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朱欒

朱欒

例句を挙げる。

*もぎたての朱欒の匂ひ日の匂ひ 田代八重子
ざぼんの厚き白き皮剥ぐ人の妻 右城暮石 声と声
ざぼんもぐ足ふんばりし庇かな 宮本都史郎
ざぼん売り居留地跡を守るなり 後藤比奈夫
その奥に朱聯透け見ゆ朱欒園 千代田葛彦
ちぎりたる日附書きある大朱欒 田代杉雨堂
ふりそゝぐ日に戯れて朱欒もぐ 石田波郷
ふるさとは朱欒の市の頃なれや 上村占魚 球磨
ふるさとも南の方の朱欒かな 中村汀女(1900-88)
まぐはひは神ぞよろこぶ朱欒かな 岡井省二
ボタ山に人声絶えて朱欒熟る 天童さつき
元日の朱欒を剥けば日が眩し 永井龍男
冬来ると汲水場にかざす朱欒かな 西本一都
分旦の天然のいろ出し渋る 高澤良一 ぱらりとせ
南国の五月はたのし花朱欒 杉田久女
危篤なる伯母に朱欒はあだに大き 森川暁水 淀
味方となせる朱欒一箇を枕上ミ 沼尻巳津子
嘉きことを与へむ朱欒剥きにけり 山田みづえ 草譜以後
噴煙や地に熟れ朱欒青朱欒 山田みづえ 草譜以後
地球儀の海凝視めつつ朱欒剥く 原子公平
城跡の朱欒をんなを嫌ひけり 長谷川双魚 風形
夜々かえり朝来る人の木の朱欒 和知喜八 同齢
夢に朱欒を抱き重りしが創痛す 藤田湘子
大き朱欒危篤の伯母に見するのみ 森川暁水 淀
大朱欒ふりわけかつぎ十夜婆々 河野静雲
大朱欒もぎ空間の生れけり 合田丁字路
大朱欒据ゑてその木の苗を売る 林 三枝子
大朱欒落ちて不知火海見ゆる 宮部鱒太
天草の海は平に花朱欒 有馬朗人 耳順
妻に朱欒焼酎をそのあとから出す 石川桂郎 含羞
年移る闇に大きな朱欒垂れ 森重 昭
幸せに浸るいで湯や花朱欒 中野 喜久枝
折れ曲るオランダ塀の朱欒かな 森永杉洞
故弓かなし朱欒の花に日させば 荻真澄
教会の朱欒ちかづく石蕗の花 和知喜八 同齢
日ざ中の虫声はかなく船をあがりて温泉に来 人間を彫る 大橋裸木
日輪も朱欒も黄なる国に来し 橋本鶏二
春の夜のこの古机に匂ふ朱欒 長谷川かな女 雨 月
昼の月かゝりて朱欒老木かな 河野静雲 閻魔
暫くはその香に酔ひて朱欒剥く 古賀まり子
望郷の夫や朱欒の朱は曉け色 中村明子
朱欒(ざんぼあ)がるいるい颱風来つゝあり 横山白虹
朱欒かげ老母の古き物語 石田波郷
朱欒ただ残り一人の伯母も逝きぬ 森川暁水 淀
朱欒など手品のごとく出しけり 佐怒賀正美
朱欒に刃絶壁のギリシャがみえる 澁谷道
朱欒の樹僧の仰いで居たりけり 河野静雲 閻魔
朱欒の花生涯のよき旅に知る 殿村莵絲子 花 季
朱欒みのる梢にひけり海の蒼 宿南かよ
朱欒一顆剥くほどの航島原へ 北澤瑞史
朱欒剥くおのれひとりの灯下かな 浜田坡牛
朱欒剥く夢の朱欒もひとつ剥く 市川千晶
朱欒割くや歓喜のごとき色と香と 石田波郷
朱欒割りサド侯爵の忌を修す 有馬朗人(1930-)
朱欒叩けば春潮の音すなり 飯田龍太 山の影
朱欒咲く五月となれば日の光り 杉田久女(1890-1946)
朱欒咲く樹下に海あり有馬領 高橋北斗
朱欒咲く築地の内も坂ならむ(長崎二句) 殿村菟絲子 『繪硝子』
朱欒抱きいつから老といふものか 古舘曹人 樹下石上
朱欒掌に重し伴天連の海眩し 成瀬桜桃子 風色
朱欒採る一枝ごとにはねあがり 近澤 杉車
朱欒散り鉄砲丁水奔りけり 堀口星眠 営巣期
朱欒照るみち来れば詩碑の字の青さ 下村槐太 天涯
朱欒照る日のあかるさに干蒲団 五十崎古郷句集
朱欒熟れ満月のごとぶらさがる 成瀬元一
朱欒熟れ産み月という瞳の力 川田蓉子
朱欒苦く甘し春夜の貴人たり 長谷川かな女 雨 月
朱欒黄に南蛮渡来図寺に古る 大橋敦子 勾 玉以後
橙朱欒鏡のなかの橙朱欒 小澤實 砧
泊船の水夫提げゆく朱欒かな 皆川盤水
海の藍ざぼんの緑赤とんぼ 三好達治 路上百句
海風の日覆あほつ朱欒売 小林康治 玄霜
濤ひゞく朱欒の下に母は肥えぬ 藤田湘子 途上
爪を立てためらふ朱欒久女の忌 朔多 恭
甲板へ朱欒投げやる別れかな 太田 嗟
男神祀る朱欒の実なりけり 小山森生
町なかを真清水走り朱欒の実 木村里風子
畳畳と照る白壁や朱欒割く 小池文子 巴里蕭条
磊塊と朱欒盛られて籠歪む 松本たかし
空港に朱欒輝き雨上る 高橋悦男
絣織る音や遠くに朱欒熟れ 堤 多香子
羨まるる身とは思はず朱欒むく 石田あき子 見舞籠
老い深き南の国の朱欒売り 木塚真人
胎たかし朱欒の二顆に手をふさぎ 中戸川朝人
船長が船を降りゆく花朱欒 鈴木太郎
花ざぼん匂ふ夜風を窓に入れ 田代八重子
花朱欒こぼれ咲く戸にすむ楽し 杉田久女
花朱欒島の空港つばらかに 西田キヨ
花朱欒香ふかぎりの朧なる 千代田葛彦 旅人木
蚕ごもりや明方近く雨ざァと 田村了咲
見舞籠ざぼん其他のざぼんの香 石塚友二 光塵
遊ぶ如ざぼん机上に春立てり 殿村菟絲子 『樹下』
雪の夜の指をあふるる朱欒の香 渡辺千枝子
風かをり朱欒咲く戸を訪ふは誰そ 杉田久女
べつとりと昏るる内海ザボン咲く 山下淳
われが来し南の國のザボンかな 高濱虚子
ウイスキーをザボンに濺ぎ雪見の座 松瀬青々
ザボンより大きな梨をもらひけり 子規句集 虚子・碧梧桐選
ザボン吸いまっかな丘に登って睡る 三谷昭 獣身
ザボン売十字虜囚の影を曳き 原裕 葦牙
ザボン熟れ入日は海を染むるなり 影島智子
塗り盆のザボンひとつに曇りけり 山尾玉藻
子を連れて大きザボンと爆心地 和知喜八 同齢
殉教の丘より下るザボン売り 梶山千鶴子
母へ買ふザボン月よりやゝ小さし 新田祐久
湾口に蝶の点滴ザボン売 原裕 葦牙
病む子の寝顔と大きなザボンとのそこに座る 人間を彫る 大橋裸木
重なりて一つは日影ザボンの実 香下 寿外

以上



by 575fudemakase | 2014-10-07 00:05 | 秋の季語


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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