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例句を挙げる。

あげ~て蛸壺尽きず今朝の秋 碧雲居句集 大谷碧雲居
いひ蛸やこれも蛸そろ花に酒 中勘助
おどろけば章魚のあたまに雲きたる 渡邊白泉
お七夜の残りの酒に蛸を煮て 谷渡末枝
くらい発電蛸壺ばかりがひしめきて 穴井太 鶏と鳩と夕焼と
しぐるるや切られて白き蛸の肌 鈴木真砂女 夕螢
しなやかに鋼なり蛸泳ぐとき 三浦ミヨ子
たはぶれに章魚を干したる極暑かな 佐野まもる 海郷
たはむれに蛸壷を買ふ冬日和 丸山哲郎
とこぶしを襲へる章魚を突きにけり 木津柳芽 白鷺抄
なにか侘し飯蛸の飯とぼしきも 上村占魚
にゅうべぇと蛸漁の沖見渡して 高澤良一 素抱
ひえ~と蛸肴あり大石忌 久米三汀
ぶつ切りの章魚出されけり春の雷 鈴木真砂女 生簀籠
ぶつ切りの蛸に夏葱刻み添へ 鈴木久美子「山火合同句集」
へうきんな子に飯蛸のよく釣れて 木場田秀俊
まづ蛸の這ひ出す春の地曳網 小島健 木の実
わが骨を納むるによき蛸の壺 綾部仁喜 樸簡
わしづかみして大蛸を貰ひ来ぬ 宇多喜代子
サハリンを閉ざす厚雲蛸を煮る 高澤良一 素抱
タコ型に干さるる蛸も盆の市 辻桃子
テレビ涼し蛸釣のこつなど話し 藤田湘子 てんてん
トロ箱を逃げ出す蛸も糶られけり 大澤 柿村
一休の蛸さげて行く師走哉 師走 正岡子規
一滴の血もなき麦藁蛸眠る 宇多喜代子 象
一興と宗谷岬の蛸を食ふ 高澤良一 素抱
三鬼の忌蛸の吸出効きはじむ 宮坂静生 山開
三鬼忌や籠をはみ出す蛸の足 佐々木蔦芳
中空を辭すとき来たる干蛸に 中原道夫
久闊や飯蛸の飯食みこぼす 井沢正江
俎板に広がつてゆく蛸の鬱 柴田奈美 銀化
俳諧や言葉がくれの蛸と月 中村ヨシオ
全身を喪うて蛸海へ去る 宮崎光治
八本は未確認なり章魚の足 鈴木鷹夫 千年
冬の蛸つかみて蛸につかまるる 加藤憲曠
冬枯や蛸ぶら下る煮賣茶屋 冬枯 正岡子規
初嵐舟より逃げし蛸泳ぐ 小川軽舟
初秋の蛸あはれなり須磨の浦 初秋 正岡子規
初糶や蛸の逃げるを引戻し 杏史
初金毘羅屋台の暖簾波に蛸 金子蛙次郎
十まりの蛸壷さらす花海桐 福島小蕾
半夏蛸とは化けて出る蛸かとも 後藤比奈夫 めんない千鳥
去ぬ燕蛸壺浜に積まれけり 下村槐太 天涯
去来忌の蛸壷に挿す小粒柿 宮川杵名男
叉銃めく蛸の木の根やいなびかり 岡田透子 『珊瑚樹』
口開いて蛸壺げんげに転がれず 和知喜八 同齢
吉三という名で蛸壺干されおり 稲葉千尋
吉日の麦藁蛸を茹であげる 宇多喜代子 象
吹掛(ふっかけ)に浦の一舟蛸を突く 高澤良一 素抱
地のもののこれ一品と云へば蛸 高澤良一 燕音
場末町章魚の脚打つ霰かな 幸田露伴 谷中集
塩竈のはつなつまずは蛸の足 高野ムツオ 鳥柱
壺を出て蛸は大暑の空気吸ふ 高見道代
夏痩せへ甥の絵文の蛸坊主 飴山實 『おりいぶ』
夕澄みて飯蛸泳ぐ舟のうち 堀口星眠 火山灰の道
夜店立ち蛸の踊れる屋台幕 高澤良一 随笑
大学の前手掴みに蛸売らる ほんだゆき
大手広げ連なり干さる尾花蛸 小谷ゆきを
大皿に知多の大蛸湯気立てて 海野 勲
大章魚の足の流るる糶秤 西本一都 景色
大章魚を片手におもく夕焼くる 佐野まもる 海郷
大蛸のもぢやらもぢやらと近づき来 奥坂まや
大蛸の乾きて島の秋暮るる 梶山千鶴子
大蛸の茹であがりたる我鬼忌かな 荒田千恵子
大蛸の足茹であがる春の暮(佐渡) 岸田稚魚 『雪涅槃』
大蛸は大岩に棲む昔より 高澤良一 寒暑
大蛸や月にうかれて芋畠 洞雨 選集「板東太郎」
太陽や農夫葱さげ漁夫章魚さげ 西東三鬼
室咲きの桃蛸壷に海荒るる 梅木酔歩
小坪漁港春愁なれば蛸逃げる 前田吐実男
小春日の章魚は真赤に染められし 川端茅舎
小満や明石の蛸は三等身 吉川多佳美(京鹿子)
小鳴門の捨蛸壷に名草の芽 福島せいぎ
尼が買ふ蛸と水仙由比ケ浜 大木あまり 火のいろに
尾花蛸干して月夜のはじまれり(佐渡) 岸田稚魚 『萩供養』
尾花蛸揚げてとび交ふ海人言葉 つじ加代子
尾花蛸這はせ夕市しぐれけり 山崎冨美子
山背吹く老いたる蛸の寄るやうに 橘川まもる
岩に化け潜める蛸の眼の光る 背古和俊
工房の蛸足配線走り梅雨 奥村安代(あすか)
帰省子に茹で章魚吊す土間くらき 黒田櫻の園
干し蛸に海より蒼き冬の蝿 高橋六一
干蛸の口尖りゐる北風強し 壺井久子
干蛸ぷうらり ぷらり 島だな 南風だな 伊丹三樹彦 覊旅句集三部作 島嶼派
店頭に動く蛸あり夷講 椛沢田人
引汐や淡路をさして飯蛸が 高浜虚子
役立たぬ蛸壷隠し浜えんどう 藤田美雄
往くと来とみな真つ裸章魚下げぬ 佐野まもる 海郷
心ふさぐ種の蛸壺のぞきては 岸田稚魚 筍流し
愚か妻蛸と買ひ来し菊二本 遠藤梧逸
手にとれば飯蛸笑ふけしきあり 飯蛸 正岡子規
揚げられて色なき朝を章魚は見つ 金箱戈止夫
放たじとあはれ飯蛸擬餌を抱く 尾崎木星
新月や蛸壺に目が生える頃 佐藤鬼房
日盛の庭にをかしや蛸の籠 高橋馬相 秋山越
曙の蛇奪い去る蛸かいな 夏石番矢 楽浪
村挙げて蛸食ふ慣ひ半夏生 西尾宗一郎
松ケ根や蛸壷数多よせかけて 西山泊雲 泊雲句集
松風に蛸の卵といへるもの 綾部仁喜 寒木
校庭の下に船着き尾花蛸 原不沙
極寒やこめかみで食ふ蛸の足 吉田紫乃
歳暮るるうす灯に烏賊・海老・蛸の絵馬 山本一糸
水吐いて蛸逃げゆけり春の昼 小島 健
水蛸は海の忍者よ岩に擬す 上田常雄
波音にむせび酢蛸に咽びける 安達実生子
洗はれし章魚だらしなく春の風 鈴木真砂女 生簀籠
海士だけが知りて見廻る蛸の穴 広瀬長雄
海女と寝る章魚の話しや秋暑し 野村喜舟
海底に蛸の摺り足雪来るか 鳥居真里子
涼しさのおみやげ三つ蛸三つ 永末恵子
深酔いの次男三男蛸干す島 穴井太 原郷樹林
清流に章魚を洗つて梅白し 遠藤梧逸
渦なして蛸脱走す秋風裡 矢島房利
湯気のまま秤るゆで蛸浜の市 墓田まさこ
漁られつつ飯蛸の昼の夢 近藤紀子
火燵にはいかにあたるぞ蛸の足 浜田酒堂
炎昼や蛸壺暗き口開いて 高井北杜
熱燗や食ひちぎりたる章魚の足 鈴木真砂女
父の日の蛸にもうしろ姿かな 橘川まもる
牡蠣殻や海士の棄てたる蛸壷に 鶴夢
玄冬の地蛸粗塩すり込まれ 高澤良一 さざなみやつこ
瓢種貰ひに行くや蛸提げて 橘 肖吉
生き蛸の盛り上がる山日雷 平畑静塔
百ばかり蛸壷乾き無常なり 中島斌雄
百尋といふ蛸壺の縄を綯ふ 森田峠 避暑散歩
短夜や蛸這のぼる米俵 高井几董
石女の蛸追ひうつや芋ばたけ 蕪村
神無月蛸が己れに隠れたる 早野和子
祭くる生簀の蛸の縛られて 大木あまり 火球
秋灯の流しに蛸の墨袋 横山房子
秋風に吊して蛸の姿干 長谷川櫂 蓬莱
章魚うすくそぐ俎の余寒かな 鈴木真砂女 生簀籠
章魚さげて島より患者十二月 井上杉香
章魚の鬱矩形にをさめられてゐる 柴田奈美(銀化)
章魚ふるまひ一言一句漁婦したし 古館曹人
章魚を干す天の妖しさ浦施餓鬼 佐野まもる 海郷
章魚を干す泣きたきほどの西日道 田中英子
章魚を干す破戒無漸の天炎ゆる 佐野まもる 海郷
章魚下げて泥の一生蓑のうち 古舘曹人 能登の蛙
章魚乾く裳裾びらきに串打たれ 首藤翠波
章魚壺のかずかず菊も活けたらずや 佐野まもる 海郷
章魚干すや豊旗雲の朝焼に 佐野まもる 海郷
章魚干せば天の青さの炎ゆるなる 佐野まもる 海郷
章魚沈むそのとき海の色をして 上村占魚「鮎」
章魚突の潜けり肢体あをくゆれ 山口草堂
章魚食つて路通はその忌知れずなり 安住敦「柿の木坂雑唱以後」
箱釣の章魚足を投げこどもの日 亀井糸游
糶の蛸ゴム長靴にしがみつく 長谷川寿を(七曜)
糶られゐる蛸がこつそり箱を逃げ 高橋向山
糶り落すこゑに大蛸墨を吐く 南方 惇子
約三十ほし蛸ゆらぐ寝るまでも 平田直樹
純情の蛸ほのぼのと茹で上がる 鳴戸奈菜
網干木に章魚かけ干して夏の雲 高田蝶衣
縄で括る蛸壺の首鰯雲 西村公鳳
聖夜来る蛸壺に闇ひとつづつ 中尾杏子
舟べりへ逃げし飯蛸引きはがす 星野恒彦
色ケ浜ゆふべの緑雨蛸壺に 沢木欣一 地聲
若すぎて海へかへせり尾花蛸 中野のぼる
若狭から麦藁蛸のよよと来し 大石悦子 百花
菜の花や桶に大蛸かしこまる 大木あまり 火球
葡萄酸いか*たもから蛸の脚あがる 竹中宏 句集未収録
蛸かかし濤はしづかになりにけり 飯田蛇笏 雪峡
蛸が目を光らしをると海女浮き来 石井とし夫
蛸さばく素手の男の力瘤 阿部寿雄
蛸つっ突けば冥王星したたる 大畑等
蛸にさるる心電図室冷やかに 石川桂郎 高蘆
蛸の地方の話五人の雨男 高野ムツオ 鳥柱
蛸の恋かたみに足を網目より 小澤實 砧
蛸の手の切口見えて夕しくれ 時雨 正岡子規
蛸の木の根の遣り場なき室の春 高澤良一 さざなみやつこ
蛸の足煮てをり雪の大井町 中拓夫 愛鷹
蛸の足花房のごと畳まれし 宮島晴子
蛸を揉む力は夫に見せまじもの 八木三日女 紅 茸
蛸を突き筍を掘りもてなしぬ 岸本尚毅 舜
蛸博士(ドクター)腹式呼吸教授せり 高澤良一 鳩信
蛸喰うて芋喰うて子午線にゐる 赤尾恵以
蛸壷にあしたばを植ゑ遍路宿 山本悦子
蛸壷に水仙を活けおほせたり 正岡子規
蛸壷の口が笛吹く北颪 阿波武彦
蛸壷の暗き口より雪蛍 本多穆草
蛸壷の海が盛り上げ大卯波 百合山羽公
蛸壷の独房めきて波止は雨 森川いさを(NHK俳壇)
蛸壷の網手操りつつ老いゆけり 奥田恵以子
蛸壷もことにおぼろの朧月 和知喜八 同齢
蛸壷やはかなき夢を夏の月 芭蕉「笈の小文」
蛸壷を出でて夏月徘徊す 中原道夫
蛸壷を見る一片の咳入れて 秋元不死男
蛸壺にいかなる貌の冬の虫 綾部仁喜 寒木
蛸壺におのが名浜の名蜜柑咲く 加倉井秋を 『真名井』
蛸壺に一喝くれて海の雷 高澤良一 暮津
蛸壺に匍ひよる蛸を水目鏡 関圭草
蛸壺に水仙を活けおほせたり 水仙 正岡子規
蛸壺に波音詰まる昼の虫 白井新一
蛸壺に灘の風鳴る北枝の忌 小林俊彦
蛸壺に腰かけ復習ふ神楽笛 米澤吾亦紅
蛸壺のからびきつたる冬の浜 道川虹洋
蛸壺のくだけ易さの松露かな 野村喜舟 小石川
蛸壺のゐごこちいかに夜の潮 大木あまり 火球
蛸壺の中とまはりの空気かな 攝津幸彦 鹿々集
蛸壺の北風受けてころがれり 松藤夏山 夏山句集
蛸壺の口のかげろふ村芝居 桂樟蹊子
蛸壺の口ほうほうと涅槃西風 迫田白庭子
蛸壺の句碑とも春を惜みけり 後藤比奈夫 めんない千鳥
蛸壺の崩れむばかり陽炎へる 五領田幸子
蛸壺の嵩なす壺に布団干す 秋光泉児
蛸壺の紐をとつくり結びして 千々和恵美子
蛸壺の肌の荒さや梅早き 水谷晴光
蛸壺の蟹が貌出す黒船祭 芦澤芦水
蛸壺の野積み浜積み風光る 上田恵美子
蛸壺やはかなき夢を夏の月 芭蕉
蛸壺や昨日とまりし淡路島 藤後左右
蛸壺や雪にならべる越の国 正岡子規
蛸壺を乗せゆく舟や瀬戸の秋 大野芳子
蛸壺を商ひ火山おぼろなり 脇本星浪
蛸壺を見る一片の咳入れて 秋元不死男
蛸市や饑人が持つ椀なども 松瀬青々
蛸干して烏追ふ蜑や須磨の秋 秋 正岡子規
蛸干して鳥追蜑や須磨の秋 秋 正岡子規
蛸干すや五日の凪を讃へつつ 中村君永
蛸提げて夜市戻りや彼もまた 大瀬雁来紅
蛸提げて襤褸の如く若布負ひ 蓼汀
蛸杉の根の張つてゐる穀雨かな 高木良多
蛸枕の棘に刺さるる磯遊び 上原瑞子 『燈台草』
蛸溢る夜市の浜の大盥 亮木滄浪
蛸漁のその大方は朝の内 高澤良一 素抱
蛸漁の沖屹立の利尻富士 墓田いさを
蛸漁の漁師の家はかたまりて 高澤良一 素抱
蛸生簀揺るる軽さとなりにけり 綾部仁喜 樸簡
蛸突きの魚藍かげろへり汐干岩 石塚友二 光塵
蛸突きや睦月の潮にひとり楫 松村蒼石 寒鶯抄
蛸薬師にて初旅の夜が来ぬ 藤田湘子
蛸貝の殻うすうすと桜まじ 川口未来
蛸追へば蟹もはしるや芋畠 炭 太祇 太祇句選
蛸釣りや凪一枚をゆさぶれる 大木あまり 雲の塔
蛸隱す夜の吹雪の小簔かな 吹雪 正岡子規
蛸風船かざして鳩を恐れしむ 北野民夫
蛸魚が目を光らしをると海女浮き来 石井とし夫
蛸魚を怖づ蛸魚の素振りをして海女が 石井とし夫
蝦蛄平目烏賊蛸食ひて恥づかしき 攝津幸彦 鹿々集
融け合う蛸一つ買いたし顔探す 八木三日女 赤い地図
蟇いでゝ蛸壺色をうしなへり 萩原麦草 麦嵐
西行の歌の磯なり蛸を干す 服部鹿頭矢
賀状書く蛸足配線なりしかな 内田美紗 魚眼石
足長き祭の蛸を買ひにけり 佐久間慧子「無伴奏」
踊り果て蛸下げて来る僧の妻 江口ひろし
軒先に蛸吊りて売る竜飛崎 鈴木朗月
軟体や蛸である身の苦労なり 平井照敏
酔父をも繋ぎとめたげ蛸風船 香西照雄 素心
釣り上げし章魚が遁げだす秋うらら 伊藤いと子
釣り人の名を添へ呈す明石蛸 岩洞玉恵
鉤の蛸蠅生れてはとまりけり 清原枴童 枴童句集
銛先に蛸をどらせて裸の子 岡安迷子
長々と蛸も伸びする春の海 大サカ-附鳥 三 月 月別句集「韻塞」
閑なる秋とや蛸も壺のなか 広瀬惟然
関門や大蛸茹だる朝の市 迫田浩子
闇汁や箸に絡まる蛸の足 福原紫朗
阿波雨月蛸がいも喰ふ噺かな 進藤一考
雨の日の魚左次小坪の地蛸なし 高澤良一 寒暑
雲いつか秋なる章魚を干し経たり 佐野まもる 海郷
風船を捩りねじりて蛸生まる 松本益子
風花や軒に蛸干すオホーツク 岡本敬子
食ひつめて蛸部屋番太天の川 早坂浩風
飯章魚の花に死んだるほまれ哉 飯蛸 正岡子規
飯蛸で飲む医師は友果報なり 平田直樹
飯蛸に一壺の酒のあれば足る 大隈草生
飯蛸に猪口才な口ありにけり 中原道夫
飯蛸に行平さまの泪かな 龍岡晋
飯蛸に足のあるこそをかしけれ 松根東洋城
飯蛸に飯ある不幸旬といふ 杉山やす子 『梅東風』
飯蛸のあはれやあれで果てるげな 来山
飯蛸のみな足あげて茹上る 井上緑水
飯蛸の一かたまりや皿の藍 夏目漱石 明治四十一年
飯蛸の墨にまみれて力なし 竹添魚林
飯蛸の大地をつかむで死る哉 飯蛸 正岡子規
飯蛸の干されて空を飛ぶごとし 大串章
飯蛸の手をひろげたり檐の花 飯蛸 正岡子規
飯蛸の手をひろげたる檐端哉 飯蛸 正岡子規
飯蛸の煮上げたる足なべて巻く 尾亀清四郎
飯蛸の糧もつつまず須磨明石 許六
飯蛸の糧もつゝまず須磨明石 許六
飯蛸の莟の花と見ゆるよな 飯蛸 正岡子規
飯蛸の釣れて老婆の釣じまい 花谷和子
飯蛸の頭つゝきつ小鍋立 泉鏡花
飯蛸の飯のゆたかに祝ぎの膳 宮下翠舟
飯蛸の飯残りけり舌の上 至青
飯蛸の飯詰まりしもの選び買ふ 赤木日出子
飯蛸も詰込主義のわれわれも 後藤比奈夫 めんない千鳥
飯蛸や先に齢とる夫ゐて 小島千架子
飯蛸や内浦かけて歌枕 辻田克巳
飯蛸や女は好きな幕の内 中火臣
飯蛸や川を境の須磨明石 成瀬櫻桃子 素心
飯蛸や平家敗れし一の谷 成瀬桜桃子
飯蛸や敦盛さまは討たれたる 龍岡晋
飯蛸や海峡の月黄なりける 谷 迪子
飯蛸や硫黄の薫る山の宿 斎藤志津子
飯蛸や膳の前なる三保の松 夏目漱石
飯蛸や雪にならべる越の国 飯蛸 正岡子規
飯蛸や飯のところを二つ切 野村喜舟 小石川
飯蛸をつかめば夢のごと逃ぐる 澤本三乗
飯蛸をめでたきものとして厨 高野素十
飯蛸を取るたいまつのゆらぎけり 中井ユキ子
飯蛸を奴干しして島の夏 橋爪靖人
飯蛸を歯あらはにぞ召されける 清原枴童
飯蛸を炙る加減に口出せり 能村登四郎
飯蛸を秤りて墨を抜き呉れし 川崎貞香
飯蛸を膳の真中に能登泊 和田ゑい子
飯蛸を食べさせられて病みにけり 仙田洋子 橋のあなたに
飯蛸食ふ腹の欲しがるものならず 藤田湘子 てんてん
飯鱆や身を八つ裂きのなれのはて 飯蛸 正岡子規
魚扠の章魚抱き来し石を落したる 木津柳芽 白鷺抄
麦藁蛸しこしこ男の子生さざりき 中尾杏子
麦藁蛸動いて眼みせにけり 早乙女 健
麦藁蛸足のびのびと干されけり 中村純子 『花守』


以上
by 575fudemakase | 2014-05-16 06:33 | 夏の季語 | Trackback


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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