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雨蛙

雨蛙

例句を挙げる。

あか~と旭さし来りぬ枝蛙 岡本松浜 白菊
いつからか狭庭にゐつく雨蛙 松尾緑富
いつぽんの木へせりあがる雨蛙 栗生純夫 科野路
うたかたに賑ふ水面雨蛙 稲畑汀子
おくは奥のほそ道 雨蛙なけばなお降る 荻原井泉水
からたちの刺ゲを啼きけり雨蛙 野村喜舟 小石川
くつばひの水打つ雨よ枝蛙 大場白水郎
すさまじき霧にひびかふ枝蛙 瀧春一 菜園
つくばひの水打つ雨よ枝蛙 白水郎句集 大場白水郎
つくり雨蛙がそぞめ歩きする 阿波野青畝
とまる木の色となりたる雨蛙 鈴木豊子
ひとつから声増やしゆく雨蛙 岡本差知子
ひとつ音や仰臥の顔に雨蛙 石川桂郎 含羞
ひもすがら青でありたる雨蛙 柿本多映
わが庭の居ごこちよきか雨蛙 美村 文江
一幹の目をやるところ雨蛙 石川桂郎 高蘆
一湾の汐満ちてきし雨蛙 矢部八重
万太郎なき曇り日の雨蛙 三好達治
人見知りする幼な子よ雨蛙 伊藤淳子
仏塔に届かぬ声の雨蛙 古舘曹人
佛塔にとどかぬ聲の雨蛙 古舘曹人 砂の音
保護色に迷うてをりし雨蛙 稲畑廣太郎
切々と殉教の地の雨蛙 古賀まり子 緑の野以後
十月の風雨明けゆく雨蛙 水原秋櫻子
厚朴の葉にころがる雨や枝蛙 木津柳芽 白鷺抄
古きものは楡やにはかに雨蛙 古舘曹人 能登の蛙
坐禅石にねむりふかめて雨蛙 杉本寛
大旱の夜風に鳴きて枝蛙 石原舟月 山鵲
安曇野の夜雲に聡し雨蛙 堀口星眠 営巣期
寄せ書の灯を吹く風や雨蛙 渡辺水巴 白日
少しずつ死んでゆく日の雨蛙 高澤晶子 純愛
尿前のふるみち失せぬ雨蛙 水原秋櫻子
山の子のいつもひとりで雨蛙 中村汀女
山吹の葉の色したり雨蛙 右城暮石 声と声
山柴を外づす肢かも枝蛙 飯田蛇笏 霊芝
山霧や虫にまじりて雨蛙 飯田蛇笏 山廬集
引く草の色より抜けて雨蛙 大滝時司
恐る~芭蕉に乗つて雨蛙 夏目漱石
打ちならぶ嵯峨面くらし雨蛙 堀口星眠 営巣期
掌にのせて冷たきものや雨蛙 太田鴻村 穂国
暗しただ暗し雨蛙啼く 岸風三樓
曇り来て諸仏面伏す雨蛙 水原秋櫻子
月の波ひろごる瀞や雨蛙 佐野青陽人 天の川
朝のみの瓜の花かな雨蛙 碧雲居句集 大谷碧雲居
木がらしにいつすがりてや雨蛙 水田正秀
朱椀まゐる一人茶飯や雨蛙 古舘曹人 能登の蛙
朴の葉にころがる雨や枝蛙 木津柳芽
李白の詩学びそびれし雨蛙 布施キヨ子
枝蛙に小蛇いよ~迫りしぞ 竹下しづの女
枝蛙のど風船にして鳴けり 松田弘子
枝蛙喜雨の緑にまぎれけり 西島麦南 人音
枝蛙女這入りて瓦斯ひねる 下村槐太 天涯
枝蛙子とまねせしに噤みたる 篠原梵 雨
枝蛙居たり塔頭の白壁に 尾崎迷堂 孤輪
枝蛙昼のまゝゐぬ蚊火明り 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
枝蛙病臥の妻に灯をともし 鈴木五鈴
枝蛙痩腹縒れてむかう向き 島村元句集
枝蛙風にもなきて茱萸の花 飯田蛇笏 春蘭
枝蛙鳥のごと鳴く若葉かな 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
枝蛙鳴く行人は気づきをり 飛鳥田[れい]無公 湖におどろく
枝蛙鳴けよと念ふ夜の看護 加藤楸邨
桜の木よりりんりんと雨蛙 原田喬
椎茸の笠きて踊れ枝蛙 中勘助
橋立は雨にかくれて雨蛙 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
武家屋敷暗しくらしと雨蛙 堀口星眠 営巣期
沈黙をまだつゞけゐし雨蛙 右城暮石 上下
灯濡れ葉の枝蛙かも揺れてゐる 林原耒井 蜩
焚きつける風呂の蓋にぞ雨蛙 月舟俳句集 原月舟
煙草盆に雨蛙来し咫尺かな 尾崎迷堂 孤輪
産み月をなほ通ひ婢よ雨蛙 皆吉爽雨
田の神のひとりごちとも雨蛙 星野麥丘人
秀野の碑はまろ肩まろ音の雨蛙 岸田稚魚 筍流し
秋の日や啼いて眠りし枝蛙 渡邊水巴
秋立つや鑑真和上と雨蛙 角川春樹 夢殿
秋風やうしろ向きたる枝蛙 萩原麦草 麦嵐
竹林の整ひゐたる枝蛙 折野美恵子
茶飯とる汝は座禅の雨蛙 古舘曹人 能登の蛙
葛城の雲のうながす雨蛙 水原秋櫻子
葭戸しめてあまりひそかや枝蛙 増田龍雨 龍雨句集
蕗の葉に雨蛙ゐるつひに暮れ 山口青邨
藤の芽を撓めて落ちぬ雨蛙 前田普羅
見えねども枝蛙をり芭蕉の路 小檜山繁子
読むほどに眼ほとびぬ雨蛙 野澤節子 遠い橋
遠き日のてのひらに乗る雨蛙 苗代碧
集金は残り一軒雨蛙 納谷一光
雨に活きてそよぐ街樹や枝蛙 西島麥南 金剛纂
雨の来るまでの夜を鳴く枝蛙 深谷雄大
雨呼ぶや観世音寺の雨蛙 山口青邨
雨呼んで身の軽くなり雨蛙 加藤瑠璃子
雨蛙いきいき鳴けり夜の酒 榎本冬一郎 眼光
雨蛙いただきの葉に居りにけり 大橋櫻坡子 雨月
雨蛙いつも地の神うつむきて 百合山羽公 寒雁
雨蛙おそき蹈鞴を踏み出だす 齋藤玄 飛雪
雨蛙が雨呼ぶ梅の青さにて 細見綾子 花寂び
雨蛙こんこんと寝て産後の子 関戸靖子
雨蛙しきりに鳴いて流れ雲 中野三允
雨蛙たたへきれずに雲の量 野澤節子 遠い橋
雨蛙とびかふ羅漢浄土かな 飴山實 辛酉小雪
雨蛙とびて細枝にかかりけり 飯田蛇笏 山廬集
雨蛙ねむるもつとも小さき相 山口青邨
雨蛙のまぶた金色嬰児も不思議 金子皆子
雨蛙ほろゝと麦にゐるならん 細見綾子 花寂び
雨蛙みじかき手紙母のために 石田 波郷
雨蛙めんどうくさき余生かな 永田耕衣 殺祖
雨蛙よくなく我もミシン踏む 上田 芳子
雨蛙レインコートの女細身 大野林火
雨蛙一枚青き皮膚持てり 立岩利夫
雨蛙乗りて浮葉の定りぬ 後藤比奈夫 初心
雨蛙乾からびて居る日南哉 杉野海棠
雨蛙人を恃みてうたがはず 富安風生
雨蛙児の眼届かぬ辺に逃す 樋笠文
雨蛙告ぐるな邪宗念持仏 水原秋櫻子
雨蛙啼くや一面桑畠 野村喜舟 小石川
雨蛙声高になるもあはれなり 山口素堂
雨蛙折檻の子のやはらかき 石田波郷
雨蛙故人が好きで鳴きにける 岸風三楼 往来
雨蛙斉唱日照雨美しく 山口青邨
雨蛙明恵坐禅の宙に鳴く 右城暮石
雨蛙朝寝の足を冷しをり 米沢吾亦紅 童顔
雨蛙未だみな木に拠らず跳ぶ 下村槐太 天涯
雨蛙杉脳天へまっすぐに 下村槐太 天涯
雨蛙来て居り挿木根付きしよ 右城暮石 上下
雨蛙枝おほかたは闇抱き 渡邊千枝子
雨蛙樫のそよぎに雲忙し 飯田蛇笏 山廬集
雨蛙母の通ひし寺を訪ふ 原裕 『出雲』
雨蛙湯の火いよいよさかんなり 古沢太穂 古沢太穂句集
雨蛙畳叩きて追ひ出せり 奈良文夫
雨蛙石となつたる墓は黙す 水原秋櫻子
雨蛙緑の皮と共に跳ぶ 百合山羽公
雨蛙聞く花茣蓙に手をついて 松村蒼石 雁
雨蛙聴き給ふ仏指を頬に 福田蓼汀 山火
雨蛙芭蕉に乗りて戦(そよ)ぎけり 其角
雨蛙芹伸びすぎてゐたりけり 大場白水郎 散木集
雨蛙若きキャディが日記書く 永井龍男
雨蛙茶の芽の海の微動せず 百合山羽公 寒雁
雨蛙草より上衣まとはぬ旅 古館曹人
雨蛙菜殻焼く火に声合せ 右城暮石 上下
雨蛙葉に乗り柴又の草だんご 長谷川かな女 花寂び
雨蛙西日移りて林檎炎ゆ 飯田龍太
雨蛙透明な円ころがれり 加藤楸邨
雨蛙青梅街道曇りけり 野村喜舟 小石川
雨蛙飲まず食はずの顔をして 右城暮石
雨蛙鳴いて予報を覆す 小島左京
雨蛙鳴いて李の葉はにほふ 高濱年尾 年尾句集
雨蛙鳴いて牧場ひつそりと 高浜年尾
雨蛙鳴くやひゞかふ土と水 沢木欣一 往還
雨蛙鳴く日よ痛む膝の芯 水原秋櫻子
雨蛙黒き仏の宙に鳴く 山口誓子
面影のしかとせかるゝや雨蛙 清水基吉 寒蕭々
鬱として柳の雨や枝蛙 癖三酔句集 岡本癖三酔
麦藁の家してやらん雨蛙 智月 俳諧撰集玉藻集
黄落に声も染まりて雨蛙 堀口星眠 営巣期


以上
by 575fudemakase | 2014-06-03 01:41 | 夏の季語 | Trackback


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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