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心太

心太

例句を挙げる。

あさら井や小魚と遊ぶ心太 小林一茶 (1763-1827)
いつも寄る仏の里の心太 香下 六子
おいそれと孫子が殖えて心太 宮城梵史朗
おのがじし欅の黄葉がこのゆふべ世を離るると散りて寂けし 小谷心太郎
かゝる日や今年も一度心太 炭 太祇 太祇句選後篇
すっとした顔になりたる心太 高澤良一 随笑
それぞれの私が語る心太 秋尾 敏
どやどやと順礼のきて心太 藤崎 実
ひるすぎの町音にゐて心太 桂信子 草樹
みちのくの水の味しれ心太 正岡子規
むらぎもの影こそ見えね心太 安東次男
もとの水にあらぬしかけや心太 炭 太祇 太祇句選
やつと手の空きし妻来て心太 高澤良一 さざなみやっこ
スコールの降りてゐる雲はるかにて澄みたる月は海を照らせり 小谷心太郎
ラムネ抜けば志ん生の出の下座が鳴る 今福心太
一尺の滝も涼しや心太 一茶 ■文化十年癸酉(五十一歳)
再会のはらから老いぬ心太 平田 千鶴
処得し一本杉や心太 野村喜舟
出格子の暗さ程よき心太 白澤よし子
反橋の風を眺めに心太 山田弘子 懐
喉すぎてより心太形成す 今瀬剛一
嘴熱きおうむを肩に心太 渋谷道
噴井戸を店に持つかな心太 野村喜舟 小石川
家ぬちに風通る日や心太 高澤良一 ぱらりとせ
寺二つばかり見てきて心太 高澤良一 寒暑
山みちに日のさしてゐる心太 鷲谷七菜子 花寂び 以後
山頂は見えざるままよ心太 如月真菜
山風や桶浅く心太動く 子規句集 虚子・碧梧桐選
心太あつけらかんと生き抜かん 指澤紀子
心太いま渉りきし川のこと 岸本水馬
心太くふ炎天の人の餓 西島麥南
心太さかしまに銀河三千尺 蕪村
心太さらりと言葉躱はされし 岡部名保子
心太すすれば山雨到りけり 皆川白陀
心太する~臍に応へける 楠井不二
心太たしかに熱は手と足に 鳥居おさむ
心太てふ文字こころひかれけり 行方克巳
心太とかくつまづく齢となりぬ 梅村好文
心太とラムネの瓶と浸しけり 寺田寅彦
心太に月上りたる戸口かな 河東碧梧桐
心太に松風落ちぬ桶の中 松瀬青々
心太の四つ揃はぬ小皿かな 会津八一
心太の水呑んでひよこ啼きにけり 萩原麦草 麦嵐
心太の茶屋ありここら古戦場 会津八一
心太の辛味や灘の波けぶる 中拓夫
心太ひとり食うぶるものならず 山田みづえ
心太ふとあさましや宮ほとり 下村槐太 天涯
心太へだてなき膝突き合せ 矢嶋あきら
心太まづしき過去を子は知らず 佐藤浩子
心太みじかき箸を使ひけり 古舘曹人
心太みづうみ遠く煙りたる 桂信子
心太ゆすつて見るや皿の上 栗島狭衣
心太わが幾山河も映りいて 吉本和子
心太不意に昔のありにけり 椎名書子
心太人各が銭勘定 石井露月
心太冷水もって口直し 高澤良一 素抱
心太啜つて自問自答かな 露月句集 石井露月
心太喉通るため透きとほる 後藤立夫
心太売り切れし水道へ撒く 鈴木半風子
心太売れゐて新しき季節 後藤立夫
心太大阪暮らしややに慣れ 西村和子
心太天地が踊ることを云ふ 吉野裕之
心太峠の茶屋の隠し味 小島左京
心太手目にせんとおぼしめす 蕪村遺稿 夏
心太押し出す無重力の闇 大屋達治 龍宮
心太文字の由来を聞かれけり 横原律子
心太桶に沈みしうすみどり 清水あや子
心太梅を洗ひし手に掬ふ 百合山羽公 寒雁
心太水にもならず明けにけり 正岡子規
心太水に沈みて無きごとし 長谷川櫂 蓬莱
心太水の如くに突き出され 粟津松彩子
心太水晶簾と賛すべく 寺田寅彦
心太活きて咽喉を走る哉 瓊音句集 沼波瓊音
心太煙のごとく沈みをり 日野草城
心太燦々と灯を掬ひをり 村上光子
心太皿も漬けあり渓の水 肥谷祥貞
心太積めばゆれをり馬車の中 萩原麦草 麦嵐
心太箸の下ゆく桂川 蝶衣句稿青垣山 高田蝶衣
心太箸より逃ぐる字の形 河野薫
心太雨の蘇州を描きし皿 田中冬二 俳句拾遺
心濁るから心太など食ふな 今瀬剛一
思ひ出し笑ひに噎せて心太 矢島渚男 延年
旅中頑健飯の代りに心太 高浜虚子
旅人や山に腰かけて心太 小林一茶
旅心太藺の花にすがすがし 高野素十
日本に生きるほかなし心太 山本左門
木の花も青みさしたり心太 廣江八重櫻
松にかけし笠とんでなし心太 吉田冬葉
松の幹映りし水の心太 高浜虚子
柳心太にしたゝるは面白し西行が歌意 尾崎紅葉
栴檀の花散るや桶の心太 寺田寅彦
次の間へ白き手がのび心太 柿本多映
死ぬことを忘れてをりし心太 鈴木真砂女
水の中へ銭遣リけらし心太 炭 太祇 太祇句選
水替へしきはの心太たうべけり 尾崎迷堂 孤輪
永遠に泣いていたいの心太 池田澄子 たましいの話
洛外や草鞋売る家の心太 竹冷句鈔 角田竹冷
浅草の辛子の味や心太 久保田万太郎
涼しさの心太とや凝りけらし 寺田寅彦
湾二つ一望にして心太 毛塚静枝
溝川の澄み切って冷ゆ心太 下村ひろし 西陲集
無雑作な木榻があり心太 富田潮児
父と子の夢食ひ違ふ心太 高橋悦男
甘酒や一樹の蔭の心太 松根東洋城
甘酒や同じ夏なる心太 尾崎迷堂 孤輪
病室四人話のもとの心太 影島智子
癒えて欲しき心太なし邸坂 殿村莵絲子 牡 丹
白馬の雲湲見ゆる心太 田中冬二 俳句拾遺
皿底にある焼瑕や心太 松藤夏山 夏山句集
相似たる店構へなり心太 杉山加代
相模より風吹きわたる心太 大橋富士子
石縋の湧水さはに心太 山本牧秋
筧水打ちどほしなり心太 高浜年尾
簀の外の路照り白らむ心太 木歩句集 富田木歩
籠居や芥子きかせて心太 水原春郎
耳藉して悔のはじまる心太 つじ加代子
腹掛の紺の匂や心太 露月句集 石井露月
草屋なる茶店なりけり心太 尾崎迷堂 孤輪
街騒を扉で断つ店や心太 稲野由紀江
観て歩くだけの古美術心太 宮野一磴
話題なき夫婦の卓の心太 田中照子
身の上をさらりと語り心太 山田弘子 こぶし坂
軒下の拵へ滝や心太 一茶
辛子黄に梅雨上りけり心太 永井龍男
酢に噎せて母の聲聴く心太 石塚友二
鉄砲洲稲荷の氏子心太突き出し 長谷川かな女 花寂び
阿波かなし海より低き遍路道 今福心太
順礼のよる木のもとや心太 其角
馬の蠅吹く谷風や心太 碧雲居句集 大谷碧雲居
高波の夜目にも見ゆる心太 川崎展宏(1927-)
麦の穂の中の茶店や心太 松藤夏山 夏山句集
ありそうでついにない仲ところてん 小沢信男
たまきわる命寝返りところてん 和田悟朗
ところてん前後は水にあそばせよ 加藤郁乎 江戸桜
ところてん外に名を得し花の街 井原西鶴
ところてん怒りの口に沈みけり 仙田洋子 雲は王冠
ところてん沈めり弾む最上川 殿村菟絲子
ところてん煙のごとく沈みをり 日野草城(1901-56)
ところてん物足らなくも昼の風 高澤良一 寒暑
ところてん突き器を添えて売られけり 斉藤静枝
ところてん荒ぶる海の落差かな 赤松 勝
ところてん製造元の大竿灯 高澤良一 寒暑
ところてん逆しまに銀河三千尺 蕪村 夏之部 ■ 花頂山に會して探題
ところてん連絡網をはづれけり 内田美紗 魚眼石
ところてん遠出となればはすつぱに 小坂順子
ところてん雨きつぱりと上りけり 大石悦子 聞香
ところてん食べ終りたる皿重ね 佐々木令山
どちらかと云へば聞き役ところてん 北見さとる
交渉の一押し二押し心天 三枝青雲
出るものは俄文人ところてん 加藤郁乎
出女や水鏡見るところてん 木導 五 月 月別句集「韻塞」
大川の口より這入るところてん 鳴戸奈菜
幽霊一匹つかまえられなくって ところてん 松本恭子 世紀末の竟宴 テーマによる競詠集
松にかけし笠とんでなし心天 吉田冬葉
歌仙巻き名残りの裏の心天 伊藤敬子
箸にかけて月光荒きところてん 加藤知世子
華客おほ方兵等壮んに心天 石塚友二 方寸虚実
蝉鳴くや瀬にながれ出しところてん 飯田蛇笏 山廬集
親鸞に一日震えところてん 川村三千夫
閻魔堂出てところてん大口に 山口冬男
雨音の中の波音ところてん 岩淵喜代子 硝子の仲間

以上
by 575fudemakase | 2014-07-26 00:19 | 夏の季語


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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