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山葵

山葵

例句を挙げる。

こん~と咳きて山葵の花は見ず 萩原麦草 麦嵐
しら紙の山葵出しむく沖膾 松瀬青々
そよぎけり若葉の山葵竹の箆 正友 選集「板東太郎」
たましひの濡るるにまかす山葵 坂巻純子
ふる雪の水の明るさ山葵沢 細見綾子
ほろほろと山葵は花も辛かりし 小野田 洋々
ほろほろと泣き合ふ尼や山葵漬 高濱虚子
ほろ~と泣き合ふ尼や山葵漬 高浜虚子
万葉集机上に雪の山葵田守 細見綾子 黄 炎
三段の小滝の懸り山葵澤 山川 喜八
二ン月の雪が山葵のみどりに降る 細見綾子 黄 炎
二月尽天城山葵に涙して 細見綾子 黄 瀬
伊豆人のしたゝかくれし山葵かな 尾崎紅葉
午後の日の雪嶺づたひや山葵採 藤田湘子
夏めきて雷ころがれる山葵沢 石原舟月
夏山や山葵田なりし木戸一つ 皆吉爽雨
夕餉まで山葵田めぐりせよと言ふ 川井玉枝
夜の膳の山葵の花をすこし噛み 能村登四郎
夢のごとき山葵の花を食ふ泊り 土方秋湖
大いなる落石坐り山葵咲く 水本祥壱
大俎の端に寸楽の山葵かな 泉鏡花
大山の沢の奈落の山葵かな 吉次みつを
天城から皈り草庵山葵あり 萩原麦草 麦嵐
安曇野や水脈のたばしる山葵沢 内田 圭介
尋めくれば山葵咲くあり沢ひそか 松本たかし
山の子に初花といふ山葵かな 萩原麦草 麦嵐
山の日に山葵の許をもぎる音 萩原麦草 麦嵐
山人が水に束ぬる山葵かな 渡辺水巴 白日
山彦に山葵の花や散りかゝり 萩原麦草 麦嵐
山葵ありて俗ならしめず辛キ物 炭 太祇 太祇句選
山葵の旬水入れ替わり立ち替わり 高澤良一 ぱらりとせ
山葵の芽水ちよろちよろと喜ばし 川端茅舎
山葵の芽砂に暦日ありやなしや 川端茅舎
山葵利きふつと生甲斐山の月 殿村莵絲子 雨 月
山葵咲き巌息づける冷気かな 橋本鶏二
山葵咲く懸崖づたひ瑠璃鳥一羽 橋本鶏二
山葵守る孤つ案山子に畝規し 木村蕪城 寒泉
山葵抜く少年馴れて山を見ず 萩原麦草 麦嵐
山葵摺れ飯の炊きたて初松魚 野村喜舟 小石川
山葵沢の雨と聞くだに美しき 小杉余子 余子句選
山葵沢みる間かき消す霧を怖る 稲垣きくの 黄 瀬
山葵沢雲を奔らす水韻 三上登志子
山葵生ふ峡の昼月幽かなり 蛯原喜荘
山葵田に一晩の雪沁み通る 丸山芒水
山葵田に映りて蝶の昏くなる 比奈夫
山葵田に沈みし蝶の行方かな 椎橋清翠
山葵田に蝮の渡るしじまかな 瀧澤伊代次
山葵田に醤油どころの御一行 武田夕子
山葵田に雪まじりなる雨の音 福永耕二
山葵田に風のさざなみ日のさざなみ 田中水桜
山葵田のこのもかのもの水の音 鈴木貞雄
山葵田のこの径が好ききりん草 城戸 和喜子
山葵田のはづれ昼寝の男ゐて 岡井省二
山葵田のひかれるところ流れをり 江口竹亭
山葵田のみどりをかこむ鉄条網 土井朝子
山葵田のわさびを買ふや濡れ手より 稲垣きくの
山葵田の三万坪の秋の水 鶴飼 風子
山葵田の冷えは杭よりはじまれる 原田青児
山葵田の小満の水余りけり 鈴木しげを
山葵田の小石に当る水の音 高澤良一 ぱらりとせ
山葵田の曲らぬ水の冷やかに 石田勝彦 秋興
山葵田の水うろたへて澄みにけり 古舘曹人
山葵田の水といふ水走りけり 大串章 百鳥 以後
山葵田の水ほとばしる落花かな 岸風三楼 往来
山葵田の水もて山葵洗ひあぐ 赤座閑山
山葵田の水初鴨の水と会ふ 石田勝彦 秋興
山葵田の水音しげき四月かな 渡邊水巴
山葵田の水音といふ音のあり 後藤比奈夫 祇園守
山葵田の水韻稚き月を呼ぶ 村上光子
山葵田の流れに浸けて指痺る 橋本美代子
山葵田の流れはいつも音立てゝ 土屋仙之
山葵田の清きを守りて棲めるかな 松本たかし
山葵田の滅びしあとの小石原 細見綾子
山葵田の真向の山日当れる 岸田稚魚 筍流し
山葵田の通すはおのれだけの水 広瀬とし
山葵田の過不足のなき水流れ 中村稲雲
山葵田の隙といふ隙水流れ 清崎敏郎
山葵田の黒き日除の昼深し 清水白郎
山葵田は奥嶺の梅雨にしたしめり 松村蒼石 雪
山葵田へ山藤花を垂れにけり 伊東宏晃
山葵田も彼方の水も青世界 鈴木鷹夫
山葵田をはさみて山の眠りけり 八木林之介 青霞集
山葵田を一望にしてケルン立つ 松本サキ子
山葵田を囲める榛の寒がりぬ 鈴木貞雄
山葵田を来し水ならむ匂ひけり 岡澤康司
山葵田を溢るる水の岩走り 福田蓼汀
山葵田を経めぐりし水さらに落つ 細見綾子 黄 炎
山葵見の遠く来て遠く帰るなり 溝口青男
山葵酢に肝をねらふや丸炙 高井几董
山裾の山葵畑やおちつばき 西山泊雲 泊雲句集
底ひ田の山葵の照りに軒深し 木村蕪城 寒泉
懸巣鳴き山葵田にわが旅の影 村上 光子
探梅のつきあたりたる山葵沢 岡井省二
新涼の山葵が鼻を走りけり 有働 亨
日もすがら山葵の根分け老人の日 沢木欣一
日田郡一村のこれ山葵漬 天領 杉太郎
昏れて行く水音山葵田にのこる 島村茂雄
板山葵(いたわさ)に銚子二本の晦日蕎麦 石原八束(1919-98)
水ぬるむことなき山葵咲きにけり 青葉三角草
水浅し陰もとどめず山葵生ふ 松本たかし
水源へ山葵の花の白つどふ 羽部洞然
水筒に山葵田の水貰ひけり 越智貴美子
水音に色あれば銀花山葵 原田青児
沖津鯛冬の山葵もたゞならね 高井几董
沢水は春も澄みつつ山葵生ふ 松本たかし
浅き水喜び流れ山葵沢 細見綾子 黄 炎
浅間山巽の水に山葵畑 前田普羅 春寒浅間山
滝こだまして山葵田の水匂ふ 伊東宏晃
滝しぶきまひて山葵の花濡らす 富安風生
猫舌の惚けてばかり山葵漬 遠藤秀子
癩者住みし山といふ山葵花咲いて 渡辺水巴 白日
皿の鮠山葵の花をあしらへる 瀧春一 菜園
秋惜む山葵醤油の大はしら 小沢碧童
筒鳥や山葵田へ道逆落し 稲垣きくの 黄 瀬
箸にかけて山葵匂はし雪の暮 渡邊水巴
紗のごとき雨来ては去る山葵沢 有馬籌子
色鳥の映ることあり山葵沢 瀧澤伊代次
行きし瑠璃鳥またかへしきぬ山葵澤 橋本鶏二
襦袢して拭ふ山葵の涙かな 星野麦人
言もなし臀向けあひて山葵掘 石田波郷
言葉少なに去る山葵田の花ざかり 渡辺水巴 白日
返り咲きしたる山葵の花と見ゆ 青葉三角草
透き水のさざめき通る山葵沢 桂 信子
雛まつり山葵の花の夜は匂ふ 萩原麦草 麦嵐
雨けぶる山葵田の奥蝶飛べり 宮武寒々 朱卓
雪いくたび降りし山葵ぞ抜かれたる 渡辺水巴 白日
雪残る山なだら山葵根分けをり 冬の土宮林菫哉
雲がゐる山へ田なして寒山葵 臼田亞浪 定本亜浪句集
雲の紗をかけて水鳴る山葵沢 小森泰子
風立ちて山葵の花の紛れゐる 清崎敏郎
風花といふにはあらし山山葵 古館曹人
風花のこころおきなく山山葵 古舘曹人 樹下石上
髭粗き山葵はかほの剽軽に 栗生純夫 科野路
鬼一匹出でて山葵を掘るごとし 齋藤玄 『狩眼』
こんこんと水に日の韻花わさび 藤本和子
わさびとこころつくりつくりて伊豆雨夜 阿部完市 春日朝歌
わさび村昃り深き真昼かな 渡辺恭子
わさび沢わさび養ふ水鳴れり 高澤良一 燕音
わさび田に散るほかなくてさくら散る 藤岡筑邨
わさび田に水玲瓏と鳴る信濃 加藤耕子
わさび田に消ゆるさだめの雪が降る 藤岡筑邨
わさび田のまろ石寒の水ながれ 皆吉爽雨 泉声
わさび田の奥行き見せて鵜鳴く 藤岡筑邨
わさび田の小流れ夕日返しけり 高澤良一 ぱらりとせ
わさび田の梭織るごとく水走り 田村木国
わさび田の水を束ねる處あり 高澤良一 ぱらりとせ
わさび田の水奏でゐるしじまかな 清水寥人
わさび田の畦の沢蟹みづみづし 石井青歩
わさび田をはすかひに馳す水ありぬ 高澤良一 さざなみやっこ
わさび田を出て冬麗の水となる 本宮鼎三
わさび田を素通る水の垣間見ゆ 高澤良一 ぱらりとせ
四月馬鹿わさびが鼻に抜けてけり 斎藤四郎
天城路の五時は山影花わさび 秋元不死男
故郷とはひそかに泣かす花わさび 丸山佳子
春もはや鳴る滝つ瀬の花わさび 石原八束 空の渚
栗枯葉反り切つて落つわさび田ヘ 細見綾子 黄 炎
水よりも日のつめたくて花わさび 宮坂静生
水音が胸を出てゆく花わさび 青柳志解樹
花わさび鉄砲水の受難の碑 小山今朝泉
行く水に影もとどめぬ花わさび 渡辺恭子
音もなく葉わさび潜る水の暮れ 高澤良一 ぱらりとせ
土産さて静岡駅の山葵漬 高澤良一 石鏡
青竜の如き山葵の擦り下ろし 高澤良一 石鏡

以上
by 575fudemakase | 2015-03-25 00:02 | 春の季語


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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