カテゴリ:秋の季語( 1279 )

稲稔る の俳句

稲稔る の俳句

稲稔る

ジパングは黄金の国稲稔る 佐藤知敏
ひき水の野路よこぎりて稲みのる 飯田蛇笏 春蘭
ロックコンサート稲の実らぬ田の見えて 田口彌生
稲みのる暑さや膝を立てもして 大木あまり 火球
稲稔りゆくしづかさに村はあり 長谷川素逝 村
稲稔りゆつくり曇る山の国 広瀬直人
稲稔る中を各駅停車かな 西上禎子
曳き水の野路よこぎりて稲みのる 飯田蛇笏
過疎村と云はれ豊かに稲実る 小野三子
海老稲も実入り頃とや放生会 中村史邦
巨いなるうねりに入りて稲稔る 中村和弘
桑名より雲くる稲の実りけり 藤田あけ烏 赤松
犬の尾に稲が実るぞ弟よ 夏石番矢 神々のフーガ
湖北いま稲の稔りの重き刻 田川飛旅子
斎田の稔りし稲に鎌入るゝ 竹崎 紫泉
志賀の里妹子の村の稲実る 西村雅苑
寂として畔の夕かげ稲稔る 飯田蛇笏 雪峡
瀬音より離り影なき稲実る 阿部みどり女
虫のこゑじいんじいんと稲稔る 高澤良一 宿好
墓一基また一基稲稔りけり 池田秀水
稔る稲電線はいづちへゆくらん 佐野良太 樫
蜻蜒や実り伏す稲まだの稲 寺田寅彦
蝗飛んで日に~稔る晩稲かな 高浜虚子

稲稔る 補遺

稲みのり雲遠ざかる渓の音 飯田蛇笏 白嶽
稲稔りゆくしづかさに村はあり 長谷川素逝 村
稲稔りゆつくり曇る山の国 廣瀬直人
稲稔るカドミウムらしい奴も 金子兜太
稲稔る故旧いづこに求めんや 伊丹三樹彦
稲稔る西双版納(シーサンパンナ)雀見ず 松崎鉄之介
葛城の裾万頃の稔り稲 右城暮石 句集外 昭和五十二年
見の限り稲みのるさちいくさなか 伊丹三樹彦
三畝の畑稲はみのらず草は実に 山口青邨
山国やいなづまがちに稲実り 大野林火 冬青集 雨夜抄
実無稲のそゝけ白穂も刈るらむか 石塚友二 光塵
寂として畔の夕かげ稲稔る 飯田蛇笏 雪峡
豊頬欲し稲架の間ゆけば実りの香 楠本憲吉 楠本憲吉集

稲稔る 続補遺

氷りけり実のらぬ稲の臥しまゝ 高桑闌更
苅ながらはなしは稲の実入かな 杉風
海老稲も実入比とや放生会 史邦
花稲の吹かれて実のる川辺かな 未白 江左風流
花も実も晩稲に多し神の秋 去来
稲実にひろいつ沖つわすれ貝 土芳

以上

by 575fudemakase | 2017-09-10 10:53 | 秋の季語 | Trackback | Comments(0)

秋気 の俳句

秋気 の俳句

秋気

かづら橋渡れば秋気否冷気 橋本榮治 逆旅
ガラスまだ未生の火玉秋気澄む いのうえかつこ
一筋に木曽谷をゆく秋気かな 森田かずや
一笛に秋気澄みゆく野外能 平賀扶人
一病に快感をよぶ秋気かな 浜明史
奥入瀬の水に樹にたつ秋気かな 冬菜
奥入瀬の水に木にたつ秋気かな 吉田冬葉
屋台倉漆喰秋気帯びゐたり 高澤良一 素抱
花過ぎて秋の気もする銀屏風 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
気多若宮一人憩へば秋気充つ 高澤良一 素抱
熊笹に午後の日のある秋気かな 辻桃子
幻住庵への九十九折秋気澄む 小路智壽子
山鳥を聴きたし秋気湖へ抜け 河野南畦 湖の森
産土神を村の高みに秋気澄む 川勝 ミヨ
指圧教室畳広らに秋気充つ 高澤良一 素抱
樹木巡礼敲いて撫でて秋気澄む 香坂恵依
宗ト亭客まうけして秋気満つ 宮武寒々 朱卓
秋の気のみなぎる花を一束に 阿部みどり女
秋気澄む伊能忠敬的散歩 佐々木六戈 百韻反故 初學
秋気澄む外人墓地に汽笛かな 竹内柳影
秋気澄む若き庭師の鋏音 高坂みつ恵
秋気澄む町は昔の名を残し 川崎展宏 冬
秋気澄む露天湯五体浮きたがる 三井静女
秋気満つ金閣を出て銀閣へ 高澤良一 宿好
秋気満つ鍾乳洞の奥の声 土屋秀穂
十一面一仏ごとの秋気かな 文挾夫佐恵
松の実のから~と秋気澄みにけり 翠影
振向かれしことを秋気の背に感じぬ 中村草田男
人かならず仏竜門秋気澄む 河野南畦 湖の森
水郷に漕ぐ波に近き秋気かな 素琴
水垢離や女身を秋気つつみつつ 坂上 香菜
青鹿毛のいま走りだす秋気かな 正木ゆう子 悠
洗はれてコップに秋気響き合ふ 長谷川秋子 『菊凪ぎ』『鳩吹き』『長谷川秋子全句集』
地鎮祭秋気秋爽あらたまる 河野南畦 『元禄の夢』
茶を喫んでしばらく秋の気配かな 八木林之介 青霞集
釣の気も老いてすみけり秋の水 幸田露伴 江東集
冬瓜の切口にたつ秋気かな 織田烏不関
胴の葉のかさなる影も秋気かな 流蛍
乳香や聖堂秋気ドームより 大熊輝一 土の香
馬駆つて分かつ暁光秋気澄む 丹羽啓子
白滝の忽と現はる秋気かな 上田佳久子
鳩笛の古墳に吹き寄す秋気配 山下一冬
帆船のロープ百条秋気満つ 大石香代子
美容師の二丁鋏や秋気澄む 渡邊かづ子
夢殿の一角ごとの秋気かな 森口千恵子
門口に研師来てゐる秋気かな 太田 昌子
落葉松に巣箱秋気が湖からも 河野南畦 『空の貌』
淅瀝と第一火口秋気澄む 西本一都


秋気 補遺

たたら踏む秋気にまじる鉄気かな 赤尾兜子 玄玄
まつさきに秋気のすがた白樺 鷲谷七菜子 天鼓
一条の秋気と奔る甲斐信濃 林翔
炎天に秋気まざまざ都府楼趾 能村登四郎
魚おろすきつ先秋気集めけり 鈴木真砂女 紫木蓮
高秋の気質の木木を死へ歩ます 金子兜太
黒松の重なる秋の気力かな 金子兜太
秋の気のひりりと風にかよひそむ 上田五千石『風景』補遺
秋気ぎつしり羽色濃き鳶逸らしむ 野澤節子 未明音
秋気やがて妖気とならむ夜の闇 林翔
蒸しタヲル脱けられ顔に秋気しるし 篠原梵 年々去来の花 皿
世阿彌忌や秋気動きを砕きける 岡井省二 鯛の鯛
浮雲と吾とのあはひ秋気のみ 林翔
鳳凰山塊秋気が虹を放ちたる 林翔
木下かげ秋気の更に改まる 高浜年尾
問に来る秋の気色や日傭取 嵐青


by 575fudemakase | 2017-09-08 13:14 | 秋の季語 | Trackback | Comments(0)

紅葉づ の俳句

紅葉づ の俳句

「紅葉づる」 と言う動詞並びに作例について


辞書に依れば


もみ・づ 【紅葉づ・黄葉づ】

自動詞ダ行上二段活用

活用{ぢ/ぢ/づ/づる/づれ/ぢよ}

紅葉・黄葉する。もみじする。

出典古今集 冬

「雪降りて年の暮れぬる時にこそつひにもみぢぬ松も見えけれ」

[訳] 雪が降って年の暮れてしまった今、最後まで紅葉しない松というものがわかったことだ。◆上代は「もみつ」。


以下に作例を挙げる。


紅葉づ

いち早くもみづる瀧の撓ひ落つ 宮坂静生 春の鹿
かくまでももみづれるとは荒蝦夷 飯島晴子
ぎしぎしももみずる景の一部分 高澤良一 素抱
サワグルミ端正な葉のもみずれり 高澤良一 素抱
そこはかともみづる沼の名無し草 高澤良一 石鏡
てっきりもみづる筈の漆が小火程度 高澤良一 石鏡
とちの樹のもみづるほどにおつ実かな 飯田蛇笏 山廬集
ふるさとのもみづるものに帚草 大橋敦子
ぼけ封じ三尊に山もみづるよ 高澤良一 随笑
ポスターに紅葉づる鎌倉始発駅 高澤良一 石鏡
みづうみのいろくづ鮒ももみづりぬ 森澄雄
みづうみのいろづく鮒ももみづりぬ 森 澄雄
もみずるに一役買って山の霧 高澤良一 素抱
もみずれりオランウータンの体毛も 高澤良一 鳩信
もみづりて落つる一葉や扇塚 田口俊子 『こととひ』
もみづり遅き谿のあさがほ水色に 林原耒井 蜩
もみづるは大師のこゝろ高野いま 桑田青虎
もみづるもよの木々よりやはや漆 貞室
もみづるや高脚蜘蛛のゆく畳 古田紀一
もみづるや千島桜は炎の色に 山田千代 『淡墨』
もみづるや日暮の昏さとも違ふ 宮坂静生
もみづるを急く葉急かぬ葉すべて蔦 山内山彦
もみづる樹下大道芸の下準備 高澤良一 素抱
もみづれるカナダを机上プランかな 高澤良一 ぱらりとせ
もみづれるそこに雉子の尾が見えて 佐々木六戈
もみづれるものに地獄の釜の蓋 高澤良一 燕音
もみづれる高雄ホテルの絨緞も 高澤良一 宿好
もみづれる山の快挙と申すべき 高澤良一 寒暑
もみづれる寺に預かる幽霊図 高澤良一 宿好
もみづれる鹿煎餅は鹿のいろ 中原道夫
もみづれる楓のいろは兵火のいろ 高澤良一 宿好
もみづれる木によ苔布く寂光土 臼田亞浪 定本亜浪句集
もみづれる欅桂に兄事せる 高澤良一 燕音
やんはりともみづりて来し帚草 今井妙子
一切がもみづる中や岩湯浴ぶ 高澤良一 寒暑
宇治十帖もみづるものを恋ひ歩く 林なつを
雨の柿人間くさくもみづれり 高澤良一 宿好
雲間の日もみづる山をさだかにす 松村蒼石 雁
柿の葉鮨少しもみづる葉を以て 大橋敦子
岩抱いてもみづる楓養老谿 高澤良一 寒暑
空蝉の縋る一ト葉ももみづれり 高澤良一 暮津
空知川もみづるいろに峡を出づ 深谷雄大
隙多き暮しと思ふ紅葉づれる 牧石剛明
紅葉づるや女の裸身舟のごと 横山千夏
紅葉づれる断崖秩父古成層 高澤良一 石鏡
紅葉づれる木にターザンの忘れ綱 服部たか子
刻々にもみづる谷ぞ熟睡せり 松村蒼石 雪
今正にもみづる加仁湯の掛け湯浴ぶ 高澤良一 寒暑
沙羅双樹もみづる太宰生家かな 河野照子
山深くもみづるものの一変す 高澤良一 寒暑
自然薯の紅葉づる蔓を憶えおく 柳井梗恒子
手始めに山の頂もみずれり 高澤良一 素抱
秋分やもみづりはやき岩蓮華 那須弥生
秋楡のもみづる日比谷公会堂 高澤良一 素抱
十薬のもみづるままに武家旧居 山田弘子 こぶし坂
宿浴衣もみづる山に向ひ干す 高澤良一 寒暑
色鳥来これだけ森のもみづれば 高澤良一 随笑
人體展もみづるものに骨格筋 高澤良一 石鏡
水草のもみづる辺り堰鳴らず 南典二
西行の愛でし桜のもみづるを 稲畑汀子 春光
石鎚の北壁にして紅葉づれる 松本博之
尖塔に蔦のもみづる異人館 和田きよし
戦ひし恨みは人の子に残れもみづり果てて冬に入る山 杉浦翠子
祖谷はもう秘境といへずもみづれる 桑田青虎
総督府たりしは昔紅葉づれる 三宅芙美女
大欅もみづる「天下禅林」に 高澤良一 燕音
沢蟹も雨にもみづる凹凸竄(おうとつか) 高澤良一 宿好
虫瘤ももみづる頃となりにけり 高澤良一 宿好
潮しぶき島は紅葉づる木々を得ず 増田河郎子
釣忍紅葉ずる今日の胃の在り処 池田澄子
天下の險もみづるにせよせぬにせよ 高澤良一 石鏡
日光沢しぶける岩ももみづらん 高澤良一 寒暑
白樺をもみづる日光沢の風 高澤良一 寒暑
白根かなしもみづる草も木もなくて 上村占魚
苗桜もみづりて芒の中によ 佐野良太 樫
不細工は不細工なりにもみづれり 高澤良一 宿好
風景へ朝の裏窓紅葉づれる 杉野一博
夢殿の清閑桜もみづりぬ 臼田亞浪 定本亜浪句集
霧に影なげてもみづる桜かな 臼田亜浪
木道より木道を見てもみずる沼 高澤良一 素抱
木々おのももみづるきほひはかなしや 松村蒼石 雁
夜を籠めて湯宿の前山もみづらん 高澤良一 寒暑
野葡萄の実をいろいろにもみづりぬ 森澄雄
油瀝青(アブラチャン)紅葉づる日原街道ゆく 高澤良一 石鏡
露天湯の余り湯水草もみずりて 高澤良一 随笑
箒草ゆめみるやうにもみづれり 木附沢麦青
萍にもみづる色ののりそめし 行方克己 無言劇
藜いま杖によき丈もみづりし 児玉輝代

紅葉づ 補遺

かくまでももみづれるとは荒蝦夷 飯島晴子
ぐるりもみづり火を焚ける神咒(のう)寺 岡井省二 大日
その名をば我に秘めつつ紅葉づる木 相生垣瓜人 負暄
とちの樹のもみづるほどにおつ実かな 飯田蛇笏 山廬集
なんとまつかにもみづりて何の木 種田山頭火 草木塔
みづうみのいろくづ鮒ももみづりぬ 森澄雄
メタセコイア曙いろにもみづるも 山田みづえ 手甲
もみづりし影の帚木なりしなり 岡井省二 鯛の鯛
もみづりて草に色あり十三夜 森澄雄
もみづる藻冷えこんでをり浄瑠璃寺 阿波野青畝
もみづる葉見ゆ山葡萄避暑終る 高浜年尾
もみづれど不断桜に花芽かな 松崎鉄之介
もみづれば金色の橡世界あり 阿波野青畝
もみづれる伊吹屹つとて友詠ひし 松崎鉄之介
もみづれる桜に昼の雲たかし 大野林火 海門 昭和七年以前
もみづれる木によ苔布く寂光土 臼田亜郎 定本亜浪句集
雲間の日もみづる山をさだかにす 松村蒼石 雁
絵巻物繰りてもみづる一と条 富安風生
見給ふは学ともみづる学の樹樹 山口誓子
古代杉もみづる水郷行の汽車 山田みづえ 草譜
紅葉づれる桂林の山三百段 松崎鉄之介
刻々にもみづる谷ぞ熟睡せり 松村蒼石 雪
三世佛へ白雲木のもみづりぬ 山田みづえ 草譜
三白の白石にはや紅葉づれる 森澄雄
紙漉場荒れてもみづる帚草 松崎鉄之介
森の奥家あればもみづる木かな 種田山頭火 自画像 層雲集
草紅葉たなごといへどもみづりぬ 森澄雄
大演習葡萄もみづる丘のさき 山口誓子
湯殿山いまもみづる吾のからだかな 岡井省二 前後
白根かなしもみづる草も木もなくて 上村占魚
夢殿の清閑桜もみづりぬ 臼田亜郎 定本亜浪句集
霧に影なげてもみづる桜かな 臼田亜郎 定本亜浪句集
木々おのももみづるきほひはかなしや 松村蒼石 雁
老松や蔦もみづるをさまたげず 阿波野青畝
藁敷てもみづる草の堤かな 河東碧梧桐
苺の葉もみづることも饒けき家 山口誓子

以上

by 575fudemakase | 2017-09-06 08:03 | 秋の季語 | Trackback | Comments(0)

初風(秋の) の俳句

初風(秋の) の俳句

初風(秋の)

訪はん身の夕初風をまとひ出づ 野沢節子 鳳蝶
白川や秋の初風旅の歌 秋風 正岡子規
雀どもが秋の初風の身軽哉 尾崎紅葉
掌の白き女と思ふ初風に 渡辺七三郎
初風を懐に抱きはばたける 渡辺良恵
初風や夫唱婦随に夫婦松 高橋悦男
初風や白い鶏ひかることあり 佐野良太 樫
初風や巴里の雀に煤の寄る 小池文子 巴里蕭条
初風や道の雀も群に入り 佐野良太
初風や草の中なる吾亦紅 高橋淡路女 梶の葉
初風や燭より小さき念持仏 神崎忠
初風や松も蘇鉄も秋の市 言水
初風や鶏はなつ浦の家 山本 洋子
初風や去年の目さますいねの花 上島鬼貫
初風や回り灯籠の人いそぐ 几董
初風やこむらよろこぶ道の上 岡井省二
初風やいよいよ濁る河の水 大林信爾
初風はどんぐり山に吹いてをり 大峯あきら
初風の蕭々と竹は夜へ鳴れる 臼田亜浪
初風の眉に男の決意あり 加古宗也
初風の吹きをさまりし海の色 松本由美子
初風の秋文鳥と遊びけり 横澤放川
初風に藁の匂ひのありにけり 山本洋子
初風に向いて男の素顔濃し 中川いさを
初風と波たたみ来や海の宿 星野麦丘人
初風といひて母立つ戸口かな 山本 洋子
初風す蹌踉として門辞せば 牧野寥々
秋初風粒の小芋の箸を逃ぐ 長谷川かな女 花寂び
秋初風句帖持たずば頭に記す 高澤良一 暮津
秋初風狭山の夜の藪うごく 長谷川かな女
辞書は机上に開きおくもの秋初風 高澤良一 寒暑
糸車年の初風紡ぎけり 北田祥子
師もその師も旅したまひき木曾初風 大串章
山頂の古墳初風四方より 鳥羽紀子
こんな日はひとりがよろし秋初風 高澤良一 暮津

初風(秋の)補遺

訪はん身の夕初風をまとひ出づ 野澤節子 鳳蝶
鼻すぢにつづける眉の初風ぞ 岡井省二 有時
白川や秋の初風旅の歌 正岡子規 秋風
初風や若者にして縁の使者 中村草田男
初風やこむらよろこぶ道の上 岡井省二 猩々
初風やうなづき越ゆる芋峠 森澄雄
初風の蕭々と竹は夜へ鳴れる 臼田亜郎 定本亜浪句集
初風の乳牛百余頭と別れて 金子兜太
初風の頭を過ぎ竹の穂をわたり 岡井省二 有時
初風の海や棕櫚ある泉澄む 中村草田男
初風のゆらぎたがへし池の水 岡井省二 山色
初風におどろき老と思ひゐる 能村登四郎
初風と万の毛穴が知らせけり 林翔
三笠山より初風を賜ひけり 村山故郷
雲流れ来て初風と知らせけり 林翔

初風(秋の)続補遺

初風や行脚坊主の袖の破レ 句空
初風や去年の目さますいねの花 鬼貫
初風に瓜守が菴もあれにけり 濁子
初風にせり合ふ色や萩薄 舎羅


by 575fudemakase | 2017-09-04 13:25 | 秋の季語 | Trackback | Comments(0)

秋の初風 の俳句

秋の初風 の俳句

秋の初風

こんな日はひとりがよろし秋初風 高澤良一 暮津
辞書は机上に開きおくもの秋初風 高澤良一 寒暑
秋初風狭山の夜の藪うごく 長谷川かな女
秋初風句帖持たずば頭に記す 高澤良一 暮津
秋初風粒の小芋の箸を逃ぐ 長谷川かな女 花寂び
水郷の初秋風に舟を棹す 岩崎照子
雀どもが秋の初風の身軽哉 尾崎紅葉
乳牛に初秋風のポプラ立つ 林徹
白川や秋の初風旅の歌 秋風 正岡子規
物置かぬ机上初秋風のもの 井沢正江
文机に初秋風を招きけり 阿波野青畝
鱒泳ぐ初秋風の水の皺 森田峠 逆瀬川以後

秋の初風 補遺

おん墓の初秋風と思ふべし 石田勝彦 雙杵
牛乳に草の匂ひや初秋風 細見綾子 存問
牛乳に草の匂ひや初秋風(故郷の丹波青垣町にて) 細見綾子
式台や初秋風のうすぼこり 阿波野青畝
初秋風いわき平の街角に 細見綾子
初秋風みどりの海を撫でながら 細見綾子
初秋風衣の裾の短かきを 細見綾子 天然の風
初秋風衣の裾の短きを(松山市道後、宝巌寺) 細見綾子
初秋風女は綿ごみだらけにて 細見綾子
初秋風兎の耳のひつ立し 鈴木道彦
多摩墓地に集ひ来れば初秋風(母の忌八月十五日) 細見綾子
朝起きて雲の動きの初秋風 細見綾子
白川や秋の初風旅の歌 正岡子規 秋風
文机に初秋風を招きけり 阿波野青畝
野辺おくり初秋風が竹山に(欣一母逝く) 細見綾子



by 575fudemakase | 2017-09-04 13:23 | 秋の季語 | Trackback | Comments(0)

花火 拙句

花火 拙句

あがりたる初手の花火の高さかな 高澤良一 ぱらりとせ
うしろより声あり花火の出来を云ふ 高澤良一 暮津
おとぼけの花火も交じる前半部 高澤良一 寒暑
クレヨン画原色花火描きなぐり 高澤良一 寒暑
しけた音残して揚がる昼花火 高澤良一 暮津
シンシナティキッド連発花火かな 高澤良一 随笑
ストトンとさきがけ花火揚がりけり 高澤良一 ぱらりとせ
どかどんと犬へこまする大花火 高澤良一 随笑
どぶ板通りねずみ花火が駈け抜けて 高澤良一 ねずみのこまくら
どんじりに控えて音も凄花火 高澤良一 寒暑
どんぷすと岬辺りの遠花火 高澤良一 暮津
ナトリューム色の花火に顔染めて 高澤良一 ももすずめ
にっぽんの芯円菊形花火かな 高澤良一 寒暑
パリパリと揚がりズドンと花火了ふ 高澤良一 ももすずめ
ポカポカと追打かけて昼花火 高澤良一 ぱらりとせ
ぽんぽんとけふの花火の予告あり 高澤良一 素抱
みちのくの空攀ず花火鼠鳴き 高澤良一 寒暑
愛敬を振りまき上る花火あり 高澤良一 暮津
意気込みも新たに花火揚がりけり 高澤良一 さざなみやつこ
一工夫ありそな花火揚がりけり 高澤良一 ももすずめ
横須賀の空鈍く打ち昼花火 高澤良一 暮津
音に凝る花火もありてどよもせる 高澤良一 さざなみやつこ
花火セット取り合ふ喧嘩に負けし汝(妹) 高澤良一 暮津
花火にも音の味付ありにけり 高澤良一 素抱
花火にも前座・真打ちありにけり 高澤良一 宿好
花火の煙ゆらゆらかつおのゑぼしめく 高澤良一 随笑
花火の下潮淙々と流れをり 高澤良一 素抱
花火の傘ぐらりと天のシャンデリア 高澤良一 寒暑
花火の傘爛れかつをのえぼしかな 高澤良一 燕音
花火音立て込む家に谺して 高澤良一 宿好
花火果つその大空のみみず腫れ 高澤良一 暮津
花火果つ五體叩きて砂払ふ 高澤良一 暮津
花火果て闇抱え込む雄物川 高澤良一 燕音
花火見る旅も山下清めく 高澤良一 宿好
花火尺玉東京湾を凹まする 高澤良一 随笑
花火野郎青嶺の肝を抜き来しと 高澤良一 ねずみのこまくら
花火揚ぐ入江巡れりモノレール 高澤良一 素抱
帰るさの横手の花火蔵の間 高澤良一 素抱
逆さまのぺこちゃん花火失笑買ふ 高澤良一 素抱
協賛の某花火あがりけり 高澤良一 ぱらりとせ
筋ばって花火のあとの白煙 高澤良一 素抱
蛍光の腕輪して子の花火待つ 高澤良一 素抱
軽きどよめき麦藁帽の花火なり 高澤良一 随笑
今一つ高さの欲しき花火とも 高澤良一 素抱
耳たぶを押さえて花火怖がる子 高澤良一 素抱
手の内をあかすが如く花火爆ぜ 高澤良一 さざなみやつこ
手花火に興じゐしこゑ引っ込みぬ 高澤良一 ぱらりとせ
手花火の煙くる部屋にシーツ敷く 高澤良一 ももすずめ
手花火の音の奇天烈奇天烈と 高澤良一 鳩信
手花火の玉より大き焼夷弾 高澤良一 寒暑
首根っこ打てる花火の大谺 高澤良一 素抱
終の花火らしき高さにあがりけり 高澤良一 ももすずめ
昇りつむ花火の青息吐息かな 高澤良一 宿好
消ゆ花火開く花火に照らされて 高澤良一 さざなみやつこ
新世界求めてあがる花火とも 高澤良一 暮津
世直しのつもりの花火揚がりけり 高澤良一 寒暑
川幅のそれと知らるる花火舟 高澤良一 ぱらりとせ
打止めの花火はこれかこの後か 高澤良一 ももすずめ
大曲平日の日の昼花火 高澤良一 素抱
大玉となりて間合をとる花火 高澤良一 ももすずめ
大玉の花火に見惚る団扇かな 高澤良一 素抱
炭酸のはじけるやうに閉ず花火 高澤良一 燕音
中華風彩色花火あがりけり 高澤良一 ぱらりとせ
長たらしき呼び名の花火揚がりけり 高澤良一 石鏡
長岡の花火帰りの道真直 高澤良一 ぱらりとせ
転調の花火どどどと揚がりけり 高澤良一 素抱
筒積まれ花火船めく穴子船 高澤良一 石鏡
同床異夢冬の花火を倶に見て 高澤良一 素抱
匂ふ海これより花火一萬発 高澤良一 暮津
泊船のデッキの人も花火見る 高澤良一 随笑
漂ふて花火の煙の大海月 高澤良一 鳩信
浜明けて真砂驚く花火殻 高澤良一 素抱
不景気を一蹴せんと揚花火 高澤良一 鳩信
腹に滲むいけいけどんどん花火かな 高澤良一 随笑
目と鼻とおまけに口もある花火 高澤良一 暮津
夜間飛行たかだか花火の合間ゆく 高澤良一 暮津
揚花火うち抜きし空締まりけり 高澤良一 暮津
揚花火その名隅田の恋ごころ 高澤良一 素抱
揚花火どんと武甲山の肩を突き 高澤良一 宿好
揚花火ポンポン景気悪しき世に 高澤良一 寒暑
揚花火粋やシャンパングラス風 高澤良一 寒暑
揚花火探り当てたる空の芯 高澤良一 暮津
揚花火表六玉もあがりけり 高澤良一 ぱらりとせ
揚花火連打ドンプスドンプスと 高澤良一 随笑

by 575fudemakase | 2017-08-27 10:13 | 秋の季語 | Trackback | Comments(0)

奉灯会 の俳句

奉灯会 の俳句

奉灯会

たまゆらの一燈つきし万燈会 細見綾子 黄 炎
をちこちの鹿の夜遊び万燈会 三島富久恵
闇に浮く杉の直幹万燈会 安達波外
一山の涼を呼び寄せ万灯会 佐野すすむ
一灯にわが名があるよ万灯会 丸山いわを
外套の肩が擦れあふ万灯会 林 徹
幾度もつまづく木の根万灯会 細見綾子
継ぎし火の冴えて灯の穂や万燈会 加藤知世子 花 季
五観偈を唱ふ斎の座万灯会 高木節子
紅蜀葵宵弘法も近づきて 臼田亜浪 旅人
子の画きし一灯探す万灯会 吉田早苗
鹿のゐる闇濃かりけり万灯会 野上智恵子
生くる力もて万灯会の闇に立つ 細見綾子
生ける者さざめき通る万灯会 富田かづを
戦中は闇深かりし万灯会 鈴木けんじ
大沢へかけて露天や奉灯会 山中納士
竹林の裾に闇湧き万燈会 阪本謙二
凍て雲に笙放つなり万燈会 角川春樹 夢殿
東塔に十日の月や万燈会 上村末子
灯の海に立ちゐて涼し万灯会 工藤葉子
背の真闇前の灯の波万灯会 倉林敏子
母の手に一人は眠い子万灯会 篠田文子
万灯のゆらぐ結界宵弘法 林 香
万灯会この一燈で全て点く 秋山暮谷
万灯会闇にふるまふ酒にほふ 古川京子
万灯会何時も必ず誰かに会ふ 右城暮石 上下
万灯会果て一山の虫の闇 佐藤藍
万燈会銀河明りをゆくごとく 野澤節子
万燈会人の暗さはかたまつて 津田清子
万燈会杉が匂へりうしろより 宇野隆雄
無縁なる人と袖ふれ万燈会 細見綾子 黄 炎
旅びとに雨のはげしき万燈会 太田穂酔

奉灯会 補遺

たまゆらの一燈つきし万燈会 細見綾子
闇の中濃き闇は溝万燈会 右城暮石 虻峠
幾度もつまづく木の根万燈会 細見綾子
宮柱丹を火のいろに万燈会 大野林火 方円集 昭和五十三年
京底冷え奈良は粉雪の万燈会 細見綾子
紅蜀葵宵弘法も近づきて 臼田亜浪 旅人 抄
大榾の燃えきりて落つ万灯会 右城暮石 句集外 昭和四十五年
丹の宮をみなもとにして万燈会 大野林火 方円集 昭和五十三年
灯亦身亦身節分万灯会 岡井省二 鯛の鯛
燈の消ゆる頃にも見たし万燈会 右城暮石 虻峠
万灯会何時も必ず誰かに会ふ 右城暮石 上下
万灯会銀河明りをゆくごとく 野澤節子 存身
万燈会廻套利玄とすれちがふ 橋本多佳子
万燈会行き交うて闇かぐはしく 大野林火 方円集 昭和五十三年
無縁なる人と袖ふれ万燈会 細見綾子
話しゆく体温の息万燈会 橋本多佳子

以上

by 575fudemakase | 2017-08-22 17:14 | 秋の季語 | Trackback | Comments(0)

蓮の飯 の俳句

蓮の飯 の俳句

蓮の飯

あかときの柴を刈る報謝蓮飯に 赤松子
ある時はありのすさみや蓮の飯 調和 選集「板東太郎」
ひらき食し食して蓮飯葉をたたむ 皆吉爽雨 泉声
また命鯖そへけりな蓮の飯 信徳
塩魚の塩こぼれけり蓮の飯 加舎白雄
佐久の鯉添へて蓮飯届けらる 久保方子
姿見の奥に映れる蓮の飯 松本澄江
松の葉につつむ心を蓮の飯 支考
雀らもせうばんしたり蓮の飯 一茶 ■文化十二年乙亥(五十三歳)
世に活きて腹こやしけり蓮の飯 月居
涼風に蓮の飯喰ふ別かな 中村史邦
涼風に蓮の飯喰ふ別れかな 史邦 俳諧撰集「藤の実」
蓮の飯やあまりさびしき供へ物 大場白水郎 散木集
蓮の飯大器なる葉より食す 皆吉爽雨 泉声
蓮飯に母の削りし蓬箸 横田 和
蓮飯の箸のはこびの葉を破る 皆吉爽雨
蓮飯やあまりさびしき供へもの 大場白水郎
蓮飯や海の明るさ暗さいふ 宇佐美魚目
蓮飯や白き器も仏の日 長谷川かな女
蓮飯や鴉のつつく無縁墓地 永沼弥生

蓮の飯 補遺

焦げをほのかにしらたまの蓮の飯 鷹羽狩行

蓮の飯 続補遺

涼風に蓮の飯喰ふ別哉 史邦
松の葉につゝむ心を蓮の飯 支考
死なで帰る此夕暮に蓮の飯 高桑闌更
塩魚の塩こぼれけり蓮の飯 加舎白雄

by 575fudemakase | 2017-08-17 12:18 | 秋の季語 | Trackback | Comments(0)

魂祭 の俳句

魂祭 の俳句

魂祭

あぢきなや*かやの裾踏む魂祭 蕪村
あぢきなや蚊屋の裙蹈魂祭 蕪村 秋之部 ■ 七夕
アメリカに家系はじまる魂祭 赤木タモツ
いねし子に電車ひゞくや魂祭 渡辺水巴 白日
いもうとも共にあるかや魂祭 及川貞
うつつなる素子まんだら魂祭 角川源義
おもしろき人にてありし魂祭 福田把栗
おろそかになりぬ都の靈祭 魂祭 正岡子規
おろそかになりまさる世の魂祭 魂祭 正岡子規
かゝる苦もやがて消ゆべし魂祭 『定本石橋秀野句文集』
かき立つる灯うすし魂まつり 大阪-李門 俳諧撰集「藤の実」
くさはらを歩めば濡れて魂祭 下坂速穂
くちなはのしづかに失せし魂祭 山口誓子
くるぶしを風の過ぎゆく魂まつり 矢島久栄
こしらへのもなかの舞子魂まつり 後藤夜半
ごたごたと竝べたてたり魂祭 魂祭 正岡子規
こと古りし招魂祭の曲馬団 松本たかし
そなへ物名は何々ぞ魂まつり 卓袋 七 月 月別句集「韻塞」
つらつらとならび給へり魂祭 魂祭 正岡子規
ときくじのかぐの木の実や聖霊棚 飯田蛇笏 山廬集
なき父の膝もとうれし魂祭 樗良
ならぶ佛に母の大き手魂祭 松村蒼石 春霰
なるゝ間のなきもはかなし魂祭 松岡青蘿
にはか点者で魂棚から出しやばりぬ 加藤郁乎
ぬるま湯の朝風呂春季皇霊祭 久永芦秋
ひあはひの風に棚経すみにけり 水巴
ひとつ家の燈のあかあかと魂祭 福田蓼汀 山火
ひろ~と魂棚の前掃かれたる 佐野青陽人
ひろびろと魂棚の前掃かれたる 佐野青陽人
ふるさとの山見えねども魂祭 臼田亜浪 旅人
ほし合のうらさびしさよ魂まつり 松岡青蘿
ほゝづきのわかき青さや魂まつり 鈴木真砂女 生簀籠
まざまざといますが如し魂祭 季吟
まざまざと在スかことし魂まつり 季吟 選集古今句集
むらさきに変りし蓮や魂祭 後藤夜半
ものごしや棚経僧のうら若き 高橋淡路女 梶の葉
ゆきずりの礼を棚経僧同士 角田拾翠
よべの雨閾ぬらしぬ霊祭 芝不器男
よべの雨閾濡らしぬ霊祭 芝 不器男
われより出て魂棚に乗るごとくなり 平井照敏
暗がりをよろこぶ魂や魂祭 柿本多映
遺言の酒そなへけり魂まつり 太祇
遺言の酒備へけり玉祭 太祇
遺言の酒備へけり魂まつり 炭 太祇 太祇句選
一ト部屋や棚経僧をとり残し 小杉余子 余子句選
一束の刈草干して魂まつり 萩原麦草 麦嵐
芋角豆蝋燭継ぎぬ魂棚に 野村喜舟 小石川
雨滴つく青き芒を魂棚に 宮田正和
雲やはり流れてゆきぬ招魂祭 大牧 広
王氏歌ふ招魂祭の花火鳴れば 西東三鬼
牡丹は招魂祭の雨たたへ 萩原麦草 麦嵐
化しさや藤所らかき魂祭 黒柳召波 春泥句集
火を敲く小家や暮の魂祭 松瀬青々
花嫁のうゐうゐしくも魂祭 魂祭 正岡子規
蚊のしらぬ客あはれ也魂まつり 横井也有 蘿葉集
蚊帳の子に吹く朝風や魂祭 碧雲居句集 大谷碧雲居
我病んで魂祭るべくもあらぬ身よ 魂祭 正岡子規
海に向く魂棚昼も灯りをり 鷹野清子
海に出て日は海照らす魂まつり 吉田汀史
海原のもろもろ暮れぬ魂祭 大峯あきら
海素麺(うみそうめん)蜑が世つらし玉祭 昌夏 選集「板東太郎」
刈りかけし草の断層招魂祭 殿村莵絲子 雨 月
鬼灯の窶れて野辺の魂棚に 高澤良一 素抱
脚絆解いて魂祭るなり旅戻 魂祭 正岡子規
急きやうも棚経僧や夕間暮 野村喜舟
灸(やいと)してなきしも我ぞ魂祭 中村史邦
牛なくや其牛かひの魂まつり 魂祭 正岡子規
橋あまた見て魂棚の見当らず 中岡毅雄
業火免がれ暁けの魂棚灯る家 木村蕪城 一位
玉まつり悲しきものと覺えけり 魂祭 正岡子規
玉祭甥が居たらば茶のかよひ 立花北枝
玉祭極樂へ轉宅の文書かん 魂祭 正岡子規
玉祭夜更て瓜の匂ひかな 野梅
熊坂がゆかりやいつの玉祭 松尾芭蕉
桑畑の径湖へ出づ魂まつり 大峯あきら 鳥道
欠かさざりき母に代りぬ招魂祭 宮崎とき女 『雪椿』
月の色さす魂棚の箒草 沢木欣一
懸乞の不機嫌みせそ魂祭 炭 太祇 太祇句選
献燈に汝が名書くなり魂まつり 及川貞 夕焼
見た顏の三つ四つはあり魂祭 魂祭 正岡子規
見るもうし独住居の玉祭 たつ 俳諧撰集玉藻集
言霊のさきはひたまへ魂祭 栗生純夫 科野路
御魂祭折から月の上るなり 飯田蛇笏 椿花集
御先祖はうしろの方に玉祭り 魂祭 正岡子規
梧桐の雨ひとときひびき霊祭 石原舟月 山鵲
克明に籐の手貫や棚経僧 野村喜舟
今年も棚経すましたる齢知るかな 梅林句屑 喜谷六花
魂まつりここが願ひのみやこなり 服部嵐雪
魂まつりすぎれば飛騨はいなびかり 筑紫磐井
魂まつり一本みちに岳が聳つ 鍵和田[ゆう]子 飛鳥
魂まつり泣くやまことの遊び事 野澤凡兆
魂まつり故人桔梗を好みけり 野村喜舟 小石川
魂まつり貧家の情ぞまことなる 加舎白雄
魂祭けふも焼場のけぶりかな 芭蕉
魂祭ふわふわと来る秋の蝶 正岡子規
魂祭ふわふわと來る秋の蝶 秋の蝶 正岡子規
魂祭る門を覗くや物狂ひ 魂祭 正岡子規
魂祭我は親より老いにけり 内藤鳴雪
魂祭我より若き人の數 魂祭 正岡子規
魂祭庫裏は團子の粉雪哉 魂祭 正岡子規
魂祭種のこされし角小豆(ささげ)かな かめ 俳諧撰集玉藻集
魂祭人間の死は季節なく 斎藤空華 空華句集
魂祭先導をする母の鉦 大石英子
魂祭八千代諷ひし一座也 旧国
魂祭亡き犬の椀に飯を盛る 弘光東洋
魂祭團子をくへといはれけり 魂祭 正岡子規
魂祭樂しみにして待つ子哉 魂祭 正岡子規
魂祭蜩鳴いて夕なり 魂祭 正岡子規
魂棚にカボチャの煮付け召し上がれ 高澤良一 素抱
魂棚にすずしき風を祭りけり 平井照敏
魂棚にとどく物音何々ぞ 大峯あきら
魂棚に戒名長し長寿村 大熊輝一 土の香
魂棚に傘さしかけて仏待つ 吉田 守一
魂棚に仕へて老の黄帷子かな 岡本松浜 白菊
魂棚に杉山の風通ひけり 茂里正治
魂棚に昼のともしや蓮の陰 赤木格堂
魂棚に風吹き入れて泉川 野沢節子
魂棚に壁のひま漏る夕日哉 魂棚 正岡子規
魂棚に穂高の水を供へけり 渡辺峰山
魂棚に母のみ知れる位牌あり 菅原独去
魂棚に亡母の来てゐる湯呑かな 岩田由美
魂棚に團子供へて拜みけり 魂棚 正岡子規
魂棚のくさぐさ見ゆれ路地涼み 後藤夜半
魂棚のくはしきことは教はらで 後藤夜半 底紅
魂棚のたうもろこしはわが昼餉 石田あき子
魂棚のつまの時計も寂びにけり 関戸靖子
魂棚のはかなき影にねまりけり 鬼頭文子
魂棚の奥なつかしや親の顔 去 来
魂棚の奥を起つたびのぞきけり 神蔵 器
魂棚の火を吹き消しぬ夕嵐 魂棚 正岡子規
魂棚の見えて淋しき昼寝かな 鬼城
魂棚の真下にありて母の膝 吉田汀史
魂棚の真向ふ庭をひろく掃く 松村蒼石
魂棚の前に飯喰ふ子供かな 内藤鳴雪
魂棚の早桃の匂ふことしきり 大橋敦子 匂 玉
魂棚の大きな写真新しき 渡辺 いえ子
魂棚の昼灯りをり旅果てぬ 小林康治
魂棚の賑やかしとて葉鶏頭 高澤良一 素抱
魂棚の飯に露おくゆふべ哉 露 正岡子規
魂棚の敷菰滝と辷り落つ 久米正雄 返り花
魂棚やいくさを語る後家二人 魂棚 正岡子規
魂棚やいくさを語る人二人 魂棚 正岡子規
魂棚やぼた餅さめる秋の風 炭 太祇 太祇句選
魂棚やみどりまぎれず子蟷螂 千代田葛彦
魂棚や何はあれとも白團子 魂棚 正岡子規
魂棚や蚊は血ぶくれて飛びありく 上島鬼貫
魂棚や皆ごまごまと茄子(なすび)あへ 服部嵐雪
魂棚や供へて青きものばかり 岸 風三楼
魂棚や坐して届かぬ魔法瓶 石川桂郎 四温
魂棚や飾りたてたりとも思ふ 尾崎迷堂 孤輪
魂棚や真菰が上の灯し盞 尾崎迷堂 孤輪
魂棚や鼠もつかずあはれなり 爾遠
魂棚や草葉をひたす皿の水 飯田蛇笏 霊芝
魂棚や萩叢は灯にうかびをり 清水基吉 寒蕭々
魂棚や不順も順に置直し 横井也有 蘿葉集
魂棚や風の集まる長子の座 戸恒東人
魂棚や壁のひまもる夕つく日 魂棚 正岡子規
魂棚や母の住みにし此の一間 楚川 選集古今句集
魂棚や葉生姜の香にひきしまり 大熊輝一 土の香
魂棚や隣の庭の夜の木々 矢島渚男
魂棚や藪木をもるゝ月の影 丈 艸
魂棚をころげ落つものすぐ傷む 吉岡句城
魂棚をほどけばもとの座敷かな 蕪村
魂棚を結ふにも力つくすなり 馬場移公子
魂棚を組む山川を泳ぎ来て 神蔵 器
魂棚を灯せばともる鯖火かな 榎本冬一郎 眼光
魂棚を葺きてまさをき高野杉 塩谷はつ枝
雑草(あらくさ)は露を蒐めて魂祭 高澤良一 暮津
三井寺や三千坊の魂祭 魂祭 正岡子規
山萩に皇霊祭の日あたれり 長谷川かな女
子の命(みこと)孫の命や招魂祭 宮下翠舟
死なでわれむかしの恋を魂祭 高井几董
事古りし招魂祭の曲馬団 松本たかし
児を抱いて尼うつくしき霊祭 飯田蛇笏
児を抱いて尼美くしき霊祭 飯田蛇笏
児を抱いて尼美しき霊祭 飯田蛇笏
手向草や嵐にやどす聖霊棚 調鶴 選集「板東太郎」
酒ずきの吾が一族や魂まつり 内野蝶々子
酒ものめぬ身となられしか魂祭 魂祭 正岡子規
従弟どち月に語るや魂祭 白雄
春も早や招魂祭のころの雨 富安風生
招魂祭さびし風鹿柱なす 富岡掬池路
招魂祭われ軍籍をもちゐたり 細谷源二 鐵
招魂祭遠く来りし顔と遭ふ 三橋敏雄
招魂祭過ぎし山の手線軌る 久米三汀
招魂祭肩で息するもと兵士 きりぶち輝
招魂祭集ふ戦友五指満たず 佐野克男
招魂祭濡れたる雨後の砂利を踏む 磯貝碧蹄館
鐘楼へのぼらむと一途聖霊祭 小池文子 巴里蕭条
寝道具のかたかたやうき玉祭 向井去来
寝道具の片方やうき玉祭 去来 芭蕉庵小文庫
心にて顔にむかふや魂まつり 上島鬼貫
心にて顔に向ふや魂祭 鬼貫
真ン中に父の位牌や魂祭 羽生 敏子
親もなき子もなき家の玉まつり 魂祭 正岡子規
人の親の来るとばかりや魂まつり 上島鬼貫
数ならぬ身とな思ひそ玉祭 松尾芭蕉
裾ひろき父の浴衣よ魂まつり 福永耕二
世間かなせちりもすだも魂祭 西武
星生れぬ招魂祭の花火のあと 加倉井秋を
生垣の刈りあと匂ひ魂祭 片山由美子
聖靈の寫眞によるや二三日 魂祭 正岡子規
聖靈やすこし後から女だち 魂祭 正岡子規
青空の奥処は暗し魂祭 三橋敏雄(1920-2002)
青空の奥處は暗し魂祭 三橋敏雄
切貼りの糊のしたたる霊祭 栗生純夫
折山の傷む過去帳魂まつり 山崎禎子
先行の不安は消せず招魂祭 浜名礼次郎
戦死者のうから肩やせ招魂祭 細谷源二 鐵
線香や壁にうつして聖霊棚 沾葉 選集「板東太郎」
曽祖父は関の刀匠魂祭 岡本春人
僧の座の敷茣蓙にほひ魂祭 井沢正江
早出みかんの青顔黄顔魂祭 中拓夫 愛鷹
草の家のうすべり敷いて霊祭 佐藤漾人
草の戸や月明かに魂祭 魂祭 正岡子規
草の穂に夕日の金や魂まつり 上村占魚
草ふかく月のおよべる魂まつり 前山松花
蒼々と夜の峰見ゆる魂まつり 成田千空 地霊
孫共か物見に來るよ魂祭 魂祭 正岡子規
孫共が拜みに來るよ魂祭 魂祭 正岡子規
大テント招魂祭の椅子並ぶ 小路紫峡
濯ぎ場へ棚経僧が舟で著く 関 沼男
棚経つとむうしろひる寝の子起さじ 梅林句屑 喜谷六花
棚経につね着の母の来て座る 松村蒼石
棚経に学寮の僧頼みけり 喜谷六花
棚経に犬も座りてゐたりけり 安永圭子
棚経に前山は雨ぬいでゆく 辻田克巳
棚経に白波はしりつつ遠し 細川加賀 『傷痕』
棚経のあまり短く物足らず 宮城きよなみ
棚経のかなしくもなく終りたる 上村占魚 球磨
棚経のみんなのうしろすがたかな 細川加賀
棚経の機音ひゞく仏間かな 吉岡 秋青
棚経の小僧十二三なるが来る 原紫川
棚経の鉦ちん~と急ぎ居り 静雲
棚経の鉦ちんちんと急ぎ居り 河野靜雲
棚経の親子の僧の声そろふ 柴山つぐ子
棚経の僧が路次より現れ来 上野泰 春潮
棚経の僧と話して税のこと 藤平伊知郎
棚経の僧にくらしのこと聞かれ 関戸靖子
棚経の僧にほめらる読経かな 辻 青歩
棚経の僧に参らす饂飩かな 赤木格堂
棚経の僧に煎茶をすすめけり 海野 勲
棚経の僧に包める酒饅頭 中川冬紫子
棚経の僧に夕かげそへるかな 久保田万太郎
棚経の僧の昔は坑夫とか 緒方句狂
棚経の僧の頭を打つ金亀子 田中俊尾
棚経の僧の背高は坐りても 船田太陽子
棚経の僧も戻りて昼の護摩 川澄祐勝
棚経の僧をあふげる病婦かな 小松月尚
棚経の僧を扇げる病婦かな 小松月尚
棚経やお蝋をともす間も待たず 足立蓬丈
棚経やくらしかたむく大檀那 川名句一歩
棚経や紫蘇に風吹く頃となり 斎藤夏風
棚経や慈姑頭の老の僧 石塚友二 光塵
棚経や衆生の中に赤ん坊 岩田由美 夏安
棚経や出て気のつく門違 自笑
棚経や小僧面白さうに讀む 棚経 正岡子規
棚経や水の如くに母在す 山川子
棚経や蝉の羽衣煽ぎけり 前川素泉
棚経や草木も言葉交すなる 宮津昭彦
棚経や谷戸の五六戸次々に 尾崎迷堂 孤輪
棚経や父の寝茣蓙の端ほつれ 皆川白陀
棚経や有髪ながらも寺を守り 森白象
棚経や聲の高さ弟子坊主 其角
棚経や闖入の虻大自在 矢島渚男 船のやうに
棚経僧お経一気に飛ばしけり 山本敏章
棚経僧の青頭が宙にひかり過ぐ 石原舟月
棚経僧小さき木魚を膝元に 亀田やす子
棚経僧燭を扇で消し去りぬ 野村喜舟
棚経僧送りに発てり海女の舟 下谷行人
棚経待つ座布団一枚ほてりけり 小川千賀
男手のやがて佗しき魂祭 岳陽
男手のやがて侘しき魂祭 杉山岳陽
竹林の奥の霧らへり魂祭 臼田亜浪
仲丸の魂祭せむけふの月 蕪村 秋之部 ■ 探題雨月
抽斗の奥に臍の緒魂祭 村田緑星子
長きほど薄き「のしいか」招魂祭 北野民夫
塚助弥燈籠高尾魂祭 西本一都 景色
徹書記のゆかりの宿や玉祭 蕪村遺稿 秋
唐黍にかげろふ軒や玉祭 浜田酒堂
島人よこの杉伐るな魂祭 大峯あきら 鳥道
討死の位牌新らし瓜の馬 魂祭 正岡子規
頭を剃りて棚経僧になりにけり 福島せいぎ
二世ならぬちちはは逢はす魂まつり 佐野美智
日盛やさがしあぐめる棚経僧 河野静雲
乳母が来てまた泣き出しぬ魂祭 山店 芭蕉庵小文庫
年々の招魂祭の裏の宿 高浜虚子
箸の水切って乾かす魂祭 高澤良一 寒暑
病んで父を思ふ心や魂祭 魂祭 正岡子規
貧乏を見せじと人の魂祭 魂祭 正岡子規
父と母招魂祭に旅立ちぬ 中村ルツ子
父八十棚経にゆくオートバイ 池田暘子
父母の墓ふるさとにあり霊祭 吉武月二郎句集
蕗の傘まだ稚なしや招魂祭 鳥羽とほる
塀越の枯野やけふの魂祭 炭 太祇 太祇句選
壁のすきにいなづますこし魂まつり 魂祭 正岡子規
壁のすきに稻妻すなり魂祭 魂祭 正岡子規
母は世になにたのしみし魂祭 高木石子
母人や病をおして魂祭 清原枴童 枴童句集
膨張をせり魂棚の菓子袋 茨木和生
盆棚にハワイ土産の絵蝋燭 竹内和歌枝
盆棚に結願証を飾りけり 櫛田と志子 『繭玉』
盆棚に薯蕷(じょうよ)饅頭真つ白な 石嶌岳
盆棚に薯蕷饅頭真つ白な 石嶌岳
盆棚に青瓢箪を吊るしけり 榎本文代
盆棚に白桃が尻ならべたる 辻桃子
盆棚のあとや畳のうす湿り 根岸善雄
盆棚の青梨ふたつ消え失せぬ 細川加賀 生身魂
盆棚の父の湯呑みの大きかり 飯田眞理子
盆棚や木のミかくのミ皆あはれ 椎本才麿
盆棚や木の実かぐの実皆あはれ 才麿
盆棚をしまひしあとの八畳間 猪俣千代子 秘 色
盆棚をたたむ迅さに手を貸さず 中原道夫
盆棚組むすこし離れて母がをり 猪俣千代子 堆 朱
末の子をたよりに生きて魂祭 福田蓼汀 山火
無縁樣の供物すつれば鴉鳴く 魂祭 正岡子規
木曽寺や客と通夜して玉祭 水田正秀
門閉ぢて新月楡に魂まつり 飯田蛇笏 霊芝
夜を青く富士しづもりて魂まつり 石川青幽
野の草のやや亂れ居る魂祭 永田耕衣
野の露はみな君に供へん魂まつり 中勘助
野地蔵に手縫ひ頭巾や魂祭 岡村優子
弥生尽むらさき帯びし招魂祭 近藤 弘
夕月や皇霊祭の草の家 酒井黙禅
養生の身の魂棚の奥うかがふ 山口草堂
来たまへるもありや魂棚雨ながら 船山
利根渡舟棚経僧をのせて著く 茂木利汀
裏店の隅に今年は魂祭 魂祭 正岡子規
裏富士はを知らず魂まつり 三橋敏雄(1920-2002)
裏富士は鴎を知らず魂まつり 三橋敏雄
里人もー門なみや魂まつり 向井去来
立葵のぞき棚経僧来たる 石原八束 雁の目隠し
霊祭系図正しきことをのみ 吉井莫生
霊祭母屋の妻戸の音は何 服部嵐雪
蓮の香を窓に運ぶや玉祭 乙由
蓮池や折らでそのまま玉祭 松尾芭蕉
露もるや聖霊棚の瓜なすび サガ-荒雀 俳諧撰集「有磯海」
來たまはぬもあるべし旅の魂祭 魂祭 正岡子規
團子もむ皺手あさましたま祭 魂祭 正岡子規
團子もむ皺手耻かし魂祭 魂祭 正岡子規
晝飯は精進鮓や魂祭 魂祭 正岡子規
盂蘭盆の鵲鳴くや墓印 魂祭 正岡子規
盂蘭盆や無縁の墓に鳴く蛙 魂祭 正岡子規
笙の音の鋭きがかなしき魂祭 清治法子
蟲くひの鬼灯悲し魂祭 石井露月
趾の間の広き魂まつり 綾部仁喜 寒木

魂祭 補遺

あきらけき鯰のひげも魂祭 岡井省二 鯛の鯛
いねし子に電車ひゞくや魂祭 渡邊水巴 白日
うつつなる素子まんだら魂祭 角川源義
おろそかになりぬ都の靈祭 正岡子規 魂祭
おろそかになりまさる世の魂祭 正岡子規 魂祭
かゝる苦もやがて消ゆべし魂祭 石橋秀野
くちなはのしづかに失せし魂祭 山口誓子
こしらへのもなかの舞子魂まつり 後藤夜半 翠黛
ごたごたと竝べたてたり魂祭 正岡子規 魂祭
こと古りし招魂祭の曲馬団 松本たかし
ささやかな魂棚庭の花剪つて 山口青邨
つらつらとならび給へり魂祭 正岡子規 魂祭
ときくじのかぐの木の実や聖霊棚 飯田蛇笏 山廬集
ひあはひの風に棚経すみにけり 渡邊水巴 白日
ひとつ家の燈のあかあかと魂祭 福田蓼汀 山火
ふるさとの山見えねども魂祭 臼田亜浪 旅人 抄
ほゝづきのわかき青さや魂まつり 鈴木真砂女
むらさきに変りし蓮や魂祭 後藤夜半 翠黛
われより出て魂棚に乗るごとくなり 平井照敏
王氏歌ふ招魂祭の花火鳴れば 西東三鬼
恩友に忠友たり得よ魂祭 中村草田男
火の丈の富士こそ思へ魂祭 三橋敏雄
花嫁のうゐうゐしくも魂祭 正岡子規 魂祭
我病んで魂祭るべくもあらぬ身よ 正岡子規 魂祭
垣隣り今宵は雨の魂まつり 村山故郷
脚絆解いて魂祭るなり旅戻 正岡子規 魂祭
牛なくや其牛かひの魂まつり 正岡子規魂祭
業火免がれ暁けの魂棚灯る家 木村蕪城 一位
玉まつり悲しきものと覺えけり 正岡子規 魂祭
玉祭極樂へ轉宅の文書かん 正岡子規 魂祭
献燈に汝が名書くなり魂まつり 及川貞 夕焼
見た顏の三つ四つはあり魂祭 正岡子規 魂祭
御魂祭折から月の上るなり 飯田蛇笏
御先祖はうしろの方に玉祭り 正岡子規 魂祭
魂祭「蝶よ花よ」は受恩の譜 中村草田男
魂祭ふわふわと來る秋の蝶 正岡子規 秋の蝶
魂祭る門を覗くや物狂ひ 正岡子規 魂祭
魂祭我より若き人の數 正岡子規 魂祭
魂祭庫裏は團子の粉雪哉 正岡子規 魂祭
魂祭吾れは親より老いにけり 内藤鳴雪
魂祭團子をくへといはれけり 正岡子規 魂祭
魂祭樂しみにして待つ子哉 正岡子規 魂祭
魂祭蜩鳴いて夕なり 正岡子規 魂祭
魂棚に花魁草も幽かりき 百合山羽公 春園
魂棚に朝鮮飴をあげ泣きぬ 山口青邨
魂棚に壁のひま漏る夕日哉 正岡子規 魂棚
魂棚に團子供へて拜みけり 正岡子規 魂棚
魂棚のくさぐさ見ゆれ路地涼み 後藤夜半 翠黛
魂棚のくはしきことは教はらで 後藤夜半 底紅
魂棚の火を吹き消しぬ夕嵐 正岡子規 魂棚
魂棚の見えて淋しき寝覚かな 村上鬼城
魂棚の前に飯喰ふ子供かな 内藤鳴雪
魂棚の昼灯りをり旅果てぬ 小林康治 四季貧窮
魂棚の飯に露おくゆふべ哉 正岡子規 露
魂棚の飯に露おく夕かな 内藤鳴雪
魂棚やいくさを語る後家二人 正岡子規 魂棚
魂棚やいくさを語る人二人 正岡子規 魂棚
魂棚や何はあれとも白團子 正岡子規 魂棚
魂棚や月を呼びゐる萩真菰 大野林火 潺潺集 昭和四十年
魂棚や坐して届かぬ魔法瓶 石川桂郎 四温
魂棚や草葉をひたす皿の水 飯田蛇笏 霊芝
魂棚や壁のひまもる夕つく日 正岡子規 魂棚
魂棚や莢のままなる新小豆 森澄雄
三井寺や三千坊の魂祭 正岡子規 魂祭
糸とんぼ魂棚をとぶ誰ならむ 飴山實 句集外
児を抱いて尼うつくしき霊祭 飯田蛇笏 春蘭
酒ものめぬ身となられしか魂祭 正岡子規 魂祭
招魂祭とほく来りし顔と遭ふ 三橋敏雄
招魂祭われ軍籍をもちゐたり 細谷源二 鐵
招魂祭遠く来りし顔と遭ふ 三橋敏雄
招魂祭皮膚に埃降り花火降る三橋敏雄
新建のはや魂棚をしつらへし 清崎敏郎
親もなき子もなき家の玉まつり 正岡子規 魂祭
聖靈の寫眞によるや二三日 正岡子規 魂祭
聖靈やすこし後から女だち 正岡子規 魂祭
青空の奥處は暗し魂祭三橋敏雄
戦死者のうから肩やせ招魂祭 細谷源二 鐵
線香の焼きし錦や魂祭 阿波野青畝
草の戸や月明かに魂祭 正岡子規 魂祭
孫共か物見に來るよ魂祭 正岡子規 魂祭
孫共が拜みに來るよ魂祭 正岡子規 魂祭
棚経につね着の母の来て座る 松村蒼石 雪
棚経に顔なじみなき僧来たり 能村登四郎
棚経のかなしくもなく終りたる 上村占魚 球磨
棚経のハラバリタヤと納めけり 松崎鉄之介
棚経の上りゐる間も威し銃 高野素十
棚経の青龍和尚酒所望 高野素十
棚経の僧が路次より現れ来 上野泰 春潮
棚経やまだ衰へぬ膝がしら 鷹羽狩行
棚経や慈姑頭の老の僧 石塚友二 光塵
棚経や小僧面白さうに讀む 正岡子規 棚経
棚経をあげてをりたる瀞の家 清崎敏郎
短冊を父とかしづく魂祭 山口誓子
朝焼の面むけゆき招魂祭 三橋敏雄
討死の位牌新らし瓜の馬 正岡子規 魂祭
病んで父を思ふ心や魂祭 正岡子規 魂祭
貧乏を見せじと人の魂祭 正岡子規 魂祭
壁のすきにいなづますこし魂まつり 正岡子規 魂祭
壁のすきに稻妻すなり魂祭 正岡子規 魂祭
盆棚に玉泛子一つ置いてあり 亭午 星野麥丘人
盆棚のうしろは深谷霧の海 富安風生
盆棚のもの鬼灯は枝ながら 鷹羽狩行
盆棚をしつらへあれど墓石なし 清崎敏郎
末の子をたよりに生きて魂祭 福田蓼汀 山火
満月の裏はくらやみ魂祭 三橋敏雄
無縁樣の供物すつれば鴉鳴く 正岡子規 魂祭
門閉ぢて新月楡に魂まつり 飯田蛇笏 霊芝
野の草のやや亂れ居る魂祭 永田耕衣
矢絣は招魂祭の宵に着る 山口青邨
葉柳の招魂祭の鹵簿の雨 富安風生
裏店の隅に今年は魂祭 正岡子規 魂祭
裏富士は鴎を知らず魂まつり三橋敏雄
來たまはぬもあるべし旅の魂祭 正岡子規 魂祭
團子もむ皺手あさましたま祭 正岡子規 魂祭
團子もむ皺手耻かし魂祭 正岡子規 魂祭
晝飯は精進鮓や魂祭 正岡子規 魂祭
盂蘭盆の鵲鳴くや墓印 正岡子規 魂祭
盂蘭盆や無縁の墓に鳴く蛙 正岡子規 魂祭

魂祭 続補遺

ありの実はありやなしやの魂祭 吾仲
から帋の外は浮世ぞ魂まつり 浪化
きのふ見し人や隣の玉祭 其角
さゞ波に源氏供養か魂祭 露川
そなへもの名は何々ぞ魂祭 卓袋 韻塞
そなへ物名は何~ぞ魂まつり 卓袋
そのまゝに八百屋がたなや魂祭 蝶々子 誹諧当世男
なるゝ間のなきもはかなし魂祭 松岡青蘿
ほし合のうらさびしさよ魂まつり 松岡青蘿
まざ~といますが如し魂祭 北村季吟
やま伏や坊主をやとふ玉祭 沾圃
粟稗に此世の風や玉祭 千川
衣なる銭ともいざや玉祭 其角
遺言の酒備へけり魂まつり 炭太祇
蚊屋に寐ておもひやればや玉祭 牧童
蚊帳に寝て呉猛思ふや玉祭 中川乙由
我に逢顔や鏡の魂まつり 露川
脚のある膳は誰~魂祭 五明
極楽の口には合はじ魂祭 班象 発句類聚
玉祭つゝしむ事の自然なり 亀世
玉祭まぶたおろして顔もかな 介我
玉祭甥が居たらば茶のかよひ 北枝
玉祭庭をまわりて何を哉 兀峰
懸乞の不機嫌みせそ魂祭 炭太祇
魂まつりさゝげも角を折られけり 素覧
魂まつり泣やまことの遊び事 凡兆
魂まつり身は養生にこもりけり 小西来山
魂まつり雪も時雨も袖の露 樗良
魂まつり貧家の情ぞまことなる 加舎白雄
魂まつり爰が願のみやことなり 嵐雪
魂祭ぬしは誰を歟くりや川 望月宋屋
魂祭舟より酒を手向けり 亀洞
魂祭餅つく音や夜半楽 百里
魂棚とのみ見て過す月日かな 田川鳳朗
魂棚にこちらむく日を待身かな 支考
魂棚に散や麻木の箸の音 三宅嘯山
魂棚に暑き葎のはしら哉 曽良
魂棚に油火細し我ごとく 支考
魂棚のみになるものは稲穂哉 鈴木道彦
魂棚の奥なつかしや親の顔 向井去来
魂棚の中に紛れぬ仏かな 望月宋屋
魂棚は面白おかしきにほひ哉 百里
魂棚やつひのなじみの台所 桜井梅室
魂棚やはや送り火の片旅籠 怒風
魂棚やぼた餅さめる秋の風 炭 太祇
魂棚や花には仏葉には飯 嵐青
魂棚や蚊は血ぶくれて飛びありく 鬼貫
魂棚や我も維摩の亭主ぶり 三宅嘯山
魂棚や皆ごま~と茄子あへ 嵐雪
魂棚や藪木をもるゝ月の影 内藤丈草
三女夫の手操目出度し魂まつり 三宅嘯山
山かげや寐ぬをこゝろの魂祭 加舎白雄
四阿屋に風をつゝむや魂まつり 野紅
子といふをもたではしらじ霊祭 貞佐 桑々畔発句集
指折に他人も入るや魂祭 中川乙由
死なでわれむかしの恋を魂祭 高井几董
秋を知る蝉猶哀れ魂祭 中川乙由
十団子くはぬも来るや魂まつり 許六
従弟どち月にかたるや玉祭 加舎白雄
渋柿の木の間ながらや玉祭 一笑(金沢)
心にて顔にむかふや魂まつり 鬼貫
人の親の来るとばかりや魂まつり 鬼貫
水むけて我肉寒し魂まつり 樗良
世を見れば乳を土器に魂祭 望月宋屋
青柿の手向あたらじ魂まつり 旦藁
線香や壁にうつして聖霊棚 沾葉 坂東太郎
棚経や此あかつきのあかの水 其角
棚経や手まはしばやにはさみ箱 如行
棚経や小僧をあふぐ後ロから 木因
棚経や声のたかきは弟子坊主 其角
仲麿のおもかげや見し玉祭 支考
桃栗の三とせは夢や玉祭 桜井梅室
奈良初瀬めぐりて旅の魂まつり 樗良
乳母が来てまた泣出しぬ魂祭 山店
貧しさの子を並べけり魂まつり 野坡
塀越の枯野やけふの魂祭 炭 太祇
母つかふ貧さおもへ魂まつり 野坡
盆棚のむかひはふじか清見寺 許六
盆棚やむかひは富士よ清見でら 許六
盆棚や木のミかくのミ皆あはれ 才麿
盆棚や蓮の葉にのる骨仏 許六
磨の音小家がちなり玉祭 中川乙由
枕の香や格子もれ来る玉祭 〔ブン〕村
夢に見るも魂棚近く寐し夜哉 高桑闌更
名月や御霊祭のすゝ払 三宅嘯山
木曽寺や客と通夜して玉祭 正秀
目に見えぬものゝいそがし玉祭 中川乙由
目に見へぬ秋とは是に魂まつり 塵生
目を閉て誰を見るらん魂まつり 仙化
里人も一門なみや魂まつり 去来
霊祭いかにわびしき膳に箸 輝年 新類題発句集
霊祭母屋の妻戸の音は何 嵐雪
蓮の香を窓に運ぶや魂祭 中川乙由
佗しさや寐所ちかき魂祭 黒柳召波
寐道具のかた~やうき玉祭 去来
秬の葉や檐にかげろふ玉祭 洒堂

by 575fudemakase | 2017-08-17 12:17 | 秋の季語 | Trackback | Comments(0)

秋の田 の俳句

秋の田 の俳句

秋の田

萬葉の秋の田の歌戀のうた 筑紫磐井
里神楽秋の田の額昔より 阿波野青畝
万葉の秋の田の歌恋の歌 筑紫磐井
島裏にしていくばくの秋の田も 本井英
低垣に秋の田を展べ玉座の間 富安風生
大旱天智天皇の秋の田も 川端茅舎
大旱天智天皇の「秋の田」も 川端茅舎「川端茅舎句集」
蒼天に金きらきらの秋の田の 池上浩山人
秋の田を刈るや白鷺人に近く 山口青邨
秋の田をくる黒傘のキリストは 田川飛旅子
秋の田や鍋割りといふ雨つゞき 嵐翠
秋の田や大藪下のうすみどり 木津柳芽 白鷺抄
秋の田や神話の国の大鳥居 村上安遊
秋の田や月雪花も外ならず 天隣
秋の田や缶にあふるる五円玉 森川和久
秋の田や刈しほ見舞ふかかり人(うど) ぜぜ-昌房 俳諧撰集「藤の実」
秋の田やむかし似合ひし紺絣 高柳重信
秋の田やはかり尽して稗二俵 尚白 (如是作)
秋の田も八まんおほいぼさつ哉 重頼(やはたいて)
秋の田へ大きく弥陀の扉を開く 井田満津子
秋の田へぐらりと日木海の蒼 宇咲冬男
秋の田の隣り村へと馬車に乗る 黄枝
秋の田の夜風しみじみ六十路なる 藤原たかを
秋の田の墓前にひらき一人の傘 古舘曹人 能登の蛙
秋の田の父呼ぶ声の徹るなり 鬼骨
秋の田の馬の横腹通りけり 兄直
秋の田の只中石の鳥居暮る 山口誓子
秋の田の大和を雷の鳴りわたる 下村塊太
秋の田の自転車汽車におくれゆく 六子
秋の田の畦より杣の道となり 城戸 杉生
秋の田の刈穂の庵は米屋哉 之也
秋の田の刈りつめられし鶉哉 夕桜
秋の田の果てなる村の祀ごと 川口利夫
秋の田の下に裾野の滝懸る 百合山羽公 寒雁
秋の田のいねとて追ふや鹿の番 遊流
秋の田のいづれの道をかへらむか 葛山たけし
秋の田に抜きためて手の稗あをし 木津 柳芽
秋の田に大きく燃えて日落ちけり 行方寅次郎
秋の田に石の標や白毫寺 田村鬼現
秋の田に犬の出てゐる祭かな 古舘曹人 樹下石上
秋の田にものを落して晩鴉過ぐ 山口誓子
秋の田となりし眺めや陰の神 清水径子
どこまでも続く秋の田伊予路なる 川口咲子

秋の田 続補遺

秋の田や刈しほ見舞ふかゝり人 昌房
秋の田やはかり尽して稗二俵 尚白
秋の田の夕日にこぼす盈哉 乙訓
軒下の田水あかるし秋の風 桜井梅室

秋の田 追加

ことばかけては人通る稲田いちにち シヤツと雑草 栗林一石路
この雨に刈り兼ねてある稲田かな 深見けん二 日月
ころり往生稲田の案山子見て御座りし 矢田鹿苑子 『白雲悠々』
ふるさとの稲田は低し野辺送り 広瀬みわ
みちのくの空の広さの稲田かな 鈴木わかば
よく育つ稲田に深き靴のあと 澤内ゆき子
をん鶏の喉細うせり早稲田刈 中拓夫 愛鷹
一坪の園児の稲田案山子立つ 内久根眞也
一家鮮し稲田へだてて手を振れば 堀 葦男
一望の稲田母なる大野川 渡辺 彦陽
一望の稲田豊かな湯川村 山口瑞穂
一枚の早稲田御陵に正面す 皆吉爽雨
一石路の「鎌の柄談議」君の故郷の貧乏稲田 橋本夢道 良妻愚母
佐高いま佐大稲田も街中に 下村ひろし 西陲集
冠水の稲田に雲の尾の垂るる 佐久間俊子 『むさし野』
凶作や伊豆の稲田の蝗捕 石塚友二 光塵
出穂の稲田のつづく方十里 椛沢田人
出羽言葉に馬が従きゆく晴れ稲田(月山) 河野南畦 『風の岬』
刈りごろの稲田やさしくなる暮光 大井雅人 龍岡村
刈る前の稲田ふくらみ畦かくす 池田秀水
刈拡ぐ稲田むかしの広さでなし 太田土男
列車音稲田をキタカタキタカタと 高澤良一 石鏡
友が住めるは此の里か稲田ひろびろ 荻原井泉水
友信じつつ湯をかぶる稲田見え 友岡子郷 遠方
吹き降りや稲田へ橋のゆきもどり 飯田蛇笏 山廬集
堂の影稲田に落つる月夜かな 大谷句佛 我は我
夕日が逃げる稲田黍原北信濃 古賀まり子 緑の野以後
夜の稲田母の子宮にひろがれり 高野ムツオ 雲雀の血
宍道湖の波かよへる稲田かな 大場白水郎
宍道湖の波のかよへる稲田かな 大場白水郎 散木集
小松原稲田明りに立ちいでし 石原舟月
山越え来し架線稲田の上にたるむ 津田清子
帰り来れば浅田の早稲田穂に見ゆる 暁台
干拓稲田夜は遠き灯に睦むとか 河野南畦 湖の森
干拓稲田貝殻群が畦に散り 河野南畦 湖の森
徐々にして稲田に月の道敷かれ 能村登四郎 有為の山
惚けぎみの婆よ稲田に立つと光る 田中はるよ
我が思ふ如く人行く稲田かな 中村汀女
早稲田の夜急にしぐれぬ漱石忌 松根東洋城
早稲田刈り見通しにされ九十九里 鉄之介
早稲田風寺に満身創痍仏 今瀬剛一
晩稲田に垂れて信濃の鉛空 草間時彦 櫻山
晩稲田に守護の及べり塞の神 春名章市
晩稲田に音のかそけき夜の雨 五十崎古郷句集
晩稲田の色濃き雨に故郷あり 宮津昭彦
晩稲田や畦間の水の澄みきりて 飯田蛇笏 山廬集
朝餌まく早稲田の葉ずゑつゆむすぶ 飯田蛇笏 春蘭
木曾谷の深し稲田を積み重ね 守屋井蛙
松代や入るも出るも稲田越え 清水杏芽
水仙や早稲田の師走三十日 夏目漱石 大正四年
法事の座早稲田を渉る風入れて 河島唯成
波音の早稲田を囃し出雲崎 小島健 木の実
泥と血で結ばる晩稲田の兄弟 齋藤愼爾
海近き早稲田のよべの雨量かな 中拓夫 愛鷹
潮浴にかよふ早稲田の花ありぬ 木津柳芽 白鷺抄
照り曇る檀風城址稲田寄す 野沢節子
牛小屋に牛ゐて曇らざる稲田 原裕 葦牙
犬蓼の稲田になだれ込むところ 高澤良一 ももすずめ
猪よぎり晩稲田いたく潰えたり 農口鶴仙渓
猪荒れて畳のごとき稲田かな 岡田耿陽
生(なま)壁も籾一粒の早稲田かな 野澤凡兆
盛装を稲田の夕日照らしけり 山口誓子
直立の止め葉揃ひし青稲田 西川雅文
真直ぐに育つよろこび稲田にも 大倉箏子
磬子の余韻仏が稲田へ出で立つよ 磯貝碧蹄館 握手
祭笛主客稲田を巡りをり 松倉ゆずる
秋風やどこにも稲田うちひらけ 久保田万太郎 草の丈
稲妻の百刄稲田湿りもつ 吉田銀葉
稲熱田の一枚昏るゝ風の中 星野麦丘人
稲田とる巾あり峡のこの辺り 高澤良一 燕音
稲田へぬけてゆく跫音を更けてきく 川島彷徨子 榛の木
稲田ゆくまぢかの稲の一つづつ 石川桂郎
稲田バス軽き老母の揺れどほし 津田清子
稲田描く油絵の具を盛り上げて 高澤良一 寒暑
稲田風総身にうけ熟睡せり 佐川広治
窯元のときに稲田を刈ることも 鈴木真砂女 夕螢
窯開けやぐるり稲田にとりまかれ 鈴木真砂女 夕螢
細りつつ日ぐれ晩稲田薬師みち 古沢太穂
落花生掛けある稲田御坊かな 西本一都 景色
藪の風稲田に落ちてたはれ居り 西山泊雲 泊雲句集
見はるかす豊の稲田も御苑内 下村ひろし 西陲集
遊行柳早稲田の水の落ちる音 岩崎眉乃
遠く強き足音信ず稔る稲 田川飛旅子 花文字
里山の間埋む稲田後三年 高澤良一 素抱
釣戻り早稲田一枚刈られたる 金尾梅の門 古志の歌
鈍行の中まで稲田の照り返し 高澤良一 随笑
門前の稲田また減り宗鑑忌 高橋鬼灯
雁渡る月の稲田の眩しさを 中村汀女
雲州橘の袖の香ぞする稲田姫 椎本才麿
霧島や早稲田ひろがる月明り 柴田悦子
露乾ねば稲田をおほふ黄も暗し 篠原梵 雨
青帯びし稲田千人塚を攻め 原裕 新治
風と競ふ帰郷のこころ青稲田 福永耕二
風炎の稲田をはしる青鴉 柴田白葉女 花寂び 以後
黄は貴色い行くに稲田継ぎ目なし 薄 多久雄

by 575fudemakase | 2017-08-17 12:15 | 秋の季語 | Trackback | Comments(0)


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

プロフィールを見る

S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

カテゴリ

全体
春の季語
夏の季語
秋の季語
冬の季語
新年の季語
句集評など
句評など
自作
その他
ねずみのこまくら句会
未分類

以前の記事

2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
more...

フォロー中のブログ

ふらんす堂編集日記 By...

メモ帳

▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

検索

タグ

最新の記事

稲稔る の俳句
at 2017-09-10 10:53
秋気 の俳句
at 2017-09-08 13:14
紅葉づ の俳句
at 2017-09-06 08:03
紋白蝶 の俳句
at 2017-09-06 07:54
初風(秋の) の俳句
at 2017-09-04 13:25

外部リンク

記事ランキング