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春雷

春雷

例句を挙げる。

それつきりの春雷に顔上げにけり 深谷岳彦
たゞならぬ桃のみどり芽春雷す 右城暮石 声と声
みはふりの上に春雷とゞろきぬ 龍胆 長谷川かな女
もたれゐる窓に春雷の雨さつと 星野立子
わが死後と思ふ春雷強く過ぎ 田川飛旅子 『山法師』
不意打の春雷亡夫を連れ去りぬ 生野 雅
中腰でいるとふたつめの春雷 池田澄子
兎の目春雷沖に出でにけり 小川軽舟
再びの春雷をきく湖舟かな 富安風生
口含むくすり春雷海わたる 鷲谷七菜子 雨 月
四肢醒めて春雷鮮たなる夜へ 河野多希女 納め髪
地震やめば春雷雨を伴ひ来 吉良比呂武
夫の唇ほぐす春雷とどろけり 石田あき子 見舞籠
奇蹟待ちつゝ春雷をききゐたり 星野立子
女医の衣にわかに匂ひ春雷す 岩田昌寿 地の塩
好きなものは玻璃薔薇雨駅指春雷 鈴木しづ子
学友の語れる恋はみな淡し遠く春雷の鳴る空の下 春日井建
峰わたる春雷一つ水戸言葉 原裕 新治
左手に激烈な塔春雷す 田川飛旅子 『山法師』
布引きの天を春雷かすめけり 平井照敏 天上大風
強飯式大春雷に厳修す 西本一都 景色
指栞して春雷を聞きゐたり 藤木倶子
掌中に乳房あるごと春雷す 藤田湘子
散り急ぐものへ春雷ひびきけり 佐藤美恵子
日時計に春雷すぎし日がもどる 大島民郎
春雷が鳴りをり薄き耳朶の裏 三好潤子
春雷し弟子を戒む虚子忌かな 阿波野青畝
春雷にさし汐早き干潟かな 増田龍雨 龍雨句集
春雷にさとき耳持つ小婢かな 青峰集 島田青峰
春雷にさめて病の床にあり 中尾白雨 中尾白雨句集
春雷にむち打たれたる思ひかな 星野立子
春雷に一瞬目覚夢うつつ 太田富美子
春雷に吾子の風車は青くまはる 川島彷徨子 榛の木
春雷に墓碑読む一つまた一つ 有働亨 汐路
春雷に応ふべくして身をかたく 行方克巳
春雷に椎茸の耳うごきけり 萩原麦草 麦嵐
春雷に眼くらりと娘木偶 井口弥江子
春雷に砂蹴る鶴の足掻かな 内田百間
春雷に舗道うるほふほどの雨 柴田白葉女
春雷に話とだへし女客 鳥沢まさ江
春雷に針を落とせしグラモフォン 筑紫磐井 婆伽梵
春雷に髄食みのぼる樹蟲かな 高田蝶衣
春雷に鯛のうしほの目玉かな 龍岡晋
春雷のあとなまぐさき椿かな 塚本邦雄
春雷のあとのにはかに子を思ふ 成瀬桜桃子 風色
春雷のあとの奈落に寝がへりす 橋本多佳子
春雷のあとの瓢箪せつながる 和知喜八 同齢
春雷のあと滴りの競ひ落つ 右城暮石 声と声
春雷のかくれてゐたり甲武信岳 高畑浩平
春雷のくるぶしを摶ち止みにけり 岸田稚魚 筍流し
春雷のしばらく遊ぶ岬かな 山口冬男
春雷のともなふ雨に打たれつつ歌はぬ石もうたへとやいふ 築地正子
春雷のひとつが夢の境にて 川崎奈美
春雷のひゞきしたしき後架かな 上田五千石 田園
春雷のひゞく荒磯を愉しめり 佐野まもる 海郷
春雷のわたりてゆきぬみりん干 斉藤夏風
春雷の一撃に遇ひことばなし 藤岡筑邨
春雷の一発に天革まる 高橋悦男
春雷の一瞬にして高澤家 高澤晶子
春雷の今止むと知れど妓の簪 原石鼎
春雷の余喘のわたる野づらかな 鈴木貞雄
春雷の僅かに響くばかりかな 高浜年尾
春雷の出口は海の底なりし 松本ヤチヨ
春雷の去り行く雲やかたまれり 高濱年尾 年尾句集
春雷の去れば忽ち野の匂ひ 星野椿
春雷の後ろ手にドア閉ざしけり 森須 蘭
春雷の暗さもたらし雹降らす 阿部みどり女
春雷の水に塔影揺るゝなし 裸馬
春雷の熄みし口洞閉づるかな 波郷
春雷の舌っ足らずに終りたる 八坂 洵
春雷の身裡の瑕瑾暴きだす 火村卓造
春雷の闇より椎のたちさわぐ 龍太
春雷の雨垂れ溢れ土に消ゆ 松村蒼石 雪
春雷の音変へて野を走りけり 河野南畦 湖の森
春雷の高々と去りぬ花の上 高濱年尾 年尾句集
春雷の鳴り過ぐるなり湾の上 虚子
春雷は 乳房にひびくものなりや 富澤赤黄男
春雷はあめにかはれり夜の対坐 鈴木しづ子
春雷はさざえの角にひびきけり 龍岡晋
春雷は空にあそびて地に降りず 福田甲子雄
春雷も膝の上なり俳諧は 奥山甲子男
春雷やあをあをとして鴨の首 岸本尚毅 舜
春雷やいのちあらたに厩の灯 東田ただし
春雷やうす日来てゐる蓬原 石鼎
春雷やおんなは馥(かお)らねばならぬ 大西泰世 『こいびとになつてくださいますか』
春雷やこのほど建ちしビル九層 久保田万太郎 流寓抄以後
春雷やしめりふふめる火色にて 岸田稚魚 筍流し
春雷やたどりつきたる京の宿 久保田万太郎 流寓抄
春雷やととのへいそぐ旅鞄 成瀬桜桃子 風色
春雷やどこかの遠ちに啼く雲雀 原石鼎
春雷やひそと嗅ぎ合ふ犬と犬 原石鼎
春雷やふりむく天に深き淵 鍵和田釉子
春雷やぽたりぽたりと落椿 松本たかし
春雷やまじまじと妻の顔のあり 茂里正治
春雷やクゝとこたへしモルモット 軽部烏帽子 [しどみ]の花
春雷や一縷ののぞみ誰も抱き 成瀬桜桃子 風色
春雷や人につかはす酒五合 石橋秀野
春雷や人を疎むは己れをも 高倉和子
春雷や伽藍を蹴つて舞ひ上り 野見山朱鳥
春雷や俄に変る洋の色 久女
春雷や入江の奥にみかん山 田中冬二 冬霞
春雷や冷たき嵩の髪解けば 渡邊千枝子
春雷や刻来り去り遠ざかり 立子
春雷や勤めなき日は無頼めく 田川飛旅子
春雷や午後の微熱の去りやらず 沢渡恒
春雷や名のみの家に母老ゆも 清水基吉 寒蕭々
春雷や土の香幹に沿ひのぼる 藤田湘子(1926-)
春雷や埋めし愛のこだまとも 仙田洋子 橋のあなたに
春雷や外人墓地に日あたりて 高橋馬相 秋山越
春雷や夫を封ずる病個室 石田あき子 見舞籠
春雷や女主に女客 星野立子
春雷や妻を欺くは罪ならず 青木重行
春雷や子の教科書に名を書けば 野中 亮介
春雷や家をめぐれる闇したし 蓬田紀枝子
春雷や小米の花のうすら影 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
春雷や岬をなせる御料林 文挟夫佐恵 黄 瀬
春雷や島には島の犬走り 三谷昭 獣身
春雷や布團の上の旅衣 島村はじめ
春雷や戸隠を来し二才馬 田中冬二 行人
春雷や新聞のつゞき読まざりき 細見綾子 花寂び
春雷や旅の褥に男の香 大橋敦子 手 鞠
春雷や春木は學に志し 内田百間
春雷や暗き厨の桜鯛 秋櫻子
春雷や書物の森というコラム 斎藤一也
春雷や椎群るゝ方に雲暗み 岩田昌寿 地の塩
春雷や殺し文句のごとく聴く 鈴木栄子
春雷や母の掌いつも温かし 岩切恭子
春雷や水仙の芽の足らぬなり 金田咲子 全身
春雷や海水旅館汐汲める 田中冬二 行人
春雷や満庭ことに木瓜憂ふ 中島斌男
春雷や火屑がもとの火吹竹 石橋秀野
春雷や灯りてビルうら若し 奥坂まや
春雷や牡丹の蕾まつ蒼に 川端茅舎
春雷や玻璃戸を透きて日本海 杉本寛
春雷や男が磨く女の靴 不死男
春雷や皆腰浮かす貸農園 毛利友美
春雷や筆垂直に習字塾 赤松[けい]子 白毫
春雷や籠伏せの鶏高鳴きす 高橋淡路女 梶の葉
春雷や素彫り能面眼を持たず 松本幹雄
春雷や胸の上なる夜の厚み 綾子
春雷や能面赤き唇を持つ 豊東 蘇人
春雷や花なき壺と聖母像 福田蓼汀 山火
春雷や花散りかかる太柱 吉武月二郎句集
春雷や花見過たる町の空 温亭句集 篠原温亭
春雷や草に沈める松落葉 原 石鼎
春雷や菰の下なる胡瓜苗 島村元句集
春雷や落花もろとも雨の粒 草間時彦 櫻山
春雷や蒲団の上の旅衣 島村元
春雷や覚めておはせし咳払 河野静雲 閻魔
春雷や観瀾亭に客となり 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
春雷や議論つきざる医学会 水原春郎
春雷や辞典倉庫の冷たさよ 椎橋清翠
春雷や迎ひの傘を一たばね 龍胆 長谷川かな女
春雷や重なり合ふて渡舟牛 楠目橙黄子 橙圃
春雷や針を咥へてふり返る 野見山朱鳥(1917-70)
春雷や闇にとがりし耳幾つ 中澤康人
春雷や雀色時妻待てば 清水基吉 寒蕭々
春雷や雹降らす谷したがへて 中村汀女
春雷をはらめば雲もむらさきに 山口青邨
春雷を前髪で受けとめている 塩見 恵介
春雷を背に疾走す野性馬 須藤 徹
春雷下夫婦瞬き合ひて逢ふ 細川加賀 『傷痕』
春雷遠くへ落ち錠をおろされて眠る 橋本夢道
沖渡る春雷やゝに煤けたり 小林康治 玄霜
海かけて春雷わたる草の簷 小林康治 四季貧窮
海わたる春雷塔を記憶せよ 大木あまり 雲の塔
海青磁春雷到る那覇に着く 大橋敦子 手 鞠
火柱を見し春雷の地中海 森田峠 逆瀬川以後
癩の句に目晒す春雷野太なり 小林康治 玄霜
相触れて帰りきたりし日のまひる天の怒りの春雷ふるふ 川田順
空の罅まなそこに焼き春雷す 高井北杜
絶壁にて怒濤と春雷谺わかつ 加藤知世子 花寂び
臍の緒の箱をゆるがす春雷ぞ 松山足羽
花圃の春雷雨すゞろにそゝぎけり 西島麦南 人音
葛を買ひ春雷こもる峡にあり 竹中九十九樹
蛇を追ひて春雷山を馳せ下る 相生垣瓜人 微茫集
西富士の春雷待たで父逝けり 萩原麦草 麦嵐
詩碑は海に据わる春雷湧きおこり 石原八束 『操守』
雲の中春雷響き躑躅燃え 相生垣瓜人 微茫集
あえかなる薔薇撰りをれば春の雷 石田波郷(1913-69)
いちまいの白い人体春の雷 島津亮
いま生れしいのちひとつぶ春の雷 辻美奈子
からたちのめらめら青く春の雷 河合凱夫 藤の実
くらがりに墓しりぞきつ春の雷 有働亨 汐路
つり釜や茶の香たつとき春の雷 及川貞 榧の實
にはかなる梅の嵐や春の雷 日野草城
ひとは背に浅き溝もつ春の雷 辻美奈子
ふり乱すほどの髪なく春の雷 田村やゑ
ぶつ切りの章魚出されけり春の雷 鈴木真砂女 生簀籠
みちのくや訛りのやうに春の雷 黒川宏
みどり児のながき眠りや春の雷 河野扶美
みよしのの渓駈け抜けし春の雷 河野美奇
むらさきの雲押しのぼる春の雷 山口青邨
わが手筥の玩具にどゞと春の雷 長谷川かな女
パリは古びの壁ひた濡れて春の雷 有働亨 汐路
三山の天心にして春の雷 沢木欣一 二上挽歌
下町は雨になりけり春の雷 正岡子規
五女の家に次女と駈け込む春の雷 高浜虚子
五臓みな良と採点春の雷 赤松[けい]子 白毫
人体は哀しき器春の雷 鈴木けんじ
何秘めし子の抽斗や春の雷 岡野美代子
十万の鶏冠立てし春の雷 吉川 耕花
友逝きて余韻の長し春の雷 田中英子
句縁ただ仮りそめならず春の雷 石昌子
塾の子の出鼻をくじく春の雷 清水晴子
夢さめてやはり見えぬ目春の雷 平尾みさお
夢殿へ畷づたひに春の雷 伊藤敬子
女人堂より道づれや春の雷 土屋菊女
山の湯の松葉しづりや春の雷 臼田亜浪
山の背をころげ廻りぬ春の雷 高浜虚子
山を出て山にかへしぬ春の雷 菅原師竹句集
山垣にとゞろきて消ゆ春の雷 及川貞 榧の實
山間の小学枚や春の雷 田中冬二 行人
川上の欅長者に春の雷 桑原三郎 龍集
帯解けの沙につくぼれば春の雷 宮武寒々 朱卓
底豆に韮を塗りけり春の雷 飛鳥田[れい]無公 湖におどろく
廃宮に鼎大いなり春の雷 楠目橙黄子 橙圃
徂く春の雷の瀬戸ややたるむ 下村ひろし 西陲集
忘れめや日向の奥の春の雷 五十嵐播水 播水句集
惜春の雷ぞ海彦統ぶる国 大西淳二
摺鉢に胡麻摺り居れば春の雷 田中冬二 冬霞
旅荷解く框に響き春の雷 村上光子
日曜の庭にひとりや春の雷 軽部烏帽子 [しどみ]の花
春の雷しばらく海の底近づく 加藤楸邨
春の雷とどろく海へ河豚供養 皆川盤水
春の雷とほく生死も分かぬひとり 成田千空 地霊
春の雷ひびく赤子の六腑かな 飯田龍太 山の木
春の雷まひるの山を邃うせり 飯田蛇笏 春蘭
春の雷ガラスばかりに囲まれて 和田耕三郎
春の雷ミレニアムヘの狼煙とも 井坂景秋
春の雷一度に柿の芽の匂ふ 長谷川かな女 雨 月
春の雷人はときどき生き足りて 津根元 潮
春の雷先づは太皷の小手しらべ 高澤良一 随笑
春の雷出店をしまふほどでなし 松村幸一
春の雷古書のほつれの糊押すに 石川桂郎 四温
春の雷吾子ありし日をはるけくす 川島彷徨子 榛の木
春の雷夜のマネキンを立ち並べ 河野南畦 湖の森
春の雷大阪の灯を昏くせり 松村富雄
春の雷天使躓き落ちてきし 伊藤 梢
春の雷山吹の黄が葉がくれに 阿部みどり女
春の雷年増の全身灸を待つ 宮武寒々 朱卓
春の雷弥撒の灯奪ひとどろけり 小西 藤満
春の雷弱音を吐いて失せにけり 中原道夫
春の雷木賊の雨となりにけり 金尾梅の門 古志の歌
春の雷林の空の力抜け 岸田稚魚
春の雷湯殿に帯を解きをれば 鈴木真砂女 生簀籠
春の雷漁邑の運河潮さしぬ 西島麦南 人音
春の雷焦土しづかにめざめたり 加藤楸邨
春の雷焦土やうやくめざめたり 楸邨
春の雷空に酸味のほとばしり 正木ゆう子
春の雷聴けり暫く兄と会はず 山田みづえ 草譜以後
春の雷雛菓子の鯛食べてしまう 長谷川かな女 花 季
春の雷鯉は苔被て老いにけり 芝不器男
比良一帯の大雪となり春の雷 大須賀乙字
海近き越前堀や春の雷 白水郎句集 大場白水郎
海鳴りに束の間こもる春の雷 千田一路
火襷の裾に陶印春の雷 藤原美規男
灯を消して子がひとり寝の春の雷 『定本石橋秀野句文集』
白酒の使来て春の雷ふたたび 長谷川かな女 花 季
皿の魚の生身に震ふ春の雷 細木芒角星
紫の雲起きて来て春の雷 細見綾子 花 季
罐詰で済ます昼餉や春の雷 鈴木真砂女 生簀籠
翻車魚をさばいてゐたる春の雷 鈴木太郎
茶のあとの片づけに聞く春の雷 及川貞 榧の實
草山を比叡の内チや春の雷 尾崎迷堂 孤輪
蔦の芽はほぐれて紅し春の雷 石原舟月 山鵲
蟄中の雨鬼さめにけり春の雷 菅原師竹句集
袖にかくす銀簪や春の雷 阿部みどり女
誰も知らぬ部屋ひとつあり春の雷 橋石 和栲
賢にしてみごもる妻や春の雷 松瀬青々
質されて子の口ごもる春の雷 高澤良一 ねずみのこまくら
起きぬけを一喝されて春の雷 中沢菊絵
軽石に蹠たのしぶ春の雷 石川桂郎 高蘆
逢引のホテルのロビー春の雷 田中冬二 若葉雨
針山に針いきいきと春の雷 橋本榮治 麦生
鏡中に眉こそ匂へ春の雷 久保田万太郎 流寓抄
骸骨の模型がきしみ春の雷 大槻和木
黒板をかがみとする娘春の雷 対馬康子 吾亦紅
黙々と小包つくる春の雷 鈴木しづ子
主婦たちに虫出し雷の一つかな 加倉井秋を
虫出しの巌間巌間にとどろきぬ 草堂
虫出しの後押しに鳴る子雷 小檜山繁子
虫出しの試みの雷半島に 高澤良一 燕音
虫出しの過ぎたる野麦峠かな 菅原多つを
虫出しの雷とひびきて浅間噴く 新井盛治
虫出しの雷のころがる湖の面 木村 ふく
虫出しの雷ふた鞭に地を祓ふ 太田 蓁樹
虫出しの雷を社頭に棒まつり 町田しげき
虫出しの雷三毛猫が走り出す 小松崎爽青
虫出しの雷厚き唇もてり 堂島一草女
虫出しの雷奔る草千里 野中春艸
虫出しやささくれだちし水の面 稚魚
虫出しやところどころにみづたまり 岸田稚魚
虫出しや世を足早やとなるばかり 岡本眸
虫出しや山頂へ眉張り通す 鴻司
虫出しや炭切る杣のほとけ貌 つじ加代子
虫出しや遊山といふも一夜きり 手塚美佐 昔の香
初雷に山吹二枝まつはれり 雑草 長谷川零餘子
初雷のごろごろと二度鳴りしかな 河東碧梧桐
初雷の一くらがりや遊園地 松本たかし
初雷の嫩芽を叩く風雨かな 長谷川かな女 雨 月
初雷の暗躍するを傾聴す 相生垣瓜人
初雷の激しき音の二度ありき 城戸崎 松代
初雷の重く鳴りたる一度なり 瀧澤伊代次
初雷の鳴り足す如く間遠なり 高田蝶衣
初雷やえぞの果まで御代の鐘 一茶
初雷やはたと風なき紺屋町 安斎桜[カイ]子
初雷やふるふが如き雛の壇 河東碧梧桐
初雷や一人さめゐて仏恋ふ 阿部みどり女
初雷や一羽となりて狂ふ鶴 久米正雄 返り花
初雷や奥の桜の花三分 小澤碧童
初雷や搖がざるもの川の膚 加藤知世子 黄 炎
初雷や机に寝たる宵の内 竹冷句鈔 角田竹冷
初雷や柿の木原の馬の市 会津八一
初雷や片帆にうけて武庫颪 河東碧梧桐
初雷や耕人馬を逸しけり 仲岡楽南
初雷や耳を蔽ふ文使 高浜虚子
初雷や臼半廻りごろと鳴る 安藤十歩老
初雷や飯終へて立つ硝子窓 雑草 長谷川零餘子
尻くさる火燵を出れば初雷す 矢野奇遇
山荘に鯛を料れば初雷す 赤星水竹居
雨やみて初雷やみて夜明けたり 前田普羅 新訂普羅句集
念を押すごとくに春の雷鳴れり 高澤良一 燕音

以上
by 575fudemakase | 2015-03-11 00:05 | 春の季語


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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