踊
踊
例句を挙げる。
いさゝか恨む彼の君見えず盆踊 竹村秋竹
かの人のうなじ追ひゆく盆踊 武田貞太
くらやみに木は木と立てり盆踊 原田喬
ぐいぐいと潮の引け刻盆踊 鷹羽狩行 月歩抄
ここまでは子供の時間盆踊 高澤良一 素抱
せがまれて子の後につく盆踊 角田サチ
てのひらの波の寄せくる盆踊 嶋田麻紀
なびく手のはしに人恋ひ盆踊 赤松[ケイ]子
ふるさとの川の匂へる盆踊 瀧 積子
をみならにいまの時過ぐ盆踊 澄雄
アナウンスも指圖も英語盆踊 吉良比呂武
予定表欄外に書く盆踊 楢原清子
交替に姉の出てゆく盆踊 湯川雅
大羅府の市廳そびらに盆踊 吉良比呂武
奥信濃鎌の古間の盆踊 西本一都 景色
少子化のすすむ母校の盆踊 高澤良一 寒暑
山国の銀座小暗き盆踊 宮坂静生 青胡桃
山町や清水祭に盆踊 滝井孝作 浮寝鳥
峡の月暗しかくれの盆踊 下村ひろし 西陲集
巡業の行く先々の盆踊 寿々木米若
帰り来し死者も見にゆく盆踊 谷野予志
我抜けしのちも風吹く盆踊 鎌倉佐弓 潤
手のひらを返せば退る盆踊 持永ひろし
暗き沖へ手あげ爪立ち盆踊 西東三鬼
月に明るむ柵の鉄線盆踊 榎本冬一郎 眼光
村医者も輪の中にゐて盆踊 渡辺セツ
海の上に月よもすがら盆踊 鈴木花蓑句集
海鳴の思はぬ近さ盆踊 石田阿畏子
漂着の平家供養の盆踊 山口誓子 紅日
濱砂をさだかに蹴立て盆踊 八木林之介 青霞集
灯を取りに蝉の来てゐる盆踊 高澤良一 素抱
狂院の百合のとび出す盆踊 古舘曹人 砂の音
狂院をめぐりて暗き盆踊 三鬼
狛犬に犬を預けて盆踊 平上昌子
療苑の盆踊赤ふんだんに 右城暮石 上下
百姓の手足短し盆踊 宮坂静生 青胡桃
盆踊ここでお仕舞い子供の部 高澤良一 寒暑
盆踊すでにはじまりゐるを見る 山口波津女
盆踊たけなはいつかこども退け 高澤良一 随笑
盆踊の太鼓に遠し浜別墅 五十嵐播水 播水句集
盆踊も雨や里人風呂へ行く 草田男
盆踊恋の仕種をはばからず 井沢正江
盆踊暗きところに父がをり 森田公司
盆踊果てしマイクに人の声 猪俣千代子 堆 朱
盆踊果てし暗さが海から来る 行方克巳
盆踊汗水節といふ曲も 沢木欣一
盆踊清少納言小町の国 西本一都 景色
盆踊終り櫓に灯を残す 池田秀水
盆踊落葉松を月駈けぬけぬ 加藤楸邨
稲太る月夜の手足盆踊 飴山實 『おりいぶ』
笛のみはさみしからずや盆踊 西本一都 景色
網笠にちいさがたなや盆踊 野村喜舟
育ちたる子等皆遠し盆踊 山崎綾子
荒縄に裸燈をつるし盆踊 大熊輝一 土の香
親指の大きくありて盆踊 田中裕明 櫻姫譚
赤々と酒酔星や盆踊 肥田埜勝美
踏みしめて休耕田に盆踊 太田土男
輪に入りてすぐ影が添ふ盆踊 三好潤子
近道は墓地の脇道盆踊 高澤良一 素抱
鎌鍛冶と莨百姓盆踊 西本一都 景色
風の盆踊衣装に早稲のいろ 皆川盤水
風の盆踊衣装の早稲のいろ 皆川盤水
わが娘薄化粧して阿波踊 上崎暮潮
交りゐて賓主いづれや阿波踊 葛祖蘭
写楽の顔背中で踊る阿波踊 二橋満璃
夕立の上るを待たず阿波踊 上崎暮潮
娘と旅へせめて名残りの阿波踊 稲畑汀子 春光
宿の婢を先立てゝ阿波踊連れ 上崎暮潮
小さき子が殊に上手で阿波踊 高濱年尾 年尾句集
小雨なる今宵かぎりの阿波踊 上崎暮潮
手に足によみがへりくる阿波踊 今橋眞理子
手をあげて足をはこべば阿波踊 岸風三樓
指先のしなといふもの阿波踊 上崎暮潮
水飴のやうに伸す腰阿波踊 高澤良一 寒暑
灯に燃ゆる新町川や阿波踊 上崎暮潮
爪先で進み退く阿波踊 山口誓子 大洋
男踊りは地を抱くかたち阿波踊 熊谷愛子
色町の路地で習ひし阿波踊 京極高忠
若さまだこんなにありし阿波踊 山田弘子 螢川
足袋白く踊りはじめし阿波踊 上崎暮潮
遊び鉦打つて憩へる阿波踊 美馬風史
阿波踊きのふに蓮田ひるがへる ながさく清江
阿波踊くづればかりの通る道 上崎暮潮
阿波踊ちぐはぐにして揃ひゐし 小林草吾
阿波踊ぼろ三味線を弾く女 高濱年尾 年尾句集
阿波踊らしく踊れてをらずとも 稲畑汀子 汀子第二句集
阿波踊内輪外輪の送り足 河府雪於
阿波踊目抜きにかかりハイヤットサ 高澤良一 寒暑
阿波踊裏町さらにさみしくす 浜名礼次郎
阿波踊見てゐる足が踊つて居 猪子青芽
阿波踊道が浮々浮々と 松本弘孝
阿波踊驟雨の土壇場を惜しむ 佐野まもる
飛び込んでもう止められぬ阿波踊 高澤良一 寒暑
たんぽぽやエヴィータの踊り子達はねる 対馬康子 吾亦紅
づかづかと来て踊子にさゝやける 高野素十
にくき踊子蓑虫を耳飾とす 宮武寒々 朱卓
わたしの中のわたしが踊子 体温計 松本恭子 二つのレモン 以後
ゴヤの裸婦ドガの踊り子水澄めり 青木重行
パンジーはどれも踊子風わたる 岩崎照子
一群の踊子来たり寺の庭 眠花
世阿弥忌や踊子あつけらかんと脱ぎ 石井みや
乳牛に鶏頭投げて踊り子たち 中戸川朝人 残心
初夢に見し踊子をつつしめり 森澄雄(1919-)
始は忘じぬ終は見えこずと踊り子 竹中宏 饕餮
屏風碑の太陽は白踊子は黒 田村了咲
店先によべの踊子たたずめる 敏郎
振り返りつゝいとけなき踊子よ 原田一郎
教師われの夜は踊子になりすます 樋笠文
月光で乾くか 踊り子と仏陀の指 伊丹公子 ガルーダ
海酸漿かんで商ふ糸切歯 金子扇踊子
湯たんぽの湯はらふ諏訪の踊子よ 宮坂静生 樹下
満灯の踊り子船や鵜飼見る 高井北杜
灯籠や踊子出づる宵の門 松瀬青々
白砂青松踊子鞍を卸さるゝ 安斎櫻[カイ]子
盆過ぎしのちの風さへさびしきに踊子蜻蛉といふが群れ飛ぶ 小野興二郎
秋の蚊に踊り子の脚たくましき 吉岡實
立春の半島へ発つ踊子号 高澤良一 随笑
舟で来し踊子も輪に加はれり 八牧美喜子
荷風忌の踊り子がガムを噛む楽屋 伊藤黄雀
蕎麦食ひに来し踊子のよそ~し 萩原麦草 麦嵐
薫風や踊り子号で落ち合ひし 澤村芳翠
螻蛄鳴くや踊子は胸蝕まれ 白川京子
親ならば見よ踊子の袖の鈴 立花北枝
踊り子と終の電車の十二月 清水基吉 寒蕭々
踊り子の二の腕白し風の盆 大多和永子
踊り子の呵々と男に戻りけり 鳥居美智子
踊り子の声うち揃ふ日の出前 黒田杏子 花下草上
踊り子の夜を トッケ鳴く 火山澄む 伊丹公子 ガルーダ
踊り子の揃ふ飼屋の虫の声 前田普羅 春寒浅間山
踊り子の曲がりてひらく彼岸かな 攝津幸彦
踊り子の白扇月に返しては 黒田杏子 花下草上
踊り子の肉塊を待つ湯槽かな 宮武寒々 朱卓
踊り子の背ナに乗りゆく小蟷螂 野沢節子 存身
踊り子の舌染むる飴海まつり 本庄登志彦
踊り子の踏めば玉吐く沢清水 前田普羅 春寒浅間山
踊り子は掌の冷たさを詫びて云ふ 三鬼
踊り子へやんやと放つ薔薇真紅 嶋田麻紀
踊り子を次々に呑み太柱 上野泰 春潮
踊子と楽士つれだち菊供養 長谷川浪々子
踊子にやはらかに足踏まれけり 西本一都
踊子に大望網が布かれあり 萩原麦草 麦嵐
踊子に拍手してパリ夜は短か 山本歩禅
踊子に閻魔詣での手をひかれ 星野石雀
踊子のくちびる白く明けにけり 大江丸
踊子のひとりふたりと雁仰ぎ 田村了咲
踊子の一人ふえしは狐なり 小川軽舟
踊子の帰り来ぬ夜やきりぎりす 内藤丈草
踊子の笠のうちこそ見まほしく 高濱年尾 年尾句集
踊子の肌に紅ます夜更けては 杉本寛
踊子の胸反らしたる刹那あり 坂本山秀朗
踊子の負はれて戻る朧月 大須賀乙字
踊子の足休むとき手を拍つて 綾部仁喜 寒木
踊子の足炉して待つ出番かな 古川芋蔓
踊子の遥かなる目のすすむなり 綾部仁喜 樸簡
踊子は去りて淋しき浜篝 雉子郎句集 石島雉子郎
踊子や夕まぐれして狂はしき 太魯
踊子や振舞飯に尻込みす 高田蝶衣
踊子や紅が淋しき草履の緒 月舟俳句集 原月舟
踊子や貌月になり闇になり 鳳朗
踊子号避寒の客を零しゆく 高澤良一 ぱらりとせ
輪を抜け来し踊子の汗にほふなり 茂里正治
雨の踊子毛布に眠る手を出して 金子兜太
雪の夜の踊子の痣かくすなし 岸田稚魚 筍流し
霧が濃くする踊子のアイシャドウ 成瀬櫻桃子 素心
霧に濡れ踊子も夜の家路なる 石原舟月
鬼灯の籠さげ朝の踊子や 佐野美智
うつし世をかなしとこぞり踊唄 福田蓼汀 秋風挽歌
みちのくの判官贔屓踊唄 梅村好文
佐渡の旅朝から踊唄きこえ 福井圭児
墓地越えて風の運べる踊唄 高澤良一 素抱
墓地越へて二タ夜続きの踊唄 高澤良一 随笑
山国の夜は更け易し踊唄 北川草魚
山国の聞けば淋しき踊唄 稲畑汀子 汀子第二句集
山河の闇へ黙の解放踊り唄 加藤知世子 花寂び
島びとの血の濃き顔よ踊唄 長谷川閑乙
念佛のやうに返して踊唄 黒田杏子 花下草上
旅果ての夜を病む遠き踊唄 文挟夫佐恵 黄 瀬
暗さ嘆き山青風嘆き踊唄 加倉井秋を
月のアルプス次第にあふれ踊り唄 加藤知世子 花寂び
月の出て渚近づく踊唄(小木) 岸田稚魚 『筍流し』
母の忌の近づく夜々の踊唄 山田弘子 こぶし坂
皆浮かれ戯け地口の踊唄 高澤良一 素抱
目つむりて杣の聴かせる踊唄 田中英子
葭切に水打ち誘ふよ踊歌 香西照雄 素心
踊り唄欅は夜空支へをり 鍵和田[ゆう]子 飛鳥
踊り唄母は灯ともし遠き丘に 大井雅人 龍岡村
踊唄息つぐときの波の音 鹿喰悦子
踊唄我等を過去に置き去りぬ 米沢吾亦紅 童顔
踊唄戸をいっぱいに開けて聞く 高澤良一 素抱
踊唄終に果てたる風の町 高澤良一 寒暑
風に生れ風に消え入る踊唄 高橋智子
おわら流し地蔵の辻を踊場に 茂里正治
めいっぱい踊り場使ひ鯨曳 高澤良一 燕音
白鳥見る雪の踊場かがやかに 古舘曹人 能登の蛙
羚羊の天の踊場けさ霞む 岡田貞峰
赤更けし踊り場に大花瓶とは 中田剛 竟日
踊場の昼のやぐらに用あり気 高濱年尾 年尾句集
踊場や六尺高き音頭台 比叡 野村泊月
踊場を離れて虫にかゞみけり 比叡 野村泊月
黄昏や踊場既に灯のともり 山下公三
神木の樅の木めぐり踊りの輪 田中冬二 冬霞
踊の輪いつか小さくなり終る 川口咲子
踊の輪すすみ燈蛾は灯をめぐる 大橋敦子
踊の輪ちぢんだ処にて手うつ 田川飛旅子
踊の輪はなれて母に来し子あり 椚香澄
踊の輪はなれ来て見よ松の月 高濱年尾 年尾句集
踊の輪ふくれて歩道車道まで 長田等
踊の輪ドナウ川風たちつるる 林翔 和紙
踊の輪今は完き月夜かな 青峰集 島田青峰
踊の輪小さくなりて抜けられず 高関眸
踊の輪崩れてはたと辻暗し 山田弘子 こぶし坂
踊の輪散るとき待たで旅継げり 平井さち子 紅き栞
踊の輪織子染子も加はれり 近藤一鴻
踊の輪老婆眼さだめ口むすび 西東三鬼
踊の輪近江は水の香に暮れて 益本三知子
踊の輪間合の空けばそこ詰めて 高澤良一 素抱
踊の輪音頭は蜑がくどくなり 佐野まもる 海郷
踊りの輪すでに入る余地なかりけり 畠山譲二
踊りの輪ちぢんだ処にて手をうつ 田川飛旅子(1914-99)
踊りの輪今一礦夫唄ひつつ 成瀬正とし 星月夜
踊りの輪山から闇の流れ出て 川崎展宏
踊りの輪挫きし足は闇へゆく 赤尾兜子
踊りの輪暗きところが膨れだす 松倉ゆずる
踊りの輪移る水輪のかたちして 百瀬美津
車椅子入りて広がる踊の輪 小川木久江
雨あとの歪みて進む踊の輪 三枝静代
くらがりの紐な断れそ踊笠 尾崎紅葉
はしきやし汝がつま紅の踊り笠 下村梅子
一夜被て一夜の情踊笠 後藤比奈夫
両頬に紐きつちりと踊り笠 谷中隆子
手調子は悲しきものよ踊笠 高木晴子 花 季
潮騒の中にて踊笠かぶる 松本旭
眼差しを隠し八尾の踊笠 清水節子
福耳に掛ける赤緒の踊笠 後藤立夫
落鮎と擦れ違ひゆく踊り笠 鳥居おさむ
藺を刈りし夜の踊笠殖えて見ゆ 萩原麦草 麦嵐
豊頬の紐くびれせし踊笠 西本一都 景色
踊り笠とつて「お民」は十九百姓ッ娘 橋本夢道 無類の妻
踊笠いくつ覗けば妻をらん 飴山實 『花浴び』以後
踊笠うしろに脱ぎし汗男 百合山羽公 寒雁
踊笠その紅紐を印象に 高濱年尾 年尾句集
踊笠出番の紐を結び合ふ 堤 京子
踊笠激しく揺れて相触れず 小島左京
踊笠真深に被り誰やらん 松田水石
踊笠結ぶことより教はりて 永森とみ子
踊笠被りて眉目の生れけり 比奈夫
*むつの子や踊り出したる燗どころ 三輪田育夫
「もつて来い」蛇踊すでに磴の下 下村ひろし 西陲集
「阿波の馬鹿踊り」いつ果てるやら天の川 橋本夢道 無類の妻
あと戻り多き踊りにして進む 中原道夫(1951-)
あの下手を嫁にと思ふ踊かな 也有
あらはれて踊の人数つづくなり 後藤夜半 翠黛
あれは諏訪町の踊か流し来る 橋本榮治 逆旅
いくたびも月にのけぞる踊かな 加藤三七子(1925-)
いくたびも締め直したる踊下駄 庄山章信
いそ~と尿りして来し踊の子 萩原麦草 麦嵐
いつせいに手あげて踊りの身が細る 中村草田男
いづくより湧きくる踊りぞめきかや 稲畑汀子 汀子第二句集
いでたちの下駄をまづ打つ踊りかな 石田勝彦 秋興
いとけなき踊を父の裾がくれ 皆吉爽雨
うかと出て家路に遠き踊かな 黒柳召波 春泥句集
うき人の手拍子のあふ踊かな 百池
うす暗く踊櫓の仕上がれる 吉井幸子
うたごゑのかなしく踊たけなはに 長谷川素逝 村
うどんげの花を踊らせ刀打つ 八木三日女 赤い地図
おどり死ぬべし踊りうたやまざれば 竹内弘子
おどる枯れ木に踊りたくない昼のそら 津沢マサ子 風のトルソー
おのがための手拙踊か亀泳ぐ 香西照雄 対話
おはら盆唄胡弓ひとつは荒踊り 諸角せつ子
おほどかに月こそかかれ雁踊 西本一都 景色
おぼろ夜のしば天踊り余興の座 高澤良一 寒暑
おもしろの旅の衣や踊たご 尾崎紅葉
おわら盆唄胡弓ひとつは荒踊り 諸角せつ子
おわら踊盲ひて黄泉へ往くごとし 鳥居おさむ
かぎりなき光草生に弾けつつ踊る常世のをとこをみなら 久津晃
かせどりの障子に踊る影のばし 八牧美喜子
かなかなを掻きまぜてより踊りの掌 鳥居おさむ
かの後家のうしろに踊る狐かな 黒柳召波 春泥句集
かんこ踊り雨乞ふときにひざまづく 宮田正和
かんながらちぎれんばかり鹿踊 高澤良一 寒暑
かんばせに蘆邊踊のはねの雨 後藤夜半
かゞり火の白樺燃えて踊りけり 及川貞 夕焼
ががんぼの悲しき踊り始まりぬ 伊藤いうし
きかぬ気の眉うつくしく連れ踊る 高井北杜
くたぶれてあふぎあふなり踊の子 辻桃子
くらがりで独活がつぶやく踊らうよ 嶋田麻紀
くらがりに俎を立て踊りにゆく 清水衣子
くらがりに白浪の立つ踊かな 吉田丁冬
くり出して 供養踊のすみてより 長谷川素逝 村
けふよりの踊けいこの遠太鼓 長谷川素逝 村
げじげじの踊るかたちにあたり見る 岸田稚魚
この入江もつともくらき踊の夜 田中裕明 花間一壺
この旅の終りは布哇踊らばや 保田白帆子
この辻に腰据え亡者踊見ん 高澤良一 素抱
この辻も大漁踊にうばはれぬ 篠原鳳作
これは又渋き踊の地口方 高澤良一 素抱
これよりの郡上踊の夜々といふ 原三猿子
さめざめと踊の笠の進みけり 山田紀代
しし踊り十八番(おはこ)の柱懸りかな 高澤良一 寒暑
しばたいてゐる鉱山の踊の子 萩原麦草 麦嵐
じゆり馬の流れ踊りやながし蛇皮線 荒井正隆
すぐに了る竜踊の汗生者死者 和知喜八 同齢
すすき野に撞木で踊る念佛なり 筑紫磐井 婆伽梵
その一人一人が踊りゐたりけり 徳永山冬子
それ~に三巾前垂加茂踊 北原常悦
たかぶりの音かたかたと踊り下駄 稲畑汀子 汀子第二句集
たくさんの手のあがりたる踊かな 橋本鶏二 年輪
たて臼もともに踊るや祇園の会 服部嵐雪
たましひのあらはに踊る夜涼かな 山田みづえ 木語
だんだんと踊整ひつつありぬ 稲畑廣太郎
ちさい子も人まね草に踊りけり 星野麦人
ちょいと手を空に合はせて女(め)の踊り 高澤良一 宿好
つぶろさし花見婆さまのけぞつて(り」の転化。原始的な、エロチックな踊りである。) 岸田稚魚 『花盗人』
つゝみ合し夫婦出くわす踊哉 高井几董
てのひらの集まつてくる踊かな 日原傳
てのひらをかへせばすゝむ踊かな 青畝
どうでもいいやうに踊りて手練なる 西村和子
どんたくが好きで踊つて老見せず 岡部六弥太
どんどこ舟囃子に急かれ櫂踊る 山本 淑子
どん栗の猪口をかぶりて踊らばや 中勘助
なまくさき漁村の月の踊かな 子規句集 虚子・碧梧桐選
ならび咲いたユッカ蘭 踊るのは 石井漠の映像 吉岡禅寺洞
ぬきん出て踊り上手や島育ち 荻田千鶴子
はじまらぬ踊たのしみくらがりに 軽部烏帽子 [しどみ]の花
ひそと踊る素描ニジンスキイ緑さす 小池文子 巴里蕭条
ひたと犬の鳴町過て踊かな 蕪村
ひたむきに傾ぐ念仏踊かな 古橋成光
ひた踊る獅子はかなしも地に低く頭をおろし又振り上げにけり 大野とくよ
ひとまはり踊りし頃や月昇る 長谷川秋子 『菊凪ぎ』『鳩吹き』『長谷川秋子全句集』
ひとりづつ灯を浴びてゆく踊かな 佐久間慧子
ひと眠りしてまた踊る郡上かな 岬雪夫
ひと踊りせんと背骨を積みなおす 田邊香代子
ひめしをん踊つてくれし人と別る 殿村莵絲子 花 季
ひらひらとてのひら流れゆく踊 金田志津枝
ふるさとは好きよ好きよと踊りをり 高田風人子
へそ踊り一夜にほつる祭髪 押田裕見子
ぼうふら踊りとやひと夜ふた夜と余念なし 栗林千津
まだ踊り足らざる手足なりしかな 山田弘子 懐
まつくらな橋渡り来て踊りけり 細川加賀 生身魂
むら雨の未だ干ぬ町に踊哉 田福
もの音も片してしまひ踊り果つ 田口武
もろともに露の身いとふ踊りかな 飯田蛇笏 山廬集
やせ村に老もこぞりし踊かな 正岡子規
やまぎりに濡れて踊るや音頭取 飯田蛇笏 霊芝
ゆうに六尺彦三頭巾の踊るかな 高澤良一 素抱
ゆきかへり郡上踊の橋たがヘ 石川桂郎 高蘆
よう踊れ西馬音内(にしもね)女ごのハギ衣裳 高澤良一 素抱
よひやみや門に稚き踊声 炭 太祇 太祇句選後篇
よべ踊り痴れたる街に出勤す 椎野ひろし
より添ひて踊の顔を包むなる 後藤夜半 翠黛
よろこびの裸踊りや日野薬師 丈 石
わたしでも狐でもなく踊るなり 五島高資
わらわらとおわら踊りの風に乗り 石寒太 翔
われら踊りまわたのごときをダムは吐く 竹中宏 句集未収録
をとこらに白粉にほふ踊かな 篠原鳳作
をとこをみな明日なきごとく踊るかな 下村梅子
をどれ踊れしんぞいのちの山乙女 臼田亜浪 旅人
アメリカは人皆踊る牡丹かな 寺田寅彦
シクラメンの火に火の踊り奴隷船 磯貝碧蹄館
チゴガニの上げ潮招く踊かな 高澤良一 寒暑
チゴガニの踊を真似て去なんとす 高澤良一 寒暑
ネッカチーフの真紅捲かれぬ踊らむか 毛塚静枝
パン種をねかし踊の夜へ出づる 平井さち子 鷹日和
ボイラーの火影踊らせ枯れはげし 伊藤京子
ヤッチクサッサ拳をかたく踊りけり 今井飛佐
ラ・クンパルシータ踊りぬ冬めきぬ 今井杏太郎
ロルプヤルより踊りメノコの醜を見る 石原八束 空の渚
一と踊り命がけなる大蛾かな 前田普羅 春寒浅間山
一勢にうちはをたゝく踊りの手 久垣 大輔
一夜づゝ闇になり行く踊かな 李収
一斉に見えぬもの指す踊かな 夏井いつき
一踊りおじゃれ篝火盛る間を 高澤良一 素抱
一遍踊る我ら句作る蝿たかる 辻桃子
一鼓なき古間甚句を踊るかな 西本一都 景色
丁寧に角々で燃え踊り盆 鳥居おさむ
七夕の夜はかりそめの踊かな 井上井月
七夕の踊りになるや市の跡 涼莵
七夕や先づ寄りあひて踊り初め 惟然
七月のセル着せられて踊り見に 石川桂郎 含羞
万愚節踊る埴輪は口ひらく 鍵和田[ゆう]子 浮標
三日三夜踊り明かすと郡上の娘 桑田青虎
三更の月得て郡上踊かな 佐藤朴水
不思議やな汝れが踊れば吾が泣く 高浜虚子
世には着て親に背むくを馬鹿踊 上島鬼貫
世果報(よふう)来い世果報来いとて神踊り 沢木欣一 沖縄吟遊集
主題歌も踊り演歌も踊るなり 依光陽子
乱礁の中や踊の巌見ゆる 萩原麦草 麦嵐
乳乞ひも交る裸の日野踊 鴨 水
二百人と踊つて鮎たべそして悲しや 阿部完市 春日朝歌
二階より下りて踊にまぎれけり 深見けん二 日月
二階より踊化粧の顔のぞく 沢村啓子
亡者踊り夜半の篝火掻き立てて 高澤良一 素抱
亡者踊り鼓、鉦(すりがね)打鳴らし 高澤良一 素抱
京の雨鴨川踊見るとせん 兼松蘇南
京去るや鴨川踊今宵より 池内たけし(1889-1974)
人の世のかなしきうたを踊るなり 長谷川素逝 村
人声やこんもり白らむ踊り更け 飛鳥田[れい]無公 湖におどろく
人間をかなしとおもひ踊見る 国弘賢治
今更に三世の多き踊かな 左右木韋城
他人の如く運動会の妻踊る 富田直治
代田まで踊り念仏の鉦ひびく 田中英子
仰向けば月は踊の真上哉 螺山
伏流水の上の闇ゆく踊りかな 鳥居おさむ
似しひとをちらと踊りの坩堝のなか 谷中隆子
佐渡おけさ踊るうしろの烏賊釣火 影島智子
佐渡おけさ踊浴衣の浪模様 高木晴子 花 季
佐渡は夜の踊る衣裳も波の色 田中鬼骨
侏儒らの踊り落葉の転ぶ夜は 河野南畦 湖の森
供神の龍踊かこむ海の眼玉 金子兜太
優(やさ)踊りこれ男にや緋の袖裏 高澤良一 素抱
児を産みて踊れる手足しなやかに 品川鈴子
八千代座に逢ふ約束も踊の夜 橋本榮治 逆旅
八月尽蟹を踊らすテレビ見て 百合山羽公 寒雁
六十年踊る夜もなく過しけり 小林一茶 (1763-1827)
六斎の暑し暑しと踊り観る 吉田 立冬子
六斎踊待つ三日月も太白も 大橋敦子
初富士の輝やく窓にリス踊る 碓井のぼる
初手水踊りこぼるる汽車に在り 皿井旭川
初盆の供養踊をうけてをり 長谷川素逝 村
前ぶれもなく壬生踊はじまりし 田中久子
加はりて真似て異国の踊りかな 伊藤いと子
匂ひ来る早稲の中より踊かな 言水
十人を産みし肩幅踊るかな 瀧澤伊代次
十郎の来ぬ夜を虎の踊かな 岡本綺堂 独吟
卯の花や踊崩れてほととぎす 上島鬼貫
句をつくる妓あり鴨川踊にも 開田華羽
名月に花(はな)風(ふう)といふ踊り見し 細見綾子 曼陀羅
向うより踊りくるなり花の酔 野村泊月
吾ら鬼火の仲間生死の裏で踊る 深谷守男
咲きすぎし椿と踊りたくなりぬ 仙田洋子 雲は王冠
哀しさを手足鈴攻め阿眉踊 加倉井秋を
唱へつつ踊れる背の影は仏 羽部洞然
噴水や空へ小踊りしては落つ 斎藤石雲
四五人に月落かかる踊かな 蕪村
土ぼこり立てゝ雨乞踊かな 津村和夫
土瓶さげて甘酒踊るかうぢのや 中勘助
地団ん駄踏む男踊りや阿波息災 橋本夢道 無類の妻
塀の上蝉取袋二つ踊り 上野泰 春潮
塗り剥げし鉞振ふ花祭踊 村上冬燕
夕凪の海を踊の国に来し 西本一都 景色
夕立のやめばジプシー又踊る 岩崎照子
夜々澄みて郡上踊の下駄の音 橋本榮治 麦生
夜どほしのさすが乱れし踊髪 下村梅子
夜の向日葵踊り果てたるごとく立つ 宮津昭彦
夜の底にやがてはぐれて踊下駄 湯川雅
夜も更けて彦三頭巾の虚仮(こけ)踊り 高澤良一 素抱
夜店立ち蛸の踊れる屋台幕 高澤良一 随笑
夢となりし骸骨踊る荻の声 其角
大いなる鬼の面てが踊るなり 高浜年尾
大川や鴨川踊の灯が泳ぐ 中村美治
大念仏踊る太鼓を軸として 稲葉光堂
大津絵の鬼も踊るか月おぼろ 長谷川史郊
大闇に退きし本堂踊たつ 皆吉爽雨 泉声
天草の夜干にほへる踊かな 肥田埜勝美
天草踏む秋風に身を踊らせて 渡辺恭子
天高し龍の踊れる瑠璃瓦 古賀まり子
女来よまだ足らぬぞと踊笛 軽部烏頭子
姉妹の踊を戻る先後哉 石井露月
嫁欲しとノヨサ踊のさす手かな 西本一都 景色
嬢(じょ)っこ等の踊り浴衣を見てたんせ 高澤良一 素抱
孑孑の踊りやまざる水替ふる 飯田晴子
孫の手をかふとて老の踊かな 樵風
學問を憎んで踊る老子の徒 村上鬼城
宣澄幽魂祀ればとて踊ればとて 西本一都
宣澄踊百姓唄のぶつきれに 西本一都
宵月の出汐の踊はずみ来し 臼田亞浪 定本亜浪句集
宵闇や門に幼き踊声 太祇
家の人供養踊に掌をあはす 長谷川素逝 村
宿とりて鴨川踊ほど近く 穂北燦々
寐て遠く聞や踊も秋の声 素外
寝る頃にはじまる隠岐の踊かな 森田峠 避暑散歩
寺々の鐘や踊の花に風 立花北枝
寺々や盆の踊に破れ築地 『定本石橋秀野句文集』
寺あれば人の踊りて風の盆 長沼紫紅
寺山の小萩が招く踊かな 野村喜舟 小石川
対岸の灯の濃くなりて踊待つ 川崎 俊子
小さき人鳴らぬ太鼓をもて踊る 如月真菜
小娘の生先しるしかけ踊 榎本其角
尻をつく大道踊夕桜 古舘曹人 樹下石上
尾鰭めく紅帯の房踊へ行く 香西照雄 素心
山の中の山の女の踊りかな 清水基吉
山の子の目鼻涼しき踊かな 橋本榮治 麦生
山の極川の極指し踊の手 加倉井秋を
山の温泉に海女来て踊る小正月 野原 春醪
山を出し月を合図に踊かな 神谷阿乎美
山姥の通りぬけたる踊の灯 星野麥丘人
山芋の擂粉木に鉢踊り出す 高澤良一 随笑
島の娘は巖に立ちて踊りけり 萩原麦草 麦嵐
島原や踊に月の昔顔 几董
島民の踊る三夜を月皎し 鈴鹿野風呂 浜木綿
島踊旅の枕にひゞき来る 鈴鹿野風呂 浜木綿
川に音還る踊の灯の消えて 岡本 眸
川床替へて祇園小唄を踊るかな 西村和子 かりそめならず
帯結び貰ひつつ手は踊る姿態 川村紫陽
帰るさに編笠抱え踊人 高澤良一 素抱
幕間に織子の踊村芝居 有本銘仙
幣たてゝ彦山踊月の出に 杉田久女
年の宿踊達者の妓に会へる 滝井孝作 浮寝鳥
年忘れ踊り出したる鍋の蓋 佐藤ユキ子
年逝くや踊ぬけ来て水飲めば 小池文子 巴里蕭条
康秀が夜長踊りてゐたりけり 道芝 久保田万太郎
廣小路すこしさびしき踊りかな 田中裕明 櫻姫譚
引く手差す手押す手もあれや女踊る 香西照雄 素心
引金自在に 幻二十日のぽるかを踊る 星永文夫
弾着よし否悪し渚に踊る橘よ 鈴木六林男
彦三頭巾キタカサッサと踊りけり 高澤良一 素抱
影のある踊の脚を踏みにけり 藤後左右
影曳いて石柱(ピラー)に蝶と踊りけり 仙田洋子 雲は王冠
影産んで女は過去を踊るなり 鳥居おさむ
御代なれや踊らぬものは浪ばかり 尾崎紅葉
心太天地が踊ることを云ふ 吉野裕之
念仏と薄と踊る一遍と 高澤良一 燕音
念仏踊は歩いてゆくよ月赤し 山田みづえ 手甲
念仏踊ぽつりぽつりと花の雨 岸田稚魚
念仏踊りは歩いてゆくよ月赤し 山田みづえ
念仏踊双盤を打つ根かぎり 羽部洞然
念仏踊大杉雫してゐたり 大野林火
念仏踊左右の山よりよき谺 羽部洞然
念仏踊男の跣足なまなまし 文挟夫佐恵
恋すてふ顔の踊りの下駄鳴らす(郡上踊) 殿村菟絲子 『菟絲』
恋人とひとり間ををく踊りかな 清水 浩
我が門に郵便這入る踊かな 会津八一
戦傷の足を踏んまへ放下踊 中戸川朝人 星辰
戸があいて踊の見ゆる牡丹かな 岸本尚毅 鶏頭
戻りゆく踊疲れの三味抱いて 高濱年尾 年尾句集
扇そも誰と寝し露の踊りかな 高橋睦郎 稽古飲食
手に袖にはね題目の踊かな 斗文
手のひらをかへせばすすむ踊かな 阿波野青畝(1899-1992)
手をやはらかくして踊の環に這入る 大沢爽馬
手を拍つや踊団扇のへし折れて 尾崎紅葉
押し出され踊らされをり花筵 清崎敏郎
拗ねものの菅笠ふかく踊りけり 古舘曹人
拡声器踊りの中の人さがす 田川飛旅子
探されてゐるとも知らず踊りけり 岡村紅邨
提灯に海を照らして踊かな 原月舟
摩崖仏踊るがごとし蝉しぐれ 石原八束 空の渚
撒き砂に願化踊りの雁形舞 高澤良一 素抱
撒き砂を踏みしめ亡者踊かな 高澤良一 素抱
放下踊紋服に唄司る 中戸川朝人 星辰
故郷は母にはぐれてゆく踊り 対馬康子 吾亦紅
文科の徒踊れり紅葉四方に照り 岸風三楼 往来
新地駅浪速踊りの案内板 辻田克巳
旅ごころ踊浴衣を着ても尚 西本一都 景色
旅の夜を人の踊るを見て明かす 下村梅子
旅人も郡上踊に夜明すと 松尾緑富
早鉦に鬼踊り出づ嵯峨念仏 西村和子 かりそめならず
旱星集へば踊るジプシーは 吉野義子
明かゝる踊も秋のあはれかな 蕪村遺稿 秋
星空へはらりと伸びし踊の手 山田弘子 懐
昼寝覚む動物達は踊るため 対馬康子 愛国
時化ぬけの八朔踊もやるといふ 長谷川素逝 村
暖炉灼く夫よタンゴを踊ろうか 三橋鷹女(1899-1972)
暗がりに白波の立つ踊かな 吉田丁冬
暗きより出でて踊に加はりぬ 今井千鶴子
曳猿の紐いっぱいに踊りをり 星野立子
更けゆきて踊浴衣の汐じめり 木田和美
更けるまで踊れ端縫いは母ゆずり 高澤良一 素抱
月が出て踊る八尾は坂の町 西村公鳳
月とるごと種まくごとく踊りけり 青邨
月に踊る中にはいれば輪となりぬ 上村占魚 鮎
月光に篝に顔のなき踊 西本一都 景色
月出でゝ鬼もあらはに踊かな 河東碧梧桐
月夜窈かに踊り狂へり破芭蕉 千代田葛彦 旅人木
月明し雨乞踊見に行かん 正岡子規
月更けて恋の部に入る踊かな 内藤鳴雪
月蝕の奥へ奥へと踊りゆく 白澤良子
月赤し雨乞踊見に行かん 正岡子規
月遍照の嶺々に手をあげ踊るなり 大野林火
朝夕に見る子見たがる踊かな りん 俳諧撰集玉藻集
木々芽吹く中にも柿の枝踊り 石川桂郎 含羞
木曾節の正調踊る谿の風 伊藤敬子
朱の闇は踊りつくせぬいのり尽きせぬ 渋谷道
朱の闇や踊るひとの荷まもりつつ 渋谷道
村を出る嘆きをうたふ踊かな 岩崎照子
来し方も行方も闇の辻踊り 鍵和田[ゆう]子 飛鳥
来世また君に逢はむと踊抜く 中嶋秀子
枯るゝ崖日矢の踊ればやはらかく 杉山岳陽 晩婚
柳より踊櫓の灯ともれり 長谷川かな女 雨 月
桃の宿ひとり遊びの影踊り 中村苑子
桜散る個々に無数に社員踊り 村井和一
梓弓花つけて簓踊舞う村 金子皆子
椎茸の笠きて踊れ枝蛙 中勘助
横顔にさす月厭ふ踊かな 野村喜舟 小石川
樽うちて柳の月に踊るらん 会津八一
橋の上名残踊に立つ瀬音 田中英子
橋越えてこゝは鴨川踊の灯 田中紅朗
櫓いま故老笛とる踊らめや 皆吉爽雨 泉声
歌いづれ小町踊や伊勢踊 貞徳
歎き唄郡上踊を挟む軒 石川桂郎 高蘆
殿様がたお前の沖や踊舟 立詠 選集「板東太郎」
母と踊るうなじの二十歳巴里祭 小池文子 巴里蕭条
母式部闇よりやみへ踊かな 黒柳召波 春泥句集
母踊る賽の河原の吾子の為 楠節子
水かたき今日善男や踊りあふ 加藤知世子 花寂び
水にほふ橋をぞ郡上踊見に 皆吉爽雨 泉声
水の辺の夜気ふくよかに踊りけり 伊藤京子
水打つて鴨川踊の夜となりぬ 岸風三楼 往来
氷海に秋日踊らす白夜行 殿村莵絲子 雨 月
汐まねき呪文の踊りくりひろげ 野見山朱鳥
汐汲を踊れば霞む舞台かな 白水郎句集 大場白水郎
沙熱し猿形鳥形にて踊る 小檜山繁子
河童忌や噴井に踊るまくはうり 小林羅衣
泉湧く太古の砂を踊らせて 安斉君子
流れ者のやうに踊りぬ稲孕む 鳥居美智子
浜木綿の花の月夜に海女踊る 下村非文
浜松に太鼓かけたる踊かな 比叡 野村泊月
浦祭祭囃子に波踊り 上野泰 春潮
浪速踊見つつはあれど旅疲れ 富安風生
海霧くれば海霧を払ひて踊りけり(利尻島にて) 石原八束 『風霜記』
涼めとや七つ踊の袖の風 尾崎紅葉
湯に踊る燗徳利や不死男の忌 佐野克男
湯口に踊る白繭小春の糸を繰る 古沢太穂 古沢太穂句集
満月に心の鬼も踊り出し 塚本みや子
満潮に踊の足をあらひけり 森鴎外
潮焼の男ばかりの踊かな 梶山さなゑ
火男(ひょっとこ)の踊れるごとくとんどの火 高澤良一 随笑
火蛾はやもあしべ踊の笛の妓に 木田南子
灯がついて踊の音は大津かな 山口青邨
灯蛾伴れて踊りつづけて風の盆 杉本寛
灼けつく砂浜の鶏追ふ影が踊つて淋しいひるから 人間を彫る 大橋裸木
炎ゆる海少女が踊るフラメンコ 佐川広治
煖炉灼く夫よタンゴを踊らうよ 三橋鷹女
照明の城に向ひて踊りゆく 長田等
燈籠踊うぶすなの闇揺らし合ひ 橋本榮治 逆旅
燈臺の下に踊れる五六人 伊藤柏翠
爆心地突き上げ突き上げ龍(じゃ)踊らす 加倉井秋を 『真名井』
父と見し鴨川踊ありありと 錦織 鞠
牧下りて踊りその夜に帰りけり 太田土男
獅子も立ち踊る六斎和唐内 松本三余
生涯の踊り納めの輪に蹤けり 石寒太 翔
男踊り女踊りのある配慮 高澤良一 寒暑
男踊り日本一の尻ばしょり 高澤良一 寒暑
男踊り風のこぶしは地に返す 石寒太 翔
町内の踊自慢の大人の部 高澤良一 寒暑
病むわれが笑へばおどけ母踊る 坂上村童
痴れ踊る彦三頭巾の細目穴 高澤良一 素抱
白扇の踊夕顔ひらくごと 羽部洞然
白繭にこもる踊の酣は 宮坂静生 樹下
白足袋の汚れもあはれ鹿踊 田村了咲
白馬も踊りニューイヤーコンサート 矢島渚男 延年
百ほどの一つが踊り蟻地獄 松山足羽
皆踊る笛に鉦っこハギ衣裳 高澤良一 素抱
盆の月踊らぬ都憂かりけり 尾崎紅葉
盆唄や今生も一ト踊りなり 石塚友二
盆東風の波止や踊に遠くゐて 杉浦和生
相川音頭は結梗の咲く踊かな 長谷川かな女 雨 月
看病の娘出しやる踊かな 泉鏡花
眦(まなじり)に紅決したる踊りかな 石橋秀野
着ぶくれて遅刻教師の踊る足 福永耕二
着地する瞬間枯葉踊りたる 稲畑広太郎
破れたる翅もたゝむ蛾の踊 前田普羅 春寒浅間山
磧にも鴨川踊待つ人等 橋本青楊
神代より踊つたへて来し手足 今井千鶴子
神前にをどりじまひの鹿踊 田村了咲
祭浴衣干せば踊りて神田川 松山足羽
福藁や雀が踊る鳶がまふ 一茶
秋の夜やおけさ踊を皆習ふ 大場白水郎 散木集
秋もはや今宵を踊りをさめなる後の月夜の更けにけるかも 島木赤彦
秋蚊帳に踊聞えて寐入りけり 大谷句佛 我は我
秋霖や踊りを復習(さら)う旅役者 斉藤 節
秩父人秋蚕あがりぬと来て踊る 水原秋桜子
稲終る腰抜けるまで踊るべし 羽部洞然
空也忌や寒き方より踊り出し 麦 宇
空也念仏木沓かたかた踊りけり 中尾優里
空也念佛腰の瓢も踊りけり 成瀬櫻桃子 素心
竜踊りの楽よりも疾く玉を追ひ 岡部六弥太
竜踊を見て寝落ちしか大鼾 北野民夫
竹串の抜いては刺さる踊る鱒 佐藤文子
竹山を越えて踊の唄きこゆ 福田甲子雄
竹落葉雀百まで踊りゐむ 櫛原希伊子
竹薮の日を踊らせて空っ風 福田千栄子
笛に湧く夜霧藤色踊りに入る 加藤知世子 花寂び
笠はづす亡者踊りの汗かかず 安藤五百枝
笹たてゝランプ釣りたる踊かな 西山泊雲 泊雲句集
篝の前ここぞと亡者踊かな 高澤良一 素抱
篝火のいろを貰ふて踊帯 高澤良一 素抱
篝火の爆ぜて夜寒の鹿踊 佐藤まさ子
紅葉し月下に踊る姉と兵 志波響太郎
紅蓮田一遍踊り来しごとく 神原栄二
紋付の落人踊り秋の風 八牧美喜子
紙魚はをらず踊つて読ます字のくばり 廣江八重櫻
細腰の法師すゞろに踊かな 蕪村
絶間なく砂踊らせて湧く泉 了戒 純
綿の出し踊太鼓の赤き帯 西本一都
線香花火踊る小松葉大松葉 高澤良一 素抱
織子帰る明日の踊の笠さげて 銘仙
繭の糸引きつくされてなほ踊る 長坂子葉
翌朝の踊櫓を犬が嗅ぐ 鳥居美智子
老いながら椿となつて踊りけり 鷹女
老い払ひ死を払ひして踊りの手 文挟夫佐恵
老人のおくれて踊るあはれなり 京極杞陽
老僧のひよこひよこ踊る空也の忌 吉良ゆき子
耶蘇かくすてだての踊かなしけれ 山野邊としを
聖樹下に踊りてはらふ塵少し 原裕 葦牙
聞きも居るや行くか踊るか鉢叩 松根東洋城
背の高い人のこにくき踊哉 正岡子規
胎内で唄い踊れり首里の秋 穴井太 原郷樹林
腰ざしのゆらゆら奉納鹿踊 高澤良一 寒暑
腰細く踊り過ぎしは汝ならむ(喜八屋の美佐さんへ) 岸田稚魚 『筍流し』
舞の手や浪花踊は前へ出る 藤後左右
芋銭の碑夜は狐火と踊らむか 久保羯鼓
花の下ぢゝばゝ踊る皆わらふ 河野静雲 閻魔
花の下韓の踊りの揺れどほし 大石悦子 群萌
花の下骸骨踊り餓鬼笑ひ 行方克巳
花の雲十二神将踊るかな 赤嶋千秋
花むしろ踊れる婆々に爺不興 河野静雲 閻魔
花火終へ踊りの方へ人動く 森田公司
花疲れ芦辺踊の椅子に在り 伊東祐翠
花祭踊る設楽の真闇雪降らす 村上冬燕
花笠のとぎれ目つなぐ素手踊り 平井さち子
花篝他郷に老いて踊りけり 南一雄
花風を踊る爪先き月の波 細見綾子 黄 瀬
芸なしの余寒を裸踊かな 尾崎紅葉
若者の帰つてきたる踊かな 須藤常央
若葉風流球踊挙反り 矢島渚男 延年
菠薐草の赤根が好きで踊り好き 星野紗一
華の葉も遠盆唄に踊るなり 大熊輝一 土の香
蓮植うる速さ阿呆の踊り腰 鳥居おさむ
虫の音も踊に蹤いて明けにける 鳥居おさむ
蛇踊のいと単調にくりかへす 高濱年尾
蛇踊の万の鱗の一つ落つ 野見山朱鳥
蛇踊の果てたる人の中に漕ふ 八木林之介 青霞集
蛇踊や社頭の秋日巻込んで 下村ひろし 西陲集
蛇踊りの楽起る秋日激しき中 内藤吐天 鳴海抄
蝌蚪踊る貯炭場の水よきことあれ 小林康治 玄霜
蟷螂の風を踊りてゐたりけり 平井照敏 天上大風
行きずりの我を誘ひて踊りけり 堀 政尋
街灯もポストも踊りさうな阿波 蔦三郎
街角の少し暗きに踊り痴れ 稲畑汀子 汀子第二句集
袖なくてうき洋服の踊り哉 正岡子規
西馬音内(にしもね)衆踊る姿は雁の列 高澤良一 素抱
西馬音内夜更けて踊り達者が出 高澤良一 素抱
見えがてに踊の人輪めぐるかな 軽部烏帽子 [しどみ]の花
見しりたる背中どやする踊かな 立花北枝
見古りたるあしべ踊の廊下番 後藤夜半 翠黛
見物衆踊る腰つき見てたんせ 高澤良一 素抱
親鸞と川を隔てて踊るかな 和田悟朗
観自在王院踊の灯を連ね 辻桃子
触れば触れ踏まれば踏まれ癩と踊る 八木三日女 紅 茸
誘ひたる浪花踊は前へ出る 藤後左右
誘ひたる蘆辺踊に誘はるゝ 高浜虚子(木人の誘ふまゝに)
誰も踊らぬ草笛吹いてアイヌ墓地 加倉井秋を 『真名井』
謝肉祭水売女踊り出す 有馬朗人 天為
谷川健一丈高く踊りけり 黒田杏子 花下草上
谷汲踊鉦が早めし雪解かな 冨山俊雄
谷汲踊鉦と太鼓で舞ひ納む 塩川雄三
豊年や目玉威しのよく踊る 宮下邦夫
豊年踊り地口も嬶(かが)腹満作と 高澤良一 素抱
走り根に来てはゆがめる踊かな 阿部静雄
起床してすぐに踊つて風つくる 阿部完市 絵本の空
足が地につかぬ踊躍鶴の舞 平井さち子 紅き栞
足とんとはるこまはるこま踊初 中戸川朝人 尋声
足なへの伊那の娘の踊かな 森田峠 避暑散歩
足もとに波のきてゐる踊かな 五十嵐播水 播水句集
足わろき上人さんの庭踊 高澤良一 燕音
足をかう手をかう首をかう踊れ 角田竹冷
跳ね違ふ汗の六斎踊かな 鈴木しげを
踊うた我世の事ぞうたはるゝ 高浜虚子
踊から直(すぐ)に朝草かりにけり 小林一茶 (1763-1827)
踊さへ上手に勝つや角力さへ 尾崎紅葉
踊さやに黄昏どきの巴里祭 小池文子 巴里蕭条
踊すみ燈籠納めすみ闇夜 長谷川素逝 村
踊すみ燈籠送りすみ闇夜 長谷川素逝 暦日
踊たけなは片肌脱ぎの太鼓打ち 福田蓼汀 秋風挽歌
踊たつ河内古道暮るる辺に 亀井糸游
踊ならはで帰るや夫れも旅の憂さ 尾崎紅葉
踊にもある切味や佞武多の夜 北野民夫
踊の句作らん願ひ月よかれ 鈴鹿野風呂 浜木綿
踊の夜ひとりは天女連れて来し 小泉八重子
踊の手ひらひら進み風の盆 福田蓼汀 秋風挽歌
踊の手空を指すとき揃ひたる 丸山立尾
踊の手金星を指し夫を指し 香西照雄 素心
踊の灯二つ灯りて葛川 浜岡 延子
踊の灯始まる前を白熱す 田川飛旅子
踊の灯幾つも見つつ北へ汽車 岡田飛鳥子
踊の灯消えてがつくり部落眠る 川村紫陽
踊の町清流も灯をちりばむる 松崎鉄之介
踊の足稲の出穂よりなほ揃うた 高澤良一 素抱
踊らぬと決めてかかりし胡座かな 山田弘子 螢川
踊らねば霧おそろしき夜更けかな 仙田洋子 橋のあなたに
踊らむと手挟む扇帯に余る 文挾夫佐恵
踊らんかな(瀕死)真赤な血の手拍子 高柳重信
踊らんか黒鯛は膾に渦見し夜 国 しげ彦
踊らんとするわれを見る恥しき 敷藤五城
踊らんと顔を包めばうつくしき 後藤夜半 翠黛
踊りきいて跼む盲ひに草青し 飛鳥田[れい]無公 湖におどろく
踊りけり天に近づくすべもなく 藺草慶子
踊りそろへば小町桜は咲きにけり 長谷川かな女 雨 月
踊りたく聖樹のかげに来てをりぬ 原田青児
踊りたる夜のあり黴のハイヒール 北見さとる
踊りつぐ三十一夜城の燈に 近藤一鴻
踊りつつ指がもの言ふ阿波育ち 長尾 久子
踊りつゝちらとまなざし投げにけり 馬場太一郎
踊りつ義秀花冷の京を去る 永井龍男
踊りの夜川に這ひでて葛の蔓 細見綾子 黄 瀬
踊りの手ひらひら進み風の盆 福田蓼汀
踊りの手みな揃ふとき時止る 倉田紘文
踊りの鼓笛組合委員ら山泊り 友岡子郷 遠方
踊りゆく踊りの指のさす方へ 橋本多佳子
踊りゐて月の埠頭となりてゐし 岸田稚魚 筍流し
踊りゐるうしろ姿のみな暗く 秋を
踊りゐる揚羽を確と掴むべく 仙田洋子 橋のあなたに
踊り出す雨に中断されゐしが 大久保和子
踊り出てしまひなんとかいけさうな 谷口和子
踊り出て阿呆の顔となりにけり 泉 六秋
踊り太鼓ひびく旱の池の底 榎本冬一郎 眼光
踊り尽き唄ひ尽きたる熊祭 椎名智恵子
踊り手が町に戻りて風の盆 高澤良一 宿好
踊り手の端縫い図柄もとりどりに 高澤良一 素抱
踊り抜き阿波の旅寝の深かりし 稲畑汀子
踊り明かせばさびしきよ阿波の朝 稲岡長
踊り明し唄ひ明して風の盆 福田蓼汀 秋風挽歌
踊り来し冴えそのままの筆づかひ 加藤知世子 花寂び
踊り果て今生終りしごとくなり 本宮鼎三
踊り果て山国の闇かむさり来 菅原鬨也
踊り果て谷川の音するばかり 佐々田まもる
踊り痴れし暗がりの渦巴里祭 小池文子 巴里蕭条
踊り神送りの曲となりにけり 黒田杏子 花下草上
踊り見て宿は雑魚寝の公民館 高澤良一 素抱
踊り見に二万石橋うち渡り 高澤良一 素抱
踊り見に来て川音のよろしもよ 細見綾子 黄 瀬
踊り見る警察官の足拍子 今泉貞鳳
踊り足りし身を深霧に包まれぬ 林原耒井 蜩
踊り踊つて血族同類血をはげます 加藤知世子 花寂び
踊り鉦鳴れば手足の動き出す 水野征男
踊り髪結ひて原爆遺児なりき 下村ひろし 西陲集
踊ること老にもたのし夜々の霧 金子伊昔紅
踊るさま御殿女中にして願化 高澤良一 素抱
踊るとは生きることかも風の盆 中村苑子
踊るならタンゴに如かず高脚蟹 高澤良一 ぱらりとせ
踊るなり月に髑髏の影を曳き 三橋鷹女
踊るなり紙も蚕も滅ぶれど 大野林火
踊るらめ女泣かせぬ世の来るまで 中村草田男
踊る人月に手を挙げ足を上げ 高濱年尾 年尾句集
踊る向日葵縄跳びの子のとぶたびに 磯貝碧蹄館 握手
踊る夜もくろがねの輪の水練児 百合山羽公 寒雁
踊る夜を嬢っこ真紅のしごき帯 高澤良一 素抱
踊る子の輪をはなれきて帯直す 浅見まき子
踊る帯巻き工夫達農夫達(日光) 殿村菟絲子 『路傍』
踊る手のあまたが中の亡者の手 鈴木貞雄
踊る掌を夜空へ返し風の盆 池田秀水
踊る泡山椒魚の産む声す 加藤知世子 花 季
踊る赤鬼跳ぶ松明は小鬼たち 羽部洞然
踊る足応へて阿波の大地かな 谷野黄沙
踊る身の風となるまで風の盆 国保泰子
踊る輪に老婆がひとり逆廻り 品川鈴子
踊る輪の廻るにつれて歩きけり 温亭句集 篠原温亭
踊る輪の暗きところを暗く過ぎ 鷹羽狩行 遠岸
踊る輪の白髪の振り確かなる 都筑智子
踊れよと呼びかけられて旅の我 高濱年尾 年尾句集
踊三味つま先に立て憩ひをり 高濱年尾 年尾句集
踊下駄踊りはじめの緒がきつし 佐野美智
踊太鼓地酒ぶつかけ滅多打ち 岸田稚魚 筍流し
踊太鼓家庭教師はさみしきよ 宮坂静生 雹
踊太鼓打ちて二の腕までが撥 品川鈴子
踊娘ら襷の結び目を肩に 森田峠 避暑散歩
踊崩れて月無き雨となりにけり 温亭句集 篠原温亭
踊巧者踊見巧者風の盆 高澤良一 随笑
踊待つ城を四山の一峰に 皆吉爽雨 泉声
踊抜き阿波の旅寝の深かりし 稲畑汀子 汀子第三句集
踊果つ町筋篝なほ染めて 高澤良一 素抱
踊果て遡り来る小声かな 四ッ谷 龍
踊櫓犬よこむいて坐りいて 長谷川かな女 牡 丹
踊浴衣は白波模様裾は紺 香西照雄 素心
踊着のままのねむりに川の音 澁谷道
踊納の月に鳴る宗祗水 黒田杏子 花下草上
踊舟二度も通りて鵜舟来る 田村了咲
踊花金毘羅小屋に歌舞伎来る 渡辺恭子
踊草咲きむらがれる坊の庭 山口青邨
踊衆にきまつてゐるや甘庶盗人 篠原鳳作
踊衆に酒振舞ふや山頭 原石鼎
踊見し木曾の夜霧に中り病む 松本たかし
踊見に出てもよいかと醫師に聞く 国弘賢治
踊見に行く支度して秣切る 小熊つね
踊見に踏むらん夜るの花野かな 京-友静 元禄百人一句
踊見のそびらの真闇迷ひ犬 平井さち子 紅き栞
踊見の妻古りたれど連れにけり 松村蒼石 寒鶯抄
踊見る人のうしろや秋の闇 定雅
踊見る犬はけものの息荒く 野澤節子 牡 丹
踊見る脱柵患者暗がりに 石田あき子 見舞籠
踊見る色傘しづむおかぼ畑 前田普羅 春寒浅間山
踊見降ろす手をとり合つてじろべい様 羽部洞然
踊足袋ぴつたりと穿き皮膚となる 品川鈴子
踊髪とけばもの落つはら~と 高濱年尾 年尾句集
身振りをば手振りで返し壬生踊 奥野曼荼羅
輪がまはり松の影来し踊かな 下村梅子
輪踊の上手ひとりに崩れけり 国井 美代
輪踊りの真中にゐてひとりなり 石寒太 翔
農婦にも柔肌ありて踊りにゆく 榎本冬一郎
辻々を踊り母校の水呑場 北川英子
辻踊りふたたび闇へ消えゆけり 中尾杏子
近海の濤にもまるる踊かな 宮坂静生 春の鹿
通ひ路のあしべ踊の宵景色 後藤夜半 翠黛
通り雨踊り通して晴れにけり 松本たかし
道ばたに蘆辺踊の二階かな 後藤夜半 翠黛
道暗し踊の手ぶりして戻る 大橋櫻坡子
遠浪の聞えそめたる踊かな 増田龍雨 龍雨句集
遠目にはひかりが踊る川遊び 二村典子
郡上踊一巡の四肢やはらかし 池田秀水
郡上踊扁平足のとちりけり 石川桂郎 高蘆
酔うて踊ってえんまこおろぎ鳴いている 穴井太 原郷樹林
醤油屋の辻を曲れば踊りかな 山本洋子
釋迦釋迦と踊り出でたるあめんぼう 山崎十死生
鉦太鼓なくて仏と踊るなり 佐野美智
鎌どころ踊どころの盆休 西本一都 景色
長き夜やパラパラ漫画踊らせて 石田たまみ
阿呆連奴踊りにくったくた 高澤良一 寒暑
阿波に住み阿波の踊りにあきもせず 和田やよひ
阿波の夜を踊浴衣に畳み込む 山田弘子 懐
阿波の子の踊り育つをまのあたり 京極杞陽
阿波人は雲踏む様に踊るかな 大橋静波
阿波女踊り手付きが身上よ 高澤良一 寒暑
陰陰と雨の宣澄踊かな 西本一都
隠岐の月美しければよく踊る 森田峠
雨に日延べの踊を今日や木曾山中 島谷征良
雨乞の手足となりて踊りけり 綾部仁喜 寒木
雨乞の踊に笑ひとりもどす 宮中千秋
雨乞の踊団扇の雨一字 小西石蕗
雨乞ひの踊りは遠し海の音 三好達治 俳句拾遺
雨乞や島の媼の荒踊り 平良和子
雨打って山あぢさゐの葉が踊る 高澤良一 素抱
雨打てば浮葉三つ四つ踊りけり 今泉貞鳳
雨雲の月をかすめし踊かな 正岡子規
雪の土に日の斑の踊り童子墓 鷲谷七菜子 雨 月
雪を来し靴と踊りぬクリスマス 山口波津女
雪解水雀踊りなすに憩ひをり 石川桂郎 含羞
雲雀飛てやき魚踊けり小摺鉢 沾葉 選集「板東太郎」
霜の花踏んでタンゴを踊らうか 仙田洋子 雲は王冠
露の屋根乗り越え乗り越え踊り太鼓 榎本冬一郎 眼光
露冷ゆる松山ふかく見たりけり輪をかきならぶ踊松茸 村松英一
青嵐吊るされ木偶の踊り出す 小原樗才
静かなるかせかけ踊守宮鳴く 高浜年尾
面包み引かれて来たる踊かな 岳 居
面白やと神も御声や伊勢踊 一鳥 選集「板東太郎」
顔ぶれも昭和生まれの踊人 高澤良一 随笑
願化踊り甚句文言(もんげん)推し測り 高澤良一 素抱
願化踊り篝の薪目減りして 高澤良一 素抱
風おさまる如く豊年踊果つ 高澤良一 宿好
風に踊る土筆 野の神出て来さう 河野南畦 湖の森
風の盆男踊りが好きで蹤く 片桐久恵
風の盆蔓わたるごと踊りゆく 鳥居おさむ
風上の踊にわれの足拍子 林翔 和紙
養父入に戻りて京の踊かな 許六
首ふって花と踊るや芥子坊主 石原八束
驟雨去り郡上踊の勢ひ立つ 上田和子
驟雨来る岸辺の杭を踊らせて 小澤克己
高張りに夜の明けてくる踊かな 藤田あけ烏 赤松
髷のきれ踊るほど~薄あさぎ 長谷川かな女 雨 月
鬼踊そばえいろ濃く通りけり 永作火童
鬼踊り消え寒星と壁一枚 友岡子郷 遠方
鯔を食ひけふは踊見にもゆかず 田中裕明 花間一壺
鱈鍋の蓋踊らせて大家族 加藤憲曠
鳥達の踊り疲れて砂の街 対馬康子 吾亦紅
鳴海絞着るがうれしき踊りの灯 伊藤敬子
鴨川をどり舞妓のままで踊る舞妓 古屋秀雄
鹿踊伝えて遠野十五ケ村 高澤良一 寒暑
鹿踊八つの鹿の揃い踏み 高澤良一 寒暑
鹿踊袴の源氏車紋 高澤良一 寒暑
鹿踊諸流の中の春日流 高澤良一 寒暑
黄昏に踊る海鼠と女かな 仙田洋子 雲は王冠
黒人と踊る手さきやさくら散る 鈴木しづ子
黒人の月の踊りにさそはるる 坊城としあつ
鼓うつ櫓古めく踊かな 長谷川かな女 雨 月
龕燈や郡上踊へ橋渡す 石川桂郎 高蘆
さるほどに泣きこゑしぼる音頭取 飯田蛇笏 山廬集
やまぎりに濡れて踊るや音頭取 飯田蛇笏 山廬集
声きけば古き男や音頭取 炭 太祇 太祇句選
以上

俳句の四方山話 季語の例句 句集評など
by 575fudemakase
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《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。
尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。
《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)
例1 残暑 の例句を調べる
検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語
例2 盆唄 の例句を調べる
検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語
以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。
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