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夏の雲

夏の雲

例句を挙げる。

じりじりと真日の夏雲のもとあゆむ 石橋辰之助 山暦
たゞ灼けて空に夏雲湧けよ湧けよ 石橋辰之助 山暦
コロラドの巨き夏雲車駆る 仙田洋子 雲は王冠
ヨットの顔さだかに洗ひ夏雲ヘ 中島斌男
下山一気夏雲はいま触れきし霧 荒井正隆
今はもう遠き立山夏雲に 高木晴子 花 季
吹き反す袖は夏雲都府楼址 林翔
墓へ名刺夏雲の辺で空濃ゆし 香西照雄 対話
夏雲が思い起こしている修羅場 津沢マサ子
夏雲にかもめの色の溶けにけり 阿部みどり女
夏雲に入るみなかみや大黄河 山本歩禅
夏雲に夕影早き川面かな 大場白水郎 散木集
夏雲に岬の松は日蔭なる 内田百間
夏雲に根性見せる武甲山 椎橋清翠
夏雲に梯子を掛けしままの亡父 斉藤すず子
夏雲に焼岳の噴煙それかとも 鈴鹿野風呂 浜木綿
夏雲に節水のビラ反り返る 下山宏子
夏雲に置いてゆかれしアドバルン 栗原 昌子
夏雲のからみてふかし深山槇 飯田蛇笏 山廬集
夏雲のかゞやきそめし生駒かな 岸風三楼 往来
夏雲のくづれわたれり虻ねむる 石橋辰之助 山暦
夏雲のごとく悠々病みにけり 阿部みどり女 月下美人
夏雲のだんだらの斑や磧うごく 川島彷徨子 榛の木
夏雲のひろごり風に唇ゆるむ 石橋辰之助 山暦
夏雲の下の原爆記念館にわれ 目迫秩父
夏雲の下ミナス州ゴヤス州 高野素十
夏雲の俄かに昏く汐ぐもり 瀧春一 菜園
夏雲の夕日のうへをとびて暮れぬ 石橋辰之助 山暦
夏雲の夜も旺んなる山泊り 細井みち
夏雲の底伐木のころがる音 中島斌男
夏雲の旺んに立てる飛騨の方 京極杞陽 くくたち上巻
夏雲の湧きてさだまる心あり 中村汀女
夏雲の湧き立つ彼方血戦す 久米正雄 返り花
夏雲の湧く山麓に荘傾斜 深見けん二
夏雲の湧く峰ちかく軒雀 木村蕪城 一位
夏雲の濃ねず薄ねず奥会津 高澤良一 鳩信
夏雲の空港に別れ来たりし手 阿片瓢郎
夏雲の立ち上がりくる地引網 舟越とみ子
夏雲の裾より引ける地曳網 土岡夕焼
夏雲の運び忘れし草ロール 浜本直子
夏雲の高さにひと日口籠る 津沢マサ子 空の季節
夏雲へ上昇気流青き輪に 杉本寛
夏雲へ骨のかたちの膝立てて 谷野予志
夏雲むるるこの峡中に死ぬるかな 飯田蛇笏 春蘭
夏雲やいるか光りて宙に飛ぶ 池田順子
夏雲やベランダに解く引越荷 和久津フミエ
夏雲やホース全長水走り 増永安子
夏雲やレジスタンスに武器降りし 小池文子 巴里蕭条
夏雲や乗りさへすれば機内食 稲垣きくの 黄 瀬
夏雲や八十路初めて患者食 松村蒼石 雪
夏雲や夢なき女よこたはる 桂信子
夏雲や大漁に湧く地引網 藤本スエ子
夏雲や大王椰子の幹の瘤 内田百間
夏雲や山人崖にとりすがる 飯田蛇笏 山廬集
夏雲や後肢かろき犬の神 藤岡筑邨
夏雲や球体二基の瓦斯タンク 秋山未踏
夏雲や舟小屋のいまがらんどう 猿橋統流子
夏雲や諸人弔問のゆきかへり 飯田蛇笏 山廬集
夏雲や農夫肉群負ふごとく 香西照雄 対話
夏雲や青墓の出の白拍子 宇佐美魚目 天地存問
夏雲や駱駝をわたす大黄河 加藤楸邨
夏雲ゆ坂は降り来て坊ノ津の穴のやうなる海に落ちこむ 宮原望子
夏雲をきざす晴天海黝む 飯田蛇笏 雪峡
夏雲をながす風向き空に見き 高澤良一 素抱
夏雲を更に遠ざけ製材音 右城暮石 上下
夏雲を育ててわが日窶れける 津沢マサ子
夏雲を赭き岩群を踏み下る 中島斌男
夏雲を髪挿す女島やアテネ近し 林翔 和紙
夏雲崩るるうしろに甲斐の国あるや 太田鴻村 穂国
夏雲濃し厩の馬に若竹に 飯田蛇笏 霊芝
夏雲生む末の松山松老いて 成瀬桜桃子
夏雲群るこの峡中に死ぬるかな 飯田蛇笏
夏雲観るすべての家を背になして 中村草田男
大都いま夏雲頭上に伸すばかり 椎橋清翠
大隅に湧く夏雲ぞ目に恋し 篠原鳳作
天壇は四方の夏雲率て峙てる 原田青児
子は抱かれ夏雲の尾根を下りむとせず 石橋辰之助 山暦
届きゐし若布あぶれば遠夏雲 原裕 葦牙
山に夏雲かくれてゐるや林檎村 中拓夫 愛鷹
山頂は夏雲の中駅を出づ 平賀淑子
嶺掴みして夏雲の立ち上がる 小澤克己
巨濤幾重沖の夏雲襞もちさく 香西照雄 素心
師の墓にけふ夏雲の巨花ひらく 嶋田麻紀
忘れかけていた思いが夏雲を見る時 住宅顕信 未完成
朝日生み夏雲淡くうづくまる 香西照雄 対話
木道の果て夏雲に届きけり 早川暢雪
海に湧く夏雲何を企らむや 菖蒲あや あ や
濤の面に漣夏雲漣こまか 香西照雄 対話
濯ぐ妻夜も夏雲は膨れおり 飴山實 『おりいぶ』
父のごとき夏雲立てり津山なり 西東三鬼
玄海に湧く夏雲を野に見たり 筑網臥年
異国めく夏雲を負ひ尊徳碑 香西照雄 対話
病む妻の祈る夏雲神に見え 今泉貞鳳
眼を冷やす母夏雲のまだつづく 桜井博道 海上
窓大きくて夏雲の悲喜も見ゆ 友岡子郷
累卵めく夏雲白樺下枝繁し 香西照雄 素心
草負ふ人夏雲載せて低まる峯 香西照雄 素心
薬師堂とは夏雲の湧くところ 山本洋子
蝶失せし空や夏雲倒れくる 米谷静二
行幸いま夏雲比叡の背にもなく 岸風三楼 往来
遠く湧く夏雲遺書は一俳誌 原裕 青垣
階高く夏雲をたゝずまはしむ 竹下しづの女句文集 昭和十三年
騰る騰る夏雲に山頂はあり 佐野良太 樫
あるときは一木に凝り夏の雲 原裕 青垣
あれ夏の雲又雲のかさなれば 広瀬惟然
ふところに花こそ匂へ夏の雲 上島鬼貫
わぎもこのほ句見て笑まし夏の雲 原石鼎 花影以後
三角点ここが県境夏の雲 折上泉情
亀の頭のごとくに朱夏の雲の浦 高澤良一 寒暑
人うとみをれば湧きゆく夏の雲 谷口桂子
何処からも見えて山羊鳴く夏の雲 中村汀女
団三郎術をくらべよ夏の雲 尾崎紅葉
夏の雲の移り易きを好みけり 尾崎迷堂 孤輪
夏の雲ゆく戦争花嫁といふことば 鈴木しづ子
夏の雲天航く玻璃に露凝らす 橋本多佳子
夏の雲女神は海に出て呼べる 石原舟月
夏の雲実験室は水止めず 中村汀女
夏の雲朝からだるう見えにけり 一茶 ■寛政十二年庚申(三十八歳)
夏の雲湧き人形の唇ひと粒 飯田龍太 麓の人
夏の雲種付けし牛静かなり 三浦のぼる
夏の雲竹葉ほぐして明るけれ 長谷川かな女 雨 月
夏の雲胸に母国を去る願書 有馬朗人 母国
夏の雲過去も病臥とつながりし 三好潤子
夏の雲長途の明日を思ふかな 乙字俳句集 大須賀乙字
夏の雲黄なる蝶々落しけり 長谷川かな女 雨 月
夢多き日の遠くなる夏の雲 菅原哲男
大島に来て椿なし夏の雲 高橋淡路女 梶の葉
峠路の夕や夏の雲はやし 蘇山人俳句集 羅蘇山人
常臥に夏の雲日々ふくれくる 三好潤子
戸障子を美しく住み夏の雲 宇佐美魚目 天地存問
放牛の影ゆるやかに夏の雲 横田光子
朝からのいひあらそひや夏の雲 久保田万太郎 流寓抄以後
此の旅の終りを告ぐる夏の雲 高木晴子
熊となり海豹となる夏の雲 法本フミ女
牡丹いけて夏の雲わく伏屋かな 中勘助
犬抱けば犬の眼にある夏の雲 高柳重信
笑ひ仏三尊夏の雲湧けり 土田祈久男
簾の中に面照る人や夏の雲 龍胆 長谷川かな女
網干木に章魚かけ干して夏の雲 高田蝶衣
脱ぎ捨てしパジャマのかたち夏の雲 谷口桂子
見えるもの見えぬものなど夏の雲 和田悟朗
退院の握手を医師と夏の雲 阿部みどり女 月下美人
連峰の高嶺々々に夏の雲 高浜虚子
開発の高原に湧く夏の雲 梅沢信作
霹靂として神去りましぬ夏の雲 露月句集 石井露月
魚のこゑ噴きあげてをり夏の雲 小檜山繁子


以上
by 575fudemakase | 2014-07-15 00:07 | 夏の季語


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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