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黒船来航 と  小柴港

黒船来航 と 小柴港
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上図小柴の右上の先端は野島。北東方向に夏島、猿島、観音崎が望める。


↓ここクリック

小柴港は小生の住まいから目の鼻の先にあり、私の散歩コースに含まる故
黒船来航事件は身近な問題として響くのである。おりもおり、NHKが「英雄の選択」という番組で黒船来襲を取り上げたのでこの一文を草したのである。

黒船事件の概要はザッと以下の通りである。

「泰平の眠りをさます上喜撰たった四盃で夜も寝られず」という有名な狂歌
 がありますが、これほど人々が右往左往したのは、この艦隊が浦賀という
 江戸にほど近い場所に姿を見せ、江戸の町を砲撃するという噂が広まった
 からです。町にはこの異国船到来を告げる多種多様の瓦(かわら)版(読売)
 があふれました。

結局、徳川幕府はペリーの強硬な姿勢に屈する形で、安政元年(1854)に日米和親条約(神奈川条約)、その後日米修好通商条約を結びます。さらにオランダ、ロシ

ア、イギリス、フランスとも同様の条約(安政の五ヶ国条約)を結び、日本は長い鎖国政策を解いて開国することとなりました。







1853年7月8日(嘉永6年6月3日)17時に浦賀沖に現れ、停泊した。日本人が初めて見た艦は、それまで訪れていたロシア海軍やイギリス海軍の帆船とは違うものであった。黒塗りの船体の外輪船は、帆以外に外輪と蒸気機関でも航行し、帆船を1艦ずつ曳航しながら煙突からはもうもうと煙を上げていた。その様子から、日本人は「黒船」と呼んだ。

浦賀沖に投錨した艦隊は旗艦「サスケハナ」(蒸気外輪フリゲート)、「ミシシッピ」(同)、「サラトガ」(帆走スループ)、「プリマス」(USS Plymouth 同)の4隻からなっていた。大砲は計73門あり、日本側からの襲撃を恐れ臨戦態勢をとっていた。

浦賀奉行戸田氏栄は米艦隊旗艦サスケハナ(司令長官旗を掲げていたため識別可能であった)に対して、まず浦賀奉行所与力中島三郎助を派遣し、ペリーの渡航が将軍にアメリカ合衆国大統領親書を渡すことが目的であることを把握した。サスケハナに乗艦するために中島は「副奉行」と詐称したが、ペリー側は幕府側の階級が低すぎるとして親書を預けることを拒否した。続いて翌7月9日(嘉永6年6月4日)、浦賀奉行所与力香山栄左衛門が浦賀奉行と称して訪ね、ブキャナン艦長とアダムス参謀長およびペリーの副官のコンティーと会見した。しかし対応は変わらず、親書は最高位の役人にしか渡さないとはねつけられた。香山は上司と相談するために4日の猶予をくれるように頼んだが、ペリーは3日なら待とうと答え、さらに「親書を受け取れるような高い身分の役人を派遣しなければ、江戸湾を北上して、兵を率いて上陸し、将軍に直接手渡しすることになる」と脅しをかけた。

同日、ペリーは艦隊所属の各艦から1隻ずつの武装した短艇を派遣して、浦賀湊内を測量させた。この測量は幕府側に威圧を加えるという効果をもたらした。浦賀奉行は、当然ながら抗議した。その回答は、鎖国体制下の不平等な国際関係を排除するという考えであり、日本に対して不平等な国際関を強いようとする考えが含まれていた[23]。7月11日(嘉永6年6月6日)早朝から測量艇隊は江戸湾内に20キロほど侵入し、その護衛にミシシッピ号がついていた。その行動の裏には、ペリーの「強力な軍艦で江戸に接近する態度を示せば、日本政府(幕府)の目を覚まさせ、米国にとってより都合のいい返答を与えるであろう」との期待があった。この行動に幕府は大きな衝撃を受け、7月12日(嘉永6年6月7日)、「姑く耐認し枉げて其意に任せ、速やかに退帆せしめ後事をなさん」との見地から国書を受領し、返事は長崎オランダ商館長を通じて伝達するよう浦賀奉行井戸弘道に訓令し、対応にあたらせた[24]

このとき、第12代征夷大将軍徳川家慶は病床に伏せており、国家の重大事を決定できる状態にはなかった。老中首座阿部正弘は、7月11日(嘉永6年6月6日)に「国書を受け取るぐらいは仕方ないだろう」との結論に至り、7月14日(嘉永6年6月9日)にペリー一行の久里浜上陸を許し、下曽根信敦率いる幕府直轄部隊に加え、陸上を川越藩彦根藩、海上を会津藩忍藩が警備するなか、浦賀奉行の戸田氏栄井戸弘道がペリーと会見した。

ペリーは彼らに開国を促す大統領フィルモアの親書[† 4][25]、提督の信任状、覚書などを手渡したが、幕府は「将軍が病気であって決定できない」として、返答に1年の猶予を要求したため、ペリーは「返事を聞くために1年後に再来航する」と告げた。ここでは文書の受け渡しのみで何ら外交上の交渉は行われなかった。日本側の全権である浦賀奉行の戸田と井戸の2人は一言も発しなかった。

日本側は、会見が終了して2、3日すれば退去するものと考えていたが、ペリーは7月15日(嘉永6年6月10日)にミシシッピー号に移乗し、浦賀より20マイル北上して江戸の港を明瞭に望見できるところまで進み、将軍に充分な威嚇を示してから小柴沖に引き返した。

艦隊は7月17日(嘉永6年6月12日)に江戸を離れ、琉球に残した艦隊に合流してイギリスの植民地である香港へ帰った。ペリーは本国政府訓令の精神を貫徹することに成功した[26]

以下、史実の示す処を見るとペリー来襲事件を見ると実に面白いのである。

先づペリー提督が米国出国時描いた構想は、蒸気船12、3艘で来襲し、威嚇外交で開港を迫る予定が結果的にはたったの四艘しか調達出来なかったのである。そして大統領からは決して交戦してはならないという条件を言い渡されていたのである。

また日本側(老中 安倍)のノラリクラリの引き伸ばし作戦につき合えば軍艦の食糧備蓄が尽きるといった問題も抱えていたのである。これを日本側に悟られず達成することがペリーの最大の関心事であった。その結果が史実の示すところとなった。

改めて歴史とは面白いと痛感した次第である。

その他、NHKテレビで面白かったのは、この外交交渉をプロの米国派遣日本大使藤﨑 一郎さんに評価して貰ったことである。結果はOKという事であった。

ペリー提督、老中安倍に関する余談

ペリー提督の余談
ペリーは来日する前に列強(ロシア、オランダ、スペイン)の日本への接近、肉迫の仕方をスタディしていた。以下を通読していたのである。

ケンペルの「日本誌」
ゴローニンの日本幽囚記
シーボルトの
『NIPPON』の副題に「日本とその隣国、保護国-蝦夷・南千島列島・樺太・朝鮮・琉球諸島-の記録集。 日本とヨーロッパの文書および自己の観察による。」 とあります。 ドイツ人医師フィリップ・フランツ・フォン・シーボルトが、その生涯を賭けた日本に関する著作物の一つです。

もうひとつペリーの余談

ペリーが来日する前にペリー自身が体験した脅迫外交について。ペリーは揉めていたメキシコとの折衝にあたり、メキシコの背後の海上から威嚇して此れを成功裡に納めた。
これが日本の交渉にも利くと確信していたのである。

老中安倍の余談
ペリー提督帰米後、安倍は「海防」につき、大名から吉原の遊女に至るまで克明にアンケートをとりそれを江戸市民に公表した。それが明治時代の富国強兵策に繋がり、昭和の大暴走に繋がる結果となった。アメリカに負けてスッテンテンになった日本である。

以上

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# by 575fudemakase | 2023-04-23 06:15 | ブログ | Trackback

童子主宰・同人作品あてずっぽ選 2023年4月号

童子主宰・同人作品あてずっぽ選 2023年4月号
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貴誌ご恵送いつも有難うございます。
もう少し広い範囲で共鳴句選ばせて頂くよう
変更させていただきました。
作者名は無しで・・・・。
取り敢えず 同人欄辺り迄で。

喰積の誰も箸つけぬ一区画
お汁粉は餅にあふれて初笑
ひよつと出て遠くまで来し三日かな
羽子つきのかーんかーんがあちらから
すれちがふとき姐さんの淑気かな
笹子鳴くあちらが鳴けばこちも鳴く
長老の選んでくれし宝舟

ふいと出て歩きすぎたり初詣
門ごとの南天の実も京(みやこ)ぶり
「老松」に勅題菓子の「友」買へり

いい福を持つてつてやと初えびす

葉牡丹の至極端正なる一つ
板の間に板の継ぎ目や日脚伸ぶ
紅梅のひと枝向きをたがへたる

吾めがけ飛んで来るなり福の豆
絨毯の吉祥文や踏まずゆく
稲荷寿司(おいなり)は志乃多と決めて一の午

牡蠣船の灯のつく頃の浪速かな
牡蠣船や咄家のゐる隅の卓
牡蠣フライ酢牡蠣土手鍋言ふことなし
飲み食ひをして牡蠣飯を家苞に

鳥帰る湖を大きく一周し
がやがやと梅見の客やみな降りて
青竹をたわめたわめて垣手入

水洟の垂るるを下唇に受け


妄選陳謝。(高澤良一)

# by 575fudemakase | 2023-04-20 21:46 | ブログ | Trackback

「詳細」秋の生活の例句 in 角川俳句大歳事記 秋

「詳細」秋の生活の例句 in 角川俳句大歳事記 秋
「詳細」秋の生活の例句 in 角川俳句大歳事記 秋_b0223579_17501143.jpeg
赤い羽根つけらるる待つ息とめて
赤い羽根つけてどこへも行かぬ母

今年より吾子の硯のありて洗ふ
ねんごろに贋端渓を洗ひけり
硯洗ふてのひらほどの一つ得て

七夕や野にもねがひの糸すすき
生き堪へて七夕の文字太く書く
天ざかる鄙に住みけり星祭
銀紙に揃ふ絹針星祭
七夕竹惜命の文字隠れなし
七夕の竹青天を乱し伐る

星合や瞽女(ごぜ)も願ひの糸とらん
大濤のとどろと星の契りかな
枕辺や星別れんとする晨
昧爽といふべき星の別れかな

彦星のしづまりかへる夕かな

おり姫に推参したり夜這ひ星

鵲の橋は石にも成りぬべし

汝が為の願の糸と誰か知る

手をとってかゝする梶の広葉かな

好しき色とりどりや貸小袖

ふんばれる真菰の馬の肢よわし

腰掛けの侫武多曳き手の声揃ふ
こは貞任これは宗任ねぶたに灯
つかのまの若さを跳ねて侫武多かな
ぬつと出て町睥睨す立侫武多

竿灯の撓ふにつれて身を反らす
竿燈や光の大河さながらに
竿灯の息抜くやうに倒れたる

秋遍路水うまさうにのみにけり
船室に鈴つつしむよ秋遍路
山を見つ山に見られつ秋遍路
流木に腰かけてゐる秋遍路
秋遍路白湯一杯に発ちにけり
落日に明日を恃みて秋遍路

摂待や雨にぬれたる真木一駄
居し人に後来し人に門茶かな

望月や盆くたびれで人は寝る
盂蘭盆や水にうつりて風が過ぐ
瀬しぶきに洗ひて盆の瓜なすび
盆の客みんな帰ってしまひけり
蕎麦好きを蕎麦でもてなす盆の入
喉しぼる盆唄にして会津かな
藁にかへる馬糞や盆も過ぎし道

まざまざといますが如し魂祭
玉棚の奥なつかしや親の顔
魂棚をほどけばもとの座敷かな
腹立つる顔でも見たし玉祭り
線香の焼きし錦や魂祭
魂まつる馬の墓にも火を領けて
盆棚の二尺四方の夕明り
河原石積んで魂棚こさへけり
棚経僧煽ぎまゐらす昔より
棚経に前山は雨ぬいでゆく

奥の間に声おとろへず生身魂
生身魂すずしく箸を使ひけり
生身魂小鎌一丁持ちあるく
大正の佳き世のことを生身魂
針を持つ手は衰へず生身魂
田の見ゆる縁側が好き生御魂

世に活きて腹こやしけり蓮の飯
姿見の奥に映れる蓮の飯

生霊は刺鯖喰うて現かな

かくつよき門火われにも焚き呉れよ
真っ先に弟の来る門火なり
門火焚き終へたる闇にまだ立てる
門火焚くひとりの膝を深く折り
波音の常とかはらぬ門火焚く
苧殻焚くゆるしてゆるしてゆるしてと

風が吹く仏来給ふけはひあり
迎へ火のぽとと火屑を地にひろげ
妻がせし如く迎火妻に焚く
父に似る伯父を上座に魂迎

まあまあの出来なる茄子の馬で来よ
初捥ぎのわが丹精の茄子の馬

夕月や涼みがてらの墓参り
凡そ天下に去来程の小さき墓に参りけり
きやうだいの縁うすかりし墓参かな
掃苔やありし日のごとかしづける
掃苔や母の話を聞くばかり
順送りならばわが番墓洗ふ
暑がりの弟の墓洗ひけり

雛僧の下駄並べゐる施餓鬼かな
山月の細りし施餓鬼太鼓かな
川施餓鬼四十九院の旆なびき

小舟より灯籠とめどなく流す
流燈や一つにはかにさかのぼる
流灯のまばらになりてより急ぐ
流灯の探し当てたる風のみち
流燈となりても母の躓けり
流灯におのづと道の生れけり
暮るるまで雨怺へをり流燈会

島も果精霊舟の打ち上がり

旅終へてひと日遅れの送り盆

いとせめて送火明く焚きにけり
焔立つ送り火を子がまたぐとき
送り火のあとかたもなく掃かれけり

柳川は水辺水辺の地蔵盆
蕗の葉に蠟燭ともす地蔵盆
裾たくし上げてもらひぬ地蔵盆
地蔵盆つかめば財布しんなりと
灯を低く飛鳥大仏地蔵盆
持ち寄りし団子まちまち地蔵盆
湯上がりの項匂ふよ地蔵盆
下京や下駄突っかけて地蔵盆
行き過ぎて胸の地蔵会明りかな

まづ匂ふ真菰むしろや艸の市
草市やほつりと雨を人の上
草市に買ひたるもののどれも軽し
草市の荷を解けばすぐ蝶きたる
草市のひとつ売れては整へて
草市のものにまじりて竹とんぼ
草市の露に濡れゐるものばかり

舟板に草蝦干すも盆用意
おしまひにうどん粉を買ふ盆用意
燭台の蠟削ぐことも盆支度
日の当るものを日陰に盆支度

幼には帚を持たせ七日盆

背戸よりの盆みちをまた草覆ふ
盆路に午後はかぶさる山の影
うしろから風吹いてくる盆の道

かりそめに燈籠おくや草の中
燈籠にしばらくのこる匂ひかな
燈籠に火が入りてなほあをき空
ぬれ縁をわづかに照らし盆燈籠
盆燈籠ともす一事に生き残る
先生の切子燈籠ともしけり
まつくらな海がうしろに切子かな
大切子匂ふばかりに新しく

盆花の丈を揃へて育てらる

父の箸母の箸よと苧殻折る
苧殻折る力を母が出しにけり

盆綱へ打つ産土の命水

雨脚を窓に眺めて盆休
菓子木型あまさず干して盆休み
薬草茶いろいろ味見盆休

病人に問ふて払へり盆の掛

中元の礼状書きもして家居
大仏の耳掻といふお中元
盆礼に忍び来しにも似たるかな

藪入して秋の夕を眺めけり

衝突入(つといり)やおのれをかしき足の跡

八朔や浅黄小紋の新しく
八朔の山へ打ち込む護摩太鼓

出代の一夜も二夜も夜寒かな

馬の市酔ひどれ哀歌くりかへす
ふつかめも来て馬市にあそびけり

茱萸酒に酔ふとしもなく凝りにけり

ちちははより老いて菊酒愛しをり
菊酒や国栖にみじかき木挽き唄

火美し酒美しやあたためむ
あたため酒いくたびも世につまづきし
まなじりの皺こそよけれ温め酒
捨つるもの捨てて今ある温め酒
夜は波のうしろより来る温め酒

豊年の雨御覧ぜよ雛達
箱書に母の書褪せず後の雛

みちのくの黄菊ばかりの菊枕
今更と思へど欲しき菊枕
菊枕してなにほどの夢や見し
やはらかく叩いて均す菊枕

化粧して十日の菊の心地かな
うつかりは凡人の常十日菊

恋すてふ角切られけり奈良の鹿
起きあがる牝鹿もう角切られゐて
角伐の勢子(せこ)頭とし祓はるる
角切の波打つ腹を仰向かす

ぬけてすぐ闇に入る顔べったら市
べったら市へ裏口開けて問屋ビル
べったら市秤も糀(かうぢ)まみれなる

正倉院曝涼の日の雲翔べり

院展を出て湯疲れのやうにあり
二科展の女の臍と向ひ合ふ
雨の二科女の首へまっすぐに 

休暇了ふ森にシャベルを一つ置き

キヨスクで土産買ひ足し盆帰省

どん尻の悠々と馳け運動会
手廂に子を追ひかけて運動会
子を走らす運動会後の線の上
ねかされて運動会の旗の束
運動会午後の白線引き直す

夜学すすむ教師の声の低きまま
ばらばらに来て八人や夜学の灯
夜学生煌々と幾何学びをり
灯に遠き席から埋まり夜学生
夜学子の一音鳴らすピアノかな

眉毛剃り落して後の更衣

相撲取のもみ裏染めし秋袷
老いて尚芸人気質秋袷
ぬくもりのたゝむ手にあり秋袷
豊満といふを隠せず秋袷
喪主といふ妻の終の座秋袷
まだ生きるつもりの秋の袷かな

高くゆく雲と一日秋のセル

いくへにもよろこびごとの菊襲

酒桶干す鵯とみに鳴く日なり

藁の栓してみちのくの濁酒
濁り酒などもよかれと見舞かな
生ひたちはさして変はらず濁り酒
置けば燈をうつす茶碗の濁り酒
栓飛んで夜の始まる濁り酒
どぶろくや地に突き刺さるやうな雨

猿酒のことにもおよび今日の客
猿酒不死とは言はず不老ほど
猿酒火屑のすこし入りにけり
一雫走るをなめて猿酒

ありがたや古酒一盞に震ふ手も
古酒新酒歳月ひとを愛すべし
古酒の壺筵にとんと置き据ゑぬ
古酒の酔とまれといふに帰りけり
岩塩のくれなゐを舐め古酒を舐め

どの家も新米積みて炉火燃えて
新米といふよろこびのかすかなり
新米を掬ふしみじみうすみどり
新米の袋の口をのぞきけり
新米の量感手より手へこぼす

やき米を幾年かんで諸しらが
焼米や家に伝はる会津盆

あたたかき夜食の後の部屋覗く
人の顔見つつたべゐる夜食かな
悲鳴にも似たり夜食の食べこぼし
共犯のごと夜食して父娘

枝豆の食ひ腹切らばこぼれ出む
枝豆を剥く邪(よこしま)な指いくつ

俳諧の味炊き立ての零余子飯

栗飯のまったき栗にめぐりあふ
栗飯のほくりほくりと食まれけり
栗飯を子が食ひ散らす散らさせよ
栗ごはん外を舞妓の通りけり

取敢へず松茸飯を焚くとせん
平凡な日々のある日のきのこ飯

とんぶりを噛んで遠くへ来しおもひ

栃餅や天狗の子供など並ぶ

搗栗のくちやくちやの皺毛の国の
栗干して縁側の日は逃げ易き

丹精の柚餅子を一顆たまはりぬ

柚味噌やひとの家族にうちまじり

干柿の緞帳山に対しけり
干柿の種のほっそり物思ひ
吊柿鳥に顎なき夕べかな
半日の陽を大切に吊し柿
甘干に軒も余さず詩仙堂

饗宴の灯にとぶ虫や菊膾
聞き置くと云ふ言葉あり菊膾
障子して夜川音なし菊膾
角帯の父来て坐る菊膾

氷頭膾前歯応へて呉れにけり
氷頭膾どこぞ殴打の味したり

行灯に膳の暗さよ鯷づけ

何よりも父の好みし鮎うるか
苦うるか師系は酒を尊びぬ
就中(なかんずく)四万十川の苦うるか

節黒き指のすばやく裂膾

今生のいまが倖せ衣被
衣被しばらく湯気をあげにけり
衣被つるりと日暮来てをりぬ
にんげんに指を折る癖衣被
きぬかつぎ正座の蹠(あうら)ふたつづつ

とろろ汁鞠子と書きし昔より
妻老いて母の如しやとろろ汁
夫死にしあとのながいきとろろ汁
凡百の一人にして薯蕷汁
地鳴りめく音よとろろを擦りくるる

新蕎麦のそば湯を棒のごとく注ぎ
新蕎麦を待つに御岳の雨となる
新蕎麦の手打届くが便りにて
新蕎麦を待つ間の灘の生一本
新蕎麦や口で箸割る秩父駅
待たされてゐるもまたよし走り蕎麦

そのかみの恋女房や新豆腐
はからずも雨の蘇州の新豆腐
新豆腐よき水を生む山ばかり
五箇山の固きがうれし新豆腐
おはやいうちおあがりやして新豆腐

秋の燈やゆかしき奈良の道具市
秋の燈のいつものひとつともりたる
秋の灯にひらがなばかり母の文
終電といふ秋の灯のなかにをり
秋燈を明うせよ秋燈を明うせよ
夫在らず秋灯の紐長く垂らし

燈火親しむ序より跋まで読み通し
燈火親し声かけて子の部屋に入る
燈火親しもの影のみな智慧もつごと

一寝いり起きて蟵つる九月かな
寝姿の行儀あはれや秋の蚊帳
降りいでし音に覚めをり秋の蚊帳
秋の蟵つるかと云へばつるといふ
吊ればすぐ風来る蚊帳のわかれかな
鐶鳴らし鳴らしたためり別れ蚊帳

朝雨を竹に聞く日や扇置く
扇おくこゝろに百事新たなり
船宿の潮湿りする捨団扇
一言の忘扇に及ぶなき

一文字に秋の扇の置かれけり
秋扇あだに使ひて美しき
秋扇しばらく使ひたたみけり
秋扇もてなしうすく帰しけり
ひしひしと怒りつたはる秋扇
頑張ってほほえみとおす秋扇
衣紋ぬくくせまだぬけず秋扇

浅草へ仏壇買ひに秋日傘
秋日傘大阪嫌いを滔々と

やゝ暗きことに落ちつき秋簾
秋簾とろりたらりと懸りたり
一枚の秋の簾を出でざりき
づかづかと日に射してをり秋簾
秋すだれくぐりて来たる京ことば

湖へ倒して障子洗ひをり
洗ひをる障子のしたも藻のなびき
鷹ヶ峰借景として障子干す

障子紙まだ世にありて障子貼る
使う部屋使はざる部屋障子貼る
独りなり障子貼り替へてはみても
貼り替へてたてつけきかぬ障子なり

大空に微塵かがやき松手入
松手入れ三の丸より二の丸へ
日和得て海坂藩の松手入
親方と向かひ合はせに松手入
枝ぶりの月にかなへと松手入

傷みには触れぬ邂逅火の恋し
火恋し雨の宿りも宇陀の奥
火の恋しみちのく訛聞けばなほ

秋の炉や芯までさくら色の榾

一杓に湯気の白さよ風炉名残
水差しも志野に変りて風炉名残
風炉名残母の小紋の身に添うて

裏畑に穴掘ることも冬支度
踏台の紅い丸椅子冬支度
木の葉かと思へば鳥や冬支度

秋耕の終りの鍬は土撫づる
秋耕の了りし丘を月冷やす

スクエアーダンス八月大名なり

竹の音石の音とも添水鳴る
添水鳴るたびにこころの新しき
二つ目を聞けばたしかにばったんこ

みちのくのつたなきさがの案山子かな
案山子翁あち見こち見や芋嵐
倒れたる案山子の顔の上に天
敗戦の年に案山子は立ってゐたか

からからと鳴子の音の空に消え
鳴子縄たはむれに引くひとり旅
余り淋し鳥なと飛ばせ鳴子引

母恋し赤き小切の鳥威
麓まで鳥威また鳥威

威し銃たあんたあんと露の空
威銃奥は天狗の山ばかり

松明に浮かぶ人影虫送り
虫送うしろ歩きに鉦打って
虫送りここまでといふ磨崖仏
火を煽り火を宥(ゆる)めては虫送り
虫送りホーイホーイと闇沈む

淋しさにまた銅鑼うつや鹿火屋守
鹿火屋守天の深きに老いんとす
小鳥籠日向に移す鹿火屋守
焚きそめて火柱なせる鹿火にあふ
月落ちて鈴鹿の闇に鹿火ひとつ

鹿垣と言ふは徹底して続く
猪垣のひとところ切れ人通す
猪垣の几帳面なる出入口

焼帛(やきしめ)や風のまにまに露しろき
焼帛に焼酎吹いてゆきにけり

犀川に還りゆくなる落し水
熊野人怒濤へ田水落しけり
暗き夜のなほくらき辺に落し水
田鰻の首持ち上げし落し水
ざりがにの流れて来たる落し水
稲妻に水落しゐる男かな
水落し来て子の間に寝まるなり

順礼や稲刈るわざを見て過る
汽車を見て立つや出水の稲を刈る
稲刈って鳥入れかはる甲斐の空
田を刈ってから墓は墓空は空
稲舟の音もなく漕ぎかはしけり
一癖のある稲刈機借りて来し

かけ稲や大門ふかき並木松
かけいねに鼠のすだく門田かな
稲刈りて六日六晩の天日干し
稲かけて天の香具山かくれたり
掛稲のすぐそこにある湯呑かな
掛稲のうしろ大きな波上がる

稲架組んで水郷の景新なり
稲架解くや雲またほぐれかつむすび
新稲架の香のする星を見にゆかむ
日も闌けて出羽の稲架原まもなく雪
三輪山の脚高く稲架組まれたる
暮るる江に稲架木一本づつ洗ふ

腰に笛差して来てをる鎌祝
新聞にざらと菓子あけ鎌祝

ふくやかな乳に稲扱く力かな
晩稲扱く心胆あつき老ならむ
脱穀の古発動機力出す
来かかりし人ひきかへす稲埃

籾かゆし大和をとめは帯を解く
電柱に影が乗りくる籾筵
すくも焼く煙三方ヶ原あたり
きのふけふ宇陀にけぶらふ籾殻火

稲滓火(いなしび)の匂ひの残る余呉の湖

摺り溜まる籾掻くことや子供の手
籾摺の埃に立たす二の鳥居
もみがらを踏み配りくる火伏札
家々の籾すり歌や月更けぬ

秋收め塒雀のひとわたり
にはとりに飛ぶ宙のあり秋收め
一穂の長きを供へ秋收
赤んぼの地べたに置かれ秋收
田仕舞のそしてもうもうたる煙

豊年や湖へ神輿の金すすむ
豊年や切手をのせて舌甘し
豊年やあまごに朱の走りたる
出来秋の人影もなき田圃かな
寝台車明けゆくほどに豊の秋
赤ん坊の手首のくびれ豊の秋
すぐそこといはれて一里豊の秋
とんとんと弾む加賀毬豊の秋

新藁やこの頃出来し鼠の巣
肥桶を荷ひ新藁一抱へ
新藁の香に包まれし契かな
みちのくの牛も新藁敷くころか
よろこびて馬のころがる今年藁
天窓も隠さむばかり今年藁
みづうみの夜毎の月や藁砧

藁塚の同じ姿に傾ける
道の端大藁塚の乗出せる
藁塚をのこしてすでになにもなし
藁塚に年輪はなし農に老ゆ
藁塚の始めの束の据ゑらるる
とっぷりと暮れて大和の低き藁塚

蕎麦刈りに西より雨の来る信濃
蕎麦の茎紅あたたかくにぎり刈る
蕎麦刈の三人(みたり)も居れば賑々し
夜逃げせしごとくに蕎麦を刈り散らし

お六櫛つくる夜なべや月もよく
夜なべしにとんとんあがる二階かな
同じ櫛ばかりを作る夜なべかな
飢ゑすこしありてはかどる夜なべかな
夜業人に調帯(ベルト)たわたわたわたわす

浅茅生の碪に踊る狐かな
しづまりし女夫喧嘩や小夜砧
湖に響きて消ゆる砧かな
砧打つ音の居眠り加減なる

月を見てまた坐りたる俵編み

渋搗や垂乳ほたほたをどらせて
きゝきゝと鵙とんとんと渋を搗く
渋を搗く音を労るやうに搗く

新渋の一壺ゆたかに山盧かな
新渋の手を洗っても洗っても

西安へ梶高く上げ棉車
満載の上に子をのせ棉車

新綿や子の分のけてみんな売る
箕と笊に今年の棉はこれっきり
たっぷりと日をふくみたる今年綿

新絹やさらりと展べて見惚れぬる
新絹裁つぬめらかな白畏れけり
白無垢の模様の透ける今年絹

竹伐るやうち倒れゆく竹の中
竹を伐る頃しも嵯峨に来合はせし
一日や竹伐る響竹山に
竹を伐る無数の竹にとりまかれ

懸煙草音なき雨となりにけり
子供等の空地とられて懸莨

をとゝひのへちまの水も取らざりき
痰一斗糸瓜の水も間に合はず
たまりたる糸瓜の水に月させり

種を採る鶏頭林の一火より
種採の袋にしては大きすぎ
種採の息細やかに使ひけり
朝顔の種採って母帰りけり
朝顔の種採りはじめ採り尽す

秋撒の土をこまかくしてやまず

無口なる妻と無口に大根蒔く
大根をきのふ蒔きたる在所かな
耕してあるよ大根など蒔くか

薬掘蝮も提げてもどりけり
薬掘けふは蛇骨を得たりけり

千振を引きて河内の日が真っ赤

茜掘夕日の岡を帰りけり

葛掘るはたたかひに似て吉野人
葛の根を獣のごとく提げて来し

掘り崩すいもが垣根や山のいも

とやかくとはかどるらしや小豆引
小豆引く言葉少き一日かな

山畑も三成陣趾小豆干す
日向へと飛び散る豆を叩きけり

老の息うちしづめつつ牛蒡引く
懐に夕風入れて牛蒡引
牛蒡掘る黒土鍬にへばりつく
掘りあげし牛蒡の丈をそろへをり

秋篠寺四門の一つ胡麻を干す
打ちたての胡麻を包んでくれたるよ
長生きをしきりに詫びて胡麻叩く
胡麻叩く祖母(おほば)にくわつと射す山日
胡麻筵ひきずり日ざし移しけり

穂刈して粟あざやかに紅葉しぬ

さきがけて一切経寺萩刈れり
萩刈って轍二筋現るる
俳諧の萩刈ならば手伝はむ
頓に冬門辺の萩を刈りしより
萩刈のまた一人出て毛越寺
萩を刈る働く五人見る二人

菱採りしあたりの水のぐったりと
菱採のはなるる一人雨の中
菱採女舳に坐り艫に石
菱採りの傾げるかぎり傾ぐなり

ものいはぬ男なりけり木賊刈り
木賊皆刈られて水の行方かな

萱刈が下り来て佐渡が見ゆるてう
萱刈の遠くへ行ってしまひけり
萱刈を了へて遊べる馬をよぶ
萱刈るや出雲石見と山わかち

蘆刈のうしろひらける大和かな
蘆刈の音とほざかる蘆の中
葦刈の影も束ねて湖国かな
また一人遠くの蘆を刈りはじむ
蘆を刈る音を違へて夫婦なり
束ねたる手のすぐにまた蘆を刈る
蘆舟の帰る川幅いっぱいに

行暮れて利根の芦火にあひにけり
蘆の火の美しければ手をかざす

水桶に星の映れる草泊り

桑括ることぶれの雪山に見て

蔓たぐり蔓積み上げて終りけり

蓼科に雲湧く速さ牧閉す

金屏の前に憩ふや小鷹狩

袂より鶫とり出す鳥屋師かな
木曾川のかゞやく鳥屋の障子かな

鳴き鳴きて囮は霧につつまれし
日が翳り人も囮もさびしくなる
晴々と啼いて囮と思はれず
啼き出して囮たること忘れゐむ

高擌の杉撓はせてありにけり

藪陰や鳩吹く人のあらはるる
鳩吹いて顔とっぷりと暮れにけり

水に筋金下り簗経たる後
激し寄る四方の川水下り簗
ほどほどの濁りたのもし下り簗

草の根の生きてかかりぬ崩れ簗
しもつけの夕暮まとひ崩れ簗
日のありしところに月や崩れ簗
辛うじてそれとわかりぬ崩れ簗

鰻簗木曾の夜汽車の照らし過ぐ

鮭打つや一棒にして一撃に
素振りして鮭打棒を選びをり
簗の果鮭打棒を置き去りに
瀬音入れ川風入れて鮭番屋
鮭番屋寒ければ足踏みならす
鮭漁の二十丁艪のよく揃ひ

鰯引むかしは声を揃へたる
越の国引かんばかりに鰯引

夕づける根釣や一人加はりぬ
氏育ち良き子とならび根釣かな
よく釣れてゐて愛想なき根釣人
ぶらぶらと根釣の下見とも見ゆる

むら雲や雨は手に来る鱸釣
釘曲げて流人が釣りし鱸かな

はぜつるや水村山郭酒旗ノ風
鯊釣れず水にある日のうつくしく
鯊釣や不二暮れそめて手を洗ふ
鯊釣の女に負けて戻りけり

よろよろと尉のつかへる秋鵜かな

烏賊襖遠流の島を隠したり

いぇのひらをかへせばすゝむ踊かな
一ところくろきをくゞる踊の輪
踊り尽くして亡きも生けるも暁に失す
いのちなが寿(いのちなが)とぞ踊るなり
いくたびも月にのけぞる踊かな
かりそめの踊いつしかひたむきに
指美しく生れて踊上手かな
ひろがりて月を入れたる踊の輪
あと戻り多き踊にして進む
さりげなく入るつもりの踊りの輪
盆踊ほとけに留守を頼みけり
づかづかと来て踊子にささやける
踊子の足休むとき手を拍って
盆唄や今生も一踊りにて

手をあげて足をはこべば阿波踊
夕立の上るを待たず阿波踊
天を突く手のやはらかし阿波踊

日ぐれ待つ青き山河よ風の盆
風の盆八尾は水の奔る町
若衆踊りさらになまめく風の盆
風畏れ風に祷りて風の盆
八尾いま早稲の香のなか風の盆
稲を刈る仕草を切に風の盆
格子戸を風の盆唄流しゆく

相撲取ならぶや秋のからにしき
都にも住みまじりけり相撲取
負けまじく角力を寝ものがたりかな
相撲見てをれば辺りの暮れて来ぬ

秋場所の風のひだるき初日かな

地芝居の濡れ場のしどろもどろかな
地芝居の狐忠信は姉ならむ
地芝居の松にはいつも月懸り
地芝居のぱたりと山を落しけり
出番待つ馬話し合ふ村芝居
だしぬけに花火のあがる村芝居
をりしもの満月屋根に村歌舞伎

岩鼻やここにもひとり月の客
鳰ひとつ相手に池の月見かな
月見るや相見て妻も世に疎く
朝より素顔を通し月まつる
うしなひし一腑を悼む月の海
やはらかく重ねて月見団子かな

海蠃の子の廓ともりてわかれけり
をばさんがおめかしでゆく海蠃うつ中
ポケットに海蠃の重さや海蠃を打つ
負け海蠃に魂入れても一うち

むさし野の地べたに下ろす鶉籠

負色の花こそ見えね菊合

常連の名札が並び菊花展

菊あつく着たり義経菊人形
菊人形小町世にふる眺めして
陰謀の場を煌々と菊人形
衆目のなかで着せ替へ菊人形
菊人形一体分の菊の束
菊人形使ひ回しの手足老ゆ

虫売りも舟に乗りけり隅田川
虫売りのふいに大きな影法師
虫売と向き合うて子のしづかなり
虫売の立てば大きな男かな

現はれし山刀伐峠の茸とり
こっそりと戻ってをりぬ茸取
あやしきも持ちて下りけり茸山

盃にとくとく鳴りて土瓶蒸

えんやさと唐鍬かつぐ地蜂捕

紅葉見や用意かしこき傘二本
石段があれば椅子とし紅葉狩

紅葉の賀わたしら火鉢あっても無くても

秋興に遠く来にけり大江山
秋興や拾ひては捨つ河原石
秋興や捺して落款ひさご形

考古学研究班の芋煮会
わいわいと捨田へ運ぶ芋煮鍋

成吉思汗鍋口論のうやむやに

冬瓜汁子あればあるで憂ひけり

杳杳と女身仏あり秋渇き

雁瘡を掻いて素読を教へけり
雁瘡と言ひ治るかと問はれけり

秋思斯く深し屈原像に触れ
この秋思五合庵よりつききたる
面倒なことは秋思といふことに

頁繰るかそけき音も秋意かな

以上


作者名を知りたければ原典を参照されたし
因みに
「新版 角川俳句大歳事記 秋」角川書店 2022・8・31 初版

# by 575fudemakase | 2023-04-20 10:37 | ブログ | Trackback

「詳細」新年の生活の例句 in 角川俳句大歳事記 新年

「詳細」新年の生活の例句 in 角川俳句大歳事記 新年
「詳細」新年の生活の例句 in 角川俳句大歳事記 新年_b0223579_00313995.jpeg
若水や人汲み去れば又湛ふ
若水や星うつるまで溢れしむ
若水に奈良井の宿の杓卸す
若水や湯気旺んなる井のおもて
若水を掬びて浅き掌

歯がために杖のへるこそめでたけれ
歯固や鼠は何を食む今宵
歯固や年歯とも言ひ習はせり

花びら餅姥にもかなひ乙女にも
振袖や花びら餅の出る頃か

雪嶺の襞濃く晴れぬ小松曳
子の日する昔の人のあらまほし
防砂林抜けて子の日の海たひら

門松や佐渡と越後は筋向ひ
呉竹の根岸の里や松飾り
大いなる門のみ残り松飾り
松飾る船首はいつも潮に濡れ
若松の二本のみなる松飾
風音を伊賀に聞きをり松飾
寄席の燈のはやばや点る松飾

幸木魚も小物となりにけり

つんとしてかざりもせぬやでかい家
神風のさやかにわたる飾かな

溶鉱炉注連飾して真赤なり
注連飾留守居の鸚哥よくこたへ
海光のまつすぐに来る注連飾
輪飾や歯朶そりかへる日の表
輪飾りやひとつ構に子の所帯
輪飾の五つ六つほどあれば足る
輪飾をして御不浄といふところ

蓬莱に聞ばや伊勢の初便
蓬莱のうへにやいます親二人
蓬莱や青き畳は伊勢の海
蓬莱や東にひらく伊豆の海
蓬莱や山よりの雪ちらちらと
蓬莱や辞儀ながながと若狭びと
亀の尾のながながしきを懸蓬莱

喰積にときどき動く老の箸
喰積や甘きものとて軽んぜず
喰積や海ひとところまぶしくて
喰積は吉野の坊の豆の飯
喰積に堅田生れの諸子かな

正月を出して見せうぞ鏡餅
おごそかにある伊勢海老や鏡餅
つぎつぎに子等家を去り鏡餅
神占のごと罅はしる鏡餅
暁闇にして坐りたり鏡餅

飾り蝦嶄然として歯朶の中
暫の顔にも似たりかざり海老
鬚はねて太(はなはだ)長し飾海老
やあ・おうと能の囃子や飾海老

撰まれて巌のごとしかざり炭

飾り臼しづかにをれば怒濤音
鶏鳴の刻ふさはしき飾り臼

白妙の雪にまがふや飾り米
飾米一粒噛んでみたりけり

蓬莱の橘匂ふ一間かな

橙のたゞひと色を飾りけり
橙のめでたくあるや餅の上
橙の尻をひと撫でして飾る

ひげの砂こぼし野老を飾りけり

穂俵に豊年しるし海までも

掛鯛の眼に煤たまる日数かな
藁しべの青きを噛みて睨み鯛

福藁や塵さへ今朝のうつくしき
福わらや雀が踊る鳶がまふ
福藁や暖さうに犬眠る

藻の揺れの透く若潮を迎へけり

年男飲めば痛快男子かな
年男胡坐して謡一番す
年男おう応へて祓はるる

せはしなき人やと言はれ屠蘇を受く
次の子も屠蘇を綺麗に干すことよ
気儘にぞ慣れて二人の屠蘇酌むも
一切を省きて屠蘇や病む母と
我が家には過ぎたる朝日屠蘇祝ふ

脇差を横に廻して雑煮かな
三椀の雑煮かゆるや長者ぶり
雑煮から右に成りけり和子の箸
揺らげる歯そのまま大事雑煮食ふ
何の菜のつぼみなるらん雑煮汁
殖えてまた減りゆく家族雑煮食ふ
患者診しあとの雑煮となりにけり
物足りてこころうろつく雑煮かな
吹きさましつつ香りたる雑煮かな
根(こん)のもの厚く切ったる雑煮かな
煮こぼれてひとりに余る雑煮かな
鮞(はららご)のみちのくぶりの雑煮祝ふ
やはらかに生き熱く生き雑煮餅
生き過ぎかいや生き足らぬ雑煮餅
国生みのはじめの島の雑煮餅
空たかき風ききながら雑煮膳

太箸や御祓の木のあまりにて
太箸やころげ出でたる芋の頭(かみ)
太箸や眉にも白を加へたる
太箸の抓みそんじもなかりけり
太箸や親に貰ひしめでたき名
太箸に遠つ淡海の光かな
太箸や知命といふは軽からず
太箸の無垢に遥かな樹齢あり
神路(かみじ)山の焼印あるや雑煮箸
これはこれは腰がある餅雑煮箸
昔より細うなりけり柳箸
祝箸置けば津軽の風のこゑ

御年初の返事をするや二階から
武蔵野の芋さげてゆく年賀かな
廻礼や伊吹颪に吹かれ来し

甃長々と来る御慶かな
丁寧に妻に御慶と申しけり
末の子の折目正しき御慶かな
まっさきに遺影と交はす御慶かな

病牀を囲む礼者や五六人
雪掻けば直ちに見ゆる礼者かな
ややありて女のこゑや門礼者
南縁の日に迎へたる賀客かな
靴大き若き賀客の来て居たり
まず犬を撫でて年賀の客となる

女礼者らしく古風につゝましく
杖をとりまゐらす女礼者かな

とし玉の望みのものを小槌より
とし玉のさいそくに来る孫子かな
年玉をならべておくや枕許
年玉の襟一トかけや袂より
年玉を妻に包まうかと思ふ
風呂敷の色をひろげてお年玉

猫に来る賀状や猫のくすしより
賀状うづたかしかのひとよりは来ず
この谷の行きどまりなる賀状かな
賀状来るまた聞き慣れぬ任地より
嫁ぎ来て母からもらふ年賀状
みちのくの馬どころより年賀状

礼帳の分厚く大和一の宮

役者名を知らず名刺を交換す

宝船目出度さ限りなかりけり
七十路は夢も淡しや宝舟
つくづくと寳はよき字宝舟
枕もとに本積めばこれ宝船
夢路への帆の膨らみし宝船
一匹の獏も乗せたり宝船
遠つ世の浪の音きけ宝舟

初夢の扇ひろげしところまで
初夢の大きな顔が虚子似る
初夢のかごめかもめの国に居り
初夢を追ひてしばらくうす瞼
初夢のなかをどんなに走ったやら
初夢の父来てわれを肩車
初夢の中の子供の目鼻立ち
初夢になにやら力出しきりし
初夢の扉いくつもあらはるる

ひめ始天の塗矛(ぬぼこ)をよそならず
姫はじめ闇美しといひにけり

書初の龍は愈々翔たむとす
書初めの一瞬あぎと引きにけり
書初やまず海と書き夢と書く
腰浮かし試筆くたびれ易きかな
沖荒の見ゆる二階に試筆かな
全紙へ一字老師の吉書竜躍る
百代と書き損じたる吉書かな
頽齢をうべなふ字句を筆始

ましろなる筆の命毛初硯
初硯うなじをのべて磨りにけり
筋書きの無き世よかりし初硯

読初や用ありて読む源氏など
読初の春はあけぼのなるくだり
読初や比翼連理の長恨歌
千代田城大奥のこと読みはじめ
赤帯の岩波文庫読始

電話早吾を待ちゐし医務始
すぐ反古のたまる屑籠初仕事
初仕事神と仏と母に水
ポンと象叩いて仕事始めかな

乗初や帆のはためきに打たれつつ

茜さす海の道あり船起し

振袖が御用始の階のぼる

初市や海鼠一籠隅にあり
飾られて初市に出る牛の瞳よ
初市の大きな海鼠を掴み出す
初糶を待つ翻車魚の二畳程

玩具屋の物みな動き初商
控へ目に初売のもの仕入れけり
初売の奥に灯して古書の店
売初やよゝと盛りたる枡の酒

水谺深き夜明けの初音売
竹の香の青き初音を買ひにけり

痩馬を飾り立てたる初荷かな
竹伐って嵯峨は初荷の牛車
村百戸海老を栄螺を初荷とす
紐赤く伊勢の初荷の届きけり
事務方も駆り出されたる初荷かな
はだかりし府中の町の初荷馬

買初めの小魚すこし猫のため
買初にかふや七色唐辛子
買初の目にあたらしき文房具
買初の蓬々として和紙の耳
買初の赤鉛筆の五六本
買初めは古都の魚店鰤のあら

伊勢海老の髭をさまらず節料理

新年会司る日の一張羅

松とれし町の雨来て初句会
初句会名乗りの声を聞きなほす
はやも師の選に洩れたる初句会

初旅や福の字つらね下関
初旅の搭乗券を胸にさし
初旅に願ってもない遠白帆
初旅の宿は妻籠に定めけり
初旅の富士より伊吹たのもしき
初旅の今赤道を越ゆるなり

ここに又出初くづれのゐたりけり
霜蹴って鶏逃げ歩く出初かな
湖の氷をよごす出初かな
多摩川に虹の橋立つ出初かな
加賀鳶のひらりひらりと出初かな
満潮の川を使ひし出初式
手間取れる一斉放水出初式
早池峰山に雲一つなき梯子乗

七草にもらひ笑ひやあさつ原
七草の口上祖父の口伝にて
七草や朝の火の色水の音
天暗く七種粥の煮ゆるなり
薺粥箸にかからぬ緑かな
薺粥むさし野の雪消えぬまに
薺粥椀のうつり香よかりけり
なづな粥あさぎの空の広ごりぬ
吾が摘みし芹か香に立つ七日粥
七日粥一口かぶら丸のまま
七日粥息やはらかく使ひけり
ななくさの日に一くさの芹を祝ぐ
有るものを摘み来よ乙女若菜の日

町嚀に薺はやして又寝かな
暁を万戸に伝ふ薺かな
裃を着け端然と薺打つ
いましがた止みたる雨や薺打つ
日本のあちこちに富士なづな打つ
俎に薺のあとの匂ひかな
はづかしき朝寝の薺はやしけり

逢ふ処で御慶済ますやわかなつみ
雨がちに雪ふる朝やわかなつみ
草の戸にすむうれしさよわかなつみ
若菜つみ帰りし野より月の出づ
乾坤の光の中の若菜摘
摘み来たる若菜見せあふ姉妹
若菜摘む大津宮の日溜りに
若菜籠すずなすずしろ秀いでけり

一年に一度摘まるる薺かな
わかい衆や庵の薺も唄でつむ
大利根の霜をかきわけ薺つむ
千枚田より摘みきたる薺なる
木の国の名残の薺摘みにけり
隠国のいづこで摘まん初薺

蒟蒻にけふは売勝つ若菜かな
若菜売声や難波の浅みどり
小わらはの物は買ひよきわかなかな
下京やさざめき通る薺うり

あかんぼの七種爪もつみにけり
摘むほどもなき薺爪つみにけり
薺爪あとより紅をさしにけり
薺爪ほろほろ一人にも慣れて

松取れて夕風遊ぶところなし

海女小屋の作り棚より飾取る
細帯に着替へ飾をおろしたり

門もなく大百姓の鳥総松
星ひとつのこる大路や鳥総松
思はざる長寿授かり鳥総松
萬福寺へ近道とあり鳥総松
鳥総松日のあるうちに風呂が沸き

をりからの雪にうけたる破魔矢かな
恋の矢はくれなゐ破魔矢白妙に
幸矢とて袖をあてがふ破魔矢かな
上の字の袋きせ置く破魔矢かな
子に破魔矢持たせて抱きあげにけり
破魔矢もて獅子身中の虫は射よ
破魔矢一矢貧しき書架に挿されたり
空席に破魔矢を寝かせ湖西線
破魔矢受く紅顔なれど検事たり
白破魔矢潮騒空にひろがり来
教へ子の巫女より破魔矢受けにけり
十年の知己の如くに破魔矢受く

福だるま妙義は雲を飛ばしけり
福達磨買ふと二百の磴登る
だるま市だるまの中に飯食へり
手締めしてつぎの客呼ぶ達磨市
富士ぐいと雲より出でし達磨市
転ぶ余地なく並べられ達磨市

宝恵駕をはみ出て厚き緋座蒲団
宝恵駕の髷がっくりと下り立ちぬ
宝恵駕を出てかたまりて詣りけり
宝恵駕のとんでゆくなり戎橋

伊勢海老のかがみ開きや具足櫃
銀行の嘉例の鏡びらきかな
鏡開明日とはなりぬ演舞場
鉈の背で打っては杣の鏡割

帳書きや正直に濃き墨の色
帳書や先生筆を振はれたり

白鼠はしり出でけり蔵開
風に向いて並ぶ雀や蔵開
呉服売る畳続きの蔵開

正月の遊び仕事や店おろし

若餅や杵借りて来て洗臼
若餅に后土の神を祀りけり

餅花の下に寝むも京泊り
餅花に髪ゆひはえぬ山家妻
餅花を今戸の猫にささげばや
賑やかや餅花ありて四畳半
餅花のなだれんとして宙にあり
餅花に畳あをあを匂ひけり

餅花のさきの折鶴ふと廻る
餅花や梁にか黒き手斧跡
釣宿の餅花にして鯛鮃
蔵元の餅花は白ひといろに
餅花や暮れてゆく山ひとつづつ
ささめごとめきて餅花揺れ交す
餅花をはずませながら飾りけり
子を玉と育てしむかし餅の花

まゆ玉や白ちりめんの肌障り
まゆ玉をうつせる昼の鏡かな
繭玉のかげ濃く淡く壁にあり
繭玉の夜に入る翳を見てゐたる
繭玉にはなやぎ降れり窓の雪
まゆ玉のもつれ直して吊しけり
繭玉の下に赤子を寝かせ置く
繭玉のむかしは父母もをられけり
繭玉の上に顔出す鳩時計

削り花一刀ごとに華やげる
粟穂稗穂(あぼへぼ)の反りの豊かに山晴るる

詣路の年木の松の匂ひけり
上木を選び為成せし年木かな

粥杖に信連尻をうたせけり
粥杖や伊賀の局にたぢろぎし

明日死ぬる命めでたし小豆粥
小豆粥すこし寝坊をしたりけり
持山のぬるでの箸や小豆粥

粥柱しづかに老を養はむ
すべからく世に逆らはず粥柱

つな曳きや例のいち松とらの助
綱引の綱の尻尾が退場する

こなたにも女房もたせん水祝
鼻たれの男なりけり水祝

成木責妻に残れる柿一樹
狂言の物腰そろと成木責
成木責はじめ思はぬ声の出て

ふんばっていざ田遊の牛となり
田遊の紅つけて酔ふ男衆

魚干して唄ひ手となるちやつきらこ

なまはげにしやつくり止みし童かな
なまはげの問答嫁に及びけり
なまはげの訪ふさきざきの杉と月
なまはげの藁のざくざく夜が来る

鳥追や柳の軒端梅の門
鳥追や金竜山の夕の鐘

城に灯が入りかまくらもともるなり
身半分かまくらに入れ今晩は
鶏舎の前にもかまくらを一つかな
燭見えねどもかまくらの瞬ける
かまくらは和紙の明るさ雪しんしん

土竜打つさまを越後のむかし唄
唱へごと復習ひおんごろ打ちへいざ

かせ鳥の片足飛びにかつかつか

注連貰風の巷を通りけり
菩提樹の子も混じりをり注連貰

餅焼くをおいとま迄のどんどかな
左義長や四方へ走る竹の音
どんど焼きどんどと雪の降りにけり
左義長や婆が跨ぎて火の終
左義長の火の入る前の星空よ
左義長の黒こげ団子交換す
左義長の炎のちぎれとぶ相模灘
どんど立つ太平洋は紺を張り
雪空へすひあげらるるどんどかな
金箔の剥がれとびたる吉書揚げ

みそなはす天の三ツ星さいと焼

やぶ入りの寝るやひとりの親の側
やぶ入りの枕うれしき姉妹
やぶ入りの二日になりし夕日かな
藪入の田舎の月の明るさよ
藪入のをとめさびたる簪かな
藪入といふなつかしき日なりけり
藪入の暦に朝日当りけり

鏡台を祝ふや花の女形
伝へたる古鏡台も祝ひかな

万歳のゑぼし姿やわたし船
万歳の里見廻して山ばかり
万才や車の隙をひよいひよいと
万歳や合点合点の鼓打つ
一島をあげて万歳もてなせり
萬歳の一所懸命なるあはれ

才蔵の素顔さびしき汽車の中
才蔵の切餅もある頭陀袋

獅子舞のきて昼ちかくなりにけり
あなたぬしあなおもしろと獅子跳ねて
獅子舞や獅子を眠らす子守唄
獅子舞の獅子さげて畑急ぐなり
獅子舞の口かたかたと子を泣かす
獅子頭背にがつくりと重荷なす
足裏を舐めて寝に入る獅子頭

白狐汝は稲荷の事触れか

我が猿に引き舞はされて猿廻し
人に似てかなしき猿を廻しけり
海鳴りの町へ来てゐる猿回し
しくじりも芸のうちなり猿廻し
人波の上の青空猿廻し
曳猿の紐いっぱいに踊りをり
猿曳や猿より深き礼をして

春駒や男顔なる女の子
春駒や染分手綱紫に
面あげて風の春駒磯いそぐ
奥座敷明けて春駒待ちにけり

傀儡師波の淡路の訛かな
傀儡のこときれたるは糸放す
海向いて並ぶ安乗の傀儡衆
一息に魂を入れ木偶廻し

若夷ふところよりや四方の春
愛敬に能い客つるや若恵比寿

誰が筆のその紅や懸想文
元どほり結びて仕舞ふ懸想文

母方の絞めづらしやきそ始
姿見を日向に出せる着衣始

老いてだに嬉し正月小袖かな
唐桟の好みもありし春着かな
広間たゞ衣桁に春着かかるのみ
九十年生きし春着の裾捌き
また来ては鏡をのぞく春着の子
襖絵の鶴に手拡げ春着の子
春著の妓右の袂に左の手
かりそめの襷かけたる春著かな
遥かなる春著こちらへ来ず曲る
春著きて孔雀の如きお辞儀かな
似てゐると云はれ春著の襟正す
春著きてすこしよそよそしく居りぬ
建仁寺通り抜けする春小袖

初衣桁わがあたたかきもの掛かる

温顔のたとへやうなき年酒かな
おとこ気のまだ残りおり年酒汲む

大服や囲炉裡に席を作りつつ
大ぶくやかへり三嶋の古茶碗
膝に日のあたる福茶をいただきぬ
福茶飲むちゃんづけで呼ぶ友居りて
石鼎の直筆掛けて大福茶

鉄瓶のやがて音に出て福沸し

ちよろぎてふをかしきものを寿げり

正月の煎茶のあま味もうすら寒む

数の子にいとけなき歯を鳴らしけり
なほ口にある数の子の音楽し

杉箸ではさみし結び昆布かな

俵子やこがね花咲く国のもの

臆せずも海老に並ぶや小殿原
独酌のごまめばかりを拾ひをり
ごまめ噛む歯のみ健やか幸とせむ
どれもこれも目出度く曲るごまめかな

一病を上手に守り熨斗鮑

つき出しの端にひっそり螺肴(にしざかな)

押鮎や国栖の翁にあやかれと

わかくさのいろを添へたり切山椒
賑やかを持てきし人や切山椒
青空の冷え込んでくる切山椒
切山椒五色置かれしめでたさよ
切山椒鄙ぶりにして香の高し
つまみたる切山椒のへの字かな

勅題の菓子に金箔はりつきし

俎始ひと杓の水走らせて
鶏鳴のおこる俎始かな
葱すいと割いて包丁始めかな

門あけて固く結ひけり初国旗

養老の滝壺くめやはつ手水
杓の水揺れるを鎮め初手水
古稀といふ仄と楽しき初手水
初手水晩節いさぎよくあらむ

掃きぞめの箒や土になれ初む
掃初や熊手にかかる松ふぐり
山の辺のみちを掃初仕る
掃初は千年杉のまはりかな
石段の一段ずつや初箒

敷皮の熊の毛剛(こわ)し初座敷

生(いき)ばやと又思ひけりはつ暦
古壁や炬燵むかふのはつ暦
元日の大安なりし初暦
とじ絲のいろわかくさやはつ暦
初暦知らぬ月日は美しく
初暦ひらく牧神笛を吹く
初暦大きく場所をとってをり

からからと初湯の桶をならしつゝ
これやこの初湯の蓋をまだとらず
ひとの陰玉とぞしづむ初湯かな
一人にも湯気たちのぼる初湯かな
火の山の懐ふかき初湯かな
一掴み雪を入れたる初湯かな

初刷に早も政界波瀾かな
雪沁みの初刷とどく山の出湯
初刷をぽってりと置く机辺かな
初刷の真赤な日の出佳かりけり

真ん中に目つむる母や初写真
初写真一家七人横並び
亡き人の話を少し初写真

罫赤き用箋に書く初便り
ふくらんでゐるが嬉しき初便

初電話ありぬ果して父の声
あんばいも善かよと母の初電話
碁を打ちに伺ひますと初電話

初笑深く蔵してほのかなる
初笑ひ米粒程の歯がふたつ

泣初の子に八幡の鳩よ来よ
泣初の涙がゆれて笑ひけり
泣初といふにぎはひもをさまりぬ
初泣きの子のあやされて又泣ける
初泣の手のつけやうもなくなりぬ
初泣きのあととびきりの笑顔かな

荒神の昏き方にも初灯

じりじりと三里を覚ます初やいと

初鏡娘のあとに妻坐る
長生きも意地の一つか初鏡
口紅をもって点晴初鏡
「こはいづれの媼にてあるぞ」初鏡
向き変へて山を入れたり初鏡
初鏡一畳で足る妻の城
夫の手を借りて帯結ふ初鏡
初鏡いよよ余生へ肝据ゑて

初髪の稲穂の揺れをまぶしめる
初髪のゆくあてもなく門に出て
初髪の妻のなかなか帰り来ず
意に叶ふ初髪まれに浅草寺

志すこし述べたり初日記
記すこと老いて少き初日記

縫初は産着のしろき背守かな
縫始今暖めて来し手かな

初かまど燃え立つ家人起き起くる
松かさの火が廻りたる初竈

活け初めや長き袂のおきどころ

初釜の薄雪を踏みお正客
初茶の湯鏡花にちなむ菓子添へて


好(す)き不好(ぶす)きはきと育ちて掛柳

浪音の由比ヶ浜より初電車
すぐ次の駅までのこと初電車
空席もちらほらあるや初電車
初電車待つといつもの位置に立つ
富士山が窓を離れぬ初電車

織初やよりそふ母の言縷々と
織ぞめや機神様へ窓あけて

織初めの筬音まぎれ深山川
金銀糸競ひ走らせ織始
泥染の糸つややかに機始

天は晴れ地は湿ふや鍬初
鍬始浅間ケ岳に雲かゝる
眼のはしに鶴の歩める鍬始
舞ふ鳶の奇数はたのし鍬始
ほどもなく母くるといひ鍬始
もぐら罠埋めて均して鍬始

杉の幹見上げ打ち撫で山始
味噌むすび燠で炙って山始
水楢が水噴くといふ山始
天領の木曾は木の国山始
山始饑神(だる)にと餅を投げにけり
掘りし土かけて火を消す山始

雪が雨其がまた雪に斧始
斧始杉凜々と響き合ふ
斧始きぶし一枝もち帰る

初漁船全速力の水脈太く
初漁の舳先を上げて戻りけり
初漁の船霊さんに赤い餅
空を読むことも子は継ぎ漁始め

手斧始烏帽子の大工真顔して

初窯や福耳持てる陶人形

ふんだんにふいご始の高火の粉

月山の名にかけてもと鍛治始
金床に鎚に盛り塩鍛治始
十方へ明るき火花鍛治始

かるた読むはじめしばらく仮の声
読み札のいちまいを欠く歌がるた
天平の祝ぎうたいまに歌がるた

双六の骰子一の一歩かな
一振りで越ゆ双六の箱根山
双六の上りに蜜柑置いてあり
双六の赤の広場に来てをりぬ

版元は「いせ辰」道中絵双六

幼きと遊ぶ十六むさしかな

投扇興酔うて真白き腕見す
青畝直筆の扇ぞ投扇興

袖摺りて鼻の行方や福笑ひ

羽子板や母が贔負(ひいき)の歌右衛門
羽子板の重きが嬉し突かで立つ
羽子板の助六見得を切り続け

その中に羽根つく吾子の声澄めり
日見て来よ月見て来よと羽子をつく
羽子をつくその単純をくりかへす
東山静かに羽子の舞ひ落ちぬ
どこやらで遠くの方で羽子の音
羽根二つ飾るがごとくおく机
東京もここらは静か羽子の音
羽子とりに入ってきしは見知らぬ子

追羽根の音の鎌倉西御門
追羽根の高きがうれし突き返す
やり羽子や油のやうな京言葉
追羽子の突き足らざればひとり突く

てんてんとつき出したる手毬かな
胸高に手毬かかへてゐる子かな
焼跡に遺る三和土や手毬つく
手のひらに吸ひつくように手毬突く
手毬突く石の仁王に唄聞かせ
手毬唄かなしきことをうつくしく
手毬唄きこゆ生涯の家と思ふ
正月の月が明るい手まり歌
手毬唄ここのつ十はさびしけれ
手毬唄十を遠野とうたひけり

つまづけば母つなぎくれ手毬唄
手毬唄とをを数へてまた一へ
あるまじき戦を経たり手毬唄
はりまにははりまのくにのてまりうた

たとふれば独楽のはぢける如くなり
かざしつゝ独楽の金輪の摶ちあへる
独楽競ふ子がゐて壬生の袋路地
回りゐることを忘れて独楽澄めり
りんりんと独楽は勝負に行く途中
勝独楽の胴震ひ手に掬ひけり

いかのぼりかみはあがらせ給ひけり
葛飾や江戸をはなれぬ鳳凧(いかのぼり)
正月の凧や子供の手より借り
兄いもと一つの凧をあげにけり
紅顔の義経つよし飾り凧

品替る金玉の声や玉毬打

ぶりぶりや三葉葵の紋所

宝引の終ひ福なる亀香合

福引や御降済んで残る雪
福引やためらひ引きて当り籤
福引や石山の月膳所の城
福引に当りしものを重宝す
福引の紙紐の端ちよと赤く
福引のかんらかんらと回りけり
福引の二等大いに囃されて

ぽっぺんを吹いて佳きことあるらしき
ぽっぺんにポコンと鼓膜鳴りにけり
やみつきのぽっぺんを吹くばかりかな
独り合点しつつぽっぺん吹く男

道場に女下駄あり初稽古
初稽古打たれどほしの打たれ役
手拭の紺を折りたる初稽古
初稽古まづはすっくと立ちにけり

吹初の人揃うたる一間かな

弾初の姉のかげなる妹かな
弾初の吾子の楽譜をめくる役

能初め鐘後見といへる役
息長く呼び掛け出でて能始

舞初の女大名太郎冠者
舞初や年端もゆかず恋の所作
舞初の海を見渡す所作に入る
白扇を日とし月とし舞始め

袖ぐちのあやなる鼓初かな

四海波耳馴れたるを謡初
謡初子方二歳に満たぬとよ
初謡さん候と謡ひけり

初寄席やいろものになる出の囃子

眉描いてほのぼのなりぬ初芝居
日の本のその荒事や初芝居
あの役者この役者なし初芝居
柝の入りてひきしまる灯や初芝居
初芝居おきく播磨に切られけり
せり上る紅隈曾我や初芝居
小止みなく紙の雪降る初芝居

拍子木のちよんの音が好き初芝居
幕の内頼むも手順初芝居
太棹で幕上りたり初芝居
弁慶を見下ろす立見初芝居
二の替世話狂言のなきどころ

初曽我や灯にひるがへる蝶千鳥

初場所やかの伊之助の白き髯
初場所や髪まだ伸びぬ勝角力
初場所や行司にもある初土俵
初場所の贔屓は小浜ばかりなる
初場所の塩一掴み花と撒く

うそまこと七十余年初寝覚

我も折れていはるるままに寝正月
ははそはの母にすすむる寝正月
虚子庵に不参申して寝正月
雨降ってうれしくもあり寝正月
しなやかにとぐろ巻きたく寝正月

寝積や布団の上の紋どころ


以上

作者名を知りたければ原典を参照されたし
因みに
「新版 角川俳句大歳事記 新年」角川書店 2022・12・21 初版

# by 575fudemakase | 2023-04-20 07:58 | ブログ | Trackback

「詳細」新年の行事の例句 in 角川俳句大歳事記 新年

「詳細」新年の行事の例句 in 角川俳句大歳事記 新年
「詳細」新年の行事の例句 in 角川俳句大歳事記 新年_b0223579_00313995.jpeg
四方拝其時初日のぼりつゝ
松原のかたむきやまず四方拝
田づくりのてのひら厚し四方拝

ほほゑみて拝賀の列の中にあり
参賀記帳筆おごそかに執りにけり

国栖奏や白木の笛の高しらべ
国栖奏の醴酒ふるまふ里頭
筑紫ぶり腹赤の奏と聴くからに
土毛(どもう)てふ根芹を献す国栖の舞

時めける人々政事始かな

摺子木も次手にたのむ卯杖かな

白馬の鼻寒げなる旭かな

一理屈もたぬ顔なしあがた召し
農兵のこと奏しけり県召

御斎会や大極殿の金の鴟尾

起立して燕尾ずらりと歌会始

粛として講書始の椅子一つ

相似たる顔もて蹴鞠始かな
大空に蹴あげて高し鞠始
鎌足の世より続きて初蹴鞠

成人の日の大鯛は虹の如し
帆柱に成人の日の風鳴れり
成人の日をくろがねのラッセル車
成人の日の晴着着て墓参り
成人の日ぞ大雪もたのもしき

乗初や鎧にとどく児(ちご)の足
騎初めのまづ鼻面を撫でにけり
初乗の蹄音砂にきざまるる

一調子東風にあげけり松囃子
絵扇をひさぐ家なり松囃子

祝ひけり千代のためしの具足餅

目出度ぞ御座さぶらひの弓始
長身のひかへの射手や弓始
弓始弓の形の国なれば
一本の矢が音となる弓始
的中の矢が震へをり弓始
黒髪を和紙で束ねて弓始
おのづから射手の風格弓始
振袖に鳳凰飛んで弓始
堂々と的を外して弓始
切れ長の目に力あり弓始

神慮今鳩をたゝしむ初詣
広々と大石段や初詣
簪のゆれつつ下る初詣
口開いて矢大臣よし初詣
土器に浸みゆく神酒や初詣
日本がここに集る初詣
初詣双親寿(いのちなが)かれと
初詣して三井寺の力餅
やはらかにぶつかり合ひて初詣
子の丈に御籤結ばれ初詣
磯の鵜を車窓にかぞへ初詣

歳徳や土かはらけの御燈明
年神の来給ふ雪のいとまあり

恵方はと問はば年々よしの山
恵方とはこの道をたゞ進むこと
恵方へとひかりを帯びて鳥礫
恵方より来し鳥の眼の中にゐる
恵方とて山の祠の灯さるる
見も知らぬ犬が随きくる恵方道

火縄ふる影朧なり削りかけ
少年がまはして逸るをけらの火
白朮火を廻して通る祇園茶屋
白朮の火闇夜の風に消すまじく
白朮火のほのかに顔の見られけり

国原を繞道の火のはしりをる
地に落ちてなほ繞道の火の盛る

初伊勢や真珠のいろに御饌の海
初伊勢の晴れて白馬のまたたけり
初伊勢の松の中なる三番叟

真帆ゆくや七福神の隅田川
スニーカー履きて七福詣かな
抜けさせて貰ふ花街福詣
三囲も一幅とかや詣づべし
一幅は杖肩にせる寿老人
柴門や詣でじまひの福禄寿

初神楽太(いた)く神慮に叶ひたり
初神楽扇の紐を地に垂らし
みづうみの向うに穂高初神楽
早池峰山のふところ深く初神楽
初神楽うしろの山に礼(いや)なして
帯刀のごとき一管初神楽

屈強の胸に水受け玉せせり
力水綺羅なし走る玉せせり
雄叫びのぶつかり合うて玉せせり

紙を使はず鉤引の火拵へて

鷽替ふるならば徹頭徹尾替ふ
鷽替へてもう嘘ついてをりにけり
鷽替へて悲しみ替へるすべのなし
替へられし鷽の真っ赤なのど並ぶ
鷽替へて妻と落ち合ふ太鼓橋

歯を抜きし口中鬼火遊びをり

十日戎所詮われらは食ひ倒れ
南座もはねたる十日戎かな
初戎曲がれば四条通の灯
目の前を小判が通る初戎
昼酒の許されてをり初戎
外郎も素甘もゆかし宵戎
宵戎真底寒くなりにけり
福笹をかつげば肩に小判かな
福笹を置けば恵比寿も鯛も寝る
戎笹手に手にかざし楽屋入り
吉兆を袖抱へゆく女将かな

下駄引きて初金比羅の石だたみ
初金比羅耳かき売も出てゐたり

仮りにだに我名しるせよ常陸帯
思ふ人を神しろしめせ常陸帯

粥占の釜に乾ける粥の筋

掛ごゑのそろへば駆くる荒梵天
馳梵天けぶりのごときもの曳いて

一社二寺司る火やお山焼
鹿の瞳に地異天変のお山焼

生業は牛の種付け厄詣

日おもてに雀群れたり初天神
初天神兼ねて筆塚供養とよ
糸で切る飴のいろいろ初天神

船障子雪に明けさせ初卯かな
弟子つれて初卯詣の大工かな

初辰の水壺見ゆれ蔵の窓

抱く琵琶に燈明ゆらぐ初弁天
舟着きも靄の佃の初巳かな
銭洗ふ笊あたらしき初巳かな

僧正の猪首つややか初勤行
諏訪町の天地展けり初太鼓
あけぼのの天に打ち込む初太鼓

初護摩の法螺に一天ひきしまり

はつとらの威をかるや雨もふる狐
初寅の護符をかざして貴船へも
初寅の雪のきざはし鞍馬寺

賓頭盧廻しわが作らずば世に句なし
賓頭盧尊者注連鉢巻を太々と

御判さん戴き母の頬ゆるみ

護摩祈祷待つ日溜や初薬師
初薬師払子を振れば燭応ふ
初薬師買ふ慣はしの生姜板
初薬師ねんねこがけで詣でけり

初虚空蔵祈りが渦となる香炉

斎日やぞめき出されて上野迄
初閻魔天網雪をこぼしけり
富坂はむかし鳶坂初えんま

ふだらくの初観音へ川蒸汽
初観音人形焼を買ふ列に
初観音湖北目指さむかと思ふ
初観音雪の六波羅蜜寺まで
初観音臍のめでたき仏立ち

雪嬉々と延年舞の堂つつむ
延年舞鈴ふる神のふたはしら

山門の根深畑や初大師
香煙に振りこむ雪や初大師
初大師東寺に雪のなかりけり
欲得も喜捨もなかなか初大師
売れさうもなきもの並べ初弘法

参詣の早くも群聚初不動
たわたわと降りくる鳩や初不動
倶利伽羅の火牛さながら初不動
初不動江戸のむかしの力石
ぬかるみにうるむ灯のあり初不動
炎より弾ける火の粉初不動

初弥撒や落葉松はみな直ぐなる木
初弥撒や息豊かなる人集ひ
燦々とステンドグラス弥撒始

桜炭ほのぼのとあり夕霧忌
夕霧忌ひとり鏡の前ながし

頼朝忌雨だれ絞る松の瘤

かばかりの燈の尊さや契沖忌


以上

作者名を知りたければ原典を参照されたし
因みに
「新版 角川俳句大歳事記 新年」角川書店 2022・12・21 初版

# by 575fudemakase | 2023-04-15 06:26 | ブログ | Trackback


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


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《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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