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初雷

初雷

例句を挙げる。


あちこちに足がぶつかり地虫出る 四ツ谷龍
きびきびと解剖学者地虫出づ 黒田杏子 花下草上
けふ掃きてきよらの土も地虫出づ 水原秋桜子
けふ掃きてきよらの砂も地虫出づ 水原秋櫻子
こつぽりの高さや地虫出でにけり 波多野爽波 『骰子』
こんなにも淋しい景色地虫出づ 田中裕明
さみしいか淋しくはなし地虫出づ 藤田湘子 てんてん
なにかあるときのふるさと地虫出づ 富松ひふみ
ひとところ黒き土あり地虫出づ 大坪沙智子
まどろみの淵までゆかず地虫出づ 中西夕紀
みづうみの北にみづうみ地虫出づ 佛原明澄
よろづやに鋤鍬ひかり地虫出づ 大立しづ
われのゐぬ所ところへ地虫出づ 藤田湘子 てんてん
パレツトにのぞく親指地虫出づ 岡田 貞峰
一笑の塚の湿りや地虫出づ 伊藤美音子
三四日ぐづつく雨に百足虫出づ 上村占魚「霧積」
中越戦争誰もとどめず地虫出づ 平井さち子 紅き栞
主婦たちに虫出し雷の一つかな 加倉井秋を
之を哭し之を笑ふや地虫出づ 相生垣瓜人 微茫集
二十四枚の歯がまだ残る地虫出づ 石川文子
何も彼も眩しき大地地虫出づ 井口雪嶺
初雷に家路といへる一路あり 鈴木 榮子
初雷に混る木のこゑ草のこゑ 宮坂静生
初雷のいま前山に谺せる 高瀬竟二
初雷のごろごろと二度鳴りしかな 河東碧梧桐
初雷のごろ~と二度鳴りしかな 河東碧梧桐
初雷の一くらがりや遊園地 松本たかし
初雷の二つばかりで止みにけり 春雷 正岡子規
初雷の嫩芽を叩く風雨かな 長谷川かな女 雨 月
初雷の暗躍するを傾聴す 相生垣瓜人
初雷の汽車の響に紛れけり 春雷 正岡子規
初雷の激しき音の二度ありき 城戸崎松代
初雷の重く鳴りたる一度なり 瀧澤伊代次
初雷の雲能登生れ加賀育ち 不破幸夫
初雷の鳴り足す如く間遠なり 高田蝶衣
初雷やえぞの果まで御代の鐘 一茶
初雷やはしめて落しわらは病 春雷 正岡子規
初雷やはたと風なき染屋町 安斎桜[カイ]子
初雷やはたと風なき紺屋町 安斎桜[カイ]子
初雷やふるふが如き雛の壇 河東碧梧桐
初雷や一人さめゐて仏恋ふ 阿部みどり女
初雷や一羽となりて狂ふ鶴 久米正雄 返り花
初雷や仁王の陰の悪太郎 春雷 正岡子規
初雷や奥の桜の花三分 小澤碧童
初雷や揺がざるもの川の膚 知世子
初雷や搖がざるもの川の膚 加藤知世子 黄 炎
初雷や机上に赤字入れし稿 村田 脩
初雷や柿の木原の馬の市 会津八一
初雷や片帆にうけて武庫颪 河東碧梧桐
初雷や物に驚く病み上り 春雷 正岡子規
初雷や耕人馬を逸しけり 仲岡楽南
初雷や耳を蔽ふ文使 高浜虚子
初雷や臼半廻りごろと鳴る 安藤十歩老
初雷や臼干す空に雲寄する 喜谷六花
初雷や荷馬ひきこむ遊行寺 春雷 正岡子規
初雷や蚊帳は未だ櫃の底 春雷 正岡子規
初雷を恐るゝ妻や針仕事 春雷 正岡子規
半日の休暇をとれば地虫出づ 黒田杏子 木の椅子
団子虫出づれば春とおもうべな 高澤良一 素抱
地に月日そらに月日や地虫出づ 橋本鶏二 年輪
地に月日空に月日や地虫出づ 橋本鶏二
地中また晴朗ならむ地虫出て 百合山羽公
地虫出づおもしろき世と思ひつつ 山口青邨
地虫出づと先づ書き出しのコラム欄 中村明子
地虫出づふさぎの虫に遅れつつ 相生垣瓜人(1898-1985)
地虫出づるとも押入の母の闇 小檜山繁子
地虫出づわれになじまぬ吾子ひとり 堀口星眠 営巣期
地虫出づ一夜の通夜の薄明に 宮坂静生 雹
地虫出づ人は宇宙へ飛びたてり 中村まゆみ
地虫出づ仏心仏語湧かしむる 吉田未灰
地虫出づ何も持たずに門出れば 百瀬美津
地虫出づ天地明るくなる程に 高木晴子 花 季
地虫出づ嬰の手足の深くびれ 白井爽風
地虫出づ寺に全山案内図 梶山千鶴子
地虫出づ日の山の音海の音 大峯あきら 鳥道
地虫出づ甍のゆるみずずずずと 赤松[ケイ]子
地虫出づ穴に日射のあまねかり 高浜年尾
地虫出づ縄の類も蹤いてきし 槐 布由子
地虫出てすぐにひとつぶ雨あたる 飴山實
地虫出てすぐに隠るること覚ゆ 新明紫明
地虫出てそろそろ夜盗はじめけり 阿波野青畝
地虫出て一日のきげんわろさかな 阿波野青畝
地虫出て土につまづきをりにけり 上野章子
地虫出て天日これに近づきぬ 下村非文
地虫出て子等の遊びに加はりぬ 番匠智恵子
地虫出て日に反転し反転し 小林牧羊
地虫出て来て三界はよきところ 後藤立夫
地虫出て目をこするさま人の子なら 加藤楸邨
地虫出て神を畏るゝこともなし 下村非文
地虫出て空を仰ぎてころげけり 上野 章子
地虫出て自分が見えぬ日のありぬ 東 都
地虫出て釈迦の横臥や行者越 古館曹人
地虫出て金輪際をわすれけり 阿波野青畝
地虫出て金輪際を忘れけり 阿波野青畝
地虫出て靴の踵の急に減り 池田秀水
地虫出て風土記の丘に紛れけり 前山松花
地虫出ですぐ戦ひのすがたなり 玉城一香
太陽の目つぶしくらひ地虫出づ 坂口恵子
奥鬼怒の奥の隠し湯地虫出づ 萩原季葉
好かれやうが嫌はれやうが地虫出づ 佐藤鬼房
姓の子等農を守りぬく地虫出づ 遠藤梧逸
姿見に子の濃き手形地虫出づ 田口里子
寺町の端に住み馴れ地虫出づ 吉田絹子
小さくとも庭あるくらし地虫出づ 佐藤浩子
少女二人笑ひころげて地虫出づ 斉藤史子
少年のかさぶた痒く地虫出づ 岩崎健一
尻くさる火燵を出れば初雷す 矢野奇遇
山荘に鯛を料れば初雷す 赤星水竹居
帝陵に上らん地虫出でにけり 中瀬喜陽
干栗の虫出てそこら歩きけり 龍胆 長谷川かな女
庭下駄に犬の歯型や地虫出づ 高城圭子
忙しき人の筆まめ地虫出づ 橋本榮治 逆旅
急くこともなきに急く性地虫出づ 影島智子
愛鷹は雲の溜り場地虫出づ 菊池日呂志
我のほか人の居らねば地虫出づ 藤田湘子 てんてん
抽斗に名刺がたまり地虫出づ 加倉井秋を 午後の窓
抽斗に名刺が溜り地虫出づ 加倉井秋を
捨てられぬ合鍵ひとつ地虫出づ 橋本榮治 麦生
日輪をゑがきし空や地虫出づ 橋本鶏二 年輪
曇りゐてぬくき一日地虫出づ 豊田八重子
杖先のおちいるところ地虫出づ 井沢正江 以後
東山はればれとあり地虫出づ 日野草城
松風のある日無き日や地虫出づ 大峯あきら 宇宙塵
枯枝影動かずにあり地虫出づ 上野泰 春潮
某日の昼の底より地虫出づ 深水幸子
桃山の屏風めぐらし地虫出づ 山口青邨
楽鳴らす壁画百仏地虫出づ 岡部六弥太
機音に震ふ庭土地虫出づ 小島梅雨
油虫出づ鬱々と過す人に 山口青邨「雪国」
波郷忌の綿虫出でよ出でて来よ 中谷五秋
渓音も朝は朗らか地虫出づ 今井千鶴子
漆黒の闇のいろもて地虫出づ 山崎千枝子
漆黒の闇虫出しの雷ひとつ 金谷まさる
火の山の怒りをよそに地虫出づ 坂村とき
父葬りたる土よりも地虫出づ 橋本一水
王冠を掃き転ばすや地虫出づ 佐野まもる
病む父の鬱の虫出よ豆打たむ 大石悦子 群萌
発掘の土器に紛れて地虫出づ 黒田冬史朗
百姓の一言返事地虫出づ 米沢吾亦紅 童顔
百足虫出づ海荒るる夜に湛へがたく 山口誓子
百足虫出て父荒縄のごと老いし 大隈チサ子
百足虫出て理由も解らず討たれけり 下山茅子
百足虫出て罪ある如く打たれけり 吉田春江(群青)
着る物のほとほと疲れ地虫出づ 林翔 和紙
石のかどほのくれなゐに地虫出づ 百合山羽公
空港の全面鋪装地虫出づ 塩川雄三
竿竹屋来るたび特売地虫出づ 椙本千代子
耳裏に風こそばゆき地虫出づ 福永耕二
耳裏に風こそばゆし地虫出づ 福永耕二
背嚢の黒きを負うて地虫出づ 糸 大八
草千里馬の糞より地虫出づ 井手嘯月
荒城に日は高くあり地虫出づ 林徹
菜園は有機農法百足虫出づ 穂坂日出子
蒸籠積む贋へつつひや地虫出づ 石川桂郎 高蘆
虫出しにはつと天井睨んだる 川崎展宏 冬
虫出しのあとの山気の緩びかな 永方裕子
虫出しの一喝を浴び清盛祭 内藤英子
虫出しの巌間巌間にとどろきぬ 草堂
虫出しの後押しに鳴る子雷 小檜山繁子
虫出しの試みの雷半島に 高澤良一 燕音
虫出しの過ぎたる野麦峠かな 菅原多つを
虫出しの雷とひびきて浅間噴く 新井盛治
虫出しの雷に濡れゆく縄一本 鈴木鷹夫 風の祭
虫出しの雷に飛び立つ大鴉 古賀まり子
虫出しの雷のころがる湖の面 木村 ふく
虫出しの雷ふた鞭に地を祓ふ 太田 蓁樹
虫出しの雷を小出しに駒ケ岳 沢 正夫
虫出しの雷を社頭に棒まつり 町田しげき
虫出しの雷三毛猫が走り出す 小松崎爽青
虫出しの雷厚き唇もてり 堂島一草女
虫出しの雷奔る草千里 野中春艸
虫出しの雷文豪の手紙かな 千田百里
虫出しの雷読みかけの三国志 小林呼渓
虫出しやささくれだちし水の面 稚魚
虫出しやところどころにみづたまり 岸田稚魚
虫出しや世を足早やとなるばかり 岡本眸
虫出しや山頂へ眉張り通す 鴻司
虫出しや炭切る杣のほとけ貌 つじ加代子
虫出しや遊山といふも一夜きり 手塚美佐 昔の香
虫出し遊山といふも一夜きり 手塚美佐
虫出づる牡丹は住み憂かりけん 川崎展宏 冬
虫出でし穴濡れてをり岩船寺 岡本彦弥
虫出でて巨いなる火の燃ゆる待つ 林翔 和紙
虫出の水のほとりを離れざる 宮坂静生 山開
豚声の水に揃ふと地虫出づ 大木あまり 山の夢
走り根のがんじがらめを地虫出づ 倉橋羊村
身中の虫出でゆけり日向ぼこ 小島健 木の実
遺したくなき物の数地虫出づ 宮地英子
鎌倉五山虫出しの雷走りけり 谷田部栄
鎖国派も虫出しに窓開くなり 川崎展宏 冬
開け閉てに鳴く笹小屋の扉や地虫出づ 河村 翠
雨の玉土にころがり地虫出づ 橋本鶏二 年輪
雨やみて初雷やみて夜明けたり 前田普羅 新訂普羅句集
雪催せめて綿虫出でて舞へ 相馬遷子 山河
面こすり地虫出でけり大柳生 渡辺恭子
預かりし児に百足虫出し一大事 山田弘子 懐
饅頭を割る虫出しの雷のあと 川崎展宏
鳩よりも雀賢し地虫出づ 高木晴子

以上
by 575fudemakase | 2015-03-02 00:51 | 春の季語


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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