萩
萩
例句を挙げる。
*ようらくのゆらめかんとす萩のころ 和田悟朗
あか桶の萩こぼれけり竹の縁 寺田寅彦
あきらかに人の声する雨の萩 飴山實 少長集
あしもとに猫の小鈴や萩の宿 中尾白雨 中尾白雨句集
あはあはとさすがに頃の萩咲いて 須田冨美子
あら~と箒のあとや萩の門 阿部みどり女 笹鳴
あるものは萩刈日和木瓜の実を二人つみつつ相恋ひにけり 島木赤彦
ある日ひとり萩括ることしてをりぬ 敦
いくそたび時雨るゝ萩を刈りにけり 岸風三楼 往来
いさゝかの風や萩ちる昼の月 蘇山人俳句集 羅蘇山人、村山古郷編
いたはれば萩の体臭曇りくる 長谷川秋子 『菊凪ぎ』『鳩吹き』『長谷川秋子全句集』
いちはやく萩は乱るる風を得つ 林火
いつか誰か愛さむと萩耐へゐたり 長谷川秋子 『菊凪ぎ』『鳩吹き』『長谷川秋子全句集』
いつ刈ると問はるる萩を不憫とす 後藤夜半 底紅
いと小さき萩寺さまの花御堂 石塚友二
いにしへの女人の歎き萩こぼれ 伊藤敬子
いのちなり白萩落花掬ふべき 河野多希女 月沙漠
いぼむしり萩をこぼしてむき直り 清原枴童 枴童句集
いま刈りし萩の束ね香かろきかな 星野麦丘人
うき旅や萩の枝末の雨を踏 蕪村遺稿 秋
うれしさの萩よ芒よ挿されけり 中尾白雨 中尾白雨句集
おとづるる誰もが言ひぬ門の萩 及川 貞
おとろへし父の酒量や萩白し 福永耕二
おのづから山路となりぬ夏の萩 楠目橙黄子 橙圃
おのづから曲りて萩の道といふ 綾部仁喜
お隣の句座を覗きぬ雨の萩 岸田稚魚
かくてあることよりも萩の人恋し 長谷川かな女 雨 月
かく刳りしよべの雷雨か萩山路 皆吉爽雨 泉声
かこちあふ萩も芙蓉も括られて 成瀬桜桃子 風色
かたまりて宿立出づる萩見かな 月舟俳句集 原月舟
かつらぎ庵の白萩はいまとの便り 岸田稚魚
かまくらのとばりに垂れし萩簾かな 西本一都 景色
かよひ路にさきすがれたる野萩かな 飯田蛇笏 山廬集
きのふけふすずしき起居萩の雨 清原枴童 枴童句集
きのふけふ障子張り替へ萩芒 小澤碧童 碧童句集
きのふ古し遺筆に活けてこぼれ萩 渡辺水巴 白日
くれなゐはくれなゐをもて鎮むべし萩は残花を正眼に見しむ 雨宮雅子
くわんおんの腕の伸びる萩のころ 佐川広治
くゞらせて色々にこそ萩の露 服部嵐雪
この萩にいくたびめぐり来りけん 軽部烏帽子 [しどみ]の花
この萩のやさしさやいつも立ちどまる 高浜虚子
この萩をみやぎのはぎと記しある 楠目橙黄子 橙圃
こぼす露こぼさぬ露や萩と葛 正岡子規
こぼるゝにつけてわりなし萩の露 鬼貫
こぼれつく萩にいく日の句精進 鈴鹿野風呂 浜木綿
こぼれ萩してゐる内は庭掃かず 池内たけし
こぼれ萩妻より先の死を希ふ 水谷 晴光
こぼれ萩日にかはきつゝ苔の上 高濱年尾 年尾句集
こぼれ萩流れつづきてとだえけり 上野泰 佐介
こぼれ萩色をまじへて掃かれけり 藤田つとむ
こぼれ萩花にひと日を加へけり 谷口桂子
こまやかな情を残しぬ萩の雨 藤崎久を
こまやかに夕日の萩の言葉かな 宮津昭彦
こま~と萩の空なる枝のさき 立子
こんなに山に咲いてゐた萩を活けてくれた シヤツと雑草 栗林一石路
こゝら浅川砂どめの萩の盛りかな 乙字俳句集 大須賀乙字
さきがけて一切経寺萩刈れり 安住敦
さはり見る無月の萩の眠りゐる 高木晴子 晴居
さびしさをこぼれて見せつ萩の露 不角 選集古今句集
さみだれ萩てふ名のやさし紅紫 細見綾子
さめし茶の渋くてうまし萩紅し 風生
さらりさらり音萩らしき雨の駕 会津八一
さりながら袖にこぼさじ萩の露 立花北枝
しぐるゝや萩の囁鮒の黙 幸田露伴 拾遺
しげしげと目で物いふや萩の露 内藤丈草
しだり尾の切子さげ来し萩の中 碧童
しだれ萩尚美しく括りたる 西本一都 景色
しづかなるよろこび萩に祖母となり 高橋淡路女 淡路女百句
しなやかに自分をとおす萩の紅 平井幸子
しほらしき名や小松吹く萩すゝき 芭蕉
しら露もこぼさぬ萩のうねりかな 芭蕉
しら露や君とうねらむ萩の徑 会津八一
すかんぽの赤む砂山春浅し 山萩 志田素琴
すゞめ来て萩をゆするや秋祭 久保田万太郎 流寓抄以後
せはしなき萩の雫となりにけり 五十嵐播水
たはれめの彦根屏風の絵にも萩 森澄雄 游方
たをるなら花やはおしむ萩の露 井原西鶴
だん~に溝に雨満ち萩が散る 高木晴子 晴居
ちよろ~と水潜りけり萩の中 寺田寅彦
ちりし萩土となるまで秋日かな 龍胆 長谷川かな女
つぎつぎに人現はるる萩の中 五百木飄亭
つむぎ織る初萩の風かよはせて 荒井正隆
てぶくろに盗人萩の実を付け来 辻桃子
でんがくの串干してあり萩の茶屋 加古宗也
とみかうみ風の白さも萩の中 河野多希女 こころの鷹
にじむ墨自在にあそぶ萩月夜 三橋迪子
ねもごろに一休寺萩束ねけり 関戸靖子
はしり咲くさみだれ萩や開山忌 西岡荘人
はやばやと燈をともすなり萩に雨 角川春樹
はらはらとせう事なしに萩の露 夏目漱石 明治二十八年
ひといろは激しき思い萩こぼる 和知喜八 同齢
ひとごゑも蝶もこまやかに萩ごもり 野澤節子
ひともとの萩に秋まつ我菴ぞ 加舎白雄
ひとりには少しあまりて萩の風 齋藤玄 『雁道』
ひと恋えば萩揺れている大写し 田川飛旅子 花文字
ひと日縫ふふた日は臥して萩の風 小檜山繁子
ひと枝は流れの中に萩の花 岩田由美
ひや~と古き萩戸や道明寺 増田龍雨 龍雨句集
ひんがしに南に萩の縁つづく 阿部みどり女
ふりかぶる塵のきよらに萩を刈る 亀井糸游
ふり返る月日たひらや萩咲ける 塚本 久子
ほろほろと秋風こぼす萩がもと 黒柳召波 春泥句集
ほろ~と蝶あがるなり萩の中 久保田万太郎
ぼたもち寺寺門の萩に乱れなし 高澤良一 随笑
また痢して灯明うよむや萩のぬし 飯田蛇笏 山廬集
まだ四囲の山の名知らず萩桔梗 中村汀女
まだ夢に父に蹤く母萩の門 杉本寛
まどろむやさゝやく如き萩紫苑 久女
まぶしさの盛りの萩の忌にまかる 赤松[けい]子 白毫
みごもりしか萩むらさわぎさわぐ中 渡部ゆき子
みさ子忌の近づく萩の咲きにけり 阿部みどり女 笹鳴
みちのくの萩のこぼれに坐りけり 藤田あけ烏 赤松
みちのくの陸山くらし萩咲けど 堀口星眠 営巣期
みちのくの馬飼の野の萩咲けり 遠藤梧逸
みづうみの籬の萩は刈らでおく 中井冨佐女
むら萩に落ちたる風も夜長哉 増田龍雨 龍雨句集
むら萩や宮司の妻のよみ歌す 加舎白雄
ものうさや手すりに倚れば萩の花 正岡子規
やせ脛のいよ~やせぬ萩の花 松藤夏山 夏山句集
やはらかく抱きて萩を括りけり 畠山譲二
やや暑く少し涼しく萩盛り 後藤夜半 底紅
ゆつくり歩かう萩がこぼれる 山頭火
ゆひ目解けばみな咲て居り萩の花 菊舎
ゆふ風に萩むらの萩咲き出せばわがたましひの通りみち見ゆ 前川佐美雄
ゆらぎつつ葉の湧きやまず萩茂る 亀井糸游
よき句得し人を憎みて萩に立つ 雑草 長谷川零餘子
よろと卒塔婆小町の萩の託言も失せてけり 文挟夫佐恵
りんりんと白萩しろし木戸に錠 三橋鷹女
わが墓は天上にあり乱れ萩 保坂加津夫
わが萩や目高の甕に雨溢れ 篠田悌二郎
エノケンも心にありて萩に彳つ 富安風生
カルストの萩色淡し寄れば濃し 上野さち子
ピアノの音湯宿の萩も刈られたり 桜井博道 海上
ピカソ忌の萩寺尿意しきりなり 塚本邦雄 甘露
一つ家に遊女も寝たり萩と月 芭蕉 (越後一振の関にて)
一家に遊女もねたり萩と月 芭蕉
一日のゆふべの雨の萩に灯す 松本たかし
一株の萩刈つて断つ思ひあり 関戸靖子
一粒の露のむすびし萩の色 野澤節子 『八朶集』
一通の電報萩に生畢る 宮武寒々 朱卓
一門に一石萩の無縁仏 古舘曹人 能登の蛙
一隅にむらがる萩や花畑 子瓢
一頻り萩刈る音か高山寺 高澤良一 宿好
七日喪の山萩とりに来て泣けり 関戸靖子
七日月庇の下に萩の上に 子規句集 虚子・碧梧桐選
七株の萩の手本や星の秋 翁 七 月 月別句集「韻塞」
万葉に多くはありぬ萩の歌 尾崎迷堂 孤輪
三日月やこの頃萩の咲きこぼれ 碧梧桐
三日月や此頃萩の咲きこぼれ 河東碧梧桐
下々もみな居なじみてよめが萩 山店 芭蕉庵小文庫
下ありく雀居るから萩こぼる 篠田悌二郎 風雪前
中元や萩の寺より萩の筆 井上洛山人
中折にふれたる萩のカサと言ひぬ 藤後左右
久住野の藍は竜胆紅は萩 小原菁々子
乱萩子と踏跨ぎふり返り 横光利一
二三枚より萩黄葉はじまりし 田畑美穂女
井戸端萩が咲く吾れに一生の井の水の味 安斎櫻[カイ]子
井浚ひの始まる萩を束ねけり 前田普羅 新訂普羅句集
京の萩見てのあしたのわが家の萩 鈴木真砂女 夕螢
京饌寮全く萩に沈みけり 比叡 野村泊月
人の死につまづくごとし萩芒 古舘曹人 樹下石上
人は斜に構へて萩に立てりけり 久米正雄 返り花
人力車光り置かれて萩の門 上野泰 佐介
人散らんとす萩園の日落ちざれ 飛鳥田[れい]無公 湖におどろく
人消えてゆく萩の中風の中 大形実世
人間に近づきたくてこぼれる萩 津根元潮
今も住む合掌建てや萩の風 朝倉和江
今日にして詳らかなる萩黄葉 後藤夜半 底紅
仏像のまなじりに萩走り咲く 細見綾子 黄 炎
仏光明の芒よ萩よ道元忌 森本之棗
任満ちて我が家は萩の繁み哉 会津八一
伎芸天このやさしさのこぼれ萩 中村明子
伏す萩の風情にそれと覚りてよ 夏目漱石 明治三十七年
伏流水湧けり萩咲き乱れをり 米山源雄
似合しき萩のあるじや女宮 黒柳召波 春泥句集
低く垂れその上に垂れ萩の花 高野素十
何もかも過ぎたる萩を括るかな 安住敦
佛壇の萩に何やら虫が鳴く 寺田寅彦
俳諧の忌日は多し萩の露 高浜虚子
傘さして傘に雨あり萩に佇つ 岸風三楼 往来
傘さして萩に人立つ無月かな 西山泊雲 泊雲句集
傘すぼめ萩は散らさじ肩ぬらす 及川貞 榧の實
儚む世とは思はずに萩愛づる 及川貞 榧の實
光悦垣苔厚くして萩のこり 及川貞 夕焼
其はてが萩と薄の心中かな 子規句集 虚子・碧梧桐選
内蔵に月もかたぶく萩の露 上島鬼貫
冤罪や手触れぬ萩の散り止まず(勿来の関跡) 殿村菟絲子 『菟絲』
凩やこの頃までは萩の風 與謝蕪村
切りし髪ひとの手にあり萩の風 野澤節子 黄 炎
切株の荘門向き合ひ萩桔梗 阿部みどり女 笹鳴
刈らである萩に光悦垣あらた 田中秋琴女
刈らぬ萩だん~惜しく十二月 長谷川かな女 雨 月
刈られずにありたる萩や仙忌 銀漢 吉岡禅寺洞
刈られねば萩けぶるなり好日を 宮津昭彦
刈草のてり返す日や萩の下 楠目橙黄子 橙圃
刈萩の根にひこばえや小六月 五十嵐播水 播水句集
刈萩や句碑の面に花眼寄す 石川桂郎 高蘆
刈萩をそろへて老の一休み 高浜虚子
刈込に紅刷く萩や上の茶屋 下村ひろし 西陲集
初汐の今戸は萩のさかりかな 萩原麦草 麦嵐
初萩と呼ぶ一点の紅をもて 八染藍子
初萩と思ひあたりて彳みぬ 後藤夜半 底紅
初萩にめざとく縁を下りたるか 皆吉爽雨 泉声
別荘の手入れとどきしこぼれ萩 新 純子
北国の一日日和萩を刈る 高野素十
北嵯峨や萩より抜けて松の幹 西山泊雲 泊雲句集
十三夜の月の下びに見いでたる萩おそろしきまでの衰へ 春日真木子
十六夜や酒に間のある萩小鉢 古舘曹人 樹下石上
占領兵に奪はれざりし萩紅し 殿村莵絲子 花寂び 以後
卯辰山前に白萩うねり初め 高澤良一 宿好
友とすら夜も書車(ふくるま)の萩の声 上島鬼貫
古庭や身に親しくも萩の花 小澤碧童 碧童句集
古椀うかむ池ふく風や萩のつゆ 飯田蛇笏 山廬集
古池や乱れてしまえ萩すすき 鳴戸奈菜
古萩見る柊匂ふ蔵の窓 福田蓼汀
台風あと別な白さの萩咲ける 細見綾子 存問
合点ぢや萩のうねりの其事か 正岡子規
吉原の芸者連れたる萩見かな 白水郎句集 大場白水郎
名の月や僧の帰りし萩の中 角川春樹
名月や叩かば散らん萩の門 正岡子規
君いまも紅顔萩の風浄く 堀口星眠 営巣期
君たちの恋句ばかりの夜の萩 石田波郷(1913-69)
吹きまくや萩も芒もあらばこそ 寺田寅彦
咲くやがて萩の乱れのらちもなし 遠藤 はつ
唐黍や軒端の萩の取りちがえ 松尾芭蕉
噴煙は遠し萩咲き野菊咲き 藤後左右
四阿の後ろの萩の広さかな 柑子句集 籾山柑子
回廊に回廊を継ぎ萩の風 高澤良一 宿好
園の門入れば直ちに萩の風 楠目橙黄子 橙圃
土の皺に流れたまりて萩の花 西山泊雲 泊雲句集
在りし日の妻の衣ずれ萩の風 吉田三船
地に還るもののしずけさ萩白し 実籾 繁
地獄絵に野萩の風のひとしきり 南光 翠峰
垣結ひて萩一株もその中に 高木晴子 花 季
塀外へあふれ咲く枝や萩の宿 杉田久女
塗下駄の湿りや萩の露曇 尾崎紅葉
塵と見て露にもぬれそ萩の花 千代尼
夕ぐれや短冊を吹く萩の風 尾崎放哉
夕日抱く大萩黄葉なりしかな 山田弘子
夕月に誰やら恋し萩の原 美角
夕月や萩の上行くおとし水 一茶
夕萩にまとふ羽織の匂ふかな 阿部みどり女 笹鳴
夕萩に訪れ月の出にも逢ふ 後藤夜半 底紅
夕萩やはかなく消えし海の虹 林原耒井 蜩
夕風の萩や桔梗や心細ソ 草間時彦 櫻山
夜の萩の火影うけたるところかな 久保田万太郎 草の丈
夜の萩はなやかに酔ひ恥ゐたり 小林康治 玄霜
夜の萩白くおもたきみづからの光守れり誰か死ぬらむ 河野愛子
夜を白う水行く萩の小徑哉 幸田露伴 拾遺
夜明けにて妹は萩叢妊れり 河原枇杷男 定本烏宙論
夜涼や露置く萩の絵帷子 高井几董
大いなる乳牛の顔や萩の上 相馬遷子 雪嶺
大前の萩の刈跡新しく 川上 千代
大名の石燈籠に萩高し 京極杞陽 くくたち上巻
大撓みしていちめんに萩の海 高澤良一 寒暑
大熱のひけた畳に萩の花こぼれ 栗林一石路
天の川白き夜去りて朝風の中なる萩にくれなゐ走る 宮柊二
天平を負ふ肩なるや萩の丈 石塚友二 方寸虚実
天竜の出水汚れの乱れ萩 小田実希次
天高く地は静かなり萩と月 幸田露伴 谷中集
夫と父母恵子よ庭萩切りて来ぬ 及川貞 夕焼
夫の忌のやがてちかづく萩に病む 長谷川ふみ子
女らし萩の小窓の鉦の聲 会津八一
妥協なき子の意聞きをり萩こぼる 高橋良子
妹許へ萩に触れゆく切通し 北野民夫
妻も子もその子も萩の頃生れ 仁尾正文
子の墓を洗へば足るか萩挿して 及川貞 榧の實
子規堂の白萩にまづ句ごころを 河野静雲
子規忌すみあと話しゐる萩の雨 松本たかし
孟蘭盆や径をへだてて萩芒 依光陽子
官邸を去る日の近し萩を刈る 山内年日子
実となりし萩にはげしき風雨かな 高橋淡路女 梶の葉
実をつけし安徳陵の塀の萩 西本一都 景色
宮城野や萩の下露川なさん 加舎白雄
宮城野ゝ萩更級の蕎麥にいづれ 蕪村 秋之部 ■ 雲裡房、つくしへ旅だつとて我に同行をすゝめけるに、えゆかざりければ
宵闇の萩白かりし一事かな 後藤夜半 底紅
家にあれば寝るころほひを萩と月 上田五千石 琥珀
家の者誰も萩咲くとも言はず 加倉井秋を
家墓に刻めぬ姉の名萩咲き続く 香西照雄 対話
寂として白萩ばかりこぼれけり 永井龍男
富士見ゆる家建ちあがり萩すゝき 林原耒井 蜩
寝たる萩や容顔無礼花の顔 松尾芭蕉
寺の端の夕まけて萩刈られけり 岸田稚魚 『雪涅槃』
寺を出て萩に片よる水の音 桂信子 遠い橋
小男鹿の喰こぼしけり萩の花 一茶
小芝かけて萩こぼれたる山路かな 西山泊雲 泊雲句集
少女病む窓のなかばを萩おほふ 殿村莵絲子 花 季
少年の白萩かつぐ祭かな 遠山郁好
山の井や汲む人なくて萩の花 竹冷句鈔 角田竹冷
山の子が荷物持ち呉れ萩がくれ 阿部みどり女 笹鳴
山の萩ちら~小さき花を持つ 高木晴子 花 季
山の萩見て来て庭の萩待たる 大島民郎
山中や萩咲き私の座敷のよう 斎藤一湖
山仕舞ひたる白萩に月夜かな 福田甲子雄
山深くゐて萩馬のいななかず 田村了咲
山萩に時流れはた雲流れ 有働 亨
山萩に湖の微力をおもひゐる 金田咲子 全身 以後
山萩に皇霊祭の日あたれり 長谷川かな女 雨 月
山萩のさびしき方へみな歩く 古舘曹人 樹下石上
山萩の一夜もありし放浪記 片山辰水
山萩の地味でゐて且つ和むいろ 高澤良一 素抱
山萩の撓みに細る塩の道 村上光子
山萩は姉の傍こまごま不思議 阿部完市 春日朝歌
山萩紅そこはあふれて姉をまつ 阿部完市 春日朝歌
山路はや萩を咲かせてゐる 種田山頭火 草木塔
山門といふべく萩の嵐かな 石橋秀野
山門を入るにしづかな萩の鞭 萩原麦草 麦嵐
山鳩もひとり朝餉か萩ゆれて 堀口星眠 営巣期
岐阜提灯庭の萩より淡きかな 阿部みどり女
岡の家に繪むしろ織や萩の花 蕪村遺稿 秋
岩鼻や靡きとほしの萩芒 松藤夏山 夏山句集
川見えて萩一段と面白ろや 柑子句集 籾山柑子
帚とり萩の塵より掃きはじむ 岩崎瑞穂
帚目にひきずられをり萩の塵 京極杞陽
師に蹤きてゆけば萩咲き芒照り 菖蒲あや
師のまへの一語々々よ萩こぼれ 野澤節子 黄 炎
師のもとへ横面はしる萩の枝 石川桂郎 含羞
師の没後はじめて萩の紅ととのふ 長谷川秋子 『菊凪ぎ』『鳩吹き』『長谷川秋子全句集』
師の許へ急ぎ逝かれし萩明かり 三上登志子
帯ほどの流出来けり萩の雨 阿部みどり女
帯留の翡翆も淋し萩の中 道芝 久保田万太郎
干傘や日に照らさるゝ萩のつゆ 高橋淡路女 梶の葉
店のなか茂らせて売る萩芒 宮津昭彦
座蒲団の上に風吹く萩すすき 和田耕三郎
庫裡の戸のあけたての音夕の萩 桂信子 遠い橋
庭の萩句の母にそふ女の子 阿部みどり女 笹鳴
庭へ来る隣の犬や萩の花 会津八一
庭下駄に萩蔽ひかゝる茶室かな 寺田寅彦
庭下駄をみな履いて萩がくれゆく 大橋櫻坡子 雨月
庵の妻人手は借らず萩を刈る 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
庵の萩賞めてゆきける紙屑屋 後藤夜半 底紅
引越して母居ぬ家のこぼれ萩 河野晴代
彼岸入とて萩の餅波郷氏も 及川貞 夕焼
御しのびの下山や萩のから衣 高井几董
御仏と共に在る日の萩芒 星野椿
御手洗へ雨がこぼせし萩紅白 永井龍男
御法尼のすゞしき髪や萩の風 長谷川かな女 雨 月
心から消えぬ明るさ萩黄葉 後藤比奈夫
忌を修すことを余生や萩白し 伊藤京子
思ひつくことの俄かや萩を刈る 山田弘子
思ひ屈しをり茫々と萩咲けり 岡田 貞峰
恥ぢらひて風禍の傷を見せぬ萩(風禍の向島百花園にて) 長谷川秋子 『菊凪ぎ』『鳩吹き』『長谷川秋子全句集』
息つめて萩のトンネルくぐりけり 戸田富美子
手に萩のこぼれをさきへ話しけり 室生犀星 遠野集
手に負へぬ萩の乱れとなりしかな 安住敦
手の熱き女と生まれ萩白し 鷲谷七菜子 黄 炎
手折りたる山萩に驢馬鞭うてる 鈴鹿野風呂 浜木綿
手負猪萩に息つく野分かな 河東碧梧桐
打ち伏せし萩起さむとして濡るる 関戸靖子
打水や萩より落ちし子かまきり 高野素十
折りとりて花みだれあふ野萩かな 飯田蛇笏 山廬集
抱き起す萩と吹かるゝ野分かな 河東碧梧桐
押分けて行けは行かるる萩の原 正岡子規(1867-1903)
括りある辺にはじまつて萩黄葉 稲畑汀子
括りても風雨のみだれ萩咲けり 遠藤 はつ
括ることのばせし萩に今日も雨 脇収子
振りむけば萩がこぼせし日数かな 佐藤美恵子
振袖をゆたに立礼萩の苑 赤松[けい]子 白毫
挿せば芒ぬすびと萩をいやがらす 稲垣きくの 牡 丹
掃いてあるに僧の出て萩の葉を掃く 荻原井泉水
掬へばこぼる白萩人の負はつづく 河野多希女 月沙漠
掻き合す襟たよりなし萩の風 阿部みどり女 笹鳴
掻き合はす襟たよりなし萩の風 阿部みどり女
提灯にふるゝ萩あり露けしや 清原枴童 枴童句集
提灯にほつ~赤き野萩かな 渡辺水巴 白日
揺れる萩揺れざる萩も風の中 星野椿
揺れ易さ萩は暑きに咲き出でて 林原耒井 蜩
揺動く萩など金を得るほかなし 石田波郷
撒水す萩のしづくのたのしさに 及川貞
教会の内側灯り萩すすき 津田清子
散つて咲いて萩の一日思は激し 河野多希女 両手は湖
散りくだつ萩とし見つゝ誰も掃かぬ 林原耒井 蜩
散りごろの萩にやさしき雨ひと日 登四郎
散りたまり萩の花くづ褪せやすく 深川路子
散り初めてより白萩の盛りかな 榎田きよ子
斑鳩の月さす萩をたばねけり 三谷和子
新秋のことに真萩の雨あがり 清原枴童 枴童句集
旅ぞ憂きなみだ色あるたをの萩 広瀬惟然
旅に會ふ望や山萩すゝき折り 及川貞 夕焼
旅の疲れ三日はとれず萩の雨 鈴木真砂女 夕螢
日ざかりの風山萩にたはむれぬ 西島麦南 人音
日に仕へ月に仕へし萩を刈る 後藤比奈夫 花匂ひ
日の暮は鶏とあそびつ萩の花 福井艸公
日当るや野分のあとの萩桔梗 野村喜舟 小石川
日盛を御傘と申せ萩に汗 榎本其角
早咲きの萩にのぼるや紀三井寺 五十嵐播水 播水句集
明けぬとて萩を分けゆく聖かな 黒柳召波 春泥句集
明王も伎芸天女も萩の中 田畑美穂女
昨日より今日の重たき萩括る 岡田史乃
昨日より散りひろがりし風の萩 高濱年尾
時化あとの萩あらたなる花の色 河野静雲 閻魔
晩学のよろけよろけて萩秀づ 千代田葛彦 旅人木
普請場の丸太に萩のこぼれたる 寺田寅彦
暁深く萩おのづからみだれけり 臼田亞浪 定本亜浪句集
暗がりの萩の床几をえらびけり 比叡 野村泊月
暮に出でゝ萩咲けるあたり人恋し 石井露月
暮れて行く秋や三つ葉の萩の色 野澤凡兆
暮早き灯に躍りいづ萩一枝 楸邨
曇り日をまぶしむ老や萩の花 依光陽子
曇る日の影もつたてよ萩の露 中村史邦
曲りゐる盗人萩の花の先 京極杞陽
月さむくあそべる人や萩の宿 飯田蛇笏 霊芝
月の客或時は又萩の客 高野素十
月の荻あかるく露の萩くらく 久保田万太郎 流寓抄
月の萩うねりに堪へて蟲も啼かず 西山泊雲
月を待つベンチは萩に松の根に 岸風三楼 往来
月下白萩滝浴むごとくくぐりけり 吉野義子
月光に紅こぼす萩の襤褸自然を曝す姥となりたし 富小路禎子
月明に高張たちぬ萩のつゆ 飯田蛇笏 霊芝
月明の手のひら萩の一枝のせ 高野素十
月読の命を讃へ萩芒 下村梅子
朝夕のわが門べなる萩の花 楠目橙黄子 橙圃
朝月の萩むらを立つ雀かな 日野草城
朝粥や煙草もすこし萩の花 清水基吉 寒蕭々
朝露のうちにと萩のつかひかな 斯波園女
木刀(きがたな)やかへす快に萩の花 立花北枝
木槿垣萩の花垣むかひあひ 泉鏡花
未練もつ女に垂るる萩幾筋 河野多希女 琴 恋
末の子もめとり萩刈る手が淋し 田中英子
末黒より萩ぞくぞく死の如し 金箱戈止夫
本降りの萩見の傘となりにけり 岸田稚魚
松かげや絲萩伏して秋の立つ 室生犀星
松の風古萩の花すゞろにて 飯田蛇笏 霊芝
松の風落ちては萩の風となる 岸風三楼 往来
枕元にさしてくれてうちの萩もと思う萩(富山中央病院) 荻原井泉水
林出てすぐ萩隠る密猟者 林翔 和紙
林火忌の湖北に萩と吹かれけり 松崎鉄之介
林火忌の萩は一花をつけにけり 館岡沙緻
枝垂り萩乏しき花となりにけり 楠目橙黄子 橙圃
染奉書うつしの露や袖の萩 調賦子 選集「板東太郎」
柳吹き萩に移りし風を見る 高木晴子 花 季
機械場の手洗いの萩風に澄む 三谷昭 獣身
機械油の手に白萩をなつかしむ 三谷昭 獣身
此頃や萩ちらぬ日はもの淋し 竹冷句鈔 角田竹冷
歩きつつ芙蓉は萩にかくれけり 上野泰 佐介
死の如し萩の裏葉の一夜明く 齋藤玄 『玄』
殉教の乙女峠の萩こぼる 森 操
水巴忌のとなりも萩を括りをり 萩原麦草 麦嵐
水有て家鴨の覗く萩の下 闌更
水溜り乾かずなりぬ萩咲いて 臼田亜浪 旅人
水無月の萩の風呼ぶ日なりけり 鈴木真砂女 夕螢
水門に蔽ひ重なりて萩の花 寺田寅彦
池の辺は株立つ萩に掃かれけり 増田龍雨 龍雨句集
池中や石も吹かるる萩芙蓉 石川桂郎 含羞
池水に溶け入る萩と見たりけり 久米正雄 返り花
沓脱にこぼれて赤き萩を好く 清原枴童 枴童句集
沓脱に犬ちよこりんと萩の庵 小原菁々子
河内なる葬り墓へ萩の道 安東次男 昨
波の間や小貝にまじる萩の塵 松尾芭蕉
泳ぎ子に萩咲きそめぬ山の池 松本たかし
流鏑馬の杭打ちつぐや萩の雨 永井龍男
浅草に舟宿のあり萩月夜 黒木千代子
浅間失せ小浅間のこる雨の萩 大島民郎
浅間山萩咲きてより日日静か 福田蓼汀 山火
浪の間や小貝にまじる萩の塵 芭蕉
浴びに出る庭の日となり萩黄葉 亀井糸游
淋しさや筒よりぬけし萩にこそ 阿部みどり女 笹鳴
湖の空流るゝ風の雲雀哉 山萩 志田素琴
湖へ明るし木かげは萩の紅に燃え 河野南畦 湖の森
湯が水に戻る時間を揺るる萩 小泉八重子
湯の客に朝月失せぬ萩すすき 木村蕪城
湯の山や時なし酒の萩桔梗 石川桂郎 高蘆
滑川水なめらかにこぼれ萩 上野泰 春潮
濡れて行くや人もをかしき萩薄 松尾芭蕉
濡れ縁に亡母が来てゐる萩明り つじ加代子
瀬音やややはらぎ岩に萩も咲き 福田蓼汀 山火
灰に濡れて立つや薄と萩の中 夏目漱石 明治三十二年
炭をおこすかくも手荒く萩を祈り 殿村莵絲子 花 季
無住にて年々萩の盛り哉 子曳
無常迅速生死事大と萩咲けり 高澤良一 燕音
焼寺も春来て萩のわか葉哉 高井几董
煮氷やもろく折たる萩の箸 高井几董
燈籠と萩の間に入りみし 京極杞陽 くくたち下巻
燈籠の藍は桔梗紅は萩 下村梅子
父の忌のうみかぜ萩を吹き分くる 関戸靖子
父逝きしこの世しろじろ萩月夜 櫛原希伊子
片岡の萩や刈ほす稲の端 猿雖
牡蠣筏淋しく見せて萩咲けり 堀口星眠 営巣期
物置のすぐにあれども萩がくれ 京極杞陽 くくたち下巻
独りごちて萩おこし居る母老いし 長谷川かな女 雨 月
独居る萩の中なる床几かな 比叡 野村泊月
狼も一夜はやどせ萩がもと 松尾芭蕉
猪も抱かれて萩のひと夜かな 高尾太夫
猪も抱れて萩のひと夜かな 遊女-高尾 俳諧撰集玉藻集
猫そばに呉須愛で庭の萩をめづ 及川貞 榧の實
猫走り出て括り萩括り菊 大木あまり 火球
献華の儀萩の雫に触れもして 片山季山
獣見し匂さめたり雨の萩 渡辺水巴 白日
獣見し臭ひさめたり雨の萩 渡邊水巴
玉砂利の女の音を萩に引く 古館曹人
瓔珞のゆらめかんとす萩のころ 和田悟朗 法隆寺伝承
町の萩男居ぬとき歩のゆるむ 河野多希女 琴 恋
病めば夫の汲む茶に萩の雨止まず 及川貞 榧の實
病んでより白萩に露の繁く降る事よ 夏目漱石 明治四十三年
病波郷遠し萩叢日を聚め 原裕 葦牙
白き萩消えて繃帯の山がある 鷹女
白毫がとらへし萩の驟雨なる 吉田紫乃
白猫の通ひ路となる萩の庭 横山房子
白萩が散つて思ひし白さかな 玄
白萩といひ十五夜に刈りしといふ 高濱年尾 年尾句集
白萩にわれ過ぐる風たちにけり 野澤節子
白萩に堅く戸さすや夫の留守 長谷川かな女 雨 月
白萩に夢のほつれを繕へり 水下寿代
白萩に尻さはられつ畑を打つ 飴山實 辛酉小雪
白萩に神純白ををしむなく 竹下しづの女句文集 昭和十五年
白萩に禅の山風荒々し 大岳水一路
白萩に蜘蛛の吊りたる一花二花 永井龍男
白萩に解夏の草鞋を結ひにけり 橋本鶏二 年輪
白萩に駅路の鈴の夜明かな 古白遺稿 藤野古白
白萩のあるじなくとも盛りかな 稚魚 (悼後藤夜半先生)
白萩のさかりの花にしづもれる光も人もとどまらなくに 清原令子
白萩のしきりに露をこぼしけり 正岡子規
白萩のつめたく夕日こぼしけり 上村占魚 鮎
白萩のみだれも月の夜々経たる 篠田悌二郎
白萩のみだれ雨ひく土昏し 臼田亞浪 定本亜浪句集
白萩のやさしき影を踏みゆけり 山内きま女
白萩の下枝揺るるはひとりごつ 西村和子 かりそめならず
白萩の余白に読みし戸籠かな 斎藤慎爾
白萩の夜に入り一鬼うづくまる 寺井文子
白萩の散るは夕日のこぼるなり 細見綾子 黄 炎
白萩の枝垂りつつなほ反れる 永井龍男
白萩の楚々たるを寄せ掃き給ふ 高澤良一 燕音
白萩の波に紅さす一枝あり 龍男
白萩の浄土すなはち恋地獄 手塚美佐 昔の香
白萩の白によせたる文綴り 加藤知世子 黄 炎
白萩の白打ち重ね重りたり 殿村莵絲子
白萩の花の奥なる朝夕 加藤知世子
白萩の触るるたび散る待ちて散る 細見綾子 黄 炎
白萩の走りの花の五六粒 飴山實 『花浴び』
白萩の辺に一日ゐて風を見し 田中英子
白萩の雨に過ぎたる汀女の忌 姉川長玄
白萩の雨をこぼして束ねけり 杉田久女
白萩の風のこまかな葉の楕圓 加倉井秋を
白萩へ一夜泊りの障子かな 展宏
白萩やこれよりさきはけものみち 大木あまり 雲の塔
白萩やふり分け髪の薄けはひ 水田正秀
白萩や乙女を諭す民謡もて 加藤知世子 花寂び
白萩や呼ばれて踵かへしたり 阿部みどり女
白萩や妻子自害の墓碑ばかり 宮坂静生(1937-)
白萩や忌につながりて姉弟 伊藤京子
白萩や松を籬の高台寺 竹冷句鈔 角田竹冷
白萩や紅濃きは野にあるを見む 及川貞 榧の實
白萩や袴はきたるをとこの歩 柴田白葉女 花寂び 以後
白萩や露ふる庭の草の中 南雅
白萩をこぼして母の日暮かな 大林信爾
白萩を春ワかちとるちぎり哉 蕪村 秋之部 ■ 永西法師はさうなきすきもの也し、世を去りてふたとせに成ければ
白露もこぼさぬ萩のうねり哉 松尾芭蕉
白魚汲む水美しき萩城下 板場武郎
盆のことひとつづつすみ萩の紅 関戸靖子
盗人に見捨てられたり軒の萩 梨月 俳諧撰集「藤の実」
相好も風も窶るゝか萩の家 清水基吉 寒蕭々
眠りゆく萩にをり~風のあり 五十嵐播水 埠頭
眼に溜めて風の色見ゆこぼれ萩 福永耕二
睡るほどに疲れ深まる萩の夜 長谷川秋子 『菊凪ぎ』『鳩吹き』『長谷川秋子全句集』
睡蓮や小虫止りてしなふ萩 島村元句集
矢絣を千代女も好み萩の花 佐藤美恵子
知己に逢ふごときやすけさ萩を見る 高澤良一 燕音
短冊を吊るより風の萩となる 柊 愁生
石原や鮠の腸(わた)ぬく萩の花 貝寿 俳諧撰集「藤の実」
砲二門ひき行く萩の小路かな 会津八一
硫黄煙高西風に伏し萩咲けり 宮武寒々 朱卓
磨崖仏萩が忘れし風を呼ぶ 河野南畦 湖の森
磴を登つてこの静かさや月の萩 比叡 野村泊月
神事すみぬすびと萩の道帰る 細見綾子 黄 瀬
禅寺や白萩縁に這ひ上る 寺田寅彦
秋の蜂萩の土塀を西東 飴山 實
秋もはや墓門の萩の敷りがてに 臼田亞浪 定本亜浪句集
秋立つや萩のうねりのやゝ長く 荒木荒井蛙
秋萩のうつろひて風人を吹く 樗良
税吏また帰す萩咲き定まらず 清水基吉 寒蕭々
稲妻の咋日は知らじ萩の花 会津八一
空流るままに手折りて萩すすき 坂巻純子
窓あけてホ句細心や萩晴るる 飯田蛇笏 山廬集
立ち直るいとま与へず萩へ風 高澤良一 ももすずめ
童らは聲を惜まず萩すすき 岡本眸
童顔の萩のうねりに跼みゐし 宇佐美魚目 天地存問
笛吹川今朝刈りたらん萩流る 伊藤京子
箒目の流れる方へ萩吹かる 西宮はるえ
篝火や萩大名のあぶら顔 角川源義
簾外の萩秋暑く雨の蠅 西島麦南 人音
簾越し走り咲きして萩のあり 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
粽とく子連れ女の萩江節 加藤郁乎 江戸桜
糊需萩こぼれぬとかごとかな 西山泊雲 泊雲句集
糶市へ仔牛跳ねゆく萩の風 松本幹雄
糸すゝき萩の乱れに糸錆びぬ 林原耒井 蜩
糸萩に斧たはぶれて蟷螂かな 高野素十
紅の花びら立てゝ萩の花 高野素十
紅白の萩こぼれつつ風を呼ぶ 伊藤芙美子
紅白の萩門前に咲き分けし 館岡沙緻
納経の褄下ろしをり萩の雨 西本一都 景色
素顔でゐる日曜萩のこぼれ易く 河野多希女 琴 恋
結願の萩吹けば飛ぶ白さかな 塚本邦雄
縁談や夜の厠を萩打ちて 石田波郷
肉にある縫目はしづか萩すすき 鳥居真里子
背合せに妻と刈る萩五十過ぐ 池月一陽子
胸赤き毘盧遮那仏や月と萩 角川春樹 夢殿
舁かれゆく萩の花あり蟻の道 軽部烏頭子
色好む上方人や萩に酒 大釜菰堂
芒伏し萩折れ野分晴れにけり 子規句集 虚子・碧梧桐選
花は根にもと荒の萩や土龍 椎本才麿
花少し散るより萩の盛りかな 蒼[きう]
花萩に三味一挺や峠茶屋 鈴鹿野風呂 浜木綿
茘枝熟れ萩咲き時は過ぎゆくも 加藤秋邨 寒雷
茨老すゝき痩萩おぼつかな 蕪村 秋之部 ■ 永西法師はさうなきすきもの也し、世を去りてふたとせに成ければ
草の萩置くや残暑の土ほこり 北枝
草むらに入りて二つや萩の蝶 柑子句集 籾山柑子
草や木やわきてぞ雨の萩薄 石塚友二 光塵
草刈るや萩に沈める紺法被 杉田久女
荒庭や鼬の道に萩の花 寺田寅彦
荒鵜の屎水のごとくに萩けがる 飯田蛇笏 春蘭
荻萩と下葉くらべよ長みじか 野澤凡兆
菊に早き萩にはおそき忌に参ず 鈴木真砂女 夕螢
萩あかり雨の法要長びきぬ 井上 雪
萩うねるうねりのなかの屋根瓦 永末恵子 発色
萩かれて雪隠見ゆる寒かな 横井也有 蘿葉集
萩がもと掃かれてありし嫁が来て 能村登四郎 有為の山
萩が咲き炭買はむなど心急く 殿村菟絲子 『繪硝子』
萩が根に月さし入りて風細し 樗良
萩くくり地震に備へて墓寝かす 西本一都 景色
萩こぼつ千松うどん城跡に食う 橋本夢道 無類の妻
萩こぼれいて高麗びとの深き眠り 畑稔
萩こぼれこの地下をゆく天竜か 林翔 和紙
萩こぼれ雲をはしらす桶の水 桂信子 遠い橋
萩こぼれ願ひは則をこえてばかり 赤松[ケイ]子
萩さくや百万石の大城下 正岡子規
萩さやぐ火の山の裾の鶴溜 小林康治 玄霜
萩さらさら忍ぶ女に忍ぶ男 下村牛伴
萩しきてまろばんこゝろ吾子を追ふ 軽部烏帽子 [しどみ]の花
萩しづか人に言葉のありにけり 阿部みどり女
萩すがれ陶土汚れのしてゐたる 森 重昭
萩すすきいかばかり萩は美しからむ 室生犀星 犀星発句集
萩すすき亡娘(あこ)に逢ふこと許されず 角川源義
萩すすき山越えて今日は日本海を見る(富山) 荻原井泉水
萩すすき狐はひよつと振り向くもの 鈴木栄子
萩すすき紅さすための薬指 黛まどか
萩すすき闇に残りしものの泛く 櫛原希伊子
萩すすぎ亡娘に逢ふこと許されず 角川源義
萩すゝき拾ふべき薪いづこにか 石橋辰之助 山暦
萩すゝき追分いよゝすさまじく 齋藤玄 飛雪
萩せゝり露草もちよとせゝり蝶 中田みづほ
萩ちぢに吹かれ生涯の詩もなかり 軽部烏頭子
萩とざす線路いよいよ末路なる 赤松[けい]子 白毫
萩と露色のつり合ひとれてをり 高澤良一 素抱
萩にくれて玉田横野へわかれ行 蕪村遺稿 秋
萩にざざ降り三人はゐる雨女 中村明子
萩にたつ人ばらばらな闇の顔 飛鳥田[れい]無公 湖におどろく
萩にのぼる雲の下のは木曽山か 広瀬惟然
萩にふり芒にそゝぐ雨とこそ 久保田万太郎 草の丈
萩にふれ芒にふれて庭案内 鈴鹿野風呂 浜木綿
萩にゆれ風にゆれ蝶定まらず 姫野 丘陽
萩に伏し芒に乱れ古里は 夏目漱石
萩に垣芒ばかりに垣をして 後藤夜半 底紅
萩に寄り振り向くことを齢とす 村越化石
萩に寄り露を見つめて居給ふや 村越化石
萩に彳てば脛打つ萩の勁さかな 久米正雄 返り花
萩に手をふれて昔の如く訪ふ 深見けん二
萩に来て筑摩の人か五本松 秋色 俳諧撰集玉藻集
萩に置く露の重きに病む身かな 夏目漱石
萩に萩押しつけゆける萩の中 高澤良一 さざなみやっこ
萩に訪へば飛鳥の御代の仏の座 上村占魚 鮎
萩に遊ぶ人たそがれて松の月 高井几董
萩に降り芙蓉にひかり消ゆる雨 岸風三楼 往来
萩に風すでに過ぎゐしわが而立 原裕 葦牙
萩に風思ふことなき別れかな 古白遺稿 藤野古白
萩に風鳴りこの溜息は気どられず 鈴木真砂女 夕螢
萩のつゆ詰うけたまはり蹲跼へば 及川貞 榧の實
萩のびて来てなつかしき葭戸かな 久保田万太郎 草の丈
萩のほかの六草の名の重たけれ 加藤鎮司
萩のみち行き交ひ隔てなき人等 大橋櫻坡子 雨月
萩のトンネル月光の透く黒い籠 文挟夫佐恵 黄 瀬
萩のトンネル白足袋の母に蹤きゆきぬ 杉本寛
萩の上に一葉して居る高台寺 比叡 野村泊月
萩の上に解夏のすだれの静かなる 三浦恒礼子
萩の下の水に燈籠の灯影かな 比叡 野村泊月
萩の丘下に汽車つき電車去る 銀漢 吉岡禅寺洞
萩の中に橋一枚の古さかな 野村喜舟 小石川
萩の中に猶白萩のあはれなり 正岡子規
萩の園身を乗り出して車椅子 森田久子
萩の塵萩が掃きをり美しや 西本一都 景色
萩の実に風南より来て縁ヘ 長谷川かな女 牡 丹
萩の実を三四合ほど掃きよせぬ 前田普羅 新訂普羅句集
萩の客ある日は勤め早帰り 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
萩の客去りたるあとの月夜かな 大場白水郎 散木集
萩の家わずかな水を煮ていたり 下山光子
萩の宿古りあまつさへ税来る 清水基吉 寒蕭々
萩の宿白き襖の貧ならず 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
萩の屑ついつい流れてはとまり 上野泰 佐介
萩の庭見せて小暗き木曽の宿 米住小丘子
萩の庭静かにかげりそめにけり 比叡 野村泊月
萩の庵宗匠老いてあはれなり 会津八一
萩の庵灯せば松の梢かな 尾崎迷堂 孤輪
萩の影ずらして水の動かざる 岡田史乃
萩の戸の馬の行方やけさの秋 春蛙
萩の日や雀斑の笑顔駈けぬけて 河野多希女 こころの鷹
萩の枝の風をなふるがごとくなり 楠目橙黄子 橙圃
萩の枝定まりながら次の風 渋谷道
萩の根によせて置きあり虫行燈 高濱虚子
萩の画も月の句も一つ袋かな 子規句集 虚子・碧梧桐選
萩の筆買ふ三月の雨強し 沢木欣一 地聲
萩の絵の古りし杉戸や法師蝉 河野静雲 閻魔
萩の縁しづかに障子しまりけり 高橋淡路女 梶の葉
萩の花こぼして露店組まれゆく すずきみちお
萩の花こぼし見つかるかくれんぼ 野田まこと
萩の花こぼれつぎつつ水澄めり 遠藤梧逸
萩の花こぼれて三日四日の月 三好達治 俳句拾遺
萩の花こぼれて庭のさらさかな 立花北枝
萩の花次客てふ座にかしこまり 猪俣千代子 秘 色
萩の花追々こけて盛り哉 孤舟
萩の花雨とびついてとびついて 石田郷子
萩の茶屋出る山伏の巻煙草 河野静雲 閻魔
萩の葉のこまごまと雨冷えにけり 日野草城
萩の葉のこま~と雨冷えにけり 草城
萩の葉のゆれなつかしゝ初嵐 小澤碧童 碧童句集
萩の葉の小ささまろさ蝸牛 大橋櫻坡子 雨月
萩の葉やいかなる人の指の跡 野澤凡兆
萩の葉を咥へて寝たる鹿の子哉 一茶
萩の蔭に煙草匂ヘり歩を返す 殿村莵絲子 花 季
萩の蝶吹き上げられて去りにけり 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
萩の蝶黄色ばかりや山の風 星野椿
萩の辺りまできて光る貝釦 桂信子 遠い橋
萩の野に風狂の眉しぐれをり 原裕 葦牙
萩の野は集つてゆき山となる 藤後左右
萩の門くぐりて悪女捨てにけり 竹内光江
萩の間のくろ髪なれやぬすみ見る 藤後左右
萩の間へ続く萩野を背負われて行く 西川徹郎 町は白緑
萩の雨かうも降つては来られまじ 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
萩の雨なゝめに白き帰省かな 岸風三楼 往来
萩の雨はれてよき日の富士を待つ 鈴鹿野風呂 浜木綿
萩の雨傘さして庭一廻り 中村吉右衛門
萩の雨嬬恋口の見あたらず 石川桂郎 四温
萩の雨膝をつめたくそろへもす 木下夕爾
萩の雨芙蓉の雨の上野かな 阿部みどり女 笹鳴
萩の露こぼさじと折るをんなかな 幸田露伴 拾遺
萩の露消ぬべく月を宿したる 柴田白葉女
萩の面の夕日は辷り消えにけり 五十嵐播水 埠頭
萩の風ほつほつと花咲きそめし 高浜虚子
萩の風一文字せゝり総立ちに 田村木国
萩の風何か急かるる何ならむ 水原秋櫻子
萩の風庫裏の衣裄に女帯 猿橋統流子
萩の風止まりし蜂をとばしけり 阿部みどり女
萩の風芙蓉の風と吹きわかれ 岸風三楼 往来
萩の風龍飛岬の声かとも 北光星
萩は実になりけり雨の千代尼の忌 藤田あけ烏 赤松
萩は実に光悦寺垣濡れて低し 野澤節子 黄 炎
萩は散り好日菊にやや早く 永井龍男
萩は花へ波音しるきにさんにち 林原耒井 蜩
萩は萩、芒は芒、西日かな 久保田万太郎 流寓抄以後
萩ひと夜乱れしあとと知られけり 小倉涌史
萩ほつり暑しといふは昼のこと 林原耒井 蜩
萩むしる落磐に父を奪られし子 西本一都 景色
萩むらのうす霧見ゆる無月かな 石原舟月 山鵲
萩むらや遽々と雀の覚まし顔 飛鳥田[れい]無公 湖におどろく
萩むらを逝きて老女となる勿れ 萩原麦草 麦嵐
萩もはや色なる波ぞ夕祓ひ 一茶
萩もまた人やさしやと思ふらん 後藤夜半 底紅
萩もやや枝のながれの相へだつ 皆吉爽雨 泉声
萩ゆらぎ水影ゆらぎ鯉売女 斉藤夏風
萩をくる跫音妻と知りゐたり 大野林火
萩を分けて貰ふぞかたく忘るゝな 上島鬼貫
萩を刈りはじめ石には替の鎌 波多野爽波 『骰子』
萩を刈り束ねて日和下り坂 大岳水一路
萩を刈ることは手馴れておはしけり 後藤夜半 底紅
萩を刈る一個の固き頭なり 飯島晴子(1921-2000)
萩を刈る今年一月刈るやうに 渡部伸一郎
萩を刈る働く五人見る二人 稲畑汀子
萩を刈る大ゆさぶりを空に地に 井沢正江
萩を吹きあまりし風や豆腐まで 飴山實 辛酉小雪
萩を圧して筵敷きたる月見かな 大釜菰堂
萩を手に児山下る一人かな 正岡子規
萩を括りに今年は来ずよ妻の母 成瀬桜桃子 風色
萩を見て京饌寮に居るらしや 比叡 野村泊月
萩を見て京饌寮は寄らで過ぐ 比叡 野村泊月
萩を見て暫くありておとなひぬ 高浜虚子
萩を見て水のごとくに虚子居たり 麦草
萩を題に歌つくらしむ萩の宿 正岡子規
萩・露にまみれてをかし懸想(けさう)びと 筑紫磐井 野干
萩乱る鳴く蟲千々に鳴かしめて 下村ひろし 西陲集
萩伏して身ほとり月の刺すばかり 殿村莵絲子 花寂び 以後
萩分けて猪追ふて行く列卒が松明 会津八一
萩刈つておくれやすかと尼のいふ 森田峠 避暑散歩
萩刈つてからりと冴えぬ夕明り 渡辺水巴 白日
萩刈つてしまへば寺を訪ふ人も 高濱年尾
萩刈つてそのまゝ倒しおく日向 高濱年尾 年尾句集
萩刈つてやさしき棘を貰ひたり 山田みづえ 木語
萩刈つて内を強むることねがふ 田川飛旅子 『薄荷』
萩刈つて十四五日も逢はぬかな 萩原麦草 麦嵐
萩刈つて土のあらはに白毫寺 伊藤敬子
萩刈つて夕浮雲のちらばりし 加藤三七子
萩刈つて多少の惜みなしとせず 鈴木花蓑句集
萩刈つて夜風がしろくなりにけり 千代田葛彦
萩刈つて芭蕉の墓前広うしぬ 西田 誠
萩刈て鶏頭の庭となりにけり 正岡子規
萩刈のまた一人出て毛越寺 斉藤夏風
萩刈らむ露驚きて声あげぬ 小林康治
萩刈られありて卒然たる思ひ 高木石子
萩刈りしのみの日を溜め惜命忌 小林康治
萩刈りしゆゑのさびしさのみならず 上林白草居
萩刈りし立花様の舟通し 松尾 玲子
萩刈りてあるじがなせしごとくする 阿部みどり女 笹鳴
萩刈りてこま~拾ふ剰すなく 上林白草居
萩刈りてすこしづつ消す萩明り 後藤比奈夫 花匂ひ
萩刈りてなほ何か刈る音つづく 皆吉爽雨
萩刈りてもの音近くなりしかな 北尾禮子
萩刈りて太虚といふを庭の上 皆吉爽雨
萩刈りて好き日なりしと思ひけり 後藤夜半 底紅
萩刈りて妻に灯のあり影のあり 南 うみを
萩刈りて折りてなほ丈なせりけり 皆吉爽雨 泉声
萩刈りて虫の音細くなりにけり 高浜虚子
萩刈るや朝鮮へ海真平ら 今井聖
萩刈れば現れし被爆の石畳 宇川紫鳥
萩初花帰国師の訃に間に会へず 杉本寛
萩初花朝はしづかな息づかひ つじ加代子
萩初花雀ふれてもうなづける 町田しげき
萩千枝花を盡して望を待つ 下村ひろし 西陲集
萩叢と睦み合ひつつ蓼は蓼 岡本眸
萩叢のわけても雨に濡るるかな 成瀬桜桃子 風色
萩叢の一ゆれしたり初嵐 大橋越央子
萩叢の中まで月のさしわたり 福田蓼汀 秋風挽歌
萩叢の靡けば見ゆる芙蓉かな 五十嵐播水 播水句集
萩叢の鼠花火に足とられ 石田あき子 見舞籠
萩叢も萩見る会も旺んにて 高澤良一 燕音
萩叢や隣は子供多くして 石田波郷
萩叢をうつり消えたる夕陽かな 五十嵐播水 播水句集
萩叢をめぐりて運び来る灯かな 野村泊月
萩叢を刈ろと思へど日向ぼこ 銀漢 吉岡禅寺洞
萩咲いてまなじりよぎる風の艶 原裕 出雲
萩咲いて家中おんなの笑い声 窪田丈耳
萩咲いて家賃五円の家に住む 正岡子規
萩咲いて指揮者さびしく練習する 瀬間 陽子
萩咲いて素直な妻を見出でたり 林原耒井 蜩
萩咲いて雨の蛇の目の紺へ降る 池内友次郎 結婚まで
萩咲きてより小きざみの蝶の羽 後藤夜半 底紅
萩咲きて愚かに昼を眠りたる 細見綾子 黄 炎
萩咲きて瑠璃光如来在します 大橋敦子 匂 玉
萩咲きぬ峡は蚕飼をくりかへし 馬場移公子
萩咲くと幼な名呼ばれうろたへる 河野多希女 納め髪
萩咲くと正受老人石の上(恵端禅師正受庵) 角川源義 『神々の宴』
萩咲くと言ひ散ると言ひわが二人 岡田 貞峰
萩咲くやかしこの山の歌枕 『定本石橋秀野句文集』
萩咲くやひかりかへさぬ書肆の玻璃 大島民郎
萩咲くやまだ縫物に親しまず 阿部みどり女 笹鳴
萩咲くやみちのくへ入る関のあと 水原秋櫻子
萩咲くや主従の鎧いづれとも(相模寿福寺の寺宝に弁慶義経のものと伝ふ鎧ありいづれも古びはてゝよしあしの形わきまへず) 『定本 石橋秀野句文集』
萩咲くや土を置きける池の橋 尾崎迷堂 孤輪
萩咲くや妻の髪にも白きもの 皆川白陀
萩咲くや庫裡の畳は人臭く 永井龍男
萩咲くや引越すはなしきまりかけ 久保田万太郎 草の丈
萩咲くや彼岸すぎたるくつろぎに 河野静雲 閻魔
萩咲くや恃みて明日に何がある 悌二郎
萩咲くや浅間をのぼる雲みだれ 水原秋櫻子
萩咲くや猫愛されて手から手に 柴田白葉女 遠い橋
萩咲くや馬籠に古りし石だたみ 遷子
萩咲く日散る日や妻の客ばかり 山本弦平
萩咲けり堂塔滅びゆくひかり 有働亨 汐路
萩咲けり浅間をのぼる雲みだれ 水原秋櫻子
萩咲けり癒えてすぐする拭き掃除 及川貞 榧の實
萩咲て家賃五円の家に住む 正岡子規
萩咲や間近き小野に色かさむ 北枝
萩垂れてわが門古りぬ野も見えず 林原耒井 蜩
萩垂れて燈籠かくす風情かな 岸風三楼 往来
萩寺といはれて掃かず萩の花 上木流泉
萩寺と呼ばれ萩刈ることも作務 藤木呂九艸
萩寺の確か白咲き萩未だ 高澤良一 宿好
萩寺の秋の団扇を借りにけり 和田しずえ
萩寺の門前淋し風船屋 白水郎句集 大場白水郎
萩寺へ来て秋の蛙きゝにけり 白水郎句集 大場白水郎
萩寺やみみずむかでへ灯のひとつ 宮坂静生
萩寺を過ぎて酔覚む初卯かな 秋山夏樹
萩少し咲きたる土のほてりかな 後藤 章
萩年々今年子の親にしあれど 福田蓼汀 山火
萩幽しわたしの好きな季節となる 鈴木しづ子
萩或る日心よりなだれゐたりけり 綾子
萩或日心よりなだれゐたりけり 細見綾子 花寂び
萩折つて萩を出る間に萎れけり 高田蝶衣
萩括るいままで何括りし紐 加倉井秋を
萩括る人僧名に呼ばれけり 毛塚静枝
萩括る馬の尾つぽも括りたし 大木あまり 火球
萩挿してくれなゐさやに律の墓 深見けん二
萩挿して今宵雲無き十三夜 大久保道彦
萩挿すや項に凝るは有情の眸 石塚友二 方寸虚実
萩掃くや蜘蛛の囲巻きし草箒 龍胆 長谷川かな女
萩揺れて夢にもかすり傷すこし 糸屋和恵
萩揺れに揺るゝは下を妻が掃く 篠田悌二郎
萩散つて地は暮れ急ぐものばかり 岡本眸
萩散つて壽福金剛禅寺かな 橋本榮治 越在
萩散つて渚なせるに父の墓 沢木欣一 二上挽歌
萩散りて頼りし白のすべて失し 加倉井秋を 『風祝』
萩散るや坐禅の石の冷やかに 会津八一
萩散るや手窪のごとき地を愛し 加倉井秋を 『風祝』
萩散るや掃き拡げたる潦 西山泊雲 泊雲句集
萩散るや筧の下の水溜り 子規句集 虚子・碧梧桐選
萩散ればまた来よと救世観世音 神崎忠
萩料理のつぺい汁もその一つ 伊藤柏翠
萩日和潦なくなりにけり 大橋櫻坡子 雨月
萩明り師のふところにゐるごとし 大野林火(1904-84)
萩暮れぬ湯浴み疲れにい溶けゐぬ 石塚友二 光塵
萩束ね山夕映えとなりにけり 関戸靖子
萩枝垂る待つほかはなき女の辺 河野多希女 彫刻の森
萩桔梗またまぼろしの行方かな 赤尾兜子
萩桔梗屁ひり虫めの臭さかな 野村喜舟 小石川
萩桔梗撫子なんど萌えにけり 正岡子規
萩水に油の如く拡れり 西山泊雲 泊雲句集
萩水漬き柳水漬きて棹の邪魔 下村梅子
萩活けし花屑掃くや萩に風 久米正雄 返り花
萩活て置けり人のさはるまで 炭 太祇 太祇句選
萩流れ手毬の糸を解く如く 上野泰 佐介
萩焼の急須とろりと月明り 長谷川秋子 『菊凪ぎ』『鳩吹き』『長谷川秋子全句集』
萩白きことに栞のありにけり 後藤夜半
萩白く夜歩き諭す童唄 加倉井秋を
萩白し女人の息のこぼしたる 金箱戈止夫
萩白し身を引き緊むる旅をして 小澤克己
萩真白海渡りきて子規拝む 西東三鬼
萩筆の軽妙ことに春立つ日 古賀まり子 緑の野
萩紫苑とゝのひぬ月そだちつゝ 及川貞 榧の實
萩紫苑瑠璃空遠く離れけり 飯田蛇笏 霊芝
萩繚乱わが老いに妻追ひすがる 横山白虹
萩芒ありてはじまる花野かな 高浜年尾
萩芒うなづき合うて露の秋 寺田寅彦
萩芒なだれて咲くも陣場跡 下村ひろし 西陲集
萩芒二百十日の暑さかな 増田龍雨 龍雨句集
萩芒元政庵はすきな寺 四明句集 中川四明
萩芒君ゆく方にひかりあり 中尾白雨 中尾白雨句集
萩芒月は細きが哀れなる 野坡
萩芒番傘の柄のなつかしし 石川桂郎 四温
萩芒縁まで茂る燈籠哉 小澤碧童 碧童句集
萩芒芭蕉の墓のさながらに 河野静雲
萩芒草さま~に秋立ちぬ 寺田寅彦
萩芒露けし人の言の葉も 佐野美智
萩芙蓉一日の妻を見棄てけり 齋藤玄 飛雪
萩萌えて戯画の鳥獣親しくす(高山寺) 河野南畦 『風の岬』
萩見るや法会の後チの酒の後チ 尾崎迷堂 孤輪
萩見るや縁の長さに居並びて 比叡 野村泊月
萩見頃来ては如何にと法師より 高濱年尾 年尾句集
萩黄葉日がな日暮のやうな空 山田弘子
葉がくれに虫篭見えけり庭の萩 高井几董
葉隠れに虫籠見えけり庭の萩 几董 (或人の別墅にて)
葛と萩並みて姉妹花葉裏白し 香西照雄 素心
葛野萩薬餌提げ来て通ひ妻 石川桂郎 含羞
蓮高く萩見の人をかくしけり 大場白水郎 散木集
蕎麦も見てけなりがらせよ野良の萩 松尾芭蕉
薄月よとても落ちなば萩の中 幸田露伴 拾遺
薄見つ萩やなからん此辺り 蕪村
虻が来て萩が静かに賑はひぬ 細見綾子
蚊帳の別れ萩むら虫を悲しとも 癖三酔句集 岡本癖三酔
蝶々に花の少なき山の萩 倉田紘文
蝶湧きて倒るる萩を更に吸ふ 長谷川秋子 『菊凪ぎ』『鳩吹き』『長谷川秋子全句集』
蟷螂(かまきり)や露ひきこぼす萩の杖 立花北枝
蟻塚に萩こぼるゝや庭の隅 寺田寅彦
行々て倒れふすとも萩の原 曾良
行き行きて倒れ伏すとも萩の原 曽良
行けど萩行けど薄の原広し 夏目漱石 明治三十二年
行ゆきてたふれ伏すとも萩の原 曽良
袖口かどこかさやさや萩の花 細見綾子
袖濡らす萩括つても括つても 鎌倉園月
襞深き服を好みぬ萩の風 福永みち子
見えず来て萩の下びに波たたむ 篠田悌二郎
見る人に少しそよぎて萩の花 高浜虚子
触ればこぼるる萩の情になれもせず 稲垣きくの 牡 丹
話声萩のうしろのあたりより 阿部みどり女 笹鳴
誘うたと尾花誘はなんだと萩は 本井英
読み了へし死の書溜れり萩の家 田川飛旅子 『山法師』
誰からとなく咳したり萩昏む 目迫秩父
走り咲く萩に普羅の忌来りけり 飯原雲海
走り咲く萩一枝や避暑の宿 五十嵐播水 播水句集
起されて起て物うし萩の花 支考
起ち上らざるもの胸に萩起す 石田波郷
踏みわける萩よすすきよ 種田山頭火 草木塔
踏切を見極む左右萩咲ける 磯野充伯
蹤く妻に砂丘の萩は砂を這へり 森川暁水 淀
躓きて盗人萩の名を覚ゆ 松山足羽
身の裡に火の音聴きて幽幽と萩さく天にわれは病みゐる 飯田明子
辞する時二階を開けし灯が萩に 右城暮石
透きとほるまでは散らざる萩黄葉 後藤比奈夫 花びら柚子
逗留の長びくまゝに萩も末 今井つる女
連れ立てり芙蓉の風と萩の風 高澤良一 宿好
遊園や萩のほそみち水づくあり 大橋櫻坡子 雨月
道思い出しながらゆく萩の寺 高澤良一 燕音
遠くより風萩に来て力ぬけ 深川正一郎
遠萩にたゞよふ紅や雨の中 松本たかし
遠萩に眼のおよぶとき妻とゐて 木村蕪城 寒泉
遥かな萩野萩が千本行き倒れ 西川徹郎 桔梗祭
邯鄲や萩わけゆきて谷見えず 殿村莵絲子
酒のむときめて押したり萩の門 上村占魚 鮎
醤油豆を莚に萩が地にとゞく 細見綾子 花寂び
野ねずみの眼のつと覗く萩の雨 つじ加代子
野の萩や安達太良にある乳首山 藤田あけ烏 赤松
野の道の野菊野萩の野菊かな 尾崎迷堂 孤輪
野の風に妻恋ひゆくや萩撓む 小林康治 四季貧窮
野分して傷みし萩の盛りかな 上野泰 佐介
野分待つ萩のけしきや花遅き 子規句集 虚子・碧梧桐選
野茨にからまる萩のさかりかな 龍之介
野茨にからまる萩の盛りかな 芥川龍之介 蕩々帖〔その一〕
銃眼にヨツト近づく萩城址 大島民郎
鋪道ゆくふと萩の枝さしいでて 波多野爽波 鋪道の花
鍵冶町に古簷ひらふ萩の雨 齋藤玄 『舎木』『飛雪』
門に萩尼寺までの男坂 荒川一圃
門の萩枝垂れこぼれて誰も来ず たけし
門前の萩刈る媼も仏さび 高野素十
閉ぢがちとなりし障子やこぼれ萩 松本たかし
閉経までに散る萩の花何匁 池田澄子
開拓地石磊々と萩乱る 林翔 和紙
降り止めばすぐ美しき萩の風 深川正一郎
陽をつかむ萩の弾力陽を離す 長谷川秋子 『菊凪ぎ』『鳩吹き』『長谷川秋子全句集』
隠亡の巨漢となりて萩に立つ 古舘曹人 砂の音
離亭にて縫物ひろげ萩の花 室生犀星 犀星発句集
離宮跡らしく配して萩芒 安沢阿弥
雨あがり馬腹は萩の花だらけ 会津八一
雨に散る萩の落花は掃かずおく 野見山ひふみ
雨のこる夏越の萩を括りをり 晏梛みやこ
雨の中に萩刈る秋の別れかな 瀾水
雨の庭萩起し行く女かな 尾崎紅葉 紅葉句帳
雨の萩六時といへば暮るゝかな 道芝 久保田万太郎
雨の萩盛りはすこし過ぎたれど 五十嵐播水 播水句集
雨の萩葉のこと~く雨を置く 高浜年尾
雨の萩起す腕にこぼれけり 加藤ひろ子
雨やんで萩の庭より風立てり 武田日出夫
雨幾夜風幾日萩盛り過ぎ 稲畑汀子
雨滴れの下やたゝけし萩の花 寺田寅彦
雨粒を飾りて萩の盛りかな 西村和子 かりそめならず
雨萩に降りて流れ 尾崎放哉
雨風や最も萩をいたましむ 高浜虚子
雪国の萩は紅濃し土濡れて 松村蒼石 雁
雪洞に女の袖や萩の露 泉鏡花
雲怪し見る見る萩を捲いて去る 長谷川零余子
零れ萩掃くほどもなく掃かれけり 間石
霜がるる萩のうら花とどまれり 飯田蛇笏 春蘭
露が染め霧の散らせる萩ならむ 稲垣きくの 牡 丹
露けさの萩にうもるゝ紙燭かな 比叡 野村泊月
露の萩蟷螂は待ち蟻走る 田川飛旅子 花文字
露多き萩の小家や町はづれ 尾崎放哉
露打つて匂ひたつ萩癒えたまへ 石川桂郎 四温
露萩もおるるばかりに轡虫 越人 俳諧撰集「藤の実」
露萩や朝からお香匂はせて 林原耒井 蜩
静かなる二百十日の萩を剪る 長谷川かな女 雨 月
鞍馬路をはさみて萩の寺二つ 五十嵐播水 播水句集
順礼を猿の絵に見ん萩の風 浜田酒堂
頬にふるゝ萩をかなしと尾根づたひ 岸風三楼 往来
風ありて萩を乱すに至らざる 奈良鹿郎
風なりや打返る萩のほの白し 暁台
風の色芒に萩に杖止まり 松山足羽
風の萩喰むまもはねて仔馬かな 飯田蛇笏 山廬集
風の萩黄蝶の恋をとり結び 橋本榮治 麦生
風の音や汐に流るゝ萩の聲 幸田露伴 江東集
風まぎる萩ほつほつと御母衣村 能村登四郎 合掌部落
風出でて蝶を揚げたる真萩かな 比叡 野村泊月
風折々さやける萩の花明り 鈴木花蓑句集
風添ひて傲れる萩に障子貼る 阿部みどり女 笹鳴
風禍なくかへつて萩のよごれをり 及川貞 榧の實
風立ちてわが身離るる萩白し 加倉井秋を 午後の窓
風立ちて萩の座とてもしどけなし 鈴木真砂女 夕螢
風立つや萩はもとより花こぼす 楠本憲吉
風立つや風にうなずく萩その他 楠本憲吉
颱風は萩の初花孕ましむ 竹下しづの女句文集 昭和十二年
飲食のかすかな音に萩昏れる 桂信子 黄 瀬
首あげて折々見るや庭の萩 正岡子規(1867-1903)
馬と神のみ白萩の原にあリ 阿部みどり女
馬に敷く褥草にも萩桔梗 富安風生
馬車止れば馬車の灯萩を明るうす 大橋櫻坡子 雨月
馬追の緑逆立つ萩の上 高野素十
馬追や月をよこぎる萩一枝 水原秋櫻子
駄菓子屋の木箱に萩の咲きそめし 三枝正子
驚くな顔にかゝるは萩の露 寺田寅彦
驟雨来て瑠璃岩盤に萩散りぬ 沢木欣一 雪白
高原を去る日も萩の雨が降る 阿部みどり女 笹鳴
鬼一と口を逃るる萩の叢深く 長谷川かな女 花寂び
鬼棲むといふ半島の萩あかり 佐川広治
魂に玉消ぬ仏に萩の露 上島鬼貫
魂棚や萩叢は灯にうかびをり 清水基吉 寒蕭々
魚板打つ音にも零る萩の白 宮村たかを
鯉の子のおどろきやすし萩の風 望月皓二
鰯雲天にひろごり萩咲けり 水原秋櫻子
鶏の餌に萩の蓑虫とりに来し 高濱年尾 年尾句集
鶏頭いかに萩と芒に事無きや 寺田寅彦
黄昏や萩に鼬の高台寺 蕪村
黄萩咲く名主旧居は屋根厚し 都筑智子
黄葉して萩また庭にあらはれし 皆吉爽雨
黒木御所萩初花に去りがたし 伊藤京子
以上
俳句の四方山話 季語の例句 句集評など
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メモ帳
《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。
尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。
《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)
例1 残暑 の例句を調べる
検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語
例2 盆唄 の例句を調べる
検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語
以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。
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