人気ブログランキング | 話題のタグを見る

拙句 やませ (高澤良一)

拙句 やませ (高澤良一)

めそめそとやませ吹く日の青穂波    素抱
やませの魔手蝋燭岩に伸びにけり (浄土ケ浜)   随笑
やませ吹き陸中昆布旨くせり    随笑
やませ来る岩手日報見開けば    随笑
やみくもにやませ美林を突っ走り    随笑
山峡の稲をいぢめに山背風(やませ)くる    素抱
汐木焚きやませの日々を送りけり    随笑
襲ひ来るやませに立往生の松    随笑
赤松の美林にやませ忍び足    随笑
遊覧船やませの底を這ひ廻り    随笑
淋代の浜のやませに身をすくめ (三陸路)   随笑
老鴬のこゑもやませに包まるゝ    随笑
杳として知れぬ作柄山背風ふく    素抱
(末尾は句集名)

以上

# by 575fudemakase | 2019-07-03 03:32 | 自作

拙句 五月雨 (高澤良一)

拙句 五月雨 (高澤良一)

さみだるる尿道造影剤検査    鳩信
五月雨の降り込む椎と槇の間    さざなみやつこ
道灌の墓五月雨を聴くばかり    さざなみやつこ
保(も)つまいとおもふ空から五月雨    素抱
(末尾は句集名)

以上

# by 575fudemakase | 2019-07-03 03:31 | 自作

拙句 梅雨 (高澤良一)

拙句 梅雨 (高澤良一)

いないいないバァを決め込む梅雨入富士    素抱
くろぐろと梅雨入の八ケ岳の大つむり    ももすずめ
これもこれもこれも土産よ梅雨畳 (長子、修学旅行より戻りて)   ねずみのこまくら
こんにちわ上がりましたネ梅雨のあめ (通行人)   素抱
じはじはと梅雨に入りけりバナナに斑    暮津
しょぼくれし灯に床延べる梅雨疊    石鏡
だんご虫愛づる姫君梅雨の庭(孫美雨)    暮津
とある日の梅雨の合間のコップ拭き    素抱
ドライフラワー束ごと挿して梅雨の壺    素抱
ドンガバチョの声優梅雨に隠れけり (悼 名古屋章)   素抱
はおるもの一枚足せと梅雨予報    石鏡
ぴしゃぴしゃと梅雨の五反田アスファルト    随笑
ぶるぶると行手をよぎる梅雨雀    ももすずめ
ふんばれる両脚の指梅雨厠    暮津
ペチュニアの長咲き梅雨はまだ明けず    素抱
ポッチャンと跳ねしは梅雨の稚魚でした    暮津
ほつりんと剃り残されし梅雨の髯    随笑
マンションの物干竿の梅雨布団    素抱
まんばうのやうな梅雨雲沖にあり    ももすずめ
もぎ立ての梅を漬けませ梅雨晴間    随笑
悪たれる鴉を相手梅雨晴間    ぱらりとせ
移動せり梅雨の黒雲バッファロー    ぱらりとせ
一通り聞きて入院梅雨海鼠    鳩信
引っぱれば飛び出すティッシュ走り梅雨    素抱
映画館出て馬車路の蒸し蒸し梅雨    寒暑
横浜駅西口梅雨のアンブレラ    素抱
横濱の梅雨が降るなり崎陽軒    素抱
何もかも錆つく梅雨の蜑部落    素抱
何を読む梅雨入の妻の生返事    寒暑
鎌倉石げっそり減りて梅雨近む    鳩信
気まぐれ梅雨降ってきたかと取り込みもの    素抱
亀虫の匂ひ持ち込む梅雨の家    随笑
居直ってじだらくな梅雨迎えんか    素抱
教会の三人掛の梅雨木椅子    さざなみやつこ
蕎麦ボーロおやおやこれは梅雨湿り    素抱
九州は梅雨入と聞くアマリリス    暮津
九州を襲へる梅雨の総雨量    素抱
空缶に梅雨ねずっぽの顎の張り    素抱
熊シデの花序のもっさり梅雨社    寒暑
見つめゐる梅雨のシグナルレツドかな    ももすずめ
原色のボディスーツに梅雨ダイバー    素抱
五合庵老走り根に迫る梅雨    寒暑
午後からの梅雨のやっつけ仕事かな    素抱
鯉跳ねてどうんと梅雨の水面打つ    ももすずめ
江ノ電はごとごとと来る梅雨枕木    宿好
荒雫梅雨ならではの泰山木    随笑
荒梅雨にぶっくさ云ひても始まらぬ    暮津
降りざまの模糊として梅雨疑ひなし    素抱
高枝より喧嘩売るごと梅雨鴉    ももすずめ
高槇垣亭々と梅雨降り込めり    素抱
菜喰ひが梅雨入畑に現はれて    ももすずめ
傘の柄の?(クエッションマーク)梅雨車中    宿好
山寺の磴に遊んで梅雨雀    寒暑
使ひ古る座右の辞書と梅雨に入る    寒暑
紙を切る音のそりそり梅雨一間    随笑
自動点滅街灯梅雨の灯を点す    暮津
首筋にヒリと梅雨入の酸性湯(玉川温泉)    石鏡
商品のお出かけメイトは梅雨の杖 (病院売店にて)   素抱
礁のうへ梅雨まみれなる鵜ノ足貝    素抱
醤油壜押さえに梅雨の置手紙    素抱
植込みを打ち始めたる男梅雨    さざなみやつこ
伸びをする雀の居りて梅雨晴間    随笑
寝そべりてクイズを解ける梅雨畳    素抱
振り塩の穴の目詰り梅雨長引く    素抱
新橋の飲屋路地裏走り梅雨    寒暑
診察室二十番出て梅雨の街    素抱
身の内の退屈の蟲鳴き出す梅雨    寒暑
水垢の亀にも年季梅雨に入る    素抱
睡りて着く駅ここは何處梅雨都心    素抱
生りものの容歪みて梅雨の果    素抱
青梅雨に集へる信徒魚族めく    さざなみやつこ
青梅雨のくどきチラシにくどき彩    石鏡
赤蟻に上がり込まれて梅雨の家    素抱
川幅をゆったりと持し梅雨大河    素抱
栓抜の在りかは何處だ梅雨留守居    素抱
栴檀の葉のこまごまと梅雨に入る    鳩信
掃除機に追はれて梅雨の部屋を退く    素抱
草河豚のころんと転がる梅雨渚    素抱
大正菓子ゼリービインズ抓み梅雨    素抱
男梅雨おろかに肥ゆる椨大樹    素抱
男梅雨吉良の仁吉の一節を    寒暑
通院日梅雨のむしむし始まりぬ    寒暑
通行人臆せぬ貌の梅雨雀    寒暑
佃煮の蝗の貌もつくづく梅雨    素抱
釣人に野暮な問い掛け梅雨を云ひ (房州 富浦)   素抱
釣人のにべ無き応(いら)えボソと梅雨    素抱
徒然に十薬引けば梅雨近む    暮津
徒然に梅雨の抽斗開けてみぬ    素抱
土石流家を根こそぎ梅雨末期    素抱
濡るゝ枝掴み直して梅雨鴉    ももすずめ
梅の幹くろぐろと梅雨待ちゐたり    ねずみのこまくら
梅雨といふ辟易月に入りにけり    鳩信
梅雨どきの何處を見据えて金魚の目    素抱
梅雨どきの眼ごろごろ使ひ過ぎ    鳩信
梅雨どきの鰐が御用となるニュース    寒暑
梅雨どきの湾岸道路灯の連鎖    素抱
梅雨なんぞ吹き飛ばす唄皆の衆 (村田英雄逝く)   寒暑
梅雨に入る机上に硝子の舟細工    素抱
梅雨に入る欅昂然椨憮然    ももすずめ
梅雨のとある日とんだ薬の副作用    素抱
梅雨のラジオ早口にしてくだくだし    素抱
梅雨の月上つてをりぬ家間近    ももすずめ
梅雨の検診今度は何と身構えぬ    鳩信
梅雨の航救命ヴイの赤きこと    素抱
梅雨の航連れ添う鴎宜候(ようそろ)と    素抱
梅雨の渋滞テールランプの赤赤赤    素抱
梅雨の蝶重き腰上げ発ちゆけり    暮津
梅雨の蝶埃のごとく樹々に群れ    素抱
梅雨の都心光芒放つ川向う    素抱
梅雨の湯舟に銀座カンカン娘の唄    暮津
梅雨の本ブックエンドに挟まれて    素抱
梅雨の遊覧バスゆく東京ど真ん中    素抱
梅雨の浪へこと凹みてたゆたへり    ぱらりとせ
梅雨の玻璃阿弥陀籤めく雨滴かな    素抱
梅雨を来て匂ひに匂ふ塵芥車    暮津
梅雨家居あれもこれもと妻頼み    寒暑
梅雨家居飲食(おんじき)の手間かけ申す (妻へ)   寒暑
梅雨寒の傘ふるふると畳みけり    素抱
梅雨寒の触る手ひゃっと心電図    素抱
梅雨空の突っかえ棒の外れ月    鳩信
梅雨嫌ふ食卓塩の赤き蓋    素抱
梅雨最中二三日かけ根ン仕事    寒暑
梅雨湿りゴヤの巨人の黒髪も    ももすずめ
梅雨湿り芋銭の河童百図かな    素抱
梅雨礁濡れて優しきヨメガサガイ    素抱
梅雨深む湿生花園に草蓮玉(クサレダマ)    暮津
梅雨水輪クサガメ鼻を没しけり    暮津
梅雨雀フェンスを上り下りしをり    素抱
梅雨雀何か追い詰めたる羽音    鳩信
梅雨雀乗りて屋外瓦斯ボンベ    寒暑
梅雨晴れの或る日選んで靴を干す    素抱
梅雨晴間うどん粉病をやむ植木    暮津
梅雨晴間ぷらんぷらんと母散歩    寒暑
梅雨晴間憩ふ社にだんご虫    寒暑
梅雨晴間小包ぽんと届きけり    ももすずめ
梅雨晴間壁に凭るるぬひぐるみ    さざなみやつこ
梅雨大扉入るや洞なす大仏殿    ぱらりとせ
梅雨到来告げて編集後記かな    ももすずめ
梅雨入の大学病院軍艦めく    寒暑
梅雨入の湯舟にでんでんむしの唄    随笑
梅雨入の八百屋そこそこ品揃え    寒暑
梅雨払ふ笠置しづ子のよいわんわ    素抱
梅雨明けが間違ひなしの風なりき    素抱
梅雨明けず雨夜の煙草ふかしても    素抱
梅雨毛虫掃討作戦開始せり    寒暑
梅雨籠りあうむにこゑを奪はるる    ねずみのこまくら
梅雨籠りあうむの与太を飛ばしをり    ぱらりとせ
梅雨蜩湯治話が長くなり    石鏡
梅雨鴉けふは出ばって近所の樹    鳩信
白き制服東海道線梅雨車中    暮津
函強く振つてとり出す梅雨の本    ももすずめ
表札の町名古きまゝ梅雨へ    素抱
病むわれに声撒きちらし梅雨鴉    ねずみのこまくら
病廊に外来患者あふれ梅雨    素抱
封じ手の白石梅雨の本因坊    素抱
物音をはばかり起きれば梅雨雀    素抱
柄の大きかうもり傘より梅雨雫    宿好
目の粗きフェンスを潜り梅雨雀    石鏡
目次に目あそばせ梅雨の日の机上    随笑
予報官えいと梅雨明宣言す    寒暑
旅支度少しづゝ梅雨深む中    素抱
老眼と乱視ごちゃまぜ梅雨をみる    素抱
俤梅雨「人生劇場」高らかに    寒暑
捩花の翩翻梅雨の中休み    随笑
椨雫砂地をうがつ男梅雨    素抱
黴させぬ仕掛けくさぐさ梅雨食品    寒暑
(末尾は句集名)

以上

# by 575fudemakase | 2019-07-03 03:30 | 自作

拙句 入梅 (高澤良一)

拙句 入梅 (高澤良一)

いないいないバァを決め込む梅雨入富士    素抱
くろぐろと梅雨入の八ケ岳の大つむり    ももすずめ
じはじはと梅雨に入りけりバナナに斑    暮津
にゅうべぇと蛸漁の沖見渡して    素抱
何を読む梅雨入の妻の生返事    寒暑
九州は梅雨入と聞くアマリリス    暮津
菜喰ひが梅雨入畑に現はれて (在の百姓、菜を啄む鳥を菜食いと呼べば)   ももすずめ
使ひ古る座右の辞書と梅雨に入る    寒暑
首筋にヒリと梅雨入の酸性湯(玉川温泉)    石鏡
水垢の亀にも年季梅雨に入る    素抱
栴檀の葉のこまごまと梅雨に入る    鳩信
入梅が先か湧きくる蚊が先か    素抱
梅雨に入る机上に硝子の舟細工    素抱
梅雨に入る欅昂然椨憮然    ももすずめ
梅雨入の大学病院軍艦めく    寒暑
梅雨入の湯舟にでんでんむしの唄    随笑
梅雨入の八百屋そこそこ品揃え    寒暑
梅雨入の鰐逃げしが御用となるニュース    寒暑
(末尾は句集名)

以上

# by 575fudemakase | 2019-07-03 03:29 | 自作

拙句 走り梅雨 (高澤良一)

拙句 走り梅雨 (高澤良一)

引っぱれば飛び出すティッシュ走り梅雨    素抱
新橋の飲屋路地裏走り梅雨    寒暑
(末尾は句集名)

以上

# by 575fudemakase | 2019-07-03 03:28 | 自作


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

カテゴリ

全体
無季
春の季語
夏の季語
秋の季語
冬の季語
新年の季語
句集評など
句評など
自作
その他
ねずみのこまくら句会
ブログ
自作j
自作y
未分類

以前の記事

2024年 03月
2024年 02月
2024年 01月
more...

フォロー中のブログ

ふらんす堂編集日記 By...
魚屋三代目日記
My style

メモ帳

▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

検索

タグ

最新の記事

外山滋彦著「俳句的」の指摘し..
at 2024-03-28 07:13
山本覚馬
at 2024-03-28 05:53
【桜餅】といえばどっち派?全..
at 2024-03-27 05:17
あまおう」と「とちお...
at 2024-03-24 03:42
一茶 生きもの句帖 小学館文..
at 2024-03-18 13:28
シュリンクフレーションという..
at 2024-03-13 05:15
ザッピングzapping?き..
at 2024-03-11 01:51
書道 書・筆・墨・硯の俳句
at 2024-03-08 10:04
しょどう
at 2024-03-08 09:38
すずり
at 2024-03-08 09:35
筆の俳句
at 2024-03-08 09:26
墨の俳句
at 2024-03-08 09:04
書の俳句
at 2024-03-07 18:12
佐々木敏光句集 富士山麓・秋..
at 2024-03-07 05:49
山口昭男著 波多野爽波の百句..
at 2024-02-26 02:57
ザッピングzapping?
at 2024-02-24 00:32
私の俳句入門 大野林火編 有..
at 2024-02-21 01:39
茨木和生著 右城暮石の百句 ..
at 2024-02-20 03:20
季寄せを兼ねた 俳句手帖「春..
at 2024-02-11 18:17
我が家の梅 2024/02/..
at 2024-02-06 13:51

外部リンク

記事ランキング