最近の嘱目句あれこれ53 2026年 (高澤良一)
◼️春
シーグラスの曖昧が好き春の磯
朝顔の種まき奮発して五袋
若草に大中小の雨の粒
這ひつくばり午前朝顔の土作り
参道に干されしシラス目を凝らす
船腹のたぷたぷたぷと若布刈舟
精出して朝早くから若布干し
土竜塚連ねて戸塚の一里塚
かけられてくろがね光り甘茶仏
ばっけ顔出す家の裏手と云う処
煮ふくめて蕗のしうとめどんなしうとめ
飛花追えばきりなしここらでやめとくか
畦塗るや九十真近き生身魂
空席の目立つ連休出勤す
俳句作りは即戦蜂の巣落とす如
俳句作りは無心に限る竹の秋
割れに割れてシャボン玉百億個
小流れの綺羅そそくさと芹の川
連凧のうねり終日上総沖
花屑に風起つ兆候見逃さず
花疲れ夕暮れ酒場でそれ癒す
スライスされた映像繋いで今年のさくら
遠浅の干潟にへばりつくこと半日
読み甲斐がある亀の句が数多登場
花人は痴人に似て花の山
かばかりの花の時間を斯く推敲
たんぽぽの日を満面に田舎道
八十の我公園に来てふらここ
うぐひすに心ゆだねて朝寝かな
田螺鳴く星岡茶寮この辺り
ほっと咲き一安心の桃の花
春の沼水尾の緩衝愉しみつ
花屑のとどこる処直ぐ見つけ
みちのくより堅香子の花函送り
いい加減摘んで満足鼓草
長い長い滑り台まんさくの斜面
磯巾着の原色めまい起しさう
仏壇からおろして来たりかすていら
八百潮の引くにまかせて遠干潟
花を見て巡る東京くったくた
薄氷踏むことたじたじとなってくる
薄氷の隙間ぽこりと水の鳴る
遠足子ぶら下げている鳩サブレ
センサーライト数多仕掛けてある春夜
探梅の道のあやふや五年ぶり
唯降って唯止む雨や春林に
石段の隙間餅草席捲す
始めてのことチューリップ植えて見ん
白梅は一重文武の会津此処
凧あげて関八州の日本晴れ
暦どほり春は来にけり梅にうぐひす
生ま生まと咲いて方丈の梅ま白
その冗談かえすがえすもエプリルフール
刃(やいば)めきつばくろ地べた掠めゆく
笹起きる音立て続け宗谷岬
笹起きる音立て続け猿仏辺り
花びらを拾ふ子踏む子蹴飛ばす子
海苔搔きの重装備にて黒合羽
ガツンと突く薄氷子供達も真似
雨に落花の杏子いちごミルク状
梅林へニッカボッカの二人連れ
突風にやられ首垂れ喇叭水仙
歩行器の面と向かって三椏の花
春宵の腹に食い込むパジャマのゴム
あてもなく歩いて観梅駅前解散
一瞬のレ点を返す初つばめ
山茱萸が先づ咲き続いて万作も
一輪挿しにスタイリストのスイトピー
春じよをんずっと続くや散歩道
君子蘭放ったらかしや縁側に
ほしいまま朝日を浴びて新海苔採り
草餅の焼き過ぎ餡がにょきと出
茎の筋のごときが残る蓬餅
蝌蚪捕って大よろこびの地元の子
旧正の注連ひらひらと海風に
鳥曇り洗車は泡に包まれて
早梅の咲く辺に鼻先持ってゆく
観梅や空の回廊巡るかに
春寒のクロネコ便で届くもの
観梅の人人人の中抜けて
このダムの貯水率零花ぐもり
国道に沿う長走り春のマラソン
権禰宜の挨拶建国記念の日
あちこちにばっけの芽吹き勃発めき
ちうちうと吸ひて熱々蜆汁
正面から向き合ふ東寺の白梅に
残る雪兼六園に人まばら
朝ドラをかけっ放しに蜆汁
観梅のはしごと云ふはよか気分
雑木の芽起してをらん一夜風
波返す音の単調干潮の洞(江之島)
残雪のありありのこるその一画
寝ぎたなく青春過ごした覚えなく
蝶番の具合よさそう大蛤
浅蜊売るその日その日の最後の日
食べあきて昼餉がはりのよもぎ餅
草餅や話は飛んで選挙のこと
春日差し牡丹は深く藁かむり
旧道出て新道に入るつばくらめ
ハミングして悠久の空渡る蜂
おぼろ影宿す田螺の深ねむり
落椿すたすたすたと去る足音
召し上がれ先づはアク抜きコシアブラ
おすすめは山の幸山独活のたんざく切
山菜料理いかすよ花イカダの天麩羅
蕗を煮る時折泡が吹き上げて
とんかつのキャベツ大好き人間にて
◼️夏
お値段が一桁違ふ枇杷の旬
この道をゆけば果たして浦島草
変電所のわすれられざる螢袋
置いてあるピアノの向うの新樹晴
鯉幟下ろされ地べたに横たはり
喜雨叩くやさしく叩く山女の腹
外は雨のザザ降り鯵のたたきかな
父の日を孫に贈らるブーゲンビリア
肉嫌ひ魚好き我の夏休
上司罵る酒止め八十の羽抜鶏
箱根より飛びくる兜虫(かぶと)に灯をかかげ
突き放される如く夕焼けの只中に
医書の背の並んでゐたり西日中
雲海を平らに平らに日雷
身ほとりに夏暁のスマホ・タブレット
チャリ漕いでいつものパン屋へ半ズボン
西日の店のミートソースは赤錆いろ
こけし選る時折雷の遠刈田
吸ひ込まれさうな青空急登攀
急登攀あっけらかんの空の果
ガイドとゆくあっけらかんの空の果て
菖蒲の根嗅いでくらくら湯を上がる
卯の花の突っ伏すやうに花零す
覗き込む我が顔其処に植田水
硝子屋が硝子を運ぶ薄暑光
仰天の金魚よろしく渡世の私
梅雨の関東 東海はけふからと
仕事は仕事峯雲は峯雲係わらず
八幡様の闇抜けてくる祭笛
大山を魁伊勢原の山開
屯して早池峰山頂権現舞
とんかつにデミグラスソースをぶっかけて
炎天に放っておけ大口叩く人
峯雲の頭いきなり動き出す
こんな色こんな背丈の山あぢさゐ
安価にてガリガリ君と云ふ氷菓
木の棒と氷塊合体してキャンデー
翡翠の何を目指すか一直線
たじろげる一瞬の瑠璃シャッター音
夕づける坂をとぼとぼ浦島草
遠富士をのぞむ月夜の月見草
トベラ咲くこんなところに不動尊
萍は漂ひそこね干上がりぬ
砂蟹のダンスのステップ小気味よし
蛇苺其処此処目移りして困る
赤手蟹道なき道を突き進み
ゾロゾロと森を出てくる赤手蟹
稚児蟹のダンス始まる油壺
ぷつぷつと蟹の念佛油壺
山妻の肉じゃが調味料いい加減
馬頭尊苔生す谷戸の道路際
次から次朽ちゆくマーガレットの花摘み
暗闇に街浮上る雷一打
尺蠖の五体ぼっちは何処まで
垂直に向日葵 水平に地平線
断崖のきりりとありぬ透かし百合
なめくじりにめぐんでやれりオルトラン剤(おるとらん)
どう遣りぁよい蛍袋の殖やし方(大船植物園に問い合わせてみた)
オルトラン剤撒かれなめくじりおたおたす
柏餅つつむ葉っぱの大きこと
柏餅少々小さめになった感じ
自家製氷で梅酒のオンザロックかな
梅酒飲む自家製氷の割り水で
羽虫狩る蜘蛛の百戦錬磨かな
粋はどっち鉄砲百合か透かし百合
粋はこっち鉄砲百合より透かし百合
螳螂生(しょうず)突っかえ棒のやうな前脚
両の手に挟み移動のさつき鉢
夜濯を二階へ抱えあげ干せる
なめくじの仕業はあきらか金の糸
虹その後再起とばかり気合入れ
今日こそは薔薇見に行こう雨も種切れ
雷神は声もろともに落つ下野国(しもつけ)
その目付きこはごは線香花火の着火
水ぬるむや鯰は大きな欠伸して
ぶちまけらる千の氷雨にはっと声
かたばみの顔出す沓脱石の隙
片端から抜く蕺草の根のしろじろ
雷過ぎるまで雨宿り女衆
夕立の如立ち退く幡随院長兵衛
引っこ抜かれ天向く向日葵ひまさうに
くちなはに脚すくみ来ておたおたす
五十、六十若手あつかひされ祭
短夜のなにかといへば牛丼屋
台所煮え来る蕗の匂ひして
人んちの蛍袋をとりたくなる
この居間に踏み込みし蚊は皆殺し
電気蚊取り線香の香は毒毒し
夏向きのひんやりシーツけふよりぞ
朝焼にバッタ出合へり伊良湖崎
用事チャチャと済ませてドトールアイスティ
朝市のみたらし団子餡団子
水無月の両手にくるむ若木の胴
自転車の籠に病葉そんな時節
大喝の雷豪雨伴ひて
河東碧梧桐忌と暦にあり
生きのよさどうして計る幽霊海鞘
庭暗(くれ)に鉄砲百合の呆然と
ぷっくりとこれは蚊のあとあの時の
捕って何日生きるこのおし蝉
お手本のやうな引き際ごろごろさん
スクターあやつり薄暑の郵便夫
朝草刈次々朝露浴びながら
今晩はトマトのマリネ愉しむよ
とんかつに胡瓜のぬか漬けポリポリと
目を閉じて山梔子かほる庭にをり
白濤寄す太平洋を一望に
日傘の下カフェーは満席巴里祭
丹念におむかひの人袋掛
海のギャングウツボ干せるや老漁師
干しそら豆つまみにビールぐびぐびと
酒のつまみ干しそら豆の止まらずよ
朝顔の植替え朝ドラ終はつたら
ギンリョウソウにじっくり見入る女衆
ひょっこりとこんな処にギンリョウソウ
急上昇してほうたるの青信号
作務衣着て動作すっきり蕗を摘む
華やかな気分で牡丹の下見かな
かたばみの一輪挿しとしてコップ
顔に差す川面のひかり柿田川
妻夏風邪の皿洗ひ手伝うて
朝焼けにバッタリで合ふ伊良湖崎
雷つんざく東京湾やフェリー運航
起き抜けに老鶯一声元気を貰ふ
日だまりに藁着の牡丹むつつりと
蓮田に日差したっぷり池の端
花火大会とり止めの談たらたらと
樟脳の匂ひ抜きをり葬(はふり)前
こいのぼり越後の空に凜々しかり
ご近所に分けるつもりの朝顔作り
誰かこぼせし黄な粉がありて蟻屯
八月の飲食円卓囲む家人
古土の修繕夏の日晒しに
日に当てがひ古土干せり夏帽子
痩せぎすのかたばみ育て夏日差し
見えてゐる前のバス停日傘の客
夜は更けて蟻のうろつくタブレット
南風の中カットしたての首たてゝ(散髪)
南風の中斜め上りに歩道橋
青信号見つめて横断薄暑の中
梅雨極まったりあぢさゐのどどめ色
植えられて日影愉しむインパチェンス
日本一臭い蒜ピンチ状
鰹のたたきそれには蒜土佐赤球
蒜のやっつけ仕事先づは臭い抜き
子供の日イヤイヤザウルスごねてゐる
蚊取り線香仕掛けておいて一つ風呂
シャワー浴びし子居間をよぎりて二階へと
湯殿より出勤前のシャワー音
手を膝に初夏の晩酌手順踏み
昼飯はギョウザギョウザと祭囃子
この炎天精力つけねばレバステーキ
湯上がりの晩酌小皿に新しょうが
勝浦にて出て来い伊勢海老出て来い鮑(孤独のグルメ)
伊勢海老漁港で調達烏賊フライ
放置さるポット漆黒梅雨深し
コンクリや酷暑の雑草が分離帯
◼️秋
もう思ひ出さなくてよい終戦
重宝で使い勝手のよき秋風
大空に月は昇るの渡るのか
木犀の匂いのお通りこれみよがし
月見よと山妻のこゑ嘸やさぞ
レタス食す気分は空を馳すツグミ
七夕竹背負ふて帰るおねえさん
保育園へ寄贈の七夕竹すっくと
七夕竹立てかけ保育園の門
秋の浜ポンポン弾むキャッチボール
鬼やんま発つ時一寸大きな音
生身魂生き埋めになる土俵下
満腹の豚汁美味くて有り難し
ずるずると吸い込む八十路のとろろ飯
その到来使ひ勝手のよき秋風
きつね火まつり始まる前の濁酒
月影を宿して田貫湖の容姿
くっちゃべることが楽しみ生身魂
指に乗せ見する七味の零し屑
秋暑の今後退をして啼ける蝉
芋水車ゴットンコトリといいリズム
精霊バッタ毀れた脚を引きずって
かくれんぼした路地彷彿月明り
不風流少し離れて鼻提灯
ほうじ茶に躰ぬくもる栗饅頭
屋敷林邪魔して月の上がる道
煮えっくりかえるほうじ茶所望今朝の秋
雲流れ放題無月焦ったし
センサーライトひとりでに消ゆ秋の闇
山崎のぶだう入りパンむしゃむしゃと
苧殻焚マッチ擦らんとすれば風
純褐色にして隠れ花ヒューケラ
地番なき田畑はるかを渡る鳥
青空につんとばかりにスカイツリー
手入れよき庭に先づ来る小鳥達
白き糞ぴちゃとサドルに今朝の秋
無人燈台廃れてバッタの出番なく
どぶろく遣り酩酊浪曲灰神楽
朝寒の煮魚ほぐす象牙箸
冬瓜を届けにチャリのペダル踏む
自然薯売るいつもと同じ出でたちで
名月や椅子のぬくもりかこちつつ
風船かづら破けし処一つと無く
唄は堂々巡り新宿駅裏赤とんぼ
こゑ枯らすものの一つにきりぎりす
うしろ髪ひかれるやうに立侫武多
いっときは網打つやうに稲雀
蜻蛉は呑気な顔して田んぼ道
塩辛蜻蛉(しおから)の灰色閻魔の使ひめく
けふの月すすき活けるに最適よ
唐辛子モッにかければモッまんま
◼️冬
八手咲き私の師走始まれり
出し抜けのべっとうけふは漁休
遠浅の海へぽちゃんと虚貝
だんまりの綱繕や磯日向
ありつけぬ権現様の石垣苺(東照大権現徳川家康)
なにはともあれ風邪引くな冬はこれから
深山のおほかみの眼の爛々と
一切れづつスライスしてお通しの酢海鼠
大嚔して傾けるわが体軀
みかん好き舌が黄色とベロを出す
節分の鬼の相場は誰が決む
大き穴掘って神社の除夜焚火
大晦日の火屑きらきら大き穴
ひとりしゃぶしゃぶどんどんしゃぶしゃぶ堪能す
さざれ石謡ふ御仁の自己陶酔
かいぼりは富士の膝元おほがかり
撫でられし処削られ雪だるま
ひかげれば咳コンコンと採氷夫
男比良の湖面をすいすいかひつぶり
風花の舞一頻り明日退院
配膳車ガラガラ到着凍れる廊下
白湯をのみ薬をのんであとごろ寝
採氷の鋸の断面瑞々し
福助は障子あかりを背なにして
寒牡丹藁苞の傘隙だらけ
玄冬の風送り継ぐ並木
年がゆく年が来るでは未だ凡句
毬のごと散る正体は寒雀
お初の雪どんと踏み込み北海道
がま口より師走の小銭摘み出す
長電話気が気でなかり鍋料理
ずわい蟹どんと据え直ぐ解体
雪どんと落ちし辺りの屋根見上げ
寒の水口にふふみつ洗ひ物
寒鴉持ち去るものにハンガーも
大根を両手で持って年の市
山妻の味出ていつもの鍋料理
持ち運び出来る穴釣、今度はこの穴
スケートの二人抜いたり抜かれたり
煮凝りをひっくり返せば真っ白く
テイクアウトの牛丼行火のごとあたたか
昔鯨捕って美味しくいただいた
三寒のすり傷四温のぶゆぶよおでき
山々はスクラム組んで深睡り
年度末の配管工事スロモー
年逝かすにぼうじそわかのはんにゃしんぎょう
嘘つきを承知師走の年頭詠
氷柱見にちょっと危ういが崖っぷち
万両の棒立ちにして不愛想
抽出の奥に温存手漉和紙
雪はひさびさ 雨はちょぼちょぼ
躰ごと空に吸はるる日本晴れ
水上を白無垢の鶴進みをり
寒肥を撒き来て番茶すすりけり
体格(がたい)馬鹿でかく売店のずわい蟹
しゃくりなどして暦の上の立冬
販売機ガチャンとホットミルクティー
浜っ子には雪がいやだと云う奴なし
全員で守りて攻めるがサッカーと
今背丈地べたに積める雪の嵩
昨夜残せしおでんの残り片さねば
臘梅の笑みのこぼれてわらわらと
チュチュチュチュと朝からおしゃべり寒雀
河東碧梧桐忌と暦にあり
草津湯巡りドタリドタリと雪踏んで
湯畑の雪踏んづけて観光客
焼藷を妻と二つにあちちちち
おまわりさんに借りたお金を返しにゆく冬(小学生時代初詣で借金)
水上を白無垢の鶴進みをり
寒肥を撒き来て番茶をすすりけり
濁声で暁告ぐる寒烏
飛ぶ雪の張り付く越後の雪だるま
ビル風にあおられながらスケートす
トカトンと冬の音立て板金屋
指さしてこれが羆の爪跡よ
ぎうぎうと固め固めに雪だるま
家裏へどっと落雪屋根なだれ
シーツを干す竿真っ直ぐに氷りをり
雪卸しうんざり眺めて夕景色
雪こんこん地べたの際のもう判らず
臘梅の笑みの零れてわらわらと
山歩き梅探らむと腰達者
晴れたかと思へば霰前途は多難
齢には負けてはをれぬけふの応診
何が降ろうと浮寝鳥びくともせず
隣の孫と交はすバイバイ花八手
あまり寒ければしゃぁない二度寝する
仮止めの其処押へてと障子はる
早や師走今年も何とかなると「適当」
雲一つなきアリューシャン開戦日
忘年会鼻歌風に「二人酒」
体力を削り削られ熱狂サッカー
納豆の糸切り仕草面白し
納豆の糸切り仕草人それぞれ
納豆は交ぜただけ応へてくれる有難飯
◼️️新年
三ヶ日の新聞たんと買い漁り
松過ぎの小さき門松片す妻
失せしもの眼鏡何処ぞのお正月
失せものの眼鏡を探す大旦
お年寄り座り直して大福茶
オーブンに張りつき餅を焦がすまじ
門松の受付は一時どんど焼
春着脱ぎ心臓打診の超音波
どんど焼達磨焼かれて白佛
初日差す谷戸の川面に鯔の跳ね
紙に書く物音しんと初句会
◼️相撲
◼️雑
せんさあらいとやたらに配置尿(いばり)の細道
戸締りや長男帰ったか次男戻ったか
私には遠く聞こえる草葉の陰(昭和二桁生れ)
片付けの精神 夫婦して残り物
「容」「心」どこか外してみっともない
無意識ではあるが一茶を追いかけて(LASUTO)
当面の私の関心「物故者欄」
来訪者もうなき外灯消しに発つ
説明を要せぬものコレ俳句
直球の曲りも計算ホームラン(大谷正平)
哀草果の、母の、落款無き色紙(結城哀草果)花嫁修行とて
山寺の千段攀づ人下る人
フェリーの航跡白浪の日本海
一石路さんからさそひの手紙遥かな昔
豪勢にも木製職場休日出勤(日本電気株式会社)
葉書束此奴も此奴ももう鬼籍
ご褒美の先づ筆頭がカツカレー
タイムカードのそっけない音早退けす
野毛で飲みだうした訳かゲイの店
退院の運びを祝い中華蕎麦
過去も過去会社生活大昭和
要支援同士の朝のラジオ体操
給食当番の昔に還るパン屋に来て
カレーパンの放つ匂いか工場がパン屋
鵜の目鷹の目パン屋のパンの並べ方
パンの販売あたかも給食のをばさん然
給食もこなすパン屋へ一番乗り
長男はペンキ屋青空の東京へ
縁遠きものの一つにシャンパングラス
オムライス昭和を感じる食堂で
花殻摘み他人はどうでも私の時間
中古自転車は私の眼と鼻アナログ大事
よく切れる血液型はAB型
ハローワークはいつも横目で私は老人
ログアウトして取り敢えずの安寧
見るに耐えぬ濁世頼みは現世の初期化
地のものもいっぱい頂き呑み鉄旅(六角精児)
老人の日々後日談糧にして
朝っぱらから鴉の嬌声何を予告
持主の生きてるやうに蔵書印
点滴機の厄介連れて長話
茶を喫す庵のいかつき床柱
眼ぢからの婆娑羅大将仁王立ち
星光ゲと云へばワルツや誰が唄
赤線でくくる領域メルト・ダウン
小沢昭一嘘こくやうにハモニカ吹く
雑草に洗濯物を乗せてをり
年を食うではなく置いてきぼりを食う
縄跳の縄快音を立てる夕
警策の一打二打大寺の懐に
日経の何プレ切り取り投げ渡し
パタパタとはたいちゃいけない大福の粉
深海に生かされてマグマのバクテリア
想像上の動物象と成りはてぬ
草くってトリケラトプスぷとおなら
人間を辞したきか君そりゃ不遜
取り敢えずの私のあだ名大先生
老の朝餉は簡単指向「ふりかけご飯」
槍投げの槍がお辞儀をして困る(選手曰く)
ののさんにほうじ茶あげる妻のこゑ(なみあみだ)
牛乳のんで思い出しをる青荷の湯(青荷温泉)
穏やかに呆けたらよろし云うがままに
目薬の外れたるやうに天気予報も
老いの繰り言 語ると云うや愚痴ると云うや
寄せ返す波をアレンジ北斎は(神奈川沖浪裏)
小気味よきもの絶品凱風快晴
ワイパーのどうした訳か汚してる
多作に継ぐ多作ひたすらモットーに
とうとう来たかとバスの運ちゃんワイパー始動
ままごとの目を細め云ふかわいい嘘
赤ベコの首筋突かれ駅前店
石畳ろうせき色の八幡宮
使ひ古したナプキン色にシチュー煮え
末代まで存え親の七光り
爺婆のアイドル健在浜木綿子
祖母の言世間とあまり離れずに
白っぽくこめの研ぎ汁ちょろちょろと
一遍は旅仕度して遊行寺(銅像)
我が出で立ち吊りズボンとは二昔(写真)
帰り際白無垢の手をばいばいと
当然と降る雨アプリは正鵠にして
二百円丁度と豆腐屋のおかみさん
消沈の我飲み過ぎの目が坐り
母偲ぶに母の好物黄身しぐれ
心中にいつもクミコのケセラセラ
アンパイア自身あり気なストライク
歩行と云ふ筋肉疲労齢だなぁ
ガチャポンに嵌まる下校の女の子
山林を歩いてみよと云ふ時節
早々とガーデンライトの点る家
大欠伸これで三度め地蔵の湯(草津)
時計屋の主が俳人草津泊(「濱」古参同人)
ランドセルカタカタ鳴らせ孫帰宅
日めくりの剥ぎ取り日課のわが山妻
鉛筆でがり版刷りの作文集
映画見んとサクマのドロップ舌に転がし
鉛筆をとがらせておく手帖の上
地をなめるやうに草原馳す夕日
俳句でもやってみようかは不埒
何はともあれ俳句は俺っぽいそれがよし
雑食で生きた私の八十五年
いかにもペンキ屋風の男の仕事飯(孤独のグルメ)
バレー決戦あっち向いてほいのアタック成功
橋幸夫の子連れ狼十八番とす
エノケンのギョギョギョの目んたま忘られず
長政が忠誠ちかふ寝釈迦の國(タイ、アユタヤ)
この雨は利かん坊雨と一くさり
激流の岩噛む他は地の深閑
並み盛りのつゆだく牛丼持ち帰り
直立のコップにストロー45度
イエス様少し違へて親子の貌
夜は華麗関東学院循環バス
近海の海老入り海鮮かき揚げ丼
島民はコロッケが好きかぶりつく
島宿の名物海鮮かき揚げ丼
ブータンのうひょう辛さのうま料理(孤独のグルメ)
勝浦にて出て来い伊勢海老出て来い鮑(孤独のグルメ)
食堂で三人三様豚料理
暁暗の庭木の葉叢鬱蒼と
隣客もつ煮定食とはすご腹
長男の朝のルーチンシャワー音
涎垂れ垂る一人台湾爆食飯(孤独のグルメ)
天麩羅、きんぴら何よりシャキシャキ感
以上
#
by 575fudemakase
| 2026-06-18 11:03
| ブログ
|
Trackback
最近の嘱目句あれこれ52 2026年 (高澤良一)
◼️春
つつじ咲く町内築地塀又築地塀
春や春旅籠の中居芸妓の着付け
簡単に打たれて春のドジな蚊
横濱市歌花の三春の丘越えて(関東学院)
荷解きの最中春の蚊に寄られ
あたたかくなればやーな害虫NONNON
何食はぬ顔のおとぼけムツゴロウ
旅人として目を落とす壺すみれ
饒舌な椿が或る日塞ぎ屋に
蛙の目いつも水平線の上
段差無きところで転ぶ四月馬鹿
赤尾谷うぐひとプールの遊び谷(五箇山温泉)
産卵のうぐひの遡上おびただし
期待したがとうとううぐひに出逢えぬ旅
子供らとうぐひを手づかみバケツに満杯
一穢無きグリーンアスパラ道南より
力づくで落とした蜂の巣雨に萎縮
かたばみのうすむらさきの日向に犬
こち風にボートうなづきゆく湖面
潮(うしお)の香運ぶ波風濡れ干潟
◼️夏
広々した植田の彼方温泉街
風待ち港入り江にごちゃごちゃ烏賊釣船
升酒にけふの松魚は勝浦産
水無月の測量の日よ六月三日
水無月の測量の日よ海猫の横濱
油引きもやしパリパリフライパン
雨上がりの大滝を見て県境
岩魚づかみ小さな笑顔が喜んで
滝風に地球が廻る足許廻る
螢の宿は川端やなぎとは至言
再発見風に匂ひのあることを
勧められ舌のさ迷ふ西瓜かな
ヤッホーのホーが追いかけゆく岳陵
今は未だ汚れてをらぬ祭足袋
カナヘビを驚かしたり見逃したり
向日葵に笑ひ声あり高笑ひ
屋形舟の女ちらりと左端(広重のトリミング)
むむむむと大橋あたけの夕立図(広重構図)
ダリの悲観ダリの楽観水爆図
烏賊めしはいかがですかと根室本線
百万弗の夜景道の玄関函館で
函館の烏賊めし長万部の蟹めし
薔薇に棘エネルギッシュは全てで無し
クスクスがヘヘヘに変わりお化け屋敷
雷に浮上のマネキンてらてらつんつるの(百貨店)
雨にしくしく淋しがり屋のほたる(エリック・オール)
蟻歩くはらぺこ青虫参考に
老鶯に背骨を起こす朝まだき
茶畑の景は変わらずプーアル茶(タイ)
雑草の螢袋の殖やし方
アナベルのポンポン咲きが庭縦断
アナベルの魁の花薄みどり
見下ろせば植田あちこち高架橋
荘川の水透けどほし鮠の見ゆ
夜は妖精(ニンフ)のひとり舞台の噴水公園
見上げればビルの谷間の噴水公園
噴水のかたはら読む本新刊本
平日は30分おきに出る噴水
出たり引っ込んだりもぐら叩きのやうな噴水
皆ハッピー都心の噴水公園は
ライトが点き太陽無くなる噴水公園
ホルムズ海峡動きありそで梅雨入確定
人指しゆびを震えるやうに歩く蟻
指辿りつゝとんでもなく小さい蟻
道産子のうはまえ跳ねて競馬好き
ややありて山車に糠雨雨宿り
さっきそこ通ったばかりきつね雨
飴細工日に透かし見る祭の子
九絵定食ドカンと運ぶ胃袋へ
又注文鰹のなめろう冷や茶漬け
舞い込める忘我の時間白雨の後
船笛二度海霧を破って東京湾
遠くだが気がかりな雷診療日
吊り鉢の花の植替え夏向きに
酢漿草に日に日に強くなる日差し
大方はペチュニア 吊鉢夏バージョン
ちゃんづけで金魚に挨拶末っ子は
よくもまあ殖やしたもんだ夏向き吊鉢
気がつけばこの辺藪蚊にさされれし処
蚊遣豚焚いてわが家の蠅全滅
老鶯たまさか別誂えの声を出す
早泳ぎのクロールはかういう手付き
赤手蟹出てくる出てくる磯の森(油壺)
目つむって洗髪石鹸取り逃す(銭湯にて)
朝顔の成長日がな見て得心
くちなはすいすいその辺の草叢で
◼️秋
呑兵衛のずずと啜れり鹿スープ
屋根爽やかソーラーパネルうち敷きて
釣り上げしダボ鯊の顔近く遠く
蝦夷鹿が線路横断列車は停止
隠元の黒ゴマ和えをわしわし食う
歯も見せて口とがらするカマス達
売れに売れ「はらぺこ青虫」七十ヶ國
カタカナで書かれて威厳を落とすリンゴ
奥飛騨のどん詰まる道秋高し
類想を遠ざけてゐる冬瓜の句
自家取りの苦瓜嫌いはいさよなら
駅前の場所を選ばず赤い羽根
洗ひ物片して山妻月見の座
もう一段進む乗鞍岳の粧ひ
くちぐちに深山の冷え白骨温泉
鯊釣の立ちんぼ海岸そこを行く
ご褒美と連日秋晴れ干し物に
城郭を曲がったとつつき黒鉄黐
与太話栗の鬼皮剥きながら
朝霧や出勤前の野島橋
場数踏み栗の皮むき上手なもの
桃好きで買いに出でたる不二家のネクター
東京湾べりに住まひて野分雲
◼️冬
店長のおすすめ平目の縁側ぽん酢
ほろ酔い機嫌中トロマグロをお酒で流す
掌にのせてすえた匂いのねずみもち
獨逸戦張攻策が裏目に出(サッカー)
竹馬と竹馬の友とは無関係
竹馬の運転おっとおっとの連続で
隣り部屋一人のやうな避寒宿
石がゴミゴミが石噛むことは無し(カーリング)
煮凝や腕の袖肉ぷるぷると
大三十日チラシを折って屑籠に
日脚伸び始むちょっとづつちょっとづつ
巻き込まれまいと空風吹く国道
雪は思い切り降って満足この上なし
鯛焼の頭・尾 今川焼の前・後両方楽しんだ
力づくで倒産脱出冬の虹
もうチョイもうチョイの連続熱戦カーリング
毛糸編む一目一目に丹精込め
発酵進む密閉タンク山眠る
彷徨うように崎鼻に来て花アロエ
知ってるのは思ひ通りになる笑ひ
松重の孤独のグルメ町中華(食レポ)
小春日の岩壁そびらに小柴漁港
カメラワーク縦横無尽に白鳥クルー
山桜ふぶかれ雲散霧消の景
料理は感ですすと遣るものけふは豚汁
懐かしの鯨肉給食話題の納会
この番組でもカウントダウンゆく年来る年
使ひきりたきものの一つに冬野菜
丹頂の舞踏は横へ又横へ
着ぶくれてを卒業する日何処へ行こ
睡りにつく鴨の姿は皆過去形
ラグビーボール蹴り上げられた空の群青
長葱のこれ長過ぎてココ何とか
ダンプ洗ふすっかり洗ふ手も洗ふ
ダンプ洗ふすっかり洗ふ四温晴
御不浄に石蕗を活けあり三溪園
悴める身をほぐす如尿(ゆばり)の音
荒汁の滋味は漁師料理の滋味
大根でカマの煮付けをほんにやはらか
新海苔の黒むらさきに漬け朝餉
日脚伸ぶとちんたら仕事すっかり夜
冬の虹正面に据え出勤路
普段着は薄茶の前開きカーディガン
やや苦手な野菜の一つブロッコリ
盛付けにあれこれ品替え冬野菜
我も又地吹雪の道引き返す
小さき嚔して飼犬の寝転べる
◼️️新年
〆のいっぱい店の女将の橙サワー
コケティシュは長鳴き鶏の類かな
大とんど焼き尽くされて小とんど
ポッペンの女寄り目をする時あり
日に一度碍子に当る旭街新し
独楽回し光の頬笑み増幅す
左義長の悲鳴に替り雄叫びを
とんど果て徐々に東京湾白む
投宿の記念に一句箸袋
紐に紐繋いで初荷をくくる紐
新宿の喫茶ピアソラ想定外
◼️相撲
◼️雑
北前船の船主の家やでんとあり
手紙の主片山津温泉にて置屋して
攣る脚の素破に芍薬甘草湯
サロンパス机上の何処かに常備薬
急ぐゴミ出しご飯はよそって食べといてと(山妻)
骸骨の形(なり)なぞらへて鬚を剃る
共に尻丸き飛鳥と氷川丸
大桟橋は一見翼おおとりの
風は風から剥がれて己が道目指す
飛行音あの方角は館山か
秀逸を莫迦と云はれて鼻白む
一節太郎歌ってなんぼ小守歌(浪曲小守歌)
滅びゆくものの筆頭味噌煎餅
岐阜は大垣生まれの味噌煎餅(創業安政六年)
味噌煎餅に向かって云ひたき「お久しぶり」
補助輪の外れる齢は知っとるかい
云っておくが補助輪無しは五歳前後
抱き止めて欲しくて補助輪無しの私
入っとたんメニュー押し寄せてくる店大かんげい(松重 孤独のグルメ)
メリーさんに何だかんだと世の中は
赤い靴履く子にメリケン波止場かな
つがると云へば演歌師千のおどうの唄(千昌夫)
害虫忌避剤ヒバNONNONをスプレイす
怖くなしひら仮名書のふらんけんしゅたいん
何事にも雨垂れ石を穿つ精神(漢書)
評論家ピカソ語って云十年
鳩描いてピカソの自由ふわつけり
不退転ピカソ抽象絵画にはゆかず
ダリダリと罵しるやうに云うて褒む
船笛が船笛呼び出す東京湾
上空は違ふ風吹くベトナム行
目薬を外してばかり私は莫迦
ピカソと横尾貫通するもの哲理
省略して色で呼ばるる笑点メンバー
キュービズムの冒険ピカソの女から女
モンローのフレアスカートのそそるもの
そこそこの俳句作りて云十年
古株の俳句作りでありんすよ
ひと回り大きな人に句も趣味も
下手に季語入れぬ句が好き勢い削ぐな
大絵馬の横腹叩いて喝入れぬ
自転車乗りにも跳び級ありて孫自慢
クルージングとは聞いただけでも強勢な
死に方を見て見ぬ振りの云十年
根太工事完了すべすべフローリング
根太踏んでほーらこんなに凹んでる
根太少し弱って来たか畳替
前をゆく人の前ゆくあれも人
食パンをこんもり割って引き出す柔軟
奔放の自由を残す詩型を探れ
唸るなら艶歌風雪流れ旅
この駅の発車メロディ何だっけ
草野球に振り逃げと云う変な打法
一枚二枚コレ青空の数え方
シンバルの一打楽団昇天す
ラーゲリは聞いただけでも尻窄まる
カレンダーこうやってああやってほら遠眼鏡
つまらない登校途中缶蹴りして
一風呂浴び来てやれやれコーヒー牛乳
横柄を絵に描いたやうドーベルマン
美味しいもの食べ向っ腹鎮めんか
青痣は帯状疱疹注射の跡
煮付け食うご飯の滋味を味はひつゝ
箸止まらず完璧で隙ない魚定食
広報車は病院の外選挙かな
エピソードに始まるシネマスター・ウオーズ
切る爪の向きが厄介老の爪
宇都宮LRT使って郊外へ
頻繁に会話の中の「うちの犬」
玄関に履き散らかしてスニーカー
以上
#
by 575fudemakase
| 2026-06-12 15:14
| ブログ
|
Trackback
無題 毎夜憚介 (高澤良一)
せんさあらいとやたらにはいち尿(いばり)の細道
戸締りや長男帰ったか次男は未だか
なめくじにめぐんで遣れりオルトラン剤(おるとらん)
オルトラン剤撒かれなめくじおたおたす
どう遣りぁよい螢袋の殖やし方(大船植物園に問い合わせてみた)
ほうじ茶に躰温もる栗まんじゅう
ののさんにほうじ茶上げる妻のこゑ(南無阿弥陀)
柏餅つつむ葉っぱの大きこと
柏餅少々小さめになった感じ
自家製氷で梅酒のオンザロックかな
梅酒のむ自家製氷の割り水で
年逝かすにぼうじそわかのはんにゃあしんぎょう
牛乳のんで思い出しをる青荷の湯(青荷温泉)
屋敷林邪魔して月の上がる道
年度末の配管工事スローモー
煮えくりかへるほうじ茶所望今朝の秋
雲流れ放題無月焦ったし
蟷螂生(しょうず)つっかえ棒のやうな前脚
雑草の螢袋の殖やし方
アナベルのポンポン咲きが庭縦断
アナベルの魁の花薄みどり
そこそこの俳句作りて云十年
古株の俳句作りでありんすよ
私には遠く聞こえる草葉の陰(昭和二桁生まれ)
お値段が一桁違う枇杷の旬
もう思い出さなくてよい終戦
片付けの精神 夫婦して残り物
秋風を呼びつけ売り込む算段
重宝で使い勝手のよい秋風
大空に月は昇るの渡るのか
木犀の匂いのお通りこれみよがし
「容(かたち)」「心(こころ)」どこか外してみっともない
月見よと山妻のこゑ嘸や嘸
当面の私の関心「物故者欄」
訪問者もうなき外灯消しに起つ
八手咲き私の師走始まれり
説明を要せぬもの コレ俳句
LASUTO
無意識ではあるが一茶を追いかけて
以上
(陳謝妄句)
#
by 575fudemakase
| 2026-06-06 07:32
| ブログ
|
Trackback
最近の嘱目句あれこれ51 2026年 (高澤良一)
◼️春
ずん抜けて洋種山牛蒡と云う奴は
春暁や熱きほうじ茶啜り飲み
青空へ飛び出す豆の双葉かな
山茱萸の夢見ごこちのその色合い
コスモスの幼き双葉三日月形
道産のアスパラ貰ふバタ函付き
登校の一人石蹴り路地から路地
アスパラは立てゝ保存と注意書
グリーンアスパラぽりぽり齧る鼠のやう
観音の横顔掠めつばくらめ
さゑずりを目つむり聞ける南風の中
養花天星らしき星数へるほど
空模様怪しくなる日柿挿木
木五倍子垂る道を登りてキャンパー達
春じよをん関東平野に雲飛ばす
霾る日堂々巡りの小会議
うすらひを踏む思ひして老年へ
黒板に死亡者の数五連休
茅花茅花走り初めたる夕茅花
桜蘂降らす桜のひと区切り
桜蘂降らす桜のひと段落
桜蘂降らす桜となり九段
花下見俳句手帖に雨ポツと
春暁や熱きほうじ茶啜り飲み
青空へ飛び出す豆の双葉かな
山茱萸の夢見心地のその色合い
コスモスの幼き双葉三日月形
登校の一人石蹴り路地から路地
アスパラは立てゝ保存と注意書
グリーンアスパラぽりぽり齧る鼠のやう
観音の横顔掠めつばくらめ
さゑずりを目つむり聞ける南風の中
養花天星らしき星数へるほど
空模様怪しくなる日柿挿木
木五倍子垂る道を登りてキャンパー達
春じよをん関東平野に雲飛ばす
霾る日堂々巡りの小会議
うすらひを踏む思ひして老年へ
黒板に死亡者の数五連休
茅花茅花走り初めたる夕茅花
◼️夏
ずん抜けて洋種山牛蒡と云う奴は
葉桜の鮮度が見ゆる通勤路
サフィニアを摘心(ピンチ)姿勢を正さんと
サフィニアをウッドデッキに幾鉢も
サフィニアを摘心(ピンチ)ここだく殖やさんと
濡れ縁は私の公園夏はじめ
サフィニアをウッドデッキに殖やさんと
横浜市歌学校で教へて今でも歌えて
烏の子餅開港記念日記念菓子
葉桜を継ぎ足し継ぎ足し街並木
庭先にどこか健気な花かたばみ
かたばみは体力温存葉を垂れて
かたばみにまつはるエッセー読み初めに
干からびし紐に繋がれ柏餅
椎若葉ピシリと返答返しけり
味噌餡の柏餅ならご遠慮申す
粒餡の柏餅腹もちよささうな
同様に腹持ちのよき鶯、柏もち
初夏の風三日月形の双葉かな(作業歌春山節)
枇杷パチンと弾けさうなる大玉に
自家製の大玉の枇杷食卓に
お尻から剥けば綺麗にむける枇杷
さくらんぼその色の乗り悪くなし
ことしの枇杷かなり間引いて袋掛
きらきら降る雨に寄り添ふくちなしの花
巵子咲く一方的に降る雨に
大使館だらけのスロープ椎若葉
雨強くくちなしの花天気雨
雨強くくちなしの花きつね雨
銭湯の煙突梅雨空つん抜けて
走り根に後楽園の蛇の衣
小石川大名庭園今若葉
透き通る卯波に脚を掬はる蟹
夏休み疑問質問受ける放送(大リーグ)
額の花見下ろしに厠窓
しろがねの葉を持つ庭木五月来ぬ
鼻筋へも重ね塗りする日焼け止め
掌にローションなじますやうに日焼け止め
左見て右見て炎暑の車入れ
夏燕胸張って飛ぶ線路沿ひ
冷蔵庫の死活問題半ドア対策
冷蔵庫の死活問題扉の管理
冷蔵庫の閉ざし忘れは致命傷
冷蔵庫は七割収納もちのロン
遠浅を二、三越えゆき泳ぎけり
オノマトペ使って峯雲囃したし
ドカドンと峯雲立つなり上総沖
一寸トマト失敬海の見ゆ畑
なまくらの包丁のテストトマト切り(包丁 関孫六)
本尊へ畳じとじと梅雨の寺
あっけなく終わってしまった金魚の糶
くづ金魚函に収めて待つ夜宮
ぎゃあぎゃあと海猫を引き連れ船遊び
矢も盾もたまらずむしゃぶりつく肉旱
昼下り昼顔咲いて館山海岸
老たりや素手で片せる食べこぼし
福龍丸怨念の海忘れまじ
(第五福龍丸、ビキニ環礁で水爆実験に合う。久保山さん死亡)
「猫の昼顔」塗り絵のやうな守一画
猫の昼寝のポーズが独特守一画
モリカズ様式の徹底猫昼寝の絵
蟻の観察地面に頬杖つきながら
蟻の観察守一さんと根比べ
艶々の木製の卓ビヤホール
卓、椅子の鉛色涼しビヤガーデン
整然と木製の卓ビアガーデン
ジョッキ傾け乾杯の第一声
牛蒡洗ひじゃがいも茹でてサマーキャンプ
横須賀も近場の山林サマーキャンプ
夏キャンプ虫除け、長袖、長ズボン
虫除け等こまめに準備サマーキャンプ
誰も皆一役果たすキャンプかな
足許のこころもとなき姫じよをん
ハンカチや推敲進めて汗のごひ
臼杵石佛夜はひそひそ話して
新味無き水中花ことしもや
螺子巻いて玩具の天牛歩ませぬ
空蝉を常設狹庭の博物館
一筆書きで描かれ蛸は頭足類
モーリタニアに蛸の捕り方教えた男(海外漁業協力財団 中村正明氏)
梅サワーならなんとか下戸への直球
ジョッキ置き先づ空腹に対して集中
デカジョッキぶん回しては移転の話
先づビールで乾杯梅雨入り始めの喜遊館
杖預け湯屋喜遊館梅雨入り日
モロッコ料理胸に草原ミントティー
心飛んで平和条約締結日(サンフランシスコ平和条約発行記念日)
立ちはだかる先師の佳句風五月(林火の「子の髪の風に流るる五月来ぬ」)
夜遊びの夏の花火の今たけなは
夏が逝く鮪の大間の夏がゆく
水性ペンで直ぐ消ゆ伝言夜の秋
夏空の下で一戦ベイスターズ
ベイスターズ優勝おだ上げに中華街
しゃっちょこだち股の間より峯雲見て
雷鳴は忘れし頃にところてん
夕焼けの焼け尽くす空見事なり
中途半端な夕焼け仕方なく見てをり
ウナギに似た地アナゴ食わす柴漁港
鯉幟地べたに降ろす刻来り
島夕焼け蠅取りリボンも黄昏れて
尋ね人の時間黙して聞く白昼
石畳をダダ打ち東京ゲリラ雨
客引にサイダー寝かし置く店先
隣家の灯強く小さく網戸越
蠅取りリボンはくるくる廻る回り舞台
噴水の掛け合ひ議論沸騰す
ラムネ飲み終えて空瓶返しにゆく
NOカバーに徹す真夏の文庫本
生きて食ふには冷蔵庫漁る日々
東京の何処をモデルの箱庭ぞ
白靴の戛戛突堤渡りきる
マンゴーの話に熱中プリン好き
一押しのマンゴープリンを奨められ
一色の熱砂あちちと裸足ゆく(葉山一色海岸)
上潮の速さ水母を上流へ
庭の木の葉先の光沢五月来ぬ
舟虫やあれから何年来ぬ渚
励めども己が見えぬ羽抜鳥
念力は何処まで続く梅雨鯰
推し量る祭の金魚の命かな
蛇の衣脱ぎ捨て白む水平線
初蝉は四の五の云うてうるさかり
熊蝉より想像するもの熊坂長範
会場は混乱極め蝉時雨
古雨戸後生大事に蠅虎
のうぜん花海は淋しくなるばかり
紫陽花は半月咲いて後へたる
長雨に膨張の花濃あぢさゐ
空蝉に溜まる雨水ほんの少し
てのひらにひゃっこき缶の烏龍茶
老ゆと云う言葉は禁句さくらんぼ
十薬は貧家の行燈夕闇に
普段着の洗濯けふも子供の日
新録の中いそいそとピアノの運搬
麦一粒聖書の訓話忘れまじ
カボチャの花大きく咲かせ灯台官舎
道北に来てじゃがいもの花盛り
篠の生ゆこの辺一帯県花の百合
自覚しているか魚の中の浮き袋
口中に広がる藁の香初鰹
大昭和の子供の遊び亀すくひ
軽鳧の子の引っ越し農道トコトコと
赤い口開けて餌を待つ烏の子
尺蠖の尺とる足腰見せつけるか
尺蠖の一足歩行美事なり
妻寝ても覚めても数独夏百百
南瓜蔓一直線を競ひ合い
突端の岩棚を這ふ老舟虫
くちなはの渡りゆく沼横たはる
虹のやうなアーチ大谷のホームラン
工務店で障子紙買ふやけに蒸す日
のけ反つて蛸蛸壺を出るところ
粘土冷っこき歯科の型取り聖五月
甘酒のどんよりしたのを胃袋へ
るんるんの目玉見張りて鯉幟
捩花の捩れ見事と云ふ他なし
道に迷ふ頓珍漢な蟻を見て
一寸激辛な辛子に目つむるところてん
ハライソへ召されるやうにハンモック
冷やし中華と云へばしゃっきり紅生姜
蛸に合ふ胡瓜の酢の物晩酌中
薑が喉に痺れて冷やし中華
祭笛の手際どんぐりの背比べ(稽古)
洗ひ干すズックのしづくいつまでも
噴水はしゃっちょこ立ちして直ぐ崩れ
噴水はドレミをなぞるやうにして
ティーバッグの上げ下げ味の濃淡決む
ソフトクリーム溶け出しあはてゝ口寄せぬ
物の見方くちなは進むか水進むか
草笛のはじめの音色好ましく
こう暑くては飛び込みのサーティワン
向日葵の一本道を引き返す
今度の虹は前よりずっと綺麗だね
大騒ぎしているうちに黄に変はる(虹)
河川敷抜けゆく川音涼しげに
蝉殻集め朝っぱらから弟と
梅雨の喫茶煙草どうにかならないか
噴水の高さ違へてアットランダム
気になってゐるお隣の袋掛
着実に一つ年取る七月
ういういしき胡瓜の花に手をさしのべ
一発でエンジンかかる最上川
一挙同点ドジャーズ追い抜かれて困る
黄信号点滅ドジャーズ勝ち逸す
泰山木ぎんぎんぎらぎら昇る日に
げんなりとしたるポーズでビール干す
ほうたるの息継ぎ思ったより長し
近頃は電気蚊取で蚊を退治
顎の花疲れた色や滝口寺
蚊から執念き引いた結果は零と云う
ピーマンの緑男のごつき顔
淋しがり屋ののうぜんたらたら花零す
泣きっ面に蜂の豪雨に立ち往生
昔ジャカルタで倒れて暑さには精通
音だけは一人前の昼花火
蝉の穴抜き差ししても蝉の穴
止まり方がへたな蝉ゐて神社の木
人は皆萎れて帰る終戦日
小判草光らなければ偽小判
あけすけに咲いて昼顔館山民宿
けふも蒸す昼を挟んで鋸の音
市民プールめいめい泳ぐ余地があり(根岸)
西瓜冷やすに井戸を使わずもったいなし
海上の夕立ずどんと鉛色(赤道祭)
はんざきの顔を平たく真清水に
金魚の命名聞いてないのに話したがる
水枕どこか安心して就寝
水馬瀬に乗り上げてエヘヘのへ
噴水の曲芸甲乙つけ難く
毛虫焼く新聞紙を脇抱え
投げ釣の孤をかく要領まだ不得
すててこで海見てをれば脛吹かれ
銭湯には背高く大き扇風機
噴水に乾く間もなく都心の空
花火大会の終盤おまけに顔花火
噴水のまわり掠めて訪問客
チャリ借りて避暑地の湖半周す
浮かび出てぶるっと河鵜の水飛沫
蔓バラを剪れば刺されてほうほうの体
アメリカハナノキ若葉の五角
新緑のアメリカハナノキのっぽが自慢
薄埃葉っぱに浮かべゼラニューム
その匂ひ指を離れぬゼラニューム
降る雨に茫然自失しゼラニューム
ガーベラに談論風発して散会
くどくどした花の色ゼラニューム
初夏のおいしい牛乳ごくりごくり
ストーブを片し扇風機を配置
さっきから遠くでゴロゴロ日雷
本降りの東京ゲリラ雨の中
蝉穴に指突っ込んで悪たれが
透明なセロハン剥がし食すメロン
ずん抜けて洋種山牛蒡と云う奴は
葉桜の鮮度が見ゆる通勤路
サフィニアを摘心(ピンチ)姿勢を正さんと
サフィニアを摘心(ピンチ)殖やさんと
サフィニアをウッドデッキに幾鉢も
濡れ縁は私の公園夏はじめ
葉桜うぃ継ぎ足し継ぎ足し街並木
庭先にどこか健気な花かたばみ
かたばみは体力温存葉を垂れて
かたばみにまつはるエッセー読み初めに
干からびし紐に繋がれ柏餅
椎若葉ピシリと返答返しけり
味噌餡の柏餅ならご遠慮申す
粒餡の柏餅腹もちよささうな
同様に腹持ちのよき鶯、柏もち
初夏の風三日月形の双葉かな(作業歌 春山節)
枇杷パチンと弾けさうなる大玉に
自家製の大玉の枇杷食卓に
お尻から剥けば綺麗に剥ける枇杷
さくらんぼその色の乗り悪くなし
ことしの枇杷かなり間引いて袋掛
きらきら降る雨に寄り添ふくちなしの花
梔子咲く一方的に降る雨に
梔子の花の恬淡(てんたん)侘住い
大使館だらけのスロープ椎若葉
雨弾くくちなしの花きつね雨
銭湯の煙突梅雨空つん抜けて
走り根に後楽園の蛇の衣
小石川大名庭園今若葉
透き通る卯波に脚を掬はる蟹
夏休み疑問質問受ける放送(大リーグ)
顎の花見下ろしに厠窓
しろがねの葉を持つ庭木五月来ぬ
鼻筋へも重ね塗りする日焼け止め
掌にローションなじますやうに日焼け止め
左見て右見て炎暑の車入れ
夏燕胸張って飛ぶ線路沿ひ
冷蔵庫の死活問題半ドア対策
冷蔵庫ゆめゆめ忘るな扉の管理
冷蔵庫の閉ざし忘れは致命傷
冷蔵庫は七割収納もちのろん
遠浅を二、三越えゆき泳ぎけり
オノマトペ使って峯雲囃したし
ドカドンと峯雲立つなり上総沖(館山)
一寸トマト失敬海の見ゆ畑
なまくらの包丁のテストトマト切り(包丁研ぎ器 関孫六)
本尊へ畳じとじと梅雨の寺
あっけなく終わってしまった金魚の糶
くづ金魚函に収めて待つ夜宮
ぎゃあぎゃあと海猫引き連れ船遊び
矢も盾もたまらずむしゃぶりつく肉旱
昼下り昼顔咲いて館山海岸
老たりや素手で片せる食べこぼし
福龍丸怨念の海忘れまじ(第五福龍丸、ビキニ環礁で水爆実験に会ふ 久保山さん死亡)
「猫の昼寐」塗り絵のやうな守一画
猫の昼寐のポーズが独特守一画
モリカズ様式の徹底猫昼寝の絵
蟻の観察地面に頬杖つきながら
蟻の観察守一さんと根くらべ
艶々の木製の卓ビヤホール
卓、椅子の飴色涼しビアガーデン
整然と木製の卓ビアガーデン
ジョッキ傾け乾杯の第一声
牛蒡洗ひじゃがいも茹でてサマーキャンプ
横須賀も近場の山林サマーキャンプ
夏キャンプ虫除け、長袖、長ズボン
虫除け等こまめに準備サマーキャンプ
誰も皆一役果すキャンプかな
足許のこころもとなき姫じよをん
ハンカチや推敲進めて汗のごひ
臼杵石佛夜はひそひそ話して
新味無き水中花ことしもや
螺子巻いて玩具の天牛歩ませぬ
空蝉を常設狹庭の博物館
一筆書きで描かれ蛸は頭足類
モーリタニアに蛸の捕り方教えた男(海外漁業協力財団 中村正明氏)
梅サワーならなんとか下戸への直球
ジョッキ置き先づ空腹に対して集中
デカジョッキぶん廻しては移転の話
先づビールで乾杯梅雨入りの亀遊館
杖あずけ梅雨入り始めの亀遊館
モロッコ料理胸に草原ミントティー
心飛んで平和条約締結日(サンフランシスコ平和条約)
立ちはだかる先師の佳句風五月
夜遊びの今たけなはの夏花火
夏が逝く鮪の大間の夏が逝く
水性ペンで直ぐ消ゆ伝言夜の秋
夏空の下で一戦ベイスターズ
ベイスターズ優勝おだ上げに中華街
しゃっちょこ立ち股の間より峯雲見て
雷鳴は忘れた頃にところてん
中途半端な夕焼け仕方なく見てをり
ウナギに似た地穴子食はす柴漁港
鯉幟地べたに下ろす刻来たり
島の夕焼け蠅取りリボンも黄昏れて
尋ね人の時間黙して聞く白昼
石畳をダダ打ち東京ゲリラ雨
飯の豆一つ二つと摘み食ぶ
客引きにサイダー寝かし置く店先
隣家の灯強く小さく網戸越し
蠅捕りリボンはくるくる廻る廻り舞台
噴水の掛け合い議論沸騰す
ラムネ飲み了へて空瓶返しにゆく
NOカバーに徹す真夏の文庫本
生きて食ふには冷蔵庫漁る日々
東京の何処をモデルの箱庭ぞ
白靴の戛戛突堤渡りきる
マンゴーの話に熱中プリン好き
一押しのマンゴープリン奨められ
一色の熱砂あちちと裸足ゆく(葉山 一色海岸)
庭の木の葉先の光沢五月来ぬ
上げ潮の速さ水母を上流へ
舟虫やあれから何年来ぬ渚
励めども己れが見えぬ羽抜鶏
念力は何処まで続く梅雨鯰
推し量る祭の金魚の命かな
蛇の衣脱ぎ捨て白む水平線
初蝉は四の五の云うてうるさかり
会場は混乱極め蝉時雨
熊蝉より想像するもの熊坂長範
古雨戸後生大事に蠅虎
のうぜん花海は淋しくなるばかり
紫陽花は半月咲いて後ヘタる
長雨に膨張の花濃あぢさゐ
空蝉に溜まる雨水ほんの少し
てのひらにひゃっこき缶の烏龍茶
老ゆと云ふ言葉は禁句さくらんぼ
十薬は貧家の行燈夕闇に
普段着の洗濯けふも子供の日
新緑の中いそいそとピアノの運搬
麦一粒聖書の訓話忘れまじ
南瓜の花大きく咲かせ燈台官舎
道北に来てじゃがいもの花盛り
篠の生ゆこの辺一帯県花の百合
自覚しているか魚の中の浮き袋
口中に広がる藁の香初鰹
大昭和の子供の遊び亀掬ひ
軽鳧の子の引っ越し農道トコトコと
赤い口開けて餌待つ鴉の子
◼️秋
ぼんやりと東京湾に上る月
ジンジャーリリー甘く咲けるや楽寿園
鳳凰蝶然とし咲ける花ジンジャー
おほはるしゃぎく大孤描いて吹かるゝ図
日比谷公園サフラン の花放ったら咲き
手造りの豆腐掌に乗せ注文とる
新豆腐と三角揚を三つばかり
秋の蚊の耳許に来て刺すと云ふ
強烈な夕日に爛れ葉鶏頭
歌にある此処は八丈島椿の実
藤の実の名乗り受けたり肥後守
沢庵の染料買って山梔子
溺愛す梔子の実のその色味
庭園に役石もみぢの後楽園
文化の日腰据えて読む徒然草
手入れされご機嫌後楽園の松
卓袱台の脚亀虫の脚に似て
海岸に打ち上げられし盆の物
つくねんと野草長物昼の月
穭田に薄き日矢射す夕間暮れ
稚魚と云へば南無秋の彼岸の入日の稚魚思へ(鶴同人)
夜なべ仕事も終わり胃袋エンピィティランプ点滅
鉄棒の冷気が思ひ起こせしもの
水道管何処か洩れゐる竹の春
ずんだ餅雨もずんだと降る仙台
鮭缶を開ける楽しみ缶の蓋
カナカナを聞き流しをり推敲中
洋種山牛蒡は不埒な花ぞ引っこ抜け
栞跡くっきり新刊本匂ふ
脊柱管狭窄つらしつくつくし
いい加減歩いて秋の五色沼
お月見を誘いに客が来る玄関
雲一つ無き海原に丸木舟
こぼれ萩何と云っても宝戒寺
矢印をたどりてゆけば秋厠
寝釈迦のうへ流れ流れていわし雲(タイ アユタヤ)
朝霧は涙はらはら零すやう
朝霧は涙はらはら落とすやう
ずんずんと進む蜻蛉に追ひつけず
触らせて貰ふ虫の腹ふっくら
おっとりと球投げする子幼稚園
運動会来賓席に通されて
案山子を過ぎずず玉を過ぎ小川の音
きちきちのきちきち云うて大跳びす
これが道とは思へぬが葛の道
ひとしきり蜩鳴けば明日が来る
フェリーは蜻蛉乗せてぎんぎら佐渡航路
底紅を覗くは蟻か母の霊
私有地のカンナ林立黄を主張
名月や袋小路を引き返す
月あかりの海上叢雲通過中
左沢線(あてらざわせん)の或る駅降りて芋煮会
きのこ飯うんとあるから召し上がれ
コッペパン縦て切りにしてピーナツ詰め
颱風に稲薙ぎ倒されて日の当り
野辺ゆけばことさら深し秋の空
発表すボジョレヌーボーの出荷数
草の実の飛ぶや帰りもこの道を
郁子の実の口を噤んで濡れそぼり
省みることすら忘れ草の絮
ぶだう捥げ一粒の艶失へり
ぶだう一房黒々としてそのボリューム感
ぶだうには一房と云うくくり方
一粒の萎びしぶだう房端に
ぶだう洗ふに蛇口全開男の子
充実の重さぶだうを手にしたり
一粒の捥げしぶだうを掻き集め
手に重るぶだう一房洗はんと
水道水弾くぶだうの小気味良さ
風の盆男踊りに釘付けに
東海道縦断コスモス日和かな
滑り易き八幡様の濡れ紅葉
玄関に客来たやうや秋黴雨
くたくたの吾によたよたの大犬蓼
地続きの朝の虫の音お隣りより
独楽にもいろいろ私の独楽はベイゴマ
体育祭万国国旗はためかせ
湯ざめして草津黄葉の濡れ階段
◼️冬
声小さと妻に云はれて鬼は外
大根擦り夕餉の支度手伝う私
寄せ鍋のどれが煮えたか鍋奉行
金沢にてきんきの煮付けやさしい色味
昭和レトロ言葉飛び交う忘年会
桃子さんの蕪の絵省略利いてゐて(辻桃子)
ビル街をかすめ飛ぶもの寒鴉
バス待てば寒風鼻梁を越えて来る
厚着して埴輪のやうな出で立ちで
空っ風赤信号など何のその
ゴミの日のゴミを真下に寒鴉の群れ
鮫の目の深淵 館の昼の闇
ゆめに出て零下の第五福龍丸
南部坂雪の別れを春日井梅鶯
バーガーに鴨肉挟みがぶりとやる
名に恥じず鴨葱サンド素敵なり
生玉子で鳥のすき焼きぶっかけ飯
木枯らしつつつとコンビナートの裏街道
大昭和の長男生まれにして豆撒き
一息に食ぶ鯛焼の尾を余さずに
焼藷の匂ひにつられて衝動買
竹馬の乗りこなす迄未だゆかず
初夢に例のポーズの五郎丸
ダントツのラガーよ云へば五郎丸
餅少しふくらむ六畳の網の上
タッパーの弁当の人参赤きこと
ずっと雪ずっと読む本家静か
先づもって悴む掌をば火に当てぬ
どんよりと鮫の目赤道過ぎる船
除夜の船笛ぼーと一声東京湾
極月の脳裡に刻む第九かな
長生きの相歴然と枯れ蟷螂
緞帳が上り無人の炉端の景
熱々の滑子汁吸ひ胃が焼けさう
雑炊や人参大好き人間で
結氷をバリと割りゆくサラリーマン
どことなく視野が狭まり風邪心地
寒さうなメロディ流しシネマ「道」(ジェルソミーナ役はジュリエッタマシーナ)
酢牡蠣と云へば鳥肌たって食わぬ人
白鳥等翼揃へて舞ひ降りぬ
男ぶり上がったやうやと師走の散髪
熊出たと通報その場を再現し
花八手駆逐水雷いつ果てる
若いうちに旅はしておけ寒つばき
市営なる路線バス待つピラカンサ
獅子頭のやうな形して実南天
ブルーシート屋根に掛けたり熊に掛けたり
手袋の左右よく間違えて
氷上を歩くに「あっと」も「おっとも」も無し
朴落葉見ての通りのご乱行
蒸かし藷ふかし過ぎゐて結晶状
仙石原今空風の運動場
おっと滑る手許が滑る牡蠣剥きや
◼️️新年
遠くから音のして来る初大師
裏白の小綺麗駅へと向う道
気忙しく打ち水しをり初商
セロテープちぎって貼り付け初荷便
大いなる目玉見張りて福だるま
新年は斜め向うからお正月
隣りには隣りの賀客お元日
◼️相撲
低く低くさすがに宇良も差し負けぬ(義ノ富士戦)
当り負け土俵を落ちて砂かぶり
勝ち相撲エイと吊り上げ放り投げ
役力士やすんでばかり今場所は
役相撲のかなう矢添えて表彰さる
表彰式きみがはように引ずられ
総理大臣杯にその名を刻し表彰す
優勝は子供に約束した通り(若隆景あつし)
めきめきと太るも童顔熱海富士
◼️雑
皿洗ひつダイナ・ショアのバズテンボー
野球にも山勘打法決まりけり
どうした訳か鉄分不足で足攣るよ
ゴジラマイナスワン不要不急と云う言葉
口当り抜群クリームパンのクリーム
懐かしき昭和の給食ジャムパンジャミパン
花好きでも家庭菜園等はやらぬ
息上り卓球のラリー続かずよ
ひょったことで崩るゝ調子の波
大リーグ選手にもある調子の波
将棋とは道楽者の夢芝居
投手には球数少なく投げる技
面白をかしく鉄斎の耳掻き図(富岡鉄斎)
投手戦投手崩れてブルワーズ(ドジャーズ戦)
紫紅の絵のん気か否か君知るや
目の上のたん瘤の句をそっちへ遣り
包丁の研ぎ方結果は目から鱗
魚好きは骨取上手祖父譲り
放蕩と云う語生きをる大昭和
白濁の研ぎ水流すすと流る
モロッコ料理〆の一品野菜のクスクス
ラム肉にうひゃーの一声ハンバーグ
描く時守一赤の輪郭線
専攻はチューリングマシーンで応用は自販機
目の上のたん瘤の句を引き合いに
今鳴るは同窓薬師寺さんの鐘
虎造の森の石松銭湯出て
浪曲は至高の話術立ち枯れさせるな
歯切れよく啖呵飛ばせる二代目虎造
背凭れの柱背にして虎造節
パン生地にクロワッサンのしっとり感
胃袋よほら肉だ女性特有の別腹パン
腹減っては立板に水の注文
ハムカツポン酢でこのソース味ドバドバいけ
島の道上下し落書きピカソ風(ギリシャ アテネ)
日蓮の波題目碑天つん抜け
藤七湯へ日本手拭肩に掛け
夜泣子の引きつけにも似て給湯器
バスはもう走らぬ図書館母子出入り
文明人は堕落の一途ゴミ捨ても
われも又海の子育ちは横濱で
腎臓は一つ造影剤にはご用心(水腎症)
永遠に終わらぬものに大昭和
近所の子砂場に砂城こしらえて
鳥は何故赤き食べること好む
木道を模して近頃コンクリの路
金網を上手に抜けて球拾ひ
金網の何処か破れて運動場
珈琲はブラックなんて胃を毀すぞ
日の丸がはたとひらめき止める時
ていねいに教へてもらふ弁慶庵
本降りとなりワイパーの糞忙し
将棋とは道楽者の夢芝居
以上
#
by 575fudemakase
| 2026-06-05 22:48
| ブログ
|
Trackback
俳句の水脈を探る 平成令和に逝った俳人たち 角谷昌子 を読んで (高澤良一)
ふらんす堂 2026年2月23日
◼️阿波野青畝
水ゆれて鳳凰堂へ蛇の首
虫の灯に読みたかぶりぬ耳しひ児
さみだれのあまだればかり浮御堂
なつかしの濁世の雨や涅槃像
狐火やまこと顔にも一とくさり
葛城の山懐に寝釈迦かな
けふの月長いすすきを活けにけり
住吉にすみなす空は花火かな
水澄みて金閣の金さしにけり
籾かゆし大和をとめは帯を解く
大山の火燵をぬけて下りけり
激流を鮎の竿にて撫でてをり
月の山大国主命かな
鮟鱇のよだれの中の小海老かな
紅葉の賀わたしら火鉢あっても無くても
老人の跣の指のまばらかな
ひとの陰(ほと)玉とぞしづむ初湯かな
一軒家より色が出て春着の児
寒波急日本は細くなりしまま
かがやける臀をぬぐへり海女の夏
十字切る十一月となりにけり
眠る山紺紙揉みたるごとくなる
神農の虎三越をまだうろうろ
うごく大阪うごく大阪文化の日
アチャコ死ぬ浪花はさみし水中花
鮟鱇のよだれの先がとまりけり
息白しポイ捨て御免合点だ
◼️右城暮石
練供養稚児の菩薩も加わりて
練りに練る二十五菩薩生き菩薩
青空の深くて曲る雲の峰
火事赤し義妹と二人のみの夜に
ものすべて凍る地上へ羽毛落つ
牛肉の赤きをも蟻好むなり
消防車行きてすぐ消ゆ奈良の火事
砂浜の汚点より蠅わつと翔つ
炎天を来て大阪に紛れ込む
炭窯の上日航の航空路
生きるより死に近き声きりぎりす
水中に遁げて蛙が蛇忘る
首伸ばし己たしかむ羽抜鶏
猟鳥の死に切りし眼の葡萄色
酒やめよ煙草やめよと青葉木莵
大那智の滝水那智を養へり
亀石の眠りを覚ます耕耘機
むくつけき筍吉野山に売る
猪吊す庭木に棒を架け渡し
妻の遺品ならざるはなし春星も
梨の汁煙草に荒れし咽喉通る
声の糸繰り出し流す草雲雀
草刈機停めて住職会釈せり
場所移り移り雪代山女釣る
露けくて夜は家の闇山の闇
新緑の土佐へ転居の荷を送る
八十年ぶりふるさとの螢の火
すてるとも干すともきめず柿の皮
つかみたる葉末そのまま蜻蛉死す
一芸と言ふべし鴨の骨叩く
散歩圏伸ばして河鹿鳴くところ
◼️瀧 春一
汗の身のわれをわすれて飯食へる
閼伽そそぐしづかなる刻を枯木中
省線に乗るあらそひを雪の日も
をさな子と母と語れる冬至風呂
酒やめて五年(いつとせ)酢牡蠣つめたけれ
風鈴鳴らして協約も何もない会社
夫婦別居の夜々毛のシャツのまま寝る
芥溜(ごみため)の甘き腐臭が彼女の巣
白木蓮ひらりと月の瞬ける
病む桂郎袖無し見れば河童の図
五十路爽か弁当飯は自分で詰める
雛の日のあられ分けあふ日雇婦
石炭色の浅蜊洗っても洗っても
野を前に土地周旋屋月祭る
湯豆腐や木と紙の家に住みてこそ
愛鳥週間コノニワトリハツツキマス
楤の芽やこまごまと葉をたたみゐる
退職の日なりき朝のにいにい蝉
晩春や見えしところに富士見えず
八月や時の流れもやや疲れ
鈴虫や人に飼はれし声ならず
梟の声の真上が月の道
老鶯やホーホケキョーにケキョ足せり
◼️山口誓子
かりかりと蟷螂蜂の貌を食む
夏草に汽罐車の車輪来て止まる
夏の河赤き鉄鎖のはし浸る
唐太の天ぞ垂れたり鰊群来
匙なめて童たのしも夏氷
七月の青嶺まぢかく溶鉱炉
スケートの紐むすぶ間も逸りつゝ
ラグビーのジャケツちぎれて闘へる
ピストルがプールの硬き面にひびき
枯園に向ひて硬きカラア嵌む
ひとり膝を抱けば秋風また秋風
蟋蟀が深き地中を覗き込む
つきぬけて天上の紺曼珠沙華
秋の暮山脈いづこへか帰る
鳥羽行に今宵いづこの駅も月
海ぬ出て木枯帰るところなし
寒月に水浅くして川流る
土堤を外れ枯野の犬となりゆけり
炎天の遠き帆やわがこころの帆
鶫死して翅拡ぐるに任せたり
われありと思ふ鵙啼き過ぐるたび
熱なくて遠くのちちろまで聞ゆ
海に鴨発砲直前かも知れず
大和また新たなる国田を鋤けば
鵜篝の早瀬を過ぐる大炎上
冬河に新聞全紙浸り浮く
日本がここに集まる初詣
峰雲の贅肉ロダンなら削る
どこまでも水田日本は水の国
一輪の花となりたる揚花火
◼️百合山羽公
この鹿や人なれがほに袋角
おしろいの剥げたる稚児も花まつり
後厄の妻もつれそひ厄詣
金色の鳶をあげたる若葉かな
からすうり瓜人先生住ひけり
海道を好みて走るびかり
蝌蚪の水とろけて寄るべなかりけり
死蝉に顔よせてまだ香あり
老骨の牛が背を立て麦の秋
白鳥のごときダンサー火事を見て
蠅取紙飴色古き知恵に似て
晩年や田螺つぶやき蜷呆け
土を出てすぐ毒虫の名を負へる
遠州灘よせて西瓜の青縞目
桃冷す水しろがねにうごきけり
啓蟄のすぐ押強き蟻となる
金剛界胎蔵界と銀杏散る
薬莢の落ちて落葉もただならず
蝉吟のそろひて老師なかりけり
鬼遣るや摺切れ枡は不壊の枡
八十八夜毛蟲もすでに盛装す
藪椿つぼのこころに従はず
原子炉にサーフィンの海無関心
三方原古戦場産かまいたち
群の軸どこへも曲げて稲雀
赤革が殻になるまで烏瓜
◼️加藤秋邨
蟇誰かものいへ声かぎり
長き長き春暁の貨車なつかしき
さえざえと雪後の天の怒濤かな
隠岐やいま木の芽をかこむ怒濤かな
幾人をこの火鉢より送りけむ
冴えかへるもののひとつに夜の鼻
灯の奥に牡丹崩るるさまを見つ
雉子の眸のかうかうとして売られけり
飴なめて流離悴むこともなし
死ねば野分生きてゐしかば争へり
落葉松はいつめざめても雪降りをり
原爆図中口あくわれも口あく寒
恋猫の皿舐めてすぐ鳴きにゆく
寒卵どの曲線もかへりくる
日本語をはなれし蝶のハヒフヘホ
くすぐったいぞ円空仏に子猫の手
おぼろ夜のかたまりとしてものおもふ
ひきがへる蚯蚓呑んだるめだまかな
朝顔やひとはひとつの顔に老い
たつた一つの朝顔にメンデリズム存す
ふくらふに真紅の手毬つかれをり
天の川わたるお多福豆一列
百代の過客しんがりに猫の子も
◼️殿村とい子
あねもねのこの灯を消さばくづほれむ
雛かざる遠峰の雪崩ひびく日を
さび鮎をひとり食ふ影大いなり
音もなく雲圧し昏るゝ原爆忌
眉落としなば蛾にも似て安からむ
羅のうしろ鏡も既に寡婦
氷魚呑んで白磁となれり湖の鳥
枯れてより現し世永しうめもどき
向日葵やさまざまの死を正視して
終の時歯切れよしわが法師蝉
冬空の禅師丸柿形見とし
人あまた逝かせ微風の年の暮
忍び泣く子に今雛は絵空ごと
にいにいともの言ふ蝉や原爆忌
炎天へ一歩の蟇の指ひらく
凡なれば長寿の餅を飽食す
鮎落ちて美しき世は終りけり
神去りて春寒き空鏡なす
咽喉元の涙や汗や師は呼べず
涼しいねと通夜の遺影のおん眼もと
青葉光木となる来世ありぬべし
枯るるなら一糸纏はぬ曼珠沙華
法師蝉鳴いて尿して夜となれり
洗鯉むかし波郷の嗄れ声
◼️高屋窓秋
頭の中で白い夏野となつてゐる
舟虫のちれば渚の夜も更けぬ
虻とんで海のひかりにまぎれざる
山鳩よみればまはりに雪がふる
日空しくながれ流れて河死ねり
花を縫ひ柩はとほく遠くゆく
ひかりさへ氷晶となり草絶えたり
石の家ぼろんごつんと冬がきて
野より野へ広野の鳥はいつか秋
きらきらと蝶が壊れて痕もなし
地球ごと風がまはるよ蝶飛来
涯知れぬ露の億兆個なりけり
雪月花無心の巌そこに立つ
黄泉路にて誕生石を拾ひけり
◼️小松崎爽青
天に冲す火柱梅雨の雲燃ゆる
寒夕焼われも罪びとかく染まり
吾が在るは一つの瑕瑾夏暁の山
修羅の春形影ひしと相いだく
相抱くや春のいかづちあざみいろ
菊あふれ歳月とはに薫るべし
帰化雑草枯れて不逞にジャズ流れる
老残やはがねの色に秋風立ち
停年へ月日なだるる花明り
福豆へ万の手春を呼ぶ光
水のごと齢澄みゆく蘆の花
冷たいなあ先生死んでしまふのかよ
雀にも訛がありて暖かし
人の世の俗こそよけれ水蝋樹咲く
飛花落花老の生きざま潔し
秋暁の舌が喜ぶ末期の水
ながらへて幸せ得たり冬帽子
雀蜂ぎらり掠める原爆忌
孤愁忌や夢の師の手は仏陀のごと
逝く春や山の夕日が薄うなる
◼️皆川磐水
桃の花父の山墓照らしをり
継木藁垂らして父の昼寝かな
田植寒父がよろばひ炉火去らず
初雁を目ざとく父の仰ぎをり
最上川見る虎杖を手に余し
こけし屋に頭を揃へたる雛燕
早苗饗や茂吉の家の牛やさし
駒鳥鳴けり白鉢巻の修験者に
月山のうすうす見ゆる早苗籠
泥鰌喰う集金あとの汗の銭
漂う盆供艀涼しき食器の音
月山に速力のある雲の峰
初鴉面を上げて鳴きにけり
手焙や櫛形山の風の音
桜の芽海より雨のあがりけり
鶏合雪を散らして了りけり
家深く酢飯の匂ふ夏の果
ふるさとに帯をゆるめて盆踊
桜餅三つ食ひ無頼めきにけり
野馬追の武者に祝儀をつつむ婆
帰る雁いくども飛沫閃かす
戻り鴫昼月白き潟の上
◼️松崎鉄之介
水兵を真白に乗せし艇に会ふ
炉にゐるや別の己れが北風を行き
東京いづこに行けど寒風と人流れ
街の上を電線その上は寒し
音立てて雪渓解けてゐたりけり
わが事務所画廊に隣り冬麗ら
信篤き国に来りぬ花楷樹
呉の岸に摘んで粽の蘆青し
死ぬる日と詠みしみほとりただ汗す
ただ灼けて玄奘の道つづきけり
死ぬものは死に亞郎忌も古りにけり
林火忌の湖北に萩と吹かれけり
鳴沙山秋雲の尾のはてなかり
暁闇のタクラマカンを天の川
トルファンの鶏鳴に覚む外寝人
金輪際口きくまいと隼人瓜
千仞の谷底を牛耕せり
驢馬に乗る子に長江の日永かな
先師の家無住となりて萩枯れぬ
朝凪の廬山炊煙処々にあぐ
騎馬民族興亡の地を帰る雁
妹裕逝きおろおろすごし冬に入る
◼️馬場移公子
いなびかり生涯峡を出ず住むか
岩壁にすがれる草も月あかり
雁仰ぐいまさら峡の底に住み
秋の風来し方隙間だらけなり
曼珠沙華いづこを行くも農婦の目
探梅めきて売山の値を踏みに入る
寒雲の燃え尽くしては峡を出づ
黴の香の帯因習をまく如く
風鈴や一徹が身を縛しをり
霜の華ひと息の詩は胸あつし
飼はれゐて眼は従はず露の雉子
出世無縁のわが口付けて菖蒲酒
◼️沢木欣一
学に継ぐ兵の日課や鳥渡る
南天の実に参たりし日を憶ふ
眉濃ゆき妻の子太郎栗の花
鉄板路隙間夏草天に噴き
塩田夫日焼け極まり青ざめぬ
玉砕の岩垣闇や蚊喰鳥
炎天やをすめすの綱大まぐはひ
赤富士の胸乳ゆたかに麦の秋
みどり子の瑞歯の萌えや水芭蕉
蝌蚪の陣金剛杖ではげませり
誕生仏へそに甘茶を溜め給ふ
母の骨拝む小春の膝そろへ
冬の瀧心棒立てゝとゞろけり
八雲わけ大白鳥の行方かな
胸の傷かくさうべしや雪解富士
ひきがへるバベリバブルと鳴き合へり
◼️高島 茂
オロチョンは獐を狩るらし嶺に入る
焼けトタン負けじと叩く梅雨の日々
立ち退き迫る寒き街路に鼠の屍
俗界は梅雨の月夜の悪人達よ
白服の似合ふ草田男若かりし
ロタ島へ行くべき夏や線香買ふ
密林雨期死よりも飢と闘ひし
獏とゐて冬日に眼ほそめけり
鮟鱇などわが風狂の友にして
緋桃ちる草田男以後の十七音
◼️眞鍋呉夫
花冷のちがふ乳房に逢ひにゆく
雪女ちよつと眇であつたといふ
口紅のあるかなきかに雪女
我はなほ屍衛兵望の夜も
この階を昇れば銀河始発駅
慟哭の凍れる瀧でありにけり
◼️古舘曹人
学徒われペンを捨つべく菊白し
子を抱けば子に紙吹雪クリスマス
ネクタイの白は知鼻の汗は情
流氷の千島につづく色なき天
一介の今も書生よ法師蝉
苺つぶす舌を平に日本海
野辺といふ鮭の末路に妻つれて
ブーゲンビリア民話は死より始まりぬ
メーデーの列のをはりに爆心地
麦蒔けば来る能登の雲加賀の雲
枯蓮の扇の裏を見るやうに
普段着の屍に哭くや十二月
青嵐左に数珠を持ちかへて
露の世ののこらず見えて壁鏡
繍線菊やあの世へ詫びにゆくつもり
狐火の小千谷にありて遊びけり
産小屋も墓も磯なる枯岬
◼️成田千空
岩木嶺は大きく手毬唄やさし
耕牛の底びかりして戻りくる
鷹ゆけり風があふれて野積み藁
雪しろの本流に入る水ゑくぼ
とりけもの地吹雪に消え祖の村
草あれば水あれば鳴き残る虫
八雲立ちとどろきわたる侫武多かな
泥の田の光体となり燕くる
夫人間熱い飯には鮞を
雄の馬のかぐろき股間わらび萌ゆ
みどり児の寝落ちて紙のお雛さま
氷噛み顔の重たき岬の馬
目つぶしの雪降りしきる津軽三味
今生を燃えよと鬼の侫武多来る
津軽いま六根清浄花りんご
立侫武多火柱のごと灯りけり
地吹雪の彼方の灯影いのちなり
おけら短命到る処に燈がついて
十二月うしろの正面山の神
◼️清崎敏郎
枯萱に年かはりたる日がさせり
夏山に向ひ吸ひよせられんとす
短日のかゝるところにふとをりて
歩をゆるめつゝ秋風の中にあり
滝の面になまぐさき日のさしにけり
あらはれし干潟に潮が流れをり
掛けられし袋に雨のつぶやける
うすうすとしかもさだかに天の川
滝落としたり落としたり落としたり
読初や汝の朱線の残る書
音とてもなく木の葉散る木の葉散る
◼️深見けん二
一筋の煙動かず紅葉山
去り難な銀河夜々濃くなると聞くに
退勤時鉱山山の蜩鳴き揃ふ
日の力失ふときの冬紅葉
人はみななにかにはげみ初桜
花菖蒲さびしき色をあつめたる
わが町に一閃二閃燕来る
桜餅食べ終りたる手を膝に
蟻の貌大きく映り芋の露
人生の輝いてゐる夏帽子
蟻の道天へ天へと大欅
離愁とは郭公が今鳴いてゐる
◼️鷲谷七菜子
逢はむ日の鏡まぶしき蝶の昼
野にて裂く封書一片曼珠沙華
牡丹散るはるかより闇来つつあり
行きずりの銃身の艶猟夫の眼
滝となる前のしづけさ藤映す
行き過ぎて胸の地蔵会明りかな
日当たれば湧きて浮寝の鳥の数
雪の影してちりめんの織りあがる
田水張って湖北あかるき仏たち
鹿の子のひとりあるきに草の雨
道一つ村を出てゆく端午かな
紫陽花の見せはじめたる淵の色
どことなく水滲み出て春の山
寒月のいつのぼりゐし高さかな
◼️波多野爽波
冬空や猫塀づたひどこへもゆける
赤と青闘ってゐる夕焼かな
セルの袖煙草の箱の軽さあり
掛稲のすぐそこにある湯呑かな
骰子の一の目赤し春の山
雪うさぎ柔かづくり固づくり
菱採りしあたりの水のぐったりと
天ぷらの海老の尾赤き冬の空
冬ざるるリボンかければ贈り物
悲鳴にも似たり夜食の食べこぼし
チューリップ花びら外れかけてをり
そこらぢゆう落ちゐる厄を嗅いで犬
裂かれたる穴子のみんな目が澄んで
老人よどこも網戸にしてひとり
◼️小川濤美子
咳の子のなぞなぞあそびきりもなや
曼珠沙華抱くほどとれど母恋し
とどまればあたりにふゆる蜻蛉かな
外にも出よ触るるばかりに春の月
春寒し引戸尾重たき母の家
村々は低く寄り合ひ春寒し
地球自転の振子見あぐる日焼子と
太平洋波いろ重ねお元日
大根のどつかと太き肥後雑煮
あぢさゐや昨日に変り色あせて
◼️丸山海道
蜷つるむ涅槃のひかり水底まで
つゝじ燃えまなじりを裂く伐折羅神
浮浪児へ夜の蓮が脱ぐ衣一まい
花きざす屑籠一穢なく置かれ
骨壼と百夜を徹す春の燭
生くるゆゑ隠れ小蟹の朽葉いろ
六月の川藻魚生み魚を巻き
根こそぎといふ地獄あり冬さうび
花洛かなくわりんは落ちて石の傷
人散れば佛のあそび花月夜
椿落つ天の椿の一つ減り
添水闇小石が石に育つとき
◼️星野麥丘人
清瀬に師いよいよ冬を深くしぬ
篤と掃く元日の墓雨乍ら
草や木や十一月の深大寺
てんと虫だましや安住敦死す
いちじくを食うべてみても智慧沸かず
春暁の雪輪輪廻とも放下とも
十月や波郷に告げむ秋刀魚の値
日当ればみんなしあはせ実南天
春の夜の狸は山へ帰りけり
くつさめの夫唱婦随といふべかり
あめんぼの湧きすぎてよりくもりけり
人に血を遣りしことなし龍の玉
朝顔の紺や一徹徹すべし
柿三つ波郷友二に一つづつ
決闘を草矢でするといふことに
狐火の仔細なんどもききたがり
雪しんしん虚仮の一念通すべく
ミネルヴァの梟のこと遠き日よ
狐火のことは蕪村にまかすべし
雪の日や蕪村百句を頼みとし
◼️成瀬櫻桃子
苗包みきし新聞にビキニの記事
地に落ちぬででむし神を疑ひて
鳰、顔を出せばまはりに河骨黄
詩貧し掌に焼芋の熱さのせ
水音のたそがれさそふ夕ざくら
鉦叩たたけど無明のがれ得ず
穀象に青き空など用はなし
梅雨鴉ユダの声して嗤ひけり
地球引つぱつて大根抜きにけり
どぢやう鍋胡坐の久保田万太郎
降誕祭この不具の子も神の子よ
十六夜や海の底より平家琵琶
◼️福田甲子雄
行く年の追へばひろがる家郷の灯
桃は釈迦李はイエス花盛り
沼わたる蛇夕焼けを消しながら
子に学資わたす雪嶺の見える駅
稲刈って鳥いれかはる甲斐の空
身を捨てて立つ極寒の駒ヶ岳
山中の吹雪抜けきし小鳥の目
天辺に個をつらぬきて冬の鵙
靄あげて種捲くを待つ大地かな
春一番藁まみれなる濡れ仔牛
幾本の管身にからむ夜長かな
ハンカチの忘れてありぬ自害石
生まれたるままの身がよし吾亦紅
残る歳過ぎたる歳も霜のなか
◼️岡本眸
霧冷や秘書のつとめに鍵多く
癌育つ身の影折れて月の階
子を生まぬ乳房つめたし横臥しに
束ねたる髪の根つよし青嵐
病みて夫常より強気鉄線花
喪主といふ妻の終の座秋袷
雲の峰一人の家を一人発ち
鳥雲に働くための靴増えて
温もるは汚るるに似て風邪ごもり
水温む多忙を課して老いまじく
生きものに眠るあはれや龍の玉
秋風や柱拭くとき柱見て
まぎれ得ぬ高さに桐の花ほろぶ
虫絶えて一流水のあるがまま
目の前の些事こそ大事日照草
初電車待つといつもの位置に立つ
◼️今井杏太郎
炎天の平たき町を通りけり
稚魚さんとあそんで茅花流しかな
馬の仔の風に揺れたりしてをりぬ
人間と暮してゐたる羽抜鳥
目が覚めてゐていつまでも桜の夜
蝉殻を焚けばしづかに燃ゆるなり
風船の離れたる手をポケットに
◼️加藤郁呼
かひやぐら走るイデエへ真帆あげて
一満月一韃靼の一楕円
冬の波冬の波止場に来て返す
野暮の出る江戸研究や土用干
江戸雑書背丈をこゆる煤払ひ
俳味に詩刺身に醤油凧に骨
うれしともうれし大和し美し霞
しぐるゝや異端もやがて伝統に
小火と云ふいはゞ現代俳句かな
◼️廣瀬直人
雪の嶺しばたたく目の高さなり
枯蟷螂ぬきさしならぬ眼がふたつ
菩提寺の明るさ十夜晴れと言ふ
鴉子離れからからの上天気
鉄棒にぶらり桜を浴びてゐる
田植終る人々水に映りゆく
声かけて障子を洗ふうしろ過ぐ
鳥湧いて来るべき冬が頭上より
烈風に余さず飛んで雪雫
蝸牛仏の憤怒など知らず
牡丹に雨ともならぬ雲の帯
万両にびたびたの雪降ってくる
追ひたてて炎叩いて畦火絶つ
正月の雪真清水の中に落つ
稲稔りゆつくり曇る山の国
空が一枚桃の花桃の花
蝸牛桜は雲の湧く木なり
長男とほどほどに年忘れ酒
◼️大峯あきら
梟の月夜や甕の中までも
花咲けば命一つといふことを
人は死に竹は皮脱ぐまひるかな
虫の夜の星空に浮く地球かな
青空の太陽系に羽子をつく
麦熟れて太平洋の鳴りわたる
◼️有馬朗人
水中花誰か死ぬかもしれぬ夜も
虹二重二重のまぶた妻も持つ
草餅を焼く天平の色に焼く
万巻の書の文字雪となりて舞ふ
木の実打つ屋根を小栗鼠と分かち住む
新涼の母国に時計合せけり
光堂より一筋の雪解水
ジンギスカン走りし日より霾れり
根の国のこの魴鮄のつらがまへ
路地深く雪掃く音を重ねけり
曼荼羅の天はもつとも虫喰ひて
もう既に子猫が申す好き嫌ひ
菜の花や西の遥かにポルトガル
穴を出て子蟷螂緑したたらす
幾戦争過ぎ行きし野の草の花
ユダもまたまぎれなき使徒麦一粒
墨は奈良紙は吉野の春の雪
海底を見し鮟鱇の寄り目かな
地球といふ大いなる独楽初日の出
銀杏散る万巻の書の頁より
◼️稲畑汀子
枯色として華やげるものもあり
盛りとは雨の牡丹の匂ふこと
末枯れてゆくもの命ひそめつつ
そよ風になびくものより春らしく
早春といふ約束のやうなもの
心まで時雨るゝことのなかりけり
長き夜の苦しみを解き給ひしや
どの部屋も夫ありし日の秋灯
雪雲にさへ立つ虹のあることを
見てをれば投扇興はやさしさう
悴みて地震の夜明を待つばかり
極楽の文学論じ漱石忌
落椿とはとつぜんに華やげる
一枚の障子明りに伎芸天
三椏の花三三が九三三が九
長男と競ひ泳ぎて負くまじく
見えてゐる星見えて来る星涼し
◼️鍵和田釉子
裸子遊ぶ一茶の土蔵「なんにもない」
アネモネや神々の世もなまぐさし
未来図は直線多し早稲の花
職辞めて曜日うしなふ花月夜
よしなかやはせをやあふみうす霞む
鶴啼くやわが身のこゑと思ふまで
少年の瞳して阿修羅のしぐれをる
母の日の貝殻みちを鳴らしけり
軒つらら暗きに動く牛の舌
紅梅や六十路なかなかかぐはしき
蝌蚪の紐じゅげむじゅげむと続きをり
次ぎつぎと鶴の撒かるるみ空かな
白といふ激しき色を花菖蒲
ふくろふと向き合うて聴くしぐれかな
次ぎつぎと鶴の撒かるるみ空かな
鷹一つ紺を張りあふ空と海
竜天に登るわたしは靴を履く
被爆被爆悼みをしろばなさるすべり
つばさなき物も飛ぶ世ぞ注連飾
すみれ束解くや光陰こぼれ落つ
飛鳥大仏秋日は死力尽しけり
◼️安井浩司
◼️黒田杏子
一の橋二の橋ほたるふぶきけり
十二支みな闇に逃げこむ走馬灯
稲妻の緑釉を浴ぶ野の果に
小春日やりんりんと鳴る耳環欲し
白葱のひかりの棒をいま刻む
ふぐ鍋や壁に大きなジョン・レノン
稲光一遍上人徒跣
ガンジスに身を沈めたる初日かな
花に問へ奥千本の花に問へ
山姥と夏蚕のかほと相似たり
満行結願無花果榠櫨柿石榴
◼️鷹羽狩行
万緑にラムネ沸騰させて若し
みちのくの星入り氷柱吾に呉れよ
摩天楼より新緑がパセリほど
蓮根掘モーゼの杖を掴み出す
金魚売過ぎゆき水尾のごときもの
胡桃割る胡桃の中に使はぬ部屋
村々のその寺々の秋の暮
紅梅や枝枝は空奪ひあひ
あぢさゐの団欒に闖入の風
膝叩いては受け応へ生身魂
ハンターに蹤き猟犬の走りづめ
百人町いまは祭の山車も来ず
年迎ふ山河それぞれ位置に着き
天に満ちやがて地に満ち雁の声
以上
(陳謝妄選)
#
by 575fudemakase
| 2026-06-05 12:13
| ブログ
|
Trackback

俳句の四方山話 季語の例句 句集評など
by 575fudemakase
カテゴリ
全体無季
春の季語
夏の季語
秋の季語
冬の季語
新年の季語
句集評など
句評など
自作
その他
ねずみのこまくら句会
ブログ
自作j
自作y
j
未分類
以前の記事
2026年 06月2026年 05月
2026年 04月
more...
フォロー中のブログ
ふらんす堂編集日記 By...魚屋三代目日記
My style
メモ帳
▽ある季語の例句を調べる▽
《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。
尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。
《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)
例1 残暑 の例句を調べる
検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語
例2 盆唄 の例句を調べる
検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語
以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。
《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。
尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。
《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)
例1 残暑 の例句を調べる
検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語
例2 盆唄 の例句を調べる
検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語
以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。
検索
タグ
お最新の記事
| 最近の嘱目句あれこれ53 2.. |
| at 2026-06-18 11:03 |
| 最近の嘱目句あれこれ52 2.. |
| at 2026-06-12 15:14 |
| 無題 毎夜憚介 .. |
| at 2026-06-06 07:32 |
| 最近の嘱目句あれこれ51 .. |
| at 2026-06-05 22:48 |
| 俳句の水脈を探る 平成令和に.. |
| at 2026-06-05 12:13 |
| 最近の嘱目句あれこれ50 2.. |
| at 2026-05-28 01:59 |
| 拙句「山梔子の花の恬淡侘住ま.. |
| at 2026-05-22 07:04 |
| 鮫の目の深淵館の昼の闇 (高.. |
| at 2026-05-21 04:51 |
| 最近の嘱目句あれこれ49 2.. |
| at 2026-05-17 15:17 |
| 最近の嘱目句あれこれ48 2.. |
| at 2026-04-23 06:35 |
| 2025年 俳誌「俳句界」の.. |
| at 2026-04-17 03:11 |
| 最近の嘱目句あれこれ47 2.. |
| at 2026-04-12 04:06 |
| 季語別鈴木しげを句集を読んで.. |
| at 2026-04-10 13:21 |
| 俳句年鑑2026年版を読んで.. |
| at 2026-01-17 22:31 |
| 最近の嘱目句あれこれ46 2.. |
| at 2026-01-03 05:49 |
| 最近の嘱目句あれこれ45 2.. |
| at 2025-12-16 16:16 |
| 最近の嘱目句あれこれ44 2.. |
| at 2025-11-17 10:38 |
| 辻桃子句集 水蜜抄を読んで .. |
| at 2025-11-06 07:28 |
| 角川 俳句賞(2025年)を.. |
| at 2025-10-26 07:29 |
| 最近の嘱目句あれこれ43 2.. |
| at 2025-10-24 01:30 |
