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跣足

跣足

例句を挙げる。

うぐいす張軋ませて来る跣足かな 山崎和枝
さなぶりや跣足のまゝの風呂支度 斎藤九万三
すこし酔ひ跣足で歩く池袋 岡田史乃
どうしても跣足になつてしまふ児よ 稲畑汀子
ひたひたと跣足に来れば烏瓜 中村汀女
まつはりし草の乾ける跣足かな 軽部烏頭子
みち暑し跣足の跡のたくさんに 橋本鶏二
をしみなく跣足ふみゆき津和野の子 赤松[ケイ]子
エジプトヘ跣足に靴で旅立てり 都筑智子
ジャワ島の跣足の子等に囲まるる 田原けんじ
セイロンの物乞ふ子等の皆跣足 真柄 嘉子
ロシア船員跣足であるくタロ芋島 高澤良一 寒暑
三男の扁平足の跣足かな 都筑智子
冷かに窪みし苔に跣足かな 龍胆 長谷川かな女
制服少女の一人が跣足智恵子の碑 鍵和田[ゆう]子 未来図
吉備人の田植ゑしのちも跣足なる 昭彦
土踏んで病知らずに跣足の子 木村 都由子
夕作務の跣足の指をふみひろげ 赤松[ケイ]子
太平洋の汀跣足に快く 河野ちか子
家中の跣足ばたらき懸煙草 中田みづほ
寒行の跣足の音の聞えねど 中村汀女
少年の跣足ひゞきて走りをる 山口誓子
廻礼も跣足のままや琉球女 篠原鳳作
念仏踊男の跣足なまなまし 文挟夫佐恵
思ひ出のみなこそばゆき跣足かな 阿部静雄
日のあつく塗畦通ふ跣足かな 飯田蛇笏 山廬集
朝よりの跣足のまゝの夕餉かな 村上星洞
殉教の森音すべて跣足の音 加倉井秋を 『真名井』
水虫を厭ひて跣足一教師 金山 有紘
氷雨ふる道を跣足の力士かな 鈴木貞雄
火の国の子等は跣足よ麦の秋 臼田亜浪 旅人
無患子や跣足参りの足裏炎え 本多静江
熔岩の上を跣足の島男 高浜虚子
病人に声かけてゐる跣足かな 西本一都
病床に呼ばれし妻が跣足かな 吉武月二郎句集
病廊を来たる跣足の小鰺売 石田波郷
百姓の早も跣足や金鳳華 古内仰子
着飾りて馬来女の跣足かな 高浜虚子
砂しかとつかむ跣足や地引網 小山松岬子
稲妻をふみて跣足の女かな 高濱虚子
終には跣足になりて水を打つ 岡本孝女
聖地のごと跣足詣のかくれ耶蘇 古賀まり子 緑の野以後
舟虫や跣足何年振りのこと 青葉三角草
蒼天や神は跣足が好きならむ 柏 禎
蓑を著て跣足で少女野分中 高濱年尾 年尾句集
薫風や島を案内の跣足の子 西山泊雲 泊雲句集
藷植うるみんな跣足の修道女 早田鳴風
蛇が這ひし跡の草ふむ跣足かな 龍胆 長谷川かな女
観世音跣足艶冶に踏み出され 渡辺恭子
跣足にて婆が物売る仏生会 阿部みどり女
跣足子の英語おらびてまつしぐら 石橘秀野
農婦らに跣足の季節胡麻の花 西村公鳳
鎌持ちて女跣足でこちへ来る 高濱虚子
魚下げし跣足の海女のおさな顔 鈴木ふみを
鵙の宮遊ぶ村童皆跣足 橋本鶏二 年輪
おぼろ月素足の美女のくさめかな 幸田露伴 拾遺
かげろふと遊んでゐたる素足かな 酒井裕子
かなかなや素足少女が燈をともす 澄雄
くたびれて素足の指の遠きかな 森賀 まり
そら豆をむいて素足の時間なる 笹本千賀子
とどまれば我も素足の曼珠沙華 あざ蓉子(1947-)
なにもかも遠き思ひの素足かな 結城昌治
はづかしき三十路の素足ほめられて 岩田由美
ひたひたと小さき素足金魚草 柴田白葉女 花寂び 以後
ふなばたを踏まへし素足蒲刈女 木村蕪城 寒泉
ふるさとに素足ぐらしの三日ほど 本庄登志彦
ふるさとの水よ素足の山頭火 吉原文音
ぷくぷくの素足むんずと赤子立つ 高澤良一 宿好
ぺたぺたと階打つ素足少女かな 嶋田麻紀
みほとけの素足はるけし蕗の薹 原和子
キャンプ村素足にて物借りにくる 辻田克巳
ゴム長に素足さしいれ再起さだか 赤城さかえ句集
シロヨモギ素足になれといふごとし 高澤良一 燕音
ストーブに若き素足を匂はする 能村登四郎
ダリの訃や痣なき素足日に晒し 辻美奈子
ヒロシマ忌泳ぎし素足地を濡らす 鈴木六林男 第三突堤
一葉忌あたたかければ素足にて 植村通草
三月の素足や下駄の緒の大き 兼巻旦流子
丑の刻參る素足の雨月夜 筑紫磐井 婆伽梵
二階より素足降り来る桜鍋 鈴木鷹夫
人妻の素足の季節硝子の家 鷹羽狩行
仔山羊跳ぶ人の素足をよろこびて 殿村莵絲子
佐保姫の海より来たる素足かな 大屋達治 龍宮
修行僧素足そめつつ紅葉掃く 石田 順子
千鳥も老いも夜明けの素足九十九里 太穂
唐辛子素足冷たく干しにけり 草間時彦 櫻山
国頭や睦月素足の藍絞り ながさく清江
堂涼し飛天素足を躍らせて 壺井久子
夏まつり神輿のあとの児の群れの小さき素足の吾児にかも似る 金子薫園
夏めくや素足の裏に庭の土 渋亭
夏至の未明は素足の未明遠野ありて 北原志満子
夏越女というて烏帽子を着て素足 後藤夜半 底紅
夕ほのと白し素足を投げだすに 石川桂郎 四温
女の素足石を掠めて失せしかな 岸田稚魚 筍流し
女の素足紅らむまでに砂丘ゆく 岸田稚魚 筍流し
女塗師素足の胡座組み直す 千田一路
学僧の素足に寒の炎むら立つ 古市絵未
少女の素足路地へすつ飛ぶ十一月 能村登四郎
少年の素足吸ひつく五月の巌 草間時彦
山荘の板敷素足よろこべり 高澤良一 さざなみやっこ
干潟踏む素足の白くさみしけれ 高澤良一 燕音
廊凍てて雲水素足乱れなし 倉橋羊村
後厄を湯殿の素足詣かな 茨木和生 往馬
御田植の素足のもどる石畳 数合信也
御素足の幼かりける寝釈迦かな 鈴木貞雄
恍惚と火事みる祖母の素足なり 皆吉司
手製の椅子素足の妻にぶだうの芽 細見綾子 黄 炎
投げ出して父の素足と子の素足 前山松花
新涼の素足桃色蕎麦の花 江川邑節
日傘素足にさしたくて出づ板下まで 鈴木栄子
日常の素足の汚れもて詣る 和田悟朗 法隆寺伝承
早乙女の素足の白さ家を出る 西村公鳳
服着たる人の素足よ豆の花 節子
朧なる素足の遊行上人像 猪俣千代子 秘 色
木蓮咲き満ち素足で洗うバスの床 田川飛旅子 花文字
末枯るる歯朶に素足の聖母像 堀口星眠 営巣期
末黒野へ踏み出て素足病波郷 肥田埜勝美
板の間に素足の指をひらきをり 嶋田麻紀
桃咲いて風は素足で歩きけり 照敏
樅の道素足乙女に銀河澄む 千代田葛彦 旅人木
樹上より垂らして素足さびしがる 能村登四郎
歩く許可下りし素足のよろめける 浅見さよ
母の日も母の素足の汚れ居り 原コウ子
水無月や素足の下駄は浅く履く 行廣すみ女
氷室山美童の素足垣間見て 大庭紫逢(1947-)
深欲と言はれて田打つ素足われ 影島智子
湖の砂のしまれる素足かな 石田郷子
湯上がりの素足の匂ふ簟 塩谷はつ枝
湯上りといふ素手素足地虫生づ 手塚美佐
漁夫の子の強き素足や松の蕊 細見綾子
火渡りの女修験の赤素足 沢木欣一
爪紅の素足古風なつばくらめ 長谷川双魚 風形
父の日の素足すうすうしてゐたり 高澤良一 素抱
父の死後苗代の底を踏む素足 中拓夫 愛鷹
爽かや素足に羊皮踏みて立つ 小池文子 巴里蕭条
牛飼の子供の素足草紅葉 山本洋子
田螺拾ひの素足にて跨ぐ遙かなる音を持つレールを 安斎櫻[カイ]子
白すぎる女の素足夕薄暮 的場秀恭
百人の母の素足に辛夷咲く 鳥居美智子
眼の隅に尼僧の素足しぐれ止む 横山白虹
短夜の素足濡れをり殉教像 古賀まり子 緑の野以後
短日の人妻の素足なまなまし 藤木清子
礎石より土にこぼるる素足かな 原裕 青垣
神様も鳥も素足や枯木立 栗林千津
童女素足砂色小波四段ほど 香西照雄 対話
竹踏みの素足ほてりぬ厨ごと 姉崎蕗子
籾筵素足となりて踏みわたる 山口誓子
素手素足ずいぶんすっきりした色に 高澤良一 鳩信
素手素足松が起点の昼の夢 河野多希女 納め髪
素足がいい眼つむるがいい故郷は 今瀬剛一
素足してたちゐさみしき結夏僧 近藤一鴻
素足で歩くたえず地霊のたちのぼり 穴井太 天籟雑唱
素足で歩く雑草しろい卵を秘め 穴井太 穴井太集
素足となり踏んづけてみぬオカヒジキ 高澤良一 燕音
素足にてひひな祭の夜の畳 澄雄
素足にて出る元日のポストまで 梅本初子
素足にて渡る橋あり渡るべし 永末恵子 発色
素足にて踏む人工の浜の砂 川村甚七
素足まだ廊になじまず藤咲けり 馬場移公子
素足吹く風あり本を読み継げり 高澤良一 ぱらりとせ
素足拭く西青空の法師蝉 中拓夫 愛鷹
素足濡らすだけの渚に手をつなぐ 仙田洋子 雲は王冠
紫雲英田に家族の素足揃ひけり 豊田 曳峰
綿の花素足に慣れて来し移民 栗原 義人堂
自動車を素足で下りて潮干狩 青葉三角草
船を待つ素足ましろき定斎里 佐野まもる 海郷
良寛の海に下り立つ素足かな 原裕 出雲
芥出す長スカートの素足かな 吉田つよし
花びらの翻るや素足して出でぬ 石原八束 空の渚
苔咲くや五百羅漢の素手素足 橋本榮治 麦生
若芝に試歩の素足の一歩二歩 小野 秀子
茎漬けのひとの素足を遠く見る 石原八束 空の渚
草の芽にかゞみて母も素足なる 白澤よし子
蔭出でて昼寝の素足枇榔(くば)の樹下 橋本榮治 麦生
薫風や素足かがやく女かな 日野草城
藺の匂ふ畳素足できて祈る 佐野美智
虫聴くや素足に痛き蒲筵 小泉迂外
蝋の炎のすっくとたちて素足なる 渋谷道
蝸牛素足濡らしつ森に入る 小川特明
補植する素足に蛭の泳ぎくる 木村よし子
観音は素足に在わす寒椿 神谷美和
豆の花咲いて素足の夜を匂ふ みどり
達磨忌の素足が通る寺の縁 小川匠太郎
障子貼る僧の素足が往き来して 右城暮石
雛流す少女の素足波が寄す 郷原弘治
雨の薊女の素足いつか見し 下村槐太 天涯
雨を来し修二會の僧の素足かな 中岡毅雄
霧の旅神々はみな素足にて 石崎多寿子
青踏めば病者の素足埋れけり 上野さち子
韮の束買ふ板の間に素足して きくちつねこ
風の道くる素足の姉妹山桃と 澤 悦子
風よりも女素足で道遠み 阿部完市 軽のやまめ
高階に素足を拭ふ夏は来ぬ 沼尻巳津子
髪切つて素足で歩く五番街 坂本宮尾
魂迎素足に土の懐かしき 千代田葛彦
魚島や素足向け合ふ舟の上 堀 葦男
黒豚を抱く少年の素足かな 影島智子
混浴の女岩踏む跣の音 高澤良一 素抱

以上
by 575fudemakase | 2014-08-27 00:33 | 夏の季語


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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