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線香花火

線香花火

例句を挙げる。

庭に出て線香花火や雨上り 星野立子
庭石に線香花火のよべの屑 高野素十
手にしたる線香花火よくひらく 堀谷 鋭子
水無月と別るる線香花火かな 中村汀女
消え際の線香花火の柳かな 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
父母のなき子に花火線香買ふ 阿部小壺
留守の子の線香花火をともすらむ 中村汀女
砂の上に醒めて線香花火屑 高澤良一 素抱
終はらないで線香花火終はらないで 辻桃子
線香花火じゅじゅじゅじゅじゅじゅと牡丹より 高澤良一 素抱
線香花火のいのちの玉を落としけり 山本満義
線香花火の火の玉落つる故郷なし 稲野博明
線香花火一本頒けてもらひけり 高澤良一 素抱
線香花火持つ子が母に顔寄せてゐる 大橋裸木
線香花火果てし意中の火玉かな 櫛原希伊子
線香花火終の柳は公家のひげ 高澤良一 素抱
線香花火踊る小松葉大松葉 高澤良一 素抱
老いの手の線香花火山犬吠え 西東三鬼
膝の子や線香花火に手をたゝく 一茶 ■文政四年辛巳(五十九歳)
誰となく代りて線香花火かな 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
風の来て花火線香の玉落ちた 高木晴子 晴居
父母のなき子に花火線香買ふ 阿部小壺
風の来て花火線香の玉落ちた 高木晴子
いちはやき手花火の香や三社祭 恩田秀子
たらたらと手花火色をこぼしけり 皿井旭川
とめどなく手花火しばし怠け癖 鍵和田[ゆう]子 未来図
叱られて手花火遠き男の子 姉崎蕗子
子と手花火遠く病む妻明滅して 磯貝碧蹄館 握手
子に土産なく手花火の路地を過ぐ 大串 章
宗教画めく手花火の母と子は 工藤克巳
宿の子の手花火あげて宵浅き 銀漢 吉岡禅寺洞
待つことの楽しく子等と手花火を 柴田白葉女 遠い橋
恋もがな手花火に膝突き合はせ 内藤桂子
惜別や手花火買ひに子をつれて 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
手向くるに似たりひとりの手花火は 馬場移公子
手花火が昼間は見えぬもの照らす 行方克巳
手花火が路地といふこの世を照らす 行方克巳
手花火す難民のごと艀に揺れ 友岡子郷 遠方
手花火といへど激しき色ばかり 殿村莵絲子
手花火にうかぶさみしき顔ばかり 岡本眸
手花火にうすき顱頂の保釈人 宮武寒々 朱卓
手花火にしてあれほどの高さまで 三村純也
手花火にねむらぬ馬が音たつる 小沢満佐子
手花火にらうたく眠くおとなしく 中村汀女
手花火に二人子の影しなひをり 原裕 葦牙
手花火に妹がかひなの照らさるゝ 山口誓子
手花火に手を出さねども愉しめる 西村和子 窓
手花火に明日帰るべき母子も居り 永井龍男
手花火に根津のうら道狭きかな 長谷川かな女 花寂び
手花火に水際立ちて庭の松 高田風人子
手花火に照らされ比叡をうち仰ぐ 長谷川かな女 牡 丹
手花火に照らされ脚をちぢめる児 長谷川かな女 花 季
手花火に興じゐしこゑ引っ込みぬ 高澤良一 ぱらりとせ
手花火に跼む母子に及かずけり 樋笠文
手花火に跼めば路地の匂ひある 行方克巳
手花火に遠き日のある袂かな 兼間靖子
手花火に闇は遠のき近づきし 嶋田一歩
手花火に闇集つて来たりけり 永峰久比古
手花火に面赤き時蒼き時 吉田漁郎
手花火に頬まろ~と見えてをり 高木晴子 花 季
手花火に飛込む翅音ありにけり 山田弘子 こぶし坂
手花火のあと深閑と病家族 尾崎光尋
手花火のこころの中に散るごとし 川口重美
手花火のこころもとなき暗さにて 長谷川久々子
手花火のこぼす火の色水の色 後藤夜半 底紅
手花火のそこに消えたる夜を更かし 後藤夜半 底紅
手花火のその翌朝の庭の屑 高浜虚子
手花火のために童女が夜を待ち待つ 山口波津女
手花火のちりぬる母の破水かな 磯貝碧蹄館
手花火のにほふ二階に髪結へり 宮武寒々 朱卓
手花火のはやりて祭近づきぬ 比叡 野村泊月
手花火のひかり短しベカ溜り 石田あき子 見舞籠
手花火のほを*つぐまなと思ひけり 飯田蛇笏 霊芝
手花火の中国産の濃き模様 高木晴子 花 季
手花火の倉敷川にうつり熄む 宮津昭彦
手花火の君は地球の女なり 高山れおな
手花火の夜はやはらかき膝がしら 柿本多映
手花火の子が好み履く母の下駄 大熊輝一 土の香
手花火の子に見覚えのなきひとり 大森三保子
手花火の子や湯あがりの髪ぬれて 西島麦南
手花火の孫に口数多き夫 桐山 ミヨ
手花火の庭にまつすぐ父もどる 中村明子
手花火の明るさなれば振りかへる 細谷源二 鐵
手花火の柳が好きでそれつきり 恩田侑布子
手花火の殻滲まする朝の芝 石川桂郎 四温
手花火の消えし真顔を闇におく 横岡たかを
手花火の消えてもとより水のくに 木村虹雨
手花火の消ゆるまで見ゆ闇の淵 雨海青人
手花火の火は水にして迸る 山口誓子 雪嶽
手花火の煙くる部屋にシーツ敷く 高澤良一 ももすずめ
手花火の煙もう~と田をわたる 飴山實 辛酉小雪
手花火の煙もくもく面白や 川崎展宏
手花火の爆ぜて情をつくしけり 小林康治 『虚實』
手花火の片手は母の膝にあり 小坂 灯村
手花火の玉より大き焼夷弾 高澤良一 寒暑
手花火の男を襲ふ夜の巒気 村越化石 山國抄
手花火の童むらがる救急車 三嶋隆英
手花火の終りの一つ母も出て 藤野 力
手花火の終りの松葉大袈裟に 辻桃子
手花火の終りをなほも手離さず 庄山章信
手花火の闇に童女の耳朶浮きし 源鬼彦
手花火の闇のみどりを濃くしたり 松下信子
手花火の青き火映る籬づたひ 軽部烏帽子 [しどみ]の花
手花火の音の奇天烈奇天烈と 高澤良一 鳩信
手花火の颯々ひらく前久し 篠田悌二郎 風雪前
手花火の颯颯颯颯赤き球 安食彰彦
手花火の香のきこえたるふしどかな 中尾白雨 中尾白雨句集
手花火は明日咲く蕾照らし出す 佐藤美恵子
手花火は鯖街道を照らすなり 大峯あきら 鳥道
手花火へ松籟襲ふごときかな 宮津昭彦
手花火も連絡船の荷のひとつ 黒田杏子 木の椅子
手花火やかはたれ星も潮に落ち 木津柳芽 白鷺抄
手花火やぎんいろの火を皮切りに 長谷川櫂 古志
手花火や大きな花の出づる音 松藤夏山 夏山句集
手花火や子恋の色にしたたれる 増田 富子
手花火や少女とまどふ己が胸 矢口由起枝
手花火や忘るべかりし人よ顔 石塚友二 方寸虚実
手花火や昔ここまでみづうみと 中戸川朝人 尋声
手花火や母には見ゆる吾が行方 山田みづえ 木語
手花火や火種子のありし煙草盆 福田蓼汀 山火
手花火や窓いくつより見下され 金子 潮
手花火や見守られゐること知らず 西村和子 夏帽子
手花火や酔ひもどり来る水夫の手に 米沢吾亦紅 童顔
手花火よをさなき宵のたのしみは 中尾白雨 中尾白雨句集
手花火をふとさし上げて夫なし 川口重美
手花火をよろこびてまだ恋知らず 猪俣千代子 堆 朱
手花火を井桁へ滴す富士の膝 竹中宏 句集未収録
手花火を命継ぐごと燃やすなり 石田波郷
手花火を囲むちひさき輪なりけり 佐藤美恵子
手花火を持たせて膝に抱き取りて 三村純也
手花火を栞に雨月物語 相生垣瓜人 微茫集
手花火を湖の暗きにこぼしけり 茂里正治
手花火を焚く月光に飽きたらず 津田清子
手花火を舳にともす舫ひ舟 石原八束
手花火を見てゐる唇の濡れてをり 鈴木貞雄
明日は別れ子と手花火のこれつきり 成瀬櫻桃子 素心
海近く手花火の火のあたたかし 花尻 万博
舟に舟寄せて手花火わかちけり 永井龍男
路地ごとに手花火の子ら佃島 伊東宏晃
身籠りて子の手花火をまぶしがる 遠藤とみじ
送火のあとの手花火咲かすなり 鈴木しげを
どぶ板通りねずみ花火が駈け抜けて 高澤良一 ねずみのこまくら
ねずみ花火逃足早き吾子を追ふ 神山幸子
側溝に鼠花火が逃げこめり 上野可空
半蔀に鼠花火の燃え尽きぬ 芝不器男
大魚篭の蔭なる鼠花火かな 水原秋桜子
好きやねん鼠花火と通り雨 内田美紗 魚眼石
庭花火をみなの声のいろいろな 川崎展宏
戦前を鼠花火はくるしめり 三橋敏雄 *シャコ
明日は子等帰つてしまふ庭花火 橋本佐智
母のこゑ鼠花火のおしまひに 井上 雪
百発の鼠花火で泣き了えり 増田まさみ
芋の闇鼠花火の流行りけり 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
萩叢の鼠花火に足とられ 石田あき子 見舞籠
鼠花火が闇のひととこへ消え入つたはかなさ 人間を彫る 大橋裸木
鼠花火にくらがりの子の笑ひかな 原田種茅 径
鼠花火に火うつるより子の輪散りぬ 原田種茅 径
鼠花火に飛つかれたる涼かな 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
鼠花火をはげましてゐる女かな 内田美紗 浦島草
鼠花火膨らむ海へ走りけり 大石雄鬼
鼠花火陥りて尚水走り 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
鼠花火露地より子等をはじき出す 藤本映湖

以上
by 575fudemakase | 2014-07-11 00:11 | 夏の季語


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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