流星
流星
例句を挙げる。
いさり火の果や津軽の流れ星 岡澤康司
この世あの世つないで切れて流れ星 堀切千代
さいはての流星見つゝゆく旅ぞ 松本圭二
たまゆらの獅子座流星冷まじや 藤浦昭代
ふところへ流星一人栖みの山 中島斌雄
ふるさとももの傾きて流れ星 中村草田男
むらさきの流星垂れて消えにけり 佐藤念腹
わがにぎりこぶしは流星にはあらず 阿部青鞋
わが生の今が大事や流れ星 岡本 武三
わが胸に果てとなりたる流れ星 水田むつみ
ドレスごと抱かれた 流星の音きいた 松本恭子 檸檬の街で
一瞬の糸となりゐて流れ星 稲畑廣太郎
五人居て三人気付く流れ星 村井信子
光りつつたちまち消えし流れ星あかつきの海はいまだ暗しも 小泉千樫
地の力充つ流星を容れしより 柴田白葉女 花寂び 以後
大流星碎けて消えて吾が立つ 相馬遷子 雪嶺
大空のどこかが欠けし流れ星 藤崎久を
大空の清艶にして流れ星 高浜 虚子
天網をいくたびもぬけ流れ星 佐藤礼以子
宵越しのペン擱く刻や流れ星 富永小谷
家貧し流星の弧をさしこまれ 細谷源二 砂金帯
寝袋の胸に相次ぐ流れ星 勝田房治
尾を引きし大流星でありしかな 松藤夏山 夏山句集
山登るほど流星の音すなり 対馬康子 純情
帰らざる山の子呼べば流れ星 福田蓼汀
恋人は見ざりしといふ流れ星 遠藤若狭男
戦遠し妻見し凶の流星も 香西照雄 対話
探照燈の穂に吸はれゆく流れ星 及川貞 榧の實
旅情かも更けし湖上の流れ星 及川貞
月天に流星見えし枯野かな 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
月明の穂高に消ゆる流れ星 田中英子
木曾谷の空傾けて流れ星 星野秀則
来てくれし子と並みかへる流れ星 及川貞 榧の實
流れ星この木も肩のある如し 河原枇杷男 訶梨陀夜
流れ星こぼれ蜆の子とつぶやく 加藤楸邨
流れ星われのみが見しまさしくも 及川貞
流れ星われより飛びしごとくなり 平井照敏 天上大風
流れ星天秤棒の肩すかし 二村典子
流れ星夫という人持つ間なく 本田惠美子
流れ星山屏風して配流めく 文挟夫佐恵 遠い橋
流れ星岸辺の牛を思慕しつゝ 攝津幸彦
流れ星我れのみに見え消えにけり 高木晴子 花 季
流れ星消ゆるに行方なかりけり 嶋田一歩
流れ星火の粉一つの高上り 香西照雄 対話
流れ星眉間濡れしとおもひけり 小川軽舟
流れ星蚊帳を刺すかに流れけり 金子兜太
流れ星蝉の穴にも涙あと 増田まさみ
流れ星頭蓋のひびは罅のまま 鎌倉佐弓
流星にとどろきなびく銀の髪 高澤晶子
流星に二度と戻れぬ空のあり 櫂未知子 蒙古斑
流星に咲く桔梗とすれちがう 増田まさみ
流星に夜は肩落すケルンあり 岡田 貞峰
流星に思はずも襟かき合せ 星野立子
流星に秘めごとならぬ願ひごと 稲畑汀子 汀子第二句集
流星のあと想念を失える 和田悟朗
流星のあと軋みあふ幾星座 福永耕二
流星のきらめき落つる地獄谷 水原秋櫻子
流星のそこからそこへ楽しきかな 永田耕衣 驢鳴集
流星のつまづき去りし山の肩 小島 昌勝
流星の使ひきれざる空の丈 鷹羽狩行(1930-)
流星の俄に太し月の空 五十嵐播水 播水句集
流星の声発したる湖の上 大串章 百鳥 以後
流星の尾の消ゆるさま目に残る 高浜年尾
流星の尾の長かりし湖の空 富安風生
流星の尾をつかみしは鬼子かな 丸山海道
流星の相逢ふ縁なりしかな 滝青佳
流星の針のこぼるるごとくにも 山口青邨
流星の降る夜となりぬ氷頭膾 八牧美喜子
流星やかくれ岩より波の音 加藤楸邨
流星やかのピエロもう寝る頃か 長田等
流星やをとこの貌の嶺ひとつ 雨宮抱星
流星や墨壱丁を照らしたる 永田耕衣 冷位
流星や夜いたみし草の花明り 中島月笠 月笠句集
流星や庶民の屋根はかさなりて 椎橋清翠
流星や恋恋として喰むいちじく 鈴木しづ子
流星や旅の一夜を海の上 下村ひろし
流星や水を破りて舟の棹 米沢吾亦紅 童顔
流星や水音こもる真葛原 飯野てい子
流星や海底に殖ゆ鰈の目 大塚まや
流星や火の山裾に灯の撒かれ 渡邊千枝子
流星や祭火消えし杜の上 羽部洞然
流星や膝より欠けし石の馬 対馬康子 吾亦紅
流星や誰も乗らざる電車過ぐ 小泉八重子
流星を咥えしたたる秋田犬 鳴戸奈菜
流星を天のたまひて伊賀夜寒 野澤節子 花 季
流星を見しより私だけの部屋 山田みづえ
流星を見し夜の眠り浅かりし 星野 高士
流星を追ふ両の臂燃しながら 佐藤鬼房
流星を連れに語らず冬の原 金尾梅の門 古志の歌
流星一道斥候秋の江を渡る 寺田寅彦
流星待つ脚高のグラスにて 早川きく
父恋ひの灘へ来にけり流れ星 松本千鶴子
父母のうすき縁や流れ星 下田実花
獅子座流星箪笥にたまる宇宙塵 安西篤
生きて恋して流星の曳く微光年 原子公平
破船より高きもの無し流れ星 今瀬剛一
碧きまま昏れて流星椰子の上 高澤良一 ねずみのこまくら
翅たたみ眠るみどりご流れ星 遠山陽子
聞き役に飽きて流星欲るピエロ 仙田洋子 橋のあなたに
胸ぐらの闇に収める流れ星 五島高資
豊かな流星衣食ならざる飢ゑ求む 磯貝碧蹄館 握手
青鷺吹かれむかし流星夥し 遠山郁好
願ひごと半ばに消えて流れ星 大野花子
高原の夜空は高し流れ星 赤木タモツ
高原の流星しきりなる夜かな 星野立子
鼻さきに伊賀の濃闇よ流れ星 大野林火
さそり座を憶えし吾子に星流れ 稲畑汀子 汀子句集
たらたらと星流れたる網戸かな 高野素十
ひゆんひゆんと鞭の音して星飛べり 小林貴子
わが信濃触れんばかりに星飛びて 村松紅花
をかしらし春の夕の夜這星 尾崎紅葉
をり姫に推参したり夜這星 一茶 ■寛政四年壬子(三十歳)
コツプもち離れへゆくに星流れ 田中裕明 櫻姫譚
ボジヨレヌーボー星飛ぶ冬の木曜日 三嶋隆英
丑満の星飛び氷る切通し 佐野美智
凍らんとするしづけさを星流れ 野見山朱鳥
十日前をおもふてゐれば星流る 龍岡晋
喪の旅の火酒に喉焼く夜這星 高井北杜
嘶きや日高山脈星走る 一ノ瀬タカ子
地軸めぐる大いなる闇星飛べり 福田蓼汀 秋風挽歌
夜を脱ぐ無言のドラマ星飛んで 齊藤素女
夜目にさへ焦土の広さ星流る 下村ひろし
夜這星峡にをろちの深ねむり 角川源義 『冬の虹』
夜這星桑の畑のつづく径 田中冬二 冬霞
夜這星飛騨の平湯の真夜中を 田中冬二 冬霞
天と地の一枚闇に星流る つじ加代子
子の眼星流れ声はなちたり 人間を彫る 大橋裸木
家持の海なれば星流れけり 河本 和
寝語りも一枚毛布星流る 吉田鴻司
弓手あげ星流れしと橇の馭者 成瀬正俊
待宵や使者のごとくに星飛びし 工藤 信子
旅かなし銀河の裏と星流れ 野見山朱鳥
旅果てのたましひは風夜這星 丸山海道
星合のそれにはあらじ夜這星 左繍
星流る天にも亡ぶものがあり 谷端秀治
星流る失楽園のはじめより 坂本宮尾
星流る疑ふこともなく生きて 山口青邨
星流る街には風の辻楽師 秋尾 敏
星流る身後のわれの何ならむ 山口誓子
星流れたるとき棕櫚の樹がそばに 下村槐太 天涯
星流れつぐ別の空ある如く 井沢正江 湖の伝説
星流れピカソ一枚やぶきけり 皆吉司
星流れ人のこころに灯りけり 河野美奇
星流れ吾に一筋の風のこる 吉年虹二
星流れ痴のマンホール踏めば鳴る 宮武寒々 朱卓
星流れ避けて通れぬ死を思ふ 征一
星飛びしあとに黄の星紅の星 相馬遷子 山国
星飛びしあと大いなる牧の闇 大森三保子
星飛びしことを言はずに子守唄 千原草之
星飛びて幼きままの吾子とゐる 岡本ひろ子
星飛ぶと鞦韆の子の叫ぶなり 岡本松浜 白菊
星飛ぶはゆめにゆめみる牛蒡畑 斎藤玄 雁道
星飛ぶやうちならべたる海の幸 岩田由美
星飛ぶや地震列島闇深き 松本津木雄
星飛ぶや寝ねし我家へ帰りつく 篠原温亭
星飛ぶや掌の中の手のやはらかく 不破博
星飛ぶや鹿の眼ひかる原始林 渡会 昌広
星飛ぶ野思はず掴む己が袖 長谷川秋子 『菊凪ぎ』『鳩吹き』『長谷川秋子全句集』
星飛べり信濃の山にはやふた夜 福田蓼汀 山火
星飛んでピラミッドなほ未来へと 山本歩禅
星飛んで一すぢの闇濡らしけり 武藤和子
星飛んで和紙に短き僧の文 殿村菟絲子 『菟絲』
星飛んで星座の琴を鳴らしけり 河合 清
星飛んで星消ゆる闇の静寂かな 稲畑廣太郎
星飛んで未来氷劫ひとに恋 稲垣きくの 牡 丹
星飛んで殉教の海只暗し 荒川あつし
星飛んで漁火一つなかりけり 玉川鴦鳴
星飛んで船の灯ひとつ残りけり 柴田陽子
星飛んで蓴菜池を蓋したり 長谷川かな女 花寂び
星飛んで記憶なくせし悲しさよ 長谷川かな女 牡 丹
星飛んで飛べぬカクタス双手上ぐ 殿村莵絲子 花寂び 以後
星飛んで齢俄に加速する 小出秋光
昨日より生甲斐なくし星飛ばす 田川飛旅子 『邯鄲』
本を積み重ね星飛び窓を閉め 池内友次郎
死がちかし星をくぐりて星流る 山口誓子
浴衣着て水のいろまち星流れ 長谷川双魚 風形
湖底の村語り出す夜這星 石井保
湿原や星流れたる男の背 小川双々子
無限とは星飛ぶ空の闇のこと 藤井松代
玄海のかたぶくと見て星流る 桂樟蹊子
男ゆえキャラバンサライに星流る 高澤晶子
瞬間といふを線とし星流る 蔦三郎
箸置のワインのコルク星流れ 江頭 信子
肺のわがくらやみを星流れけり 千代田葛彦
芦間より星飛ぶ沢の見ゆるなり 松藤夏山 夏山句集
落石を追ひて星飛ぶ夜の登山 河北斜陽
葉柳や星飛ぶ五千三百里 会津八一
西に遠国北に遠国星流る 佐野まもる
隠国の星飛ぶ夜の初瀬の闇 稲岡長
鯤棲める海の真北や星流る 岩坂満寿枝
大接近ワクワクドキドキ流星群 高澤良一 鳩信
以上
例句を挙げる。
いさり火の果や津軽の流れ星 岡澤康司
この世あの世つないで切れて流れ星 堀切千代
さいはての流星見つゝゆく旅ぞ 松本圭二
たまゆらの獅子座流星冷まじや 藤浦昭代
ふところへ流星一人栖みの山 中島斌雄
ふるさとももの傾きて流れ星 中村草田男
むらさきの流星垂れて消えにけり 佐藤念腹
わがにぎりこぶしは流星にはあらず 阿部青鞋
わが生の今が大事や流れ星 岡本 武三
わが胸に果てとなりたる流れ星 水田むつみ
ドレスごと抱かれた 流星の音きいた 松本恭子 檸檬の街で
一瞬の糸となりゐて流れ星 稲畑廣太郎
五人居て三人気付く流れ星 村井信子
光りつつたちまち消えし流れ星あかつきの海はいまだ暗しも 小泉千樫
地の力充つ流星を容れしより 柴田白葉女 花寂び 以後
大流星碎けて消えて吾が立つ 相馬遷子 雪嶺
大空のどこかが欠けし流れ星 藤崎久を
大空の清艶にして流れ星 高浜 虚子
天網をいくたびもぬけ流れ星 佐藤礼以子
宵越しのペン擱く刻や流れ星 富永小谷
家貧し流星の弧をさしこまれ 細谷源二 砂金帯
寝袋の胸に相次ぐ流れ星 勝田房治
尾を引きし大流星でありしかな 松藤夏山 夏山句集
山登るほど流星の音すなり 対馬康子 純情
帰らざる山の子呼べば流れ星 福田蓼汀
恋人は見ざりしといふ流れ星 遠藤若狭男
戦遠し妻見し凶の流星も 香西照雄 対話
探照燈の穂に吸はれゆく流れ星 及川貞 榧の實
旅情かも更けし湖上の流れ星 及川貞
月天に流星見えし枯野かな 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
月明の穂高に消ゆる流れ星 田中英子
木曾谷の空傾けて流れ星 星野秀則
来てくれし子と並みかへる流れ星 及川貞 榧の實
流れ星この木も肩のある如し 河原枇杷男 訶梨陀夜
流れ星こぼれ蜆の子とつぶやく 加藤楸邨
流れ星われのみが見しまさしくも 及川貞
流れ星われより飛びしごとくなり 平井照敏 天上大風
流れ星天秤棒の肩すかし 二村典子
流れ星夫という人持つ間なく 本田惠美子
流れ星山屏風して配流めく 文挟夫佐恵 遠い橋
流れ星岸辺の牛を思慕しつゝ 攝津幸彦
流れ星我れのみに見え消えにけり 高木晴子 花 季
流れ星消ゆるに行方なかりけり 嶋田一歩
流れ星火の粉一つの高上り 香西照雄 対話
流れ星眉間濡れしとおもひけり 小川軽舟
流れ星蚊帳を刺すかに流れけり 金子兜太
流れ星蝉の穴にも涙あと 増田まさみ
流れ星頭蓋のひびは罅のまま 鎌倉佐弓
流星にとどろきなびく銀の髪 高澤晶子
流星に二度と戻れぬ空のあり 櫂未知子 蒙古斑
流星に咲く桔梗とすれちがう 増田まさみ
流星に夜は肩落すケルンあり 岡田 貞峰
流星に思はずも襟かき合せ 星野立子
流星に秘めごとならぬ願ひごと 稲畑汀子 汀子第二句集
流星のあと想念を失える 和田悟朗
流星のあと軋みあふ幾星座 福永耕二
流星のきらめき落つる地獄谷 水原秋櫻子
流星のそこからそこへ楽しきかな 永田耕衣 驢鳴集
流星のつまづき去りし山の肩 小島 昌勝
流星の使ひきれざる空の丈 鷹羽狩行(1930-)
流星の俄に太し月の空 五十嵐播水 播水句集
流星の声発したる湖の上 大串章 百鳥 以後
流星の尾の消ゆるさま目に残る 高浜年尾
流星の尾の長かりし湖の空 富安風生
流星の尾をつかみしは鬼子かな 丸山海道
流星の相逢ふ縁なりしかな 滝青佳
流星の針のこぼるるごとくにも 山口青邨
流星の降る夜となりぬ氷頭膾 八牧美喜子
流星やかくれ岩より波の音 加藤楸邨
流星やかのピエロもう寝る頃か 長田等
流星やをとこの貌の嶺ひとつ 雨宮抱星
流星や墨壱丁を照らしたる 永田耕衣 冷位
流星や夜いたみし草の花明り 中島月笠 月笠句集
流星や庶民の屋根はかさなりて 椎橋清翠
流星や恋恋として喰むいちじく 鈴木しづ子
流星や旅の一夜を海の上 下村ひろし
流星や水を破りて舟の棹 米沢吾亦紅 童顔
流星や水音こもる真葛原 飯野てい子
流星や海底に殖ゆ鰈の目 大塚まや
流星や火の山裾に灯の撒かれ 渡邊千枝子
流星や祭火消えし杜の上 羽部洞然
流星や膝より欠けし石の馬 対馬康子 吾亦紅
流星や誰も乗らざる電車過ぐ 小泉八重子
流星を咥えしたたる秋田犬 鳴戸奈菜
流星を天のたまひて伊賀夜寒 野澤節子 花 季
流星を見しより私だけの部屋 山田みづえ
流星を見し夜の眠り浅かりし 星野 高士
流星を追ふ両の臂燃しながら 佐藤鬼房
流星を連れに語らず冬の原 金尾梅の門 古志の歌
流星一道斥候秋の江を渡る 寺田寅彦
流星待つ脚高のグラスにて 早川きく
父恋ひの灘へ来にけり流れ星 松本千鶴子
父母のうすき縁や流れ星 下田実花
獅子座流星箪笥にたまる宇宙塵 安西篤
生きて恋して流星の曳く微光年 原子公平
破船より高きもの無し流れ星 今瀬剛一
碧きまま昏れて流星椰子の上 高澤良一 ねずみのこまくら
翅たたみ眠るみどりご流れ星 遠山陽子
聞き役に飽きて流星欲るピエロ 仙田洋子 橋のあなたに
胸ぐらの闇に収める流れ星 五島高資
豊かな流星衣食ならざる飢ゑ求む 磯貝碧蹄館 握手
青鷺吹かれむかし流星夥し 遠山郁好
願ひごと半ばに消えて流れ星 大野花子
高原の夜空は高し流れ星 赤木タモツ
高原の流星しきりなる夜かな 星野立子
鼻さきに伊賀の濃闇よ流れ星 大野林火
さそり座を憶えし吾子に星流れ 稲畑汀子 汀子句集
たらたらと星流れたる網戸かな 高野素十
ひゆんひゆんと鞭の音して星飛べり 小林貴子
わが信濃触れんばかりに星飛びて 村松紅花
をかしらし春の夕の夜這星 尾崎紅葉
をり姫に推参したり夜這星 一茶 ■寛政四年壬子(三十歳)
コツプもち離れへゆくに星流れ 田中裕明 櫻姫譚
ボジヨレヌーボー星飛ぶ冬の木曜日 三嶋隆英
丑満の星飛び氷る切通し 佐野美智
凍らんとするしづけさを星流れ 野見山朱鳥
十日前をおもふてゐれば星流る 龍岡晋
喪の旅の火酒に喉焼く夜這星 高井北杜
嘶きや日高山脈星走る 一ノ瀬タカ子
地軸めぐる大いなる闇星飛べり 福田蓼汀 秋風挽歌
夜を脱ぐ無言のドラマ星飛んで 齊藤素女
夜目にさへ焦土の広さ星流る 下村ひろし
夜這星峡にをろちの深ねむり 角川源義 『冬の虹』
夜這星桑の畑のつづく径 田中冬二 冬霞
夜這星飛騨の平湯の真夜中を 田中冬二 冬霞
天と地の一枚闇に星流る つじ加代子
子の眼星流れ声はなちたり 人間を彫る 大橋裸木
家持の海なれば星流れけり 河本 和
寝語りも一枚毛布星流る 吉田鴻司
弓手あげ星流れしと橇の馭者 成瀬正俊
待宵や使者のごとくに星飛びし 工藤 信子
旅かなし銀河の裏と星流れ 野見山朱鳥
旅果てのたましひは風夜這星 丸山海道
星合のそれにはあらじ夜這星 左繍
星流る天にも亡ぶものがあり 谷端秀治
星流る失楽園のはじめより 坂本宮尾
星流る疑ふこともなく生きて 山口青邨
星流る街には風の辻楽師 秋尾 敏
星流る身後のわれの何ならむ 山口誓子
星流れたるとき棕櫚の樹がそばに 下村槐太 天涯
星流れつぐ別の空ある如く 井沢正江 湖の伝説
星流れピカソ一枚やぶきけり 皆吉司
星流れ人のこころに灯りけり 河野美奇
星流れ吾に一筋の風のこる 吉年虹二
星流れ痴のマンホール踏めば鳴る 宮武寒々 朱卓
星流れ避けて通れぬ死を思ふ 征一
星飛びしあとに黄の星紅の星 相馬遷子 山国
星飛びしあと大いなる牧の闇 大森三保子
星飛びしことを言はずに子守唄 千原草之
星飛びて幼きままの吾子とゐる 岡本ひろ子
星飛ぶと鞦韆の子の叫ぶなり 岡本松浜 白菊
星飛ぶはゆめにゆめみる牛蒡畑 斎藤玄 雁道
星飛ぶやうちならべたる海の幸 岩田由美
星飛ぶや地震列島闇深き 松本津木雄
星飛ぶや寝ねし我家へ帰りつく 篠原温亭
星飛ぶや掌の中の手のやはらかく 不破博
星飛ぶや鹿の眼ひかる原始林 渡会 昌広
星飛ぶ野思はず掴む己が袖 長谷川秋子 『菊凪ぎ』『鳩吹き』『長谷川秋子全句集』
星飛べり信濃の山にはやふた夜 福田蓼汀 山火
星飛んでピラミッドなほ未来へと 山本歩禅
星飛んで一すぢの闇濡らしけり 武藤和子
星飛んで和紙に短き僧の文 殿村菟絲子 『菟絲』
星飛んで星座の琴を鳴らしけり 河合 清
星飛んで星消ゆる闇の静寂かな 稲畑廣太郎
星飛んで未来氷劫ひとに恋 稲垣きくの 牡 丹
星飛んで殉教の海只暗し 荒川あつし
星飛んで漁火一つなかりけり 玉川鴦鳴
星飛んで船の灯ひとつ残りけり 柴田陽子
星飛んで蓴菜池を蓋したり 長谷川かな女 花寂び
星飛んで記憶なくせし悲しさよ 長谷川かな女 牡 丹
星飛んで飛べぬカクタス双手上ぐ 殿村莵絲子 花寂び 以後
星飛んで齢俄に加速する 小出秋光
昨日より生甲斐なくし星飛ばす 田川飛旅子 『邯鄲』
本を積み重ね星飛び窓を閉め 池内友次郎
死がちかし星をくぐりて星流る 山口誓子
浴衣着て水のいろまち星流れ 長谷川双魚 風形
湖底の村語り出す夜這星 石井保
湿原や星流れたる男の背 小川双々子
無限とは星飛ぶ空の闇のこと 藤井松代
玄海のかたぶくと見て星流る 桂樟蹊子
男ゆえキャラバンサライに星流る 高澤晶子
瞬間といふを線とし星流る 蔦三郎
箸置のワインのコルク星流れ 江頭 信子
肺のわがくらやみを星流れけり 千代田葛彦
芦間より星飛ぶ沢の見ゆるなり 松藤夏山 夏山句集
落石を追ひて星飛ぶ夜の登山 河北斜陽
葉柳や星飛ぶ五千三百里 会津八一
西に遠国北に遠国星流る 佐野まもる
隠国の星飛ぶ夜の初瀬の闇 稲岡長
鯤棲める海の真北や星流る 岩坂満寿枝
大接近ワクワクドキドキ流星群 高澤良一 鳩信
以上
by 575fudemakase
| 2014-08-18 00:20
| 秋の季語
俳句の四方山話 季語の例句 句集評など
by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽
《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。
尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。
《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)
例1 残暑 の例句を調べる
検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語
例2 盆唄 の例句を調べる
検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語
以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。
《方法1》 残暑 の例句を調べる
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次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。
尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。
《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)
例1 残暑 の例句を調べる
検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語
例2 盆唄 の例句を調べる
検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語
以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。
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