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梅雨茸

梅雨茸

例句を挙げる。

たはやすき恋のごとくに梅雨茸 小林康治 『存念』
わたくしに劣るものなく梅雨きのこ 池田澄子
ハムレツト梅雨クローデアス梅雨茸 成瀬正とし 星月夜
井戸も亦晩年ならむ梅雨きのこ 林翔
今日も降る傘の大きく梅雨茸 川田長邦
余生まだ余力幾許梅雨茸 上原白水
大形に崩れてしまふ梅雨茸 殿村菟絲子
山中に独りの日あり梅雨菌 若月瑞峰
梅雨茸けむりのごとく掃かれけり 山田弘子
梅雨茸にときどき人の話し声 辻田克巳
梅雨茸に見たことのなき色があり 上野泰 春潮
梅雨茸のくらくら光り家売らる 鷲谷七菜子
梅雨茸のによきによきと二所詣で道 冨田みのる
梅雨茸のふれあうてをる静かかな 佐々木六戈 百韻反故 わたくし雨
梅雨茸のもろくも潰え匂なし 河野柏樹子
梅雨茸の人にも見せて捨てらるる 後藤夜半 底紅
梅雨茸の傘二つ三つ翁堂 斉藤夏風
梅雨茸の咲くわが棺に腰掛けて 野見山朱鳥
梅雨茸の子がぞろぞろと古墳山 兒玉南草
梅雨茸の小さくて黄に君の墓 田村木国
梅雨茸の烏滸の背丈の煙れるも 小林康治 『潺湲集』
梅雨茸の生えて胡乱の朝かな 小林貴子
梅雨茸の紅に目をとむ暗峠 橋本美代子
梅雨茸の育つ暗さに踏入りて 稲畑汀子
梅雨茸の臆さず立ちて脚ほそき 金久美智子
梅雨茸の赤きフエノロサの墓なりき 桂樟蹊子
梅雨茸の踏まれて土に戻りたる 稲畑汀子
梅雨茸の頸刎ねて門叩きけり 石塚友二 光塵
梅雨茸やさびしき時の丁寧語 金丸敬子
梅雨茸や低空飛行実に低し 山口誓子
梅雨茸や勤め辞めては妻子飢ゆ 安住敦
梅雨茸や日も夜もまとふ洋奴の衣 小林康治 玄霜
梅雨茸や洩れ日にひらくコンパクト 上田五千石 田園
梅雨茸や赤前垂れの石仏 柴田白葉女 花寂び 以後
梅雨茸をたふし金閣去りにけり 大木あまり 雲の塔
梅雨茸をでかせし家の青簾 前田普羅 新訂普羅句集
梅雨茸を掃いて奥宮仕へかな 片桐孝明
梅雨茸を掃きころがして来りけり 山本京童
梅雨茸を踏みし不吉のにほふなり 桂樟蹊子
梅雨茸を蹴りころがして誕生日 赤城さかえ
梅雨茸倒れしままの道しるべ 熊谷 秋月
梅雨茸噴く青くらがりの仏みち つじ加代子
梅雨菌足蹴にかけて天気かな 池内たけし
樹海寒しにたりと嗤ふ梅雨菌 渡辺恭子
水禍頻々朱き梅雨茸土に水に 野澤節子
炉に生えし梅雨茸炉火に少し焦げ 打出 たけを
男体山の頂上に生れ梅雨茸 山口恭徳
神苑のところかまはず梅雨きのこ 藤井圀彦
藍そめや糸干す土間の梅雨茸 宮田とよ子
道標が朽ちて梅雨茸にも劣る 鷹羽狩行
金の粉をあげて梅雨茸崩れけり 野村親二
離宮道古りぬ梅雨茸あちこちに 五十嵐哲也
黄昏の梅雨茸の怪に憑かれけり 岡安迷子

以上
by 575fudemakase | 2014-06-30 10:44 | 夏の季語 | Trackback | Comments(0)



例句を挙げる。

「三太郎の日記」も黴の書となれり 湯沢遥子
あらあら黴下駄箱の靴掻い出して 高澤良一 素抱
いささかは賞むべき目鼻黴びにけり 小林康治 『潺湲集』
いづれの御時にかあらむパンの黴 如月真菜
うかうかと黴にとられし夫の靴 和田祥子
おりてゆく夜の斜坑の黴にほふ 戸澤寒子房
お身稚くおはせる仏陀黴の中 松村蒼石 雁
かびの香に昼寝してをり山の坊 高浜虚子
かびるもの黴び吾子の瞳の澄みにけり 深見けん二
かび美しき闇やわが身も光りだす 桂信子
きらり~時計玉振る黴の宿 河野静雲 閻魔
ことの外遺品の中の靴に黴 藤浦昭代
この宿をのぞく日輪さへも黴 高浜虚子
この黴の書をふところに学びたる 市川虚空
これも黴底なし梅雨の朱肉壺 石塚友二 光塵
ころ柿を甘しとのみや黴ごめに 林原耒井 蜩
こゝろざし折れたる筆の黴びてをり 礒目峰
ごろ寝して襟かびの匂ひ親しき夜 太田鴻村 穂国
さかだちをやめれば黴の花の中 夏石番矢
さつき咲く庭や岩根の黴ながら 太 祇
すべて黴びわが悪霊も花咲くか 能村登四郎
たらちねの母の御手なる黴のもの 中村汀女
つくづくと黴面白し墨の尻 高橋睦郎 稽古飲食
としよりの咀嚼つゞくや黴の家 山口誓子
どの黴も忍びの術に長けてゐし 野原春醪
なにもかも黴びて痩せたる筆を持つ 石川桂郎 含羞
のけぞりて笑ふ羅漢や黴の花 河本修子
はきなれしヴェニスの靴に黴すこし 皆吉司
ひさぐものあぶな絵その他黴の宿 星野石雀
ひそやかに静かに黴に対しをり 後藤夜半
ひやひやと万多奈の丘の土の黴 阿部みどり女
まもり古る大仏壇や黴の宿 河野静雲 閻魔
よく剪るる鋏失せけり黴の宿 神野三巴女
クローバに黴の香を曳き倉庫番 木下夕爾
ゼンマイは椅子のはらわた黴の宿 山口青邨(1892-1988)
パン黴びて朝の欠食いさぎよし 金子潮
モディリアニ生まれし日なりパンに黴 皆吉司
モンローの写真を壁に黴の家 里見信子
ラヂオ今ワインガルトナー黴の宿 星野立子
ワルツ止み瓢箪光る黴の家 西東三鬼
一人かな鬼ともならず黴に棲む 河原枇杷男 定本烏宙論
一冊の江戸絵帖あり黴の宿 銀漢 吉岡禅寺洞
一夜病み髪膚たちまち黴にけり 小林康治 玄霜
一巻の系図を置きて黴畳 串上 青蓑
一括りして蹴り込みぬ黴手帖 石塚友二
一日やたとへば黴の花拭ふ 手塚美佐 昔の香
一書抜けば一書の弛み黴匂ふ 河府雪於
一通の茅舎の葉書黴を拭く 小原菁々子
串人形よよと泣かせて黴畳 佐野美智
二児あればある煩ひや黴衾 石塚友二 光塵
五十年前の師の著書黴拭ふ 岩木躑躅
交響楽運命の黴拭きにけり 野見山朱鳥
仏壇の十字架崩し紋の黴 小原菁々子
仮借なく黴ゆくものの多かりき 徳永山冬子
使はねば言葉も黴びてしまひさう 藤崎久を
信心の懈怠の黴の念珠かな 景山筍吉
借傘の黴の臭ひを開きけり 岡田史乃
像の黴ぬぐひまゐらす忌日かな 大橋櫻坡子 雨月
先頭を行くことにして黴の花 飯島晴子(1921-2000)
光るもの優勝盃や黴の宿 久米正雄 返り花
光る針縫いただよえり黴の家 西東三鬼
八方に殖やす出水の恩と黴 近藤一鴻
公達武将あはれや黴の合戦圖 下村ひろし 西陲集
切に拭く黴の茅屋明日去るを 相馬遷子 雪嶺
初蝉やうす黴出でし旅鞄 島村元句集
動かざる木偶怖ろしや黴の香も 手島 靖一
勤めせし頃の鞄の黴払ふ 星川青鷹
勤行や折目いたみの黴ごろも 山口笙堂
十二神将背中合はせに黴び給ふ 松野自得
厚板の帯の黴より過去けぶる 橋本多佳子
厨子深くおはし何れも黴仏 大橋敦子 手 鞠
友の忌の黴ほのかなる紺絣 古沢太穂 古沢太穂句集
取出せし亡き子の辞書の黴払ふ 喜多村慶女
古文書に滅びしことを黴の村 戸塚時不知
向拝の燭澄み黴の持仏堂 小原菁々子
周辺の黴や手病みし妻の髪 皆川白陀
地下茎はひとつならずか黴の花 中原道夫
墨の黴拭ひぬ秋の風とかな 石川桂郎 四温
夏蜜柑つぎつぎ黴びて空光る 福田甲子雄
外づしたる黴の襖の其処にある 京極杞陽 くくたち上巻
夜々遅くもどり戸棚の黴ふやす 樋笠文
夢盛りし育児日訪の黴払ふ 長谷川 翠
大勢で黄泉戸喫(よもつへぐひ)を黴の宿 佐々木六戈 百韻反故 初學
大寺の一隅絢爛と黴びぬ 小林康治
大廣間黴の精霊静かなる 佐々木六戈 百韻反故 わたくし雨
天井の高くて四角黴の寺 高木晴子 花 季
天邪鬼の口の中まで黴びたまふ 佐藤浩子
夫の顔また黴噴きさう選句地獄 加藤知世子 花寂び
夫も母を恋ふらし黴を拭ひゐる 岩瀬 典子
夫恋ひの百首屏風の黴寄せず 八牧美喜子
夫留守の黴の書斎をまづ灯す 石田あき子 見舞籠
妻子寝てなほ倖や黴光る 小林康治 玄霜
妻歎く黴ふゆるなりうつくしく 杉山岳陽 晩婚
妻病みてにはかに黴のもの殖えし 菅田寒山
娶る子に尽し終りの黴払ふ 岡田和子
学問につまづき医書も黴びるまゝ 佐藤悟朗
学生として恥かしき辞書の黴 大楠木南
客帰るやこぞのすだれに黴見たり 飛鳥田[れい]無公 湖におどろく
家居ひと日黴に仕ふる如くなり 塚本 久子
家系累々黴茫々と嫁迎ふ 八木三日女 紅 茸
少年に黴降る首夏の光堂 増田まさみ
山廬出て心の黴を払はんか 下村非文
帰らねど磨くよ夫の黴の靴 品川鈴子
幅広のわが足形りに黴の靴 杉本寛
干柿の黴びてしまひし雨つゞく 志賀青研
弥陀祀り納戸に黴の耶蘇祀り 小原菁々子
徐ろに黴がはびこるけはひあり 松本たかし
得られざりしこの静かさよ黴の灯よ 京極杞陽 くくたち下巻
御柱御用蔓綱黴びてあり 八木林之介 青霞集
微禄して尚ほ焚く伽羅や黴の宿 吉津まるめ
悪神に黴の五彩を奉る 林 翔
愛着すうす黴みえし聖書かな 飯田蛇笏 山廬集
懺悔室懺悔つもりて黴びにけり 堀口星眠 営巣期
戻り来しわが家も黴のにほふなり 相馬遷子 山国
掛香を柱に掛けて黴美し 後藤夜半 底紅
攻め上がつたる饅頭の黴童子 佐々木六戈 百韻反故 わたくし雨
故人より借りつぱなしの黴句集 草間時彦 櫻山
文語こそよけれ黴びにし聖書なれど 山本歩禅
新しき帽子かけたり黴の宿 高浜虚子
旬日を妻見舞はねば靴黴たり 小林康治 玄霜
昔踏まれし木版マリア黴てけり 糸山由紀子
春暁のはるけくねむる黴のかず 飯田龍太
月の斑の黴のごとしや春愁 櫛原希伊子
未定稿ばかり筆さへ黴さすや 清水基吉
末の子が黴と言葉を使ふほど 中村汀女
本尊にひれ伏す黴の畳かな 滝口 芳史
机上に二日花を置かねば黴に噴かる 加藤知世子 花寂び
梅雨寒の黴を育てて鶴のごと 高橋睦郎 稽古飲食
此宿はのぞく日輪さへも黴 高浜虚子
武器捨てし頽廃あをく黴咲けり 小松崎爽青
死の灰や黴いつせいに寝息の中 桜井博道 海上
死は安息黴厚きもの日に叩き 稲垣きくの 牡 丹
毒の本はびこり良書黴びにけり 那須ゆう子
浮浪児のいる塔は石黴の匂い片面講和発効す 橋本夢道 無禮なる妻抄
消防車を日向に出して黴退治 田川飛旅子 『使徒の眼』
清貧に居て拭ふべき黴もなし 岩木躑躅
灯を消せば黴の匂ひの中なりし 安積叡子
無惨やな人葬り来し黴の靴 小林康治 『虚實』
無花果の葉の面の黴や秋の風 西山泊雲 泊雲句集
煙草にがし寄りあひ食らふ黴家族 小林康治
爼に熱湯注ぐ黴十日 石川桂郎 高蘆
牡丹のくづるゝ音や黴の中 萩原麦草 麦嵐
狩野派の襖絵四方に黴にほふ 鷹羽狩行
独り居やもの拭へるに黴煙 石川桂郎 四温
生涯のいまは急かざり黴払ふ 岡田 和子
甲冑の中のまぼろし黴深し 野見山朱鳥
病人の足に黴浮く二月かな 龍岡晋
白芥子に秘密の扉開く黴匂ふ 筑紫磐井 婆伽梵
百年の移民史遺品黴びさせず 恩智景子
盲われ身ぐるみ黴びる思ひかな 三島牟礼矢
瞽女の宿黴びし畳に置竈 西本一都 景色
石竹や唐筆干せる紙の黴 島村元句集
磨崖仏どこか黴びたるところかな 高浜年尾
神将の忿怒千年黴び給ふ 石野冬青
神将の踏まへし邪鬼の黴の貌 竹下陶子
秘湯てふ客一組の黴の宿 立野もと子
索然と黴だらけなる墨を磨る 内藤吐天 鳴海抄
経蔵や黴臭し紺紙金泥一切経 橋本夢道 無類の妻
美しき黴や月さしゐたりけり 加藤秋邨 雪後の天
美しく黴をレンズの拡大す 秦洋子
羨道の白虎青竜黴びてゐる 品川鈴子
老後こそ余生こそ待ちし家黴びぬ 殿村菟絲子 『旅雁』
老猫のうす眼してゐる黴の宿 柴田白葉女 花寂び 以後
職危し髪膚しづかに黴てけり 小林康治
能衣裳黴びてわが祖は猿楽師 後藤綾子
腸も黴たるや酔ひ諍へり 石塚友二 光塵
臙脂つきしバイブルにして秋の黴 飯田蛇笏 春蘭
芥川より川端へ黴走る 佐々木六戈 百韻反故 初學
花のごと花火ひらくや黴の中 楸邨 (子が嫁ぎ)
花の如くに黴ひろがりし玻璃戸かな 雑草 長谷川零餘子
荒壁に黴の華殖ゆ十三夜 近藤一鴻
莢割れば藤の実黴びて三つほど 四ツ谷龍
蕉門十哲指折り唱ふ黴の中 小澤實
薔薇図鑑黴び従妹死後千一夜 馬場駿吉
蛇よりも恐しき黴擡頭す 百合山羽公 寒雁
蛇除の護符を柱に黴の宿 伊藤柏翠
見えぬ黴坐してほとりへ漂はす 石川桂郎 高蘆
観音の涙の黴を払ひけり 斎藤秋声
訪へば黴の納戸に居られけり 田中冬二 俳句拾遺
貧しさに妻子寝て黴尽しけり 小林康治 四季貧窮
赤きもの着て黴の家のおしら様 佐山文子
赤黴の自治領蟻が通りけり 高澤良一 ぱらりとせ
踊りたる夜のあり黴のハイヒール 北見さとる
踏み応へなき宿坊の黴畳 松尾緑富
蹠汚れおろ~病めり黴の妻 小林康治 四季貧窮
辞書黴びて手澤のくもる夜の疲れ 石原八束 『秋風琴』
迦陵頻伽と黴の胞子と*みえざるも 小澤實
道ばたに障子開けたる黴の宿 阿波野青畝
適塾の黴の蘭學始かな 佐々木六戈 百韻反故 吾亦紅
金もらふ黴より古き友を持ち 斎藤空華 空華句集
金色の黴をまとへる魚板かな 中本一九三
金輪際黴の結界寝くたれて 小林康治 玄霜
鉄路まつすぐもの見ない眼に黴が生える 磯貝碧蹄館 握手
銀の黴引く子供達が散ってゆく 松本恭子 二つのレモン 以後
閻王の眼力の黴び給ひけり 竹下陶子
陶工の書架に黴びつつ名陶譜 大島民郎
陶然と黴びゆく如く見ゆるなり 相生垣瓜人 微茫集
隠棲の雨漏多少黴多少 上田 花勢
青黴のはげしき一隅のあるなり 谷野予志
面妖なり石頭が黴びもして 浜崎敬治
靴の黴ぬぐひ遠くへ遊びたし 細見綾子
靴の黴拭ひ俄かに逢ひたくなる 横山白虹
靴底に黴ふかしめて立ち去らんこの雨期にしてひとつの転位 岸上大作
風神雷神筋肉の裂けて黴 大石雄鬼
饅頭や足の黴たる童子ども 永田耕衣 闌位
髑髏の眼われを見詰めて黴びてをり 野見山朱鳥
高原に黴てふものを忘れ住む 木村蕪城 寒泉
麺麭に黴来て世をすこし信じをり 辻美奈子
黴あをし財吝しむもの愛をさへ 飯田蛇笏 雪峡
黴くさき長靴よりも長き貌 赤尾兜子
黴くさや金色五月去りて遠し 石塚友二 光塵
黴げむりあげて日輪すすむなり 中杉隆也
黴さうな声が電話の向うより 岡田順子
黴させてならぬ遺品のあることを 稲畑汀子 春光
黴させぬ仕掛けくさぐさ梅雨食品 高澤良一 寒暑
黴しあふことのたのしき燕かも 中田剛 珠樹以後
黴しもの母の影ひく蔵座敷 茂木いづみ
黴といふ字の鬱々と字劃かな 富安風生
黴どきのバイキンマンをやっつけろ 高澤良一 素抱
黴どきの無精が無精産む寝床 高澤良一 鳩信
黴にむせ半日蔵の探しもの 白岩世子
黴に堪へぬすみ昼寝の一間かな 河野静雲 閻魔
黴に寝て女の意地をたて通す 鈴木真砂女 夕螢
黴に湛へぬすみ昼寝の一間かな 河野静雲
黴に臥す人妻を見て恋ふ夜なり 萩原麦草 麦嵐
黴のごと病み寝たりし日過去とせり 村越化石
黴のものしづかにうつやなつかしく 深川正一郎
黴のもの埃のものの中にあり 石田勝彦 秋興
黴のアルバム母の若さの恐ろしや 中尾寿美子
黴の世の形見一つに母の紋 野見山ひふみ
黴の世の黴びざるものに仁王の眼 高橋悦男
黴の世の黴も生きとし生けるもの 鷹羽狩行
黴の世や言葉もつとも黴びやすく 片山由美子
黴の中きらりきらりと一と日過ぐ 野見山朱鳥
黴の中わがつく息もかびて行く 高浜虚子
黴の中一本の径通りをり 加藤楸邨
黴の中業の如くに筆擲たれ 小林康治 玄霜
黴の中業の筆執るあぐら組む 清水基吉(1918-)
黴の中筆は業なす結跏なす 清水基吉 寒蕭々
黴の中言葉となればもう古りし 加藤楸邨
黴の夜の眼をみひらき睡るかな 石原八束
黴の夜の鉄を打ちたる火花かな 萩原麦草 麦嵐
黴の家もつとも赤子のこゑ透る 岸田稚魚
黴の家女二人の試さるる 伊丹さち子
黴の家磨く遺影にうしろ見せ 殿村莵絲子 雨 月
黴の家長身はたと起ちにけり 藤田湘子 黒
黴の宿いくとせ恋の宿として 鈴木真砂女(1906-)
黴の宿仏燈のみぞ新しき 福田蓼汀 山火
黴の宿寝すごすくせのつきにけり 久保田万太郎 草の丈
黴の宿頭上に橋の音すなり 久米正雄 返り花
黴の宿黄楊櫛みがく木賊干し 小川斉東語
黴の帽頭にのせていま自由業 田川飛旅子 『山法師』
黴の戸の栄枯高きに釘隠 古舘曹人 能登の蛙
黴の書に占魚不換酒の印存す 上村占魚 球磨
黴の書に文字の命のひそみける 福田蓼汀 秋風挽歌
黴の書の書架よりぬきし罪と罰 藤井寿江子
黴の書を一つ叩けば一と昔 高橋健文
黴の書を売らむ遣らむと積みわくる 亀井糸游
黴の書を夜店に買うやチエホフ忌 古沢太穂 古沢太穂句集
黴の書を開き古人に糺すこと 三村純也
黴の書架ねむけ覚しに読むはなく 石川桂郎 高蘆
黴の書架読むこともなきもの積めり 下村梅子
黴の本うづ高く積み欺かれ 萩原麦草 麦嵐
黴の秀の靡きに二百十日来る 高橋睦郎 稽古飲食
黴の花イスラエルからひとがくる 富澤赤黄男
黴の花不嫁(ゆかず)の姉のチリ文學 塚本邦雄 甘露
黴の花咲かせ国宝如来像 滝 佳杖
黴の華つまらなき世となりにけり 辻田克巳
黴の間に置ける火の無き莨盆 京極杞陽 くくたち下巻
黴の香にやうやく慣れし坊泊り 稲畑汀子
黴の香に坐しをり往時茫々と 清原枴童
黴の香に家ぬちの飼馬おとなしき 石原舟月 山鵲
黴の香のしていたゞきぬ御紋菓子 河野静雲 閻魔
黴の香のそこはかとなくある日かな 銀漢 吉岡禅寺洞
黴の香の中にいきいきナイフとぐ 加藤楸邨
黴の香の帯因習を巻く如く 馬場移公子
黴の香の救命胴衣恃まれず 福永耕二
黴の香の書架よりぬきし「罪と罰」 藤井寿江子
黴の香の漂ふ御堂開きけり 村山 三郎
黴の香やこの安住のいつまでか 上田五千石 森林
黴の香や今も開かずの隠れ部屋 能村登四郎
黴の香や女にいまも家あらず 八牧美喜子
黴の香や懶惰の手足もてあまし 石塚友二 光塵
黴びし物錆びたる物と寂かなり 相生垣瓜人 明治草抄
黴びて持つ今をときめく人の文 後藤綾子
黴まじくパイプオルガントッカータ 高澤良一 さざなみやっこ
黴まじく仁王どんぐり眼かな 高澤良一 ねずみのこまくら
黴を干す古白靴をいたみけり 西島麦南 人音
黴処々にひとつの色にとどまらず 宮津昭彦
黴匂ふ旅の鞄の捨てきれず 曽我部多美子
黴厨匙きらきらと密集す 目迫秩父
黴咲かせ孤独地獄と現じけり 小林康治 玄霜
黴大事大事に地下のワイン樽 藤田輝枝
黴拭いて片腹痛きリアリスト 石塚友二
黴拭きて古き瓢をいつくしむ 大橋櫻坡子 雨月
黴拭けばひとつぶの米躍り出づ 橋本鶏二
黴歩りく追はるるごとく追ふ如く 渡辺桂子
黴煙人さし指を洗ひをり 小林喜一郎
黴燃えて病者のみ見るけむりかな 斎藤空華 空華句集
黴生えてゐるやも知れず静けさに 佐々木六戈 百韻反故 冬の皺
黴生えて家にひとつの蝶番 高澤晶子 復活
黴畳わたる草履のありにけり 河野静雲 閻魔
黴畳踏み立ち得ねばまろびけり 小林康治 四季貧窮
黴美し記憶の母の疎まれて 杉山岳陽 晩婚
黴臭き納戸今なき帰省かな 佐藤綺峰
黴蔵の調度一生に何度使ふ 福田蓼汀 秋風挽歌
黴衣日南に出すや日南臭さ 楠目橙黄子 橙圃
黴鞄妻子羽がひに病めばかな 小林康治 玄霜
鼠木戸潜り黴の香かすかなる 水原 春郎

以上
by 575fudemakase | 2014-06-30 10:43 | 夏の季語 | Trackback | Comments(0)

紫蘭

紫蘭

例句を挙げる。

一茎の小夜の紫蘭にペンを擱く 五十嵐播水 埠頭
司書の眼をときどきあげて紫蘭咲く 富安風生
君知るや薬草園に紫蘭あり 高濱虚子
大かたは打伏す梅雨の紫蘭かな 中道政子
局塚その面影の紫蘭咲き 下村ひろし 西陲集
秀づると見えし紫蘭の花 後藤夜半 底紅
紫蘭もて訪ひ来し人も逢はしめず 加藤楸邨
紫蘭咲いていささかは岩もあはれなり 北原白秋
紫蘭咲き満つ毎年の今日のこと 高浜虚子
紫蘭咲き軒端流るる水の音 大堀鶴侶
紫蘭咲く蟻の巣の上ふうわり跳ぶ 堀之内長一
紫蘭咲く雨上りたる石に觸れ 香下 寿外
紫蘭掘る袴の裾に湿る土 長谷川かな女 花 季
紫蘭散華いまし飛翔の葉ぶりのまま 堀 葦男
虚子にして詠める紫蘭の句を知るや 高澤良一 宿好
雨の日は雨の紫蘭を玻璃越しに 高澤良一 宿好
雨を見て眉重くゐる紫蘭かな 岡本眸
風の中紫蘭の内緒話かな 高澤良一 寒暑

以上
by 575fudemakase | 2014-06-30 10:42 | 夏の季語 | Trackback | Comments(0)

鈴蘭

鈴蘭

例句を挙げる。

すずらん活け癩一生の乳房抱く 上山茂子
とりすてて鈴蘭の香の地に浮く 飯田蛇笏 椿花集
ふまれずに鈴蘭落ちし道の夜 高木晴子
トラックが鈴蘭揺らす釈迦の朝 四ツ谷 龍
六月の鈴蘭は咲く北の国 高木晴子 晴居
出航の銅羅鈴蘭を持ちかうる 長谷川かな女 牡 丹
千キロを来し鈴蘭の北の白 高橋悦男
大旱鈴蘭は実を結びゐる 木村蕪城 一位
巴里八年すずらん祭降りこもる 小池文子 巴里蕭条
手入れよき庭が鈴蘭孤独にす 稲畑汀子
日日むなし鈴蘭は遠い白いランプ 細谷源二
晩夏起居鈴蘭の実を挿しなどす 木村蕪城 一位
晩鐘は鈴蘭の野を出でず消ゆ 齋藤玄 『舎木』『飛雪』
月にぬれて鈴蘭売つてゐたりけり 落合望鳥
束で持ち鈴蘭の花こぼしゆく 松崎鉄之介
来し甲斐を鈴蘭の野に踏入りし 塙告冬
枕辺に鈴蘭手術前夜なり 品川鈴子
気前よし鈴蘭狩の白束ね 依田明倫
輪ゴムはづして鈴蘭の枷ゆるめ 樋笠文
速達の鈴蘭蝦夷の土の香も 桂樟蹊子
金婚を祝ふ鈴蘭胸にさし 若土 白羊
鈴蘭とわかる蕾に育ちたる 稲畑汀子
鈴蘭に憩ふをとめ等の肩見ゆる 水原秋櫻子
鈴蘭に横より突き出すむさき顔 高澤良一 随笑
鈴蘭に火を噴き育つ山愛らし 長谷川かな女 牡 丹
鈴蘭に跼みて揺らすイヤリング 丸野 紀子
鈴蘭のまだ詠まれざる匂ひかな 加藤知世子 花 季
鈴蘭の一束だれもゐぬ木椅子 小野恵美子
鈴蘭の卓や大きな皿に菓子 高浜虚子
鈴蘭の卓を外人兵が占む 殿村莵絲子
鈴蘭の広野や吾を小さく置き 徳永山冬子
鈴蘭の庭に雨降る授業かな 木村蕪城 寒泉
鈴蘭の摘まれずに花終へしもの 奥田智久
鈴蘭の旅よ阿寒へみち急ぐ 高濱年尾 年尾句集
鈴蘭の森を迷はずさまよへる 依田秋葭
鈴蘭の樹深く咲きて暾に鮮た 飯田蛇笏 椿花集
鈴蘭の籠土間におき爐にあたる 木村蕪城
鈴蘭の花山塊を川離れ 飯田龍太 山の木
鈴蘭の草や大きな皿に菓子 高浜虚子
鈴蘭の葉の向き合ふて花了る 佐藤多太子
鈴蘭の葉をぬけて来し花あはれ 高野素十
鈴蘭の谷は牧守のみぞ知る 佐藤艸魚
鈴蘭の谷や日を漉く雲一重 中村草田男
鈴蘭の鈴の洋風なりしこと 後藤夜半 底紅
鈴蘭の鈴振る風を友として 椎橋清翠
鈴蘭の香にあり遠野物語 佐藤一千
鈴蘭の香れる頃に嫁ぎ来ぬ 紺井 緑
鈴蘭の香強く牀に置きがたし 飯田蛇笏 椿花集
鈴蘭はコップが似合ふ束ね挿す 鈴木栄子
鈴蘭やまろき山頂牧をなす 大島民郎
鈴蘭やもう涙なき忌の集ひ 田中珠生
鈴蘭や乳房のうすき唖少女 中拓夫 愛鷹
鈴蘭や径白馬へひとすぢに 武石佐海
鈴蘭や救癩史いま終焉期 村越化石
鈴蘭や汽車は登りをつゞけゐる 芳野金太郎
鈴蘭や風のあとさき森にほふ 原 柯城
鈴蘭をそへて返金つづく文 赤松[けい]子 白毫
鈴蘭を百姓が売る宵淋し 田村了咲
鈴蘭を秘めたる森も牧の中 吉村ひさ志
雲ちかき日に鈴蘭の土馨る 松村蒼石 寒鶯抄
馬車躍り手の鈴蘭の濃く匂ふ 田村了咲
高原の夜気鈴蘭の香に澄みて 小島岸郎

以上
by 575fudemakase | 2014-06-30 10:41 | 夏の季語 | Trackback | Comments(0)

昼顔

昼顔

例句を挙げる。

いざ子供昼顔咲きぬ瓜剥かん/いざ子供昼顔咲かば瓜剥かん 松尾芭蕉
いつ咲きし昼顔を犬嗅ぎにくる 小巻豆城
いまダリは何をしてゐる昼顔よ 皆吉司
からみあふ昼顔の蔓同志かな 辻桃子
これ以上待つと昼顔になってしまう 池田澄子
こゑ少し嗄れゐしよ昼顔に 行方克巳
とうふ屋が来る昼顔が咲きにけり 一茶
なすこともなく昼顔の咲いており 前田保子
はらわたに昼顔ひらく故郷かな 橋石(かんせき)(1903-92)
ひるがほに一瞬昏き天地かな 柿本多映
ひるがほに昼寝せうもの床の山 翁 五 月 月別句集「韻塞」
ひるがほに米つき涼むあはれなり 芭蕉
ひるがほに花こそ似たれ薩摩薯 安藤橡面坊
ひるがほに虱残すや鳶のあと 亡-嵐蘭 芭蕉庵小文庫
ひるがほに電流かよひゐはせぬか 三橋鷹女(1899-1972)
ひるがほのあまた咲くなり氷室みち 及川貞
ひるがほのはなひるがほのはなにふれ 佐々木六戈 百韻反故 吾亦紅
ひるがほのほとりによべの渚あり 石田波郷
ひるがほの八方農地売られをり 田島 誠壽
ひるがほの渦巻いてゐる板塔婆 佐々木六戈 百韻反故 吾亦紅
ひるがほの濃き名無し山ひとりゆく 及川貞 夕焼
ひるがほや従軍の記憶よみがへる 青木瓢子
ひるがほや日のいらいらと薄赤き 加舎白雄
ひるがほや猫の糸目になるおもひ 榎本其角
ひるがほや童顔似たる野の佛 小澤満佐子
ひるがほや荷船に過ぎて猫の貌 小池文子 巴里蕭条
ひるがほを忘れてをれば灼き切れし 佐々木六戈 百韻反故 吾亦紅
ひるがほを踏みて眺めぬ塩屋崎 前田普羅 新訂普羅句集
ひるがほを辿りて行けば晝昏し 佐々木六戈 百韻反故 冬の皺
わたくしは昼顔こんなにもひらく 櫂未知子 蒙古斑以後
トラックの風にやぶれて昼顔は 夏井いつき
レール朽ちて昼顔這ふや舊線路 寺田寅彦
井戸覗くたび昼顔のそよそよ 柿本多映
便りふと絶えし友の顔となり昼顔萎む 人間を彫る 大橋裸木
刈麦に昼顔のりて咲きにけり 松藤夏山 夏山句集
土手越せば昼顔這うて道盡きたり 寺田寅彦
大汐や昼顔砂にしがみつき 一茶
子ども等よ昼顔咲きぬ瓜むかん 芭蕉 俳諧撰集「藤の実」
子に教ふカ行のカの字藪昼顔 細見綾子 黄 炎
子供等よ昼顔咲きぬ瓜剥かん 芭蕉
小雨降る道昼顔の素直なる 松村蒼石 雪
山里の桑に昼顔あはれなり 子規句集 虚子・碧梧桐選
干網に昼顔が手を伸ばす午后 藤原たかを
思ひ出す伏見の町の昼顔を 岸本尚毅 舜
憶ひ出す伏見の町の昼顔を 岸本尚毅 選集「氷」
手ぶらとは淋し昼顔ひとつ摘む 佐竹 たか
手放しに海が招くよ花ひるがほ 高澤良一 随笑
指にもろき昼顔の白海鳴れり 伊藤京子
日盛りの昼顔いろの便座かな 大木あまり
昨日は死にき明日は出水の泥昼顔 高柳重信
昼顔が口開けている無人島 五島高資
昼顔にしばしうつるや牛の蝿 高井几董
昼顔にひと日けだるき波の音 鈴木真砂女 夕螢
昼顔にシーソー齢ほど傾ぎ 倉本 岬
昼顔にスクランブルの一機来る 菊川貞夫
昼顔にレールを磨く男かな 村上鬼城
昼顔に小包が来る気配あり 五島高資
昼顔に廃れて巨き鮭番屋 堀口星眠 営巣期
昼顔に昼寝せうもの床の山 松尾芭蕉
昼顔に浅間高原あはれなり 室生犀星
昼顔に海女身をいとふ磯草履 野澤節子 花 季
昼顔に無数の小石漁夫減つて 中拓夫 愛鷹
昼顔に猫捨てられて泣きにけり 村上鬼城
昼顔に積みおろす荷のみな墓石 有馬籌子
昼顔に認めし紅の淋しさよ 松本たかし
昼顔に跼みがたりの数珠を垂れ 木村蕪城 寒泉
昼顔に転がしてありき大碑材 久米正雄 返り花
昼顔に音立ててきし日照雨かな 星野椿
昼顔に高浪見えて海暗し 櫻井掬泉
昼顔のあれは途方に暮るる色 飯島晴子
昼顔のいきるゝ花のとび~に 銀漢 吉岡禅寺洞
昼顔のいくたびも吹きすぼめられ 岸本尚毅 鶏頭
昼顔のいくつも蘆にからみけり 岸本尚毅 鶏頭
昼顔のうすき花びら地熱持つ 和田耕三郎
昼顔のここ荻窪は終の地か 角川源義 『西行の日』
昼顔のそよぎてゐたるあかずの間 平松彌栄子
昼顔のつよき蔓より立体歌 長谷川かな女 雨 月
昼顔のとりつく草も旱かな 菅原師竹
昼顔のほかは働く男たち 石井禾人
昼顔のほとりによべの渚あり 石田波郷(1913-69)
昼顔のゆるりとからむ箒の柄 中嶋秀子
昼顔の世に手轆轤を回しけり 古舘曹人 樹下石上
昼顔の午睡の夢に窓がある 鳴戸奈菜
昼顔の咲きからむ麦刈られけり 野村喜舟
昼顔の咲きつぐ墓に参りけり 岸本尚毅 舜
昼顔の咲きて草地のやさしまれ 細見綾子 花寂び
昼顔の咲きのぼる木や野は広し 中村草田男
昼顔の咲くや砂地の麦畑 子規句集 虚子・碧梧桐選
昼顔の地に搾乳の罐凹む 三谷昭 獣身
昼顔の大きな花が雨の中 岸本尚毅 舜
昼顔の庚申塚は田となりぬ 寺田寅彦
昼顔の径来て免許更新日 高澤良一 随笑
昼顔の果も見えけりところてん 許六 五 月 月別句集「韻塞」
昼顔の汀に馬を洗ひけり 寺田寅彦
昼顔の沖ゆく淡路通ひかな 高瀬 初乗
昼顔の河原引き行く砲車哉 寺田寅彦
昼顔の白濁を食み馬痩せたり 宇多喜代子
昼顔の空しき蔓の砂を這ひ 田中竜城
昼顔の翳りくる間の紅淡き 今泉貞鳳
昼顔の花さかりなり野雪隠 正岡子規
昼顔の花に乾くや通り雨 正岡子規
昼顔の花のかたちのくづれつつ 岸本尚毅 鶏頭
昼顔の花の中にも砂多少 阿波野青畝
昼顔の花よりながめ竹生島 京極杞陽
昼顔の蔓を跨いで晴れ男 桑原三郎 晝夜 以後
昼顔の見えるひるすぎぽるとがる 加藤郁乎(1929-)
昼顔の雨にくづほれ安礼の崎 稲垣法城子
昼顔の露けき墓のうしろかな 増田龍雨 龍雨句集
昼顔は半開のさま妻若やぐ 香西照雄 対話
昼顔は吹かれ易くて雨上る 行方克巳
昼顔は小出しに咲いて雨の日々 高澤良一 素抱
昼顔は摘まぬ花なり石の門 中村苑子
昼顔は誰も来ないでほしくて咲く 飯島晴子(1921-2000)
昼顔やからみもあへず筵切 西山泊雲 泊雲句集
昼顔やころがる貧乏徳利哉 寺田寅彦
昼顔やどこか機織る音のする 吉野義子
昼顔やふるさとを向く流人墓 藤原たかを
昼顔やわが兄はまた舟に乗り 攝津幸彦
昼顔やレールさびたる舊線路 寺田寅彦
昼顔や別の世界を子ら駆ける 和田悟朗
昼顔や十三の砂山米ならよかろ 角川源義 『冬の虹』
昼顔や吹けども花の頭(づ)をふらず 中村史邦
昼顔や塩田干る匂ひ強き時 冬葉第一句集 吉田冬葉
昼顔や夏山伏の峰伝ひ 支考
昼顔や夜は水行溝のへり 炭 太祇 太祇句選
昼顔や安達太郎雨を催さず 子規句集 虚子・碧梧桐選
昼顔や屈託のなき海女の笑み 水原 春郎
昼顔や忽ち乾く網の渋 野村喜舟 小石川
昼顔や手創を洗ふ女武者 寺田寅彦
昼顔や捨てらるるまで櫂痩せて 福永耕二
昼顔や日のいらいらと薄赤き 白雄
昼顔や有刺鉄線ねむらせたり 増田まさみ
昼顔や来て見れば海荒れてゐる 鈴木花蓑句集
昼顔や板いちまいの舟着場 奥名春江
昼顔や死は目をあける風の中 河原枇杷男
昼顔や水に背いて陣を布く 寺田寅彦
昼顔や水を湛えてさすらう人 永田耕衣 殺祖
昼顔や水平線に触れて咲く 北澤瑞史
昼顔や汀に据ゑる大鼎 寺田寅彦
昼顔や沖は無限のものを秘め 小坂蛍泉
昼顔や流沙の波紋金に炎ゆ 石原八束 『仮幻』
昼顔や流浪はわれにゆるされず 鈴木真砂女
昼顔や浅間の煙とこしなヘ 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
昼顔や海は渚のたゆたげを 尾崎迷堂 孤輪
昼顔や渋民村に家少し 飴山實 少長集
昼顔や潮の落ちあふ鳥が道 古舘曹人 樹下石上
昼顔や煩ふ牛のまくらもと 蕪村
昼顔や物干台に這ひ上る 寺田寅彦
昼顔や玉石据えし流人墓 那須乙郎
昼顔や甘蔗畑の汐曇り 芥川龍之介
昼顔や真昼の海の鳴るばかり 伊藤晴子
昼顔や石橋越せば牛の糞 寺田寅彦
昼顔や砂に埋れし石地蔵 寺田寅彦
昼顔や砂より波のひびき来る 織田 道子
昼顔や砂丘の果ての波の音 鈴木文野
昼顔や神父をおろす島渡舟 坪井かね子
昼顔や秋をものうき花の形 正岡子規
昼顔や種も蒔かれぬ八重葎 尾崎紅葉
昼顔や籬つゞきに蜑が家 比叡 野村泊月
昼顔や罪のかたみの影法師 二村典子
昼顔や老いることなき波の音 青木重行
昼顔や老い美しき家郷の人(水橋町) 角川源義 『西行の日』
昼顔や船引き上ぐる砂の上 寺田寅彦
昼顔や芥つゝき出す垣の穴 木歩句集 富田木歩
昼顔や花持ちながらたぐられし 温亭句集 篠原温亭
昼顔や蔓とけ結び二三輪 西山泊雲 泊雲句集
昼顔や蕊のまはりのうすぼこり 大木あまり 雲の塔
昼顔や視線かすかな毒を投げ 中川純一
昼顔や道に水泡の流れそむ 松藤夏山 夏山句集
昼顔や遠い裂傷まぎれ咲く 増田まさみ
昼顔や釣師と語る葭干潟 石塚友二 方寸虚実
昼顔や錨は波につながれて 酒井和子
昼顔や雨降りたらぬ花の顔 智月 俳諧撰集玉藻集
昼顔や電柱の影一尺に 徳永山冬子
昼顔よ畳の上は匍つてゆく 桑原三郎 龍集
昼顔をむしり散らすやいさご道 妻木 松瀬青々
昼顔を吾が白骨の咲かすべし 和田耕三郎
昼顔を摘まんとすれば萎れけり 富安風生
昼顔を昼見てゆきぬ寺男 神尾久美子 桐の木以後
昼顔を洗ひなほしてをとこ発つ 攝津幸彦
昼顔を滴まんとすれば萎れけり 富安風生
昼顔を踏みしだきしかと銃座据ゆ 久米正雄 返り花
昼顔一輪耳へはさみて子の手ひく 田川飛旅子
木舞かく壁よ昼顔の花の地所 滝井孝作 浮寝鳥
桑巻いて昼顔咲かぬみどりかな 飯田蛇笏 霊芝
沖くらく昼顔砂に伏し咲ける 岸風三楼 往来
漂ひて昼顔の昼ありにけり 柿本多映
漆庫くらく昼顔雲にのぼる 松村蒼石
灰汁桶の底に昼顔うつりけり 柑子句集 籾山柑子
点鬼簿の夕顔朝顔昼顔よ 高柳重信
焼砂に昼顔の露潤ひけり 旅一筋 安藤和風
玄関に昼顔咲くや村役場 正岡子規

以上
by 575fudemakase | 2014-06-30 10:40 | 夏の季語 | Trackback | Comments(0)

螻蛄

螻蛄

例句を挙げる。

おけら短命到る所に燈がついて 成田千空
おけら鳴く夜をふるさとにある心 原石鼎
おけら鳴く闇に親しき柱かげ 太田鴻村 穂国
お螻蛄う一升にじょなめき雁風呂う 加藤郁乎
からくりの奈落にひそむ螻蛄が鳴き 木村孝子
つゆの瀬にかかりて螻蛄のながれけり 飯田蛇笏 春蘭
ともりたる障子に螻蛄のつぶてかな 岡田耿陽
ひたすらに生きむと螻蛄の泥まみれ 成瀬桜桃子 風色
ひたすらの螻蛄の生き様愛しかり 牧 月耕
ゆき渡る田水に螻蛄の泳ぎ出づ 五藤俳子
よるべなう螻蛄も水掻く梅雨寒き 金尾梅の門 古志の歌
われの持つうぬぼれ鏡螻蛄が鳴く 阿部俊子
ダリの髭青し螻蛄いる夜更けかな 田口満代子
休校日に塾へ通ふ児おけら鳴く 佐倉あさ子
古希過ぎの光陰螻蛄の鳴くに似て 澤田緑生
土くれの乱礁の間螻蛄泳ぐ 石田波郷
夜をとぶ螻蛄身の軽重は灯を介し 磯貝碧蹄館 握手
夢の端に拘りをれば螻蛄鳴けり 根岸善雄
天日に農婦聳えて螻蛄泳ぐ 石田波郷
女曳きゆく屋台のありぬ螻蛄の夜を 古賀まり子 降誕歌
子が覗く家計簿螻蛄も舞ひいでよ 小林康治 玄霜
捨てし句の多くは螻蛄となりにけり 井上純子
春の螻蛄ききつつ闇にひたりをり 加藤知世子 花 季
春水の中の虫螻蛄皆可愛 茅舎
更けし夜の螻蛄に鳴かれて金欲しや 菖蒲あや 路 地
桶食ひし鬼の狂言螻蛄笑ふ 成瀬櫻桃子
殉教の島に城浮く螻蛄の夜 宮崎喜代子
母の屍ゆ別れきれねば螻蛄の闇 成田千空 地霊
汝螻蛄よ泳ぎ潜り飛べど愚か 福田蓼汀 秋風挽歌
灯りたる障子に螻蛄の礫かな 岡田耿陽
畦塗の螻蛄塗り込めて去りにけり 遠藤正年
病む妻が眼をみはりをり螻蛄の縷々 篠田悌二郎 風雪前
癒ゆる日の遠のくごとし螻蛄のこゑ 下村ひろし
目薬をさしてしばらく螻蛄の闇 丸木あや
目覚め癖つきたる夜半をおけら鳴く 添野光子
盲人に空耳はなく螻蛄鳴けり 三島牟礼矢
秋には癒えよ螻蛄がせつせと隧道掘る 磯貝碧蹄館 握手
臺北帝大演習林ここに在りきと螻蛄鳴ける 小佐田哲男
草枕ジジジジ自恃と螻蛄の声 文挟夫佐恵
虫螻蛄と侮られつゝ生を享く 高浜虚子
螻蛄がゐてわれを見向きもせず泳ぐ 風間啓二
螻蛄つゝとつゝと泳げる空はるか 海野良三
螻蛄なくと告ぐべき顔にあらざりき 加藤楸邨
螻蛄なくや憎しみ切れねば別れ兼ね 安住敦
螻蛄なくや教師おのれにかへる時間 加藤楸邨
螻蛄の夜の闇は鳥籠赤い籠 今坂柳二
螻蛄の夜を蹠掴むたなごころ 下村槐太 天涯 下村槐太全句集
螻蛄の宿闇にもしるき太柱 勝木みさほ
螻蛄の脚たんぼの水に喜こべり 倉橋尚子
螻蛄の闇に顔出して顔なかりけり 森澄雄
螻蛄の闇野鍛冶は粗き火を散らす 成田千空 地霊
螻蛄の闇闇の力といふがあり 佐藤鬼房 「何處へ」以降
螻蛄の闇鬼の安吾に及かざるも 佐藤鬼房
螻蛄は夜の闇をふりまく国境 河野南畦
螻蛄ひそむ農の重みの足跡や 成田千空 地霊
螻蛄わらふとは言はねども螻蛄嗤ふ 小檜山繁子
螻蛄を煮る湯けむり貧を蔽ひぬる 下村槐太 天涯
螻蛄更くる酒場にふふと嗤ひ声 中島斌雄
螻蛄泳ぐ無能嘆かふこともなく 冨田みのる
螻蛄肥えぬ「土中の翅」を名残に負ひ 中村草田男
螻蛄飛んで二天に闇のなかりけり 善積ひろし
螻蛄鳴いてこころいざなふ暗き方 篠田悌二郎
螻蛄鳴いてをるや静かに力無く 京極杞陽
螻蛄鳴いて木曽路の暮色地より涌く 原 与志樹
螻蛄鳴いて樹海は何か呼ぶごとし 岩井久美恵
螻蛄鳴くと目鼻ありあり風化仏 加藤知世子
螻蛄鳴くやおまるの世話をしてをれば 橋本花風
螻蛄鳴くや凡愚の木魚口あけて 成瀬桜桃子 風色
螻蛄鳴くや命惜しとも要らぬとも 文挟夫佐恵
螻蛄鳴くや寄り添ひ来るは天の川 源義
螻蛄鳴くや悔なき我の凡な日々 山下 尭
螻蛄鳴くや月をはなさぬ甕の水 松本 幹雄
螻蛄鳴くや村に異人の嫁殖えて 道川虹洋
螻蛄鳴くや漆かぶれの髑髏 小島ノブヨシ
螻蛄鳴くや濡れ手で粟の仕事はなし 成瀬櫻桃子
螻蛄鳴くや物食ふ真顔見られしよ 小島千架子
螻蛄鳴くや臼は自重をもてあまし 鷹羽狩行
螻蛄鳴くや薬が誘ふわが眠り 楠本憲吉
螻蛄鳴くや詩は呪術にはじまりし 原裕 正午
螻蛄鳴くや踊子は胸蝕まれ 白川京子
螻蛄鳴くや酒断ちし日のさみしさに 阿部寿雄
螻蛄鳴くや針穴いよよ見えづらく 杉田智栄子
螻蛄鳴くや闇曳くように母逝きて 上原勝子
螻蛄鳴く夜妻子らすでに反側す 篠田悌二郎 風雪前
螻蛄鳴く島男湯女湯に通じ 品川鈴子
螻蛄鳴けり子ら在らぬ夜の閑かさは 林翔
螻蛄鳴けり芸の貧しさ吾に似て 児玉 小秋
覚めて白き眼帯の闇螻蛄鳴ける 鷲谷七菜子
足投げて螻蛄きく顔をゆるむるや 森 澄雄
農家族満腹すれば螻蛄鳴きだす 榎本冬一郎 眼光
陶土浸く甕に螻蛄の子泳ぎをり 井上久枝
露の瀬にかゝりて螻蛄のながれけり 飯田蛇笏
颱風過月の輪ふかく螻蛄鳴けり 角川源義 『口ダンの首』
高嶺にて高嶺仰ぐや螻蛄がなく 加藤知世子


以上
by 575fudemakase | 2014-06-30 10:39 | 夏の季語 | Trackback | Comments(0)

蜘蛛

蜘蛛

例句を挙げる。

*たらの芽に雨霽れ蜘蛛は成長す 宮武寒々 朱卓
あはて者かかり蜘蛛の囲大だるみ 高澤良一 寒暑
あめつちに蜘蛛と生れし糸放つ 赤松[ケイ]子
おそろしく遠い厠や蜘蛛の糸 山田六甲
おっとっと女郎蜘蛛の囲眼の前に 高澤良一 寒暑
おほぞらを降り来て緑蜘蛛なりし 松本陽平
かがやきて野焼のあとの蜘蛛の糸 中戸川朝人
かの壁にかの大蜘蛛の出べき頃 大橋桜坡子
ぎくしやくと蜘蛛の動くは囲を張れる 依光陽子
くづれたる露におびえて葦の蜘蛛 飯田蛇笏 霊芝
こおろぎを蜘蛛と見誤るは恋し 永田耕衣 殺祖
こおろぎを食いにし蜘蛛も可愛ゆくて、風呂場の隅にこれも友とす 穂積生萩
こすもすや干し竿を青き蜘蛛わたる 三好達治 路上百句
ことさらに大きく見ゆる夜の蜘蛛 黒川悦子
この淵とひかりあふもの蜘蛛の糸 中田剛 珠樹
さびしさにとる蜘蛛の囲や梅雨ごもり 森川暁水 黴
さみどりの小蜘蛛登らす指の先 山田みづえ 草譜
しぐれ聴く聖観音へ蜘蛛の糸 大島民郎
じたばたをぐるぐる捲きに女郎蜘蛛 高澤良一 宿好
すこしづつ雫うごきぬ蜘蛛の糸 中田剛 珠樹以後
するするとこの月明を蜘蛛上る 藺草慶子
ぜんまいに吹かれてゐたる蜘蛛の絲 佐々木六戈 百韻反故 吾亦紅
たかし忌や生れてみどりの蜘蛛走り 岩崎健一
たたかはすために蜘蛛飼ふ蜑の軒 川上季石
たちこめて花の匂ひや蜘蛛の糸 中田剛 珠樹以後
たれ下り蜘蛛は振子となりにけり 上野泰 佐介
つい~と蜘蛛下り居る落花かな 島村元句集
つゆばれや一筋横に蜘蛛の糸 小澤碧童 碧童句集
とくはしる水蜘蛛ありて秋の虹 飯田蛇笏 春蘭
はえ捕蜘蛛三段跳の名手かな 田島 富子
ぱつと火になりたる蜘蛛や草を焼く 虚子
ひとすぢの蜘蛛の糸垂れ蟻地獄 行方克巳
ひとり棲む母を侮り袋蜘蛛 福永耕二
びろうどの帽子の上の春の雁 畑耕一 蜘蛛うごく
ふるひ居る小さき蜘蛛や立葵 高濱虚子
ぶら下るとんぼの羽根や蜘蛛は留守 寺田寅彦
ほんちは喧嘩蜘蛛のこと 高澤良一 ねずみのこまくら
まだ暮れぬなあと鬼蜘蛛ひもじくなり 冬の土宮林菫哉
まなかひに蜘蛛下りて来し蔵王堂 岡安紀元
みほとけの一指を借りて蜘蛛の糸 木内彰志
むくつけく揺れて新樹の陣の蜘蛛 島村元句集
やがてまた芝生に紛れ雨の蜘蛛 依光陽子
われ病めり今宵一匹の蜘蛛も宥さず 野澤節子(1920-95)
インク壜淡く蜘蛛の死遠からぬ 金子晉
スケーター五色の蜘蛛の散るごとし 石塚友二
一すじの蜘蛛のゐ白き月夜かな 独友 古句を観る(柴田宵曲)
一人住む自在を蜘蛛に奪はれて 朝倉和江
一夜にして自転車捉ふ蜘蛛の糸 高澤良一 素抱
一本となりし二本や蜘蛛の糸 小林草吾
一生を小田原城の蜘蛛として 岸本尚毅 舜
一筋の糸懸け了り草に蜘蛛 橋田憲明
一糸より作り始めし蜘蛛の網 三須虹秋
三人の晩餐蜘蛛に見られけり 大木あまり 火のいろに
不遜なりマリヤの頭なる子蜘蛛どち 大橋敦子 勾 玉以後
乙子祠に稚(わか)き蜘蛛囲を張りにけり 高澤良一 寒暑
五肢の蜘蛛なりしが敢て打ち据ゑき 相生垣瓜人
人の息かかり幽霊蜘蛛動く 堀井英子
人来るを考へず蜘蛛糸を張る 木暮つとむ
今朝秋や蜘蛛が巣かけし肥柄杓 前田普羅
仮死といふ知恵待つ蜘蛛に五分の魂 柴田奈美
仮死の蜘蛛こらへ切れずに歩き出す 右城暮石 上下
何虫も聊爾(りょうじ)に秋の蜘蛛の宿 広瀬惟然
光りとも影とも見ゆる朝の蜘蛛 加藤水虹
兵の墓標幾万芥子にうごく蜘蛛 小池文子 巴里蕭条
冬の蜘蛛ある夜動きて殺されぬ 加藤楸邨
冬蜘蛛の脚一つづつ進みけり 吉武月二郎句集
凌霄花蝿取蜘蛛の飛びつきし 岸本尚毅 鶏頭
凍蜘蛛の脚をかけたる仏かな 吉武月二郎句集
切々と囲を張る蜘蛛に暗充ちつゝ 右城暮石 声と声
刺網にかかるがらくた蜘蛛人手 高澤良一 燕音
動きやすく蜘蛛ゐて壁のましろさよ 畑耕一 蜘蛛うごく
勝蜘蛛を玉と置きたるたなごころ 邊見京子
化野に蜘蛛まろまろと肥えゐたり 多賀庫彦
北風吹く夜壁の蜘蛛見て寝ずありぬ 森川暁水 黴
十薬の花ひつぱつて蜘蛛の絲 星野立子
南天の花きたなけれ蜘蛛の囲に 八木林之介 青霞集
南無阿弥陀蜘蛛に生れで忘れ庵 中勘助
厚物の菊の顱頂に蜘蛛の子来 高澤良一 宿好
原稿紙蜘蛛の透明な粒這えり 三谷昭 獣身
古池やにとんだ蛙で蜘蛛るTELかな 加藤郁乎
吹き降りの籠の芒や女郎蜘蛛 飯田蛇笏 霊芝
咳き出せぬ土蜘蛛の如ひそむもの 稲垣きくの 牡 丹
唇へながれてきたり蜘蛛の糸 中田剛 珠樹
啓蟄の蜘蛛また一つはしりけり 播水
喜雨に遭ふ棚蜘蛛の囲の躍る森 下村槐太 光背
囲の央に押し出しのよき女郎蜘蛛 高澤良一 素抱
囲をはりて坐りし蜘蛛や月の中 長谷川かな女 雨 月
國破れて蜘蛛に宿かる山居かな 中勘助
土蜘蛛に腹切らせゐる大暑かな 石塚友二 光塵
土蜘蛛の出てびびびびと北の空 藤田湘子
土蜘蛛の吐く糸無尽嵯峨念仏 岡本春人
土蜘蛛の往き来も夢や花の家 永田耕衣 吹毛集
土蜘蛛の撫でやる腹の珍無類 高澤良一 ねずみのこまくら
土蜘蛛を母と思ひて恐ろしや 永田耕衣 吹毛集
土蜘蛛を飼ふ竹籠も武蔵かな 桑原三郎 春亂
地下道の蜘蛛手に礼者うろうろと 山本歩禅
坐りたる畳のしみは蜘蛛の糞 佐野良太 樫
堂二つつなぐ一すぢ蜘蛛の糸 久保田月鈴子
塵取の手にも夕ベの蜘蛛の糸 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
壁に腹ゆさぶりて蜘蛛の影つくる 畑耕一 蜘蛛うごく
壁上の蜘蛛うごくとき大いなる 畑耕一 蜘蛛うごく
声もなくこころにひとつ棲む蜘蛛や 河原枇杷男 定本烏宙論
夏菊の蜘蛛のさみどり掌に移す 村尾優子
夏雨や淵にまた下る合歓の蜘蛛 飯田蛇笏 山廬集
夕かげや脱衣をあるく女郎蜘蛛 飯田蛇笏
夕杉山こめかみへ来る蜘蛛はらう 赤尾兜子
夕涼の檐の蜘蛛空へ這ひゆくよ 原田種茅 径
夕立昏みまなさきへ蜘蛛さがりたり 臼田亜浪 旅人
夕虹に蜘蛛の曲げたる青すゝき 飯田蛇笏
夕蜘蛛の貌のくまどり黄なるかな 下村梅子
夕蜘蛛見をるふとふるさとの父の顔 シヤツと雑草 栗林一石路
夕雲をつかみ歩きて蜘蛛定まる 西東三鬼
夜の蜘蛛母臥す方へは近寄せず 寺井谷子
夜蜘蛛とて動けるものの愛しさよ 野澤節子 『八朶集』
大き蜘蛛下る西日の武者走 伊藤いと子
大寒の蜘蛛の一糸をひきしのみ 菖蒲あや あ や
大蜘蛛のがさ~と這ふ夜長哉 内田百間
大蜘蛛の現れ小蜘蛛なきが如 高濱虚子
大蜘蛛の虚空を渡る木の間かな 村上鬼城
天上天下唯我独尊女郎蜘蛛 粟津松彩子
天井はずい分広し下る蜘蛛 桑原三郎 晝夜 以後
天網のごとく張られし蜘蛛の糸 本間蛍子
太梁の垂らしてゐたる蜘蛛の糸 片山由美子
女郎蜘蛛あはてふためく様見んと 高澤良一 宿好
女郎蜘蛛十方に揺れ産後の身 飯田龍太
女郎蜘蛛外へ外へと荒き絲 佐々木六戈 百韻反故 冬の皺
女郎蜘蛛大き囲を張る留守の家 高澤良一 寒暑
女郎蜘蛛径を許さず夏あざみ 永井龍男
女郎蜘蛛朝は黄金に張れる糸 高澤良一 素抱
女郎蜘蛛木の葉外しにかかりけり 高澤良一 ぱらりとせ
女郎蜘蛛楕円函数論知るや 高澤良一 宿好
女郎蜘蛛殺して崇待つと言ふ 佐野青陽人
女郎蜘蛛糸張る計算通りかな 高澤良一 随笑
女郎蜘蛛縦の糸張る手順見て 高澤良一 宿好
女郎蜘蛛花のいろどりには非ず 粟津松彩子
女郎蜘蛛見てより深む日色とも 高澤良一 素抱
女郎蜘蛛足に金の輪染めてをり 粟津松彩子
女郎蜘蛛身しろぎもせず神の前 横山白虹
女郎蜘蛛金龍院の空を降り 高澤良一 鳩信
女郎蜘蛛黒地の脚絆染めてをり 粟津松彩子
妻は読み蝿とり蜘蛛は獲物待つ 徳留海門子
媾曳も巣を張る蜘蛛も余念なく 岡本圭岳
子蜘蛛はや天に足かけ糸を吐く 前田圭史
寝ねがてに蜘蛛捨てつ銀杏月なかり シヤツと雑草 栗林一石路
将門の塚に巣を張る女郎蜘蛛 伊藤いと子
小さく赤い蜘蛛手を這えり糸曳きて 金子兜太
山雨過ぎ網を繕ふ女郎蜘蛛 大久保白村
川蜘蛛の影米米と米米と 佐々木六戈 百韻反故 吾亦紅
川蜘蛛の押さふる水の流れゆく 佐々木六戈 百韻反故 吾亦紅
巣を張つてしまひし蜘蛛のみじろがず 中野てつの
己が囲をゆすりて蜘蛛の憤り 皿井旭川
帰省してなつかしき雨蜘蛛の囲に 京極杞陽 くくたち下巻
幾何学を篤と学びし蜘蛛ならむ 高澤良一 素抱
幾度か同じ蜘蛛ゐる夜は淋し 本田あふひ
庭畑の地走り蜘蛛や柿の花 觀魚 伊藤觀魚
弓削島の蝿取蜘蛛に波高し 磯貝碧蹄館
張り終へし大蜘蛛の巣の蜘蛛孤独 後藤 寿美
張り緊めて金剛力や蜘蛛の糸 石塚友二
影抱へ蜘蛛とどまれり夜の畳 松本たかし
御堂の戸弘誓の蜘蛛の子なりけり 尾崎迷堂 孤輪
忘れ庵秋風に蜘蛛成佛す 中勘助
怒濤いま蜘蛛の視界の中にあり 保坂敏子
思惟像の肘を吊りたる蜘蛛の糸 菊地弘子
恋人はめんどうな人さくらんぼ 畑耕一 蜘蛛うごく
我が向ふ壁に巣ごもる脚くろき蜘蛛としいへど幾日もゐず 相良宏
我が肩に蜘蛛の絲張る秋の暮 富田木歩
我が顔に糸残し居し冬の蜘蛛 右城暮石 声と声
我と蜘蛛招かれざる神笑殺す 川口重美
我起居蝿もをり蝿取蜘蛛もをり 高浜虚子
我起居蠅もをり蠅取蜘蛛もをり 高濱虚子
戦ひたひたいざよひの袋蜘蛛 国見敏子
所在無き雨日を汝も女郎蜘蛛 高澤良一 素抱
手に巻きみる辰雄書屋の蜘蛛の糸を 林翔 和紙
手のこんだ囲の張りやうや女郎蜘蛛 高澤良一 寒暑
手も脚も腹も化粧ふて女郎蜘蛛 高澤良一 随笑
手足皆動かして蜘蛛巣を張れる 木田忠義
打たんとす蜘蛛黒し蜘蛛身をひろげ 畑耕一 蜘蛛うごく
故郷遠く一番星は蜘蛛の囲に 今瀬剛一
散供櫃に蜘蛛のゐ(糸)淋し神無月 露章 選集「板東太郎」
日の当りながら物食ふ女郎蜘蛛 高澤良一 ぱらりとせ
日の氷柱夜のシャンデリア蜘蛛の金婚 殿村莵絲子 牡 丹
日暮いずこも巣を作る蜘蛛踵返す 伊丹三樹彦
日盛りを行けば蜘蛛手の橋がある 安井浩司 密母集
日脚のぶ余慶のひとつ蜘蛛の糸 宇佐美魚目 秋収冬蔵
日輪と一対一や女郎蜘蛛 今岡直孝
早乙女に蜘蛛の囲流れかゝりけり 銀漢 吉岡禅寺洞
明け易くいとなみ初めし蜘蛛の脚 小澤碧童 碧童句集
春愁に指のひとつは鳴らざりき 畑耕一 蜘蛛うごく
昼雲のたち変りつつ蜘蛛の留守 小原菁々子
時化来ると囲を変へ急ぐ風の蜘蛛 石塚 友二
晩景やわが佇つのみに蜘蛛怒る 飯島晴子
暁の蜘蛛跳んでをるなり土の上 上野泰
暫くを考へてをり蜘蛛の糸 中田剛 珠樹以後
暮れいろの蜘蛛寸借の形して 栗林千津
月の蜘蛛いよ~糸のかゞやき来 森田峠
月光が射さば阿修羅は春の蜘蛛 宮坂 静生
月涼しいそしみ綴る蜘蛛の糸 杉田久女
望月のいろを貰へり女郎蜘蛛 高澤良一 燕音
朝の蜘蛛海の虚空をつかみをり 長谷川秋子 『菊凪ぎ』『鳩吹き』『長谷川秋子全句集』
朝の間に蜘蛛の囲払ひおく事に 高濱年尾 年尾句集
朧月暈のうちなる軒の蜘蛛 阿部みどり女
木の瘤に脂吹き出す袋蜘蛛 植田桂子
木槲の花をのせたる蜘蛛の網 富安風生
未来から降りてくるのは蜘蛛の糸 大西泰世 椿事
末枯に漂ひをりし蜘蛛の糸 波多野爽波 鋪道の花
東京やベッドの下に蜘蛛ひからび 横山白虹
松蝉の響ける糸を蜘蛛渡る 野見山朱鳥
枇杷もぎし棹青蜘蛛のつたひたる 細見綾子 黄 炎
枕上み夜はふ蜘蛛も影負ひて 石塚友二
枕上み秋は小蜘蛛も影負ひて 石塚友二 方寸虚実
枯るるものつないでゐたる蜘蛛の糸 森賀 まり
枯菊に虹が走りぬ蜘蛛の糸 松本たかし
枯菊や籠花活の蜘蛛のいと 森鴎外
栗甘くわれら土蜘蛛族の裔 津田清子
桑解けば蜘蛛の囲顔にふりかゝり 高濱年尾 年尾句集
梅雨を泣く媼となけば膝を蜘蛛 原コウ子
樹上には明恵 樹下には女郎蜘蛛 高澤良一 宿好
欅老樹に瘤わだかまる蜘蛛太鼓 角川源義
死ぬふりを子蜘蛛ながらにして見する 細見綾子
死んだふりしている蜘蛛の小さゝよ 松本 あや子
水の上蜘蛛の軽わざはじまれり 下田稔
水甕に蜘蛛の落ちたる神の留守 宮武寒々 朱卓
水蜘蛛に釣場の茨花すぎぬ 西島麥南 金剛纂
水蜘蛛の代田さやさや渡り了ふ 羽部洞然
沢の辺に童と居りて蜘蛛合 芝不器男
沢瀉の葉かげの蜘蛛や梅雨曇り 飯田蛇笏 山廬集
浮草や蜘蛛渡りゐて水平ら 村上鬼城
浴室にゴシック体の蜘蛛走る 山内嵩弘
涼しくて眼に見えざりし蜘蛛の糸 右城暮石 声と声
湯の町の飽かなき月に女郎蜘蛛 高澤良一 寒暑
滴りに苔の巣食へる地蜘蛛かな 高濱年尾 年尾句集
激つ瀬に囲を張りわたし深山蜘蛛 木村蕪城 一位
激つ瀬に巣を作る蜘蛛光りどほし 加藤知世子
瀞の上にさがる蜘蛛あり日に光り 八木絵馬
灯影淋し野菊の鉢のかゝり蜘蛛 木歩句集 富田木歩
炉開や蜘蛛動かざる灰の上 高浜虚子
炎天なれば蜘蛛の餌の食ひのこりもよ 飛鳥田[れい]無公 湖におどろく
炭斗やゆっくり蜘蛛の這ひ出でぬ 水谷 たつ子
無残やな蜘蛛に喰はれし螢あり 会津八一
無眼遠の中途にさがる秋の蜘蛛 寺田澄史
燈をまともすばやき蜘蛛として構ふ 畑耕一 蜘蛛うごく
燐寸擦る屋根裏部屋の蜘蛛の絲 佐々木六戈 百韻反故 初學
父の碑に蜘蛛の一点恭々し 山田みづえ
狛犬の阿の口子蜘蛛出るわ出るわ 松山足羽
獲物へと押っ取り刀の女郎蜘蛛 高澤良一 宿好
玉砂利や奥処を見せぬ袋蜘蛛 石川桂郎 四温
畦焼くや蜘蛛走り出し石の上 西山泊雲 泊雲句集
痩蜘蛛の宿となるべく一葉哉 寺田寅彦
白萩に蜘蛛の吊りたる一花二花 永井龍男
白露の蜘蛛の囲そこにここにかな 高浜虚子
真夜中の蜘蛛に武将の面構へ 和田耕三郎
真昼間の山雪のうへ蜘蛛あるく 高澤良一 燕音
眠気憑き大きく蜘蛛の這ひて来る 長谷川かな女
石を縫ふ水に蜘蛛が居蚊が居りぬ 京極杞陽 くくたち上巻
石塔の時の重さよ蜘蛛飛びぬ 高木青二郎
破れし囲に蜘蛛の血走り雁渡し 皆吉爽雨
破れたる巣を守る蜘蛛として残る 稲畑汀子
破れ~し囲に蜘蛛住みて細藺かな 島村元句集
碧梧桐虚子泊つ庵の蜘蛛の囲よ 青木重行
秋の蜘蛛破れたる囲はつくろはず 樋笠文
秋の蜘蛛髪のくらさに降り来しか 野澤節子 遠い橋
秋天につかまつてをる蜘蛛のあり 上野泰 佐介
秋澄んで銀燃ゆる蜘蛛の糸 石塚友二 光塵
秋雨や蜘蛛とぢて伏す枯れ葎 原石鼎
秋風に口を鍛へてゐたる蜘蛛 大木あまり 雲の塔
秋麗の極みに蜘蛛の遊び糸 高田秋仁
空しさよ一糸ほぐれぬ蜘蛛の囲の 百合山羽公 寒雁
空に蜘蛛はりつきて囲の紛れけり 谷野黄沙
突っ込んでいやはや蜘蛛のねばる糸 高澤良一 素抱
窮したる袋蜘蛛なり見逃せり 百合山羽公 寒雁
竹竿に蠅取蜘蛛の出で晴れ間 梅林句屑 喜谷六花
籠る冬蜘蛛一匹も追ひ出さぬ 村越化石 山國抄
糸も吐かず蜘蛛の子乗りし扇かな 長谷川かな女 雨 月

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by 575fudemakase | 2014-06-30 10:37 | 夏の季語 | Trackback | Comments(0)

藻刈

藻刈

例句を挙げる。

いく筋も潮の影ある藻刈かな 佐野まもる 海郷
うぶすなの藻刈の人の通りけり 藤田あけ烏 赤松
かい探る藻の根やこたへ藻刈鎌 西山泊雲 泊雲句集
はしり出て藻を刈る雨に鳴く鵜かな 飯田蛇笏
わが門も刈藻干さるゝせんなけれ 佐野まもる 海郷
ビル投影みだして進む藻刈舟 栗原蕎村
一塊の黒を陸とし藻刈の夜 斎藤梅子
三人の藻刈の幅のすすみ来る 奥坂まや
今日はしも女ばかりや藻刈舟 松藤夏山 夏山句集
刈られたる藻の饐うるなり勅願寺 大石悦子 百花
刈りし藻を運ぶトラック待機せり 茨木和生 野迫川
刈り上げし藻に花のこるあはれなり 近本雪枝
刈り残る一筋の藻に水澄みて 西山泊雲 泊雲句集
刈り競ふつぶさに青き藻なりけり 佐野まもる 海郷
刈捨てし柴に花さく雨中かな 簪 俳諧撰集玉藻集
刈藻上げし雫流れて香の立ちぬ 原田種茅 径
刈藻積んで舟脚重く戻りけり 青峰集 島田青峰
刎橋に風の立ちたる藻刈かな 宮坂静生 樹下
別荘の前へ来てゐる藻刈舟 岡田耿陽
古利根のゆるき流の藻刈舟 小倉英男
四五艘の北浦口の藻刈舟 高野素十
夏の月刈藻もやがてけむりかな 魚目
大いなる真直ぐな日暮藻刈舟 宮坂静生 樹下
大覚寺藻刈の僧を繰出しぬ 大石悦子 群萌
山陰の田植見まふや藻刈舟 立花北枝
思ひ出せぬ川のなまへに藻刈舟 田中裕明 花間一壺
手をのべてぬぐふ雫や藻刈竿 橋本鶏二 年輪
日を西に藻を刈りゐるはしづかなり 佐野まもる 海郷
日照雨して藻刈の睫毛濡らしけり 波多野爽波 『骰子』
暁方の藻刈の音を枕上 黒田杏子 花下草上
月たかき藻刈のあとをねむるなり 中田剛 珠樹
木澄んで底の遊魚や藻刈あと 西山泊雲 泊雲句集
棹させるときのありけり藻刈舟 橋本鶏二
横へて竿長々と藻刈舟 楠目橙黄子 橙圃
橋裏にもやひ昼餉の藻刈舟 田中芥堂
水に顔ふるるばかりや藻刈人 辻桃子 桃
水口に引っかかりゐる刈藻かな 長沼 典子
水藻刈る奈落明るき寺の池 大石悦子 群萌
水馴棹持てる守衛や藻を刈れる 阿部みどり女 笹鳴
沈むばかり刈藻積みたる小舟哉 松田枯蝉
沢瀉も刈られて雨の藻刈舟 福島 勲
渡舟ともあるひはなりて藻刈舟 樋口啓明
満潮の松島湾に藻刈屑 阿部みどり女 笹鳴
漣や藻なきほとりの藻刈舟 楠目橙黄子 橙圃
濠端や揚げ重ねたる藻刈舟 楠目橙黄子 橙圃
濯ぎ場や棹しのぼりきし藻刈舟 橋本鶏二 年輪
腰蓑の雫烈しき藻刈かな 西山泊雲 泊雲句集
自らわがね浮きたる刈藻かな 阿波野青畝
舟溜藻刈の舟も来て憩ふ 能村登四郎
葉柳に靄晴れぬ間や藻刈船 雉子郎句集 石島雉子郎
藤戸川刈藻もつるゝ棹をさす 三木朱城
藻の花に囲まれて朽ち藻刈舟 八染藍子
藻を刈つて性根抜けたる寺の池 大石悦子 群萌
藻を刈りにゆく竹棹を担ひたる 藤田あけ烏 赤松
藻を刈ると舳に立ちて映りをり 杉田久女
藻を刈るや栄華の池に踏み込んで 鍵和田[ゆう]子 飛鳥
藻を刈るや沼の愁ひを拭はむと 成瀬桜桃子 風色
藻を刈ればしきりに雲のうごきけり 橋本鶏二 年輪
藻刈られしあとの漣鳥浮ける 原田種茅 径
藻刈屑山とし見えぬものを言ひ 田中裕明 花間一壺
藻刈川今宵は月のうすく照る 松村蒼石 寒鶯抄
藻刈棹望のひかりのあきらかに 岩井英雅
藻刈竿よこたへざまに舟を行る 加藤三七子
藻刈舟きのふのところかへにけり 成瀬櫻桃子
藻刈舟しづかに向きを変へにけり 三谷いちろ
藻刈舟ただならぬこの顔の痩 田中裕明 櫻姫譚
藻刈舟なりし黄色いゴムボート 辻桃子
藻刈舟ひとりが降りて川の中 小坂順子
藻刈舟ゆきかふ舳かはしけり 西島麥南 金剛纂
藻刈舟らしくも見えてつなぎあり 高濱年尾
藻刈舟傾きながら刈り進む 山本暮村
藻刈舟動きそめたる遥かかな 原田青児
藻刈舟同じ方へと流れ刈る 青峰集 島田青峰
藻刈舟流れ藻曳きて漕ぎ寄りぬ 今井杏太郎
藻刈舟漕ぎ出づるや漣の上ゆけり 原田種茅 径
藻刈舟相つぎ通る浮御堂 中井余花朗
藻刈舟石の錨を落しけり 吉武月二郎句集
藻刈舟雨降るかたへ帰りけり 正岡子規
藻刈船沈まんばかりいそしめり 加藤三七子
藻刈鎌見えざる奈落まさぐれる 渡邊千枝子
路の辺の刈藻花さく宵の雨 蕪村
遠い藻刈へいま頬杖を降りて 矢野千代子
長々と水よりぬきし刈藻棹 今瀬剛一
閑かなる港と見るや藻を刈れり 佐野まもる 海郷
駅の家に藻刈も透ける青簾かな 飯田蛇笏 山廬集
鸛の巣の下にゐる藻刈舟 皆川盤水

以上
by 575fudemakase | 2014-06-30 10:36 | 夏の季語 | Trackback | Comments(0)

干草

干草

例句を挙げる。

かくれなき富士に草干す農家かな 阿部みどり女 笹鳴
こぼしつゝ干草運ぶ女かな 星野立子
さびしさのかぎりなき草干し返へす 加倉井秋を
しなやかに刈干草の夜となれり 猪俣千代子 堆 朱
ははき草干され烈日蒼くせり 杉本寛
まとふ香も積まれある干草のもの 稲畑汀子
やはらかき宿の御飯や草干す夜 田中裕明 山信
バーボンに干草の香や星流る 内田美紗 魚眼石
人は今むらさき深き草を干す 篠田悌二郎
刈草を干す日は牛を嶺に追ふ 石橋辰之助 山暦
十五夜の干草の香の母屋まで 太田土男
唖の子の干草によく励むこと 松山足羽
夕焼けて干草ぐるま道一筋 太田土男
天の川野積み干草香をはなち 佐野五百子
姥捨のひとつ家草を刈りて干す 山口青邨
子を上げて干草を積みをはりけり 太田土男
子等に帰りて干草にさす長柄鎌 加藤楸邨
干草が匂うて夜の通り雨 夏目麦周
干草にいそしめりしが老鮮婦 石塚友二 方寸虚実
干草にかくれし径のみちをしへ 軽部烏頭子
干草にのしかゝりては束ねけり 星野立子
干草にコリーは覚めず梅雨深き 相馬遷子 山国
干草に北国の雲みな浮けり 大峯あきら 宇宙塵
干草に大夕焼のさめにけり 清原枴童 枴童句集
干草に寝て胎内に在るごとし 栗原稜歩
干草に置きたる露や稲光 碧雲居句集 大谷碧雲居
干草に蝿取草のまだ枯れず 斎藤俳小星
干草に針金熊手抛りあり 松藤夏山 夏山句集
干草に雲行ばかり見て一人 依田秋葭
干草のにおいを二人女人過ぐ 和知喜八 同齢
干草のトラックも乗り渡舟かな 嶋田摩耶子
干草の上そよぎしておのがじゝ 清原枴童 枴童句集
干草の上に刈り干す今日の草 深川正一郎
干草の中へ入つてしまひけり 佐々木六戈 百韻反故 初學
干草の匂ひの中の古城かな 片山由美子 風待月
干草の夜も匂へり牧泊り 有働 清一郎
干草の山うごきくる対馬馬 阿波野青畝
干草の山が静まるかくれんぼ 高浜虚子
干草の山すれすれに船通ふ 遠藤梧逸
干草の山なす庭や稲光 松藤夏山 夏山句集
干草の山の中なる門火かな 岸風三楼 往来
干草の山の間の月夜かな 橋本鶏二 年輪
干草の山黒馬と動きだす 林翔 和紙
干草の敷きのみどりに牧犬(コリー)の仔 軽部烏頭子
干草の月夜草履の緒がゆるむ 中拓夫 愛鷹
干草の牛車は星に繋ぐべし 黒田杏子 木の椅子
干草の転がるかたちにて止まる 日原傳
干草の香に乗りて鷹加速せり 太田土男
干草の香に夜の雨のはげしさよ 細川加賀 生身魂
干草の香もしつ栗の花月夜 金尾梅の門 古志の歌
干草や戦なき世を馬と祝ぐ 肥田埜勝美
干草をひく雀ゐて昼動く 村越化石 山國抄
干草をひろげ山脈高くせり 毛塚静枝
干草を抱くは色感たるごとく 松山足羽
干草を掻けば青さや山蜻蛉 大橋櫻坡子 雨月
干草を焚けば蟇出ぬ哀しき貌 野澤節子 黄 炎
干草を積みて牛糶る但馬かな 杉本寛
干草を踏む蹠ざはり蝉時雨 飛鳥田[れい]無公 湖におどろく
干草を踏んで一言主拝む 前田野生子
干足袋のこはぜの光り草枯るゝ 金尾梅の門 古志の歌
押し返しくる干草を納屋に積む 久保田重之
月の夜も経て干草の仕上がれり 太田土男
月明となる干草の激しき香 山崎一枝
永世中立国から干草来 田口彌生
溺れんばかり女子大生の馬草干し 鍵和田[ゆう]子 未来図
牛方の宿干草の匂ひけり 辻本雨声
画室にて草干すことを見飽きたり 加倉井秋を 午後の窓
病人に干草のいきれ迫りけり 杉田久女
盆過ぎしさまに干草すこしして 木村蕪城 寒泉
秋吉台山と干されし草匂ふ 岩田つねゑ
草を干す先の伸びたる熊手かな 松藤夏山 夏山句集
草を干す白鳳仏のまはりかな 山本洋子
草干して古き匂ひや鷹のこゑ 岡井省二
草干すや母家つゞきの大馬屋 大橋櫻坡子 雨月
草干すや蝦夷の日和のよくつづき 阿部慧月
高原の干草日和つづきをり 井上 たか女
しなやかに刈干草の夜となれり 猪俣千代子 堆 朱
乾草に夏満月ののぼるなり 木下夕爾
乾草に露光りゐて露さびし 田中冬二 行人
乾草のにほひを花とあやまりぬ 篠原梵 雨
乾草のみち帰京するひとに逢ひし 川島彷徨子 榛の木
乾草の匂いに染みて母若し 金子兜太
乾草の香を全身にわれ悔いず 川島彷徨子 榛の木
乾草は愚かに揺るる恋か狐か 中村苑子
乾草匂う夜目にも愛の自転車立て 鈴木六林男 桜島
乾草高しクラーク先生野に生きて 松崎鉄之介
刈干に結び込まれし女郎花 川崎展宏
刈干のそばを軒場に山の家 村上辰良
刈干を天に捧げて枯るる阿蘇 文挟夫佐恵 雨 月
口中を酒に炎やせば刈干唄 野澤節子 『飛泉』
少年よりけむり抜きとる乾草の家 安井浩司 赤内楽
屋根裏に乾草を詰め軽くなる 穴井太 ゆうひ領
身を埋めて揺籃のごと乾草は 大野林火
雲と寝て少年乾草の匂ひ 菅原達也
霧ふかし刈干切唄恋しき夜 古賀まり子 緑の野以後
青空に太陽乾草の山に人 成瀬正とし 星月夜

以上
by 575fudemakase | 2014-06-30 10:35 | 夏の季語 | Trackback | Comments(0)

誘蛾灯

誘蛾灯

例句を挙げる。

あをあをと夜が来てをりぬ誘蛾燈 白岩三郎
くらがりに人居る気配誘蛾灯 泉田菟糸子
さしわたる月に呆けぬ誘蛾灯 瀧 春一
はち切つて焔二尺の誘蛾燈 萩原麦草 麦嵐
はやばやと誘蛾燈点く山荘に 榊原秋耳
ふるさとの潮騒を聞く誘蛾灯 遠藤きん子
一斉に山を呼ぶ子や誘蛾燈 萩原麦草 麦嵐
低く来て夜鷹かすめし誘蛾燈 根岸善雄
俳諧の夜の語らひの誘蛾灯 渋谷 一重
夕雨や片すゝけして誘蛾燈 西山泊雲 泊雲句集
多摩川へ道盡きぬべし誘蛾燈 水原秋櫻子
夜に入りし白樺雨の誘蛾燈 花谷和子
小戻りて覗きたしかめ誘蛾燈 西山泊雲 泊雲句集
小水葱被てあぎとふ鯰誘蛾燈 芝不器男
山昏れてよりの親しき誘蛾燈 鶴原暮春
庭園の昼のあはれや誘蛾燈 深見けん二 日月
故郷なり終夜群れをる誘蛾燈 江里昭彦 ラディカル・マザー・コンプレックス
故郷はつかのまにして誘蛾灯 対馬康子 愛国
昆虫の死臭はげしや誘蛾燈 瀧 春一
村の者来て夜語りや誘蛾燈 高野素十
死にさそふものゝ蒼さよ誘蛾燈 山口草堂
泡ひいてながるゝ水葱や誘蛾燈 芝不器男
海霧よりの虫のすくなさ誘蛾燈 中戸川朝人 残心
激つ瀬の夜はむせびつゝ誘蛾燈 馬場移公子
玉苗にマッチの煙や誘蛾燈 西山泊雲 泊雲句集
病む母の見て誘蛾燈の青地獄 齋藤愼爾
白樺に吊り山荘の誘蛾灯 棚田良子
祖母よりも父遠かりし誘蛾燈 加藤楸邨
稿の外にて誘蛾灯涼を呼ぶ 森 澄雄
立ち寄ればあたり賑はし誘蛾燈 吉武月二郎句集
翼あるもの先んじて誘蛾燈 西東三鬼
落葉松の幹に点れる誘蛾燈 品川鈴子
蛾しぶきをあげて嵐の誘蛾燈 廣江八重櫻
蛾落ちてさゞめく水や誘蛾燈 西山泊雲 泊雲句集
蛾這入り大きな陰や誘蛾燈 阿波野青畝
触れてゐる草ひとすぢや誘蛾燈 軽部烏頭子
誘蛾灯つゞき夜道は遠きもの 今村青魚
誘蛾灯はるけきものへ燃えてをり 高橋沐石
誘蛾灯入江の闇を抱きにけり 米沢吾亦紅
誘蛾灯命の爆ぜる音のして 奥田杏牛
誘蛾灯泣く子を抱いて病室へ 玉木 こうじ
誘蛾灯目を合わせずに二人で居る 池田澄子
誘蛾灯野は六月のその暗さ 篠田悌二郎
誘蛾燈うしろに墓の山据わる 幸治燕居
誘蛾燈つらなりもゆる闇は濃く 鈴鹿野風呂 浜木綿
誘蛾燈とぼしきマッチすりにけり 銀漢 吉岡禪寺洞
誘蛾燈にまた雨あしのしげくなる 田中冬二 若葉雨
誘蛾燈に目を剥いて馬通りけり 萩原麦草 麦嵐
誘蛾燈に雨あし太くみゆるかな 田中冬二 行人
誘蛾燈の下のくらきに畦あつまる 篠原梵 雨
誘蛾燈の埃り払うて父寝たり 萩原麦草 麦嵐
誘蛾燈の暗さに立ちて父老いし 萩原麦草 麦嵐
誘蛾燈の水を乱すは蛙かや 西山泊雲 泊雲句集
誘蛾燈の色に染まりて飛ぶ蛾かな 川崎展宏
誘蛾燈はるけきものへ燃えてをり 高橋沐石
誘蛾燈ばかりとなりて村は寝し 石井とし夫
誘蛾燈またゝいてゐる水仕かな 松藤夏山 夏山句集
誘蛾燈めく燈となりて森に更く 宮津昭彦
誘蛾燈やがて静かな闇に浮く 三島和子
誘蛾燈ゆるゝ瀬水の闇ふくらむ 吉祇千恵子
誘蛾燈一燈農事試験場 京極杞陽
誘蛾燈光あつめて峡昏るる 阪尻勢津子
誘蛾燈入江の闇を抱きにけり 米澤吾亦紅
誘蛾燈土より寒く灯りけり 萩原麦草 麦嵐
誘蛾燈夜靄深くてまたたかず 福田蓼汀 山火
誘蛾燈寝惚け顔してともりゐる 田中冬二 麦ほこり
誘蛾燈山大尽の庭に燃え 萩原麦草 麦嵐
誘蛾燈山脈近くなりにけり 小林康治 四季貧窮
誘蛾燈山雲下りてはなやぎぬ 内藤吐天
誘蛾燈左右に夜深く戻りけり 清原枴童 枴童句集
誘蛾燈強引に油吸ひにけり 萩原麦草 麦嵐
誘蛾燈朝の蛙の一つ鳴く 松藤夏山 夏山句集
誘蛾燈杏の村の夜は燃えて 萩原麦草 麦嵐
誘蛾燈汽車を眺めて未だつかず 松藤夏山 夏山句集
誘蛾燈消しゆきて畦刈りはじむ 藤原たかを
誘蛾燈漁村の虫は海より来 林直人
誘蛾燈灯し合うたる門田かな 吉武月二郎句集
誘蛾燈灯す夫見ゆ廚窓 西山泊雲 泊雲句集
誘蛾燈点してよりの闇深し 加藤武城
誘蛾燈点すマッチの消えやすく 田中冬二 麦ほこり
誘蛾燈畔も一寸さがる刻 廣江八重櫻
誘蛾燈直下の地獄照りわたる 軽部烏頭子
誘蛾燈石ころ一つほてりけり 萩原麦草 麦嵐
誘蛾燈見えて旅籠の欄による 西山泊雲 泊雲句集
誘蛾燈遮りたるは人影か 高野素十
誘蛾燈野は六月のその暗さ 篠田悌二郎 風雪前
誘蛾燈闇より黒き吉野川 加藤知世子 花寂び
誘蛾燈露けき頃も三ところに 下村槐太 天涯
誘蛾燈駅夫の窓のかたはらに 後藤夜半 翠黛
轍あと深くかげりぬ誘蛾燈 山口誓子
通ひ路の夕ベ水漬きぬ誘蛾燈 銀漢 吉岡禅寺洞
針金の灼けきはまりつ誘蛾燈 阿波野青畝
鐵塔のしのゝめはやき誘蛾燈 西島麥南
闇よりも怖き灯のあり誘蛾灯 宮尾十一
露天湯のひとりに灯す誘蛾燈 つじ加代子
鬱々と蛾を獲つゝある誘蛾燈 阿波野青畝
鮮しき夜がみなぎれり誘蛾燈 佐野まもる
とび来たる虫へ穂をのべ虫篝 小倉弦月
ふるさとは虫篝とて美しく 渡辺登志子
村の名の消えし渋民虫篝 潮原みつる
火のあがる大手の方や虫篝 和田祥子
燈ともして蟲篝とも蟲の宿 佐々木六戈 百韻反故 吾亦紅
虫焦げし火花美し虫篝 高濱虚子
虫篝さかんに燃えて終りけり 高野素十
虫篝つきなんとして月遅し 佐藤漾人
虫篝り火を逃げる虫寄る虫も 新谷ひろし
虫篝一つ燃えをり谷の中 瀧澤伊代次
虫篝幼なき記憶なつかしく 三村八重子
虫篝果てて背山の星のかず 木下郁子
虫篝消えて瀬音の闇となる 大隈 草生
虫篝火色とゞかず湖暮るゝ 稲畑汀子
虫篝焚くやをちこち湯のけむり 司城 容子
虫篝燻りつつ雨降り初む 西村公鳳
虫篝着火待つ間の昔語り 龍神悠紀子
虫篝萱の茎束組み込めり 茨木和生 倭
蟲篝さかんに燃えて終りけり 高野素十
蟲篝もえてゐれどもはや十時 久保田万太郎 草の丈


以上
by 575fudemakase | 2014-06-30 10:34 | 夏の季語 | Trackback | Comments(0)


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らくらく例句検索

インターネットの「Google」や「yahoo」の検索ボックスから、季語等を入力して数多くの例句を得られれば大変便利である。

具体的に季語“新樹”の例句を求めるには、先ず検索ボックスに“新樹”と入力する。
その後、ひらかなで“れいく”と入力する。この時、日本語変換候補に幾つかの語彙が表示されるが、その中から“575筆まか勢”を選択する。
この結果、検索ボックスには “新樹575筆まか勢”と表示される筈である。
この用語で検索すれば求めるサイトが表示される。

但し、上述の ひらかなの“れいく”と入力して“575筆まか勢”を選択する為には、事前に小細工をしておく必要がある。
即ち、ユーザーズ辞書を使って “れいく=575筆まか勢”を定義しておく必要がある。以下はその指定方法。

ユーザーズ辞書定義

▼iPadの場合
設定>一般>キーボード>ユーザーズ辞書

単語 575筆まか勢
よみ れいく

▼kindleの場合
アプリ>設定>言語とキーボード>キーボードの設定>ユーザーズ辞書

読み れいく
表記 575筆まか勢

PCの場合も同様に「ユーザーズ辞書」機能を使い、前もって定義しておく。

春の季語から現在の当季季語までは既に表示可能である。
来年の三月末(2015年3月末)までに全季語について表示可能となる。

以上

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