十五夜
十五夜
例句を挙げる。
おもえば長し十五夜の雨の丈 池田澄子
かな女亡きあとの十五夜十三夜 落合水尾
しんかんと十五夜の時空を満たしめて銀河鉄道わが淀川は 高比良みどり
たのしまぬ横顔ばかり十五夜の 鈴木六林男 *か賊
みんなで映る十五夜の水溜り 高木智恵子
二度の厠十五夜の月澄み切んぬ 飛鳥田[れい]無公 湖におどろく
十五夜とかたかたよらず朧月 百池 五車反古
十五夜と声のきこゆるお茶の水 川崎展宏
十五夜と黒板に書きしるすのみ 木村蕪城 一位
十五夜にこだましてゐる町の鍛冶 阿部みどり女 『微風』
十五夜に一旦帰京いたします 岡田史乃
十五夜に扉を放ちある大伽藍 河合佳代子
十五夜に手足ただしく眠らんと 西東三鬼
十五夜のうさぎ跳べ跳ベハンドベル 吉原文音
十五夜のおだやかなりし峡の村 加藤 君子
十五夜のこそつく風や烏瓜 阿波野青畝
十五夜のさやけさのわが湯殿まで 田阪千恵子
十五夜のたうもろこしの影の庭 長谷川素逝 村
十五夜のてのひらに取る和菓子かな 花尻 万博
十五夜のはや手にとどく柿はなし 馬場移公子
十五夜のルーペを置いて立ち上がる 池田澄子
十五夜の三和土をよぎり霊その他 鈴木六林男 *か賊
十五夜の南瓜を一つ裏返す 岸本尚毅 舜
十五夜の君よしばらくはかなくあれ 高澤晶子 純愛
十五夜の吾が影とゞく吾子の床 杉山岳陽 晩婚
十五夜の和服黒がち地影がち 古沢太穂 古沢太穂句集
十五夜の土佐に酌みけり唄ひけり 篠崎圭介
十五夜の地下水脈の水の音 高野ムツオ 蟲の王
十五夜の屋根に出て柿もぎたり 太田鴻村 穂国
十五夜の工場鉄扉とざしたる 菖蒲あや 路 地
十五夜の干草の香の母屋まで 太田土男
十五夜の手探る闇を家の中 池田澄子 たましいの話
十五夜の手足を委ねゆかんとす 高澤晶子 復活
十五夜の日付けを丸く囲みけり 鈴木とみゑ
十五夜の月のひかりを瀧の壁 黒田杏子 花下草上
十五夜の月はシネマの上にあり 横光利一
十五夜の月ふり出すや馬の首 月 正岡子規
十五夜の月を忘れて寝てしまふ 小坂 順子
十五夜の月寝ながらに拝みゐし 磯崎 緑
十五夜の月浮いてゐる古江かな 村上鬼城
十五夜の杜の木の実の無尽蔵 檜紀代
十五夜の松風に雨まじりつつ 岸本尚毅 鶏頭
十五夜の水屋に張れる水満満 高澤良一 暮津
十五夜の水門古りぬ恋古りぬ 木村蕪城 寒泉
十五夜の沖軍艦の行く眩暈 下向良子
十五夜の潜水艦は水の中 攝津幸彦
十五夜の灯をほと洩らし百姓家 長谷川素逝 暦日
十五夜の照るまでうんか田を払ふ 百合山羽公 故園
十五夜の田をぶらつけば雲迅し 佐野良太 樫
十五夜の病室に妻よんであり 土橋石楠花
十五夜の皆既蝕後もよく照りて 鈴木洋々子
十五夜の空へこぞれる糸瓜加持 高澤良一 ねずみのこまくら
十五夜の紙人形は寒からむ 田上公代
十五夜の耳かきがあァ見つからぬ 池田澄子
十五夜の舟にすつくと男立つ 西東三鬼
十五夜の船へ陸よりとゞけもの 森田 愛子
十五夜の芒を持つて登校す 樋笠文
十五夜の花暮町に灯の入りて 高澤良一 ももすずめ
十五夜の草くるぼしを没しけり 久保田万太郎 草の丈
十五夜の蜂の子飯をもてなさる 瀧澤伊代次
十五夜の観世の庫裡の句座くらく 小原菁々子
十五夜の豪雨しぶくや洗ひ鯉 渡辺水巴 白日
十五夜の醤油とくとく匂ひけり 岡本眸
十五夜の醤油の匂ひして妻よ 岸本尚毅 舜
十五夜の野にあか~と鴨威し 素十
十五夜の長い袂や女の子 後藤夜半 翠黛
十五夜の雲のあそびてかぎりなし 後藤夜半
十五夜の高まりゆきて力ぬけ 松本たかし
十五夜は大雨なりし既望かな 富安風生
十五夜もいさよひも水溢れけり 菅原鬨也
十五夜も十六夜も雨辻仏 毛塚静枝
十五夜や杜の上野もここは池(上野不忍池笑福亭観月) 上村占魚 『橡の木』
十五夜や母の薬の酒二合 木歩
十五夜を吹きさらしたる西の空 嵐竹 芭蕉庵小文庫
十五夜を箒とならんこころざし 杉本雷造
十五夜を絵本のやうに泣きに泣く 川崎展宏
寒の十五夜の水白し 原田種茅 径
彌陀在す扉を十五夜に両開き 津田清子
我が年に今宵十五夜の月見かな 池浦知仲妹-十五才 俳諧撰集玉藻集
月は十五夜入魂の樟となる 稲垣晩童
機上十五夜ひとり落語を聞いており 寺井谷子
水くゞる虫十五夜となりにけり 中島月笠 月笠句集
浮かぬ空模様十五夜台無しに 高澤良一 石鏡
火を振りおらぶ子に十五夜の月くらき 太田鴻村 穂国
父と子に十五夜の森黒ふかく 大井雅人 龍岡村
白萩といひ十五夜に刈りしといふ 高濱年尾 年尾句集
百姓の股引のつぎ十五夜に 中山純子 沙羅
百薬のかおりの十五夜ふるさとよ 館岡誠二
睡蓮の二花に十五夜雲深し 西村公鳳
稲運びをり十五夜の千枚田 青木重行
自転車の荷に十五夜の花すすき 瀧春一 菜園
蛾が一つ十五夜の灯をめぐりをる 阿部みどり女
西の山起きているなり十五夜の 鈴木六林男 王国
身を屈する礼いくたびも十五夜に 西東三鬼
隣人と帰るたまたま十五夜なり 橋石 和栲
以上
俳句の四方山話 季語の例句 句集評など
by 575fudemakase
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《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。
尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。
《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)
例1 残暑 の例句を調べる
検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語
例2 盆唄 の例句を調べる
検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語
以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。
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