夏の蝶
夏の蝶
例句を挙げる。
あくがれて夏蝶と越ゆ海の紺 金箱戈止夫
いやといふほどの夏蝶獄の塀 斎藤玄 雁道
うたた寝のかいなをのぼる夏の蝶 宇多喜代子
うつうつと最高を行く揚羽蝶 永田耕衣(1900-97)
おのれより巨き影つれ揚羽蝶 福永耕二
この世あの世を行き交ふ白き梅雨の蝶 鍵和田[のり]子
この道はみなとにつづく揚羽蝶 宗田安正
たましひのぬけし機の翼夏蝶や 久保田万太郎 流寓抄
たまたまの消息が訃ぞ梅雨の蝶 細川加賀
ついてゆく揚羽蝶あり撒水車 高野素十
とんで来て夏蝶のよな女の子 渡辺恭子
なほ高き方へゆかんと揚羽蝶 山口波津女 良人
ひたすらにとびてかなしき揚羽蝶 山口波津女 良人
ぶら下る葉裏明るし梅雨の蝶 清水洋子
ほころびの天衣となりし梅雨の蝶 原裕 『出雲』
ぼろぼろの過去帳今日の揚羽蝶 中山純子
まことちさき花の草にも夏の蝶 原石鼎 花影以後
もつれゆく蝶を行かしめ烏蝶 後藤夜半 底紅
もつれ合ひつ海へ出づ夏の蝶 山本たけを
わが墓を嗅ぎあてにけり揚羽蝶 宗田安正
カメラマンの恋のまま夫梅雨の蝶 石田あき子 見舞籠
カルメンのさながらに舞ふ夏の蝶 鈴木華女
カーナビに無き句碑道や夏の蝶 磯野充伯
ピアノ舁き入る庭に夏蝶の祝福図 林翔 和紙
ミイラ見しひとみをよぎる夏の蝶 加藤耕子
作業衣の灯台長に夏の蝶 三好茱萸子
信号青渡るよ夏蝶まつ先に 三輪静子
入院の行李ひとつや梅雨の蝶 山田文男
再びは見ず夏蝶の谷越ゆを 下村槐太 天涯
出会ひがしらに夏蝶唇に触るゆゆし 鈴木栄子
出家とは若狭の夏の蝶なりし 堀之内長一
初蝶にあらず初めて烏蝶 後藤夜半 底紅
千曲川しづかに迅し夏の蝶 柴田白葉女
参観授業乱す夏蝶まよひ来て 樋笠文
叢にこま~と飛ぶや夏の蝶 西山泊雲 泊雲句集
咲きのぼる秋暑の胡麻に烏蝶 麦南
喪の使者の導くごとく烏蝶 福田蓼汀 秋風挽歌
国立美術館より夏の蝶 橋本榮治 逆旅
坂尽きて背の子をおろす夏の蝶 福田蓼汀 秋風挽歌
壺の蜜ゆるみはじめる揚羽蝶 桂信子 遠い橋
夏されば渦の空にも揚羽蝶 佐野まもる 海郷
夏の蝶あいくちのごと地におちし 川口重美
夏の蝶いくつも蕗葉はなれけり 金尾梅の門 古志の歌
夏の蝶一つ雪渓渡りけり 金尾梅の門 古志の歌
夏の蝶一族絶えし墓どころ 柴田白葉女 遠い橋
夏の蝶一顧せし地にわれらあり 中村汀女
夏の蝶七谷越えて落ちゆけり 原田喬
夏の蝶仰いで空に摶たれけり 日野草城
夏の蝶大杉谿を逆落し 鈴鹿野風呂 浜木綿
夏の蝶日かげ日なたと飛びにけり 高浜虚子
夏の蝶書寫の杉間の深さ飛ぶ 高田蝶衣
夏の蝶杉高ければ高きまで 青柳志解樹
夏の蝶波郷酔歩の如く舞ひ 水原春郎
夏の蝶神の急使として過ぎし 山本歩禅
夏の蝶翔け青歯朶の日も緑 福田蓼汀 秋風挽歌
夏の蝶風呂敷包み道に置き 細見綾子 花寂び
夏の蝶飛んで高しや貴船村 高濱虚子
夏の蝶高みより影おとしくる 久保田万太郎 草の丈
夏蝶が翳りを連れてくる鏡 対馬康子 吾亦紅
夏蝶と並ぶ一瞬北の旅 鈴木六林男
夏蝶と云ふ遥けさを見返らむ 寺田澄史
夏蝶に導かれ住む都かな 阿部みどり女
夏蝶に狂ひさうなる花時計 櫛原希伊子
夏蝶に髪膚ゆだね薊煎る 竹下しづの女句文集 昭和二十四年
夏蝶のあらあらしきは喪の使 有馬籌子
夏蝶のかなた踏絵をふみし日は 赤松[けい]子 白毫
夏蝶のしばし息つぐ聖十字 加藤耕子
夏蝶のつかず離れず乳母車 清野よし子
夏蝶のはるかにくだる港かな 夏井いつき
夏蝶のましろに現れぬ一位の木 鈴木しげを
夏蝶のまだらマグダラマリアかな 夏井いつき
夏蝶のやさしからざる眸の光り 飯田蛇笏 椿花集
夏蝶のわたれる池を乾しにけり 古舘曹人 砂の音
夏蝶の乗り来て電車軽くなる 都筑智子
夏蝶の人目引かむと来て白し 日置草崖
夏蝶の出入自在や仁王門 阿波野青畝
夏蝶の去り白墨の音戻る 藤井彰二
夏蝶の吹かれ来て飲む溶岩の水 富田うしほ
夏蝶の夢見る状に翅うごく 今井竜蝦
夏蝶の影や大地は水のごとし 河内静魚
夏蝶の影揺れやまぬ楽譜かな 仙田洋子 雲は王冠
夏蝶の息づく瑠璃や楓の葉 水原秋櫻子
夏蝶の放ちしごとく高くとぶ 阿部みどり女 『光陰』
夏蝶の武蔵ぶりなり大いなり 筑紫磐井 婆伽梵
夏蝶の歯朶ゆりて又雨来る 飯田蛇笏
夏蝶の目くらく一対一でゐる 成井恵子
夏蝶の目まぐるしけれ花を剪る 及川 貞
夏蝶の眩しき野合見てゐたる 高澤良一 素抱
夏蝶の粉に咽びし息の緒か 山下真理子
夏蝶の翔りて暗き草の庵 後藤夜半 底紅
夏蝶の聖母敬ひつつ纒ふ 殿村莵絲子 花 季
夏蝶の触るゝも迅し離るゝも 渡辺桂子
夏蝶の越えゆく荒瀬とどろくも 内藤吐天 鳴海抄
夏蝶の越ゆる国境検問所 水田光雄
夏蝶の風なき刻を飛べりけり 池上浩山人
夏蝶の魏より来たらしうすよごれ 坊城俊樹
夏蝶の黒き閃き追ひてゆく 仙田洋子 雲は王冠
夏蝶の黒さを夢にもてあます 高橋謙次郎
夏蝶は沙漠の影に入らず舞ふ 仙田 洋子
夏蝶は砂漠の影に入らず舞ふ 仙田洋子 雲は王冠
夏蝶も紺紙金泥の経ならむ 水原秋櫻子
夏蝶やくわんおんの楽壺中より 加藤耕子
夏蝶やはらひかねたる旅の塵 小林康治 四季貧窮
夏蝶やわれは今日待ち今日去らせ 中村汀女
夏蝶や古江浪立ちタブの蔭 前田普羅 能登蒼し
夏蝶や夕べ明かるむ道の隈 三谷昭 獣身
夏蝶や夫の尺度の外に出て 中山芳江
夏蝶や女神の首はつとになし 古舘曹人 砂の音
夏蝶や孫の産着の水洗い 桑山撫子
夏蝶や布裁ち糸巻くこと切に 野澤節子 黄 瀬
夏蝶や我が句に時節絶ゆるなし 尾崎迷堂 孤輪
夏蝶や木天蓼の葉の白きより 汽笛 勝峯晋風
夏蝶や楽人の頭のみな揺れて 原コウ子
夏蝶や歯朶の茂みにくゞり入り 小杉余子 余子句選
夏蝶や歯朶ゆりて又雨来る 飯田蛇笏 山廬集
夏蝶や神の座高き幼修士 下村ひろし 西陲集
夏蝶や老の肘にもあるえくぼ 北原志満子
夏蝶や花圃一坪の妻の幸 岩瀬善夫
夏蝶や花魁草にばかり来る 阿部みどり女 笹鳴
夏蝶や途切れてはまた塩の道 塩野崎巻浪
夏蝶を聖母敬ひつゝ纏ふ 殿村菟絲子 『繪硝子』
夏蝶翔るや杉に流れ来て真一文字 島村元句集
夕立来烏蝶飛び烏飛び 川端茅舎
大揚羽蝶牛車の軽き荷の上を 八十島稔 炎日
大椎の中よりいでし梅雨の蝶 阿部みどり女 笹鳴
天網に匿はれたる夏の蝶 佐藤麻績
天降り来て身心臭し揚羽蝶 永田耕衣 吹毛集
天降り来る夏の蝶殖えもせず二つ 長谷川かな女 花寂び
太陽の黒点となる揚羽蝶 小島花枝
子のあとを母と夏蝶従いてゆく 阿部みどり女
安楽に夏蝶翔り車椅子 長谷川かな女 花寂び
山の子に翅きしきしと夏の蝶 秋元不死男
山の蝶どこにもつけり梅雨の茶屋 長谷川かな女 雨 月
岩伝ふ鎖に休む夏の蝶 有賀玲子
帰去来はわが心にも夏の蝶 高野素十
常山木の花に暫時尻曲げ揚羽蝶 西山泊雲 泊雲句集
常磐木の花あるらしや梅雨の蝶 高木晴子 花 季
平然と夏蝶前を横切れり 星野 高士
幻もあるべし梅雨の蝶殖えぬ 相生垣瓜人 明治草抄
恙ひと日地を擦りゆける梅雨の蝶 岡田 和子
情欲やこはれてひかる夏の蝶 夏井いつき
懶しやたわたわ沈む梅雨の蝶 臼田亞浪 定本亜浪句集
我が来たる道の終りに揚羽蝶 永田耕衣 驢鳴集
捕虫網ふるへてとれぬ揚羽蝶 天野佐喜子
揚羽蝶おいらん草にぶら下る 高野素十
揚羽蝶おのれの翳に疲るるや 朝倉和江
揚羽蝶しばらく石に遊びおり 久保純夫 聖樹
揚羽蝶とぶ密林を知りつくし 右城暮石 声と声
揚羽蝶ねむりの国の蒼くあり 桂信子 樹影
揚羽蝶ひらかなのごと宙舞へり 谷口桂子
揚羽蝶もつれ合ふとき藍発す 羽部洞然
揚羽蝶使者のごとくに遺跡ゆく 鈴木 照子
揚羽蝶困ず吾在り妻と在り 永田耕衣 驢鳴集
揚羽蝶渡ればやみぬ汐まねき 楠部九二緒
揚羽蝶舞ひいづる墓を洗ひけり 岸風三楼 往来
揚羽蝶誇りの翅の大破して 山口波津女
揚羽蝶蹤きゆく吾とひと知るや 福永耕二
揚羽蝶遠忌の柱叩くかな 柿本多映
揚羽蝶鏡に入りて黄を濃くす 谷口桂子
揚羽蝶雨後の路地より発ちゆけり 高澤良一 素抱
揚羽蝶飛ぶ密林を知りつくし 右城暮石
撒水の土に身さまし歩行く揚羽蝶 西山泊雲 泊雲句集
教会の木の扉から夏の蝶 熊谷愛子
旅に出るやうに家出を揚羽蝶 櫂未知子 蒙古斑
旅人の如くに汚れ梅雨の蝶 上野泰 春潮
日当ればすぐそこにふえ梅雨の蝶 深川正一郎
日除帽被て烏蝶遠ざくる 後藤夜半 底紅
晒井の底より見たる揚羽蝶 加藤かけい
暗きまで沼は緑や烏蝶 依田明倫
暫くは激しくもつれ夏の蝶 竹尾嘉文
暮るゝまで山の夏蝶飛んでゐし 小林 たか子
最後まで生きぬくは誰梅雨の蝶 星野立子
有刺鉄線などに夏蝶阻まれず 稲垣きくの 黄 瀬
木の暗を音なくて出づ揚羽蝶 誓子
杉の間を音ある如く夏の蝶 星野立子
松に来て翅たゝみぬ夏の蝶 軽部烏帽子 [しどみ]の花
松の肌荒くて通る揚羽蝶 山口波津女 良人
柚の花につきてぞ上る烏蝶 飯田蛇笏 椿花集
柱状節理揚羽蝶まぎれ入る 駒 志津子
梅雨の蝶たま~まよひ来て黄なり 久保田万太郎 草の丈
梅雨の蝶のみかは森に息ふかし 有働亨 汐路
梅雨の蝶わが家を去らずとゞまらず 相馬遷子 山国
梅雨の蝶人の訃いつもひらりと来 鈴木栄子
梅雨の蝶人人の列くぐりけり 磯野多希
梅雨の蝶埃のごとく樹々に群れ 高澤良一 素抱
梅雨の蝶妻来つつあるやも知れず 石田波郷
梅雨の蝶少しの庭に出であそぶ 上野さち子
梅雨の蝶泣きたき日とてあるものを 小谷伸子
梅雨の蝶白しレールにとまるかな 野村喜舟
梅雨の蝶相逢はしめて芒反る 石塚友二 光塵
梅雨の蝶破れかぶれとなりにけり 香西照雄 素心
梅雨の蝶翔たざるは汝も祈るにや 成瀬桜桃子 風色
梅雨の蝶苔の青さの激しき刻 岸田稚魚 筍流し
梅雨の蝶草むらを出て大空へ みどり女
梅雨の蝶見てゐて眠し旅戻り 高濱年尾 年尾句集
梅雨の蝶鉄骨を組む奥明し 小林康治 玄霜
梅雨の蝶集金乙女今どこに 香西照雄 素心
森で逢びき正方形の夏の蝶 寺山修司 花粉航海
森深く泳ぎて白し梅雨の蝶 白岩三郎
残る壁赭し夏蝶の野に聳え 殿村莵絲子 花 季
水打てば夏蝶そこに生れけり 高濱虚子
汚れてはをらざる梅雨の蝶来る 相生垣瓜人 明治草抄
海のいろたたへてうるむ揚羽蝶 朝倉 和江
海わたる夏蝶句碑にまはり来る 阿部みどり女
海坂へ近道ありや夏の蝶 殿村莵絲子 雨 月
海近き駅に降り立つ揚羽蝶 田中裕明 山信
深呼吸して夏蝶を大きくす 高尾豊子
渇きつつ草にもつかず夏の蝶 小池文子 巴里蕭条
渓下る大揚羽蝶どこまでも 飯田蛇笏 霊芝
溶岩赭く夏蝶つかみどころなし 古舘曹人 能登の蛙
漆黒の揚羽蝶彫り陶枕 辻桃子
濃霧はれし釧路の町や夏の蝶 田中冬二 麦ほこり
烏蝶あはれ啼かねば昏れてしまふ 三橋鷹女
烏蝶あはれ啼かねば暮れてしまふ 三橋鷹女
烏蝶けはひは人とことならず 川端茅舎
烏蝶ゆきて翔たするもののあり 後藤夜半 底紅
烏蝶好きにはあらず心惹く 後藤夜半 底紅
烏蝶来ては胃の腑に陰すなり 相生垣瓜人 微茫集
烏蝶水辺の朝を樹がくれぬ 五十崎古郷句集
烏蝶水際の砂に水を吸ふ 高濱年尾
烏蝶浚渫の爪ががと開らく 成田千空 地霊
烏蝶胡麻刈る額をあふちけり 西島麦南 人音
烏蝶追ふ少年を少女追ひ 橋本鶏二
烏蝶鳥の如くに翔けり去る 五十崎古郷句集
熔岩赭く夏蝶つかみどころなし 古館曹人
珠姫の菩提寺荒れつ夏の蝶 有働亨 汐路
療園に時間は澱む揚羽蝶 有働亨 汐路
眼下津軽肩はなれゆく夏の蝶 加藤楸邨
石のうへ圧しつゝとぶ揚羽蝶 百合山羽公 故園
石壊えて夏蝶の天鮮しや 林翔 和紙
礎石よりけぶらひ立てる夏の蝶 原裕 青垣
秋櫻子忌のけふ低からず梅雨の蝶 斎藤 節子
稲架照らす提灯の紋ぞ揚羽蝶 水原秋櫻子
竹林の奥の日向を梅雨の蝶 星野立子
竹林へ何すべくきて夏の蝶 大木あまり 火球
細書きの鏡花の墓に梅雨の蝶 藤岡筑邨
絵硝子の秘色をぬすむ揚羽蝶 朝倉和江
絶景といふ宙吊りの烏蝶(太魯閣峡谷) 石原八束 『藍微塵』
緑陰もまたおちつかず揚羽蝶 桂信子 黄 瀬
縋るもの探して低し梅雨の蝶 池田秀水
習ひあふザイルさばきや梅雨の蝶 堀口星眠 営巣期
考への先をよぎりし梅雨の蝶 副島いみ子
聖像はマオリの色に夏の蝶 秋尾 敏
肥料背負ふ先へ先へと烏蝶 吉澤きみ子
舞ひ下りて真白き夏の蝶となる 前山 百年
草々の容をなぞり夏の蝶 高澤良一 素抱
草むらを風に追はるる梅雨の蝶 池口美奈子
虹たつや常山木に顫ふ烏蝶 飯田蛇笏 霊芝
袖櫓つたひに夏の蝶荒し 後藤夜半 底紅
谷越えるまで夏蝶の持ち時間 齋藤愼爾
貯金箱砕けて夏の蝶放つ 対馬康子 吾亦紅
遠つ世もかく飛びたるや夏の蝶 吉屋信子
金色のみなぎる梅雨の蝶生れし 宮崎敬介
鎌倉やことに大きな揚羽蝶 桂信子
長生やある時間以後揚羽蝶 中尾寿美子
降りいでし草より松へ夏の蝶 軽部烏帽子 [しどみ]の花
隠寮に見えたる婦人烏蝶 百合山羽公 故園
雨の糸たぐりのぼりし梅雨の蝶 高木晴子 晴居
雲霧や夏の蝶とぶ箸のさき 西島麦南 人音
風おらび夏蝶よりも馬怯む 殿村莵絲子 花 季
風こぼすものより夏の蝶となる 稲畑汀子
風に堪へ花を去らざる揚羽蝶 高橋淡路女 梶の葉
飴ねぶる子にひらめくや夏の蝶 金尾梅の門 古志の歌
飽食の牛のうす眼に梅雨の蝶 伊藤京子
駈けり来し大烏蝶曼珠沙華 高浜虚子
高く遠く番ひ離れし夏の蝶 前田普羅
高原の夏の薊に山の蝶 高濱年尾 年尾句集
高枝に影してあそぶ夏の蝶 松村蒼石 寒鶯抄
黒牛を越ゆ夏蝶のあらあらし 那須淳男
以上
例句を挙げる。
あくがれて夏蝶と越ゆ海の紺 金箱戈止夫
いやといふほどの夏蝶獄の塀 斎藤玄 雁道
うたた寝のかいなをのぼる夏の蝶 宇多喜代子
うつうつと最高を行く揚羽蝶 永田耕衣(1900-97)
おのれより巨き影つれ揚羽蝶 福永耕二
この世あの世を行き交ふ白き梅雨の蝶 鍵和田[のり]子
この道はみなとにつづく揚羽蝶 宗田安正
たましひのぬけし機の翼夏蝶や 久保田万太郎 流寓抄
たまたまの消息が訃ぞ梅雨の蝶 細川加賀
ついてゆく揚羽蝶あり撒水車 高野素十
とんで来て夏蝶のよな女の子 渡辺恭子
なほ高き方へゆかんと揚羽蝶 山口波津女 良人
ひたすらにとびてかなしき揚羽蝶 山口波津女 良人
ぶら下る葉裏明るし梅雨の蝶 清水洋子
ほころびの天衣となりし梅雨の蝶 原裕 『出雲』
ぼろぼろの過去帳今日の揚羽蝶 中山純子
まことちさき花の草にも夏の蝶 原石鼎 花影以後
もつれゆく蝶を行かしめ烏蝶 後藤夜半 底紅
もつれ合ひつ海へ出づ夏の蝶 山本たけを
わが墓を嗅ぎあてにけり揚羽蝶 宗田安正
カメラマンの恋のまま夫梅雨の蝶 石田あき子 見舞籠
カルメンのさながらに舞ふ夏の蝶 鈴木華女
カーナビに無き句碑道や夏の蝶 磯野充伯
ピアノ舁き入る庭に夏蝶の祝福図 林翔 和紙
ミイラ見しひとみをよぎる夏の蝶 加藤耕子
作業衣の灯台長に夏の蝶 三好茱萸子
信号青渡るよ夏蝶まつ先に 三輪静子
入院の行李ひとつや梅雨の蝶 山田文男
再びは見ず夏蝶の谷越ゆを 下村槐太 天涯
出会ひがしらに夏蝶唇に触るゆゆし 鈴木栄子
出家とは若狭の夏の蝶なりし 堀之内長一
初蝶にあらず初めて烏蝶 後藤夜半 底紅
千曲川しづかに迅し夏の蝶 柴田白葉女
参観授業乱す夏蝶まよひ来て 樋笠文
叢にこま~と飛ぶや夏の蝶 西山泊雲 泊雲句集
咲きのぼる秋暑の胡麻に烏蝶 麦南
喪の使者の導くごとく烏蝶 福田蓼汀 秋風挽歌
国立美術館より夏の蝶 橋本榮治 逆旅
坂尽きて背の子をおろす夏の蝶 福田蓼汀 秋風挽歌
壺の蜜ゆるみはじめる揚羽蝶 桂信子 遠い橋
夏されば渦の空にも揚羽蝶 佐野まもる 海郷
夏の蝶あいくちのごと地におちし 川口重美
夏の蝶いくつも蕗葉はなれけり 金尾梅の門 古志の歌
夏の蝶一つ雪渓渡りけり 金尾梅の門 古志の歌
夏の蝶一族絶えし墓どころ 柴田白葉女 遠い橋
夏の蝶一顧せし地にわれらあり 中村汀女
夏の蝶七谷越えて落ちゆけり 原田喬
夏の蝶仰いで空に摶たれけり 日野草城
夏の蝶大杉谿を逆落し 鈴鹿野風呂 浜木綿
夏の蝶日かげ日なたと飛びにけり 高浜虚子
夏の蝶書寫の杉間の深さ飛ぶ 高田蝶衣
夏の蝶杉高ければ高きまで 青柳志解樹
夏の蝶波郷酔歩の如く舞ひ 水原春郎
夏の蝶神の急使として過ぎし 山本歩禅
夏の蝶翔け青歯朶の日も緑 福田蓼汀 秋風挽歌
夏の蝶風呂敷包み道に置き 細見綾子 花寂び
夏の蝶飛んで高しや貴船村 高濱虚子
夏の蝶高みより影おとしくる 久保田万太郎 草の丈
夏蝶が翳りを連れてくる鏡 対馬康子 吾亦紅
夏蝶と並ぶ一瞬北の旅 鈴木六林男
夏蝶と云ふ遥けさを見返らむ 寺田澄史
夏蝶に導かれ住む都かな 阿部みどり女
夏蝶に狂ひさうなる花時計 櫛原希伊子
夏蝶に髪膚ゆだね薊煎る 竹下しづの女句文集 昭和二十四年
夏蝶のあらあらしきは喪の使 有馬籌子
夏蝶のかなた踏絵をふみし日は 赤松[けい]子 白毫
夏蝶のしばし息つぐ聖十字 加藤耕子
夏蝶のつかず離れず乳母車 清野よし子
夏蝶のはるかにくだる港かな 夏井いつき
夏蝶のましろに現れぬ一位の木 鈴木しげを
夏蝶のまだらマグダラマリアかな 夏井いつき
夏蝶のやさしからざる眸の光り 飯田蛇笏 椿花集
夏蝶のわたれる池を乾しにけり 古舘曹人 砂の音
夏蝶の乗り来て電車軽くなる 都筑智子
夏蝶の人目引かむと来て白し 日置草崖
夏蝶の出入自在や仁王門 阿波野青畝
夏蝶の去り白墨の音戻る 藤井彰二
夏蝶の吹かれ来て飲む溶岩の水 富田うしほ
夏蝶の夢見る状に翅うごく 今井竜蝦
夏蝶の影や大地は水のごとし 河内静魚
夏蝶の影揺れやまぬ楽譜かな 仙田洋子 雲は王冠
夏蝶の息づく瑠璃や楓の葉 水原秋櫻子
夏蝶の放ちしごとく高くとぶ 阿部みどり女 『光陰』
夏蝶の武蔵ぶりなり大いなり 筑紫磐井 婆伽梵
夏蝶の歯朶ゆりて又雨来る 飯田蛇笏
夏蝶の目くらく一対一でゐる 成井恵子
夏蝶の目まぐるしけれ花を剪る 及川 貞
夏蝶の眩しき野合見てゐたる 高澤良一 素抱
夏蝶の粉に咽びし息の緒か 山下真理子
夏蝶の翔りて暗き草の庵 後藤夜半 底紅
夏蝶の聖母敬ひつつ纒ふ 殿村莵絲子 花 季
夏蝶の触るゝも迅し離るゝも 渡辺桂子
夏蝶の越えゆく荒瀬とどろくも 内藤吐天 鳴海抄
夏蝶の越ゆる国境検問所 水田光雄
夏蝶の風なき刻を飛べりけり 池上浩山人
夏蝶の魏より来たらしうすよごれ 坊城俊樹
夏蝶の黒き閃き追ひてゆく 仙田洋子 雲は王冠
夏蝶の黒さを夢にもてあます 高橋謙次郎
夏蝶は沙漠の影に入らず舞ふ 仙田 洋子
夏蝶は砂漠の影に入らず舞ふ 仙田洋子 雲は王冠
夏蝶も紺紙金泥の経ならむ 水原秋櫻子
夏蝶やくわんおんの楽壺中より 加藤耕子
夏蝶やはらひかねたる旅の塵 小林康治 四季貧窮
夏蝶やわれは今日待ち今日去らせ 中村汀女
夏蝶や古江浪立ちタブの蔭 前田普羅 能登蒼し
夏蝶や夕べ明かるむ道の隈 三谷昭 獣身
夏蝶や夫の尺度の外に出て 中山芳江
夏蝶や女神の首はつとになし 古舘曹人 砂の音
夏蝶や孫の産着の水洗い 桑山撫子
夏蝶や布裁ち糸巻くこと切に 野澤節子 黄 瀬
夏蝶や我が句に時節絶ゆるなし 尾崎迷堂 孤輪
夏蝶や木天蓼の葉の白きより 汽笛 勝峯晋風
夏蝶や楽人の頭のみな揺れて 原コウ子
夏蝶や歯朶の茂みにくゞり入り 小杉余子 余子句選
夏蝶や歯朶ゆりて又雨来る 飯田蛇笏 山廬集
夏蝶や神の座高き幼修士 下村ひろし 西陲集
夏蝶や老の肘にもあるえくぼ 北原志満子
夏蝶や花圃一坪の妻の幸 岩瀬善夫
夏蝶や花魁草にばかり来る 阿部みどり女 笹鳴
夏蝶や途切れてはまた塩の道 塩野崎巻浪
夏蝶を聖母敬ひつゝ纏ふ 殿村菟絲子 『繪硝子』
夏蝶翔るや杉に流れ来て真一文字 島村元句集
夕立来烏蝶飛び烏飛び 川端茅舎
大揚羽蝶牛車の軽き荷の上を 八十島稔 炎日
大椎の中よりいでし梅雨の蝶 阿部みどり女 笹鳴
天網に匿はれたる夏の蝶 佐藤麻績
天降り来て身心臭し揚羽蝶 永田耕衣 吹毛集
天降り来る夏の蝶殖えもせず二つ 長谷川かな女 花寂び
太陽の黒点となる揚羽蝶 小島花枝
子のあとを母と夏蝶従いてゆく 阿部みどり女
安楽に夏蝶翔り車椅子 長谷川かな女 花寂び
山の子に翅きしきしと夏の蝶 秋元不死男
山の蝶どこにもつけり梅雨の茶屋 長谷川かな女 雨 月
岩伝ふ鎖に休む夏の蝶 有賀玲子
帰去来はわが心にも夏の蝶 高野素十
常山木の花に暫時尻曲げ揚羽蝶 西山泊雲 泊雲句集
常磐木の花あるらしや梅雨の蝶 高木晴子 花 季
平然と夏蝶前を横切れり 星野 高士
幻もあるべし梅雨の蝶殖えぬ 相生垣瓜人 明治草抄
恙ひと日地を擦りゆける梅雨の蝶 岡田 和子
情欲やこはれてひかる夏の蝶 夏井いつき
懶しやたわたわ沈む梅雨の蝶 臼田亞浪 定本亜浪句集
我が来たる道の終りに揚羽蝶 永田耕衣 驢鳴集
捕虫網ふるへてとれぬ揚羽蝶 天野佐喜子
揚羽蝶おいらん草にぶら下る 高野素十
揚羽蝶おのれの翳に疲るるや 朝倉和江
揚羽蝶しばらく石に遊びおり 久保純夫 聖樹
揚羽蝶とぶ密林を知りつくし 右城暮石 声と声
揚羽蝶ねむりの国の蒼くあり 桂信子 樹影
揚羽蝶ひらかなのごと宙舞へり 谷口桂子
揚羽蝶もつれ合ふとき藍発す 羽部洞然
揚羽蝶使者のごとくに遺跡ゆく 鈴木 照子
揚羽蝶困ず吾在り妻と在り 永田耕衣 驢鳴集
揚羽蝶渡ればやみぬ汐まねき 楠部九二緒
揚羽蝶舞ひいづる墓を洗ひけり 岸風三楼 往来
揚羽蝶誇りの翅の大破して 山口波津女
揚羽蝶蹤きゆく吾とひと知るや 福永耕二
揚羽蝶遠忌の柱叩くかな 柿本多映
揚羽蝶鏡に入りて黄を濃くす 谷口桂子
揚羽蝶雨後の路地より発ちゆけり 高澤良一 素抱
揚羽蝶飛ぶ密林を知りつくし 右城暮石
撒水の土に身さまし歩行く揚羽蝶 西山泊雲 泊雲句集
教会の木の扉から夏の蝶 熊谷愛子
旅に出るやうに家出を揚羽蝶 櫂未知子 蒙古斑
旅人の如くに汚れ梅雨の蝶 上野泰 春潮
日当ればすぐそこにふえ梅雨の蝶 深川正一郎
日除帽被て烏蝶遠ざくる 後藤夜半 底紅
晒井の底より見たる揚羽蝶 加藤かけい
暗きまで沼は緑や烏蝶 依田明倫
暫くは激しくもつれ夏の蝶 竹尾嘉文
暮るゝまで山の夏蝶飛んでゐし 小林 たか子
最後まで生きぬくは誰梅雨の蝶 星野立子
有刺鉄線などに夏蝶阻まれず 稲垣きくの 黄 瀬
木の暗を音なくて出づ揚羽蝶 誓子
杉の間を音ある如く夏の蝶 星野立子
松に来て翅たゝみぬ夏の蝶 軽部烏帽子 [しどみ]の花
松の肌荒くて通る揚羽蝶 山口波津女 良人
柚の花につきてぞ上る烏蝶 飯田蛇笏 椿花集
柱状節理揚羽蝶まぎれ入る 駒 志津子
梅雨の蝶たま~まよひ来て黄なり 久保田万太郎 草の丈
梅雨の蝶のみかは森に息ふかし 有働亨 汐路
梅雨の蝶わが家を去らずとゞまらず 相馬遷子 山国
梅雨の蝶人の訃いつもひらりと来 鈴木栄子
梅雨の蝶人人の列くぐりけり 磯野多希
梅雨の蝶埃のごとく樹々に群れ 高澤良一 素抱
梅雨の蝶妻来つつあるやも知れず 石田波郷
梅雨の蝶少しの庭に出であそぶ 上野さち子
梅雨の蝶泣きたき日とてあるものを 小谷伸子
梅雨の蝶白しレールにとまるかな 野村喜舟
梅雨の蝶相逢はしめて芒反る 石塚友二 光塵
梅雨の蝶破れかぶれとなりにけり 香西照雄 素心
梅雨の蝶翔たざるは汝も祈るにや 成瀬桜桃子 風色
梅雨の蝶苔の青さの激しき刻 岸田稚魚 筍流し
梅雨の蝶草むらを出て大空へ みどり女
梅雨の蝶見てゐて眠し旅戻り 高濱年尾 年尾句集
梅雨の蝶鉄骨を組む奥明し 小林康治 玄霜
梅雨の蝶集金乙女今どこに 香西照雄 素心
森で逢びき正方形の夏の蝶 寺山修司 花粉航海
森深く泳ぎて白し梅雨の蝶 白岩三郎
残る壁赭し夏蝶の野に聳え 殿村莵絲子 花 季
水打てば夏蝶そこに生れけり 高濱虚子
汚れてはをらざる梅雨の蝶来る 相生垣瓜人 明治草抄
海のいろたたへてうるむ揚羽蝶 朝倉 和江
海わたる夏蝶句碑にまはり来る 阿部みどり女
海坂へ近道ありや夏の蝶 殿村莵絲子 雨 月
海近き駅に降り立つ揚羽蝶 田中裕明 山信
深呼吸して夏蝶を大きくす 高尾豊子
渇きつつ草にもつかず夏の蝶 小池文子 巴里蕭条
渓下る大揚羽蝶どこまでも 飯田蛇笏 霊芝
溶岩赭く夏蝶つかみどころなし 古舘曹人 能登の蛙
漆黒の揚羽蝶彫り陶枕 辻桃子
濃霧はれし釧路の町や夏の蝶 田中冬二 麦ほこり
烏蝶あはれ啼かねば昏れてしまふ 三橋鷹女
烏蝶あはれ啼かねば暮れてしまふ 三橋鷹女
烏蝶けはひは人とことならず 川端茅舎
烏蝶ゆきて翔たするもののあり 後藤夜半 底紅
烏蝶好きにはあらず心惹く 後藤夜半 底紅
烏蝶来ては胃の腑に陰すなり 相生垣瓜人 微茫集
烏蝶水辺の朝を樹がくれぬ 五十崎古郷句集
烏蝶水際の砂に水を吸ふ 高濱年尾
烏蝶浚渫の爪ががと開らく 成田千空 地霊
烏蝶胡麻刈る額をあふちけり 西島麦南 人音
烏蝶追ふ少年を少女追ひ 橋本鶏二
烏蝶鳥の如くに翔けり去る 五十崎古郷句集
熔岩赭く夏蝶つかみどころなし 古館曹人
珠姫の菩提寺荒れつ夏の蝶 有働亨 汐路
療園に時間は澱む揚羽蝶 有働亨 汐路
眼下津軽肩はなれゆく夏の蝶 加藤楸邨
石のうへ圧しつゝとぶ揚羽蝶 百合山羽公 故園
石壊えて夏蝶の天鮮しや 林翔 和紙
礎石よりけぶらひ立てる夏の蝶 原裕 青垣
秋櫻子忌のけふ低からず梅雨の蝶 斎藤 節子
稲架照らす提灯の紋ぞ揚羽蝶 水原秋櫻子
竹林の奥の日向を梅雨の蝶 星野立子
竹林へ何すべくきて夏の蝶 大木あまり 火球
細書きの鏡花の墓に梅雨の蝶 藤岡筑邨
絵硝子の秘色をぬすむ揚羽蝶 朝倉和江
絶景といふ宙吊りの烏蝶(太魯閣峡谷) 石原八束 『藍微塵』
緑陰もまたおちつかず揚羽蝶 桂信子 黄 瀬
縋るもの探して低し梅雨の蝶 池田秀水
習ひあふザイルさばきや梅雨の蝶 堀口星眠 営巣期
考への先をよぎりし梅雨の蝶 副島いみ子
聖像はマオリの色に夏の蝶 秋尾 敏
肥料背負ふ先へ先へと烏蝶 吉澤きみ子
舞ひ下りて真白き夏の蝶となる 前山 百年
草々の容をなぞり夏の蝶 高澤良一 素抱
草むらを風に追はるる梅雨の蝶 池口美奈子
虹たつや常山木に顫ふ烏蝶 飯田蛇笏 霊芝
袖櫓つたひに夏の蝶荒し 後藤夜半 底紅
谷越えるまで夏蝶の持ち時間 齋藤愼爾
貯金箱砕けて夏の蝶放つ 対馬康子 吾亦紅
遠つ世もかく飛びたるや夏の蝶 吉屋信子
金色のみなぎる梅雨の蝶生れし 宮崎敬介
鎌倉やことに大きな揚羽蝶 桂信子
長生やある時間以後揚羽蝶 中尾寿美子
降りいでし草より松へ夏の蝶 軽部烏帽子 [しどみ]の花
隠寮に見えたる婦人烏蝶 百合山羽公 故園
雨の糸たぐりのぼりし梅雨の蝶 高木晴子 晴居
雲霧や夏の蝶とぶ箸のさき 西島麦南 人音
風おらび夏蝶よりも馬怯む 殿村莵絲子 花 季
風こぼすものより夏の蝶となる 稲畑汀子
風に堪へ花を去らざる揚羽蝶 高橋淡路女 梶の葉
飴ねぶる子にひらめくや夏の蝶 金尾梅の門 古志の歌
飽食の牛のうす眼に梅雨の蝶 伊藤京子
駈けり来し大烏蝶曼珠沙華 高浜虚子
高く遠く番ひ離れし夏の蝶 前田普羅
高原の夏の薊に山の蝶 高濱年尾 年尾句集
高枝に影してあそぶ夏の蝶 松村蒼石 寒鶯抄
黒牛を越ゆ夏蝶のあらあらし 那須淳男
以上
by 575fudemakase
| 2014-06-21 07:46
| 夏の季語
|
Trackback

俳句の四方山話 季語の例句 句集評など
by 575fudemakase
| S | M | T | W | T | F | S |
| 1 | ||||||
| 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
| 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
| 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 |
| 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 |
| 30 |
カテゴリ
全体無季
春の季語
夏の季語
秋の季語
冬の季語
新年の季語
句集評など
句評など
自作
その他
ねずみのこまくら句会
ブログ
自作j
自作y
j
未分類
以前の記事
2025年 11月2025年 10月
2025年 09月
more...
フォロー中のブログ
ふらんす堂編集日記 By...魚屋三代目日記
My style
メモ帳
▽ある季語の例句を調べる▽
《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。
尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。
《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)
例1 残暑 の例句を調べる
検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語
例2 盆唄 の例句を調べる
検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語
以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。
《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。
尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。
《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)
例1 残暑 の例句を調べる
検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語
例2 盆唄 の例句を調べる
検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語
以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。
検索
タグ
お最新の記事
| 辻桃子句集 水蜜抄を読んで .. |
| at 2025-11-06 07:28 |
| 角川 俳句賞(2025年)を.. |
| at 2025-10-26 07:29 |
| 最近の嘱目句あれこれ43 2.. |
| at 2025-10-24 01:30 |
| 最近の嘱目句あれこれ43 2.. |
| at 2025-10-24 01:11 |
| 樹令 |
| at 2025-10-24 00:17 |
| 最近の嘱目句あれこれ42 2.. |
| at 2025-10-04 11:56 |
| 最近の嘱目句あれこれ41 2.. |
| at 2025-10-02 06:12 |
| 最近の嘱目句あれこれ40 .. |
| at 2025-09-15 00:50 |
| 最近の嘱目句あれこれ39 .. |
| at 2025-09-08 08:51 |
| 最近の嘱目句あれこれ37 2.. |
| at 2025-09-04 19:58 |
| 最近の嘱目句あれこれ38 2.. |
| at 2025-09-04 19:52 |
| 最近の嘱目句あれこれ36 2.. |
| at 2025-08-28 03:10 |
| 最近の嘱目句あれこれ35 2.. |
| at 2025-08-19 21:35 |
| 最近の嘱目句あれこれ34 2.. |
| at 2025-08-17 20:50 |
| 尾山篤二郎 国文学者、歌人 .. |
| at 2025-08-14 16:00 |
| 最近の嘱目句あれこれ33 2.. |
| at 2025-07-28 18:41 |
| 坂口昌弘著 忘れ得ぬ俳人と秀.. |
| at 2025-07-14 04:15 |
| 石田郷子句集 万の枝を読んで.. |
| at 2025-07-11 06:30 |
| 最近の嘱目句あれこれ32 2.. |
| at 2025-07-10 18:25 |
| 最近の嘱目句あれこれ31 2.. |
| at 2025-07-01 04:00 |
