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清水

清水

例句を挙げる。

あとさまに小魚流るゝ清水哉 高井几董
いかほどを生きしや桂清水掬む 佐藤鬼房
いつも身近に眞清水涌くを感じをり 眞鍋呉夫(1920-)
うつくしき人なほ結ぶ清水かな 備前-晩翠 元禄百人一句
うつくしや榎の花のちる清水 加舎白雄
おくつきに近くは湧ける清水かな 尾崎迷堂 孤輪
おくらばや清水に影の見ゆるまで 千代尼
お岩木の手水の真清水手に痛し 高澤良一 寒暑
お岩木の真清水大き柄杓に受け 高澤良一 寒暑
お岩木の真清水引きて御神水 高澤良一 寒暑
かけ出の髭をしぼりて清水哉 召波
かりそめの清水なりしが祀らるる 忍月
くちすすぎ月光残す山清水 柴田白葉女 花寂び 以後
このあたり金出るといふ清水かな 成瀬正とし 星月夜
この清水濁せば曇る御山かな 比叡 野村泊月
ころころと清水あそばせ芭蕉の道 原 裕
さざれ蟹足這ひのぼる清水哉 松尾芭蕉
ざざ洩りの柄杓とりあぐ清水かな 阿部みどり女 笹鳴
したたりは歯朶に飛び散る清水かな 夏目漱石 明治四十年
しんしんと鈴振るごとし清水湧く 村越化石 山國抄
すさまじく清水湧くなり雨の中 増田龍雨 龍雨句集
すたる音嬉しき夜の清水かな 井月の句集 井上井月
すみにけり巌下清水神代より 幸田露伴 江東集
ただ頼め内井の清水湧くかぎり 臼田亜浪 旅人
てのひらに清水の重さ妹はるけし 蓮田双川
とくとくの清水の末のふきのたう 吉野義子
とくとくの清水の甘し山ざくら 関森勝夫
とくとくの清水はいかに花の雲 宇佐美魚目 天地存問
とくとくの真清水化けるまで生きな 後藤綾子
ところてんの叩かれてゐる清水かな 夏目漱石 明治四十年
ならはしの二文づつとる清水哉 会津八一
ぬけたりな清水が本の片草履 服部嵐雪
ねぶたくと清水な呑みそ横田山 斯波園女
のどかさは泥の中行く清水かな 古白遺稿 藤野古白
のど下る清水いとほし霧の中 佐野良太 樫
はきながら草履を洗ふ清水かな 立花北枝
はんざきに真清水今も湧き流れ 臼田亜浪
ひとり言いふて立さる清水哉 炭 太祇 太祇句選後篇
ふく清水に砂の負け居る汀かな 高田蝶衣
ほら穴に清水の湧くをうやまへり 細見綾子 黄 瀬
みな清水ならざるはなし奥の院 井上井月
むく~とものいふさまの清水哉 竹冷句鈔 角田竹冷
むすぶ手の濁り流るゝ清水哉 妻木 松瀬青々
もてなしの鯨はほめて清水かな 幸田露伴 拾遺
チャグチャグ鈴清水にひびき橋渡る 八牧美喜子
ハンカチを清水に絞る泣きしあと 津田清子
一言はかヘじ清水の如きあり 松瀬青々
七月や真清水の音葉がくれに 神尾久美子 桐の木
丈六のそびら音して苔清水 飴山實 『花浴び』以後
三ケ月〔の〕清水守りておはしけり 一茶 ■文化十年癸酉(五十一歳)
上蔟や真清水は崖つたひつつ 神尾久美子
下駄もぬがず足を入れたる清水哉 寺田寅彦
二タ蟹の爪たゝかへる清水かな 東洋城千句
二人してむすべば濁る清水哉 蕪村 夏之部 ■ 丸山主水が、ちいさき龜を寫したるに賛せよとのぞみければ、任官縣命の地に榮利をもとめむよりハ、しかじ尾を泥中に曳んには
二人して片足づつの清水かな 夏目漱石 明治四十年
五合目の富士の清水を掬ひのむ 星野椿
人の世の銭にされけり苔清水 一茶 ■文化十二年乙亥(五十三歳)
人去て夕山に鳴る清水かな 四明句集 中川四明
人死ねば豆腐を浸す清水かな 萩原麦草 麦嵐
仙人の鬚洗ひ居る清水哉 寺田寅彦
伏し重つて清水掬ぶや生徒達 竹下しづの女 [はやて]
伏姫の御祓せしとふ清水ありや 寺田寅彦
住かねて道まで出る歟山清水 服部嵐雪
先き騎馬のあと待合す清水かな 井月の句集 井上井月
先達の大声に呼ふ清水かな 尾崎紅葉
先馬の沓しめし行く清水かな 猿雌 俳諧撰集「有磯海」
光る風のすぢ明らかに清水かな 中村汀女
其底に木葉年ふる清水哉 正岡子規
円空(く)さんにどすんどすんと山清水 中戸川朝人
冷し瓜富士の真清水戸々に湧き 勝亦年男
凍て解けて筆に汲み干す清水哉 松尾芭蕉
初蝶や木曾の真清水樋あふれ 下田稔
剣客と袂を分つ清水かな 露月句集 石井露月
十本の指しみじみと山清水 原石鼎
半腹の路分れたる清水かな 会津八一
厨ぬけ一渓となる清水かな 西本一都 景色
去るに決まる家の清水を日々愛す 及川貞 夕焼
口やれば波たゝみ来る清水哉 西山泊雲 泊雲句集
古沼の藻の花に湧く清水かな 月舟俳句集 原月舟
古郷や厠の尻もわく清水 一茶 ■文化九年壬甲(五十歳)
唇に薬つめたき清水かな 阪本四方太
土間足駄かりかりひびき井戸清水 中村草田男
坑内鼠清水湧く場所知りて来る 戸沢寒子房
城跡や古井の清水まづ訪はん 松尾芭蕉
塔頭の一寺の湧ける清水かな 尾崎迷堂 孤輪
塩浜に清水流るゝ雪解かな 古白遺稿 藤野古白
夕立のあがりし清水蟹あそぶ 清原枴童 枴童句集
夜に入ればせい出してわく清水哉 一茶 ■文化九年壬甲(五十歳)
夜をこめて越ゆる山路や清水茶屋 青峰集 島田青峰
夜出てしけものゝ跡や草清水 石井露月
夜清水を汲む傘に飛ぶ螢かな 吉武月二郎句集
大峰を日わたりて幽き清水かな 飯田蛇笏 山廬集
大巌のふるきにほひや清水吸ふ 大橋櫻坡子 雨月
大徳の縁起かしこき清水かな 会津八一
姨捨のくらき中より清水かな 一茶
子の西瓜清水に冷えてゐて日射す 中山純子 沙羅
孑孑の水や清水のどんづまり 柑子句集 籾山柑子
宝丹(ほうたん)のふたのみ光る清水かな 夏目漱石 明治四十年
宝舟の葢沈み居る清水かな 会津八一
客ありて汲みに行くなる清水かな 松藤夏山 夏山句集
寺清水もつれ流れて末濁らず 中村草田男
山だちもともに舌打つ清水かな 中勘助
山のすそ野の裾むすぶ清水かな 千代尼
山内の一院に湧く清水かな 高濱年尾 年尾句集
山清水かき濁らせて旅人われ 相馬 黄枝
山清水ささやくままに聞入りぬ 松本たかし
山清水さびしき指の揃ひをり 鎌倉佐弓 潤
山清水掌にあふれつつふくみけり 上野泰 佐介
山清水汚せしことのすぐに澄む 橋本多佳子
山清水汲みに木花咲耶姫 上野澄江
山清水注ぎて吹けり習ひ笛 宮田富昭
山清水石鹸もて寺僮何洗ふ 楠目橙黄子 橙圃
山清水翁の杖を拝しけり 佐藤美恵子
山清水豆腐の角を削りけり 林原耒井 蜩
山清水靭左りへまはりけり 雁宕
山清水魂冷ゆるまで掬びけり 臼田亜浪
山清水鳴れり朽葉を潜り出て 高澤良一 鳩信
山里や清水うれしき理髪床 尾崎紅葉
山鳥の影うつしたる清水かな 子規句集 虚子・碧梧桐選
岩が根に湧く音かろき清水かな 井上井月(1822-86)
岩燕紫陽花に居る清水かな 柑子句集 籾山柑子
崖下の清水に屋根の出来にけり 比叡 野村泊月
巌清水渇く咽喉をつらぬけり 山口草堂
市に入る花売憩ふ清水かな 夏目漱石 明治四十年
底の石ほと動き湧く清水かな 高浜虚子(1874-1959)
底の石動いて見ゆる清水哉 夏目漱石 明治四十年
底清水心の塵ぞしづみつく 服部嵐雪
庭清水団扇を置いて掬びけり 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
庭清水藤原村の七番戸 子規句集 虚子・碧梧桐選
延命の清水汲み合ひ那智詣 有原静子
弱法師ほゝけた濡す清水かな 阿波野青畝
強力の毛脛にあたら清水哉 森鴎外
強清水母は一日影育て 原裕 青垣
悪僧の天窓(あたま)冷せし清水哉 吉分大魯 (たいろ)(1730-1778)
我があとへ兎唇立よる清水かな 許六 俳諧撰集「有磯海」
戸を閉めて人すぐ座る山清水 田中裕明 山信
戸隠の家根から落る清水哉 一茶 ■文政八年乙酉(六十三歳)
手あぐれば結びめのなき清水かな 千代尼
手のひらにゆるる清水をのみにけり 上野泰 佐介
抜たりなあはれ清水の片草履 服部嵐雪
拝ん松弘法清水湧くほとり 八牧美喜子
掌に支へる岩や清水吸ふ 楠目橙黄子 橙圃
握叡の揆込んである清水哉 寺田寅彦
摘草や清水がもとの鬼の面 井上井月
放牛の牧やカムイの清水引き 沼澤 石次
断崖をおろかに長き清水かな 尾崎紅葉
旅なれや牛が飲みたる清水掬む 石田波郷
日ざかりの岩よりしぼる清水かな 京-常牧 元禄百人一句
日の当る大岩しぼる清水かな 野村喜舟 小石川
日の筋へとく~落つる清水かな 小杉余子 余子句選
旧仮名遣は本仮名遣清水の音 草田男
早紅葉やその真清水を汲むとせん 高木晴子 花 季
月かげや清水したたる岩の鼻 井上井月
朝夕や恋る清水の蜷むすび 加舎白雄
朝顔の大輪清水湛ふごと 高澤良一 燕音
村の子の草くぐりゆく清水かな 石井露月
杓のべてたまる清水をまちにけり 山本京童
杓入れて山驚かす清水かな 尾崎迷堂 孤輪
杣が子に日中さみしき清水かな 原石鼎
来る風のすぢ明らかに清水かな 汀女
柴門に清水に執し住みにけり 尾崎迷堂 孤輪
棲む魚の砂走りせる清水かな 中村汀女
極楽や清水の中に蓮の花 正岡子規
榾ひらききって清水に手を浸す 右城暮石 上下
樟の香の去年を栞の清水かな 加舎白雄
樟の香や村のはづれの苔清水 夏目漱石 明治四十年
橋立の磯清水とて葭の中 西山泊雲 泊雲句集
櫛つけて清水にさつと薄油 阿部みどり女 笹鳴
正宗が刃をわたる清水哉 正巳
此松も柳にしたき清水かな 横井也有 蘿葉集
母馬が番して呑す清水哉 一茶 ■文政二年己卯(五十七歳)
比叡と云へば横川を挙ぐる清水かな 尾崎迷堂 孤輪
水晶の山路ふけ行清水かな 蕪村遺稿 夏
水筒に清水しづかに入りのぼる 篠原梵 雨
水風呂へ流し込だる清水哉 一茶 ■文政二年己卯(五十七歳)
法印の法螺に蟹入る清水かな 夏目漱石 明治四十年
洗面の清水拓地を貫流す 津田清子 礼 拝
流れ入るや清水鼓虫よりも舞ふ 中村草田男
浸けてある根まがり竹に鳴る清水 西本一都 景色
涼しさや清水につけしつぼの籠 中勘助
涼しさよ字の名にして土清水 高橋睦郎 金澤百句
淋しさの故に清水に名をもつけ 高浜虚子
淋し寒し出羽の清水後の月 河東碧梧桐
混浴の肌叩き出て清水のむ 高澤良一 素抱
清水ある家の施薬や健胃散 内藤鳴雪
清水かければ石室不動目を瞠く(京都岩船寺不動明王) 石原八束 『断腸花』
清水には裏も表もなかりけり 千代尼
清水によき人こもる後の月 松瀬青々
清水のむかたはら地図を拡げをり 高野素十
清水のむつつがの胸の板ぬらし 山口誓子
清水のむ底まで透るさびしさに 柴田白葉女 遠い橋
清水のやうな沈黙地震の山耕す 加藤知世子 花寂び
清水のんで立つ白ズボン草の中 大橋櫻坡子 雨月
清水の小雪おっとり店構 高澤良一 燕音
清水の早紅葉の辺の茶店かな 高濱年尾 年尾句集
清水の灯は暗うして鉢叩 藤野古白
清水の碗ゆすぎて伏せて追ひのぼる 中島斌男
清水の音繭かき次第に早くなる 加藤知世子
清水より濡れつゞきたる山路かな 村家
清水を仰ぐ宿屋の若葉かな 柑子句集 籾山柑子
清水入り清水出づる岩の窪哉 森鴎外
清水吸うて歯白く嶮を笑ひたり 原石鼎
清水弧にめぐり寨(とりで)は村となる 竹中宏 句集未収録
清水得つ笠で押し分け叢かな 比叡 野村泊月
清水得て手足を洗ひ草だんご 中山純子 沙 羅以後
清水掬むや犇と岩に倚る繊そ腕 竹下しづの女 [はやて]
清水汲みに渓へ下りし今のぼりけり 尾崎迷堂 孤輪
清水汲む影のそとなる水の碧 原裕 青垣
清水汲む心はるばる来つるかな 池内たけし(1889-1974)
清水汲む神に祈りし両の手で 樋口 玄海児
清水淋し提灯花はうつむきに 尾崎迷堂 孤輪
清水湧くいづこともなきひゞきかな 比叡 野村泊月
清水湧くところを知りて草刈女 萩原麦草 麦嵐
清水湧く地の骨のごと大樹の根 関口成生
清水湧く岩のさざれや山椒魚 島田雅山
清水湧く青き千曲となるために 藤田湘子(1926-)
清水諸白涼しきゆへに其の名をうる 吉林 選集「板東太郎」
清水踏み鹿のおびえとつながるか 竹中宏 句集未収録
清水遂に流れ出でたる日南哉 篠崎霞山
清水飲むつゝがの胸の板濡らし 山口誓子 遠星
清水飲む神代のごとく髪束ね 永島理江子
清水飲んで頬つたふを雫拭かで立つ 原石鼎
清水鳴る高原野菜「プッチーニ」 吉原文音
湛へ満つ槽の夕にも湧く清水 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
湯をむすぶ誓ひも同じ石清水 松尾芭蕉
湯治場のとば口に湧く山清水 高澤良一 素抱
湯治場の天下一品山清水 高澤良一 寒暑
湯治宿つと山清水引き込んで 高澤良一 素抱
滝道や根笹熊笹清水湧く 野田別天楼
漂泊は跡をとどめず湧く清水 野見山朱鳥
澄みかかる清水や小き足の跡 夏目漱石 明治四十年
無住小屋に道標あり山清水 大谷恵教
無佛寺の蕎麦につめたき清水かな 中勘助
爪紅の濡色動く清水かな 長サキ-卯七 六 月 月別句集「韻塞」
父と子の清水黄色き瓜食ひて 細見綾子
父の父の父の鉱脈清水つたう 八木三日女 落葉期
片手桶傾き移る清水かな 比叡 野村泊月
片髭の鯰をはなつ清水かな 安東次男 昨
獨すむ友よ朧の糒雪清水 榎本其角
玉あらば玉あらひたき清水哉 江涯
玲瓏と玉を噴き居る清水かな 星野麦人
珊瑚珠のごと蟹沈む清水かな 下村梅子
瓜わりの清水と申し観世音 鈴鹿野風呂 浜木綿
生き死にを清水のふちに蟹赤し 川崎展宏
生き物の如く掌に触れ湧く清水 内藤吐天 鳴海抄
生れて初めて会いし清水と花ごぼう 寺田京子
田村麻呂祀れる山の清水かな 鈴木しげを
男女の川落ちて流るゝ清水かな 高橋淡路女 梶の葉
町なかを真清水走り朱欒の実 木村里風子
白山の清水に白し堅豆腐 熊田鹿石
百里来し人の如くに清水見る 綾子
目にむすぶ谷間々々の清水かな 千代尼
目洗へば目明かに清水かな 高浜虚子
眞清水の杓の寄附まで山長者 原石鼎
眞清水や眞金の鋺を越ゆるほど 高橋睦郎
真清水に口痺らして孤独癖 内藤吐天 鳴海抄
真清水に日は衰へて杉小苗 赤尾兜子
真清水に早苗浸してありにけり 沢木欣一
真清水に蕨の塩抜き湯治宿 高澤良一 素抱
真清水の極みは黒き鮴のうを 高橋睦郎 金澤百句
真清水の泡立ちいそぐ年の暮 飯田龍太
真清水の雲より傅ふ飛桟かな 高田蝶衣
真清水も並木も神のしらしけり 高田蝶衣
真清水も病みて野をゆく初夏よ 沼尻巳津子
真清水や世に小峠の忘れられ 野村喜舟 小石川
真清水や天より落ちし白き蝶(箱根) 河野南畦 『花と流氷』以前
真清水や梶の御紋の荒み魂 荒井正隆
真清水や棟が下に昔より 野村喜舟 小石川
真清水や真金の鋺(まり)を越ゆるほど 高橋睦郎 稽古飲食
真清水呑み若き己れに逢ふごとし 塘柊風
石工(いしきり)の鑿冷したる清水かな 與謝蕪村
石工の鑿冷し置く清水かな 蕪村
石工の飛火流るる清水哉 與謝蕪村
石槽に清水を落す筧かな 岩木木外
石橋に歯朶が生えゐる清水かな 野村喜舟 小石川
石菖へ片寄り深き清水かな 比叡 野村泊月
礒清水旅だんすほしき木陰哉 一茶 ■寛政七年乙卯(三十三歳)
神奈川の岱の清水に先すゝめ 服部嵐雪
穢多むらのうらを流るゝ清水哉 高井几董
空壜に清水をいれてはまきちらす 岡田史乃
立山の清水のかもす酒と聞く 稲畑汀子
笠の端の清水に廻ぐる田植かな 浜田酒堂
筧して絶えずの清水洗ひ飯 小澤碧童 碧童句集
筧にも道にも副流村へ清水 香西照雄 素心
結びさる清水かるゝな柳沢 松岡青蘿
結ぶ手にあつさをほどく清水かな 千代尼
絶壁に眉つけて飲む清水かな 松根東洋城(1878-1964)
絶壁の巌をしぼる清水かな 子規句集 虚子・碧梧桐選
縞蛭に日のうつくしき清水かな 松根東洋城
老鴬や歯朶に湧き澄む山清水 碧雲居句集 大谷碧雲居
聖霊は清水に見えし影ぢや迄 立花北枝
脚照らすひかりとなりぬ草清水 鳥居おさむ
膝もとに清水あふるるさくらかな 鈴木貞雄
苔のなき石を踏場の清水哉 正岡子規
苔の香のしるき清水を化粧室にひき 竹下しづの女 [はやて]
苔清水のぞけばうつる笠の裏 寺田寅彦
苔清水不動の滝と落つるかな 野村喜舟 小石川
苔清水天下の胸を冷やしけり 夏目漱石 明治四十年
苔清水掬ふに杖を岩に立つ 岸風三樓
苔清水落花一ひら又一ひら 内田園生
苔清水霊芝など生ひて土かほる 寺田寅彦
苔清水馬の口籠をはづしけり 子規句集 虚子・碧梧桐選
草に滲みる清水一縷の宿りかな 成田千空 地霊
草刈の足をつけたる清水哉 寺田寅彦
草清水たれかれと世をへだてたる 中林美恵子
草清水塔影映るところかな 永田青嵐
草清水太陽珠と冷されて 斎藤正
草清水湧くこの村に通夜ありぬ 中田剛 珠樹
草清水草にもつるる涼しさよ 西本一都 景色
草鞋買へば問はぬ清水をも教へけり 会津八一
落ちさうな岩の下なり苔清水 井月の句集 井上井月
落ちも敢へず朽葉流れ去る清水かな 会津八一
落合ふて音なくなれる清水哉 蕪村 夏之部 ■ 馬南剃髪、三本樹にて
葉先揺る小草よ清水くすぐりて 香西照雄 素心
葛を得て清水に遠きうらみ哉 蕪村 夏之部 ■ 探題寄扇武者
蔓這うて清水ひたりや葛の花 四明句集 中川四明
蔵六の清水をむすぶうしろがみ 田中裕明 花間一壺
薬師経読み果てぬいざ清水汲まん 尾崎迷堂 孤輪
蘭ふんでうへの清水へゆきにけり 永田耕衣 真風
蠅散りて馬よく眠る清水かな 水田正秀
行さきでまた我に逢ふ清水かな 千代尼
補陀落の径写し出す苔清水 渡辺恭子
西行の掬みたる清水掬めど澄む 森田峠 避暑散歩
西行の清水を引きて蓬の香 大木あまり 火のいろに
西行の詠みたる清水掬めど澄む 森田峠 避暑散歩
誰が恩の杓あたらしき草清水 森澄雄
谷杉に蝶舞ひ上る清水かな 碧雲居句集 大谷碧雲居
貧しき死診し手をひたす山清水 相馬遷子 雪嶺
赤松の影あきらかや夕清水 比叡 野村泊月
走り井の真清水あふれ蝉丸忌 瀬木清子
踏みわたる石のゆるぎの清水かな 小杉余子 余子句選
車椅子の足先清水へあそばせる 奈良文夫
軍曹の清水見にくる露営哉 会津八一
輪飾の井桁あふるる清水かな 会津八一
近道によき事ふたつ清水かな 千代尼
近道を来て日の足らぬ清水かな 千代尼
透く清水一尾の鱒も飢ゑしめず 津田清子 礼 拝
遊人眠て犬之を守る清水かな 比叡 野村泊月
道くさも手のうつくしき清水かな 千代尼
道のべの清水に杓のありにけり 清原枴童 枴童句集
遺書抱へ来てこの旅の清水かな 中塚一碧樓
那須の野の清水か出湯かとぞ寄る 皆吉爽雨 泉声
金時も熊も来てのむ清水哉 正岡子規
金銀の気を吹く山の清水哉 露月句集 石井露月
錢龜や青砥もしらぬ山清水 蕪村 夏之部 ■ 丸山主水が、ちいさき龜を寫したるに賛せよとのぞみければ、任官縣命の地に榮利をもとめむよりハ、しかじ尾を泥中に曳んには
鎧てふ重かりしもの草清水 波多野爽波 『骰子』
関の清水古里恋し生鰹 青雲 選集「板東太郎」
関所跡いまもいのちの清水湧く 藤岡筑邨
雛つれて鵙の来てゐる清水かな 軽部烏頭子
雲母搗く家のほとりの清水かな 蝶衣句稿青垣山 高田蝶衣
霊芝あり苔香る所清水わく 寺田寅彦
霍乱や関の清水は草の中 増田龍雨 龍雨句集
霧捲いて夜明の清水匂ふなり 佐野良太 樫
霧降るに清水掬むなり皆旅人 林翔 和紙
露凍てて筆に汲み干す清水哉 松尾芭蕉
青々と見えて根のある清水かな 千代尼
静さや清水ふみわたる武者草鞋 蕪村遺稿 夏
音たてゝ清水あふれをり瓜をどる 及川貞 榧の實
顔あげよ清水を流す髪の長 榎本其角
顔ふって水のうまさの山清水 河野南畦
顔寄せて底の穢を見し清水かな 比叡 野村泊月
風幽らく我が眉を吹く清水かな 楠目橙黄子 橙圃
食ひこぼす握飯白き清水哉 寺田寅彦
食器清水に浸し一山の昼寝僧 楠目橙黄子 橙圃
館めぐる清水の動脈呱々の声 成田千空 地霊
馬と蚕を飼ふ厨暗くて山清水 森 澄雄
馬柄杓を岩に割込む清水かな 野径 俳諧撰集「有磯海」
驚きの過ぎしに汲むや家清水 中塚一碧樓
高清水閣一睡の時雨かな 青木重行
鮎鮓の駅の山北清水かな 野村喜舟 小石川
鮠棲みて戸毎の溝も清水なす 山野邊としを
鳴り鳴りて堰洩る清水目高迎へ 香西照雄 対話
鶴首の爺来て清水すこし飲む 嶋田麻紀
鶺鴒の黄の滴れり山清水 堀口星眠
鷹匠のはしりつぎたる清水かな 徐寅 六 月 月別句集「韻塞」
黒き手に紺屋の掬ぶ清水哉 山本洒石


以上



by 575fudemakase | 2014-08-31 00:26 | 夏の季語


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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