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甘茶

甘茶

例句を挙げる。

あかがねの身をしなやかに甘茶仏 檜 紀代
うらうらと杖忘らるる甘茶寺 袴田君子
おん手より鬱金のしづく甘茶仏 佐藤和枝
おん臍のもつとも濡れて甘茶仏 荒井正隆
おん見目の滂沱のやまず甘茶仏 皆吉爽雨 泉声
かくてこそ甘茶仏は莞爾せり 高濱年尾 年尾句集
かわきゐるみ手に甘茶をそゝぎけり 国弘賢治
きのふ甘茶の日なりし寺に詣でけり 村山古郷
くろがねの丹田ひかる甘茶仏 野澤節子 黄 炎
こしごろも今道心の甘茶番 河野静雲 閻魔
この谷戸のもつとも奥の甘茶寺 星野立子
こぼしつつ園児嬉しき甘茶番 都筑智子
さへずりに十余り甘茶茶碗伏せ 高澤良一 ねずみのこまくら
しほしほと媼が眼あらふ甘茶かな 松村蒼石 寒鶯抄
そそぐたびまばたきくらみ甘茶佛 松村蒼石 春霰
たのしさや甘茶乞ふ子を待ちもうけ 尾崎迷堂 孤輪
だぶ~と浴びせかけたる甘茶哉 露月句集 石井露月
ちよぼ口で灌ぐ母と子甘茶仏 平井さち子 鷹日和
てのひらのよう甘茶仏うつうつと 諸角せつ子
ときならぬ雪に甘茶を煮る匂ひ 小倉覚禅
なほ甘茶そゝぎ佛とあそびをり 国弘賢治
ねもごろに老の灌げる甘茶かな 坂本汀郎
まなじりに涙し在はす甘茶仏 中村柘榴子
み佛は甘茶びかりをして在はす 滝口 芳史
やや荒く濁世の甘茶灌ぎけり 羽田貞雄
ゆれ合へる甘茶の杓をとりにけり 高野素十
わらべらに堂塔高き甘茶かな 五十崎古郷句集
ビキニの灰ふると指す甘茶仏 萩原麦草 麦嵐
一杓の甘茶にて足り濡れたまふ 百瀬ひろし
一杓の甘茶分け飲む母と吾 品川鈴子
一杓はひかりに似たり甘茶仏 西川 織子
丈六の見下し給ふ甘茶仏 大野林火
世をすねてわれは甘茶を煮る男 市堀 玉宗
主病みたり漆黒の甘茶仏 小林昭子
乾の手の一指を立てて甘茶仏 野見山朱鳥
人々の顔の映れる甘茶汲む 岸本尚毅 舜
人の世の櫛の落ちたる甘茶かな 有風
人の世を指す手は見えず甘茶仏 高橋悦男
人気なきときの甘茶を灌ぎけり 高澤良一 寒暑
仏身のしんのしんまで甘茶沁む 赤松柳史
体温のあるかに乾く甘茶仏 坂下笑子
児のあとに進みぬかづく甘茶仏 中本柑風
句碑しとど甘茶の雨となりにけり 渡辺恭子
合掌の片手は甘茶かけ申し 大森保子
和尚云ふ甘茶貰ひにまた来たか 高浜虚子
国宝展一隅に置く甘茶仏 有賀玲子
園児らの数だけ濡れて甘茶仏 大東晶子
土足たしかに一とさかづきの甘茶呑む 平畑静塔
地を指せる御手より甘茶おちにけリ 中村草田男
堂縁に甘茶の薬鑵汲めとこそ 高澤良一 寒暑
夕あかりお厨子にかへる甘茶仏 多納有紀
夕風のゆくてに雨の甘茶寺 長谷川双魚 風形
大空に田がひらめけり甘茶仏 永田耕衣
大釜に余りし甘茶捨てちまへ 橋本美代子
大釜の甘茶をのぞく童子かな 松村蒼石 寒鶯抄
女らや甘茶そそぐに声しなひ 綾部仁喜 寒木
娘の髪のお煙草盆や御甘茶 河野静雲 閻魔
嬉しくもなき甘茶佛見てゐたり 田中裕明 山信
子どもらも頭に浴びる甘茶かな 一茶
山寺や花さく竹に甘茶仏 飯田蛇笏 山廬集
山寺や蝶が受取る甘茶水 一茶
山高く登りて小さき甘茶佛 松村蒼石 雁
形なき水ゆるやかに甘茶佛 加藤三七子
御前に濡洋傘や甘茶仏 堀口星眠 営巣期
御槽の鎌倉彫や甘茶仏 河野静雲 閻魔
念珠買ふ甘茶を口に含みゐて 楠崎止子
情なく濡れて金色甘茶佛 清水径子
我甘茶泌みてうれしき仏かな 雑草 長谷川零餘子
手にとりてまこと粗末や甘茶杓 植地芳煌
手際よく傘をあづかる甘茶番 高澤良一 ももすずめ
指さして破る宙あり甘茶佛 赤松[ケイ]子
数珠揉んで甘茶の杓を取りにけり 北垣宵一
旅人もまじりてそそぐ甘茶かな 吉武月二郎句集
月出でていよいよ小さき甘茶仏 稲荷島人
木堂の縁に出でます甘茶仏 藤沢典子
杓の下小さくかなしや甘茶仏 松本たかし
柄杓もて柄杓を寄する甘茶かな 岩田由美 夏安
欠け給ふ腕より雫甘茶仏 戸井田 厚
注がれて甘茶のいろの甘茶仏 小林千穂子
浮びをる甘茶の杓をとらへけり 後藤夜半 翠黛
浮浪児の嘗めて離さず甘茶杓 吉屋信子
満山に雨けむらせて甘茶仏 堀口星眠 営巣期
満願となりし甘茶を頂きぬ 新井 恵子
潮騒を背山に蔵し甘茶寺 辻桃子
濡れたまひいよよ金色甘茶仏 野村慧二
濡れてすぐ乾く台座や甘茶仏 磯貝碧蹄館
濡れ給ひ乾き給へり甘茶仏 堀 晴子
灌ぐたび光りたまへり甘茶仏 鍵和田[ゆう]子 武蔵野
灌ぐ子におん胸ひろげ甘茶仏 下田稔
灌仏の乾きがてに甘茶流れけり 雑草 長谷川零餘子
灌仏会冷たい甘茶詫びながら 瀧 春一
狂女の手甘茶そそぎてきりもなし 長屋秋蝉洞
甘茶かけ仏身厚む不信の徒 川島万千代
甘茶ぬる瞼くぼめる女かな 三宅清三郎
甘茶の朝の皆の子に我が仰がるる 梅林句屑 喜谷六花
甘茶はや飲む彼が帯結びやるべし 梅林句屑 喜谷六花
甘茶もうなしと釜伏せ茶碗伏せ 橋本美代子
甘茶もて恒河の水のごとそそぐ 下村梅子
甘茶仏あめつち花のかをり満つ 鍵和田[ゆう]子 武蔵野
甘茶仏すぐかわく風いでにけり 加藤覚範
甘茶仏すこしまがりて立ち給ふ 池内たけし
甘茶仏すこし日向に出てをられ 関戸靖子
甘茶仏ほのかに湯気を立ててをり 清崎敏郎
甘茶仏乾き易きを淋しめり 高澤良一 ぱらりとせ
甘茶仏去りゆく我の映るべし 依光陽子
甘茶仏天の仏母を指でさす 園部龍子
甘茶仏天指す御手ぬれ給ふ 高見孝子
甘茶仏幾世経にけむ減り給ふ 山口青邨
甘茶仏恍惚として古りにけり 石原舟月 山鵲
甘茶仏指す地に芭蕉遺髪古り 西田 誠
甘茶仏旅人に笑み見せたまふ 森田峠 三角屋根
甘茶仏木々のみどりを帯びたまふ 永田黙泉
甘茶仏杓にぎはしくこけたまふ 川端茅舎
甘茶仏水に打たせて仕舞はれぬ 中山純子
甘茶仏汲むとしはもゆかぬ尼ぜかな 鷲塚立山子
甘茶仏浪華の天を指し給ふ 浅野政夫
甘茶仏濡れててらてら輝やけり 塩川雄三
甘茶仏濡れては虻をさそひけり 堀口星眠 営巣期
甘茶仏甘茶光のやすけしや 大橋敦子
甘茶仏男のしるしをさなくて 草村素子
甘茶仏背すぢ真直ぐ濡れ給ふ 服部高明
甘茶仏若狭の海を見給へる 大石悦子 聞香
甘茶仏虹は海棠より淡く 西島麦南
甘茶佛の小さき魔羅よ合掌す 國島十雨
甘茶佛肌すみずみまでぬぐふ 小澤實 砧
甘茶佛虹は海棠より淡く 西島麥南
甘茶寺手鞠がたきのなつかしや 若林いち子
甘茶寺番野鴨にあひしのみ 堀口星眠 営巣期
甘茶懸く女の肱のすっと伸び 高澤良一 随笑
甘茶杓誰もが同じ箇所にぎる 品川鈴子
甘茶汲む鶏鳴かくも遠きかな 松村蒼石 雪
甘茶番して新発意の嫁美人 河野静雲 閻魔
疣々のおん頭にと甘茶かな 加藤三七子
疾風に甘茶の杓の逆立てる 石田勝彦 秋興
白毫の甘茶にぬれし灯影かな 会津八一
石段を下りる片手に甘茶かな 月舟俳句集 原月舟
石蹴りに負けては甘茶かけに来て 西方石竹
空き瓶の甘茶を帰路に少し飲む 細見綾子 黄 炎
空瓶の甘茶を帰路に少し飲む 細見綾子
紅毛の指透き甘茶灌ぎけり 松村蒼石
紛れ来し鹿と昏れゐる甘茶仏 民井とほる
老の尼甘茶もらひの子にやさし 富安風生
背のびして甘茶注ぐ子仔犬抱き 福田蓼汀 秋風挽歌
胸広に立たしたまへり甘茶仏 下村槐太 天涯
草庵の甘茶の花を誰か知る 尾崎政治
草葺の門を這入りぬ甘茶寺 松藤夏山 夏山句集
葉が出たさくらとんとんとろりこ甘茶のうた 中塚一碧樓
葺き垂れし馬酔木を御簾に甘茶仏 丸田余志子
裏返りては花了ふる甘茶かな 手塚美佐 昔の香 以後
谷渡る風がうがうと甘茶仏 鍵和田[ゆう]子 飛鳥
進み出て虚子忌と思ふ甘茶仏 古舘曹人
道づれの甘茶もらひの童かな 松藤夏山 夏山句集
里の子の爪先立ちて甘茶佛 高澤良一 鳩信
里人に蹴きて甘茶を灌ぎけり 永方裕子
銅柄杓ずしりと重き甘茶かな 河野石嶺
鎌倉に京の末寺の甘茶寺 松原地蔵尊
門前に露店の地割り甘茶寺 吉村馬洗
門前の小店うれしや甘茶寺 楠目橙黄子 橙圃
雀らがざぶざぶ浴びる甘茶かな 一茶
雀子がざく~浴る甘茶哉 一茶 ■文化十二年乙亥(五十三歳)
雨だれも甘茶も楽し増上寺 阿波野青畝
雨にぬれ甘茶の花は眠るごと 田中冬二 若葉雨
雨冷えの甘茶こくりとのみほせり 高澤良一 ももすずめ
雨降れば雨金色に甘茶仏 福原紫朗
五香水仏の臍をみつけたり 麦 光
浴仏にただよひうかぶ茶杓かな 飯田蛇笏 山廬集
浴仏に妙なるものを降り注ぐ 高澤良一 随笑
虚子の忌の浴仏の日を長湯かな 秋元不死男


以上
by 575fudemakase | 2014-04-08 07:52 | 春の季語 | Trackback


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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