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二日

二日

例句を挙げる。


あたゝかき昨日につづく二日かな 土永 竜仙子
いくらかは窶れしと知る二日かな 龍岡晋
いさぎよし二日早暁の往診は 相馬遷子 山国
うらじろの葉の反り返り二日かな 佐藤信子
うら山を石ころげおつ二日の夜 萩原麦草 麦嵐
かまくらの不二つまらなき二日かな 久保田万太郎
くれかかる二日の壁があるばかり 桂信子 黄 瀬
これもちとおこしに来たる二日かな 服部嵐雪
さわぐ笹二日の日射し入りみだれ 桂信子 花寂び 以後
すぐそばの母なつかしき二日かな 前田典子
たま~や二日に出でし穴居妻 萩原麦草 麦嵐
つぎ~に船の出でゆく二日かな 五十嵐播水 埠頭
とかくして二日となりぬ初暦 小杉余子
ひつそりと村の二日のつねのごと 長谷川素逝 村
ふりかけて雪すぐやみし二日かな 久保田万太郎 流寓抄以後
ほのぼのと殺生石の二日かな 上田五千石
やうやくに空温まる二日かな 松村蒼石
ゆるやかにとぶ鳥見えて二日かな 永田耕一郎
パンちぎる膝に二日の夕陽あて 岩田昌寿 地の塩
ピーナッツつるりとむける二日かな 高澤良一 さざなみやっこ
一トときのあられにくらき二日かな 久保田万太郎 流寓抄
一夜経しものに二日の潦 辻田克巳
一葉づつ拭ふ二日の壺椿 長谷川かな女
乾坤に卵立ちたり二日の夜 今井竜蝦
二日かな矢切の渡し急がざる 渡辺恭子
二日とて約せしことの早や二三 高濱年尾 年尾句集
二日には原稿依頼殺到す 稲畑廣太郎
二日には箒のさきやふく寿草 炭 太祇 太祇句選後篇
二日の炉松笠黒う燃え了る 萩原麦草 麦嵐
二日の燈とびとびに崎荒るるなり 宮津昭彦
二日はやあふるゝ客の我が家の炉 穴井 梨影女
二日はや妻の煮るもの妻臭し 萩原麦草 麦嵐
二日はや工事場廻る警備員 松尾千代子
二日はや死と詩が忍び足でくる 楠本憲吉
二日はや死病の人の牀に侍す 相馬遷子 山国
二日はや物憂かりける壁畳 石塚友二 光塵
二日はや秘仏にかへる薬師仏 北澤瑞史
二日はや能登行商の雪合羽 新田祐久
二日はや血をもて汚す診療衣 下村ひろし 西陲集
二日はや酸茎を噛んで恋もなし 嶋田麻紀
二日はや雀色時人恋し 志摩芳次郎
二日はや風のとらへし夕日かな 高橋潤
二日はや魚干す入江軒深し 北村典子
二日また孔子の仁の如き日を 梅沢総人
二日めは妻のくにぶり雑煮椀 椙本千代子
二日もう吾子を叱つてしまひけり 白根純子
二日より三日の客の多かりし 芦川 巣洲
二日より深雪に飛ばす鉄火かな 齋藤玄 飛雪
二日三日と太陽にとびつくか 松澤昭 面白
二日三日四日病む鳥声のほかはなく 石川桂郎 高蘆
二日早や朝空汚すけぶりかな 古市爽石
二日早や米寿の母のご高説 斉藤 仁
二日暮るゝ客に音して厨かな 楠目橙黄子 橙圃
二日暮れ今年も二日たちにけり 富安風生
傘寿越すことを二日の暮れつ方 皆吉爽雨
元日と二日に頒ち鯛を食ぶ 村越化石
元日の大雪なりし二日かな 高浜虚子
元日二日ことに三日の日和かな 高橋淡路女 梶の葉
元日二日京のすみずみ霞みけり 蕪村
元旦の鯛焼き返す二日かな 角川春樹
別嬪な鳥が来てゐる二日の木 高澤良一 さざなみやっこ
咥え来し木の葉みどりに二日の猫 北原志満子
噴いてきし飯の匂ひの二日かな 大南テイ子
夕影の二日の富士や見給はず 小池文子 巴里蕭条
夢殿や二日の夢に竜の髭 角川春樹 夢殿
大き田に人の出てゐる二日かな 露崎士郎
大き聖書置かれ二日の説教台 古賀まり子 降誕歌
大仏を蔵する鴟尾の二日かな 角川春樹 夢殿
嫁になる娘が来てくれし二日かな 藤実艸宇
子らとまる電話かかりし二日かな 五十嵐播水 埠頭
富士川の水みどりなる二日かな 室積波那女
山寺に書見の灯ある二日かな 山本洋子
山彦も山を出ることなき二日 鷹羽狩行
山牛蒡鶲も二日三日かな 加藤楸邨
岩手山雪けむり立つ二日かな 沼澤 石次
峡の空二日の星の吹き溜り 滝 佳杖
師のもとにまかりてやすき二日かな 石塚友二 光塵
常のごと二日の客の裏戸より 高浜虚子
庭隅の幹に日のある二日かな 桂信子 遠い橋
引くときも二日の波の岩を越ゆ 田島魚十
志寿太夫の高き声佳き二日かな 都筑智子
念仏寺雨降る石の二日かな 村上しゆら
怒ることできてしまひし二日かな 中村春逸
放埓の二日となりし酢牡蠣かな 古舘曹人 樹下石上
文鎮に海の日のさす二日かな 畠山譲二
日も富士も白き光の二日かな 渡邊水巴 富士
春なれて二日の門の楽しけれ 柳女
書初の二日にあらぬ日なりけり 青木重行
棒のやうに二日の酒気につらぬかれ 長谷川秋子 『菊凪ぎ』『鳩吹き』『長谷川秋子全句集』
橙に雨柔らかき二日かな 浅賀渡洋
歯朶に風二日夜更けて客のあり 小松崎爽青
気の置けぬ二日の客や姪甥等 五十嵐播水 播水句集
永久の喪の母ごころけふ二日 及川貞 夕焼
沖かけて波一つなき二日かな 久保田万太郎
河口まで海を見にゆく二日かな 水田光雄
浮島や鴫を二日の景として 佐藤鬼房
海二日うるめいわしの瞳が見える 佐々木とみ子
海牛の二日の波にたゆたへり 高澤良一 ももすずめ
濯ぎ場にすこし雪ある二日かな 沖崎一考
火を焚きて遊び心の二日はや 雨宮きぬよ
狩の犬一声鳴きし二日かな 日原傳
猫と灰いづれが温き二日かな 柿本多映
生海鼠干す伊良古が崎の二日凪 曉台
町中を鴉の荒らす二日かな 小島千架子
留守を訪ひ留守を訪はれし二日かな 五十嵐播水
真直ぐに二日の空の飛行雲 林 瑠美
立てかけし櫂に二日の天が澄む 木村蕪城 寒泉
竹の幹二日の夕日射しにけり 加藤三七子
笹鳴に対す二日の主かな 高浜虚子
笹鳴の背戸にきてゐし二日かな 森澄雄
群れて白き羊追わるる二日かな 五十嵐研三
老人は烏なりけり二日の橋 橋間石 和栲
腹の上に猫のせてゐる二日かな 行方克巳
荒海のけふ荒れてゐる二日かな 鈴木真砂女 生簀籠
菩提樹に雪降りし香の二日かな 西村公鳳
華に先二日ちかよる二日かな 松岡青蘿
蘆垣に日のさしぬける二日かな 久保田万太郎 流寓抄
虔みて写仏二日の大机 つじ加代子
行末はまたこの二人二日の夜 篠田悌二郎
試筆する二日の友に来りけり 五十嵐播水 播水句集
調教馬二日の馬場をひた走る 佐藤信子
赤ん坊に指先噛ます二日かな 加藤かな文
辞書ひきに立つや二日の雪催 斉藤夏風
迷ひ犬歩く二日の高速路 船坂ちか子
遠山の枯生光れる二日かな 本郷迂象
酔漢の宵寝を覚す二日かな 石塚友二 光塵
金魚浮び出でし二日の日はさゝね 林原耒井 蜩
鉄棒に少年二人二日の朝 佐藤鬼房
雪が来て二日の山のすがた見ゆ 中拓夫
雪掻きて二日の店を開けにけり 榎本栄子
雪籠り二日朝夜と昔なし 石川桂郎 高蘆
電気ストーブ冴えざえ二日明けにけり 永井龍男
青空へもぐら顔出す二日かな 沢木欣一 地聲
風はたとやめば二日の壇の浦 白倉久子
風花の峡の小村の二日かな 松本たかし
飛ぶ寅の想得てたのし二日の子 原裕 青垣
餅腹の汚さゆるせ二日酒 石川桂郎 含羞
髪に浮く二日のうすき埃かな 鈴木真砂女 生簀籠
鳥の影しばしば二日を籠りゐる 阿部みどり女 『陽炎』
鳩がとぶ二日の空の浅黄色 阿部みどり女
鵜の潜く波みて昏れし二日かな 稲垣きくの 黄 瀬
鶴あゆむ二日の畦のうすみどり 米谷静二
鷺もゐて伊根の舟屋の二日凪 有田芳子
黒髪の国の二日を黙し征く 平畑静塔
よき客によき酔ひ狗日の日記書く 原田孵子
屑籠に二日の日差し移りけり 高澤良一 宿好
二日から甲羅干しせる池の亀 高澤良一 暮津
亀の首二日の空へ差し伸べて 高澤良一 暮津

以上
by 575fudemakase | 2015-01-02 00:22 | 新年の季語


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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