少年H

少年H

きのう映画 少年Hを見てきた。

今日はどのくらいの入りかと場内を見渡すと大凡三分の二ぐらいの入り。
まあ多いほう。
面々はと見れば、全員 少年Hと同世代の面構えの人たちばかり。
場違いな若者や中年などは一人として交じっていない。
あたかも同窓会にでも参画したような面持ち。どこか心温まる面々であった。

映画は昭和16年頃の場面からスタート。(因みに私の生年は昭和15年)
父親が仕立屋(洋服屋)の少年Hの戦前、戦中、戦後の行状記である。
舞台は神戸。

仕立屋というとわが母も戦時、戦後それで餓えを凌いだので少年Hの父親に重な
るものがある。
母は横浜 本牧を焼夷弾爆撃で焼け出され静岡 島田へ疎開。間借りしていた
洋服店の下請けのような仕事をして家計を助けた。
ミシンの針が折れたと言われてはミシン針を買いに、カタン糸がなくなったと
いわれてはカタン糸を買いによく行かされた。

母は映画好きのようであった。本牧時代、私等の子守りをしながら映画を見にいったとか
言っていたように記憶する。

終戦直後 静岡 島田駅前の映画館で 例のチャプリンの靴を食う映画(黄金狂時代?)
を見たのは母と一緒だったか?
映画に飢えていた熱気が映画館いっぱいにみちみちていたようにおもう。

映画と言えば、父母の初デートは高崎近辺の渋川という地での映画鑑賞、按摩さんが出て
くる映画で母は「何だ是」と思ったそうだ。

以上
# by 575fudemakase | 2013-09-06 08:28 | Trackback | Comments(0)

8月19日

8月19日

今夏 ネットサーフィンしていたら 8月19日をもじって下記の日が設定されていたのには驚いた。
「俳句の日」と「バイクの日」である。
バイク業界が早速目をつけたのもよくわかる。序で、俳句業界がこれに続いたか?
記事をずっと見てゆくと 小生の俳句を引用して呉れているサイトを発見!。
その日の日付を見ると2010年8月、もう3年も前の記事である。
遅まきながら、本日を以てそのサイトの管理者に御礼申し上げたい。
因みにそのサイトアドレスは下記。
(なお 本日は2013/09/05 2:16)

●俳句の日
8月19日の「819」が「はいく」と読めることから。京都教育大学教授で正岡子規研究家の坪内稔典が提唱。夏休み中の子供達に、俳句に親しんで興味を持ってもらうために、毎年イベントを行っている。1991(平成3)年に制定。
●バイクの日
8月19日の「819」が「バイク」と読めることから。総務省交通安全対策室が1989年に制定。


想いのいろ
http://mykit.jp/nikki/comment.php3?id=tuzumy&day=2010/08/19

以上
# by 575fudemakase | 2013-09-05 02:32 | Trackback | Comments(0)

震災忌

震災忌

  感謝状
     高澤繁蔵殿

大正十二年九月の大
震災以来本市の罹災
者救護ニ際シ協力克
ク其事ニ當リ盡瘁セ
ラレタル所尠カラス
茲ニ木盃壱組ヲ贈呈
シテ感謝ノ意ヲ表ス

大正十四年三月三十一日
横浜市長従三位勲二等渡邊勝三郎

上記 感謝状は関東大震災の折りの、米の炊き出し等に対するものであった。
そのいきさつはこうである。
先づ 髙澤繁蔵とは誰なる哉。
わが祖父である。繁蔵は栃木県阿蘇郡 田沼の在の四男四女の長男に生まれた。
田沼で「眞柳屋」(註1)なる料亭に育ち、後日 横浜へ出て来て同業、料亭「翁園」(註2)を根岸に開いた。
祖母クニとその経営に當り、妻子等は本牧に居住した。
戦争が激しくなるに際し、静岡 島田へ疎開 戦後 現在の横浜 金沢文庫へ移住した。
因みに「眞柳屋」なる料亭は円朝の田沼方面への取材旅行記だったか 田山花袋の小説
だったかに登場する。

話を上記 感謝状に戻すと

祖母クニの話によると、震災時は朝鮮人が集団をなし襲ってくると言う風評がながれ、町内ごと
に自警団が結成されたこと、また「翁園」前を通過する人に米の炊き出しをして与えたと
いうことを幾たびも聞かされた。もっとも旅館業であり米の蓄えが充分であったのでそんなこと
が出来たのだろう。そのほか 繁蔵は町内のことにも関与していたらしく 現在の 磯子区八幡橋
にある 八幡神社境内に「翁園」付近に浮遊していた「機雷」実物を献上している。境内に錆びた
鉄球が鎮座ましまして居る。どうしてこんなものを献上したのだろう?

さて さきの感謝状であるが それが発見されたのは 今夏 繁蔵の妹が住んでいた家(田沼)が
近々人手に渡るということで最後に一見と出かけて行った際に先祖の遺影写真の裏側から出て来た
ものなのである。

小生は爺ちゃん子で繁蔵の魚好きを受け継いだ。職業が旅館業であったので、繁蔵は食材の仕込み
を一手に引き受け築地に入り浸っていた。戦争中の島田でも、近くの焼津港に度々出向きおいしい
魚の相伴にあやかった。

忘れていた もう一つ余談があった。
祖母の話のつづきである。

芦名橋は、昭和のある時期まで横浜の市電の終点であった。その近くにあった知り合いの本屋のおばさんが
歩けもしない(先天性)のに、あの震災時にどうゆうわけか歩って逃げたということ。

(註1)栃木県安蘇郡田沼町 眞柳屋 (繁蔵の父母 彦次郎、ノブ 在籍)
(註2)横浜市磯子区一、六八六 翁園 (繁蔵 クニ 在籍)
震災の四日後 繁蔵は関西 神戸へ逃れそこより栃木 田沼の父母(彦次郎 ノブ)へ息子(良平 小生の父)
の安否確認の鉛筆書きハガキを投函している。(ハガキ現存 面白いことに神戸局 料金未払い印が押してある)
文面によれば、震災時 父 良平は横浜 翁園から 栃木の眞柳屋へ逃れた模様。


●震災忌 防災日

震災忌云い聞かす婆無(の)うなりて 燕音
一切は過去と云うても震災忌 寒暑
蛇口より水の塊防災日 寒暑
花鳥風月なんのかんのとマグマの上 石鏡
今日を逃がしてだうする我が家の地震対策 暮津
棚の本ときに仇なす震災忌 暮津
つくねんと水を味はふ震災忌 暮津

(高澤良一季題別全句集より)

以上
# by 575fudemakase | 2013-09-04 03:23 | Trackback | Comments(0)

新米

新米

新米がうまい。一粒一粒の稜(かど)が顕って光沢を放つ。
圧力釜で炊いた米であるからである。

最近 近くに出来た トン亭のロースカツ定食の米よりも
映画序でに寄る 和幸の豚カツの飯よりも我が家の米はうまい。

山妻がこの圧力釜を使い始めたのは 次男がまだ子供だった頃からのこと。
およそ32年間使い続けたが今年四月、イカを煮ていて真っ黒焦げに。鍋を壊した。

その間、孫達へのお赤飯とか何かにつけ大活躍であった。

話は、小生が定年を迎える13年前。定年を迎えるに当たって山妻にリクエストしたのは
唯一つ。毎食うまい米を食わせて呉れということ。
銘柄のこともあるが、炊き方自体のことも。そこでフィットしたのが圧力釜による米だ。

そんなこんなでこれまで抜群にうまい米を賞味してきたが、それが四月からべちゃべちゃの
米に変わった。ときたまダマ状になるヤツも。山妻も手を拱いていた訳ではない。
同じ圧力釜を探したが、そのメーカーはその製品をもう生産していないという。
他社製 圧力鍋を買って試してみたが前のようにうまくいかない。

そうこうしている裡に、あるとき(今夏)、ヤフーのオークションに中古 圧力釜が出ている
のを知った。何とそれは新品で山妻が以前使っていた圧力鍋と同タイプのもの。早速購入。
結果は大満足。昔の味が甦った。

因みに 圧力釜は6.0リットル。中古新品で約4千円。送料千円。締めて五千円。
発売元 は鳥取。中古取引業者。

後で調べると 該当の圧力釜のメーカーは 理研で現在 圧力釜は販売していないが修理等
の為の部品は販売しているとのこと。発売してから40数年も経っても利用者が健在。
こんな物作りまだまだあるのですね。昨今の壊れやすい電化製品とは一線を劃す商品力です。

そこの相談員が教えて呉れたこと。
古い年代の圧力釜の部品は底をついてきているから、買うなら制作年月日の新しいもの。
もっと具体的に言うなら 圧力釜の底には6.0LXXXX と刻印してある筈。
XXXXが釜の制作月日だ。それを確認して買えと。

こんな具合で、近頃 買い物らしい買い物をした。製造業の國にっぽん万歳である。
なお、理研のこの圧力釜は500万台売り切ったとチラシにうたってある。

●新米 今年米

新米に葉唐辛子を目分量 さざ
新米の穫れ高「んだな二十俵」 宿好
今年米うまかり今日に明日に処す 宿好
新米と後ほど聞いて道理とも 暮津
新米といはれ一粒灯にかざす 暮津
通販の庄内米をファックスにて 暮津

(高澤良一季題別全句集より
さざ は句集「さざなみやつこ」 の略)

以上
# by 575fudemakase | 2013-09-02 10:36 | Trackback | Comments(0)

蕪村のオノマトペ

蕪村のオノマトペ

過日 本屋の前を通りがかったら 平積みの中に〝オノマトペと詩歌のすてきな関係〟という文字が眼に入った。本の片隅に NHKカルチャーラジオとある。パラパラとめくって即決 買うと決めた。ラジオ第二放送 20131年7月~9月のテキストである。(著者 小野正弘氏)

芭蕉、蕪村、一茶のオノマトペとあるところ、蕪村のそれまで来たとき ハタと膝を打つところに出会った。その一節を以下に挙げておこう。皆さんも完爾と膝を打つこと必至であろう。

●遠近(をちこち)ををちこちと打つ砧(きぬた)かな

「をちこち」は「あちこち」の古い言いかたで、「砧」は木槌で布を打って柔らかくすることである。句の意味自体は、あちらこちらで砧を打つ音が、聞こえてくる、というものであり、これもまた、難解なものではない。しかし、「をちこち」は、ただ単に場所を表しているわけではなさそうである。『蕪村集 一茶集』の、頭注には、「遠近」に、「距離と同時に遠く近く聞こえる砧の音の響きをあらわす」とあり、この見解に従いたいと思う。つまり、「をちこちをちこち」は繰り返し聞こえてくる、砧の音を表すオノマトペでもあったのである。「をちこち」は、現代の感覚だと、「こつこつ」とか「かつかつ」という感じであろうか。しかし、遠いところと、近いところの音があるから、音は均一でない。遠いところから聞こえる音は「をち」、近いところから聞こえる音は「こち」ということなのだろう。

それで思い起こされるのは、同じ蕪村の

●梅咲きぬどれがむめやらうめじゃやら

という句である。

春になって梅が咲いた。「梅」は、平仮名だと、「うめ」とも「むめ」とも書くが、あの梅のどれが「うめ」で、どれが「むめ」なのだろうという句である。蕪村の時代では、「梅」の平仮名表記は、ゆれていたのである。想像してほしい。目の前には、梅の花が咲いているはずなのだが、その一つ一つの花をよく見てみると、花ではなくて文字のように見える。もっと目を近づけてみると、それは、小さく、てんでんばらばらに書いてある。「うめ」という字と、「むめ」という字であった、という情景を。ちょっと超現実的で、漫画のような情景かもしれないが、なんとなくユーモラスでもある。そして、また、もう一つ想像してほしい。目の前の家々から、砧を打つ音があがっているのだが、その音が文字になって空へのぼってゆく。その文字を見ると、近くのほうの音が「こち」で、遠くのほうが「をち」である、という情景を。まるで漫画のようだと、前に書いたが、超現実的な絵といってもよい。ここで思ひ出してほしいのは、蕪村は、もともと画家が本業であったことである。蕪村には、目の前の情景が、文字付きで描かれた絵に見えるのではないか、とさえ思う。

序でに。

さて上記の蕪村句を見てという訳ではないが、さる時、〝~やら~やら〟という宜しき日本語の形を見て、いつかこれを使った句を作ってみようと思ったことがある。これを読んでいる皆さんもいつか~やら~やらを試行されてみては如何ですか?

~やら~やら の使用例 (検索DB より)

玄関に靴やら下駄やら三河万歳 星野昌彦
鳥はらはらどれが目白やら頬赤やら 色鳥 正岡子規
小石やら雨やら野分顔を撲つ 野分 正岡子規
男やら女やら更に朧かな 朧 正岡子規
威し銃なに逃ぐるやら逃げぬやら 横澤放川
稲刈を見ゆる鴉や雀やら 西村富子

小生の使用例

皺くちゃ婆貝を剥くやら蝿追ふやら 高澤良一 素抱
春の潮上げてゐるやら引いてゐるやら 高澤良一 素抱
にぎにぎしく熊手鯛やら小判やら 高澤良一 燕音
掘り返して団子虫やら蚯蚓やら 高澤良一 さざなみやつこ
のうぜん花どうやらかうやら風が出て 高澤良一 寒暑
合歓の花一雨あるやらあらぬやら 高澤良一 寒暑

おっと以下は似ているが違う用法

蟹のいふ事情とやらを聞きやらむ 高澤良一 燕音


以上
# by 575fudemakase | 2013-08-30 09:08 | Trackback | Comments(0)


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[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

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いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

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