敷松葉 藤松遊子
料亭の坪庭花魁草咲けり 大出蕭々子(天佰)
料亭の門前に水打ちて老ゆ 桂信子 樹影
料亭を出て夜の吹雪頬にあらく 高濱年尾 年尾句集
料理屋の看板吹くや春の風 春風 正岡子規
料理屋の紅梅散りて桜哉 桜 正岡子規
料理屋の白川侯の秋の風 秋風 正岡子規
料理屋の夜の*間寂や白芙蓉 飯田蛇笏 霊芝
料理屋の夜の間寂や白芙蓉 飯田蛇笏 山廬集
料理屋の厠うつくし八重桜 八重桜 正岡子規
料理屋は川魚ばかり桃の花 桃の花 正岡子規
料理屋を兼ねたる春の宿屋哉 春 正岡子規
緑蔭の冬の日に似るレストラン 京極杞陽
恋猫や蕎麦屋に酒と木遣節 春樹 (木場)
魯迅在すごと薄暑の飯店賑はへり 関森勝夫
麓の蕎麦屋に何カラツトの寒すばる 尾田秀三郎
罠獣皮飾りて山のレストラン 吉良比呂武
雉啼くや蕎麦屋で酔ひし昼の酒 原田青児
餃子リャンコと注文とられ春の飯店 高澤良一 寒暑
鮨屋の鮨少しさみしくランナー過ぐ 加川憲一
鮨屋へのカレーの出前油照 山口恵子

料理屋 補遺

グリルは母系三代 すこやか グラジオラス 伊丹三樹彦
この街の古き飯屋の汚れし燈 細谷源二 砂金帯
ミラー・レストラン 屋根裏脱出の老女 映し 伊丹三樹彦
レストラン「ふくろうの森」しぐれけり 佐藤鬼房
レストラン淫翳爐火にひらめきぬ 飯田蛇笏 山響集
レストラン綿で聖樹の雪増やす 山口誓子
安曇野の蕎麦屋ばんどこ青嵐 飯田龍太
夏服の妻と嘗てのレストラン 高田風人子
鎌倉の飯屋に食ひし田螺かな 原石鼎 花影
眼が馴れて 飯店への畦 蛙の闇 伊丹三樹彦
蕎麦屋出てまくなぎの辻よぎるなり 角川源義
古き名の一料亭や都鳥 阿波野青畝
紅顔しぐれるままに 飯店前 哨兵 伊丹三樹彦
菜飯屋の三日の昼を賑へり 松崎鉄之介
児とともに海の料亭春の旅 飯田蛇笏 雪峡
七階のレストランにて菜飯かな 星野麥丘人 2004年
春の夜や料理屋を出る小提灯 正岡子規 春の夜
助六を見て料亭に豆の飯 森澄雄
松に菊蕎麦屋の庭の時雨かな 渡邊水巴 白日
神の池は料亭の池睡蓮咲き 山口青邨
川沿ひの料亭にして火蛾も来る 高浜年尾
大寒をかなしむ田舎料亭に 相馬遷子 雪嶺
昼どきの蕎麦屋立て込む土用東風 鈴木真砂女 都鳥
虫すでに首都飯店の階のあたり 加藤秋邨
町暑し蕎麦屋下宿屋君か家 正岡子規 暑
天神の敷石料亭の門松へ 山口青邨
展望グリルのメニューは 檣 旗 鴎 伊丹三樹彦
湯気立たすグリル 霧湧く湖畔ホテル 伊丹三樹彦
灯の入りし築地料亭作り滝 山口青邨
藤棚のある料理屋や町はづれ 正岡子規 藤
年越の親子贔屓の蕎麦屋あり 安住敦
飯店 月光 どこかのノブが毀れている 伊丹三樹彦
表に山羊 裏に鶏 霧の飯屋混む 伊丹三樹彦
福寿草置いて一膳飯屋かな 石田勝彦 秋興以後
頬あかきグリルのをとめ聖週期 飯田蛇笏 春蘭
密議めく金魚ら 旧租界 飯店地下 伊丹三樹彦
夜の涼しさ料亭に著きし艀揺れ 山口誓子
夜の涼しさ料亭の階下に潮たぎつ 山口誓子
夜を待つ皿 配る 香水のグリル・マダム 伊丹三樹彦
夕焼の脚のゆききを鮨屋より 岡井省二 明野
葉桜や蕎麦屋でたのむ玉子焼 鈴木真砂女 居待月
裏門よりはひる料亭螢とぶ 山口青邨
立ち出でゝ蕎麦屋の門の朧月 正岡子規 朧月
料亭に今歩む我都鳥 上野泰 春潮
料亭に松を眺めて昼涼し 桂信子 花影
料亭の午下は毛虫も懈怠深し 楠本憲吉 孤客
料亭の手摺の艶も花のころ 桂信子 草影
料亭の僧都はかなし雨の中 山口青邨
料理屋に隣れば赤き穂蓼かな 河東碧梧桐
料理屋の看板吹くや春の風 正岡子規 春風
料理屋の紅梅散りて桜哉 正岡子規 正岡子規 桜
料理屋の白川侯の秋の風 正岡子規 秋風
料理屋の夜の*間寂や白芙蓉 飯田蛇笏 霊芝
料理屋の夜の間寂や白芙蓉 飯田蛇笏 山廬集
料理屋の厠うつくし八重桜 正岡子規 八重桜
料理屋は川魚ばかり桃の花 正岡子規 桃の花
料理屋を兼ねたる春の宿屋哉 正岡子規 春
林間の蕎麦屋の客の梅雨景色 飯田龍太
隣りあひ聖鐘を吊りレストラン聖夜 山口青邨
蠅捕つて飯屋大飯小飯盛る 百合山羽公 樂土

以上

by 575fudemakase | 2017-11-29 17:57 | 無季 | Trackback | Comments(0)

茶屋 の俳句

茶屋 の俳句

茶屋

スナック 喫茶店 茶房 茶寮 茶屋 茶店 掛け茶屋 茶亭



*ひつじ田へ紅葉降りつぐ上の茶屋 水原秋櫻子
あけすけに酔客見ゆる紅葉茶屋 飯田蛇笏 山廬集
あついめしがたけた野茶屋 尾崎放哉
あをあをと日本海や葭簀茶屋 鈴木康永
いとさんが傘傾けし瀧見茶屋 筑紫磐井 花鳥諷詠
うららかや鬼の茶屋とて休みの日(大江山鬼の茶屋) 角川源義 『西行の日』
オキザリス雨の茶房に人在らず 中谷朔風
おでん熱し太宰ゆかりの天下茶屋 飯田弥伊子
お詣りの往来見えをり枯木茶屋 阿部みどり女 笹鳴
お水取ホカロン売り込む茶屋親爺 高澤良一 寒暑
お茶亭の簾の裾のあやめかな 比叡 野村泊月
かかれるはカレンダーのみ白魚茶屋 横山白虹
かしこくも茶店出しけり夏木立 蕪村遺稿 夏
かなかなや五合目の茶屋はや灯し 三田紫峰
かまど猫座せり峠の茶屋の土間 茂里正治
くたびれや心太くふて茶屋に寝る 心太 正岡子規
クリスマスツリー飾りて茶房閑 翁長恭子
げつそりと雁はへりけりよしづ茶屋 一茶 ■文化三年丙寅(四十四歳)
けもの径抜け出て茶屋の白障子 福原紫朗
コゝア喫む茶房二月の棕櫚のかげ 岸風三楼 往来
この茶房静かに年の逝きにけり 森田峠
ころ柿と草鞋と吊す山の茶屋 寺田寅彦
しぐるゝと茶屋の火燵に戻りけり 比叡 野村泊月
しぐるるや茶房に大きパリの地図 麻殖生伸子
しぐるるや堀江の茶屋に客ひとり 龍之介
しらじらとずいき干しある舟屋かな 工藤茶亭
しら梅や北野の茶店にすまひ取 蕪村
しら梅や北野ゝ茶店にすまひ取 蕪村 春之部 ■ 摺子木で重箱を洗ふがくせよとは、政の嚴刻なるをいましめ給ふ、賢き御代の春にあふて
しんかんと空の蒼さよ葭簀茶屋 山口誓子
すぐ裏に清水湧きゐる花の茶屋 田中冬二 麦ほこり
すゝき原火口の茶屋を見おろしに 長谷川素逝
すゞみ床や茶屋淋しくも月夜に釜 井原西鶴
ぜんまいの筵にちぢむ峠茶屋 深井かず子
そば食はす茶屋みつけけり紅葉狩 山本逢郎
それぞれの席に手焙梅見茶屋 市川勢津子
たのみよる桜や茶屋のよつ柱 野澤凡兆
ちりかゝる桜の茶屋のともし哉 散桜 正岡子規
ちるや桜爰らに茶屋があつた物 井原西鶴
つぎものゝ茶店嫗も夏行かな 河野静雲 閻魔
つくりしよ茶店の前の草の花 草の花 正岡子規
つゝじ折るつゝじが茶屋の女哉 つつじ 正岡子規
つゝじ多く石碑立たる茶店哉 つつじ 正岡子規
テーブルに雲の峰生む喫茶店 有田裕子
でんがくの串干してあり萩の茶屋 加古宗也
でんがくの串笊に干し梅見茶屋 森田れいこ
とし~に霜がれにけりいろは茶屋 一茶
どの茶屋も皆静かなり夜の秋 比叡 野村泊月
どの茶屋も紅葉ごしらへなりにけり 比叡 野村泊月
どぶ六に野茶屋は暮て朧月 朧月 正岡子規
のどかさに餅くふ三井の茶店哉 長閑 正岡子規
のどかさや出茶屋の煙土手の人 長閑 正岡子規
はしり出て螢を追ふや茶屋の客 大橋櫻坡子 雨月
バタバタと音立て冬木茶屋しまふ 星野立子
はつ雁に暮煙を上ぐる瀬田の茶屋 飯田蛇笏 雪峡
プールで遇ひ茶房で別れしだけのこと 鈴木榮子(春燈)
ブルゾンや茶房の隅の指定席 片山由美子
ペチカ燃ゆ根室の街の茶房かな 東本礼子
ボースンと云ふ名の茶房涼あらた 山田桃晃
ポストある茶店で書いて避暑便り 千原草之
ほそほそと烟立つ茶屋の落葉かな 落葉 正岡子規
ぽつ~と野分に灯る茶屋淋し 阿部みどり女 笹鳴
ほどほどの床几しつらへ梅見茶屋 三宅豎子
まはし~選る吊草鞋時雨茶屋 西山泊雲 泊雲句集
みぞるゝや茶屋に灯りし吊燈籠 阿部みどり女 笹鳴
みよしのゝ茶屋もかゝらぬ太滝かな 五十嵐播水 播水句集
やつこ茶屋春の勢や弓初 許六
やまめ釣戻り来りし茶店かな 比叡 野村泊月
よく喋る茶店の鸚鵡木の芽晴 中山輝鈴
よしきりに焼茄子を出す茶亭かな 長谷川かな女 雨 月
よな汚れせる人に混み登山茶屋 宇川紫鳥
ラムネ飲む茶店に城の崖迫り 野中木立
リラの香や押せば鈴鳴る茶房の扉 原柯城
リラ冷えの茶房に鈴の鳴る扉 本庄登志彦
リラ冷えや地下の茶房にランプの灯 内山美江子
りら冷や旧姓呼ばれる地下茶房 明才地禮子
わが碗に入りし飛沫や滝見茶屋 木村容子
ゐこぼれて草藉くもあり遍路茶屋 芝不器男
をみならのお茶屋遊びの花菜漬 佐藤淑子
虻一つ居て行き過ぎし茶店かな 長谷川零余子
鮎を焼く木炭こぼし茶店留守 高井北杜
鮎茶屋の仏壇見ゆるところかな 大石悦子 聞香
鮎茶屋へ俗世を離る溝一つ 梶山千鶴子
鮎鮓や多摩の晩夏もひまな茶屋 飯田蛇笏 山廬集
一ト嵐青き芒の分の茶屋 廣江八重櫻
一行の茶屋にあふれし夕立かな 松藤夏山 夏山句集
一人居る茶屋の手摺や冬紅葉 野村泊月
一人増え二人が去つて花の茶屋 坊城中子
一銭の氷少き野茶屋かな 氷売る 正岡子規
一度来しこゝの茶屋なり返り花 阿部みどり女 笹鳴
一望に京の五月や上の茶屋 浦 濤聲
一本のラムネの甘露峠茶屋 中山純子
一老樹這枝茂リテ下ニ茶店 茂 正岡子規
羽子をつく春日の巫女と茶屋女 平井一途
雨にぬれ茶店の前の子鹿かな 村尾梅風
雨音や茶店簡単に秋冷 峠 素子
瓜喰ふて旅の労れや野の茶店 瓜 正岡子規
雲そこを飛ぶ夏山の茶店かな 高浜虚子
影となりて茶屋の葭簀の中にをる 山口誓子
映画出て銀座の夜長喫茶店 成瀬正とし 星月夜
永き日の雨雲きえぬ二軒茶屋 会津八一
駅茶屋や田を植うる見て憩ひ居り 西山泊雲 泊雲句集
猿沢の池の芽柳茶屋にふれ ふ 中島旦子
縁台を重ね掃きをり葭簀茶屋 高浜虚子
遠クカラ見エシ此松氷茶屋 氷屋 正岡子規
遠くまで出でて水打つ茶店かな 大橋櫻坡子 雨月
遠くより手を鳴らしをり紅葉茶屋 楠目橙黄子 橙圃
遠雷に淡きは茶屋のサイダ罎 久米正雄 返り花
黄水仙茶屋の戸袋風に鳴り 大井雅人
黄落のころこそ森の喫茶店 山岸治子
岡の茶屋に駄菓子くふ日や昼霞 霞 正岡子規
屋島駕籠くらきによせて月の茶屋 小山白楢
何見るそ桜の茶屋の遠見鏡 桜 正岡子規
夏のれん掛けたる日より夏の茶屋 金子蜂郎
夏山や水に乏しき峠茶屋 夏山 正岡子規
科の木や葉月ぐもりの峠茶屋 佐藤鬼房
火の山の麓の茶屋の蕨餅 田中冬二 俳句拾遺
火口茶屋貝の風鈴鳴りにけり 鈴木貞雄(若葉)
火口茶屋鎖し去ぬ夫婦秋の暮 大橋敦子
火山灰寒し赤子泣く茶屋地獄茶屋 石原八束 空の渚
火燵して四五人居りぬ花の茶屋 野村泊月
花ちりて藤咲までは茶屋淋し 井原西鶴
花ちるや人なき夜の葭簀茶屋 散桜 正岡子規
花の茶屋女角力のビラをつる 鈴鹿野風呂 浜木綿
花の茶屋知りたる義理に立ち寄りぬ 高浜虚子
花の堤十歩に道化五歩に茶屋 尾崎紅葉
花散るや昔に戻る蛙茶屋 散桜 正岡子規
花終ればすぐ茶屋の跡鋤くといふ 猿橋統流子
花人に遊んで貰ふ茶屋の猫 山田弘子 懐
花茶屋の起き出づるより客設け 鈴鹿野風呂 浜木綿
花茶屋の古りに古りたる面白さ 松本たかし
花茶屋の床のどこかが斜めなる 山田弘子 懐
花萩に三味一挺や峠茶屋 鈴鹿野風呂 浜木綿
花冷の茶店やいたく煙らする 五十嵐播水 埠頭
花茣蓙に山の風呼ぶ土産茶屋 飯田弘子
蚊遣香昼より焚ける茶店かな 勝又一透
蛾の飛んで陰気な茶屋や木下闇 木下闇 正岡子規
海水浴の茶店に風の塊りが 松瀬青々
絵葉書の額すぐる蛾や若葉茶屋 大橋櫻坡子 雨月
街道や稲架の中なる柿茶店 河野静雲 閻魔
柿くふや道灌山の婆が茶屋 正岡子規
柿ばかり竝べし須磨の茶店哉 柿 正岡子規
掛茶屋に鴨見て風のひやつきぬ 高澤良一 石鏡
掛茶屋に風追分のすゝみ哉 納涼 正岡子規
掛茶屋に鳰なぶりして憩ひけり 清原枴童 枴童句集
掛茶屋のうらは青嶺や滝祭 田村了咲
掛茶屋のほこりに座るあつさ哉 暑 正岡子規
掛茶屋の屋根に床几に落葉して 田中松陽子
掛茶屋の灰はつめたしきりきりす 蟋蟀 正岡子規
掛茶屋の杓子で払ふ桜かな 吾琴
掛茶屋の酒に唇灼くだるま市 町 淑子
掛茶屋の葭簀の隙の梅雨の海 松根東洋城
掛茶屋は芦生に似たる昼寝哉 昼寝 正岡子規
掛茶屋や頭にさはる藤の花 藤 正岡子規
滑歯の花テーブルに峠茶屋 満田玲子
葛切や茶房を統ぶる木版画 野末絢子「未来図合同句集」
葛餅や山影たたむ茶屋の前 吉田冬葉
釜下ろす炎上りぬ梅の茶屋 森田峠
萱草や茶屋のつき山苔もなし 萱草の花 正岡子規
刈込に紅刷く萩や上の茶屋 下村ひろし 西陲集
寒菊や消炭干せし売る茶亭 鈴木芋村
汗を干す馬や二の茶屋雲下りて 河東碧梧桐
汗を吹く茶屋の松風蝉時雨 汗 正岡子規
汗入れて妻わすれめや藤の茶屋 蕪村「夜半叟句集」
顔見世や夜の部果てゝ祇園茶屋 米田双葉子
汽車を見る崖の茶店や花芒 薄 正岡子規
貴船茶屋屋根も屏風もみな葭簀 岩崎三栄
貴船茶屋十日の菊をならべけり 岩崎照子
亀兎飼うて峠の葭簀茶屋 江川由紀子(諷詠)
吉原を見下す花の茶店哉 花 正岡子規
喫茶店いつもの席の受験生 関口美子
喫茶店はオアシス青空よく映る 野木桃花
喫茶店より駅が見ゆ晩夏見ゆ 青木重行
喫茶店混めり流氷見る人に 田村了咲
客稀に葭簀繕ふ茶屋主 高浜虚子
久女忌や句会崩れの喫茶店 田村恵子
旧街道峠の茶店の長火鉢 蕪木啓子
牛草の山の蔭なる喫茶店 遠藤梧逸
許六忌の真昼の集ひ喫茶店 西坂三穂子
峡の茶屋木の芽和よしカッポ酒 若山花蘇枋
峡深く鳴く鶏や小春茶屋 河野静雲 閻魔
強東風によしずたふれし茶店あり 阿部みどり女 笹鳴
橋際に藤棚のある茶店哉 藤 正岡子規
橋立の根にかたまりて茶屋小春 西山泊雲 泊雲句集
胸元に涼風あつめ峠茶屋 小林ミヨ子
極月の祇園の茶房惜しみ発つ 小原菁々子
近江路や茶店茶店の木瓜の花 木瓜の花 正岡子規
近松の遊びし茶屋の春灯 山本圭子
金魚田に囲まれ村の喫茶店 西川玲子(岬)
金色の猫翻る 雪の茶房 伊丹公子 メキシコ貝
金比羅参り燕出入りのいっぷく茶屋 高澤良一 寒暑
九時の鐘に茶店を鎖す桜かな 夜桜 正岡子規
倶利伽羅の四軒の茶屋や冬構 山口花笠
隅つこが好きで茶房の花すみれ 鈴木かほり
栗の花茶屋一軒を隠しけり 栗の花 正岡子規
栗の茶屋五つ間灯して明からず 阿部みどり女 笹鳴
栗飯や目黒の茶屋の發句會 栗 正岡子規
渓はしる水取り入れて紅葉茶屋(京都・大原路) 河野南畦 『空の貌』
蛍見や茶屋の旅籠の泊客 浜田酒堂
月ケ瀬や次の茶屋へも梅の径 鈴鹿野風呂 浜木綿
月見茶屋領収印は手の甲に 御子柴弘子
厳冬の茶屋に響くししおどし 片平奈美
枯薄人呼ぶ茶屋の婆もなし 枯薄 正岡子規
枯木道とざせる茶屋のつゞきけり 野村泊月
枯野原團子の茶屋もなかりけり 枯野 正岡子規
枯柳鮓屋茶房も蔵構へ 瀧 春一
湖畔まで稲架立ち竝び茶店ひま 原田青児
五平餅人語も芽吹く峠茶屋 渡辺恭子
江の島の茶店の春の煖炉かな 風間啓二
紅葉あり夕日の酒屋月の茶屋 紅葉 正岡子規
紅葉見え瀧見える茶屋の床几かな 紅葉 正岡子規
紅葉山茶屋の跡地の若木かな 大崎康代
紅葉茶屋かはらけなげに賑へり 池内たけし
紅葉茶屋大盃といふもみぢ 松藤夏山 夏山句集
紅葉茶屋明るく暗きところかな 坊城 中子
行く秋や梅若寺の葭簀茶屋 行く秋 正岡子規
行く秋を雨に氣車待つ野茶屋哉 行く秋 正岡子規
行春の床几たゞある茶店かな 比叡 野村泊月
講元の古りし暖簾や滝見茶屋 野村泊月
講茶屋のつねはひまなる火鉢かな 川上梨屋
降る橡に頭打たる東独茶房の前 北野民夫
高遠や馬刺商ふ花見茶屋 今越みち子
合歓茶屋の亭主甘い丸薬呉れて 中塚一碧樓
豪勢な舞茸売れり平家茶屋 駒沢たか子
左沢百目木の茶屋の麻のれん 高岡智照
砂村や茶屋のかたへの枯尾花 枯薄 正岡子規
祭待つ茶房にキツネメイクの男 高澤良一 素抱
細格子連ね茶屋街雨涼し 都筑智子
三瀧茶屋三瀧山荘霞かな 久保田万太郎 流寓抄以後
三方の花を見下ろす茶店かな 比叡 野村泊月
三味線を掛けたる春の野茶屋哉 春野 正岡子規
山の茶屋百合挿して我荷預りし 中島月笠 月笠句集
山の蝶どこにもつけり梅雨の茶屋 長谷川かな女 雨 月
山焼の茶屋に書きたる手紙かな 長谷川零余子
山上の茶屋に鮓ありそれを喰ひぬ 鮓 正岡子規
山吹や貴船の茶屋の向う岸 比叡 野村泊月
山雀や茶屋の主の手に来ては 南野和歌子
山茶屋しんかん旅人にたべものならべ シヤツと雑草 栗林一石路
山茶屋に売る榧の実と柿すこし 鈴鹿野風呂 浜木綿
散る紅葉碓氷を越すに茶屋のあり 大山秋子
桟橋に涼んで居るや茶屋女 牧野望東
珊瑚樹垣茶屋に屋島の合戦図 岡田透子 『珊瑚樹』
残雪や中仙道の茶屋に谷 飯田蛇笏 山廬集
姉弟で守れる滝の茶店かな 比叡 野村泊月
子烏を飼へる茶店や松の下 高濱虚子
子規の茶屋に棗の如き柿を食ふ 久米正雄 返り花
子山羊飼ふ茶房に花野締めくくる 横山房子
師に届くる鈴虫茶房にて鳴けり 樋笠文
飼猿のゆすぶる襖紅葉茶屋 大橋櫻坡子 雨月
寺茶屋の床几炬燵に片手入れ 西本一都 景色
時雨るゝや堀江の茶屋に客一人 芥川龍之介 蕩々帖〔その二〕
鹿にやる菓子の殘りや紅葉茶屋 鹿 正岡子規
鹿の絵の屏風を立てて茶店かな 下村梅子
七夕やよみ歌聞きに梶が茶屋 召波
七夕やよみ哥聞きに梶が茶屋 黒柳召波 春泥句集
柴又の茶店いづれば稻の雨 稲 正岡子規
柴又の茶店出づれば秋の雨 秋雨 正岡子規
煮凝の鍋かくしあり角力茶屋 長谷川かな女 牡 丹
狩人に世辞の一つも茶屋女房 高浜虚子
腫物ある婢美し栗の茶屋 阿部みどり女 笹鳴
酒の燗せきに客くる紅葉茶屋 穂北燦々
酒を賣る紅葉の茶屋に妖女あり 紅葉 正岡子規
修二会見物茶屋の親爺が先導す 高澤良一 寒暑
秋の声茶店しまへばただの土間 香西照雄 素心
秋の灯やどの間も空いて茶屋淋し 阿部みどり女 笹鳴
秋の灯や雨の茶店の早じまひ 阿部みどり女 笹鳴
秋口の夜となる茶房クオ・バディス 長谷川双魚
秋祭すみし塵掃く峠茶屋 渡辺一魯
秋唇の夜となる茶房クオ・バディス 長谷川双魚 『ひとつとや』
秋晴の城を見上げて茶店かな 比叡 野村泊月
秋晴や富士を教ふる茶屋女 鈴鹿野風呂 浜木綿
秋晴や由布にゐ向ふ高嶺茶屋 久女
秋風の松を仰ぎて茶屋を入る 比叡 野村泊月
秋風の上野の出茶屋人もなし 秋風 正岡子規
秋風や浜茶屋たたむ槌の音 後藤亀泉
十三夜暗く混み合ふ喫茶店 石川文子
十六夜の茶屋ちよと忙しちんちろりん 深川正一郎
渋茶すゝる峠の茶屋や青嵐 寺田寅彦
春ちかき茶房の花卉をめでにけり 西島麦南 人音
春の山茶店開かれありにけり 松藤夏山 夏山句集
春の水出茶屋の前を流れけり 春の水 正岡子規
春の川出茶屋の前を流れけり 春の川 正岡子規
春の夜や茶屋の二階の影法師 春の夜 正岡子規
春を待つ鳥居の前の茶店かな 比叡 野村泊月
春愁や砂糖こぼるる喫茶店 今泉貞鳳
春愁や旅の終りの喫茶店 藤井法子
春宵を一人名曲喫茶店 成瀬正とし 星月夜
春水に臨む茶房に寄つてみよか 京極杞陽
春惜む三千院の茶店かな 比叡 野村泊月
春浅し峠の茶屋の丸火鉢 鷲見千里
初花の頃にだけ来る茶屋の客 井尾望東
初観音梅のかげさす茶店かな 織田烏不関
初東風や富士見る町の茶屋つゞき 永井荷風
初寅や大焚火して二軒茶屋 増田三明
初猟や朝飯たのむ沼の茶屋 野村泊月
書肆街の茶房古風に秋の薔薇 西島麥南
助け茶屋仕舞ひ仕度の隙間風 加藤知世子 花 季
女房が蓮を見てゐし蓮見茶屋 京極杞陽
小鳥来る頃の茶房の窓の席 鈴木鷹夫 渚通り
小佛の峠の茶屋の菜飯噴く 塩月能子
床脇は梅咲く方か荷い茶屋 丈草
床脇は梅咲く方が担ひ茶屋 内藤丈草
松蝉や史蹟たづねてもとの茶屋 間浦葭郎
松風に甘酒さます出茶屋かな 甘酒 正岡子規
松風に甘酒わかす出茶屋かな 甘酒 正岡子規
松風の甘酒を吹く出茶屋哉 甘酒 正岡子規
松風を得意で売るや納涼茶屋 納涼 正岡子規
梢さらに花深うして茶屋寐たり 渡辺水巴 白日
消灯の茶屋吸込みし五月闇 古野四方白
焼栗や壺坂寺へ九丁茶屋 西山泊雲 泊雲
菖蒲葺くかるかや堂の前の茶屋 佐藤慈童
上七軒くろすけといふ梅の茶屋 藤堂くにを
丈ひくく活けて茶亭の黒牡丹 菊井稔子
城下町茶房も遺跡花ミモザ 嶋田摩耶子
城茶屋の何處も混み合ふ飴湯かな 片岡北窓子
浄瑠璃の書きビラかゝり葭簀茶屋 山中一土子
色抜けし茶屋ののれんや道をしヘ 波多野爽波 鋪道の花
食べるものある茶屋もあるかに頂見ゆれ シヤツと雑草 栗林一石路
寝ござ干す峠の茶屋の罐コーヒー 村本畔秀
心太の茶屋ありここら古戦場 会津八一
心太峠の茶屋の隠し味 小島左京
新しきのれんの花見茶屋に入り 上野泰 佐介
新蕎麦や木曽路へ抜ける峠茶屋 吉田幾代
新酒売る茶店ならぶや二三軒 寺田寅彦
新豆腐水に晒して英彦の茶屋 三隅含咲
真つ青の海を引き寄せ葭簀茶屋 森下まゆみ
神護寺のここで一服紅葉茶屋 高澤良一 宿好
壬生村や念仏頃の茶屋作り 岡本癖三酔
水の上の右源太といふ涼み茶屋 今井杏太郎
水温みそめけり茶屋はのれん掛け 橋本鶏二 年輪
水郷や舟より上る鯰茶屋 島崎五穂 『さざれ石』
水草の生ひはじめたる茶店かな 松藤夏山 夏山句集
水楢の芽立ちはおそし峠茶屋 高木晴子
水辺なる暮春の茶屋に疲れけり 五十嵐播水 播水句集
酔かろく紅葉の茶屋を立ちいづる 高橋淡路女 梶の葉
杉高く秋の夕日の茶店哉 秋の夕日 正岡子規
杉落葉茶店の奥の火が見えて 小六
星月夜星を見に行く岡の茶屋 星月夜 正岡子規
清水の早紅葉の辺の茶店かな 高濱年尾 年尾句集
清水引く茶店の庭の筧哉 清水 正岡子規
清滝の茶屋の手摺の大根かな 比叡 野村泊月
声張りて磯の茶店も海開き 藤原たかを
西祭琴きゝ茶屋の献酒あり 森孝子(玉藻)
青かつし貴船の茶屋の蕨餅 佐藤漾人
青蔦やフランス文字の喫茶店 鮫島敬子
青木賊一力茶屋の高囲い 筒井稔恵
青嶺立つ茶房に双眼鏡置かれ 中田尚子
石段に茶店の鶏や春の山 大橋櫻坡子 雨月
石段をけぶらす茶屋や山ざくら 大橋櫻坡子 雨月
赤福の茶屋の灯煌と去年今年 宮下翠舟
雪解の峠の茶屋の戸口かな 原 石鼎
雪嶺の麓再会と言ふ茶房 福田蓼汀 秋風挽歌
蝉や秋釜に音なき並木茶屋 立詠 選集「板東太郎」
川蓼や糺の茶屋が一夜ずし 紫暁「新類題発句集」
僧の笠よけて端居や時雨茶屋 比叡 野村泊月
早起山を越え炎天を茶屋に休む人 炎天 正岡子規
早打の霧にかけ込む野茶屋かな 会津八一
草屋なる茶店なりけり心太 尾崎迷堂 孤輪
草臥や西施のひそむ桜茶屋 尾崎紅葉
草萌に石積むのみの茶屋の趾 稲畑汀子 春光
草餅に紀の中へちの茶店かな 楠目橙黄子 橙圃
草餅や清水寺の中の茶屋 山田栄美代
足袋裏に東風の埃や茶屋廊下 阿部みどり女 笹鳴
村雨に「熊野」の一節花の茶屋 浜田みずき 『石蕗の花』
打たれ来し肩の軽さや滝の茶屋 五十嵐播水 播水句集
打水の杓たてかけて茶屋渡世 木村蕪城 寒泉
駄菓子賣る茶店の門の柿青し 柿 正岡子規
待ちし甲斐ありし茶店の穴子飯 稲畑汀子
大いなる茶屋を囲める大枯野 阿部みどり女 笹鳴
大やかん湯気立ててゐる山の茶屋 山根きぬえ
大雨の日藤茶屋に寄りて飲む水や 中塚一碧樓
大声で話す凉みや滝の茶屋 納涼 正岡子規
鷹の子育てし茶店の話岬村 鍵和田[ゆう]子 未来図
鷹据て人憩ひ居る野茶屋哉 鷹 正岡子規
滝の茶屋にそゞろ昼寝の足寒し 昼寝 正岡子規
滝見茶屋ざっくばらんな紅葉かな 高澤良一 石鏡
滝見茶屋の婆の亡き夫よく知れり 佐久間俊子 『むさし野』
滝見茶屋声ぶっつけてぶっつけて 油井和子
滝見茶屋大鉄瓶のたぎりをり 星野立子
滝茶屋のはやき昃りの火色見ゆ 木村蕪城 寒泉
滝茶屋の鏡に岩の映りをる 波多野爽波 鋪道の花
滝茶屋の軒端に植ゑしねぢり花 井上美与子
滝茶屋の手摺の下の伊賀の町 橋本鶏二 年輪
滝茶屋の夜のくだちに寝冷かな 蝶衣句稿青垣山 高田蝶衣
滝茶屋や那智の巫女時計見に 高橋淡路女 梶の葉
滝茶屋をくぐる滝水また滝に 福田蓼汀 山火
瀧茶屋の鏡に岩の映りをる 波多野爽波 『鋪道の花』
狸飼ふ茶屋より道は山がゝり 高濱年尾 年尾句集
丹波路のこゝ鮎茶屋で栗の里 星野立子
淡雪や橋の袂(たもと)の瀬田の茶屋 井上井月(1822-86)
淡雪や橋の袂の瀬多の茶屋 井上井月
団子汁吹く息白し峠茶屋 房前芳雄
地下茶房夢の眼に追われる怒り 鳴戸奈菜
茶の煮えて紅葉散るなり山の茶屋 鈴木疑星
茶屋あらはに灯火立つや霧の中 霧 正岡子規
茶屋アリテ夫婦餅売ル春の山 春の山 正岡子規
茶屋ありや山辺の水の心太 心太 正岡子規
茶屋あればかならず憩ふ紅葉狩 鈴木綾園
茶屋に菊あり遠足會の人休む 菊 正岡子規
茶屋に居て下なる茶屋の屋根落葉
茶屋に待つはゝそはに鷽替へて来し 竹末春野人
茶屋に到り瓜喰はんと思ひつゝありく 瓜 正岡子規
茶屋のひとり椈(ひのき)に通ひ馴れたる半過去 加藤郁乎
茶屋の下駄はいてそこらを秋の蝶 高濱年尾 年尾句集
茶屋の旗食むや春日の孕み鹿 森田裕子
茶屋の軒大雪渓をかゝげたり 比叡 野村泊月
茶屋の茶に清水の味はなかりけり 清水 正岡子規
茶屋の昼柱時計を蜂が打つ 桂信子 遠い橋
茶屋の土間通りてゆきぬ滝の道 比叡 野村泊月
茶屋の灯のげそりと暑さ減りにけり 一茶
茶屋の日蔽舟の日蔽と崖裾に 滝青佳
茶屋の婆勧む民田(みんでん)茄子抓む 高澤良一 石鏡
茶屋ひくし梅林とほくなだれつつ 竹下しづの女句文集 昭和十四年
茶屋ふたつ鍵屋の辻のうららかに 石川魚子
茶屋へゆくわたりの雪や初芝居 久保田万太郎 草の丈
茶屋へ寄る若連中や秋まつり 会津八一
茶屋へ行くわたりの雪や初芝居 道芝 久保田万太郎
茶屋もなく酒屋も見えず花一木 花 正岡子規
茶屋を見て走りついたる心太 心太 正岡子規
茶屋を出て焚火はじめし刈田かな 比叡 野村泊月
茶屋を出る土堤の灯や鳴く蛙 会津八一
茶屋を出る箱提灯や朧人 朧 正岡子規
茶屋街を行く豆腐屋のサングラス 飯尾三朗
茶屋街を素通りしたる彼岸かな 山崎千枝子
茶屋後藤幾世ためしを衣配 昌夏 選集「板東太郎」
茶屋女芦生の昼寝起しけり 昼寝 正岡子規
茶屋静かに鹿徘徊す若楓 若楓 正岡子規
茶屋村の一夜に山来し花の山 一茶 ■文政二年己卯(五十七歳)
茶屋敷の五尺の庭の落葉哉 落葉 正岡子規
茶屋坊主身は芭蕉葉や雨の夜半 調賦子 選集「板東太郎」
茶屋餅屋暫し砂糖ある花の山 井原西鶴
茶屋裏に海苔簀一枚初大師 米本畦午
茶屋涼しひとり残りてする昼寝 高濱年尾 年尾句集
茶屋淋し絲瓜の蔓の這ひかゝる 糸瓜 正岡子規
茶店あり白馬繋ぐ桃の花 桃の花 正岡子規
茶店より出てさざ波の花筏 平野冴子
茶房あり春雨傘をここにたたむ 上村占魚 球磨
茶房の窓スプレー描きのサンタかな 高澤良一 石鏡
茶房より鴎見てゐるアイスティー 鈴木鷹夫 大津絵
昼だけある茶屋で客がうたつてる 尾崎放哉
昼顔の上に火を焚く野茶屋哉 昼顔 正岡子規
昼頃の戸あけし茶屋や蛙なく 長谷川かな女
昼頃の蝉の峠の茶屋日覆 清原枴童 枴童句集
虫の音に沈みて暗き茶店あり 大木さつき
帳場まで瀬音つゝぬけ鮎の茶屋 今城余白
朝顔や野茶屋の垣根まばらなり 朝顔 正岡子規
朝霧に浅間の茶屋の厨ごと 北野民夫
蝶々や人なき茶屋の十団子 蝶 正岡子規
長岡のモダン茶店の五月かな 久保田万太郎 流寓抄以後
追分や鷄飼ふ茶屋の柿石榴 柿 正岡子規
鶴引きて一軒きりの茶店閉づ 清水諄子
停電の花の茶屋茶屋灯りけり 永井龍男
庭先に榾干す茶屋の霧ごめに 河野頼人
天ざかる茶屋新七や茶摘唄 平井照敏
天下茶屋の雲の高きに登りけり 上田五千石
天下茶屋太宰の火鉢炭のまま 富永晃翠
天下茶屋蝿取紙の新しく 岸本尚毅 舜
殿は狩ッ妾餅うる桜茶屋 服部嵐雪
殿は狩妾餅うる桜茶屋 服部嵐雪
田一枚使ひ花見のにはか茶屋 山口美智
田植まで水茶屋するか角田川 其角「別座鋪」
田螺売る野茶屋に藤の花早き 田螺 正岡子規
塗盆に茶屋の女房の郁子をのせ 高浜虚子
渡船茶屋水浸く柱に手長蝦 小原菁々子
登りくる人を見て居り紅葉茶屋 野村泊月
登山隊発ちて見送る茶屋の者 松藤夏山 夏山句集
都の春四方の出茶屋の秋なりけり 露泊 選集「板東太郎」
冬されや稲荷の茶屋の油揚 冬ざれ 正岡子規
冬の雨降る裏街の喫茶店 成瀬正とし 星月夜
冬の茶房欅の見える窓へゆく 正木ゆう子
冬の日やよらで過ぎ行く餅の茶屋 冬の日 正岡子規
冬の夜の灯二つ見えて茶屋二軒 佐藤生巣
冬枯や蛸ぶら下る煮賣茶屋 冬枯 正岡子規
冬木根のあらはに茶屋の休みをり 五十嵐播水 播水句集
唐崎の茶屋の女房も*えり簀編み 大坪野呂子
塔頭の茶屋めいて居て葭障子 河野静雲 閻魔
島の著莪活けて茶店の富士見亭 高澤良一 宿好
東大寺裏に茶屋あり葛ざくら 武知尚子(航標)
灯の入りし湖尻の茶店行々子 瀬戸豊子
筒鳥や行者憩へる山の茶屋 長谷川草洲
筒鳥や昼なほ昏き茶屋の土間 野澤節子
藤棚に提灯つりし茶店哉 藤 正岡子規
藤茶屋に異人の俥二人挽 松藤夏山 夏山句集
藤茶屋や岩に錐して湧ける水 尾崎迷堂 孤輪
藤茶屋や溜り馬車出るまた一つ 大橋櫻坡子 雨月
峠茶屋なくて門茶の功徳かな 中山蕗峰
峠茶屋子育て飴も薄暑かな 細川加賀 生身魂
峠茶屋小綬鶏一家店先すぐ 詫摩まつ子 『卒寿』
南岸の茶屋北岸の寺やむら紅葉 紅葉 正岡子規
二軒茶屋一軒あらず露けしや 吉田愛子
二軒目の茶店に休む夏野かな 夏野 正岡子規
二段目にラムネの並ぶ茶屋のれん 長屋元康
二日ゐてなじめる茶屋の助炭かな 長谷川春草
日の丸をたゝむ茶店を畳むごと 攝津幸彦
日の当る床几をえらび梅見茶屋 山田光子
日影薄く梅の野茶屋の余寒かな 余寒 正岡子規
日覆して蔦の茶房もエルグレコ 澤田緑生(馬酔木)
日暮るゝや桜の茶屋の繋ぎ馬 桜 正岡子規
濡額もあなたこなかに花の茶屋 阿波野青畝
熱燗やガラス戸重き岬茶屋 添野光子
婆々が茶屋夜は虫鳴く處哉 虫の声 正岡子規
梅のさく門は茶屋なりよきやすみ 梅 正岡子規
梅の渓見下ろす茶屋の手摺哉 西山泊雲 泊雲句集
梅の茶屋翁がものをはこぶなり 五十嵐播水 埠頭
梅見茶屋ぽんぽん榾をとばしけり 皆川盤水
梅見茶屋俄か仕立であることも 藤木呂九艸
梅早し去年の茶屋あと竃あと 高濱年尾 年尾句集
梅林の月に閉せる茶店かな 五十嵐播水 埠頭
煤払してゐる茶店草鞋売る 高木晴子
萩の茶屋出る山伏の巻煙草 河野静雲 閻魔
白玉を竹の器に峠茶屋 山本閑子
白南風の吹き抜けてゆく岬の茶屋 宇佐美文香
白梅や北野の茶屋にすまひ取 與謝蕪村
白朮火を廻しつ通る祇園茶屋 松本澄江
白朮火を廻して通る祇園茶屋 松本澄江
麦の穂の中の茶店や心太 松藤夏山 夏山句集
八橋を売る茶店あり杜若 杜若 正岡子規
八月や人無き茶屋の青楓 八月 正岡子規
蛤の茶屋も吐べき潮干哉 横井也有 蘿葉集
晩涼や藤棚広き立場茶屋 田中冬二 俳句拾遺
皮手袋を忘れたり朝の喫茶店 中拓夫 愛鷹
尾花常山崖の茶店や汽車を見る 薄 正岡子規
眉白き茶屋の主や杜若 田畑三千女
美作の茶屋の麦飯三鬼の忌 大岩節子
柊を挿し中辺路の茶屋守れる 大橋敦子
俵水園の紅葉の中のとろろ茶屋 近藤 正
氷売る柳の陰の出茶屋かな 氷売る 正岡子規
品川鰒形や恥じる茶屋女 昌夏 選集「板東太郎」
浜茶屋のすでに解かれし葉月潮 田中正子
浜茶屋の夏炉に軽い椅子寄せて 上野 章子
浜茶屋の佐渡へ向けある籐寝椅子 加藤たかし
浮寝鳥看板こけし茶店かな 清原枴童 枴童句集
風花や茶店の篭の黒玉子 曽我玉枝
風高き串茶屋跡やたばこ植う 塚野柊芳
福寿草茶房に妻と親しみぬ 伊藤白雲
分の茶屋時雨の闇のあの辺り 高木晴子 花 季
噴き上げや駕籠屋勝手に休む茶屋 大谷句佛 我は我
文の助茶屋といふだけ蕨餅 後藤比奈夫
文之助茶屋の笹子を聞いてゐる 関戸靖子
閉店茶房に 彩おとろえぬ ゼラニューム 伊丹公子 山珊瑚
米を研ぐ男が一人花見茶屋 市川結子
穂芒に茶屋わたらひも四百年 鈴鹿野風呂 浜木綿
峯の茶屋に壯士餉す若葉哉 蕪村遺稿 夏
放生会蓮の茶店の旅人かな 久保田万太郎
法師蝉鳴きかさなりて茶屋忙し 五十嵐播水 埠頭
豊の明り檜垣の茶屋のもん日かな 井上井月
望台に芒積んだり峠茶屋 比叡 野村泊月
朴落葉閉じて久しき茶屋の席 中島双風
鱒の茶屋夕の水をためてある 萩原麦草 麦嵐
末枯や徳女の茶屋を尋ねゆく 松藤夏山 夏山句集
繭玉を飾り客呼ぶ喫茶店 六野ふみ
万歳やそも~飯を立場茶屋 角田竹冷
万葉の保福寺道に鶉茶屋 島崎五穂 『さざれ石』
満園の花や屋上喫茶店 五十嵐播水 播水句集
岬に茶屋ゆで栗並べ通ひ婆 河野南畦 湖の森
名月やこの松ありて松の茶屋 久保田万太郎 流寓抄
名月や夜は人住ぬ峰の茶屋 與謝蕪村
名月や夜は人住まぬ峰の茶屋 蕪村
名物の梅ケ枝焼や藤の茶屋 松藤夏山 夏山句集
木にかける氷の旗や荷ひ茶屋 氷の旗 正岡子規
木の芽茶屋まだ草疲れぬ人ばかり 上野泰 春潮
木瓜咲いて山に一つの喫茶店 村井流水
木彫木菟飾り茶房の愛鳥日 大島民郎「山月」
木歩忌や卓の小さな喫茶店 初谷正行
餅ほめて這入るは茶屋のつつじかな 許六
餅を売る茶店の軒や柿垂るゝ 寺田寅彦
餅花や行灯点す茶屋の街 脇坂啓子
餅花を天井高く喫茶店 浅見咲香衣
門前の茶屋賑ひて鮎の頃 紺井緑
門前茶屋煤を染み出す雪雫 矢田鹿苑子 『白雲悠々』
門前茶屋母好みけるけんちん汁 田中英子
夜桜にこもる茶店の煙かな 夜桜 正岡子規
野の茶屋に懐爐の灰をかへにけり 懐炉 正岡子規
野の茶屋に柿買ふて遠く歩きけり 柿 正岡子規
野の茶屋に蜜柑竝べし小春哉 小春 正岡子規
野菊いま光り出しては天下茶屋 松本 旭
野菊一輪檜の匂ふ喫茶店 安東ふさ子
矢田寺に茶店出てをり心太 植竹美代子
柳青む湯元へ近き土産茶屋 桝田国市
遊船も出ではらひたる茶店かな 野村泊月
郵便夫来る潮浴びの茶店にも 大星たかし「かつらぎ選集」
夕焼け杉間からの茶店に暗くされてゐる シヤツと雑草 栗林一石路
夕方は滝がやさしと茶屋女 後藤比奈夫 初心
夕立や恰も茶屋にまちまうけ 小杉余子 余子句選
夕涼み山に茶屋あり松もあり 納涼 正岡子規
夕露に灰のつめたき野茶屋哉 露 正岡子規
葉桜に全くひまな茶店かな 近藤いぬゐ
葉桜に夜は茶屋無し隅田川 葉桜 正岡子規
葉桜に夜は茶屋無し向島 葉桜 正岡子規
葉桜やさることありて遊ぶ茶屋 尾崎迷堂 孤輪
葉櫻にひまな茶店の緋毛氈 成瀬桜桃子
陽炎の次第にふとる野茶屋哉 陽炎 正岡子規
陽炎の次第にふゑる野茶屋哉 陽炎 正岡子規
羅生門かづらと聞きぬ皐月茶屋 岩波敦子
落し文拾ひて入る貴船茶屋 西居 浩
落葉はく上野の茶屋の女哉 落葉 正岡子規
落葉ふるなり峠の茶屋にたべる餅に シヤツと雑草 栗林一石路
落葉掃くことをたのしみ茶店守り 高濱年尾 年尾句集
落葉掃く腰掛茶屋の女哉 落葉 正岡子規
利根へ続く運河の茶屋の帆掛鮓 久米正雄 返り花
梨くふて暫く憩ふ茶店哉 梨 正岡子規
旅春や三輪のはたごや奈良の茶屋 小杉余子 余子句選
涼しさや駕を出づれば滝の茶屋 涼し 正岡子規
涼しさや駕籠に隙(ひま)やる茶屋の店 正秀 俳諧撰集「藤の実」
涼しさや駕籠に隙やる茶屋の店 水田正秀
涼しさや滝を茶に煮る滝の茶屋 涼し 正岡子規
涼まんと帆船模型置く茶房 高澤良一 随笑
令法活けて昼ほの暗き喫茶店 青木重行
冷房の茶房に芭蕉の行脚説く 関森勝夫
鈴虫のひるも鈴振る地下茶房 福島富美子
恋の猫一力茶屋の門くぐる 南 恵子
蓮見茶屋ドーンと遠き音は何 波多野爽波 『骰子』
蓮見茶屋箪笥の鐶に手紙さし 星野立子
老春や大樹の下の寺茶店 河野静雲 閻魔
老鶯や甘酒茶屋の背山より 長島久江
藁屋根にたんぽぽ咲けり峠茶屋 佐々木尚子
囀りの擬音ひねもす峠茶屋 田中政子
壺焼や海見て憩ふ茶屋床几 松藤夏山 夏山句集
帷子に風吹き起る滝の茶屋 帷子 正岡子規
撓みふかく冬の茶房にバナナの房 宮津昭彦
榾たくや峠の茶屋にいわし売 泉鏡花
榧の茶屋とて榧の実の廂打つ 大橋宵火
樒売る婆々の茶店や木下闇 木下闇 正岡子規
檸檬盛つて夜は酒售(う)る駅前茶房 鈴木栄子
漱石忌近づく峠茶屋を訪ふ 河津春兆
玻璃越しにスケート場に茶房あり 高濱年尾 年尾句集
稻刈るや螽飛び込む野の茶店 蝗 正岡子規
葭簀茶屋かたまるところ峠口 荒川あつし
葭簀茶屋海いくたびも色を変へ 山口誓子「晩刻」
葭簀茶屋海風に朝の火を起す 内藤吐天 鳴海抄
葭簀茶屋矮鶏かたまつて走りけり 樋口桂紅
蒟蒻の花を咲かせて女茶屋 高橋悦男
蒟蒻の花を咲かせて峠茶屋 高橋悦男「海光」
蕣に餅あたゝかき茶店かな 朝顔 正岡子規
蜩に覗いてはひる山の茶屋 比叡 野村泊月
蜩の茶屋靜かなり杉の中 蜩 正岡子規
蜩の茶屋靜かなる木の間かな 蜩 正岡子規
蜩や上野の茶店灯ともる 蜩 正岡子規
螢火を茶屋の女が出て追ひぬ 松藤夏山 夏山句集
蟲鳴くや梅若寺の葭簀茶屋 虫の声 正岡子規
雉一羽吊りし山路の茶店哉 雉 正岡子規
雉子啼くや茶屋より見ゆる萱の中 蓑立 俳諧撰集「藤の実」
鰺食つて雨のあがれり島の茶屋 小林勇二
鶯や堤の茶屋にもの遠く 尾崎迷堂 孤輪
鶯笛ここより瀞へ茶店あり 佐藤輝城
鵙つらぬく文之助茶屋もろともに 斎藤玄
鶫茶屋火を落しゐるところなり 銀漢 吉岡禅寺洞

茶屋 補遺

「休み」とも書かずに休む梅の茶屋 桂信子 草影
あけすけに酔客見ゆる紅葉茶屋 飯田蛇笏 山廬集
あついめしがたけた野茶屋 尾崎放哉 小豆島時代
いくたびも出ては水うつ藤の茶屋 富安風生
いまは夜に入り行くのみの葭簀茶屋 山口誓子
うららかや鬼の茶屋とて休みの日 角川源義
お茶屋めき木の芽田楽婆つくる 山口青邨
きらめきて茶屋の葭簀に波こまか 山口誓子
くたびれや心太くふて茶屋に寝る 正岡子規 心太
クローバの花さはにゆれ茶屋の趾 山口青邨
ここの家鴬茶屋と夜はともる 山口青邨
こめかみを動かすひとや葭簀茶屋 山口誓子
さうめんの箸に涼しや三輪の茶屋 鷲谷七菜子 天鼓
しぐるるや昼を暈して茶屋灯 上田五千石『天路』補遺
しんかんと空の蒼さよ葭簀茶屋 山口誓子
スナック「男爵」開店 夫もエプロン締め 伊丹三樹彦
ちよいと茶店があつて空瓶に活けた菊 種田山頭火 草木塔
ちりかゝる桜の茶屋のともし哉 正岡子規 散桜
つくりしよ茶店の前の草の花 正岡子規 草の花
つゝじ折るつゝじが茶屋の女哉 正岡子規 つつじ
つゝじ多く石碑立たる茶店哉 正岡子規 つつじ
つはぶきの茎を炊きこみ谷の茶屋 飴山實 句集外
どぶ六に野茶屋は暮て朧月 正岡子規 朧月
とろろそばなんどすすりて落葉茶屋 山口青邨
なんにもたべるものがない冬の茶店の客となる 尾崎放哉 須磨寺時代
のどかさに餅くふ三井の茶店哉 正岡子規 長閑
のどかさや出茶屋の煙土手の人 正岡子規 長閑
バタ~と音立て冬木茶屋しまふ 星野立子
はつ雁に暮煙を上ぐる瀬田の茶屋 飯田蛇笏 雪峡
ほそほそと烟立つ茶屋の落葉かな 正岡子規 落葉
ミルク甘し島の茶房の時雨窓 村山故郷
もの焚いて他を煙らす葭簀茶屋 山口誓子
われのみのために音立て枯野茶屋 岡本眸
芦火欲し甚兵衛の茶屋さむければ 阿波野青畝
鮎茶屋の稚鮎のころの戻り冴え 上田五千石『天路』補遺
鮎鮓や多摩の晩夏もひまな茶屋 飯田蛇笏 山廬集
暗くして涼しき茶房マスターも 能村登四郎
一軒は天狗茶屋なりほととぎす 阿波野青畝
一銭の氷少き野茶屋かな 正岡子規 氷売る
一二軒ともす茶店や夕紅葉 山口青邨
一撫でに分の茶屋吹く野分かな 阿波野青畝
一老樹這枝茂リテ下ニ茶店 正岡子規 茂
雨樋を落つるも滝や滝の茶屋 山口青邨
瓜喰ふて旅の労れや野の茶店 正岡子規 瓜
雲多き月夜となりぬ葭簀茶屋 山口誓子
影となりて茶屋の葭簀の中にをる 山口誓子
駅前茶房秋はこほろぎの音を聴かす 安住敦
猿を鎖につないで冬となる茶店 尾崎放哉 須磨寺時代
猿茶屋に大枝挿せし紅葉かな 河東碧梧桐
遠クカラ見エシ此松氷茶屋 正岡子規 氷屋
塩湿る滝壺茶屋の茹たまご 草間時彦
黄菖蒲や字を習ひをる茶店の子 富安風生
黄落の醜くなりて茶屋払ふ 阿波野青畝
岡の茶屋に駄菓子くふ日や昼霞 正岡子規霞
乙女三人来て座を占めぬ滝見茶屋 村山故郷
何見るそ桜の茶屋の遠見鏡 正岡子規 桜
夏山や水に乏しき峠茶屋 正岡子規 夏山
火酒を売り葡萄酒を売り峠茶屋 高野素十
花ちるや人なき夜の葭簀茶屋 正岡子規 散桜
花のかげもろこを籠に池の茶屋 右城暮石 句集外 昭和六年
花の茶屋山椒魚を肴とし 阿波野青畝
花の茶屋透けてむかうに山嶮し 山口青邨
花を待つ茶店に腰をかけにけり 山口青邨
花散るや昔に戻る蛙茶屋 正岡子規 散桜
花茶屋やすべての襖かるく開かる 阿波野青畝
蛾の飛んで陰気な茶屋や木下闇 正岡子規 木下闇
柿くふや道灌山の婆が茶屋 正岡子規 柿
柿ばかり竝べし須磨の茶店哉 正岡子規 柿
柿吊す湖畔の茶店淵に映え 杉田久女
掛稲の上の紅葉は上の茶屋 富安風生
掛茶屋に風追分のすゝみ哉 正岡子規 納涼
掛茶屋のほこりに座るあつさ哉 正岡子規 暑
掛茶屋の灰はつめたしきりきりす 正岡子規 蟋蟀
掛茶屋は芦生に似たる昼寝哉 正岡子規 昼寝
掛茶屋や頭にさはる藤の花 正岡子規 藤
葛餅や茶店ひとつの植木村 水原秋櫻子 蘆雁
萱草や茶屋のつき山苔もなし 正岡子規 萱草の花
汗を吹く茶屋の松風蝉時雨 正岡子規 汗
岩檜葉を滝茶屋が売る花の雨 山口青邨
顔見世の幕間を茶屋へ抜け来し妓 高浜年尾
汽車を見る崖の茶店や花芒 正岡子規 薄
吉原を見下す花の茶店哉 正岡子規 花
橋際に藤棚のある茶店哉 正岡子規 藤
近江路や茶店茶店の木瓜の花 正岡子規 木瓜の花
九時の鐘に茶店を鎖す桜かな 正岡子規 夜桜
栗うゑて淀の茶店や行々子 右城暮石 句集外 昭和十一年
栗の花茶屋一軒を隠しけり 正岡子規 栗の花
栗飯や目黒の茶屋の發句會 正岡子規 栗
古風なる茶房の爐竃聖燭す 飯田蛇笏 山響集
枯薄人呼ぶ茶屋の婆もなし 正岡子規 枯薄
枯野原團子の茶屋もなかりけり 正岡子規 枯野
公園の奥の茶店や朧月 日野草城
向日葵を植ゑ町中の掛茶店 右城暮石 句集外 昭和七年
紅葉あり夕日の酒屋月の茶屋 正岡子規 紅葉
紅葉見え瀧見える茶屋の床几かな 正岡子規 紅葉
行く秋や梅若寺の葭簀茶屋 正岡子規 行く秋
行く秋を雨に氣車待つ野茶屋哉 正岡子規 行く秋
行春や茶屋になりたる女人堂 川端茅舎
腰かけて框に人や茶屋夜長 原石鼎 花影
砂村や茶屋のかたへの枯尾花 正岡子規 枯薄
最寄り茶房に居るとて電話 桜草 伊丹三樹彦
菜を洗ふ首渡橋の袂茶屋 山口青邨
三味線を掛けたる春の野茶屋哉 正岡子規 春野
参道の遠賑はひに梅の茶屋 松本たかし
山の茶屋通ひ夫婦に柄長来る 松崎鉄之介
山上の茶屋に鮓ありそれを喰ひぬ 正岡子規
山吹の花残りある滝茶店 右城暮石 句集外 昭和七年
山茶屋や雪解の風に旗高く 高野素十
山門の前の茶店のコレラかな 川端茅舎
山路来てとがの木茶屋の炉に憩ふ 稲畑汀子
残雪や中仙道の茶屋に谷 飯田蛇笏 山廬集
思ひきやかゝるところに月見茶屋 日野草城
鹿にやる菓子の殘りや紅葉茶屋 正岡子規 鹿
柴又の茶店いづれば稻の雨 正岡子規 稲
柴又の茶店出づれば秋の雨 正岡子規 秋雨
若布買うて青き扉を押す地下茶房 秋元不死男
酒を賣る紅葉の茶屋に妖女あり 正岡子規 紅葉
秋の声茶店しまへばただの土間 香西照雄 素心
秋晴や由布にゐ向ふ高嶺茶屋 杉田久女
秋風の上野の出茶屋人もなし 正岡子規 秋風
出代りてこゝに小梅の茶店かな 内藤鳴雪
春ちかき茶房の花卉をめでにけり 西島麦南 人音
春の水出茶屋の前を流れけり 正岡子規 春の水
春の川出茶屋の前を流れけり 正岡子規 春の川
春の夜や茶屋の二階の影法師 正岡子規 春 の夜
春風のちよいと茶店が出来ました 種田山頭火 草木塔
春風や茶店の竃火を絶たず 村山故郷
春盡くる山べの茶屋へ泊りがけ 飯田蛇笏 家郷の霧
初雪の久住と相見て高嶺茶屋 杉田久女
小座蒲団茶店に冷えし葛峠 桂信子 花影
松風に甘酒さます出茶屋かな 正岡子規 甘酒
松風に甘酒わかす出茶屋かな 正岡子規 甘酒
松風の甘酒を吹く出茶屋哉 正岡子規 甘酒
松風を得意で売るや納涼茶屋 正岡子規納涼
梢さらに花深うして茶屋寝たり 渡邊水巴 白日
色抜けし茶屋ののれんや道をしヘ 波多野爽波 鋪道の花
新しきのれんの花見茶屋に入り 上野泰 佐介
真青に海近寄せて葭簀茶屋 山口誓子
吹上の茶屋はとざせり曼珠沙華 山口青邨
水晶をかざり馬くさき紅葉茶屋 山口青邨
杉高く秋の夕日の茶店哉 正岡子規 秋の夕日
杉菜原に日当る茶店暮し哉 右城暮石 句集外 昭和九年
星月夜星を見に行く岡の茶屋 正岡子規 星月夜
清水引く茶店の庭の筧哉 正岡子規 清水
青竹の手摺つめたし梅の茶屋 日野草城
雪とばす野茶屋酒にする 尾崎放哉 小豆島時代
雪吊の香にさそはれし豆腐茶屋 飴山實 花浴び
雪嶺の麓再会と言ふ茶房 福田蓼汀 秋風挽歌
蝉いくつ穴を出でしやお石茶屋 百千
千社札べたべたと貼る登山茶屋 阿波野青畝
川べりに長き間口の白魚茶屋 阿波野青畝
早起山を越え炎天を茶屋に休む人 正岡子規 炎天
相むかふ茶房の隅にひらく梅 鷲谷七菜子 黄炎
窓の蔦刈りて海猫屋といふ茶房 能村登四郎
草花に大石据わる茶店かな 河東碧梧桐
草餅や帝釈天へ茶屋櫛比 水原秋櫻子 葛飾
打水に木蔭湿れる茶店かな 杉田久女
打水の杓たてかけて茶屋渡世 木村蕪城 寒泉
駄菓子賣る茶店の門の柿青し 正岡子規 柿
大つごもり柳生峠の茶屋一軒 村山故郷
大雨の日藤茶屋に寄りて飲む水や 中川一碧樓
大声で話す凉みや滝の茶屋 正岡子規 納涼
大津絵の茶屋の風鈴鳴りにけり 阿波野青畝
鷹据て人憩ひ居る野茶屋哉 正岡子規 鷹
鷹渡る時刻も知りて茶屋女 百合山羽公 樂土
滝の茶屋にそゞろ昼寝の足寒し 正岡子規 昼寝
滝見茶屋赤ん坊が泣き滝凍る 山口青邨
滝見茶屋大鉄瓶のたぎりをり 星野立子
滝茶屋に大皀角子のかぶされり 阿波野青畝
滝茶屋のはやき昃りの火色見ゆ 木村蕪城 寒泉
滝茶屋の鏡に岩の映りをる 波多野爽波 鋪道の花
滝茶屋の女滝音透す声 後藤比奈夫
滝茶屋の滝を前にし水を打つ 山口青邨
滝茶屋の柱は滝の音に痩せ 能村登四郎
滝茶屋をくぐる滝水また滝に 福田蓼汀 山火
茶屋あらはに灯火立つや霧の中 正岡子規 霧
茶屋アリテ夫婦餅売ル春の山 正岡子規 春の山
茶屋ありや山辺の水の心太 正岡子規 心太
茶屋に菊あり遠足會の人休む 正岡子規 菊
茶屋に在る人を流し目梅見媼 星野立子
茶屋に到り瓜喰はんと思ひつゝありく 正岡子規 瓜
茶屋の茶に清水の味はなかりけり 正岡子規 清水
茶屋の燈の客は里人や橋夜長 原石鼎 花影
茶屋の裏紺青にして夏の川 阿波野青畝
茶屋もなく酒屋も見えず花一木 正岡子規 花
茶屋を見て走りついたる心太 正岡子規 心太
茶屋を出る箱提灯や朧人 正岡子規 朧
茶屋起きて雪解の松に煙らしぬ 前田普羅 普羅句集
茶屋女芦生の昼寝起しけり 正岡子規 昼寝
茶屋静かに鹿徘徊す若楓 正岡子規 若楓
茶屋敷の五尺の庭の落葉哉 正岡子規 落葉
茶屋涼し天の川浪とどろけり 阿波野青畝
茶屋淋し絲瓜の蔓の這ひかゝる 正岡子規 糸瓜
茶店あり白馬繋ぐ桃の花 正岡子規 桃の花
茶店ならぬ家のけぶらし梅の花 右城暮石 句集外 昭和十年
茶房あり春雨傘をここにたたむ 上村占魚 球磨
茶房名はコクリコ とんがり屋根の絵ばかり貼り 伊丹三樹彦
茶房晝餐祈祷歌冬のこだませり 飯田蛇笏 山響集
昼だけある茶屋で客がうたつてる 尾崎放哉 須磨寺時代
昼顔の上に火を焚く野茶屋哉 正岡子規 昼顔
朝顔や野茶屋の垣根まばらなり 正岡子規 朝顔
蝶々や人なき茶屋の十団子 正岡子規 蝶
追分や鷄飼ふ茶屋の柿石榴 正岡子規 柿
天ざかる茶屋新七や茶摘唄 平井照敏 猫町
天下茶屋の雲の高きに登りけり 上田五千石 琥珀
田螺売る野茶屋に藤の花早き 正岡子規 田螺
冬されや稲荷の茶屋の油揚 正岡子規 冬ざれ
冬の日やよらで過ぎ行く餅の茶屋 正岡子規 冬の日
冬枯や蛸ぶら下る煮賣茶屋 正岡子規 冬枯
島の茶屋林檎五六箇梨五六箇 後藤比奈夫
藤棚に提灯つりし茶店哉 正岡子規 藤
峠茶屋大きな花野二夕分けす 阿波野青畝
橡の実や彦山も奥なる天狗茶屋 杉田久女
南岸の茶屋北岸の寺やむら紅葉 正岡子規 紅葉
二軒目の茶店に休む夏野かな 正岡子規 夏野
二沼のあひだに灯る鴨の茶屋 阿波野青畝
日影薄く梅の野茶屋の寒哉 正岡子規 梅
日傘たたみ茶屋にあづけてほととぎす 山口青邨
日暮るゝや桜の茶屋の繋ぎ馬 正岡子規 桜
濡額もあなたこなたに花の茶屋 阿波野青畝
婆々が茶屋夜は虫鳴く處哉 正岡子規 虫の声
馬子茶屋にいつもの馬子や草いきれ 日野草城
梅のさく門は茶屋なりよきやすみ 正岡子規 梅
白のれん葛切茶屋と知られけり 石田勝彦 秋興以後
八橋を売る茶店あり杜若 正岡子規 杜若
八月や人無き茶屋の青楓 正岡子規 八月
彼の茶屋にラムネ飲みしが空つ風 永田耕衣
尾花常山崖の茶店や汽車を見る 正岡子規 薄
美吉野の茶屋といふ茶屋鮎を活かす阿波野青畝
菱蒸す遠賀の茶店に来馴れたり 杉田久女
氷仕人れゐる秋の夜の茶房かな 中村汀女
氷売る柳の陰の出茶屋かな 正岡子規 氷売る
浜茶屋を毀つ始終を見てゐたり 能村登四郎
富士見茶屋は花曇の松と浪ばかり 荻原井泉水
父と子に峠の茶屋の余寒かな 中村苑子
武蔵野の古へよりの藤の茶屋 富安風生
文の助茶屋といふだけ蕨餅 後藤比奈夫
蔑賓茶屋朝日豊栄登るとき 山口誓子
遍路茶屋昔通りに草鞋吊る 百合山羽公 樂土以後
遍路茶屋大師の次に子規崇め 百合山羽公 樂土
北窓を開きもならぬ茶屋に酌み 上田五千石『天路』補遺
箕面茶屋木槿の花にさびれをり 山口青邨
無惨なる影にをりけり葭簀茶屋 山口誓子
霧の茶屋更けたる頃は月の茶屋 阿波野青畝
霧冷えの茶屋に熱ッ熱ッの黒玉子 阿波野青畝
木にかける氷の旗や荷ひ茶屋 正岡子規 氷の旗
木の芽茶屋まだ草疲れぬ人ばかり 上野泰 春潮
門前茶屋に小憩牡丹の句を手入 安住敦
夜桜にこもる茶店の煙かな 正岡子規 夜桜
野の茶屋に懐爐の灰をかへにけり 正岡子規 懐炉
野の茶屋に柿買ふて遠く歩きけり 正岡子規 柿
野の茶屋に蜜柑竝べし小春哉 正岡子規 小春
野ぶだうに日向の風や峰の茶屋 雨滴集 星野麥丘人
野路の茶屋の柿下げて来ぬ日暮人 杉田久女
夕方は滝がやさしと茶屋女 後藤比奈夫
夕涼み山に茶屋あり松もあり 正岡子規 納涼
夕露に灰のつめたき野茶屋哉 正岡子規 露
葉桜に夜は茶屋無し隅田川 正岡子規 葉桜
葉桜に夜は茶屋無し向島 正岡子規 葉桜
陽炎の次第にふとる野茶屋哉 正岡子規 陽炎
陽炎の次第にふゑる野茶屋哉 正岡子規 陽炎
落人そば今は歴と紅葉茶屋 百合山羽公 樂土以後
落葉はく上野の茶屋の女哉 正岡子規 落葉
落葉掃く腰掛茶屋の女哉 正岡子規 落葉
梨くふて暫く憩ふ茶店哉 正岡子規 梨
涼しさや駕を出づれば滝の茶屋 正岡子規 涼し
涼しさや滝を茶に煮る滝の茶屋 正岡子規 涼し
緑さす腰掛け茶屋の窓に鳥城 村山故郷
蓮見茶屋ドーンと遠き音は何 波多野爽波
蓮見茶屋箪笥の鐶に手紙さし 星野立子
露乾かで山茶屋ありぬ十一時 前田普羅 普羅句集
帷子に風吹き起る滝の茶屋 正岡子規 帷子
樒売る婆々の茶店や木下闇 正岡子規 木下闇
炬燵ありと障子に書きし茶店哉 尾崎放哉 大学時代
煖房やロシヤの歌が茶房占め 岡本眸
稻刈るや螽飛び込む野の茶店 正岡子規 蝗
簀日除を人馬潜らせ茶店かな 原石鼎 花影
簗茶屋の白猫とまづ仲よしに 飯島晴子
芒穂に出て吹上の茶屋閉ざす 山口青邨
葭切に臥竜の松の茶店かな 河東碧梧桐
葭簀茶屋けふ跡かたもなくなれり 山口誓子
葭簀茶屋てらてら月の夜となれり 山口誓子
葭簀茶屋海いくたびも色を変へ 山口誓子
葭簀茶屋自転車透きて立ちゐたり 山口誓子
蕣に餅あたゝかき茶店かな 正岡子規 朝顔
薔薇のかげ茶房の銀器煮られおり 飴山實 おりいぶ
蜩の茶屋靜かなり杉の中 正岡子規 蜩
蜩の茶屋靜かなる木の間かな 正岡子規 蜩
蜩や上野の茶店灯ともる 正岡子規 蜩
蟲鳴くや梅若寺の葭簀茶屋 正岡子規 虫の声
躑躅山茶店出したる村の者 河東碧梧桐
躬らも影ふりかぶる葭簀茶屋 山口誓子
雉一羽吊りし山路の茶店哉 正岡子規 雉
鵙つらぬく文之助茶屋もろともに 斎藤玄 狩眼

以上

by 575fudemakase | 2017-11-29 17:56 | 無季 | Trackback | Comments(0)

飲み屋 の俳句

飲み屋 の俳句

飲み屋

飲み屋 居酒屋 酒場 バー ビヤホール キャバレー クラブ



アカシヤの花の舗道のビヤホール 遠藤星村
グラスならぶ酒場の窓の桐の花 木下夕爾
コップ酒飲みて獅子舞酒場出る 板垣峰水
さまよへる湖に似てビヤホール 櫂未知子
さんざ騒ぎ果てたる後を居残れば油虫だらけの穴ぞこの酒場 島田修三
しぐるるや坂に向き合ふ酒場書肆 山田 文男
ドーミエの顔ことごとく春酒場 対馬康子 愛国
トナカイのソテー白夜の地下酒場 松本澄江
どの酒場にゆきても一人小夜時雨 成瀬正とし 星月夜
ねぷた見て津軽民謡酒場かな 高澤良一 寒暑
バーのマダム飲み屋の女将梅雨ふかし 鈴木真砂女 夕螢
バーは夜の言葉が腐るアマリリス 有働亨 汐路
ハーメルンの笛吹きとゐるビヤホール 仙田洋子 橋のあなたに
バーを出て霧の底なるわが影よ 草間時彦
バー温し年豆は妻が撒きをらむ 河野閑子
ビヤホールかならずハワイアンミュージック 今井杏太郎
ビヤホールに一人拍手し誰も和せず 右城暮石 声と声
ビヤホールに入りて明るき疲れかな 五十嵐播水 播水句集
ビヤホール椅子の背中をぶつけ合ひ 深見けん二
ビヤホール出づれば月の黄なるあり 岸風三楼 往来
ビヤホール背後に人の増えきたり 八木林之助
ビヤホール麦藁帽はどこに置くか 藤田湘子 てんてん
もの枯れて酒場に地獄耳揃ふ 小檜山繁子
ゆく春の酒場はみどり灯をともす 岸風三楼 往来
一遍忌居酒屋商船テナシテー 攝津幸彦 未刊句集
一夜ひえびえ居酒屋に霧かかりけり 川島彷徨子
飲み屋の灯路地にこぼれて光星忌 すずき春雪
飲み屋出来三味線草にこみち出来 西本一都 景色
駅前の酒場の女水打てる 宮武寒々 朱卓
夏果ての帽子をバーの釘に掛け 福島壺春
解氷期クラブの緑樹灯にあふる 飯田蛇笏
灰が降る//丘の酒場に/身を焼く薪 高柳重信
灰が降る丘の酒場に身を焼く薪 高柳重信
肝吸に隣のバーのネオンかな 鈴木鷹夫 千年
偽聖者尿る夜霧のバーの裏 小林康治 玄霜
居酒屋が北のまほろば氷下魚焼く 矢島渚男 船のやうに
居酒屋によらで過ぎ行く燕かな 燕 正岡子規
居酒屋にわが酔ひし間を自転車のサドルにしるく雪たまりけり 吉野秀雄
居酒屋に今年も暮れて面白や 年の暮 正岡子規
居酒屋に傘を忘るも走り梅雨 岡田成青
居酒屋に時雨持ちこむ女傘 小池龍渓子
居酒屋に新酒の友を得たりけり 新酒 正岡子規
居酒屋に棲む夢千代といふ金魚 山下かず子
居酒屋に棲む廣重とあめふらし 大屋達治 繍鸞
居酒屋に聖夜子連れの杣もゐて 三浦妃代 『花野に佇つ』
居酒屋に席空くを待つ西鶴忌 岸川素粒子
居酒屋に日雇ら足る年忘れ 岩田昌寿 地の塩
居酒屋に馬繋ぎけり春の月 春の月 正岡子規
居酒屋に靄たちこむる葱鮪かな 井上唖々
居酒屋のあかりは暗く遠花火 富田巨鹿
居酒屋のいつもの席の凝鮒 沖 鴎潮
居酒屋のさて何処に置く冬帽子 林 翔
居酒屋の火床にありけり十夜柿 古舘曹人 樹下石上
居酒屋の漢の夕餉初鰊 渡辺とき子
居酒屋の喧嘩押し出す朧月 朧月 正岡子規
居酒屋の肴となりし年の豆 富本修志
居酒屋の浅き春なり新メニュー 吉野敏
居酒屋の窓に梨さく夕月夜 梨の花 正岡子規
居酒屋の窓に梨咲く薄月夜 梨の花 正岡子規
居酒屋の谷中生姜と更けにけり 鈴木鷹夫 風の祭
居酒屋の昼定食や荻の風 小澤 實
居酒屋の灯に佇める雪だるま 阿波野青畝
居酒屋の木の椅子鳴りぬ隙間風 高橋欣也
居酒屋の凭れ柱や衣被 河西みつる
居酒屋は船員ばかり蚊遣たく 小林清一
居酒屋へいでまゐらせん梅一枝 梅 正岡子規
京都あるバーの灯影はスリットで 楠本憲吉
桐一葉踏んで入りけり神谷バー 鈴木鷹夫 春の門
銀杏落葉一枚咬みて酒場の扉 土生重次
銀河系のとある酒場のヒヤシンス 橋 石
隅田に老い昼の酒場のパセリ皿 古田海
五十歳過ぎて結語をもたざれば夜の酒場に来たりて唄う 石田比呂志
更待ちやキャバレーの灯は宵ながら 石塚友二
更待やキャバレーの灯は宵ながら 石塚友二
荒磯なる酒場のメニュー雁わたる 宮武寒々 朱卓
黒人悲歌地下の酒場へ月の階 宮坂静生 青胡桃
鯖ずしの酒場にとどく野分かな 黒田杏子 花下草上
三の酉居酒屋へ寄るあてありぬ 小原紫光 『めくら縞』
時雨るるや酒場灯影の反きあひ 中村汀女
時化後の酒場昼閉す浜の秋 宮武寒々 朱卓
酒祭いま終りて柩車めく酒場 三谷昭 獣身
酒場には紙の桜の弥生かな 吉屋信子
酒場の軒へ突込む喜雨の乳母車 河合凱夫 飛礫
酒場の灯しみて春泥更けにけり 清原枴童 枴童句集
酒場の灯めざし夜霧も流れをり 成瀬正とし 星月夜
酒場の灯ゆびさし笑ひ橇の馭者 成瀬正とし 星月夜
酒場の灯赤青おでん屋では灯は黄 池内友次郎 結婚まで
酒場の木椅子に鳥めくわれら黄葉期 鈴木河郎
酒場やがて蝋涙と化し誰か歔欷(きょき) 楠本憲吉
酒場灰色 北欧水夫の髪溶けそう 伊丹公子 メキシコ貝
酒場帰る楽手夏めき辻に群る 宮武寒々 朱卓
酒場出て聖夜の橋に妻と逢ふ 岡部六弥太
酒蔵の今は居酒屋鬼貫忌 喜岡圭子
秋の蜂とまる洞あり地下酒場 小長井和子
秋刀魚焼く昨夜のバーが横戸開け 河野南畦 『風の岬』
終着は飲み屋なりけり探梅行 滝野緑雨
春浅き居酒屋にいるハムレツト 持永ひろし
春昼を居酒屋に酌み痴けいる 田中冬二 俳句拾遺
春雷や帰りたくなきバーの椅子 戸板康二
春淺し止まり木と呼ぶバーの椅子 戸板康二
色街の灯り初めたるビヤホール 芝田教子
赤々と酒場ぬらるゝ師走かな 前田普羅 新訂普羅句集
雪降るとラジオが告げている酒場 清水哲男
川へはみ出て並ぶ居酒屋西日溜む 河野南畦
浅草にかくも西日の似合ふバー 大牧広
太宰忌の居酒屋にある忘れ傘 伊藤伊那男
太陽と麦と描けりビヤホール 行方克己 知音
打水の向ひのバーに及びけり 鈴木真砂女
大学でもバーでもない春の闇 石井哲夫
大川の著るき西日のビヤホール 松村蒼石「露」
滝風に揺れゐる旗やビヤホール 五十嵐播水 播水句集
樽の上花菖蒲活けビヤホール 今泉貞鳳
暖冬はいつも酒場の名のように 対馬康子 純情
地下といふ地下はキャバレー街の春 田村了咲
蔦若葉吹く風クラブ10カラット 高澤良一 暮津
蔦茂る酒場にルオーのキリストが 川崎展宏 冬
天狗面懸かる飲み屋の泥鰌鍋 上野林泉(風港)
凍港に人の匂ひの無い酒場 能城 檀
逃げし風船天井歩くビヤホール 右城暮石
熱燗や反戦を説く地下酒場 尾関乱舌
梅さくや居酒屋の主発句よむ 梅 正岡子規
白南風や古きジャズ弾くピアノ・バー 角川春樹
白南風や船員バーのギリシア文字 市川栄司
病床の子規見たきものビヤホール 今泉貞鳳
夫と来てバーの止り木裾冷えす 石田あき子 見舞籠
父ちゃんと母ちゃん居酒屋焼ほっけ 高澤良一 素抱
風の両手が空から落ちるクラブ裏 阿部完市 絵本の空
片陰や寺と酒場とさし向ひ 稲垣きくの 黄 瀬
暮六ッといふ居酒屋や水打てる 椎橋清翠
夜霧に追はれ来て酒場の空椅子をもとめる 梅林句屑 喜谷六花
柳わけて居酒屋の門はひりけり 柳 正岡子規
油屋のいまは酒場やかけす鳴く 辻桃子
陽気なまひる酒場に吊るすししかばぶ 八木三日女
凩に追ひ落されて地下のバー 白鳥 峻
橇行に寝し村酒場のみ灯り 石井とし夫
櫟酒場月ある夜は月に酔ひ 町田しげき
蓼の花漁夫の酒場は風を飼ふ 小池文子
螻蛄更くる酒場にふふと嗤ひ声 中島斌雄
邂逅のなほバー勤め街の梅雨 皆吉爽雨
颱風にことよせ流れ居酒屋に 坊城としあつ

飲み屋 補遺

アシカの演技映す孤独なバーのテレビ 金子兜太
かりそめのビヤホールなり灯取虫 日野草城
こほろぎやホテルのバーの高椅子に 鈴木真砂女 夏帯
しぐるるや濤更けまさるバーの椅子 石田波郷
ノラと云ふ酒場崖下に丘枯れぬ 松崎鉄之介
バーのマダム飲み屋の女将梅雨ふかし 鈴木真砂女
バーの椅子師走饒舌の脚垂らす 草間時彦 中年
バーの倚子くるりと廻し晩夏の旅 草間時彦 中年
バーを出て露の底なる吾が影よ 草間時彦 中年
バー飲み屋すしや魚屋梅雨の路地 鈴木真砂女 紫木蓮
ヒトラーの旗挙の酒場ビール飲む 山口青邨
ビヤホールに一人拍手し誰も和せず 右城暮石 声と声
ビヤホール椅子の背中をぶつけ合ひ 深見けん二
ビヤホール客なしテレビ砲音籠め 岸田稚魚 負け犬
ビヤホール四十の体躯椅子に載せ 草間時彦 中年
ビヤホール出て雑踏の月夜なる 村山故郷
ビヤホール女に氷菓ただ一盞 石田波郷
ビヤホール麦藁帽はどこに置くか 藤田湘子 てんてん
ひよんの実を鳴らしてみせる地下酒場 飯島晴子
ベルリンのある日酒場にかかる雪 山口青邨
ポケットに玩具のぞかせ夜の酒場(バア)に 伊丹三樹彦
火酒舐めるキャバレーの灯に餘寒あり 飯田蛇笏 旅ゆく諷詠
解氷期クラブの緑樹灯にあふる 飯田蛇笏 春蘭
偽聖者尿る夜霧のバーの裏 小林康治 玄霜
居酒屋によらで過ぎ行く燕かな 正岡子規 燕
居酒屋にをればしぐれて港町 高田風人子
居酒屋に今年も暮れて面白や 正岡子規 年の暮
居酒屋に新酒の友を得たりけり 正岡子規 新酒
居酒屋に馬繋ぎけり春の月 正岡子規 春の月
居酒屋のさて何処に置く冬帽子 林翔
居酒屋の火床にありけり十夜柿 古舘曹人 樹下石上
居酒屋の喧嘩押し出す朧月 正岡子規 朧月
居酒屋の窓に梨さく夕月夜 正岡子規 梨の花
居酒屋の窓に梨咲く薄月夜 正岡子規 梨の花
居酒屋の灯に佇める雪だるま 阿波野青畝
居酒屋の扉が開いてゐて春の月 岸田稚魚
居酒屋へいでまゐらせん梅一枝 正岡子規 梅
京都あるバーの灯影はスリットで 楠本憲吉 方壺集
近火見舞に来て居酒屋で飲んでをり 村山故郷
銀河系のとある酒場のヒヤシンス 橋閒石 微光
君達の頭脳硬直ビヤホール 藤田湘子 神楽
更待やキャバレーの灯は宵ながら 石塚友二 光塵
歳末の街のぞき来て居酒屋に 上村占魚
子と遇いし酒場の室咲忘じ難し 楠本憲吉 方壺集
子を連れて覗く酒場の聖飾樹 伊丹三樹彦
酒場やがて蝋涙と化し誰か歔欷 楠本憲吉 楠本憲吉集
酒場既に灯雪山遠く日あたりて 日野草城
春の月かかげて移民酒場かな 有馬朗人 耳順
赤々と酒場ぬらるゝ師走かな 前田普羅 普羅句集
雪焼けの貌すえて版画めく酒場 橋閒石
雪焼けの面すえて版画めく酒場 橋閒石 風景
前掛はバイトの具足ビヤホール 百合山羽公 樂土以後
打水の向ひのバーに及びけり 鈴木真砂女
打水や代替りして路地のバー 鈴木真砂女
退勤工待つキャバレーの煤け気球 伊丹三樹彦
大衆酒場音たてまはる夜の風車 有馬朗人 母国拾遺
逃げし風船天井歩くビヤホール 右城暮石 声と声
梅さくや居酒屋の主発句よむ 正岡子規 梅
幕碑銘を市民酒場にかつぎこむ 佐藤鬼房
柳わけて居酒屋の門はひりけり 正岡子規柳
愉快に腹空く 船内バーからトランペット 伊丹三樹彦
煉瓦館の酒場の灯影や青葉冷 桂信子 影

以上

by 575fudemakase | 2017-11-29 17:54 | 無季 | Trackback | Comments(0)


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by 575fudemakase

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尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
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《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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