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最近の嘱目句あれこれ16  2024年 (高澤良一)

最近の嘱目句あれこれ16  2024年 (高澤良一)


◼️春
春菊の胡麻汚しとは口奢る
進級す見馴れし路に見馴れし花
しゃぼん玉風に流され楕円体
目隠しをして歩くやう蜷の道
濡れ光る若布干しをり皺くちゃ婆

蛙の一茶上総富津に逗留す(一茶句に「痩蛙負けるな一茶これにあり」あれば)

春の曙自動車の音小鳥の声
均斉の取れた二タ文字芹薺


◼️夏
蜘蛛の囲をずたずたにせむ小癪なり
蟻さんの一日つぶさに見し男(熊谷守一)
虹の如気付いて始まる何事も
木製の塗装の剥げし浮輪かな
学童の揃って登校玉すだれ
ハリハリと海蘿(ふのり)乾ける礁岩
花季(どき)の胡瓜黄色に茄子むらさき
擬宝珠にショウジョウバエが止まりをり
泰山木の花は切り込みたき一句
田植機の植え立ての苗戦ぎをり
屈み見る小股の間の蟻の道
絹莢の出来上等や岬鼻
虹立ちてその終りまで見てをりし
萍に被さる病葉退けやれり
萍の次から次と生れ継ぎ
この辺で誰か滑りし著莪の花
マスカットに似せてその味アイスの実(アイスの実は商品名)
袋掛してゐる助っ人四人程
御多分に洩れず我が家も祭寄付

八幡橋海月ひらひら潮上げ来(此処 磯子)
穴子漁べえべえ言葉の漁師達
浜っ子の皆日焼けして算盤塾

ヨット繰り海の男の裕次郎(葉山 森戸海岸)
下校の子金の西日に包まれて
梅雨夕焼立読みもゐてバス待つ客
紙魚喰ひし紙屑零れ落つ黄表紙

夏旺ん西田演ずるひねくれ一茶(西田敏行)
蠅の一茶夏目成美と廓行(一茶句に「やれうつな蠅が手をすり足をする」あれば)

夏百日つまづき、よろめき日常茶飯
初っ端の花火おぼつかなき道程
大曲の花火仕掛けて五十年
あめんぼのあはやの衝突かしやかしやと
鶏卵を十ケ竝べて冷蔵庫
雷過ぎてそらみたことか山は晴れ
アイス珈琲大中小のMを選り
人間も映画も古ぼけ夏の果
雨空に何としたこと虹の立つ
立ち止まり視る足許の蝉の穴

青銅の蓮(はちす)仏陀のおん前に


◼️秋
試合劣勢ヤンキーズファンの席が空く
金木犀腐し散歩の距離端折る
芙蓉の実見ゆる垣越し朝まだき
卒塔婆に羽を休めし鬼やんま
午後の部も声をからして運動会
これこれちやん其処はプールよ不適当(ちやんは銀やんまの♀「メス」の呼称)
芋水車同じ仕草を百万回
芋水車同じ仕草を繰り返し
秋風や本屋を覗き茶房に寄り
おんぶばったと一緒に夕日見送れり
おんぶばった露の揺らめく芋の葉に
蜻蛉の水上をゆく翳悠々
一段と大きく雨音芋畑
十五夜の日なればこの雨上がるべし
船端に釣果の鰯やつれし眼
ぎんなんの皮むき藪蚊に襲はれぬ
ぎんなんをぽんぽん炒って茶碗蒸し
白式部賢さうなる実のびっしり
鶏頭の寄っかかり咲く卒塔婆
野菊一輪その他蕾は何処か野暮
庭掃除十月の蚊の執念きに
きちきちの飛ぶ方向に皆顔向け
その件には一切触れず秋の風

きな臭きまでに背高泡立草
電柱を斜めにのぼる葛の蔓
東横線に押し寄せてゐる藪枯らし
延々と鉄路続けり真葛原
初あらし葛の波打つ送電塔
駅前の立木色づくロータリー
応診待つ静寂(しじま)に居りて昼の虫
いてふ黄葉のスクールゾーン踏み渡る
残されし骨一文字初さんま
長き夜を草鞋編み込む小一時間
長き夜を長く使ひて樺細工
雄日芝のツンツン中央分離帯

長き夜の映画の終(しまひ)流るゝ文字
月下ゆく風体(ふうてい)何處か河豚のやう
竜宮城を尋ぬる思ひの月夜にて
仕上がってゆくもの柿も人格も
艶々とゴリラの鉄柵冬近し
千両の実の青々と雨に濡れ
鬼やんまのあの眼怖しとアメリカ人
都会からとんぼが消えて二十年
途中でやめああ、面白くない虫音(童謡風に云へば…)
チョンギースは機織る音ぞとキリギリス


◼️冬
天皇杯ゴールの揺り籠ダンスかな(G大阪 vs 横浜FM)
冬空に背筋伸ばして体操す
日向ぼこ老いと向き合ひ見えしこと
焼鳥焼く手付きは職人ガード下
忘年会待てず兎も角酒場へGO!
自転車に買物積んで街師走
葉隠れに茶が咲いてゐる高山寺
炭をつぐゆとりがありて八畳間
大根台地雨が上がりて畝締り
日向ぼこ俳句作りはそっちのけ
おほかみが舌なめずりをして扉口
丈高く葱でも作さむ畝作り
ランプの宿埋もれ木細工の体験コーナー
虎落笛ビーフカレーの飯少な目

初っ端よりジョネ・ナイカブラの初トライ
彼の顔付オールブラックスとは絶妙
新たな挑戦姫野のジャッカル期待せり
ニュージーランドハカのあかんベー大好きで
アインシュタインも顔負けハカのあかんベー

鶏が首傾げをる鬼貫忌
煤掃や日常些事の積み重ね
寝殿の大屋根叩き玉あられ
年忘「どうせこの世は一ぽんどっこ」(出世街道)
十二月八日の朝の雨尖り
畠山みどりと云う歌手年忘
狼を祖とし柴犬系統図
狼から引き継ぎしもの汝(な)は柴犬
執拗に猿を追跡秋田犬
薄れゆく記憶勤労感謝の日
坂に張る氷怖々渡りけり
ぽってりとしてゐる肉屋の冬の蠅
萍の幾分黄色味がかり冬
寒卵小さく数字が打ってある
ハリハリと深夜の窓に張る氷
中禅寺湖氷ると怖いつづら折り
上品な包装歳暮の花林糖
これ以上梟の首曲らない
厨房に初お目見えの冬の蠅
冬たんぽぽロケの寅さん佇ずむ辺
手締又手締を呼んで一の酉
十二月八日虎虎虎!の打電
ジュウニガツヨウカトラ・トラ・トラ!ノダデン
氷柱へし折る思ひにはかにハケの森
ちょこまかと墓原歩く冬すずめ
半端でない雪ありし日の雪卸し
完走者冬の舗道に唾吐きて
火災報知器の更新ありて十年ぶり
棒杭のごと佇ち底冷の墓前
発券機の手順ややこしもう師走
軍艦は硬く水鳥やはらかく
鴨進む姿勢を崩さず一直線
焼藷の売子の佇てるビル地下街
クリスマスローズの枯葉はみ出す鉢の外
信号に面と向かひて十二月
大榾のへろりと挙げし青焔(ほむら)
冬林檎では紅玉がいちばん好き
十二月決まって覗く死亡欄


◼️新年
朝ぼんやりしてゐて富士さん初がすみ
老の春暗証番号打ち込んで
初夢にブラボー船籍シャリアピン
相変はらずの笑顔振りまき年賀客
取り損ね転がる鉛筆小正月
輦台(れんだい)で渡河の段取り絵双六
積み上げて幸を二乗の福だるま
御降や地べた木賊と濡れ始め

妻へ
五年日記初春なれば何と書く

月世界旅行どうやと初刷に
火星旅行なんぞよからむ初夢に
近頃の屋根は軽々御降す
鷽替えのウソが書けぬとスマホ出し
端持って縄を回す子お正月
新しき俳句詠まんとお正月

NHK BS 柴犬深掘り!国際放送で大反響あり
死ぬ処柴犬権太に助けらる
放映の話題の柴犬どんな犬

海底ケーブル
飛び交ふニュース太平洋の底這ひて

空港作り時間、金品継ぎ込んで
月世界旅行兎の棲める國

懐古
東司にも貌出すアサガオ永平寺


◼️雑
何でも機械化時代
紙幣はこちら、コインはそちら「出来たでしょう」と言ひたげな
本の清算コキツカワレタやうな違和感(何でも機械化時代)
おつもりにでかいおにぎり酒処
若人立て処世経世清らかに
刺激的赫使ふ画やフォーヴィズム(野獣派)

支え合ふ竹がありての竹林よ
垂んと百メートルの鉄砲垣

竹細工職人曰く
先づは修行竹の伐採十年よ

竹細工師に菊割りと云ふ彼の道具
木阿弥の光悦寺垣編みが秘伝
順番に片付くを待つ鳩時計
橋脚への落書へたくそバンクシー
追ひ詰められ一矢報ゆるヤンキーズ

真っ昼間妻の付き添ふ心臓内科
朝日の中登校児童のレモンイエロー
一茶句の「粋」秘め心の玉手箱

十五の弥太郎一旗上げむと江戸へ旅
小さく一茶東西俳人番付に

露の世のつゆの中にておねしょの夢(次の 一茶句をもじりて「露の世のつゆの中にて喧嘩かな」)

地震速報くんれんくんれんくんれんと
地震速報心臓鎮めて聞くことに
地震速報どの方向のどの電柱より

棒切れに作務衣の上下干しあがる
轟轟と厨の方より洗濯音
空腹の腹の鳴りやう洗濯音

寝しなに聞く自動車の音小鳥の声

大谷肩を脱臼す
パドレス戦体幹崩さず打つヒット


以上
(妄言陳謝)


# by 575fudemakase | 2024-11-02 07:22 | ブログ | Trackback

最近の嘱目句あれこれ15  2024年 (高澤良一)

最近の嘱目句あれこれ15  2024年 (高澤良一)


◼️春
湖(うみ)の水辺人の営みあたたかく
寅さんのちんがらホケキョの藪うぐひす
診察待つ親子の会話うららけし


◼️夏
華麗なる水辺の主役水蠆(ヤゴ)誕生
水蠆(ヤゴ)脱皮十二回程柿田川
水と空を自在に生きるものトンボ
獲物狙う姿勢はカマキリそのもの水蠆(ヤゴ)
肉食性水生昆虫水蠆(ヤゴ)は怪物
水蠆(ヤゴ)やがて水中衣装を脱ぎ捨てに
くしゃくしゃの羽が伸びゆき水蠆(ヤゴ)の羽化
鬼やんまの水蠆(ヤゴ)の潜める梅花藻林
湧水を泳げるハリヨ紅つけて

川端(かばた)佳きもの人の暮らしのかたわらで(注 川端とは、川の水や井戸水を家の中に引き込み洗ひ物などに利用する水場のこと。滋賀県針江集落)

ヨシノボリの喧嘩口開け威嚇して
ヨシノボリの喧嘩見事に追ひ払ふ
洗ひ物ご飯粒食(お)すヨシノボリ
産卵の守役♂(おす)のヨシノボリ
トマト・ナス・キュウリぷかりと川端(かばた)の隅
よく冷えた西瓜持ち上ぐ川端(かばた)より
大西瓜反転川端(かばた)の湧水に
ヨシノボリの子達川端(かばた)に入らむと(川漁師の家)
鳰(かいつぶり)の卵五ヶ程梅雨まみれ
外つ国より川端見ツアー十人程

蛙の目に映る湖国の花火かな
蚊燻しの煙を自分の方へ向け
玉堂の虹図出展パリ万博(川合玉堂)

虹を見る女の目線佳かりけり
野外映画は「スターリンググラード」母校にて


◼️秋
フランスにも顔白トンボ湖・沼に
森がありトンボを食べる鳥が居り
寒冷地池塘に生息蝦夷アカネ
糸トンボの交尾は数秒ハート型
上川町顔白トンボの脱皮殻
これは妙腹部極太ハラビロトンボ
おはぐろとんぼアクロバティックな飛び方す
トンボ何と云っても空中での敏捷さ
トンボ羨(とも)し自在に四枚羽あやつるよ
四枚羽を個別に駆動鬼ヤンマ
塩辛蜻蛉(シオカラ)現(あ)る不精者めく風体で 
トンボえらく上機嫌にて高処を飛ぶ
秋晴の街ゆくサイレン未だ聞こゆ
リロリロと虫音はセロ弾きゴーシュの音
ふふふーんと唄う寅さん秋の空
新秋の礼状字配り整然と
運動会綱引き苦手でぱぴぷぺぽ
コンビニにも無人化の波文化の日
アメリカの絶景秋晴のリンカーン像
秋空へドジャーズブルーの大声援
ぎんなんの落ちし処へゆく目線
稀勢の里着こなす結城紬なる(結城市より「結城紬大使」に任命される)
お目見えの茨城県産「虹のきらめき」(稲の新品種)
とんぼうの一人遊びや畦伝ひ
秋っぽい雲が出ている海のうへ
くわりん挘ぐ体幹そもそも脆弱で
秋の水蛇の泳ぎは蛇泳ぎ
葉鶏頭ど奴の仕業穴空き葉
スパチキや釣瓶落しの窓辺にて
スパチキの赤包装紙火恋し


◼️冬
「ごんぎつね」の誕生元は知多半島(童話)
川あれば見せ呉れキツネの生活史(庄内川)
ホンドギツネの大好物はネズミなり
キツネ住みつく巣内に桑の実庄内川
ニュース報道タヌキの都会暮らし哉
キツネ殖ゆ山と都会が近い故(名古屋周辺)
名古屋城キツネの目撃けふも又

食器洗ひ冬あたたかな川端(かばた)の水
ヨシノボリ川端(かばた)の隅で春を待つ

北風を底意地出して押し返す
忘年会肩組み唄ふ六十面(づら)
顔付きがすっとんきょうな鳰(かいつぶり)
立木(りゅうぼく)の代表として泰山木


◼️新年
年賀状母の遺せし筆遣ひ
辰年の筆勢竜の天衝くごと
賀状来ぬ筆鋒鋭く僧侶のもの
正月に飽きゑへへの寅さん又旅へ(映画「男はつらいよ」)
直ぐ匙を投げる癖出て賀状書き
賀状書く妻の筆圧軽きかな
書き振りにその人の出る賀状来ぬ
母さんの字面思うてお正月
幽々と歯朶谷の奥悠然と


◼️雑
「水茎の跡」など絶対いけません(文通)
大谷の此処ぞのいっぽん本塁打
青森に実在田舎のプレスリー (吉幾三)
あまりにも軽き老体針ふれず
画狂老人内野好演「八犬伝」(映画 内野聖陽)
つゆだく牛丼 我より食の太き妻


以上
(妄言陳謝)


# by 575fudemakase | 2024-10-30 06:49 | ブログ | Trackback

最近の嘱目句あれこれ14  2024年 (高澤良一)

最近の嘱目句あれこれ14  2024年 (高澤良一)



◼️春
今朝のニュース公魚漁を報じをり
雛飾るやうに嬰嬰(やや)置きオーダーす
つくづくしそれ見た事かと道違へ
蜷の道なるかと問へば「その通り」


◼️夏
ごきぶりの死を直視する事無き日々(「ゴキちゃん」大活躍)
退屈に飽きしとおっしゃる水中花
ザッと来て中途半端に上がる雨
掏摸乗せてぐるり西日の山手線
ヨウシュヤマゴボウにょっきり庭先に
蛇にもし脚があるなら蛇足なり
あっ虹だ 昔話はそこそこに
籠に盛るスターフルーツ熱帯夜(ホテル・ラッフルズ)
邂逅やビールのジョッキ高掲げ
駆けつけ一杯グラスビールに揚げシュリンプ
板の間に仕舞ひそびれし扇風機
末生りの果ては腐りてこの不様(瓜)
夏らしやタクシー叩く雨大粒
電気バリカン項(うなじ)にひんやり夏始め
「ゴキちゃん」にみんな殺(や)られて御器かぶり(ゴキブリ駆除剤)
ほう酸にみんな殺られて油虫

津軽三味突き刺さる音晩夏かな
村々の鳥居に鬼っこ宵の宮(紙人形)
村民が屋台を切りもり夏祭
十三湖夏場は蜆の産卵期
棒鱈を一昼夜浸け夏料理
水中花唯々無言を貫けり
牛乳屋にはちゃんと人ゐて「お早うさん」
牛乳屋の牛乳瓶の蓋釘刺し
あの音は牛乳配達 昭和の路地
藪っ蚊の敵機来襲逃げるが勝ち
堂前の蓮(はちす)すっくと海蔵寺
雷一閃正しく一雨ありさうな
デパ地下のカット西瓜を手土産に
梅雨に倦む口に放りぬコンペイトウ


◼️秋
月見バーガー食うて今宵は狸と洒落
管物や人も疎に雨宿す
屋根を打つ雨の強弱秋夜半
糞坊主に素首摶たれて死人花
天南星寿限無寿限無を念じつゝ(その赤実)
秋海棠の屈強な茎雨弾く
起きるには少し早めか虫繁き
秋は咳コホンと一つ厨より
新秋のバター炊き込むご飯かな
アナウンサー・ゲストの胸に赤い羽根
鵙ギョギョと石破内閣発足す
缶からにお陀仏になる鯊一匹
ガタが来てお釈迦に料理用鋏
八幡様の境内見頃の彼岸花
秋の長雨やっとの事で今朝上がる
縁側のある家に棲む生御魂
朝採りの嶽きみ捥げる音パキパキ(嶽きみは玉蜀黍のこと)
朝採りの嶽きみ捥げる黍畑
実すぐりの林檎ゴロゴロ半端じゃなし
舟の漁始まる八月十三湖
落ち林檎糀につけしをご相伴
ねぷた太鼓に跨がりじゃわめく津軽衆(じゃわめく…心騒ぐ)
鵙の贄内閣人事表沙汰(石破内閣)
山際や出しなの月にうっとりす
菊花展何處でも日本(にっぽん)俳諧國
紅葉どきずずいと入る海蔵寺
うしみつの階(きざはし)攀ぢて黒地蔵盆
黄落の真只中の建長寺
衰へぬ虫音日の出は五時五分
ヤットウの剣道が好き竹の春
色変えぬ松や皇居のだだっ広
花芙蓉皆おはやうと云ふ顔す
雨に濡る色をこき混ぜ柿もみぢ
梅擬物音一つ湖向う
がまずや人たぐり寄す五色沼
木瓜の実のこんな奴がと云う手付き
白式部ちょっとづつ読む徒然草
さらさらと物音あらあらいつから雨


◼️冬
簾越し時雨強まる今宵かな
煤払厨に陶の招き猫
年の湯や座すにも尻ぺた骨ばって
チドリ目シギ科オバシギ属 錐合(キリアイ)
この降り方秋雨(あきさめ)などとは云ふ訳には
初冬とて素手剥き出しに元気な娘(こ)
母(か)ちゃ長生きしてけろと締め巫女(いたこ)
津軽よされ習ふ小学校(しょうがく)三味線部
鯨体はひねりを加はえ深海へ
熱燗についつい話しが長くなる
偉ぶりたがる人間様とお月様
高島屋の大玻璃戸越し色ブーツ
相模の國押し照る海を朝日馳せ
褞袍着ておじやいただくハナ肇
焼芋のすっぱき臭い手につきぬ
蒸饅頭阿弥陀籤めく路地をゆく
新調の靴履き下ろす七五三
デパ地下の出口は何處だとマスクの人


◼️新年
歳旦吟二番煎じじゃない一句を


◼️雑
ジーンズに財布をはたくやいい齢こいて
道聞くにもおじさんの性(さが)先づ方位
冷凍野菜イオンの地下で買ひ漁り
受験雑誌「蛍雪時代」に励みし世
蛍雪や蛍光灯も消えゆくか( 松下電気(株))
ガーリックトースト頼んで旅の朝餉とす
人誰も何処か患ふ八十代(サイゼリアにて)
これ外人路上飲酒はいけません(渋谷)
「嘘!」「本当?」素より他愛ない話
家庭料理津軽三年味噌汁に
軽トラで三浦台地の花卉(かき)運ぶ
徹子の時間学童・縁故の話しに終止(疎開)
おっとうと稽古に励み津軽三味
酒屋の娘(こ)女ながらの三味引き手
鮨詰に腕突っ張って通勤者(じゃ)
沢の鶴ぐいとひっかけ金(かね)算段
目指すは百歳本気の遊びを俳諧以て
カナカナの俳句は電報打つやうや
百均でメモ帖百貨店にて手帳

以上
(妄言陳謝)




# by 575fudemakase | 2024-10-30 06:30 | ブログ | Trackback

我が家の吊り鉢風景

我が家の吊り鉢風景

来年春先まではこれで行ける。
春を先取りしました。パンジー、ビオラの花期は長い。
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# by 575fudemakase | 2024-10-25 08:15 | ブログ | Trackback

寺前八幡神社のぎんなん

寺前八幡神社のぎんなん、バケツに掻き込んで自宅で二日かけて干し上げた。
ご近所さんへお裾分けの予定。茶碗蒸しにすると美味しい。

寺前八幡神社のぎんなんは高齢化の為今では、誰一人採るものがいなくなった。
淋しい限りである。
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# by 575fudemakase | 2024-10-25 07:58 | ブログ | Trackback


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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