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烏貝  の俳句

烏貝  の俳句

烏貝

例句を挙げる。

いくら掘つてもおんなじ黒さ烏貝 加倉井秋を 『真名井』
くはへゐる藁一とすぢや烏貝 黒米松青子
世の隅の闇に舌出す烏貝 北 光星
埋木と共に掘られぬ烏貝 高田蝶衣
山鳴りが烏貝ほど雫せり 栗林千津
春寒や蜆に交る烏貝 野風呂第一句集(表紙・背は野風呂句集) 鈴鹿野風呂
枯蓮や泥の深さの烏貝 野村喜舟 小石川
水潜り烏貝採り呉れし人 井手 芳子
池底に帯をしずめて烏貝 長谷川かな女 花 季
烏貝おろかな舌を出してゐる 篠田吉広
烏貝の臭ひが浦の活気なり 米澤吾亦紅
烏貝は獲れ砂まみれ春時雨 中村汀女
烏貝三つ四つのせて舟戻る 野村泊月
烏貝少女はいつか乳房抱く 上原勝子
烏貝拾ふ雑嚢といふ鞄 星野紗一
烏貝日の没る方を巷とす 加倉井秋を 午後の窓
烏貝泥におぼれて歩みゆく 火村卓造
烏貝獲る舟動くともなくて 原 鬼灯
烏貝釣りあげられてうすにごり 相馬柳堤
素志折らずその後の月日烏貝 宇佐美魚目 天地存問
藍甕のつぶやくごとし烏貝 新村千博
長靴の長くなりゆく烏貝 緒方 敬

烏貝 補遺 

蜆屋の別の桶には烏貝 阿波野青畝
備中の鍬に挟まる烏貝 阿波野青畝
馬に逢ひ似田貝の道暮れにはか 能村登四郎
縄文の泥をみなもと烏貝 百合山羽公 樂土
渡岸寺横手の溝の烏貝 岡井省二 鯛の鯛
傷ついて烏貝肉かがやくよ 加藤秋邨
春水や泥深く居る烏貝(号芳哉) 尾崎放哉 大学時代
手習に灯の入りたる烏貝 岡井省二 山色
烏貝鼾となつてゐたりけり 岡井省二 鯨と犀
烏貝雪解の音のはじまりし 岡井省二 有時
烏貝河童の泥をもらひけり 阿波野青畝
伊吹山西方の晝からす貝 岡井省二 鯨と犀

by 575fudemakase | 2017-04-30 10:00 | 春の季語 | Trackback | Comments(0)

芦の角 の俳句

芦の角  の俳句

芦の角

*えり沿ひに舟路色さす蘆の角 米澤吾亦紅
あかときの津の国にをり蘆の角 石脇みはる
いと長けて蘆の芽いまだ水を抽かず 大橋櫻坡子 雨月
きつ先に集まる力蘆の角 古賀昭子
さきたまの津のあとといふ芦の角 伊藤いと子
さきたまの津の跡という芦の角 伊藤いと子
さざ波の終点に立つ葦の角 石平周蛙
さざ波の来るたび消ゆる蘆の角(水郷潮来にあそぶ) 上村占魚 『一火』
しほらしき物を名づけて蘆の角 正岡子規
たましひの分列行進葦の角 池本光子
ちく~と潮満ち来るや芦の角 尾崎紅葉 紅葉句帳
ちく~と潮満来るや蘆の角 紅葉
ちくちくと潮満ち来るや蘆の角 尾崎紅葉
ひろごりし水輪つまづく芦の角 関夫久子
めぐる泡絶えず顫へて芦の角 泊雲
ややありて汽艇の波や蘆の角 水原秋櫻子
やゝありて汽艇の波や蘆の角 水原秋櫻子
ゆるやかに第一楽章蘆の角 河原貞子
葦の芽にまじるあやめの芽なりけり 久保田万太郎 流寓抄
葦の芽に流れつきたる藁一筋 今瀬剛一
葦の芽のつんと焦げ跡擡げたる 高橋昭夫
葦の芽や江心遠く川蒸汽 東洋城千句
葦の芽や舟幅だけの水に舫ふ 羽部洞然
葦の芽や水に映りしものの声 倉田一粒子
葦の芽や鳴子こけしのひと並び 安斎郁子
葦の角ひかりの渦に目覚めけり 内田 雅子
葦の角をとこ青くさきがよけれ 辻美奈子
芦の芽にまじるあやめの芽なりけり 万太郎
芦の芽に雁の古屎なつかしや 暁台
芦の芽に湛へて渦のゆるきかな 西山泊雲
芦の芽に砥水流すや船大工 巌谷小波
芦の芽のすべて尖りて受難節 長田等
芦の芽のはや角ぐめり蟹供養 小西康之
芦の芽の切磋琢磨の光かな 西村和子 かりそめならず
芦の芽の薄氷解くる日のまぶし 内藤吐天
芦の芽やいささか濁る浪逆浦 吉田高浪
芦の芽やふいと飛だる蟹の泡 古彦
芦の芽やむかし船宿ありし跡 吉屋信子
芦の芽やゆふべ迄なき水の皺 素丸
芦の芽や井戸端に研ぐ肥後守 大木あきら
芦の芽や行きずりの魚籠に鮒さわぐ 原田種茅 径
芦の芽や志賀のさゞなみ靴ぬらす 田村木国
芦の芽や車馬は止めある古き橋 吉屋信子
芦の芽や浪明りする船障子 村上鬼城
芦の角につまづき青年のデモを恐れ 香西照雄 素心
芦の角少年の日のことばかり 村田 脩
芦の角少年櫂を操れり 松藤夏山 夏山句集
芦の角水あかつきを鳴りいづる 野澤節子 遠い橋
芦の角舳先取られてしまひけり 藤井貞子
引き際の水撓みけり蘆の角 佐々木六戈 百韻反故 冬の皺
引く汐のひかりに葦の角五寸 代々木千代
鋭角と鈍角沼に芦の角 佐藤章恵
堰音のはやさにそろふ芦の角 仲田志げ子 『埋火』
横利根や蛇籠突き抜く芦の角 宮川杵名男
仮橋の軋みに癖や芦の角 中戸川朝人 尋声
海に入り川は自在に芦の角 廣谷幸子
海に入る村の小川や蘆の角 会津八一
干潮に犬遊び居る蘆の角 富田木歩
丸子船廃れて久し蘆の角 尾亀清四郎
牛の子の水のむ川や蘆の角 芦の角 正岡子規
魚籠つけて水おちつきぬ蘆の角 梅原黄鶴子
強奪という愛のあり蘆の角 高野ムツオ 蟲の王
橋もなし飛ばれぬ小川蘆の角 芦の角 正岡子規
景色まだ動いてをらず芦の角 細井路子
見え初て夕汐みちぬ芦の角 炭 太祇 太祇句選後篇
見え初めて夕汐みちぬ芦の角 太祇
見へ初て夕汐みちぬ芦の角 太祇
古利根の流れぬ水の蘆の角 奥沢竹雨
枯蘆の下から青む湖辺かな 芦の芽 正岡子規
江をわたる漁村の犬や芦の角 炭 太祇 太祇句選
降りいでて音無き雨や蘆の角 内山香葉
細波の水の明るみ葦の角 滝上正子
子は親を育てる蘆の角である 園ゆかり
子蛙の目ばかり育ち芦の角 佐藤よしい
死の灰が降る月明の芦の芽や 鈴木六林男
湿原の水の自在に芦の角 名取光恵
疾風富士水中芦の芽の育ち 川村紫陽
捨て舟の底つらぬきし芦の角 畑中とほる
若もの棹もち芦の芽の中に舟やる シヤツと雑草 栗林一石路
手賀沼の一ト冬過ぎぬ芦の角 瀧井孝作
舟の出し波がどぶんと蘆の角 石井とし夫
舟着けば水攻めに会ふ芦の角 藤野豊子
柔かに岸踏みしなふ芦の角 中村汀女
小波や見えては消ゆる芦の角 比叡 野村泊月
小波を溜めて芦の芽育ちたり 浅見千枝子
小鱗の見えては失せぬ芦の角 西山泊雲 泊雲句集
沼の彩葦の角より始まれり 岩崎すゑ子
城沼の角ぐむ葦の中の道 大澤三世木
真夜中に鋭く泣く子葦の角 山西雅子
水にうく日輪めぐり芦の角 爽雨
水の上水の下なる蘆の角 綾部仁喜 寒木
水郷の川波が噛む葦の角 天野淑子
水明り指呼に応へし蘆の角 河野多希女 こころの鷹
水面に出て風を知る芦の角 宮田俊子
西山に入る日は遠し芦の角 比叡 野村泊月
川淀や淡を休むる芦の角 猿雄 芭蕉庵小文庫
船を繋ぐ妓楼の裏や蘆の角 寺田寅彦
船津屋へ葦の芽ぐみをたしかめに 伊藤敬子
滞陣や蘆の芽水を抽きそめし 小田黒潮
大方は泥をかぶりて蘆の角 高濱虚子
大淀の浚渫船や芦の角 今泉貞鳳
昼酒を招ばれて戻る蘆の角 神田秀子
鉄のごとき水の色なり蘆の角 楠目橙黄子
渡舟水噛んで芦の芽を静かに進みけり 高濱年尾 年尾句集
怒り出すおのれが見えて芦の角 宮坂静生 春の鹿
東天の浦のひかりに蘆の角 大野我羊
難波江や干潟の限り蘆の角 芦の角 正岡子規
二艘来て一艘繋ぐ芦の角 大谷句佛 我は我
日のさせる水にさやかに蘆の角 高木晴子 晴居
日の当る水底にして芦の角 高浜虚子
日の当る水底にして蘆の角 高浜虚子
廃園の門とし見れば芦の角 水原秋桜子
薄氷をくるりと廻す蘆の角 太田土男
発心や朝日たばしる蘆の角 原田喬
比良かけて僅かの虹や葦の角 飴山實 辛酉小雪
皮ひてし穢多が入江や芦の角 炭 太祇 太祇句選
風すぢのことに鋭き芦の角 山口草堂
風にまだ尖りのありて芦の角 清水衣子
風潮のみに靡くは世人芦の角 香西照雄 素心
風波をかぶりかぶりて蘆の角 星野立子
鮒釣りの踏みいためたる蘆の角 宮川杵名男
満月の夜をひしめきて蘆の角 塚原いま乃
満々たる水に溺れず葦の角 和田知子
木片浮かせて杭めぐる水や芦の角 西山泊雲 泊雲句集
夕ぐれは水やはらかし芦の角 佐藤君子
和らぎし水より出でゝ芦の角 涼秀
毬ひとつ流れてきたる葦の角 藺草慶子
蘆の芽にかゝりて消ゆる水泡かな 村上鬼城
蘆の芽にとどかぬ汐の迅さあり 中島南北
蘆の芽に雁の古屎なつかしや 暁台
蘆の芽に水の綾生む投網舟 恩田 洋子
蘆の芽に湛へて渦のゆるきかな 西山泊雲 泊雲句集
蘆の芽に砥水流すや船大工 巌谷小波
蘆の芽に兵船渦をのこし去る 佐野良太 樫
蘆の芽に殷々として工場かな 大橋櫻坡子 雨月
蘆の芽の夕漣に紛れつゝ 中山碧城
蘆の芽やははの骨抱く父に蹤き 関戸靖子
蘆の芽やゆふべまでなき水の皺 素丸
蘆の芽や雲影消ゆく水闊し 富田木歩
蘆の芽や家鴨が卵落しゆく 内山 亜川
蘆の芽や蟹釣りの子の腹ン這ひ 富田木歩
蘆の芽や沙に疣ほる通り雨 金尾梅の門 古志の歌
蘆の芽や志賀のさゞなみやむときなし 伊藤疇坪
蘆の芽や神のみ池は深からず 橋本鶏二 年輪
蘆の芽や渡舟をたゝく俄雨 金尾梅の門 古志の歌
蘆の芽や入日をあびて着きし舟 成瀬桜桃子
蘆の芽や覗いて見たき人の本 加藤知世子 黄 炎
蘆の芽や浪明りする船障子 村上鬼城
蘆の芽を少女らとわれ翩翻たり 橋間石 和栲
蘆の角こころあそびて見つけけり 飛鳥田[れい]無公 湖におどろく
蘆の角汚職の紙面突き立てて 中戸川朝人 星辰
蘆の角死に打ちどめのなかりけり 大木あまり 火球
蘆の角吹かるるほどに伸びにけり 星野高士
蘆の角水中に立つ土けむり 太田土男
蘆の角濁り曳きつゝ蟹ありく 三色不撓
蘆の角踏まれ乱れしカヌー駅 高岡 千歌
蘆の角波に存在示しをり 中井冨佐女

芦の角 補遺

この町の思ひ出苦し芦の角 松崎鉄之介
さざなみが言い寄る蘆の芽の無帽 橋閒石 風景
さざ波の来るたび消ゆる蘆の角 上村占魚
されば社とがりもとげず蘆の角 小西来山
しほらしき物を名つけて蘆の角 正岡子規 芦の角
はなあやめ刈際清し蘆の角 野坡
ややありて汽艇の彼や蘆の角 水原秋櫻子 葛飾
芦の芽によする漣月上げて 山口青邨
芦の芽に肝つぶしてや居ぬ千鳥 松窓乙二
芦の芽に雁の古屎なつかしや 加藤曉台
芦の芽のうへに枯芦鳶の笛 岡井省二 明野
芦の芽の今伸びる時水やはらか 細見綾子
芦の芽も二葉に成てけふの海 芙雀
芦の角につまづき青年のデモを恐れ 香西照雄 素心
芦の角水あかつきを鳴りいづる 野澤節子 飛泉
芦の角水漬きて舟の齢尽く 上田五千石『森林』補遺
芦の角昔の水の流れ来る 中村汀女
芦の角恥てや雪の綿ぼうし 中川乙由
芦の角沈むことあり波たたむ 山口青邨
芦の角老朽伝馬船かこみ 鷹羽狩行
雨をたたふるほどに芦の芽そだちけり 大野林火 海門 昭和九年
家裏の水路の辻の蘆の角 上村占魚
牛の子の水のむ川や蘆の角 正岡子規 芦の角
橋もなし飛ばれぬ小川蘆の角 正岡子規 芦の角
靴底に踏み折りし音蘆の角 右城暮石 句集外 昭和六十一年
見え初て夕汐みちぬ芦の角 炭太祇
枯蘆の下から青む湖辺かな 正岡子規 芦の芽
湖の日や芦の芽ぐむを目のあたり 桂信子 花影
江をわたる漁村の犬や芦の角 炭太祇
今や次第に水あるところ蘆の角 中村草田男
汐ひくやちらちらそだつ芦の角 大野林火 冬青集 雨夜抄
上げ潮におさるゝ雑魚蘆の角 杉田久女
寝すがたの雲を突き上げ芦の角 鷹羽狩行
川の瀬やむかしながらの芦の角 諷竹
川淀や淡を休むる芦の角 猿雖
浅潮に透きて蘆の芽群かな 日野草城
船過て又起たちぬ芦の角 三宅嘯山
程よき喧嘩女等見物蘆の角 中村草田男
難波江や干潟の限り蘆の角 正岡子規 芦の角
廃園の門とし見れば蘆の角 水原秋櫻子 葛飾
梅は見き蘆の芽ぐむは見ず往なむ 加藤秋邨
比良かけて僅かの虹や葦の角 飴山實
皮ひてし穢多が入江や芦の角 炭太祇
武士のつよきを産か芦の角 除風
風潮のみに靡くは世人芦の角 香西照雄 素心
風波をかぶり~て蘆の角 星野立子
夕焼の水はかたしや芦の角 山口青邨
蘆の芽にかゝりて消ゆる水泡かな 村上鬼城
蘆の芽に上げ潮ぬるみ満ち来たり 杉田久女
蘆の芽に水ふりまける水車かな 村上鬼城
蘆の芽に蜑が家居のちらばりぬ 渡邊白泉
蘆の芽のかたき決意に触れて来ぬ 三橋鷹女
蘆の芽のひらき初むれば初袷 杉田久女
蘆の芽や汐通ふ湖の一つ岩 河東碧梧桐
蘆の芽や乗込さそふ夜の大雨 水原秋櫻子 旅愁
蘆の芽を少女らとわれ翩翻たり 橋閒石
蘆の角光り手袋の手に触れぬ 橋閒石 雪


by 575fudemakase | 2017-04-30 09:39 | 春の季語 | Trackback | Comments(0)

入学試験   の俳句

入学試験   の俳句

入学試験

あす受験前髪少しそろへやる 酒井みゆき
えびがにを釣る受験後の孤独顔 殿村莵絲子 遠い橋
かくばかり多弁なりしか受験終へ 高橋獺祭
きりきりと運河満船受験の刻 寺田京子 日の鷹
ゴムの葉にたまりし埃受験終ふ 渡辺満千子
こんなきれいな空合格の子と仰ぐ 中村明子
しづかなり受験待つ子らの咀嚼音 能村登四郎
ストーブの真赤受験期どつと来し 宮坂静生 青胡桃
ダウン一片受験子の胸離れけり 加賀荘介
どこか餅つき受験の寝髪炎なす 寺田京子 日の鷹
とんとんと二階を降りて合格子 豊田八重子
ビバルディ流るる書肆や合格子 高橋秀夫
ポップコーンはじけ合格通知来る 山崎千枝子
まつすぐに来し受験子に道ゆづる 森岡正作
もう誰もゐない合格発表板 北村幸子
ゆつくりと落葉受験期始まりぬ 橋本榮治 逆旅
わが病みし日の綿入を受験子に 堀口星眠 樹の雫
医師国家試験合格 中華鍋火柱上げ 西川ふじ子
一人づつきて千人の受験生 今瀬剛一
一組は受験子の居て年始客 戸田冨美子
一番バス受験子と乗り合せたる 鈴木しげを
雲中に白山ひかり受験の日 曽和信雄
遠会釈して合格の母子かな 永田耕一郎 雪明
鉛筆に残る歯のあと合格す 吉野トシ子
海を見る受験子の耳透きて大 前山松花
寒星とまたたき交す受験苦よ 平畑静塔
甘えたき時は腹へる受験の子 染谷佳之子
記憶追ふ目はまたたかず受験生 江川虹村
喫茶店いつもの席の受験生 関口美子
久に会ふ友も受験の子とありぬ 小林 廣子
牛羊の日向に遠く受験待つ 木村蕪城 寒泉
教へ子行けり受験場扉を閉しけり 近藤 実
胸に抱く合格番号鳥雲に 船渡川俊
携帯をはみ出す笑顔合格す 福田節子
欠航や急く受験子に漁舟発ち 新田巣鳩
元日や炬燵の上に受験の書 相馬遷子 雪嶺
胡瓜皆すんなり基準値合格品 高澤良一 素抱
誤字ひとつぶっきらぼうな受験絵馬 松本三千夫
校門の風雨にたどりつく受験 亀井糸游
香煙を両手でかぶる受験の子 栗山妙子
合格す雪降る夜は雪まみれ 加藤瑠璃子
合格と四十貧乏はじまりぬ 中山フジ江 『富士南』
合格の吾子迎へて灯は田々に 久米正雄 返り花
合格の子さりさりとサラダ食む 高田よし子
合格の子とゐて家を包む雨 亀井糸游
合格の子と漱石を話しけり 藤田あけ烏 赤松
合格の子に大いなる春の月 村松治郎
合格の子の成長を眩しめり 入江和枝
合格の全身をもてジャズ聴けり 角 光雄
合格の通知来らず春の雨 吉屋信子
合格や光は影を脱ぎ棄つる 伊藤敬子
合格や地も恩沢の七彩に 伊藤敬子
合格を決めて主審の笛を吹く 中田尚子
合格を告げて一人になりにゆく 田中清之
合格祈願絵馬とま闇を恋の猫 諸角せつ子
合格子上り框で声上ぐる 瀬野美和子 『毛馬堤』
合格子伴れくる二月礼者かな 田中英子
合格少年走るや疎林はだれ雪 鍵和田[ゆう]子 未来図
合格達磨ころがし選ぶ初大師 渡辺方子
合格電話ぼた餅の手に汚したる 松倉ゆずる
合格報雪解しづくの激しき中 田中英子
酷寒や焦眉に迫る子の受験 相馬遷子 山国
黒板といふ黒見つめ受験待つ 櫻井幹郎
黒板に繭玉の影受験塾 沢木欣一
今年また受験子のゐる二階かな 鈴木しげを
三ヶ日だけは休みて受験の子 高橋妙子
三色菫も菜の花も舞へ合格す 石田あき子 見舞籠
山茱萸や合格の子の手の火照り 原田天秋
散髪と受験日を記す初暦 東 静子
子の手ぬくし合格通知見せに来て 杉本寛
子の受験へいく日残らむ松納め 塩谷はつ枝
子の受験言ふのみの友ゐてかなし 及川貞 夕焼
師を囲みみくじ見せ合ふ受験生 熊沢 豊
志望校八つまで書ける受験絵馬 高澤良一 暮津
自己採点すれば合格大試験 藤岡敏郎
自転車が空を飛びしと合格子 遠藤慶奈
若鹿の総き耳もつ受験の子 佐藤勇奈男
手に触るる限り磨きて合格子 都筑智子
手を引かれ初天神へ受験の子 長谷川芳水
手荷物の目覚し鳴り出す受験生 田中こずゑ
首出して湯の真中に受験生 長谷川双魚
受験の甥一間に居りて音立てず 殿村菟絲子
受験の子あれば心に初天神 轡田 進
受験の子に朝ごと赤き牡丹の芽 加藤知世子 黄 炎
受験の子易々と校門過ぎにけり 佐野青陽人 天の川
受験の子去りがての炉を開きけり 村上 光子
受験の子重ね励すこと控ふ 篠田悌二郎 風雪前
受験の子出でゆきし後われも出づ 篠田悌二郎 風雪前
受験の子部屋片付けて発ちてをり 岡田順子
受験の子夕陽背負ひて帰り来る 田中澄子
受験禍の母子電柱に相寄りて 中村草田男
受験絵馬よりはみ出して恋の絵馬 松本由美子
受験絵馬声なき声の迫りくる 村田冨美
受験絵馬中に一つの恋の絵馬 早田輝風
受験期のもみあげのびて愛しさよ 軽部烏頭子
受験期の花粉症こそ哀しけれ 大塚赤牛
受験期の教師集まりやすきかな 森田 峠
受験期の子どもの背中風が挿す 山田一男
受験期の少女に蒼きけものの香 渡辺千枝子
受験期の梅がよそよそしく匂ふ 瀧 春一
受験期の母てふ友はみな疎し 山田みづえ
受験期の夜や突然にジャズ鳴らし 山崎ひさを
受験期の夜明の田水しろがねに 中拓夫
受験期や丸薬咽喉に滞る 奈良文夫
受験期や少年犬をかなしめる 藤田湘子
受験期や深空に鳥の隠れ穴 岩淵喜代子 硝子の仲間
受験期や霜の木橋の釘が浮き 宮坂静生 山開
受験期や多摩の畷の土けむり 中 拓夫
受験期や湯をくたくたに沸かしめつ 伊藤 敬子
受験期や宝塔攀づる金の竜 大島民郎
受験期や目なし達磨の深夜の眼 加藤知世子
受験期や夜は直ぐなる幹ばかり 波多野爽波 『湯呑』
受験期や夜明の田水しろがねに 中拓夫 愛鷹
受験期を人ごとと聞き齢古る 伊東宏晃
受験苦の花明に湛ふる窓一つ 西島麦南 人音
受験行少女マントに身をつゝみ 岸風三楼 往来
受験合格翅もつごとく春の街へ 吉川与音 『琴柱』
受験子にすすめしマスク捨ててあり 塩谷はつ枝
受験子にふくらみ大き旅鞄 谷中隆子
受験子に駅まで犬のついて来し 杉本憲治
受験子に出航はばむ靄あつし 多田羅夜浮
受験子に母の緊張見せまじき 黒川悦子
受験子に夜のあたたかさまたあはれ 篠田悌二郎
受験子のいつも空腹青田澄み 宮坂静生 雹
受験子のおとがひ細く戻りけり 中崎良子
受験子のお洒落ごころは別にあり 山田弘子 螢川
受験子のたてじわ厳し寒波来る 奈良文失
受験子のまつすぐな目と向き合へる 波戸岡旭
受験子の影屈折し発ちにけり 鈴木良戈
受験子の遠き目をしてそらんずる 山内山彦
受験子の絵馬に誤字あり脱字あり 入谷美枝子
受験子の鞄お守り忍ばせて 市橋幸代
受験子の寒い寒いと言ひ小さし 今瀬剛一
受験子の言葉少なに戻りけり 梅田實三郎
受験子の紅き耳たぶ薺粥 松村多美
受験子の出でたる飯屋わが入りぬ 井沢正江 晩蝉
受験子の出てゆくを仔犬かなしめり 皆川白陀
受験子の点眼星の雫めく 村上喜代子 『雪降れ降れ』
受験子の登りて海を見る木かな 長谷川双魚
受験子の投石海へくりかへす 太田昌子
受験子の灯影に太る軒氷柱 五十嵐春男
受験子の髪ふつくらと切り揃う 高橋正子
受験子の膝そろへたる余寒かな 斉藤夏風
受験子の母より解かれ京にあり 山田弘子 螢川
受験子の戻りぬいまだ首尾問はず 千代田景石
受験子の夕餉のキャベツ大盛りに 館岡沙緻
受験子の旅立つ朝を常の如 稲畑汀子 汀子第二句集
受験子の煌々灯し眠りをり 堀口星眠 営巣期
受験子へ火柱上ぐる中華鍋 酒井多加子
受験子へ見守るのみの花活ける 秋山愛子
受験子へ言ひ忘れたることなきや 西村和子 かりそめならず
受験子へ言葉もかけず見送れる 岡安紀元
受験子や靴のかかとの傾ぎ癖 昆みき
受験子よ海は背骨の太い馬 植田 密
受験子ら待つ牛羊の声の中 木村蕪城 寒泉
受験子をひとり乗せたる昇降機 横山房子
受験子を見守る距離を心得て 山田弘子 螢川
受験子を今は見守るほかはなく 稲畑汀子
受験子を持たぬ倖せ不倖せ 池田笑子
受験子を待つ学校の大金庫 松村富雄
受験子を励まし風邪をいたはらる 林翔 和紙
受験児とぼうたんの芽と雪狂ふ 太田鴻村 穂国
受験児の横たへおける松葉杖 木村蕪城 寒泉
受験終へぬ四月となりてゐし朝餉 及川 貞
受験書に俯伏し眠る覚ますべし 那須 乙郎
受験生かなしき莨おぼえけり 篠原鳳作
受験生みどりを連れてあるきけり 長谷川双魚 風形
受験生みな深海の貌をもつ 中村正幸
受験生嬉々と絵雛をかへり見ず 佐野青陽人 天の川
受験生呼びあひて坂下りゆく 広瀬直人
受験生乗せて満員電車かな おおば水杜
受験生部屋かたづけて去りゆけり 大久保灯志子
受験生来てさまよへり遊園地 相馬 遷子
受験生離れてひとり船の枡 高井北杜
受験待つ膝に手垢の冬帽子 中村菜村
受験日の鳶色の眼を発たせけり 都筑智子
受験日の母ジャケツト狭秋し 遠藤寛子
受験日やしちめん鳥に雪飛んで 木村蕪城 寒泉
受験発表見しは母かも歩の遅し 中田 樵杖
受験発表人去り母子また立てり 藤野 力
受験票忘れて来し子藪柑子 檜山哲彦
受験勉強父より大き足袋穿きて 田中灯京
受験了ふ観音山の日向みち 田中鬼骨
秋の夜の子が聞く受験講座憂し 相馬遷子 山国
春雪に寧かれ誰彼受験子よ 及川貞 夕焼
純白のマスクぞ深く受験行 岸風三楼 往来
初閻魔合格祈願のだるま買ふ 下瀬川慧子
乗り継いですぐ本開く受験生 中垣紫星
振り向かず行く受験子の消ゆるまで 原田稀世
真四角な消しゴムをのせ受験票 森田公司
神苑のもの言はぬ木と受験の子 伏見青雲
水洟をも傍観受験の吾子死なせし 香西照雄 素心
制服のままに寝落ちし受験生 吉川智子
晴風雪合格以後の三日長し 相馬遷子 雪嶺
静かなる受験を明日の糊仕事 石川桂郎 含羞
大学に鹿三頭の合格す 和田悟朗
誰かまた鳥の名を言い受験生 伊藤淳子
地球儀を抱へて戻り合格す 松山足羽
鳥小屋に鳴かぬ鳥ゐて受験生 益永孝元
通草の実割れ乳色の受験生 対馬康子 吾亦紅
貼紙の一枚も無き受験室 安養寺美人
田は一代工高受験許しけり 藤井洋舫
杜鵑啼くや伏屋の受験生 尾崎紅葉
東京やからからと鳴る受験絵馬 福井隆子
灯を消して受験の明日へ星明り 永田二三子
豆を撒く喜寿と受験子声揃へ 田中英子
童子にも受験苦三寒四温かな 草間時彦
栃冬芽鋼びかりよ受験前 宮坂静生 山開
日焼して受験地獄はもう遥か 山田弘子 螢川
入学試験最中南風吹きにけり 増田龍雨 龍雨句集
入学試験子ら消ゴムをあらくつかふ 長谷川素逝
入学試験幼き顔頚の溝ふかく 中村草田男
熱し弾くピアノ受験生霰やむ 及川貞 夕焼
年ごろの頬を受験に削がれける 篠田悌二郎
薄鬚の受験子かなし寒卵 石田あき子 見舞籠
風に鳴る合格御礼絵馬なりし 浅井清香
文殊会の火の粉を浴びる受験の子 鈴木大林子
母留守の父に受験子夕炊ぐ 堀口星眠 樹の雫
奉安庫拝みて消えぬ受験生 佐野青陽人 天の川
末つ子の受験に励む太郎月 高澤良一 さざなみやつこ
猛牛の絵馬に祈願の受験生 小山曲江 『余韻』
目玉焼の目の全きを受験子に 村上喜代子 『雪降れ降れ』
目貼剥ぐ受験の旅に遺りし留守 河野頼人
夜の雪や受験の吾子が居睡りて 相馬遷子 山国
夜の鞦韆受験子の来て鳴らし去る 金子 潮
友のこと問へば不機嫌合格子 堀口星眠 樹の雫
来客の赤子あやして合格子 松岡和子
恋の絵馬受験の絵馬にかくれけり 大島民郎
連翹の枝にさされて受験の子 長谷川かな女 花 季
檻のやうなる金属ベッドを組み立てて息子は憩ふ受験終りて 花山多佳子
漾の水菜少年合格す 今井竜蝦
蚯蚓鳴くバット大振り受験生 川崎展宏
髯剃れと言へばすぐ剃り受験の子 今瀬剛一


入学試験 補遺

しづかなり受験待つ子等の咀嚼音 能村登四郎
よく理屈言ふ受験子のよく落ちし 松崎鉄之介
何見るとなき受験子の大き瞳よ 能村登四郎
牛羊の日向に遠く受験待つ 木村蕪城 寒泉
侠客の墓石欠いて合格す 金子兜太
強さ俺似か 受験少女の髪を撫でる 伊丹三樹彦
空に舞ふものと別れて受験かな 加藤秋邨
犬に掌を舐らせ受験明日にす 能村登四郎
元日や炬燵の上に受験の書 相馬遷子 雪嶺
枯れ色に紛れて帰る受験生 廣瀬直人 帰路
吾は試験官入学試験始まりぬ 山口青邨
吾子受験未明ひそかな湯のたぎり 能村登四郎
合格の祝ひの母子旅らしき 伊藤白潮
合格子土手に自転車横倒し
酷寒や焦眉に迫る子の受験 相馬遷子 山国
山国の舗道固しや受験生 飯田龍太
子の受験言ふのみの友ゐてかなし 及川貞 夕焼
紙屑ゆく徹夜の受験生ならむ 加藤秋邨
受験に急ぐ子が二三人海石榴市に 能村登四郎
受験の子 寝落つ 睫毛の一直線 伊丹三樹彦
受験の子に炎天の手毬唄 飯田龍太
受験禍の子の手にうすき菓子最中 中村草田男
受験禍の其子がきのふもけふもあはれ 中村草田男
受験禍の母子電柱に相寄りて 中村草田男
受験絵馬鎧はせ給ひ道真忌 百合山羽公 樂土以後
受験期や遠縁のものたより来て 山口青邨
受験期や忽々と映画替りつつ 能村登四郎
受験期や少年犬をかなしめる 藤田湘子 途上
受験期や敗残の画家ぬりつぶす 有馬朗人 母国拾遺
受験期や氷上の傷縦横に 岡本眸
受験期や夜は直ぐなる幹ばかり 波多野爽波
受験季の貨車古びたるままの色 廣瀬直人
受験季の林往き戻り径うまる 水原秋櫻子 残鐘
受験季へ芦原の吹き乱れつつ 廣瀬直人
受験苦に迫る真冬の蜘蛛の糸 飯田龍太
受験苦の屋根にまろべる雀ども 村山故郷
受験苦の花明に湛ふる窓一つ 西島麦南 人音
受験苦や咲く間のながきシクラメン 三橋鷹女
受験子にかりそめなりし椅子机 能村登四郎
受験子に附き添ひをるは姉らしく 清崎敏郎
受験子の紅梅を見てうつつなし 山口青邨
受験子の声が先づ出て電話口 伊藤白潮
受験子の髪刈りて来し眼のうるみ 能村登四郎
受験子の旅立つ朝を常の如 稲畑汀子
受験子ら待つ牛羊の声の中 木村蕪城 寒泉
受験子を励まし風邪をいたはらる 林翔 和紙
受験児の横たへおける松葉杖 木村蕪城 寒泉
受験終へぬ四月となりてゐし朝餉 及川貞 夕焼
受験生マントひるがへし街頭ヘ 山口青邨
受験生易断の灯に胸染めをり 能村登四郎
受験生肩に雲脂積み空に飛機 飴山實 おりいぶ
受験生呼びあひて坂下りゆく 廣瀬直人 帰路
受験生雪舞ふ村の道に出づ 廣瀬直人
受験生窓より寺の石榴とる 細見綾子
受験生大学の門を散りゆけり 山口青邨
受験生汝も一発必中成る 山口誓子
受験生来てさまよへり遊園地 相馬遷子 山国
受験日の十字路に雪舞へるなり 飯田龍太
受験日の霧雨かかる檻の鳥 飯田龍太
受験日の霧雨かかる襤の鶴 飯田龍太
受験日やしちめん鳥に雪飛んで 木村蕪城 寒泉
受験了へその二三日の黙ふかし 能村登四郎
受験了へ不安聊か髪を刈る 能村登四郎
秋の夜の子が聞く受験講座憂し 相馬遷子 山国
春雪に寧かれ誰彼受験子よ 及川貞 夕焼
春泥一すじ合格してない子の歩みも 古沢太穂 火雲
女子事務員専検合格の報と病む 安住敦
少年に受験苦金魚の麩みな浮く 細見綾子
乗り合せ受験子らしき眼の寒さ 能村登四郎
色灯の下に白灯や入学試験果てぬ 中村草田男
水洟をも傍観受験の吾子死なせし 香西照雄 素心
晴風雪合格以後の三日長し 相馬遷子 雪嶺
静かなる受験を明日の糊仕事 石川桂郎 含羞
雪にぶち撒く洗顔の水受験生 能村登四郎
雪中の滝克明に受験生 飯田龍太
巣ごもりの鶴の絵朝寝は受験の果 中村草田男
第一乙種合格その夜逢ひに出づ 伊丹三樹彦
徴兵検査合格以来や五十年 三橋敏雄
難問をあはれ解きたり受験生 山口青邨
入学試験幼き頸の溝ふかく 中村草田男
猫が舐むる受験勉強の子のてのひら 加藤秋邨
猫柳ほつほつ家に受験生 森澄雄
熱し弾くピアノ受験生霰やむ 及川貞 夕焼
壁をたよりに乙女の入学受験の座 中村草田男
夜の雪や受験の吾子が居睡りて 相馬遷子 山国
葉まりてくらき熱気の受験生 能村登四郎
裏の受験生竹藪を抜け来たり 廣瀬直人
連翹の黄の一翔に合格す 上田五千石『森林』補遺

by 575fudemakase | 2017-04-30 09:34 | 春の季語 | Trackback | Comments(0)

磯開  の俳句

磯開  の俳句

磯開

例句を挙げる。

にぎやかにほら貝吹いて磯開き 三浅馨三
一反の晒あかるき磯開 中原道夫
二歩退いて波をかはしぬ磯開き 和田俊子
固まつて来る海女たちや磯開き 小野寺信一郎
子供等の籠にも和布磯開 黒川六郎
字の名の針木鼠鳴磯開き 二神節子 『砥部』
対岸の鳴門の浜も磯開 山田眉山
小舟はや傾き戻る磯開 廣瀬照子
庭凪ぐといふ日に会ひぬ磯開き 田中勝二
弁天の祠の岬磯開く 鈴木灰山子
断崖に鵜の群憩ふ磯開き 川辺房子
流木の燠燃え上がる磯開き 酒井 武
浜小屋に残る手鏡磯開き 畑中次郎
海の色今日より変る磯開き 佐藤信子
海女たちにうち交りゆく磯開 元吉孝三郎
海女なりし老が物売る磯開き 藤田湘子 雲の流域
潮垂るゝ若布と鮑磯開き 尾上萩男
濡れてより波をいとはず磯開 木内彰志
磯地蔵恃まれてゐる磯開 古本二三子
磯開きにはかかはりのなき貝も 後藤夜半 底紅
磯開きホツトパンツの母と子に 田村恵子
磯開き山国の児も祓はれる 滝田英子
磯開き掘り出す貝の鳴きにけり 松添博子
磯開き海女より多く海女の子ら 吉野月桜子
磯開き陣形の海女沖へ沖へ 佐藤信顕
磯開けの海女と呼ぶには初々し 伊藤嶺水
磯開ちかき明るさ海にあり 村元子潮
磯開大きな月の昇りけり 宮坂静生 春の鹿
磯開布衣新らしき海女母子 山本柊花
磯開昔のまゝの村掟 宮崎箕水
箱眼鏡積み磯開けの下見舟 榊原清允
蜑小屋を風の素通る磯開き 村岡 悠
軋み着く浜の電車や磯開き 守谷順子
鳶の輪の岬外れや磯開き 石田波郷

磯開き 補遺 

飛びとびてゆく蜑の脛磯びらき 及川貞 夕焼
太郎鮫血祭にして磯びらき 野見山朱鳥 荊冠
松山に喧嘩とんびや磯開き 弟子 星野麥丘人
漁舟つひに初島隠れや磯びらき 及川貞 夕焼
花菜道海女一列に磯開き 上野泰
火を焚けり磯開日和よろこびて 阿波野青畝
磯開とて海女達の往き交へる 清崎敏郎
磯開き海女の縄張り侵すまじ 鈴木真砂女 紫木蓮
磯開き一番鎌をふる女 鈴木真砂女 都鳥
磯開き以後サーフィンに海任す 百合山羽公 樂土以後
磯開きにはかかはりのなき貝も 後藤夜半 底紅

by 575fudemakase | 2017-04-30 09:29 | 春の季語 | Trackback | Comments(0)

荻の角  の俳句

荻の角  の俳句

荻の芽

一面に角ぐみいづれ荻ならん 河野美奇
荻の芽にあり一寸のこころざし 小澤和彦
荻の角かたむき合うて一とところ 坊城としあつ
荻の角水のきらめき従へし 高浜朋子
荻の角水辺の色にまぎれけり 岡安仁義
岸辺埋めゆく荻の芽の固けれど 稲畑汀子
今日見しは角組む荻か肯へり 森安より子
水はねて突と角組む荻なりし 星野椿
水音の耳うち荻の角組まれ 和久田隆子
生えそめて水光りけり荻の角 高橋悦男

by 575fudemakase | 2017-04-30 09:14 | 春の季語 | Trackback | Comments(0)

球根植う   の俳句

球根植う   の俳句

球根植う

例句を挙げる。

ふかぶかと百合植ゑつまらなくなりぬ 大木あまり 雲の塔
みなどこか歪む球根植ゑにけり 片山由美子 天弓
手にふれし芽を上むきにダリア植う 西垣 脩
父の忌の近し球根植ゑにけり 片山由美子 風待月
球根植う毛に蔽はれし神父の手 町垣鳴海
球根植う等間隔にがまたやっかい 高澤良一 石鏡
球根植う間合をいとも厳密に 高澤良一 石鏡
球根植ゑ土塊も雨の糸をひく 成田千空 地霊
百合植うるうしろに妻が灯をかざす 五所平之助
百合植ゑて土かけ過ぎし思いかな 安田蚊杖
芽の先をたしかめて秋の球根植う 乾 澄江


by 575fudemakase | 2017-04-30 08:51 | 春の季語 | Trackback | Comments(0)

雛市  の俳句

雛市  の俳句

雛市

例句を挙げる。

あそびゐる身を雛市に見出しぬ 森川暁水 黴
さそはるる雛市隣の店も見たし 田中英子
土雛市桃は*しもとに緋をあつむ 松木敏文
旗鳴つて雛市立てり畦のくま 石川桂郎
母と子と電車待つ雛市の灯 河東碧梧桐
通り抜けきし雛市の赤に酔ひ 嶋田摩耶子
雛市に佇みすぎし妻を呼ぶ 大牧 広
雛市に帽たゞよふも一教師 石田勝彦
雛市のはづれは風の匂かな 林 翔
雛市の京都の雛の黒き袍 高木晴子 晴居
雛市の早や立ちにけり人通り 小澤碧童 碧童句集
雛市の残り土雛掌にぬくし 野澤節子
雛市の灯り雨の日本橋 谷川虚泉
雛市も垣間見常慶のんかうへ 及川貞 夕焼
雛市も通りすがりや小買物 高浜虚子
雛市やかまくらめきし薄被 一茶 ■文化五年戊辰(四十六歳)
雛市やゆふべ疾風にジヤズのせて 『定本石橋秀野句文集』
雛市や幻の子を連れて見る 尾形不二子
雛市や浅間小浅間晴れわたり 堀口星眠 樹の雫
雛市や異人の妻に人たかる 寺田寅彦
雛市や黄塵荒ぶ仁王門 石田あき子 見舞籠
雛市を目うつりしつゝ歩きけり 清原枴童 枴童句集
鞠躬如として雛市に従へり 安住敦
いち早く前山暮るる雛の市 永方裕子
ぬかるみの道の狭さよ雛の市 阿部みどり女 笹鳴
もとめずも心足らひぬ雛の市 及川貞 夕焼
ゆきずりの男さすらふ雛の市 生嶋紀代
人の立つ後ろを通る雛の市 高浜虚子
奥飛騨の風の重たし雛の市 北見さとる
真向ひに蔵王のかすむ雛の市 鈴木昌三
街に出で長靴重し雛の市 山田芳子
野の梅の的礫として雛の市 川島彷徨子 榛の木
雪残る出羽三山や雛の市 上田 芳子
ちちの実の知知夫の口の雛の店 加倉井秋を
ひょろひょろと松が軒より雛の店 福田蓼汀 山火
灯の入りて宴のごとし雛の店 梛すゞ子
男来て鍵開けてゐる雛の店 鈴木鷹夫
金屏に昼を灯す雛の店 野見山ひふみ
雛の店どこよりも早く灯せり 桜井博道 海上
雛の日の灯を煌々と雛の店 相馬沙緻
飴も売りにはかに雛の店となる 古館曹人
雛見世の灯を引ころや春の雨 蕪村
雛売場にて音消せり松葉杖 浅井久子

雛市 補遺

ひょろひょろと松が軒より雛の店 福田蓼汀 山火
よく見れば坊が妻なり雛買 鈴木道彦
鞠躬如として雛市に従へり 安住敦
雛市とまづ伊勢丹が屋に描く 中村汀女
雛市に見とれて母におくれがち 杉田久女
雛市に時費して悔もなし 能村登四郎
雛市のまだ見ぬ方へ見し方へ 鷹羽狩行
雛市も垣間見常慶のんかうへ 及川貞 夕焼
雛市や(ささげ)て通る花使ひ 寥松 八朶園句纂
雛市やて通る花使ひ 寥松
雛市やゆふべ疾風にジヤズのせて 石橋秀野
雛買うたらしき包みを夫婦して 高田風人子
雛買うて日向を帰る山の町 鷲谷七菜子 花寂び
雛買うて疲れし母娘食堂へ 杉田久女
雛買はん妻子の願ひ草芽ぐむ 橋閒石 雪
雛売らう~一狂言師 高野素十
雛売れて達磨さびしき道の端 正岡子規雛
雛売れて達磨淋しや道の端 正岡子規 雛
蝶伴れて知多の土雛売が来る 大野林火 方円集 昭和五十二年
道路で唱ふ月島の子や雛の店 中村草田男
万以下の雛気に入らず雛売場 右城暮石 句集外 昭和三十八年
老いし二人だけが眺める雛買ふ 能村登四郎

by 575fudemakase | 2017-04-30 06:37 | 春の季語 | Trackback | Comments(0)

桃の節句   の俳句

桃の節句   の俳句

桃の節句

例句を挙げる。

にせ窓に桃の日そんな桃源境 加藤郁乎
ほのぼのと桃の節句の軒に雪 近藤一鴻
声のぼる桃の節句の空の紺 堀 古蝶
天日の上巳の節供を松青し 田平龍胆子
峡深く桃の節句の少女かな 山田真砂年
昼空に月あり桃の節句なり 宮津昭彦
桃の日であり耳の日であることを 蔦三郎
桃の日にして浪たかきみづうみよ 中田剛 珠樹
桃の日に母に津波の記憶あり 小原啄葉
桃の日に生まれし人の祝わるる 安倍晴子
桃の日の*たもに鮃のぱたぱたす 中桐晶子
桃の日のつひに月さしわたる畝 中田剛 珠樹
桃の日のひとりの長湯たのしめり 中山純子
桃の日のひひなと遊び城にあり 窪田佳津子
桃の日のふと華やぎて書く便り 稲畑汀子
桃の日の優しき山のかたちかな 山戸暁子
桃の日の子が叩きをり浮氷 荏原京子
桃の日の少女しづかに湯を使ふ 折井紀衣
桃の日の少女の胸へ聴診器 新明紫明
桃の日の床几に何も落ちてこず 田中裕明 花間一壺
桃の日の早物語あつたとさ 二村典子
桃の日の月を捉へしオプラート 栗林千津
桃の日の母に送りし昔菓子 黒田杏子 花下草上
桃の日の母校小さくなりにけり 森田智子
桃の日の田水豊かに家の前 松風悠風
桃の日の絵本の上の鋏かな 大木あまり 火球
桃の日の翌日もまた美しき 小西昭夫
桃の日の藍に替りし湯屋のれん 加古宗也
桃の日の障子のまへに立てば開き 田中裕明 花間一壺
桃の日の障子の前に立てば開き 田中裕明
桃の日や下部酒もる蒸鰈 白雄
桃の日や深草焼のかぐや姫 一茶
桃の日や焼酎飲んで産院へ 田川飛旅子 花文字
桃の日や老婆の鼻下の産毛密 田川飛旅子 花文字
桃の日や蛤ほどの小銭入れ 諧 弘子
桃の日や蟹は美人に笑るゝ 服部嵐雪
桃の日や車の荷より帽子箱 古舘曹人 樹下石上
桃の日や雛なき家の冷じき 高井几董
桃の日や高空にある風の音 鈴木鷹夫 千年
桃の日や魚屋の魚の目鼻立ち 三矢らく子
桃の日を白瀬の照りのなかにをり 斎藤梅子
桃の節句獣の舌も桃色に 加藤かけい
母逝けり桃の節句の一時半 星野 椿
海女たちの結ひあふ桃の節句髪 村田青麥
疎開でおらぬ子の桃の節句に出しておく晴着模様の鶴 橋本夢道
目覚めけり上巳の餅を搗く音に 相生垣瓜人
看取りゐて桃の節句を忘れゐし 川口咲子
眼覚めけり上巳の餅を搗く音に 相生垣瓜人
耳の日と云ふなり耳を一顧せり 相生垣瓜人 明治草抄
耳の日の耳のほとりの言の葉や 相生垣瓜人
耳の日の訴えを聴く仏長耳 長谷川かな女 花 季
耳の日の象に重たき鼻のあり 相原利生
耳の日は隠れ季語めくものなりし 能村研三
耳の日やわが耳少し疑ひて 安斉君子
耳の日や人々耳を聳やかし 相生垣瓜人 明治草抄
耳の日や耳大いなる仏達 相生垣瓜人 明治草抄
茶碗あり銘は上巳としるしたり 高濱虚子
雛の日の郵便局の桃の花 深見けん二
雛寒し桃の節句に桃の咲かぬ国 河野静雲
青年がきて桃の日の手巻寿司 吉田祐子
餅を負ひ桃の節句の使かな 瀧澤伊代
雛の日の入日雑木にさし込める 高澤良一 さざなみやっこ
お節句に間に合ふやうに桃の咲く 高澤良一 随笑
晴天三日節句を待たず桃ひらく 高澤良一 素抱
桃どちのけふは節句と云ひ交し 高澤良一 素抱

桃の節句 補遺

うたゝ寝の覚むれば桃の日落ちたり 内藤鳴雪
その噂おくれとどけり耳の日に 能村登四郎
みよしのゝ里にも桃の節句かな 桜井梅室
耳の日があるなり風の日の中に 相生垣瓜人 明治草
耳の日ぞ養耳の事に力めばや 相生垣瓜人 負暄
耳の日とよび裏行事めきしかな 能村登四郎
耳の日と云ふが冷たき耳にあり 相生垣瓜人 明治草
耳の日と云ふなり耳のこそばゆし 相生垣瓜人 負暄
耳の日と云ふなり耳を一顧せり 相生垣瓜人 明治草
耳の日に鏡裡の耳を憐めり 相生垣瓜人 明治草
耳の日に當りて耳の動ぜざる 相生垣瓜人 明治草
耳の日の耳のほとりの言の葉や 相生垣瓜人 明治草
耳の日の半分に聞く褒め言葉 能村登四郎
耳の日や古耳とても映ゆべかり 相生垣瓜人 明治草
耳の日や耳すこやかも不倖 能村登四郎
耳の日や耳のみ老いをのがれゐて 能村登四郎
耳の日や耳大いなる仏達 相生垣瓜人 明治草抄
耳の日や耳大いなる佛達 相生垣瓜人 明治草
耳の日や人々耳を聳やかし 相生垣瓜人 明治草
雛の日の来ずして耳の日の来たり 相生垣瓜人 負暄
村ぢゆうが手にとるごとく桃節句 鷹羽狩行
桃の日のわが家に桃子なかりけり 星野麥丘人 2002年
桃の日の寿司出来家の者ばかり 高田風人子
桃の日や下部酒もる蒸鰈 加舎白雄
桃の日や蟹は美人に笑るゝ 嵐雪
桃の日や姉と遺りて母泣かす 岸田稚魚
桃の日や車の荷より帽子箱 古舘曹人 樹下石上
桃の日や女使のつき~し 琴風
桃の日や水を脊にせる家作り 三宅嘯山
桃の日や雛なき家の冷じき 高井几董
立子の訃なりし上巳のつちぐもり 百合山羽公 樂土以後

by 575fudemakase | 2017-04-30 06:33 | 春の季語 | Trackback | Comments(0)

白酒  の俳句

白酒  の俳句

白酒

例句を挙げる。

あるだけの花あるだけのお白酒 田中裕明 櫻姫譚
おみなごの鬱や白酒澄みゆけり 寺井谷子
お白酒とろりと落ちて満ちにけり 松尾静子
たわやめのあえかに酔ひぬお白酒 日野草城
ほとほとと白酒をつぐ霞かな 田川飛旅子
俳名即ち戒名お白酒 黒田杏子 花下草上
処女みな情濃かれと濃白酒 松本たかし
杯に白酒音もなく満ちぬ 田村了咲
母乳より濃き白酒をつがれけり 嶋田麻紀
滞り~注ぐ濃白酒 阿波野青畝
甕竝めて白酒(しろき)や黒酒(くろき)濃き淡き杓に汲み分け賣るぞわがわざ 高橋睦郎 飲食
白酒にさざめくといふことのあり 後藤夜半 底紅
白酒にほのかに酔ひて琴弾ける 田中冬二 俳句拾遺
白酒に恋ほのかなる朱唇かな 青峰集 島田青峰
白酒に手足ものうくなりにけり 澤村昭代
白酒に酔うても見せて夫のまヘ 大石悦子 群萌
白酒に酔ひしにやあらん愉しかり 高橋淡路女 淡路女百句
白酒のすこしくぼみて注がれけり 大久保橙青
白酒のちよこをなめつゝ酔ひしかな 長谷川かな女 雨 月
白酒のとうとうたらり注がるる 上田五千石 琥珀
白酒のなまじの酔に夜風かな 細川加賀 生身魂
白酒のギヤマンといふ一揃ひ 高野素十
白酒の使来て春の雷ふたたび 長谷川かな女 花 季
白酒の十九の酔の美しき 谷崎 和布刈男
白酒の紐の如くにつがれけり 高濱虚子
白酒の言ひたて花のふゞきけり 久保田万太郎 流寓抄以後
白酒の酔となるまで松を見て 桂信子 緑夜
白酒の酔ほのめきぬ長睫毛 富安風生
白酒やあまりかぼそきぼんのくぼ 清水基吉
白酒やどんどこ降つて昼の雪 大峯あきら
白酒やなでゝぬぐひし注零し 阿波野青畝
白酒やひよどり多き嵯峨住ひ 大峯あきら 鳥道
白酒やむかしのごとく川の音 黒田杏子 水の扉
白酒や同い歳なる筒井筒 野口里井
白酒や夕日しばらく雲の中 岸本尚毅 選集「氷」
白酒や夜は夜で老の雛の客 山川能舞
白酒や妻とほろ酔ひ税滯めて 岸田稚魚
白酒や姉を酔はさんはかりごと 日野草城
白酒や江戸絵の上野花真白 市川東子房
白酒や玉の杯一つづつ 村上鬼城
白酒や蘇鉄の月に女来る 吉武月二郎句集
白酒を*ろうたしとしぬその酔も 後藤夜半 底紅
白酒をおしみてわかつ瓶子かな 西山泊雲 泊雲句集
白酒をこぼしてのめる鼠かな 西山泊雲 泊雲句集
白酒をすこし侮りすぎにけり 後藤比奈夫 祇園守
白酒をつぎをはりたる袂かな 池田秀水
白酒を仰向いてのむ女かな 浅井 静子
白酒を富士の詠や公家雛 露言 選集「板東太郎」
白酒を紐のごとくにつがれけり 高濱虚子
白酒を臈たしとしぬその酔も 後藤夜半
白酒を買ひ足すといふことをして 後藤夜半 底紅
白酒を飲む傍に地酒置き 岡安仁義
老いぬれば脳みそ減るとお白酒 波多野爽波 『一筆』
花の雪白酒売は女形かな 長谷川かな女 雨 月
過ぎし方うるむがごとし濃白酒 赤尾兜子

白酒 補遺

お白酒ちよつと立呑して彼女 後藤比奈夫
たわやめのあえかに酔ひぬお白酒 日野草城
はるかとほし白酒に風吹いてゐるか 飯島晴子
過ぎし方うるむがごとし濃白酒 赤尾兜子 玄玄
紅唇に触るる朱盃や濃白酒 松本たかし
今は酔ひて耳の遠さよお白酒 阿波野青畝
座についてすぐお白酒雛あられ 後藤比奈夫
儒釋道屠蘇酒白酒濁リ酒 正岡子規
春月や屋号ゆかしき白酒屋 阿波野青畝
処女みな情濃かれと濃白酒 松本たかし
雛のまへ顔染めてをり白酒に 森澄雄
西安に白酒(しろき)を酌むや春時雨 松崎鉄之介
折り畳むやうに注ぎ終へお白酒 鷹羽狩行
滞りく注ぐ濃白酒 阿波野青畝
白酒にさざめくといふことのあり 後藤夜半 底紅
白酒に色めくことば律しをり 上田五千石『天路』補遺
白酒に酔うて酔うてと美しき 山口青邨
白酒に桃の花びら一片を 山口青邨
白酒のギヤマンといふ一揃ひ 高野素十
白酒のごとくにも注ぎ濁酒 後藤比奈夫
白酒のとうとうたらり注がるる 上田五千石 琥珀
白酒の酔といへども胸焦す 後藤比奈夫
白酒の酔となるまで松を見て 桂信子 緑夜
白酒の酔のほのめく薄瞼 日野草城
白酒の酔のほめきに灯りたる 日野草城
白酒の酔やひゝなに恨あり 正岡子規 雛
白酒の酔をとゞめし老の頬 清崎敏郎
白酒の酔出し頬のゑくぼかな 日野草城
白酒の瓶に桃花を描きけり 阿波野青畝
白酒の瓶を間に内裏雛 山口誓子
白酒やいづれ桃ある棚のすみ 升億 風月集
白酒やつゝましやかに艶話 阿波野青畝
白酒やなでてぬぐひし注零し 阿波野青畝
白酒や妻とほろ酔ひ税滞めて 岸田稚魚 負け犬
白酒や姉を酔はさんはかりごと 日野草城
白酒や齢のうちを過ぎしもの 鷹羽狩行
白酒を*ろうたしとしぬその酔も 後藤夜半 底紅
白酒をすこし侮りすぎにけり 後藤比奈夫
白酒をのの字にのの字重ね注ぐ 阿波野青畝
白酒を雛よりもらふ夜更かしぬ 森澄雄
白酒を買ひ足すといふことをして 後藤夜半 底紅
老いぬれば脳みそ滅るとお白酒 波多野爽波
朧夜を白酒売の名残かな 支考

by 575fudemakase | 2017-04-30 06:31 | 春の季語 | Trackback | Comments(0)

菱餅  の俳句

菱餅  の俳句

菱餅

例句を挙げる。

ひし餅のひし形は誰が思ひなる 細見綾子 花寂び
南無観世音菱餅はまだ柔かし 米沢吾亦紅
菱餅のその色さへも鄙びたり 池内たけし
菱餅のその色も織り絹の村 守屋明俊
菱餅のそり返りたる四日かな 堅田 春江
菱餅のひし形は誰が思いなる 細見綾子
菱餅のわけても濃ゆき緑かな 下村梅子
菱餅の上の一枚そりかへり 川本臥風
菱餅の二タ重ねなる紙包み 細見綾子 花寂び
菱餅の反りてゐたりし土間広し 伊藤敬子
菱餅の反りなだめつつ祀るかな 大石悦子 群萌
菱餅の対角線に妻と我 田口一男
菱餅の角の崩るる夜の雨 小泉義重
菱餅の記憶泣きゐし姉ありて 藤岡筑邨
菱餅は知的なかほをしてゐたり 日原傳
菱餅も反りし雛も納めねば 中山 欣史
菱餅やひずみてかたき世なりけり 竹下三千代
菱餅やまつわることももう少し 松田ひろむ
菱餅や今日の練習逆あがり 能美澄江
菱餅や己れ憫む棚飾り 石塚友二
菱餅や雛なき宿もなつかしき 一茶
菱餅を三臼三色に搗きあげて 川端紀美子
菱餅を切る大小のをかしけれ 酒井小蔦
畦の鳥翔ちしは雛の餅搗ける 遠藤正年
雛の餅きのふは帰る雁を見て 百合山羽公 故園
雛の餅三彩三臼に搗きをはり 村野蓼水
雛の餅切りきて遅刻教師なり 阿部ひろし
雛の餅搗きあがるもう固くなる 辻桃子
雪ちらつく雛の餅の紅を搗く 中戸川朝人 残心

菱餅 補遺

うつくしきが中に菱餅絵蝋燭 正岡子規菱餅
ひし餅のひし形は誰が思ひなる 細見綾子
海山の達者や雛の餅と酒 朱拙
紅白の紅が上なる雛の餅 山口誓子
雛の餅きのふは帰る雁を見て 百合山羽公 故園
雛の餅搗くにあひけり多摩に来て 山口青邨
雛段に木の菱餅の重ねられ 山口誓子
豆内裏大菱餅もみそなはす 百合山羽公 樂土以後
菱餅として膝崩すこと出来ず 後藤比奈夫
菱餅の形の函に雛の菓子 山口青邨
菱餅の色々になる雛心 正岡子規 菱餅
菱餅の二タ重ねなる紙包み 細見綾子
菱餅の反り強めしは紅の色 鷹羽狩行
菱餅を気にかけ給ふ一夜哉 正岡子規 菱餅

by 575fudemakase | 2017-04-30 06:28 | 春の季語 | Trackback | Comments(0)


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インターネットの「Google」や「yahoo」の検索ボックスから、季語等を入力して数多くの例句を得られれば大変便利である。

具体的に季語“新樹”の例句を求めるには、先ず検索ボックスに“新樹”と入力する。
その後、ひらかなで“れいく”と入力する。この時、日本語変換候補に幾つかの語彙が表示されるが、その中から“575筆まか勢”を選択する。
この結果、検索ボックスには “新樹575筆まか勢”と表示される筈である。
この用語で検索すれば求めるサイトが表示される。

但し、上述の ひらかなの“れいく”と入力して“575筆まか勢”を選択する為には、事前に小細工をしておく必要がある。
即ち、ユーザーズ辞書を使って “れいく=575筆まか勢”を定義しておく必要がある。以下はその指定方法。

ユーザーズ辞書定義

▼iPadの場合
設定>一般>キーボード>ユーザーズ辞書

単語 575筆まか勢
よみ れいく

▼kindleの場合
アプリ>設定>言語とキーボード>キーボードの設定>ユーザーズ辞書

読み れいく
表記 575筆まか勢

PCの場合も同様に「ユーザーズ辞書」機能を使い、前もって定義しておく。

春の季語から現在の当季季語までは既に表示可能である。
来年の三月末(2015年3月末)までに全季語について表示可能となる。

以上

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