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夕立

夕立

例句を挙げる。

あかき蟹庭の驟雨に出て遊ぶ 木津柳芽 白鷺抄
あかつきを驟雨過ぎをり麻布団 草間時彦
あぶら蝉狃れて驟雨に声こぞる 篠田悌二郎 風雪前
あをあをとふたたびみたび大夕立 黒田杏子
いまし夕立かかる王簾の瀧という(箱根湯本) 荻原井泉水
うぐひすの一と声鳴きし夕立かな 岸本尚毅 鶏頭
うぐひすや夕立のあとの落葉松に 渡邊水巴 富士
うつくしき爪そろへ立つ夕立に 野澤節子 『駿河蘭』
おのおのに別の夕立でありにけり 平井照敏
かまぼこの白き弾力夜の驟雨 八牧美喜子
かもめ来る夕立あとの桟橋に 原島悦子
かもめ飛び沖あかるさに驟雨くる 杉山岳陽
さつきから夕立の瑞にゐるらしき 飯島晴子
さよならを言ひわすれたる驟雨かな 仙田洋子 雲は王冠
すみずみを叩きて湖の驟雨かな 綾部仁喜
その奔放夕立に似たり志功の書 高木青二郎
そばかすのウィーン乙女と白雨中 大峯あきら
そら来たと白雨に掌を差し伸べぬ 高澤良一 鳩信
たまゆらに白雨のしぶきあびてゐる 中田剛 珠樹
ぢゝと啼く蝉草にある夕立かな 高浜虚子
つみかけし夕立あとのさゝげつむ 鈴木花蓑句集
とび箱を越えて驟雨の中に入る 対馬康子 純情
どこかで間引 驟雨後ごとに虹伝説 江里昭彦 ラディカル・マザー・コンプレックス
なぐり描き劇画のやうな驟雨くる 高澤良一 寒暑
ななかまど山の驟雨が湖へ出づ 沼崎八重子
ひとりの米膝つき量る夕立に 佐野美智
ひめゆりの塔ぬらさずに白雨過ぐ 上田日差子
ひるすぎの驟雨しばしや飴湯のむ 佐道赤葉
ふとく射て落つ夕立に大地肌あらは シヤツと雑草 栗林一石路
まほらの飛騨襲ふ夕立の男鳴り 秋元不死男
むら~と雀が通る夕立晴 普羅
もつ焼いている白雨のはずれかな 永末恵子 発色
ゆふだちの道よりもなし日和山夕立 千代尼
よそに降る夕立見ゆる二階哉 篠崎霞山
アスファルト驟雨に冷えて灯をうつす 川島彷徨子 榛の木
クリスタル砕けたるごと夕立雹 関森勝夫
ゴチックの塔の先より夕立落つ 山本歩禅
パイナップル驟雨は香り去るものを 野沢節子
ミロの鳥浮かれだしたる夕立かな 仙田洋子 雲は王冠
一と夕立ありたる街の灯りそむ 藤松遊子
一むれの馬杜を出づ夕立晴れ 田村了咲
一二枚青葉飛ばして大夕立 高澤良一 寒暑
一列車襲ひて烈し野の驟雨 大橋敦子
一寸ほど地に浸み込んで夕立やむ 予志
一望の渓蒸しあがる驟雨かな 仙田洋子 雲は王冠
一滴の天王山の夕立かな 大屋達治(1952-)
一葉の路地に欲しきは白雨かな 大木あまり 火のいろに
一行の茶屋にあふれし夕立かな 松藤夏山 夏山句集
一驟雨駆け抜ける山墨す 高澤良一 宿好
一驟雨高層ビルを壮とせり 高澤良一 ねずみのこまくら
万年雪残して富士の夕立かな 中島月笠 月笠句集
丹波太郎女々しき夕立遺しけり 大石悦子
乳張つてゐる牛の群秋驟雨 星野恒彦
乾きたる雷鳴夕立去りしあと 大橋敦子
乾坤に一擲くれし大夕立 安積素顔
乾坤に夕立癖のつきにけり 高浜虚子
二つ三つとびたる雹や秋夕立 高野素十
五能線田母木に夕立うちつけて 高澤良一 寒暑
人去つて猿臂を掻く夕立雲 原石鼎
人懐つこき夕立の来たりけり 大木あまり 火球
伊賀越えの梅の驟雨でありにけり 吉田紫乃
何もかも夕立が来て寸断す 島谷 征良
信楽や夕立上りの小草吹く 伊藤敬子
先ぶれの一粒が来て大夕立 高橋悦男
光堂かの森にあり銀夕立 山口青邨(1892-1988)
兎平駅にて夕立遣り過ごす 高澤良一 宿好
八瀬へ行きし妻に夕立するらしも 松尾いはほ
其の上に美しき空秋驟雨 上野泰 佐介
円朝の墓もひと息つく夕立 藤井寿江子
円柱に身を寄せて過ぐ夕立かな 対馬康子 純情
再びの夕立にあふ山路かな 阿部みどり女 笹鳴
出でゝ見る河原の虹や夕立晴 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
別るるや互(かた)みに負へる小夕立 秋元不死男
包丁を持つて驟雨にみとれたる 辻桃子(1945-)
半天を白雨走りぬ石仏寺 加藤楸邨
卯の花に夕立まがひの降りきびし 飛鳥田[れい]無公 湖におどろく
印度から蒲田の外れまで夕立 櫂未知子 貴族
原木は暗く集まる山夕立 対馬康子 吾亦紅
口移し茱萸食むときもさえざえと浴びてゐたりき夏の驟雨を 角宮悦子
古本を買うて驟雨をかけて来ぬ 鈴木しづ子
吊り籠の虫のよう鳴く夜夕立 臼田亜浪 旅人
吊橋を渡る夕立の濡らせしを 大野林火
向日葵を黒き実に染むる驟雨かな 西山泊雲 泊雲句集
君しばしさみだれの中の夕立ぞ 加舎白雄
国中の時計の音がして夕立 対馬康子
土の香と草の香残し夕立過ぐ 樋口澄栄
土の香の膳襲ひ来し夕立かな 佐野青陽人 天の川
土の香を残し夕立過ぎにけり 林 久子
堕天使のみが知る夕立のこころよさ 内藤吐天 鳴海抄
壁の蛾の凍てきし四方の夕立かな 渡辺水巴 白日
声からし人喚きをり浜夕立 久米正雄 返り花
声張るや驟雨の中のほととぎす 朝倉和江
壺焼の灘の驟雨に炎立ちけり 斎藤 道子
夕立 大いに髪を切ることも 鳴戸奈菜
夕立あと帯はなやかに立出づる 深川正一郎
夕立あと截られて鉄の匂ひをり 楠本憲吉
夕立あと町空響き易きかな 高澤良一 素抱
夕立あと遠まなざしに竹生島 猪俣千代子 堆 朱
夕立が上り辺りのなまぐさし 高澤良一 鳩信
夕立が始る海のはづれ哉 一茶 ■文化九年壬甲(五十歳)
夕立が洗つていつた茄子をもぐ 種田山頭火(1882-1940)
夕立が過ぎ白い幹黒い幹 山西雅子
夕立が門を入つて来たりけり 大串章 百鳥 以後
夕立が鳴る水割の掌の中に 対馬康子 愛国
夕立くる回復室の扉開け 対馬康子 純情
夕立しぶく大厦を窓に階のぼる 佐野青陽人 天の川
夕立とたゝかふさまの浮葉かな 軽部烏帽子 [しどみ]の花
夕立と戦つてをり庇反り 上野泰 佐介
夕立にうたるる鯉のかしらかな 正岡子規
夕立にこまりて来ぬか火とり虫 水田正秀
夕立にこりゃたまらんと馳せる蝉 高澤良一 寒暑
夕立にならんで公務員である 五島高資(1968-)
夕立になる全身を与へては 櫂未知子 貴族
夕立にはしり下るや竹の蟻 内藤丈草
夕立にひとり外みる女かな 榎本其角
夕立にやけ石涼し浅間山 山口素堂
夕立によごれぬ草のなかりけり 軽部烏帽子 [しどみ]の花
夕立に叩かれめちゃくちゃ日本海 高澤良一 寒暑
夕立に吹きちる物や竹の皮 伊賀-沢雉 俳諧撰集「有磯海」
夕立に小石のふえし道帰る 篠原梵
夕立に屋をはなれて蝉の翔ぶ 高澤良一 寒暑
夕立に幾人乳母の雨やどり 許六 六 月 月別句集「韻塞」
夕立に汽船黒く濡れ月の海に揺れ 京極杞陽 くくたち上巻
夕立に濡るるもの鉄板一枚 榎本冬一郎 眼光
夕立に濡れざりし土片蔭濃く 榎本冬一郎 眼光
夕立に濡れたるまゝの患者診る 浦上新樹
夕立に烟り蘇堤も白堤も 山本歩禅
夕立に独活の葉広き匂かな 其角
夕立に看板の美女抱き入るる 右城暮石 上下
夕立に立往生の五能線 高澤良一 寒暑
夕立に羽織たゝむや柱蔭 比叡 野村泊月
夕立に肩衣ゆゝし馬の上 青蘿
夕立に街の灯りの万華鏡 杉本 彬
夕立に赤蟻川止め喰らひけり 高澤良一 随笑
夕立に走りて下る竹の蟻 丈草
夕立に走り下るや竹の蟻 丈草
夕立に足止喰いぬバーガー店 高澤良一 素抱
夕立に遅るるといふ電話かな 上村占魚 球磨
夕立に鎌の光りや草の上 寺田寅彦
夕立に降りつつまれし島と船 右城暮石
夕立のあがりし清水蟹あそぶ 清原枴童 枴童句集
夕立のあとのむむっとする中に 高澤良一 鳩信
夕立のあとの大気や石拾ふ 渡辺水巴 白日
夕立のあとの港へ船かへる 福岡清子
夕立のあとの若狭に帰り来し 遠藤若狭男
夕立のあとを小草に入る日哉 柳原極堂
夕立のあと夕空の残りけり 今井杏太郎
夕立のあらひし磯をかちはだし 清原枴童 枴童句集
夕立のありたる京に戻りけり 比叡 野村泊月
夕立のいづこへ抜けし室生かな 田中裕明 櫻姫譚
夕立のかしら入れたる梅雨かな 丈草
夕立のくるやあれあれ向ふから 正岡子規
夕立のこなたばかりを見つめをり 八木林之介 青霞集
夕立のざっとありたる雄物川 高澤良一 寒暑
夕立のしてかくしゐし雲の峰 右城暮石 声と声
夕立のしぶきげむりや八重葎 比叡 野村泊月
夕立のしぶき淡海をかくしけり 鷲谷七菜子
夕立のしらしらはれて刃物街 石 寒太
夕立のすんでにぎはふ野町哉 一茶 ■文政八年乙酉(六十三歳)
夕立のそのたまさかに苗倒る 高澤良一 素抱
夕立のつま先立ちて来りけり 伊藤 通明
夕立のとりおとしたる出村哉 一茶 ■文政七年甲甲(六十二歳)
夕立のねぷたに糊のにほひけり 如月真菜
夕立のはれゆく浮葉うかみけり 軽部烏帽子 [しどみ]の花
夕立のまへの木騒にテント張る 篠原梵
夕立のみ馳けて向日葵停れる 篠原鳳作 海の旅
夕立のやめばジプシー又踊る 岩崎照子
夕立の一寸法師庭に跳ね 望月喜好
夕立の上るを待たず阿波踊 上崎暮潮
夕立の中に子を抱く聖母像 朝倉和江
夕立の中を汽笛の吼えてける 寺田寅彦
夕立の前ぶれ雨や紅蜀葵 中村汀女
夕立の半透明をふりかぶる 宇多喜代子 象
夕立の去りし紀北を煙汽車 右城暮石 上下
夕立の名残ふちどる広葉かな 軽部烏帽子 [しどみ]の花
夕立の大粒濡らす磧石 右城暮石 上下
夕立の対処のほどを出しな云ひ 高澤良一 寒暑
夕立の山亘りをり青山椒 森澄雄
夕立の山河草木皆躍る 和風句集仇花 安藤和風
夕立の廣野に家が消えのこり 雁来紅 野田別天樓
夕立の後の木の間の灯影かな 比叡 野村泊月
夕立の早足慶良間海峡へ 横山白虹
夕立の晴行かたや揚灯炉 炭 太祇 太祇句選
夕立の来てせはしなき厨かな 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
夕立の来べき空なり蓮の花 芥川龍之介 蕩々帖〔その一〕
夕立の来むかふ樹々のひかりなく 石橋辰之助 山暦
夕立の来るかと思ひまたゝくま 上村占魚 鮎
夕立の来る板の間の黒光り 小田正夫
夕立の松の雫や御旧趾 山本洋子
夕立の沖には裸船頭かな 藤野古白
夕立の洗ひし街を歩きけり 青峰集 島田青峰
夕立の田畑にかかる薬かな 水田正秀
夕立の真只中を走り抜け 高浜年尾
夕立の祈らぬ里にかかるなり 小林一茶
夕立の空とぼけなる祭りかな 子規句集 虚子・碧梧桐選
夕立の空傾けて妙義山 川崎展宏
夕立の立つ頃ほひも霙降る 森田峠 三角屋根
夕立の第一滴のつきささる 黒坂紫陽子
夕立の簾湖水を渡り来る 田中冬二 若葉雨
夕立の脚車前草をはなれけり 清原枴童 枴童句集
夕立の衰へ樂の音続く 池内友次郎
夕立の跡柚の薫る日陰かな 立花北枝
夕立の追ひ来るさきも野原かな 水田正秀
夕立の過ぎし空より忘れ粒 依光陽子
夕立の過ぐるを待たず運転す 稲畑汀子
夕立の隙間より来る郵便夫 上西良子
夕立の雲もかゝらず留主の空 向井去来
夕立の音の間合ひを詰め来たる 高澤良一 寒暑
夕立の餘所になぐれて田の戦ぎ 井上井月
夕立の黒雲韋駄天走りかな 高澤良一 素抱
夕立はすぎし西日の鳩の胸揃へをり 安斎櫻[カイ]子
夕立は貧しき町を洗ひ去る 青々
夕立もやみたる頃の迎へ傘 高橋淡路女 梶の葉
夕立もよひ梅・馬・鶯読み残す 林原耒井 蜩
夕立も生かせぬプラトニックラブ 櫂未知子 蒙古斑
夕立も田の神も乗せ御輿来る 野坂 民子
夕立やあがりをうくる油糟 井原西鶴
夕立やうき濡髪をかきあげて 野村喜舟 小石川
夕立やかしこまる蠅に火種掘る 渡辺水巴 白日
夕立やかみつくやうな鬼瓦 一茶
夕立やかみなり走るとなりぐに 室生犀星 犀星発句集
夕立やけろりと立し女郎花 一茶 ■文化九年壬甲(五十歳)
夕立やしか傘の一ツ松 柏延
夕立やはちすを笠にかぶり行く 正岡子規
夕立やほつり~と石の上 森鴎外
夕立やまだ降り足らぬ椎の下 小澤碧童 碧童句集
夕立やむ無患子青くこぼれゐて 小池文子 巴里蕭条
夕立やわが心電図異状なし 林原耒井 蜩
夕立やネオン浮かべる水溜り 玉澤淑子
夕立やミュージカルから兵士こぼれ 瀬間 陽子
夕立や一かたまりの雲の下 正岡子規
夕立や上總へぬけて虹の橋 寺田寅彦
夕立や下京は草の露もなし 附鳳
夕立や並べる山を皆買はう 東洋城千句
夕立や卒爾(そつじ)な雲の一とをり夕立 千代尼
夕立や受診待つ間の小半時 房川喜三男
夕立や堂の仏はさま~に 尾崎迷堂 孤輪
夕立や大いさかいの天窓から 一茶 ■文政四年辛巳(五十九歳)
夕立や大地の匂ひ立ちのぼる 小島阿具里
夕立や屋根葺すくむ破風の陰 正岡子規
夕立や山門遠き石疊 餘生遺稿 鈴木餘生、大曲省三編
夕立や川追ひあぐる裸馬 正秀
夕立や庭を流るゝ柿の花 百花羞居士遺稿第壹輯 戸澤百花羞、戸澤泰蔵(撲天鵬)編輯
夕立や忽にして谷の音 寺田寅彦
夕立や恰も茶屋にまちまうけ 小杉余子 余子句選
夕立や我座に近し窓しぶき 飄亭句日記 五百木飄亭
夕立や我罪ゆるせ天つ神 寺田寅彦
夕立や戸隠人の竹編める 田中冬二 俳句拾遺
夕立や扇にうけし下り蜘 炭 太祇 太祇句選後篇
夕立や打さしの碁を崩しける 成美
夕立や杖にして待つはねつるべ 立花北枝
夕立や森を出で来る馬車一つ 高浜虚子(1874-1959)
夕立や樹下石上(せきじやう)の小役人 小林一茶 (1763-1827)
夕立や橋をうごかぬ物狂 徳永山冬子
夕立や橋を渡れば川面より 仁平勝 東京物語
夕立や死は底光りして来たる 仙田洋子 雲は王冠以後
夕立や死は直立のまま歩く 中里麦外
夕立や殺生石のあたりより 正岡子規(1867-1903)
夕立や水底遡る渓蛙 飯田蛇笏 霊芝
夕立や波うち際の放れ馬 蝶衣句集「島舟」 高田蝶衣
夕立や泣きだしさうな子が軒に 大橋 静
夕立や泥によごれし葛の蔓 比叡 野村泊月
夕立や浮きて向ひの峡の松 寺田寅彦
夕立や海を涼しく飛ぶいなご 亀柳 俳諧撰集「藤の実」
夕立や牧の仔馬の濡れまさり 野村喜舟 小石川
夕立や犇く市の十万家 夏目漱石 明治三十年
夕立や田をみめぐりの神ならば 其角
夕立や白旗ぬれて哀れなり 寺田寅彦
夕立や百葉函が咲いている 五島高資
夕立や砂にまみれし庭草履 竹久夢二
夕立や砂に突き立つ青松葉 子規
夕立や童女に蒼き釉 和田悟朗
夕立や笠の上行く峰の雲 古白遺稿 藤野古白
夕立や笠持合はす草むしり 野村喜舟 小石川
夕立や筆そゝぐべき潦 井上井月
夕立や簾の月は見えながら 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
夕立や簾越しなる湖のさま 比叡 野村泊月
夕立や紫陽花咲いて廣き庭 会津八一
夕立や膳最中の大書院 太祇
夕立や草葉を掴む村雀 蕪村
夕立や莚まとひの都麦 上島鬼貫
夕立や菱の上飛ぶ水馬 松藤夏山 夏山句集
夕立や虎の尾怒る河の渦 幸田露伴 江東集
夕立や蛙の面に三粒程 正岡子規
夕立や谿深うして樓高し 松根東洋城
夕立や賢愚相距る三十歩 幸田露伴 谷中集
夕立や轡並べて駆け出す死 夏石番矢 猟常記
夕立や野に二筋の水柱 廣江八重櫻
夕立や降りそそくれて蝉の声 游刀 俳諧撰集「藤の実」
夕立や隣在所は風吹て 上島鬼貫
夕立や雨戸くり出す下女の数 正岡子規
夕立や音羽九丁を一筋に 野村喜舟 小石川
夕立や風をゆり込む軒の芦 曲翠 俳諧撰集「藤の実」
夕立や馬駻然と駅人 会津八一
夕立や鮓売る男しとゞなる 寺田寅彦
夕立や鴉は飛んで牛ぬるゝ 寺田寅彦
夕立や鼠巣に死ぬ茶の木原 暁台
夕立よする山の大いさの人の家 シヤツと雑草 栗林一石路
夕立をくぐりて盆の太鼓打つ 百合山羽公 寒雁
夕立を壁と見上げて軒宿り 上野泰 佐介
夕立を小坊主覗く櫺子かな 森鴎外
夕立を率ゐて去れるものの影 三橋敏雄
夕立三日南へ大きな山ばかり 大峯あきら 鳥道
夕立中健気なる灯の点り初む 高澤良一 寒暑
夕立後じつくりと濡て鳥帰る 北原白秋
夕立後のごとくすかっとしてゐたし 高澤良一 寒暑
夕立後のほろ~降りや月涼し 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
夕立後の磯風を入れ五能線 高澤良一 寒暑
夕立後や百物語聞きに行く 野村喜舟 小石川
夕立急未完の火力発電所 斉藤夏風
夕立恐れ漁婦もかもめも集りぬ 古館曹人
夕立昏みまなさきへ蜘蛛さがりたり 臼田亜浪 旅人
夕立晴れいつまで揺るる稚枝ぞ 佐野良太 樫
夕立晴れし籠に鶸啼く高音かな 碧雲居句集 大谷碧雲居
夕立晴れし花売が花こぼして行く 人間を彫る 大橋裸木
夕立晴れて虹の根を漕く舟一つ 枯檜庵句集 大曲駒村
夕立晴泥棒市をめぐるべく 遠藤梧逸
夕立来し樹々のにほひのたゞよへる 石橋辰之助 山暦
夕立来て右往左往や仲の町 高浜虚子
夕立来て居るらし湖の向う岸 高濱年尾 年尾句集
夕立来て東京湾をぶったたく 高澤良一 寒暑
夕立来む肌に沁む一と粒の冷え 原田種茅 径
夕立来る暗さがワイングラスまで 山田弘子
夕立来地に喚くもの疾駆して 高澤良一 寒暑
夕立来烏蝶飛び烏飛び 川端茅舎
夕立熄む雨音の輪を狭めくる 高澤良一 素抱
夕立過ぐ何か争ふ楽屋口 生地みどり
夕立避く舞台の袖に待つごとく 鈴木栄子
夕立雫煽れる風と停車せり 原田種茅 径
夕立雲かかるは須磨か六甲か 藪田 郁子
夕立雲立つ山や花漬の宿 河東碧梧桐
夕立雲迫ると鉾へ雨合羽 吉田みち子
夕立雲頭八股裂けにけり 廣江八重櫻
夕立霽れ波渺々とかがやかし 飛鳥田[れい]無公 湖におどろく
夜の驟雨期末教師に窓ひとつ 飯田龍太
夜の驟雨聞きをりリング・サイドにて 浦川 聡子
夜夕立ひやゝかに衾かぶりけり 金尾梅の門 古志の歌
大夕立ありてせりふの通らざる 中村吉右衛門
大夕立こんなのあるかい濡れ鼠 高澤良一 素抱
大夕立する廊に子を守り寝かす 上野章子
大夕立ひる湯に柳黄ばみけり 『定本石橋秀野句文集』
大夕立ぶつかり合ひて牛歩く 太田土男
大夕立乾きし砂の円覚寺 佐野青陽人 天の川
大夕立信濃を叩き甲斐へ去る 大峯あきら



大夕立北部ローマの道すがら 高木晴子 花 季
大夕立去りたる後に睡魔来る 村越化石
大夕立日本海を馳せ来たる 高澤良一 寒暑
大夕立来るらし由布のかき曇り 高濱虚子
大夕立煙草ふかしてやり過ごす 高澤良一 素抱
大夕立金輪際を響かする 月笠
大夕立金輪際を響かせつ 中島月笠
大夕立馬がねずみにもどりそう 小沢信男
大幹にひたと夕立の身をよする 阿部みどり女
大欅夕立打ち去りし落葉かな 碧雲居句集 大谷碧雲居
大翼たたむごとくに夕立熄む 高澤良一 寒暑
天窓のあはきくれなゐ驟雨すぎ 中田剛 珠樹以後
天龍寺門前に買ふ夕立傘 石田あき子
夾竹桃夕立返すけしきかな 増田龍雨 龍雨句集
奇蹟とや夕立虹立つ神殿址 桂樟蹊子
奥宮にあしたより立つ夕立雲 松村蒼石 寒鶯抄
奥阿蘇の牧駆けぬけし大夕立 大久保橙青
奥黒部のぞけば来る夕立かな 金尾梅の門 古志の歌
子の口を麦飯こぼれ夕立来ぬ 原田種茅 径
子育ての白鳥に夕立雹混へ 関森勝夫
子鴉の夕立なごり翔べるあり 松村蒼石 寒鶯抄
宗祇忌や驟雨に失せし城の影 籏こと
宵祭大夕立の過にけり 一茶 ■文化六年己巳(四十七歳)
宸殿に夕立聳ゆるかと思ふ 古舘曹人 能登の蛙
寄り添へどとても濡れるよ夕立傘 阿部みどり女 笹鳴
富士川に夕立ありし濁りかな 上田孤峰
寝並んで遠夕立の評義哉 一茶 ■文政二年己卯(五十七歳)
小夕立大夕立の頃も過ぎ 高野素十
小照の父咳もなき夕立かな 渡辺水巴 白日
少女と駈く一丁ほどの夕立かな 岸田稚魚
居初家の土蔵の外の大夕立 山本洋子
屋の間奥山見えて夕立かな 飯田蛇笏 椿花集
屋根抜かんばかりの夕立檜枝岐 高澤良一 鳩信
山々の立ち上りけり夕立晴 穐好樹菟男
山と川濡らす吉野の大夕立 右城暮石 声と声
山の町巒気驟雨となりて罩む 林翔 和紙
山の香の庵おそひ来る夕立かな 原石鼎
山奇なり夕立雲の立ちめぐる 子規句集 虚子・碧梧桐選
山百合や驟雨の壁が押し移る 徳永山冬子
山砂の崩るる白さ夕立あと 杉本寛
崖しらむ層雲峡の夜の白雨 石原八束 空の渚
嵯峨野路や白雨の後の竹の艶 菊池育子
巣の中に卵が一つ夕立過ぐ 富永光子
巨人一度手振へば虹や夕立後 中野三允
巻尺のもどるスピード夕立来 蘭 東子
市振を白雨のうちに過ぎけるよ 大石悦子
干潟押す汐先濁す夕立かな 林原耒井 蜩
干瓢干し白雨の中にあるごとし 宮本由太加
廻廊を番僧走る夕立かな 癖三酔句集 岡本癖三酔
心臓は一人にひとつづつ夕立 櫂未知子 蒙古斑
戦争のこと言い出すと驟雨来 宇多喜代子 象
手順よく露店かたづく大夕立 斉藤静枝
折紙の蛙跳ばして夕立晴 清水節子
抱瓶に魚の跳ねゐる夕立かな 橋本榮治 越在
摩天楼驟雨に蛇のスープ飲む 仙田洋子 雲は王冠
日の目見ずロンドン二日秋驟雨 河野静雲
明易し月夜の驟雨地にのこり 大岳水一路
晩年や神の驟雨をふりかぶり 原田喬
暴飲のものら驟雨をめぐまれて 宇多喜代子
月山をまるごと洗ふ夕立かな 仙田洋子 雲は王冠
朗かにゐて夕立来るらし来たれ 池内友次郎 結婚まで
木曽下り一の難所の大白雨 鈴鹿野風呂 浜木綿
朴の葉の揺がずなりぬ夕立雲 冬葉第一句集 吉田冬葉
朴の葉を打つ夕立のはじめの音 桂信子 黄 瀬
松の上しぶきしらめる夕立かな 比叡 野村泊月
林火忌の掃苔のよな大驟雨 田中英子
枝々の明るさ増せり白雨中 高澤良一 燕音
枯山を断つ崩え跡や夕立雲 芝不器男
柳みんよそに夕立あまり風 炭 太祇 太祇句選後篇
柴漬の手間ひま銀の夕立す 古舘曹人 砂の音
栃の葉の鳴つて丹波の夕立かな 鷲谷七菜子 花寂び 以後
桑の実や端山に白雨きらめきて 柴田白葉女 『月の笛』
桑の葉をたたく夕立奥三河 杉本寛
桑海や大夕立あとなほけむる 高浜年尾
桔梗を活ける間に来る幾夕立 島村元句集 島村元
棉の花白し夕立の峯一つ 山口青邨
森の家のぞく驟雨の野菜売 堀口星眠 営巣期
森出でて白樺林白雨過ぐ 松崎鉄之介
樫を摶つ驟雨天には音無けん 栗生純夫 科野路
樹々深く白樺澄めり夕立晴 石橋辰之助 山暦
樹もれ日のゆたかに澄めり夕立晴 石橋辰之助 山暦
樺の中奇しくも明き夕立かな 芝不器男
檜山夕立檜は埋火のごとく照る 橋本鶏二
檜枝岐村の夕立幕間めき 高澤良一 鳩信
殺すほど愛したこともなく夕立 櫂未知子 貴族
民宿の屋根にしぶきて大夕立 里見宜愁
気づかひや借りしコートに夕立ばね 阿部みどり女 笹鳴
水中花驟雨すゞろに過ぎにけり 徳永山冬子
水分の神夕立を峯々に 品川鈴子
水牛の尻みな尖る夕立晴 石原 透
水鳥の夢驚かす驟雨哉 寺田寅彦
江東区荒草そよぐのみ驟雨の鞭 橋本夢道 無禮なる妻抄
河骨の花がをかしや夕立中 岩木躑躅
法隆寺白雨やみたる雫かな 飴山實 辛酉小雪
泡盛に酔へば沖行く白雨かな 橋本榮治 麦生
泡盛の舌刺すゆふべ驟雨来ぬ 澤田緑生
浅間から別れて来るや小夕立 一茶
浅間嶺へ夕立雲の屏風立ち 深見けん二
浜夕立めそめそ降りとなりし波 林原耒井 蜩
海かけて処暑の白雨となりにけり 鈴木しげを
海上に驟雨の虹や鱚を釣る 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
海上を驟雨きらきら玉椿 岸本尚毅(1961-)
海老様に蛇の目さしかく白雨かな 筑紫磐井 婆伽梵
涅槃図のそとは驟雨の日本海 原田喬
涼しさよ白雨ながら入日影 向井去来
淋しさは粥煮えてきし夕立後 長谷川洋児
淡うして大夕立のあと戻る 松澤昭 麓入
温泉の煙低く木を這ふ夕立かな 雉子郎句集 石島雉子郎
湖の上を夕立に追はれ来し蝶か 高濱年尾 年尾句集
満林の夕立風となりにけり 比叡 野村泊月
漁夫ねむる夕立が沖過ぎゆけり 斉藤夏風
漆黒や鯉の跳ねたる夕立雲 秋篠光広
濁浪に無数の夕立突き刺さる 中島斌雄
濡るるほどに吾が髪勁し夕立野 長谷川秋子 『菊凪ぎ』『鳩吹き』『長谷川秋子全句集』
濡れ衣の乾かぬうちに夕立来 佐藤文子
瀬戸の海に夕立や来む走り雲 石塚友二 光塵
灯ともさん秋の驟雨に暗ければ 上野泰 佐介
烏賊舟の数珠火かき消す秋驟雨 文挟夫佐恵 黄 瀬
煉瓦塀染めてあがりし白雨かな 阿部みどり女
照りまけて夕立雲の崩れけり 猿雖 六 月 月別句集「韻塞」
牛も馬も人も橋下に野の夕立 高浜虚子
牛小屋のもつとも匂ふ夕立来る 清田松琴
牡丹の驟雨斜めに到りけり 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
牡牛ゐて小屋軋まする梅雨驟雨 相馬遷子 山国
物売の驟雨に濡れしトマト買ふ 宮津 澪子
犬撫でて夕立ながしひとの家 石田あき子 見舞籠
玉虫の飛ぶや驟雨の鞍馬坂 河前隆三
玲瓏とチーズ工房白雨来る 千田稲人
田の墓をそれぞれたたく白雨かな 久保純夫 熊野集
田人らの立ちゐすくみや大夕立 楠目橙黄子 橙圃
甲子園グランドを馳す大夕立 高澤良一 燕音
甲斐駒にしばらくかゝる夕立かな 松本浮木
甲板を洗ひ夕立海に落つ 山中麦邨
町中に楡杜をなす夕立かな 田村了咲
疾風に澪冴えきつて夕立かな すみだ川 新井聾風
登ってさんざん下りてさんざん岳夕立 高澤良一 宿好
白桃のもたらされたる驟雨かな 山本洋子
白毫がとらへし萩の驟雨なる 吉田紫乃
白鍵の底光りして夕立来 仙田洋子 橋のあなたに
白雨(ゆうだち)や洞の中なる人の声 畏計 古句を観る(柴田宵曲)
白雨(ゆふだち)にはしり下るや竹の蟻 内藤丈草(1662-1704)
白雨あと桑の香つよき墓参かな 大橋櫻坡子 雨月
白雨あびし馬皎として山坂ゆく 加藤知世子 花寂び
白雨いま静寂境を馳すごとし 村越化石
白雨して太き雫を転害門 冨田みのる
白雨にしばらく土の匂ひ哉 徳圃
白雨にそばだつ花と葉とありぬ 中田剛 珠樹
白雨にはしり下るや竹の蟻 内藤丈草
白雨に一足はやし旅籠町 此筋 六 月 月別句集「韻塞」
白雨に呼び出ださるる柏かな 園女 俳諧撰集玉藻集
白雨に幌なるものをしばし追ふ 中田剛 珠樹
白雨に河追ひあぐる裸馬 水田正秀
白雨に舗道応へてをりにけり 高澤良一 さざなみやっこ
白雨に跡かたもなし雲の峯 正白
白雨のごとログコテッジのバーベキュー 高澤良一 燕音
白雨のすは来るおとよ森の上 炭 太祇 太祇句選後篇
白雨のをとこ待ちゐし壺装束 筑紫磐井 婆伽梵
白雨の隈(くま)しる蟻のいそぎかな 京-秋風 元禄百人一句
白雨はあなたの空よ鷺の行 炭 太祇 太祇句選後篇
白雨やかたみ替りのしぼり染 青舟 選集「板東太郎」
白雨やこと鎮めたる使者の馬 炭 太祇 太祇句選
白雨や中戻りして蝉の声 水田正秀
白雨や家をめぐりて家鴨鳴く 其角 選集古今句集
白雨や山伏里に入りかかる 伊賀-万乎 俳諧撰集「有磯海」
白雨や感じやすくて堅き乳房 田川飛旅子 花文字
白雨や戸さしにもどる草の庵 太祇
白雨や揚る大工にさす日影 横井也有 蘿葉集
白雨や水晶のずゞのきるゝ音 高井几董
白雨や泊りの関札昼休 調玉 選集「板東太郎」
白雨や洞の中なる人の声 畏計
白雨や流出たるむもれ水 加舎白雄
白雨や肩をやすめる合羽持 西意 選集「板東太郎」
白雨や膳最中の大書院 炭 太祇 太祇句選
白雨や草葉をつかむ群雀 蕪村
白雨や蕗の葉かへす山の風 中勘助
白雨や袂をわけて人のうそが 調泉 選集「板東太郎」
白雨や鐘ききはづす日の夕べ 中村史邦
白雨や門脇どのゝ人だまり 蕪村 夏之部 ■ 雙林寺獨吟千句
白雨や障子懸たる片びさし 服部嵐雪
白雨や霧たちのぼる峰の松 北原白秋
白雨をよろこぶ能登の箒ぐさ 高橋睦郎 金澤百句
白雨を浴びをりペリカン修道士 高澤良一 ぱらりとせ
白雨を潜り潜りて街雀 高澤良一 随笑
白雨中胸に広場をもち歩む 村越化石
白雨去り鵜縄いよいよ緊りけり 近藤一鴻
白雨抜け泊りは星の白馬村 高澤良一 宿好
白雨来て樹上座禅を降りのこす 野澤節子 遠い橋
白雨来て水の落差を励ませり 伊藤京子
白雨来て海の第一夜を充たす 上野さち子
白雨閉じ電車の中の同胞よ 香西照雄 対話
白驟雨人恋ひ虫のこもり鳴く 石原八束 『高野谿』
白驟雨桃消えしより核(さね)は冴ゆ 赤尾兜子
盆供流る夕立川筋さわぐゆゑ 小林康治 玄霜
目に見えるものを清める夕立かな 五島高資
真帆片帆湖の南は夕立す 寺田寅彦
眠りがたくなれば熱出づ大夕立 石橋秀野
睡蓮に水玉走る夕立かな 西山泊雲 泊雲句集
睡蓮を打つ黄檗の驟雨かな 細見綾子 花寂び
短夜の雲の帯より驟雨かな 野澤節子 黄 瀬
短日や夕立めきし降りざまに 白水郎句集 大場白水郎
石に忘れし鋏に夕立煙あげて 河野静雲 閻魔
石山の驟雨にあへる九月かな 飯田蛇笏 雪峡
砂利にスコップ突きさされしまま驟雨中 古沢太穂 古沢太穂句集
砂浜の干麦洗ふ夕立かな 雉子郎句集 石島雉子郎
磔像やわれは驟雨に靴濡れて 相馬遷子 山国
祖母山も傾山(かたむくさん)も夕立かな 山口青邨(1892-1988)
祭に心のこる驟雨のバスに乗り 川島彷徨子 榛の木
秋夕立郊外電車の二た駅ほど 波多野爽波 鋪道の花
秋葉さま高灯籠の夕立かな 山本洋子
移りくる湖の驟雨に早稲匂ふ 安田 晃子
窯出しの地熱を奪ふ白雨かな 沢木欣一 沖縄吟遊集
立つ朝の驟雨にロビー灯を殖す 殿村莵絲子 花 季
端的と云うは夕立の上がり際 高澤良一 寒暑
競詠のどのコースにも驟雨はげし 鷹羽狩行
竹の葉のしきりに落つる夕立かな 五十嵐播水 播水句集
竹の葉を散して過ぐる夕立かな 温亭句集 篠原温亭
竹垣の大夕立や素湯の味 一茶 ■文化十一年甲戊(五十二歳)
笠岳に夕立雲たつ鱒を釣る 田中冬二 俳句拾遺
笠抱いて沖の夕立を見て立てり 比叡 野村泊月
筆買ひに行く一駅の白雨かな 上田五千石(1933-97)
篠懸の皮噛む虫や夕立雲 渡辺水巴 白日
簑虫庵風に日当る夕立あと 伊藤敬子
簾巻く驟雨のしぶき受けながら 横江几絵子
籐椅子によろこび凭れり大夕立 池内たけし
経師屋の腋明るくて夕立あと 須藤 徹
繭を日に透かせば驟雨遥かより 河原枇杷男 流灌頂
肥後の灯や水を砕いて驟雨来る 鳥居おさむ
背なの子の弾んでゐるよ夕立中 堤 京子
背戸川や鍬洗ひ居れば夕立す 寺田寅彦
膨らんで八甲田より夕立かな 藤原雉子郎
舟人のだまつてぬるゝ白雨かな 山崎紫雲
航海燈夕立が蛾をぬぐひ去る 福永耕二
芥子赤し受洗すませし午後驟雨 大野林火
芦の風夕立さそふ湖畔かな 雉子郎句集 石島雉子郎
芭蕉巻葉のぎゆう~と鳴る夕立哉 西山泊雲 泊雲句集
花葛のあかるむ後山驟雨すぐ 飯田蛇笏 椿花集
花過ぎの驟雨に濡るる色ケ浜 堀口星眠 樹の雫
芽木夕ベ油炒めは驟雨めき 大岳水一路
英彦山の夕立棒の如きなり 野見山朱鳥
草の香を打つけ驟雨まどにくる 及川貞 夕焼
草千里馬追ひ立てて白雨来る 岩永はるみ
草原のもりあがらんとする 驟雨 富澤赤黄男
菊活けて夕立白き中に居る 渡邊水巴 富士
菱刈りの面を叩く夕立かな 前田普羅
葉鶏頭のいただき躍る驟雨かな 杉田久女
葭切のさからひ啼ける驟雨かな 渡邊水巴
蓬生に土けぶリ立つ夕立かな 芝不器男
蓮の葉におんぼろぼろと夕立来し 今川凍光
蓮萬朶白雨すらん彌陀の國 中勘助
虫の音の弱くてまばら夕立あと 高澤良一 素抱
蜂飼ひに山の驟雨の青猛し 文挟夫佐恵 雨 月
蜩や向ひの峯は夕立す 寺田寅彦
蜻蛉の高く飛びをり夕立晴 星野立子
蝉声にふくらむ森や驟雨来る 石野 冬青
蝉時雨だまらっしゃいと夕立来 高澤良一 鳩信
蝉気負わせて驟雨幾過す誕生日 古沢太穂 古沢太穂句集
蝸牛忌や驟雨が浪をわたりくる 中拓夫
行水や沛然として夕立す 子規句集 虚子・碧梧桐選
街驟雨人形の眼の氾濫す 対馬康子 愛国
西吹くや白雨せまる野路の人 大魯
西方の空美しや秋驟雨 上野泰 佐介
記紀の世の山川現れて夕立あと 櫨木優子
誰が斧に崇りて深山夕立かな 露月句集 石井露月
谷をつく驟雨ひかりの層をなす 川島彷徨子 榛の木
谷杉に燻る日のこり一と夕立 楠目橙黄子 橙圃
賓客の至り間もなく夕立かな 露月句集 石井露月
赤城野の驟雨桑つみ駈けあるく 加藤知世子 花寂び
走り帆をつゝみかくして夕立来る 鈴鹿野風呂 浜木綿
軍配の返りしごとき驟雨かな 入江鉄人
軍配の返りたるごと驟雨来 高澤良一 寒暑
迎火のあとすぐ山の驟雨来し 馬場移公子
追ふ如くをとめと走る野路夕立 池内友次郎(1906-91)
途中の夕立面を洗ふて三斗の俗塵落つ 尾崎紅葉
連れ立ちて物の流るゝ夕立川 高澤良一 素抱
遠き灯はうぶごゑに似て秋驟雨 和田耕三郎
遠白雨陽ざす雄阿寒影絵なし 石原八束 空の渚
酔芙蓉白雨たばしる中に酔ふ 水原秋櫻子
野薊にぴしりぴしりと夕立来ぬ 内藤吐夫
釣鐘へ斜に山の夕立哉 升本翠華
銀色の白雨に河原葦の霧 北原白秋
鏡中に西日射し入る夕立あと 誓子
長月の夜を切る南瓜へ夕立てて 長谷川かな女 花寂び
阿波踊驟雨の土壇場を惜しむ 佐野まもる
降り足らぬ夕立の沖へ夜焚舟 水原秋櫻子
隠れ島かき消す白雨来たりけり 朝倉和江
雄鶏がくしやみしてゐる白雨かな 仙田洋子 橋のあなたに
雨鬼風鬼夕立晴れを昼寐かな 菅原師竹句集
雲を吐く三十六峯夕立晴 鈴鹿野風呂(1887-1971)
雷夕立関東大気不安定 高澤良一 素抱
雷鳥の巣にぬくみある夕立かな 吉田冬葉
電球を買いに行く子の街驟雨 対馬康子 吾亦紅
青トマト落つ石垣に驟雨の痕 中拓夫 愛鷹
青田に湧くをとこの匂ひ驟雨去る 鷲谷七菜子 花寂び
音立てゝ森を抜けゆく白雨かな 河村宰秀
顧みる白雨のあとの木立かな 中田剛 珠樹
颱風の名残の驟雨あまたゝび 高浜虚子
飛ばし~読経了りし夕立かな 高田蝶衣
飛石にぶつかりをどる白雨かな 松沢 みさ女
香港の革ジャン市の夕立かな 仙田洋子 雲は王冠
馬の眼のどこ見るとなく夕立かな 水谷千津子
馬車を出て舟を待つまや小夕立 飯田蛇笏 山廬集
馬追や更けてありたるひと夕立 星野立子
駅馬路や夕立はるゝ鈴の音 西島麦南 人音
駆け込みし朴の林の夕立かな 比叡 野村泊月
驟雨あり大根台地の地味肥やす 高澤良一 ももすずめ
驟雨くるくちなしの香を踏みにじり 木下夕爾
驟雨くる気配八つ手に椎にみつ 川島彷徨子 榛の木
驟雨くる青田きちきち雀とぶ 中拓夫 愛鷹
驟雨すぎ卓布を森の香が覆ふ 大島民郎
驟雨に和す樹下群羊の反芻音 林翔 和紙
驟雨に急ぐ羊の前肢たよりなし 林翔 和紙
驟雨に洗はる都電屋根からすつぽり青 磯貝碧蹄館 握手
驟雨に濡れをんな鼻声巴里祭 原田青児
驟雨の戸閉して燈近み西瓜*きる 宮武寒々 朱卓
驟雨の黒部濁流として端発す 津田清子 礼 拝
驟雨また茶山打ちくる端午かな 宮岡計次
驟雨やむ屋形にはやき琵琶の浪 飯田蛇笏 雪峡
驟雨下の合掌部落三時打つ 加藤楸邨
驟雨到らんとす燕頻にひくゝ飛ぶ 寺田寅彦
驟雨去り郡上踊の勢ひ立つ 上田和子
驟雨去る二三騎秋日うけて出づ 永井龍男
驟雨去る水車たかぶることなしに 津田清子 礼 拝
驟雨来て当麻の雲雀落ちにけり 服部鹿頭矢
驟雨来て朝の大正池壊す 高澤良一 宿好
驟雨来て瑠璃岩盤に萩散りぬ 沢木欣一 雪白
驟雨来て矢車草のみなかしぐ 皆川盤水
驟雨来て色乱れだす錦鯉 藤井寿江子
驟雨来て蝉やまぬ根もと流れそむ 原田種茅 径
驟雨来て長江を打ちはじめけり 日原傳
驟雨来ぬマグドナルドに雨宿り 高澤良一 素抱
驟雨来む城を出てすぐ筬の音 吉田紫乃
驟雨来る岸辺の杭を踊らせて 小澤克己
驟雨来る拓地オルガン弾き苛む 津田清子 礼 拝
驟雨来る肉屋で借りる真赤な傘 初村迪子
驟雨来樹海の波をうち鳴らし 桂樟蹊子
驟雨来白馬の美田輝かせ 高澤良一 宿好
驟雨来空ゴンドラを送りけり 高澤良一 宿好
驟雨来金魚田の水匂ひ立ち 大橋敦子 手 鞠
驟雨欲来五尺ノ百合ヲ吹ク嵐 正岡子規
驟雨過ぎて又囃す湖上祭かな 冬葉第一句集 吉田冬葉
驟雨過ぐ父を憎みしことありか 対馬康子 吾亦紅
驟雨過の山羊さへものを問ひたげなり 岩田昌寿 地の塩
驟雨過の道の夕映え明日香村 奈良文夫
驟雨青し兄先き立てて馳せ戻る 原田種茅 径
高原の妻のふるさと夕立ぐせ 香西照雄 対話
高原驟雨真鯉のような青僧侶 穴井 太
髪切虫空をよぎりて驟雨来る 太田蓁樹
鮴(ごり)汁にとなりの山の驟雨かな 藤田あけ烏 赤松
鯉の背を打ちて夕立のけぶるなり 日原傳
鰍焼く驟雨に赤き火を守りつ 多田てりな
鱚釣の手ごたへ絶えて驟雨きぬ 水谷 晴光
鱶一つ大きく躍る夕立前 廣江八重櫻
鳥のかほ俄かに増えて夕立来 依光陽子
鴨はみな沖を見てゐる驟雨かな 仙田洋子 雲は王冠
鶏の座敷に上る大夕立 神蔵器
鶏頭つんで漕ぎ出し舟に驟雨かな 宮武寒々 朱卓
鶚水を打つて夕立到りけり 臼田亞浪 定本亜浪句集
鹽竃は夕立すらん沖夕映 寺田寅彦
麦秋の驟雨はしれり海の中 石原舟月
麦酒樽の朱のあざやかに夕立す 内藤吐天 鳴海抄
黄味帯びておどろおどろし夕立空 高澤良一 素抱

かりかりと生もの噛めば大夕立 高澤良一 暮津
てのひらを返すごとくに夕立来 高澤良一 暮津
ところどころ言葉が消えて大夕立 高澤良一 暮津
また夕立こどもだましのやうな空 高澤良一 石鏡
一線を越えてどどどど大夕立 高澤良一 暮津
空蝉は白雨飛沫を浴びてをり 高澤良一 石鏡
切返すごとくに白雨上りけり 高澤良一 石鏡
大夕立などなにくその一油蝉(ユセン) 高澤良一 暮津
地を抜かんばかりの釈迦力大夕立 高澤良一 暮津
町雀けふは夕立まぬがれて 高澤良一 石鏡
踏めばそこ雨の滲めり白雨あと 高澤良一 暮津
二階より母の見てゐる大夕立 高澤良一 暮津
納まると思へば俄然大夕立 高澤良一 暮津
白雨が打つなりこんどは遠くの葉 高澤良一 石鏡
白雨の仕上げに風を送りくる 高澤良一 石鏡
有無云はさず蝉音を断てる大夕立 高澤良一 暮津
夕立あと傘提げチャプリンめく家路 高澤良一 暮津
夕立といふ一快挙ありにけり 高澤良一 暮津
夕立といふ快音を広げたる 高澤良一 暮津
夕立となりて万象雨隠れ 高澤良一 暮津
夕立にちからづけられ食すすむ 高澤良一 暮津
夕立に何處か伸び伸びして晩酌 高澤良一 暮津
夕立に降られて肌着総取り替え 高澤良一 暮津
夕立に容あるものみな打たれ 高澤良一 暮津
夕立のあと何處となく大胆に 高澤良一 暮津
夕立のいま本降りとおもひけり 高澤良一 暮津
夕立のみるみる上がりとっぴんしゃん 高澤良一 暮津
夕立の一気呵成のそれが来た 高澤良一 暮津
夕立の音立てゝ街呑み込めり 高澤良一 石鏡
夕立の先鋒橋にさしかかる 高澤良一 暮津
夕立の叩き甲斐あるダチュラの葉 高澤良一 暮津
夕立の涼気杉より檜より 高澤良一 暮津
夕立性一雨新宿駈け抜けり 高澤良一 暮津
夕立来と妻はクイズを抛り出し 高澤良一 暮津


以上

by 575fudemakase | 2014-07-19 00:33 | 夏の季語 | Trackback | Comments(0)
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《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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