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例句を挙げる。

あな白き田芹の白根つみそろへ 朱鳥
あふれ越野沢や芹の二番生 高井几董
あまり青き田芹が故につみとりぬ 臼田登代子
うすらひやわづかに咲る芹の花 榎本其角
うす絹に似たるひかりの芹の水 つじ加代子
おのづから揃ふ長さの芹洗ふ 今瀬剛一
くつきりと芹田の段差晴れて来し 今瀬剛一
くり台に芹匂はする女かな 簪 俳諧撰集玉藻集
この岡に根芹つむ妹名のらさね 正岡子規
これきりに徑盡たり芹の中 蕪村
さびしさに摘む芹なれば籠に満たず 加倉井秋を 午後の窓
さむざむとかかる日芹を摘みをれる 下村槐太 天涯 下村槐太全句集
したたりて太陽を呼ぶ朝の芹 今瀬剛一
しみ出でゝ流れもあへず芹の水 松藤夏山 夏山句集
しろ水の押しわけて行く根芹かな 山店 芭蕉庵小文庫
すみつきし村に啼く鳥芹の水 百合山羽公 故園
なやらひの声いづこより芹の水 宇佐美魚目 天地存問
のべし手にきらめき移る芹の水 岡本まち子
はればれと水のむ吾れは芹の類 中尾寿美子
はればれと焼野の匂ふ芹小鉢 野澤節子 『八朶集』
ひとと来て声のはなやぐ芹の岸 沼尻巳津子
ふりむけば鳥語明るし野芹つむ 角川源義
ぽちょぽちょと水の流るる芹田かな 高澤良一 素抱
まな板に旭さすなり芹薺 鏡花
みちのくに光堂あり芹を摘む 山口青邨(1892-1988)
みづうみへ繋がる芹の水ならむ 中田剛 珠樹以後
みなかみは鶴の乙女か流れ芹 中勘助
もの思ふゆゑに世にある芹なづな 上田五千石 琥珀
もろもろの緒をたちてこの芹のいろ 中田剛 竟日
やはらかき芹の畦踏み酒買ひに 沢木欣一
ゆふがたのてぶりの芹を洗ひをり 岡井省二
わが摘みし芹の香めでて七日粥 斎藤 道子
アメリカの香り乏しき芹を摘む 吉良比呂武
グルメとや四十五階に芹噛んで 中村明子
一とゆすりすれば濁りぬ芹の水 沢村芳翠
一と股ぎほどの野川の芹の花 田村いづみ
一歩をば痛感したり芹なづな 永田耕衣 陸沈考
一筋の神の流れに芹育つ 倉田紘文
一籠の硯にまじる根芹哉 正岡子規
七日喪の子が摘みて来し芹洗ふ 関戸靖子
七種(ななくさ)のはじめの芹ぞめでたけれ 高野素十(1893-1976)
七種のはじめの芹ぞめでたけれ 高野素十
三つ葉芹匂ひのつよき裏筑波 堀込生郷
二人ゐてよそよそしさよ芹摘めり 松本たかし
俎の芹の溢れんばかりへ刃 中田剛 珠樹以後
先き先きに太陽の待つ芹の川 高井北杜
分譲地見に来て野芹摘みにけり 下村ひろし 西陲集
初花や襟つきすがた芹影女 久保田万太郎 流寓抄
初薬師かへりの芹を摘みにけり 岸風三樓
初雛や丹の椀とれば芹にほふ 及川貞 榧の實
北寂し枕の北の芹淋し 河原枇杷男 定本烏宙論
厨さむし指にのこれる芹の香も 木下夕爾
古寺やほうろく捨つる芹の中 蕪村
右丹波左芹生へ青葉みち 伊藤敬子
吾が摘みし芹が香に立つ七日粥 小松崎爽青
唇を芹雑炊が焦しけり 前田普羅 新訂普羅句集
塔百萬造りて並べ芹薺 和田悟朗
売初の芹くわゐよと見て下向 米沢登秋
大原やことにあかつき芹の水 加藤耕子
大泉池より出でて芹の水 遠藤梧逸
女なれば愚かと思ふ芹摘みつ 金箱戈止夫
女より男わびしく芹に箸 野澤節子 花 季
妹は嫁菜われは汀の芹を摘む 寺田寅彦
子に跳べて母には跳べぬ芹の水 森田峠 避暑散歩
子に頒つ田芹も才もなかりけり 田中裕明 先生から手紙
子ら芹をつかのま摘んでかへりゆく 上村占魚 球磨
子盗ろ芹盗ろそぼそぼ雨の河童橋 櫛原希伊子
寂しさに摘む芹なれば籠に満たず 加倉井秋を
寄鍋に僅かなる芹はさみけり 龍胆 長谷川かな女
山中の径たえだえに芹の花 大木あまり 火球
山宿に美女生れつぎて芹を摘む 西本一都 景色
山宿の芹の青さや雑煮膳 佐藤とし
山月も長けてありけり芹の原 永田耕衣 殺祖
岸べより水をひろげて芹洗ふ 小室善弘
川底に日がとゞき芹芽ぶきけり 細見綾子 花寂び
左右には芹の流れや化粧坂 松本たかし
師に遠く郷なほ遠く芹を摘む 八牧美喜子
師の病篤く芹古るわが厨 森川暁水 淀
底見せて流るる川や芹の花 石塚友二
庭水辺摘む七草の芹紅に 山口青邨
怖ろしき山を背負うて芹の暮 和田悟朗
悲しまんや墨子芹焼を見ても猶 芭蕉
我ためか鶴はみのこす芹の飯 芭蕉
我事と鯲(どぢやう)のにげし根芹哉 丈草
我影の白髪をつまむ田井の芹 松岡青蘿
手つかずの芹の森あり川向ふ 高澤良一 ももすずめ
手づくりの芹鮓開き湯治客 坪根 里杏
手許には芹だけされど七日粥 及川 貞
摘みかさねても一握の母の芹 福永耕二
摘むのは芹ですかえゝまあたんぽぽも 高澤良一 さざなみやっこ
放牛の涎弧に飛び田芹の芽 半崎墨縄子
故山我を芹つむ我を忘れしや 橋石 和栲
故里に帰りし女芹を摘む 真柄 嘉子
新しき星に刺されて芹を摘む 佃 悦夫
日に透かし見て櫛をさす芹田かな かな女
日影して脈ふとき鶏や芹の水 飯田蛇笏
日日に徐徐に痩沼の鯰芹の青 橋本夢道 良妻愚母
春光を芹に振り撒きゆける水 高澤良一 随笑
春浅く根芹沈めて水澄める 温亭句集 篠原温亭
昨日今日浅間は見えず芹の花 中嶋秀子
昼の月芹摘む指を濡らすなり 桂樟蹊子
曇天の水動かずよ芹の中 芥川龍之介 我鬼句抄
札所より札所へ流れ芹の水 今川 青風
来る日毎芹の汀のひろごりて 原 柯城
柿田川根芹に直にあたる水 高澤良一 随笑
根元まですきとほる水芹を摘む 荒井英子
極月や摘みて匂はぬ芹だまし 有働 亨
機窓に芹籠置いて話しけり 雑草 長谷川零餘子
毒芹の花も大河が浸しける 林翔 和紙
水くびれひろがり流れ芹の森 高澤良一 随笑
水しぼる根芹一握にあまるなり 滝井孝作
水ぷるるぽるると芹のあはひかな 鎌倉佐弓 水の十字架
水よりも風の冷たき芹を摘む 岡田 和子
水をひく管交差して芹の上 今瀬剛一
水嵩の増しくる如く芹洗ふ 石川桂郎 含羞
水浅く石語をつなぐ芹の花 上田五千石
水澱むところに置きぬ芹の籠 龍胆 長谷川かな女
水芹に雪ちる山井溢れけり 蛇笏
水芹の芽に靄ぬくく雪やみぬ 石原舟月 山鵲
水門や行かれぬ処芹多き 蘇山人俳句集 羅蘇山人
水音のやさしき日なり芹の花 浜福恵
水韻は芹のかげから湧きはじむ つじ加代子
水風呂に芹の香のせしが春暮るゝ 乙字俳句集 大須賀乙字
法隆寺からの小溝か芹の花 飴山實 『次の花』
泥におく鷺の足跡芹の花 木村蕪城
泥川を芹生ひ隠すうれしさよ 正岡子規
泥落ちてとけつつ沈む芹の水 高浜虚子
洋芹の水奏でをり春炬燵 堀口星眠 営巣期
洋芹をいとほしみ降る雪淡し 堀口星眠 営巣期
流れざる芹の記憶のみな流る 莵絲子
流れねば鳴ることのなし芹の水 加倉井秋を 午後の窓
浅沢や雪かた/\の芹の花 松岡青蘿
淋しさに摘む芹なれば籠に満たず 秋を
深芹や人なつかしき袖だたみ 清水径子
渓風のほたる火見する芹生かな 飯田蛇笏 山廬集
渡から洗ふて戻る根芹かな 泉琴
湖波の芹をはしりぬ陣屋堀 桂樟蹊子
湧水に芹も強(こわ)げな茎のいろ 高澤良一 随笑
溜池や雨に根芹の二三寸 蘇山人俳句集 羅蘇山人
溝川に芹の根あらふ雪解水 中勘助
漕ぎ寄せし舟より渡す芹の籠 石田勝彦 秋興
潦はらりと芹や散つてゐし 小池文子 巴里蕭条
瀬の石に洗ひのせつつ芹匂ふ 皆吉爽雨 泉声
炭焼の芹摘みに来る那須野かな 西本一都 景色
煮凝や色あらはなる芹一片 碧雲居句集 大谷碧雲居
煮細りし芹のもつるる寄鍋に 有馬籌子
田へそゝぐ前翳りつゝ芹涵す 篠田悌二郎 風雪前
田芹飯兄いもうとは多感にて 栗林千津
田鶴降りてはや芹青む流あり 森川暁水 淀
畦川の水を掴みて芹洗ふ 久保乙秋
白粥に芹のあをさを加へけり 佐川広治
皿に盛る流るる型に青芹は 今瀬剛一
石人の裾には芹の水流れ 高濱年尾 年尾句集
神の田や雲も映さず芹の花 羽部洞然
空腹を彼に知らるな芹の花 池田澄子
箸墓の流れの芹を摘めるかな 藤田あけ烏 赤松
翁の碑裏へまはれば芹の水 田中日沙子
聖泉の水岐れては芹の水 下村ひろし 西陲集
腰高く雙手伸して芹つめり 西山泊雲 泊雲句集
花嫁のほどもなく来る芹の水 山本洋子
花芹にうすぎぬのごと堰の水 山田弘子
芹すすぐ一枚岩のありにけり 杉田久女
芹つみて戻る貧しき子等のあり 高橋淡路女 梶の葉
芹つみに国栖の処女等出んかな 榎本星布
芹つむや光あそべる橋の裏 正木浩一
芹つむや騒ぐ家鴨に眼やりつゝ 西山泊雲 泊雲句集
芹なずないろに溶けゆく膝頭 市原光子
芹なづなあとはななくさとして杳 櫂未知子 蒙古斑以後
芹なづな海より暮るゝ国ざかひ 石橋秀野
芹に居る虫見出したる病児かな 雑草 長谷川零餘子
芹に花を呼ぶ川火の風薫る 内田百間
芹ぬきし濁りながれてゆきにけり 西本一都
芹のびて神山颪す峡田みち 飯田蛇笏 春蘭
芹の中小雀水を浴びにけり 癖三酔句集 岡本癖三酔
芹の川泡立つ落差つくりけり 高井北杜
芹の根に小さな蝌蚪の動かざる 平林孝子
芹の根を洗ひし溝に剃刀も 川端茅舎
芹の水しばらく流れ滝となる 五十嵐播水 埠頭
芹の水つめたからむと手をひたす 篠田悌二郎
芹の水ときどき光り迅さ見ゆ 柴田白葉女 花寂び 以後
芹の水ときどき死人渉りけり 河原枇杷男
芹の水にごりしまゝに流れけり 星野立子
芹の水少年すでに出で発ちぬ 山口和夫
芹の水暫く広くなりにけり 松藤夏山 夏山句集
芹の水満つることなく減ることなく 田村了咲
芹の水照るに用心忘れた鶏 波多野爽波 『湯呑』
芹の水童女の声が透ききこゆ 柴田白葉女 『月の笛』
芹の水芹を離れてなほ青し 秋光泉児
芹の水葛城山の麓より 矢島渚男
芹の水言葉となれば濁るなり 橋間石
芹の流れのひかりを思う父 逝きし 伊藤 和
芹の笊ひきずり隣田へ移る 木島松穹
芹の花かざせば失せぬ我もがな 河原枇杷男
芹の花かざせば失せむ我もがな 河原枇杷男 訶梨陀夜
芹の花ばかりを飛んで沼の蝶 細見綾子
芹の花女は諸羽つかひつつ 河原枇杷男 定本烏宙論
芹の花美しき水ともなへる 阿部みどり女 笹鳴
芹の芽や小溝も朝の色に出て 小林康治 四季貧窮
芹の茎夏近き風に倒れたり 癖三酔句集 岡本癖三酔
芹の香のつよき包丁始かな 池田秀水
芹の香の朝粥で足り京泊り 能村登四郎
芹の香や摘あらしたる道の泥 炭 太祇 太祇句選後篇
芹ひけば小田の寂寞のみじろぐよ 雷子
芹や摘まん芝を焼かん君来たり 松本たかし
芹よもぎ飢餓の春野もつみきれず 中勘助
芹よりも明日葉匂ひ売られけり 石塚友二
芹を摘みなどして英詩ほのぼのと 橋石 和栲
芹を摘むこの旅もどる夜の料に 皆吉爽雨 泉声
芹を摘む夫に忙中閑ありて 上甲 紗苔女
芹レタスセロリパセリよ血を淨めよ 山本左門
芹今はよき程摘みぬ洗ひなん 尾崎迷堂 孤輪
芹匂ふオモニは風の中に立つ 夏井いつき
芹匂ふ顔白むまで雲を見て 子郷
芹噛んで吉祥天にまだ逢はず 原田喬
芹噛んで苦みひろがる淋しさも 能村登四郎
芹噛んで風音に聴く化粧川 藤城茂生
芹坪は澄みの早くて湧き湛ふ 臼田亞浪 定本亜浪句集
芹増えて観世音寺も恙なし 斉藤夏風
芹売や浮世を急ぐ蛭の足 探吟 俳諧撰集「藤の実」
芹川に女ら濯ぐ杜甫の里 荒井正隆
芹川に春泥つたひ降りしかな 長谷川かな女 花寂び
芹川のあたりは深し春の水 松岡青蘿
芹引くに水澄みて行く流かな 温亭句集 篠原温亭
芹引くやほとりの芹も匂ひいづ 和田 祥子
芹採るや短き芹は流れけり 石井露月
芹摘に人なしさみしともさみし 斎藤玄 雁道
芹摘の中腰に耐え切れずして起つ 高澤良一 素抱
芹摘の足を拭き行く杉菜哉 尾崎紅葉
芹摘みが来れば空港白々し 静塔
芹摘みし指を洗ふも芹の水 畠山譲二
芹摘みてゐしやも知らず覚め際は 佐々木六戈 百韻反故 初學
芹摘みて雲に遅れてしまひけり 福永みち子
芹摘むと風よりひくくかがまりて 細見綾子
芹摘むや姫の悲鳴はそれとして 高山れおな
芹摘むや水の刃先を楽しみて 大木あまり 火のいろに
芹摘むや水車廃れし跡と知り 石川桂郎 四温
芹摘むや淋しけれどもたゞ一人 杉田久女
芹摘むや滝となる水よごしつつ 野中 亮介
芹摘むや雨雲うごき浪うごく 中田剛 珠樹
芹摘む婆一つ大きく伸びをして 高澤良一 随笑
芹摘む母もの濯ぐ妻晴れわたり 石川桂郎 含羞
芹摘む母烏のあそぶ遠田にて 石川桂郎 含羞
芹摘める二人話の届く距離 高澤良一 随笑
芹摘や草に手をふく昼餉時 巌谷小波 さゝら波
芹摘んでいづこに母の隠れしや 大石悦子
芹摘んで我孫子の雪に降られけり 石塚友二 光塵
芹摘んで故里とほき齢かな 望月たかし
芹摘んで浮野漂ふばかりかな 肥田埜恵子
芹汁や朱ヶ古りたれどめをと膳 飯田蛇笏 山廬集
芹洗ふ井水に雪の降りそそぐ 石川桂郎 四温
芹洗ふ同じ流れに鷺がゐて 中村智子
芹洗ふ流のなかが暖かし 汀女
芹浮いて昼の汽笛にさかだてり 長谷川かな女 花 季
芹焼の夜やまぼろしの鶴の声 月居
芹焼やすそわの田井の初氷 芭蕉
芹焼や裾輪の田井の初氷 松尾芭蕉
芹生ひて断雲青きところかな 楸邨
芹生ふる一水走り畑傾ぎ 福田蓼汀 秋風挽歌
芹田あり初午道の向ふ風 高浜虚子
芹目高乏しき水のぬるみけり 正岡子規
芹素足にふれた 北原白秋 竹林清興
芹育ち何か小さきもの育ち 後藤 栄生
芹萌えて日中の水のさざめける 原田種茅 径
芹蓬摘めよと與ふ子に刃物 石川桂郎
芹薺けふ暮るる北の根雲が去なず 中塚一碧樓
芹薺御形*はこべら犬の糞 佐々木六戈 百韻反故 初學
芹薺踏みよごしたる雪の泥 惟然
芹貰ふその手で喪服吊るしけり 佐野笑子
芹買へり市場の驢馬に見られつつ 小池文子 巴里蕭条
芹踏まれ風はあらあらしく戻る 松澤昭 神立
芹青し還らぬ水として激し 松澤昭 安曇
芹青む新婚の居の川に沿ひ 杉本寛
芹食えば水の香りす七曜の無きしづかなる芹の歳月 高野公彦
芹鳴るや饅頭四五個思い出づ 永田耕衣 闌位
苗代も花芹も春たけにけり 癖三酔句集 岡本癖三酔
草庵へ芹の小流れありにけり 堀 文子
草籠や田芹引てははふりこむ 角田竹冷
萬難を排して余呉へ芹摘みに 塚本邦雄(1922-)
葬も婚も芹の小径を歩まねば 長谷川秋子 『菊凪ぎ』『鳩吹き』『長谷川秋子全句集』
蓴生ひ芹立ち蝌蚪は形を了ふ 石塚友二
薄明をひざまづく母芹の水 磯貝碧蹄館
薄曇る水動かずよ芹の中 芥川龍之介
薄氷のとぢたる芹を見出たり 石川桂郎 四温
薄氷を膝まづく母芹の水 磯貝碧蹄館
蛭肥えて芹ふし立ちぬ日向水 暁台
蟹一つ死んでをるなり芹の水 京極杞陽 くくたち下巻
蟹赤きさらさら川や芹の花 中勘助
行けど~只芹を見て橋を見ず 尾崎紅葉
誰か芹を呉るる頃なり鳥雲に 相馬遷子 山河
誰の忌やひとり奏でる芹の水 河原枇杷男 蝶座
讃美歌とかがやくものに芹の水 長田等
負うた子の足が地につき芹をつむ 村田橙重
買初めは豆腐に芹の一握り 登良
足許の覚束なくて田芹摘む [しょう]人
足許を先づは築きて田芹摘 高澤良一 随笑
踏み込んで芹の青さのせめぎあふ 今瀬剛一
身はいつか瀬音の中に芹洗ふ 金箱戈止夫
辿り来し畦はたとなし芹の水 田畑美穂女
過去見る目止める術なく芹きざむ 谷口桂子
道とへば芹摘む女中教へけり 常矩
遠山や充ち充ちてゐる芹の水 舗土
遺響千年よしのの芹の固さかな 夏石番矢
野のなりし野芹ほこえて今朝にあり 京-貞木 元禄百人一句
野芹短く栽培芹は丈長く 鈴木真砂女 夕螢
野蒜掘り芹摘み己れ遊ばしむ 石塚友二 光塵
鈴鹿より落ちくる水に芹洗ふ 中谷畦雪
銭やつて掴みたる芹を貰ひけり 青木月斗
鍬初のもどりの芹や一とにぎり 大橋櫻坡子 雨月
長城やみんなみさして芹の水 沢木欣一 往還
門川のせせらぎ芹を育てをり 栗林千津
降り行きて短かき芹を撫でにけり 永田耕衣 吹毛集
雨に友あり八百屋に芹を求めける
雨蛙芹伸びすぎてゐたりけり 大場白水郎 散木集
雪を割り掴みあぐるは青き芹 瀧澤伊代次
雪水がひた~と田の芽芹かな 細見綾子 花寂び
青柳や芹生の里のせりの中 蕪村 春之部 ■ 禁城春色暁蒼々
風の出て滝壺のこゑ芹のこゑ 古舘曹人 樹下石上
食すすむ薬代の芹山と積み 相馬遷子 雪嶺
鱒守りの芹刈り一花もちてゆく 田中英子
鴨の毛の流れとまるや芹の中 老鼠堂永機
鴨鍋の近江の芹よ白葱よ 大橋敦子
鶏にやる田芹摘みにと来し我ぞ 高浜虚子


以上
by 575fudemakase | 2014-04-18 09:34 | 春の季語 | Trackback


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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