俳句 の俳句

俳句 の俳句

俳句 発句 十七文字 俳諧 連句 狂句 雑俳 名句 秀句 駄句 ホ句

俳句

息きつて発句もできぬあつさ哉 暑 正岡子規
其角忌やあらむつかしの古俳諧 加藤霞村
駄句百句捨てに涅槃図見て歩く 中村葉子
待遠しき俳句は我や四季の国 三橋敏雄 長濤
待遠し俳句は我や四季の国 三橋敏雄
大蟻の畳を走る俳諧寺 竹川貢代
大福茶ホ句舌頭に口ずさむ 磯野充伯
達磨忌やホ句三昧の隠居僧 寺北茶斗
達磨忌や外道俳諧愚俳諧 小杉余子 余子句選
達磨忌や僧を眺めて俳諧師 川端茅舎
短夜や遅くはじまる俳句会 五十嵐播水 播水句集
遅々としてわが俳諧や獺祭忌 山口誓子
茶點つれば茶に俳諧や霜旦 松根東洋城
着ぶくれて俳句に狎れしをとこども 小島千架子
着膨れたやうな俳句の道具立 高澤良一 素抱
虫鳴や俳句分類の進む夜半 虫の声 正岡子規
蝶よ蝶よ唐土(もろこし)の俳諧問はん 松尾芭蕉
蝶よ蝶よ唐土の俳諧問はん 松尾芭蕉
通天やしぐれやどりの俳諧師 川端茅舎
底紅や俳句に極致茶に極致 阿波野青畝
庭に下りてホ句書いて来ぬ秋の暮 長谷川かな女 雨 月
天を衝く俳諧弔花閒石に 高澤良一 さざなみやつこ
杜若われに発句のおもひあり 芭蕉
杜若われに発句の思ひあり 松尾芭蕉
土手にひねもす発句大のバルカンせんさう 加藤郁乎
冬の夜や我俳諧のありどころ 小杉余子 余子句選
冬鵙を前や俳句は気合いもの 高澤良一 随笑
唐辛子ぽつりと巴里に発句なす 小池文子
唐土の俳諧問はん飛ぶ胡蝶 松尾芭蕉
桃一片三口に食べて俳諧師 磯貝碧蹄館
桃史死ぬ勿れ俳句は出来ずともよし 日野草城
藤の実は俳諧にせん花の跡 松尾芭蕉
闘ふ楸邨俳諧とごきぶりと 石寒太 炎環
南瓜煮る妻に俳句の出来栄え問ふ 高澤良一 随笑
日の影のかなしく寒し発句塚 中村史邦
日の影の悲しく寒し発句塚 史邦
日の本の俳諧見せふふしの山 正岡子規
日盛りにくさめを一つ古俳諧 宇佐美魚目 天地存問
年の瀬を俳諧舟の棹さして 京極杞陽
年の瀬を俳諧舟はながれゆく 京極杞陽
年男われ俳諧の鬼たらむ 西本一都
芭蕉忌の俳句短かくありにけり 萩原麦草 麦嵐
芭蕉忌やとはに淋しみ古俳諧 村上鬼城
芭蕉忌やみな俳諧の長者顔 前田普羅
芭蕉忌や我俳諧の奈良茶飯 芭蕉忌 正岡子規
芭蕉忌や吾が俳諧に迷ひなく 山田閏子
俳句おもう以外は死者か われすでに 折笠美秋 虎嘯記
俳句が文字になるとき十三夜 黒田杏子 花下草上
俳句ちふ淵や在るらし星の秋 河原枇杷男
俳句というしずかなしずかな舟遊び 橋田サカエ
俳句とはすっと立つもの葱坊主 中川青野子
俳句とはのつぺらぼうか僕の夢 筑紫磐井 花鳥諷詠
俳句とは禅とは梅の花咲けり 稲荷島人
俳句とは泥鰌掘るため曲げる指 鈴木六林男
俳句とは冬日だまりのひとり言 今井杏太郎
俳句にも修羅場がありし猫の恋 森田かずや
俳句は季箴としかゝぐ年頭語 河野静雲
俳句やさし俳句むつかしゆすらうめ 後藤比奈夫 めんない千鳥
俳句凶作「強努の末」ぞ汝も然りと 橋本夢道 無類の妻
俳句史に発禁・検挙・鳴く蚯蚓 池田澄子
俳句思う以外は死者かわれすでに 折笠美秋
俳句思へば泪わき出づ朝の李花 赤尾兜子
俳句大事父も大事や海鼠食ふ 石 寒太
俳句莫迦ばかり集り初句会 高澤良一 随笑
俳句莫迦通す一年亦過ぎて 高澤良一 随笑
俳句文学館ぼろんかづらの茂るかな 山田みづえ
俳磚は俳句曼陀羅花は葉に 滝青佳
俳諧と孫と将棋と熱燗と 里見宜愁
俳諧にそつぽを向いて油虫 岬雪夫
俳諧につぐ闘菊や西鶴忌 飯田蛇笏 山廬集
俳諧に何ことはりや秋のくれ 小杉余子 余子句選
俳諧に我も自分の相撲とる 高澤良一 宿好
俳諧に虚の恋ばかり雛飾る 品川鈴子
俳諧に古人有世のしぐれかな 几董
俳諧に国境はなし虚子祀る 杉崎西風
俳諧に残る律義の寒さかな 増田龍雨 龍雨句集
俳諧に守武の名や紀元節 鳥居白山
俳諧に大事いくつや年が逝く 新居ッャ子
俳諧に伴奏あらばひよんの笛 成瀬櫻桃子
俳諧に命あづけて菊枕 伊藤柏翠
俳諧に孟母断機や嫁ケ君 浜明史
俳諧に遊ぶたのしみ亀の鳴く 吉年虹二
俳諧に遊ぶ楽しみ亀の鳴く 吉年虹二
俳諧に老いて好もし蕪汁 高浜虚子
俳諧に霰飛び散り長子得し 齋藤玄 『玄』
俳諧の「自然」のこころ秋澄めり 杓谷多見夫
俳諧のこころに荒地野菊かな 富安風生
俳諧のはらわた見せる紙衣かな 紙衣 正岡子規
俳諧のまことの如く萩青し 鈴木鷹夫 春の門
俳諧のまだ宵なから月氷る 尾崎紅葉
俳諧のよしみの酒をそら豆に 高澤良一 随笑
俳諧のわが一灯や千灯会 谷川朱朗
俳諧の伊丹の寺や鬼貫忌 佐藤紅緑
俳諧の一つにおたまじゃくしかな 増成栗人
俳諧の夏座布団の十余枚 中村 志ま
俳諧の海に蜻蛉あそびけり 阿部みどり女
俳諧の忌日の中の子規忌かな 上村占魚 球磨
俳諧の忌日は多し萩の露 高浜虚子
俳諧の虚実を見たり古茶新茶 新茶 正岡子規
俳諧の軽みの教へ更衣 成瀬正とし 星月夜
俳諧の古格に遊び読始 高澤良一 暮津
俳諧の御師(おし)のひとりの寒さかな 角川源義
俳諧の御師のひとりの寒さかな(句集「秋燕」上梓) 角川源義 『神々の宴』
俳諧の腰強うせよ草の餅 長谷川櫂 虚空
俳諧の骨拾はうよ枯尾花 尾崎紅葉
俳諧の座布団小さし几董の忌 柴原保佳
俳諧の雑誌の数や獺祭忌 楠目橙黄子 橙圃
俳諧の三神こゝに冬ごもり 高井几董
俳諧の志度寺泊まりや海女の墓 三木朱城
俳諧の手ほどき蝿虎より受く 高澤良一 寒暑
俳諧の秋さびてより二百年 秋さぶ 正岡子規
俳諧の秋はさみしき赤松忌 阿波岐滋
俳諧の宿の昼餉のふかし藷 桑田青虎
俳諧の小楯もなしに寒に入る 小林康治
俳諧の松山生れ桜鯛 深川正一郎
俳諧の寝物語や夜の秋 赤星水竹居「ホ誌雑詠選集」
俳諧の神の留守なる懈怠かな 清原枴童
俳諧の西の奉行や月の秋 月 正岡子規
俳諧の雪降れり溺れなむいざ 小林康治 『虚實』
俳諧の船にわれあり西祭 松尾いはほ
俳諧の膳所に致仕して鳰 麻田椎花
俳諧の俗事を辞せず桃青忌 深川正一郎
俳諧の他力を信じ親鸞忌 深見けん二
俳諧の端に侍りて大嚏 土田祈久男
俳諧の仲間の蝌蚪の泳ぎをり 村越化石
俳諧の昼のふかみに猫の恋 下村槐太 光背
俳諧の町を宰して菊に健 遠藤梧逸
俳諧の腸絞る海鼠を前 高澤良一 随笑
俳諧の庭に太りてひきがへる 鈴木綾園
俳諧の冬の虱をひねりけり 佐々木六戈 百韻反故 吾亦紅
俳諧の堂に入りけり納豆汁 青木月兎
俳諧の毒の只中なる秋風 石塚友二 光塵
俳諧の毒を畏み土用入 藤田湘子 てんてん
俳諧の奈良茶茶の湯の柚味噌哉 柚味噌 正岡子規
俳諧の二十三夜を誰と待たん 景山筍吉
俳諧の萩刈ならば手伝はむ 阿波野青畝
俳諧の飛耳張目や鳥渡る 尾崎迷堂 孤輪
俳諧の仏千句の安居かな 正岡子規
俳諧の仏千句の安居哉 夏籠 正岡子規
俳諧の奉行何処に豊の秋 高澤良一 鳩信
俳諧の木の実拾ひに又来べし 高浜虚子
俳諧の夜の語らひの誘蛾灯 渋谷 一重
俳諧の慾の飽くなき熊手買ふ 富安風生
俳諧の来しかた透ける簾かな 久保田万太郎 流寓抄
俳諧の落穂拾いの夜は更けて 高澤良一 寒暑
俳諧の旅に拾ひし木の実植う 麻田椎花
俳諧の旅に日焼けし汝かな 高浜虚子
俳諧の旅を寒行とぞ思ふ 下村梅子
俳諧の炉火絶やさずに守れよと師 村松紅花
俳諧の腕力振るへ其角の忌 高澤良一 ぱらりとせ
俳諧の咄身にしむ二人哉 身に入む 正岡子規
俳諧の鬱と激しや吹流し 鈴木六林男 谷間の旗
俳諧はさびしや薬缶の氷水 藤田あけ烏
俳諧はほとんどことばすこし虚子 筑紫 磐井
俳諧は寒きものぞと教へしが 松根東洋城
俳諧は鬼貫に聴けほととぎす 鈴木鷹夫 千年
俳諧は狂気も佳けれ火吹竹 鈴木鷹夫 風の祭
俳諧は業余のすさび籠枕 長谷川櫂 蓬莱
俳諧は樹海のごとしかたつむり 伊藤久生
俳諧は破格破格と木菟の云ふ 高澤良一 燕音
俳諧は木綿文学たにし鳴く 政所小枝
俳諧は唯一の快楽糞ころがし 丘本風彦
俳諧は老子に近し小夜時雨 京極杞陽
俳諧は屁のやうなもの浮いてこい 中原道夫
俳諧は肚(はら)でするもの冬瓜汁 高澤良一 寒暑
俳諧もこの世のさまも青邨忌 深見けん二 日月
俳諧もすなるあるじの三宝柑 辻桃子
俳諧も紙の類なり春埃 竹本健司
俳諧やセル著なしてはふはとぬぐ 加藤郁乎 佳気颪
俳諧や言葉がくれの蛸と月 中村ヨシオ
俳諧や斧鉞一閃の蟻地獄 石原八束 『風信帖』
俳諧や報國も翼賛も芋嵐 筑紫磐井 花鳥諷詠
俳諧や木の實くれさうな人を友 木の実 正岡子規
俳諧や藁を担いで出てゆけり 森下草城子
俳諧を阿呆とののしり榾をつぐ 辻 桃子
俳諧を云ふべきは云ふ尾花かな 加藤郁乎 江戸桜
俳諧を鬼神にかへす朧かな 前田普羅
俳諧を守りて小千谷の雪の中 長谷川櫂 蓬莱
俳諧を受話器に切りし春の暮 加藤郁乎
俳諧史いま桔梗の志 川崎展宏
俳諧師あやしみ立てり毒茸 平赤 繪
俳諧師青水無月の星愛す 岸風三樓
俳諧寺一茶も見たり蝉の穴 川崎展宏
俳諧寺一茶忌あなたまかせかな 増田龍雨
俳諧寺鳴かしてみたき亀のをり 橋本榮治 麦生
俳諧道五十三次蝸牛 加藤郁乎(1929-)
俳諧奉行去来の庵に夕鵙来 高澤良一 燕音
俳諧未生以前の案山子かな 小杉余子 余子句選
敗荷より俳句授かるまで長居 高澤良一 寒暑
梅さくや居酒屋の主発句よむ 梅 正岡子規
畑打つて俳諧国を拓くべし 佐藤念腹
八十の恋や俳句や年の花 細見しゆこう
発火性十七文字寒の雨 高野ムツオ 蟲の王
発句してわらわせにけりけふの月 内藤丈草
発句なり松尾桃青宿の春 松尾芭蕉
髪が枯れ俳句三昧壁炉愛づ 飯田蛇笏 雪峡
飛ぶ蝶に我が俳諧の重たさよ 幸田露伴
苗売の声流れ来し俳句会 肥田埜勝美
夫唱婦随俳諧一途獺祭忌 滝川名末
仏道に如意俳諧に蠅叩 成瀬正とし 星月夜
文字摺草さらりと発句ひとひねり 角田双柿
碧天を占めた俳句の時間帯 浅野逍風
墓撫でて吾も俳諧の一遍路 富安風生
抱一は発句も読んで梅の花 夏目漱石 明治三十二年
蓬莱に俳句の神を祭らんか 蓬莱 正岡子規
忙しきよ花よ蝶よと俳諧は 高澤良一 暮津
朴落葉俳諧の一舎残らまし 河東碧梧桐
枕にす俳句分類の秋の集 秋 正岡子規
味気なきたるみ俳句の御慶かな 加藤郁乎
娘にも俳句作らせ夢二の忌 鈴木鷹夫 春の門
命より俳諧重し蝶を待つ 阿部みどり女
毛衣の悪女俳句を得手とせり 小松道子
木瓜の花もってまはらぬ俳句好し 高澤良一 素抱
木枯や俳諧のこと稚魚のこと 大石悦子 聞香
木深くも入りてホ句得ず秋の声 長谷川かな女 雨 月
木々は芽に二句の連句を墓おもて 京極杞陽
目高泳げり俳句する人空気吸えよ 豊山千蔭
目醒めがちなるわが尽忠は俳句かな 高柳重信
餅焦がす捨て切れぬ駄句うろうろし 渡辺 恭子
夜の秋の今は俳句の友たりき 瀧春一 菜園
夜の蝉も十七文字も紋切り型 高澤良一 素抱
夜寒うれしこの頃われとホ句うれし 京極杞陽 くくたち上巻
野菊晴母の俳句はをさなくて 清崎敏郎
野分してわれら俳諧浪曼派 大山雅由
野坡の忌や俳諧の道古きより 島元義之助
夕焼けに顔を燃やして発句修羅 高澤良一 随笑
謡ヲ談シ俳句ヲ談ス新茶哉 新茶 正岡子規
羅に透けて俳諧観世音 後藤比奈夫 めんない千鳥
落葉厭ふひとに俳諧なかりけり 阿部みどり女
立つ蛆に手の有無からうじて俳句 竹中宏 句集未収録
励めとは俳諧のこと草萌ゆる 木村蕪城 一位
裂いて辛夷のごとき紙屑駄句二百 塚本邦雄 甘露
恋の猫わがホ句小屋をのぞき鳴く 小原菁々子
連句して御室に鹿を聞く夜かな 蕪村
連句読めば芭蕉が好きや冬籠 星野立子
連句讀めば芭蕉が好きや冬籠 星野立子
炉開や又俳諧の友にして 高浜虚子
露の身の吾れに俳諧なかりせば 緒方句狂
露ほどの俳諧せむとや生まれけむ 加藤郁乎
露燦と俳諧やくざ恥多し 山口草堂
和歌に痩せ俳句に痩せぬ夏男 夏 正岡子規
和歌優雅俳諧自由翁の忌 岩崎照子
懈怠日々わが俳諧の神の留守 木部八千代
涅槃図に顔寄せ俳句亡者かな 藤田湘子 てんてん
爰ぞ万句俳諧名所の桜塚 井原西鶴
獺祭忌発句にもある著作権 高澤良一 宿好
筍に発句題して帰りけり 筍 正岡子規
筍を剥いて発句を題せんか 正岡子規
絲爪忌やドイツに俳句育ちつつ 千原草之
蕣に見者俳句に読み手あり 高澤良一 寒暑
閼伽すこし枯野にそそぎ俳諧師 古舘曹人 砂の音
霍乱や拙が名句の日々に疎し 加藤郁乎
鯊船にあらず俳諧夜舟なり 鈴木鷹夫 風の祭

俳句 補遺

あたかもよしわれら俳諧五月祭 山口青邨
いくまんの露の俳句が勲章に 山口青邨
うぐひすの夜飼上手や俳諧師 秋櫻子 殉教
うねる黄河に 浮腰 機上の俳句仲間 伊丹三樹彦
かげろふの甲斐はなつかし発句の大人 石橋秀野
かへりみる吾が俳諧や年の暮 松本たかし
ここにまた俳諧の炉や涼しき火 山口青邨
この町にホ句育てつつ鬼城の忌 上村占魚 球磨
これをたゝけばホ句~といふ南瓜かな 村上鬼城
すこしにぎやか俳諧人も神楽見る 山口青邨
セル軽く俳諧われを老いしめし 三橋鷹女
たのもしき発句の医や吾子種痘 石橋秀野
ちび筆に俳諧うとし春の風邪 石橋秀野
つんぼうの日なた発句にささないて 阿波野青畝
どぶろくの境界発句の天下かな 河東碧梧桐
ながき夜の枕かかへて俳諧師 飯田蛇笏 山廬集
ふだん着の俳句大好き茄子の花 上田五千石 琥珀
ほほゑみをかくさぬ発句始かな 上田五千石『琥珀』補遺
ホ句ずきの顔の揃うて夜長かな 日野草城
ホ句たのし松葉くゆらせ煖炉たく 杉田久女
ホ句のわれ慈母たるわれや夏痩ぬ 杉田久女
まじまじと宗祇発句を読みはじむ 佐藤鬼房
みなし栗ふめばこころに古俳諧 富安風生
わが俳句歌より来たる曝書かな 富安風生
悪魔の辞典俳諧の辞典年の暮 山口青邨
維摩会にまゐりて俳諧尊者かな 村上鬼城
一生を賭けし俳諧春の燭 飯田蛇笏 雪峡
芋の葉の露や俳諧かをり初む 三橋鷹女
引き据うるわが俳諧や飢餓の前 日野草城
隠棲にあらず俳諧に竹の春 山口青邨
卯の花に鍋を干したが発句かや 正岡子規 卯の花
奥の間の軸は古俳句狩の宿 山口青邨
佳句秀句すなどることを初仕事 上田五千石 天路
夏ごもりの門に佇ちしは俳諧師 阿波野青畝
夏近き俳句の会や夏の題 正岡子規 夏近し
夏草の今も細道俳句の徒 西東三鬼
夏来れば夏をちからにホ句の鬼 飯田蛇笏 家郷の霧
夏籠や我は発句を書きためん 正岡子規 夏籠
歌よみよ我俳諧の奈良茶飯 正岡子規
花ちるや俳諧ほいとにはあらず 燕雀 星野麥丘人
我病んで花の発句もなかりけり 正岡子規 花
柿喰の俳句好みしと傳ふべし 正岡子規 柿
柿主といふ俳諧の言葉あり 高野素十
柿食ふや俳諧我に敵多し 原石鼎 花影
額の花これより夏の俳句会 山口誓子
寒に逝くまこと俳句の鬼として 桂信子 草影
寒雀病者ら俳句愛すなり 村山故郷
寒燈やホ句のまことのひとすぢに 西島麥南 金剛纂
寒富士や俳句の行衛国の行衛 中村草田男
閑子鳥扨も発句師のかしましき 正岡子規 閑古鳥
菊を売るまた俳諧の心なり 山口青邨
曲水の俳諧椿などを詠み 佐藤鬼房
群肝と駄句と抱えて蒲団の中 金子兜太
傾城の発句名高し初松魚 正岡子規 初鰹
月浴びて 骨の髄まで俳諧師 伊丹三樹彦
個性(さが)まげて生くる道わかずホ句の秋 杉田久女
古日記俳句の蟲の糞りしもの 富安風生
枯るゝ中石火の発句欲りにけり 上田五千石『風景』補遺
枯芝に俳諧の国子供の国 福田蓼汀 山火
御入来の俳諧和尚花見酒 百合山羽公 樂土以後
御墓に俳諧の柿供へけり 山田みづえ まるめろ
行く年の伊賀にたづねん古俳諧 高浜年尾
行く年や白紙残る俳句帳 日野草城
行年のひびきを聴かん俳諧師 阿波野青畝
今もある美濃派俳諧柿自慢 阿波野青畝
今返す冬の発句ぞ冴えかへる 正岡子規 冴返る
今様俳諧師か 夏越のあばらぼね 伊丹三樹彦
沙羅咲いて俳諧いよよ神妙に 雨滴集 星野麥丘人
歳晩や裏町にあるホ句の会 日野草城
三千の俳句を閲し柿二つ 正岡子規 柿
三冬のホ句もつづりて狩日記 飯田蛇笏 山廬集
残暑尚続く一日の俳句会 上村占魚 球磨
子を祝ふ俳句の会や柏餅 正岡子規 柏餅
師にうくるわが俳諧や菊の秋 西島麦南 人音
枝豆ヤ俳句ノ才子曹子建 正岡子規 枝豆
糸瓜忌や俳諧帰するところあり 村上鬼城
守武忌俳諧のまだ身に添はず 松崎鉄之介
酒を煮る男も弟子の発句つくり 正岡子規 酒煮る
秋ぐちの日暮は藁の俳諧寺 能村登四郎
秋の雲眺めて無為や俳諧師 山口青邨
秋の夜の俳諧燃ゆる思かな 石田波郷
秋水や俳諧奉行址橋たもと 角川源義
秋晴や寝台の上のホ句つくり 杉田久女
秋風やあはれ氣もなき俳諧師 正岡子規 秋風
秋風や薄清にしてホ句つくる 川端茅舎
十薬や世に古りそめしわが俳句 石田波郷
春寒し俳句止めざる男の面 相馬遷子 雪嶺
春風や藪のやうなる古俳諧 藤田湘子 てんてん
初仕事俳句の蟲をもて任じ 富安風生
少年の木の実のホ句に振ひけり 河東碧梧桐
食を断ち水絶ちホ句を絶ち涼し 後藤比奈夫
新興俳句忌ちふはなけれど春の雪 三橋敏雄
生身魂俳句は判りたまひけり 後藤比奈夫
西行忌ホ句にあそべる我は生く 阿波野青畝
西行忌俳句には恋詠まぬかな 阿波野青畝
赤とんぼ 恋着 俳諧師某之墓 伊丹三樹彦
雪原に兵の壮夫の発句生れよ 石橋秀野
煎餅かんで俳句を談す火鉢哉 正岡子規 火鉢
僧や俗や梅活けて発句十五人 正岡子規 梅
挿木して俳諧堕つるところかな 藤田湘子 神楽
窓あけてホ句細心や萩晴るる 飯田蛇笏 山廬集
霜柱俳句は切字響きけり 石田波郷
息きつて発句もできぬあつさ哉 正岡子規 暑
待遠しき俳句は我や四季の國 三橋敏雄
大夏炉俳諧の火を燃やすべく 高野素十
大年や茶の間の客は俳諧師 日野草城
滝寺の俳諧守ぞ頼母しき 角川源義
茸狩の松茸を秀句賞とせり 右城暮石 句集外 昭和六十一年
達磨忌や僧を眺めて俳諧師 川端茅舎
端居して遠しと信ず古俳諧 阿波野青畝
着ふくれて俳句の鬼と任じけり 阿波野青畝
昼の蟲一期のホ句を案ずらし 松本たかし
虫鳴や俳句分類の進む夜半 正岡子規 虫の声
通天やしぐれやどりの俳諧師 川端茅舎
釣人も俳諧のこころ年の暮 山口青邨
底紅や弔電のホ句とどくころ 上田五千石『天路』補遺
底紅や俳句に極致茶に極致 阿波野青畝
田楽は茄子を俳諧は荘子を祖 上田五千石 天路
田螺田の雨俳諧師逗留す 高野素十
田螺鳴くひとり興ずる俳諧師 山口青邨
冬晒地蔵の前過ぎ俳諧師(はいくつくり)なれど 中村草田男
桃史死ぬ勿れ俳句は出来ずともよし 日野草城
虹の前老俳諧師忸怩たり 山口青邨
日の本の俳諧見せふふしの山 正岡子規
年男われは俳句の季題にて 三橋敏雄
芭蕉忌の流燈俳諧亡者ども 山口誓子
芭蕉忌やとはに淋しき古俳諧 村上鬼城
芭蕉忌やみな俳諧の長者顔 前田普羅 普羅句集
芭蕉忌や我俳諧の奈良茶飯 正岡子規 芭蕉忌
芭蕉破れぬ俳句怠りゐし我に 村山故郷
俳句とは業余のすさび木の葉髪 中村苑子
俳句やさし俳句むつかしゆすらうめ 後藤比奈夫
俳句思へば泪わき出づ朝の李花 赤尾兜子 玄玄
俳諧(へえけへ)は四季に雜さて年新た 三橋敏雄
俳諧にかかはらぬものを読始 富安風生
俳諧につぐ闘菊や西鶴忌 飯田蛇笏
俳諧に捨てしこの身や炉を開く 日野草城
俳諧に生きて男の子や秋の風 日野草城
俳諧に凡の日あらぬ寝茣蓙かな 上田五千石 天路
俳諧に遊ばばや明易くとも 阿波野青畝
俳諧に遊びほうけて去年今年 山口青邨
俳諧に惑はず銀河南北に 日野草城
俳諧のあやめ結ばむ禿頭 阿波野青畝
俳諧のけふを酒宴に恵比寿講 森澄雄
俳諧のこころに荒地野菊かな 富安風生
俳諧のはらわた見せる紙衣かな 正岡子規 紙衣
俳諧のものの一つの冬日かな 高野素十
俳諧の一後進や万愚節 相生垣瓜人 明治草
俳諧の蛙フランス風に食ぶ 後藤比奈夫
俳諧の葛一袋夏見舞 高野素十
俳諧の忌日の中の子規忌かな 上村占魚 球磨
俳諧の虚実を見たり古茶新茶 正岡子規 新茶
俳諧の栗を拾はむ虚栗も 阿波野青畝
俳諧の月の心をともなひて 稲畑汀子
俳諧の御師のひとりの寒さかな 角川源義
俳諧の行往坐臥や夏来る 富安風生
俳諧の今宵の宿り月の空 高野素十
俳諧の秋さびてより二百年 正岡子規 秋さぶ
俳諧の心に蝶の美しく 高野素十
俳諧の西の奉行や月の秋 正岡子規 月
俳諧の疎まれ弟子の余寒かな 石田勝彦 百千
俳諧の草餅一つ啖ひけり 寒食 星野麥丘人
俳諧の大人(うし)といふべく友二の忌 星野麥丘人 2003年
俳諧の竹馬の友よ虹かけよ 山口青邨
俳諧の昼のふかみに猫の恋 下村槐太 光背
俳諧の帳面閉ぢよ除夜の鐘 村上鬼城
俳諧の毒の只中なる秋風 石塚友二 光塵
俳諧の毒を畏み土用入 藤田湘子 てんてん
俳諧の奈良茶茶の湯の柚味噌哉 正岡子規 柚味噌
俳諧の萩刈ならば手伝はむ 阿波野青畝
俳諧の仏千句の安居哉 正岡子規 夏籠
俳諧の欲の飽くなき熊手買ふ 富安風生
俳諧の咄身にしむ二人哉 正岡子規 身に入む
俳諧の諧にそむけり放屁虫 松崎鉄之介
俳諧や木の實くれさうな人を友 正岡子規 木の実
俳諧をさみしくしたり鳥威 阿波野青畝
俳諧夏行ゆるがせならぬ一昼寝 松本たかし
俳諧師ならばと 月の独吟百 伊丹三樹彦
俳諧師東明雅もしぐれけり 山田みづえ 草譜
俳諧事に非ず喪の家に蚊火焚いて 安住敦
俳諧寺一茶に綿ななかまど 百合山羽公 樂土
俳諧肺腑に沁みて腥し 富安風生
梅さくや居酒屋の主発句よむ 正岡子規 梅
八匹の俳句の鬼に鬼の飴 百合山羽公 樂土
発句修羅の仏おはして冴返る 石橋秀野
発句脇句第三とおき夕蛙 星野麥丘人 2001年
髪が枯れ俳句三昧壁炉愛づ 飯田蛇笏 雪峡
板書には英訳俳句 桜草 伊丹三樹彦
晩涼やおのおの語る古俳諧 飯田龍太
頻り頻るこれ俳諧の雪にあらず 中村草田男
蕗の薹そこらに台所俳句はいかに 山口青邨
蕗味噌をなめて俳諧はかく寂びし 山口青邨
宝舟届けくれけり俳諧師 秋櫻子 緑雲
蓬莱に俳句の神を祭らんか 正岡子規 蓬莱
朴落葉俳諧の一舎残らまし 河東碧梧桐
凡そ世に花の名句は山ほどに 鈴木真砂女 紫木蓮
盆の月俳句亡びるかもしれず 高田風人子
妹とゐて俳諧の夏たのしけれ 山口誓子
枕にす俳句分類の秋の集 正岡子規 秋
万両や詞すくなき俳句会 阿波野青畝
餅花や俳句に痩せし黄裸秤る 伊丹三樹彦
野菊晴母の俳句はをさなくて 清崎敏郎
謡ヲ談シ俳句ヲ談ス新茶哉 正岡子規 新茶
羅に透けて俳諧観世音 後藤比奈夫
立春や俳句とあそぶ法と遊ぶ 村山故郷
励めとは俳諧のこと草萌ゆる 木村蕪城 一位
連句読めば芭蕉が好きや冬籠 星野立子
和歌に痩せ俳句に痩せぬ夏男 正岡子規 夏
侘助の加はりをれる俳句会 相生垣瓜人 負暄
楸邨忌俳諧軽くなりしかな 林翔
涅槃図に顔寄せ俳句亡者かな 藤田湘子 てんてん
筍に発句題して帰りけり 正岡子規 筍
筍を剥いて発句を題せんか 正岡子規 筍
籐寝椅子子に俳諧は継がしめず 安住敦
閼伽すこし枯野にそそぎ俳諧師 古舘曹人 砂の音
霙るるや襖の文字の古俳諧 山口青邨

俳句 続補遺

としの暮あるひて発句あんじばや 土芳
なき人の発句きゝけり秋の雨 高桑闌更
ほとゝぎす坐当も一度発句かな 存義
夷講海老蔵秀句出かしたり 東皐
意味ふくむ今俳諧や雪の梅 西鶴
一字づゝ発句かゝばやちるもみぢ 井上士朗
一里は皆俳諧ぞくさの華 支考
花さけや発句に事をかきつばた 支考
花鳥や灰買船に俳諧師 支考
寒くとも出せ俳諧の船子ども 万子
曲水に秀句の遅参気色あり 曉台
今朝国士笑はせ初めぬ俳諧師 菅野谷高政
字を置てホ句になし侍る 存義
初ゆきの発句や皃の南ミ向ク 卓袋
初雁やあたまに発句尻に哥 万子
初日の花俳諧中間より銘々木々 西鶴
水のやうな発句のほしや夏坐敷 朱拙
杉焼の鳧や伺候の俳諧師 三宅嘯山
巣の為にならばとらせん発句の屑 東皐
霜がれの芭蕉をうへし発句塚 杉風
天の川明て空見る発句ぬし 子珊
日の影のかなしく寒し発句塚 史邦
俳諧でむすめの名也さよ碪 支考
俳諧にすゝむ人あり比良三上 里東
俳諧に古人有世のしぐれ哉 几董
俳諧に寐ころびがたし蓮の上 支考
俳諧の鎧を着ばや酒のかん 朱拙
俳諧の佐野のわたりやほとゝぎす 許六
俳諧の三神こゝに冬ごもり 几董
俳諧の紫陽花をしれ七変化 凉菟
俳諧の鼠も多し小豆種 支考
俳諧の草木なりけり梅の花 井上士朗
俳諧の袖も翁も時雨かな 梢風尼
俳諧の袖も芭蕉も枯野かな 梢風尼
俳諧の道くさにせん茶挽草 舎羅
俳諧の羅漢ならべりほとゝぎす 高桑闌更
俳諧師見かけて啼や諌皷鳥 支考
俳諧師梢の柿の蔕ばかり 松窓乙二
俳諧説て関路を通るしぐれかな 曽良
発句してわらわせにけりけふの月 丈草
筆柿に発句きかせよ越の人 凉菟

以上

# by 575fudemakase | 2017-12-15 07:58 | 無季 | Trackback | Comments(0)

田鳧 の俳句

田鳧 の俳句

田鳧

かんむりの田鳧のをるや初景色 森澄雄
むらさきに暮るる遠山田鳧鳴く 今井さだ子
芦原を埋め立てし泥田鳧飛ぶ 茨木和生 遠つ川
海髪干され田鳧あそべる日に乾く 中田樵杖
刈り跡の空晴れ田鳧群翔べり 遠藤 英子
冠をそばだて田鳧落ちつかず 田辺ふゆ
冠を傾け田鳧餌をあさる 多田菊葉
元日の日差し田鳧の蹴り歩き 高野途上
彩ひいて田鳧隠るる夕葎 木村風師
身に余る冠毛に田鳧落着けず 高橋雪江
大年や田鳧が翔べば目を移し 森澄雄
田を歩む田鳧冠羽を吹かれつつ 長谷川草洲
田一枚漁りて田鳧去りにけり 山口博
田鳧群れ冠羽を動かさず 岩淵喜代子 螢袋に灯をともす
田鳧鳴く丘をさかひの禁猟区 宮崎安子
田鳧来る頃の決つて風曇 原田柏生
田鳧来る田のひこばえの狐色 沖島たづ
田鳧啼き冬空をまた深くせり 落合伊津夫
田鳧啼く屏風しづかにたたまれし 黒田杏子 花下草
曇り日の田鳧の聲を杖とせむ 佐々木六戈 百韻反故 冬の皺
髪薄き人に田鳧を教へらる 松浦敬親
平城宮址貴人のごとく田鳧すぐ 中山フジ江
鳴きながら田鳧日暮の田を歩く 小澤和彦
露霜の浅倉遺跡田鳧翔つ 田中英子 『浪花津』

# by 575fudemakase | 2017-12-13 09:12 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)

山藤章二著 ヘタウマ文化論 を読んで

山藤章二著 ヘタウマ文化論 を読んで

2013・2・20 岩波新書


先づ、ちょっと長くなるが、ヘタウマ文化論なるものの肝を最初に抜き出して見る。

それに、俳句のジャンルでは、どのような作家が該当するのか二人ばかり挙げてみる。


「ウマい」「ヘタ」「オモシロい」


ずっと昔から、「一芸に秀でる」ということは、他人より抜きん出てウマくなることだった。「ウマい」の反対語は「ヘタ」。上達するとは、ヘタな所からウマい所へ上ってゆくことと決まっていた。つまり二極を結ぶひとすじ道である。

ところが、いつの頃からか、この「二極」の道とはまったく別の尺度が出現したのである。「第三極」=「オモシロい」という極が。いままで「ウマい」⇄「ヘタ」の一本道が絶対的尺度と誰もが思っていた所に、むくむくと第三の極が隆起して来た。

「オモシロい」。この新興の言葉は音の軽さとはウラハラに内容としては馬鹿にならない。便利であり、安易であり、曖昧であり、現代である。「ウマい」⇄「ヘタ」の二極を「旧街道」とするならば、旧街道は上り坂ばかりでシンドい。時間もかかる。と厭っていた世代の多くは 、平坦で時間もかからない「新街道」を選ぶようになった。この道は先述したように判断基準が曖昧である。仮にメディアで力を持った誰か(編集者とかディレクター のような立場のひと)が「オモシロい」と感じたら、同レベルの大衆も呼応して、たちまちメディアを席捲する。その頃「旧街道」を、地を這うような努力で歩んで来た連中は追い越されたような気分になる。

この「オモシロ現象」は当初、一過性の流行だろうと思っていたのだがそんなことはなかった。いまや、芸術、芸能、サブカルチュア全般にわたって「第三の極」として地盤を固めた。

(中略)

「ウマいやつ」は時間がかかるから滅多に出ないが、「妙なやつ、オモシロいやつ」はヒョンな所から現れる。クリエイティブな世界では不可欠の要因なのかも知れない。

(中略)

視点を少しずらしてみる。「ウマい」⇄「ヘタ」の尺度は万国共通だと思うが、「オモシロい」に関しては、日本はよその国より、〝寛容〟なのでは、と言う気がする。例えば「オモシロい」を英訳するとなると、そう簡単ではないように思う。インタレスティング、アトラクティブ、エンターテイニング、ファニイ、ユーモラス、…私の乏しい語彙ではどれも相手に通じなさそうだ。この「曰く言い難い」言葉を、われわれ日本人はいとも無雑作にやりとりしているのだから、この国の文化度は、成熟しているのか、いい加減なのか 、よくわからない。


さて 俳句の方で該当する御仁と言えば…以下であろうか?


坪内稔典

陰毛も 春もヤマキの 花かつお

春の暮 御用御用と サロンパス

春昼の 紀文のちくわ 穴ひとつ

春の坂 丸大ハムが 泣いている

ボンカレー 匂う三月 逆上がり

五月闇 日清サラダ油 揺れに揺れ

春風も 大阪瓦斯も 魚なぶる



池田澄子 

夕月やしっかりするとくたびれる

太陽が仕事している猫やなぎ

性格のよからんいそぎんちゃくぴんく

茄子焼いて冷やしてたましいの話

夏落葉どこに居ようと年をとる

山椒魚ついつい山椒魚を産み

豆の莢からぽろぽろっと生まれたし

青嵐神社があったので拝む

さらしくじらしみじみ白し雨になる

ピーマンを切って中を明るくしてあげた  

よし分った君はつくつく法師である

蓋をして浅蜊をあやめているところ


以上




# by 575fudemakase | 2017-12-13 08:29 | その他 | Trackback | Comments(0)

電飾 の俳句

電飾 の俳句
電飾

イヴの電飾庭木をうまく使ひけり 高澤良一 石鏡
クリスマスツリー電飾シンプルに 高澤良一 石鏡
クリスマス電飾抜けて来し眼鏡 原田栖子
こずゑまで電飾されて街路樹あり人のいとなみは木を眠らせぬ 小池光
画廊出てポインセチアも電飾に 原田嶺子
国慶節の電飾用意へ 薯煮える 伊丹公子 機内楽
聖夜来てすずらん通りの電飾樹 高澤良一 石鏡
電飾の胸元もまた十二月 嶋田麻紀
電飾の光さざめく師走の夜 牛島淳吉
電飾の仕掛け昼にてあらはな樹 高澤良一 石鏡
電飾の聖樹のともる夜の川 魚井イチエ
電飾の青々と醒め寒の雨 水田むつみ
電飾の木に隣りして社会鍋 岩崎照子
電飾の木より離れし冬木立 赤尾恵以
夕凪にもう電飾のトラック部隊 横山白虹
裸木の電飾いくつ星に足す 鱒澤行人

電飾 補遺
電飾樹残る日数をかぞへよと 林翔
石畳濡らす電飾悪誘う 伊丹三樹彦
ホテル広場電飾のみの大聖樹 山口誓子

以上

# by 575fudemakase | 2017-12-11 12:10 | 無季 | Trackback | Comments(0)

宿木 の俳句

宿木 の俳句

宿木

あなたが死んで宿り木に雪我に雪 原 雅子
あはれなる寄生木さへや芽をかざす 加藤楸邨
寄生木と鳥籠かけぬ枯木宿 前田普羅 新訂普羅句集
寄生木に雪嶺浮かみゐしが雨 木村蕪城 寒泉
寄生木に冬いきいきと鳥かよふ 杉本寛
寄生木に冬を残して帰り花 菊童
寄生木に夢あづけあり春夕 藤田湘子 てんてん
寄生木のうすうす見えて霧の中 花蓑
寄生木の影もはつきり冬木影 篠原鳳作
寄生木の春のみどりの御社 川崎展宏
寄生木の裏かゞやかす秋の潮 佐野まもる 海郷
寄生木やくさめとどきし夕鴉 桂樟蹊子
寄生木やしづかに移る火事の雲 水原秋桜子
寄生木やスケート一団山に入る 堀口星眠 火山灰の道
寄生木や静かに移る火事の雲 水原秋桜子
高梢に寄生木昇り初日受く 高澤良一 ももすずめ
宿り木の吹きあらはれし野分かな 岸本尚毅 舜
宿り木は葉をつけしまま大枯木 清水幸子
宿り木も薄紅葉して気多の杜 千田一路
宿り木を仰ぎて寒きふたりなり 山尾玉藻
宿り木を風が梳きゆく二月尽 鈴木一子
宿木と古巣は枝を異にして 高澤良一 石鏡
宿木にほうと佇む耳袋 高澤良一 鳩信
宿木に雀睦める年の暮 高澤良一 随笑
宿木に大甕のごと空冷えて 高澤良一 燕音
宿木に飛雪張りつく峠越え 高澤良一 随笑
宿木の円かに月の朧なる 長谷川久々子
宿木の翔び立ちさうな冬青空 高澤良一 随笑
宿木も共に神木小鳥来る 川崎桂子
宿木を寄せぬ欅でありにけり 高澤良一 さざなみやつこ
宿木を見つけしこゑの高弾み 高澤良一 随笑
春浅き旅は寄生木見つつ行く 加倉井秋を 午後の窓
春田から見えて火の見も寄生木も 藤田湘子 てんてん
初弥撒や寄生木に日の凍りつつ 堀口星眠
初彌撒や寄生木に日の凍りつつ 堀口星眠
水涸れて木に宿り木の高さかな 波多野爽波
大寒や榎木に百の寄生木の毬 西本一都 景色
汝が魂よ冬霧すさぶ寄生木よ 堀口星眠 営巣期
梅の木になほ宿り木や梅の花 松尾芭蕉
梅の木に猶宿り木や梅の花 松尾芭蕉
富士颪わけて細枝の寄生木は 市村究一郎
風に敏く寄生木に冬長からむ 中戸川朝人 残心
幽谷の宿り木にして春を待つ 津田清子
落葉して寄生木が編む毬の数 福永耕二
落葉尽き寄生木の群天を占む 林翔 和紙
楼門より寄生木高し春日の中 沢木欣一
鶸の讃歌寄生木のまづ萌えたつを 堀口星眠 火山灰の道

宿木 補遺

あはれなる寄生木さへや芽をかざす 加藤秋邨
何の木ぞ宿り木多き裸木は 右城暮石 散歩圏
寒禽に寄生木の雲ゆきたえぬ 飯田蛇笏 山響集
寄生木と鳥籠かけぬ枯木宿 前田普羅 普羅句集
寄生木にして薄紅葉したりけり 清崎敏郎
寄生木に雪嶺浮かみゐしが雨 木村蕪城 寒泉
寄生木に魅せられ餅を搗く女 橋閒石 卯
寄生木に夢あづけあり春夕 藤田湘子 てんてん
寄生木のみどりを春の驟雨過ぐ 飯田龍太
寄生木の毬青め青めてみそさざい 山田みづえ 手甲
寄生木やしづかに移る火事の雲 水原秋櫻子 葛飾
山祗のゆりかごであり宿り木は 佐藤鬼房
春田から見えて火の見も寄生木も 藤田湘子 てんてん
初茜して寄生木は藻のごとし 鷹羽狩行
水涸れて木に宿り木の高さかな 波多野爽波
母危篤寄生木に雪吹きつけて 大野林火 白幡南町 昭和二十九年
落葉尽き寄生木の群天を占む 林翔 和紙

宿木 続補遺

宿り木のうと~青し初時雨 六窓 新類題発句集
寄生木や宇那提の巣からこぼれ種 露川

以上


# by 575fudemakase | 2017-12-10 18:42 | 無季 | Trackback | Comments(0)


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尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
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《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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