春の鴨
春の鴨
例句を挙げる。
かたくなに残る鴨あり茂吉の忌 長谷川史郊
こちら向けわれもひとりぞ残り鴨 清水基吉
さざ波の押すままにゐて残り鴨 田村ひろ
さみしさはすつと影曳く残り鴨 柴田白葉女 花寂び 以後
つらなれる芥の沖の残り鴨 五十嵐播水
ひかりなき藻に羽づくろふ残る鴨 桂樟蹊子
みづうみの揺れては春の鴨翔たす 藤木倶子
みづからの水輪にあそび春の鴨 池田秀水
乾風吹くときさんさんと春の鴨 松村蒼石 寒鶯抄
人の訃に目がうるむかな春の鴨 中山純子 沙 羅以後
噴水のふりかかりつつ残る鴨 岸本尚毅 鶏頭
大方は小さき鴨や残る鴨 岸本尚毅 選集「氷」
大淀の逆波がくれ残る鴨 澤田弦四朗
天守より胡麻と見ゆるは残り鴨 今泉貞鳳
天空も水もまぼろし残り鴨 鷲谷七菜子 花寂び
孕湾遠くは飛ばず春の鴨 上村占魚 球磨
式場は崖上にして春の鴨点々 長谷川かな女 花寂び
忌ごもりの父も見てをり春の鴨 関戸靖子
明ぼのや砂洲にあがれる春の鴨 岡井省二
昏れいろの山の隠り沼春の鴨 柴田白葉女 花寂び 以後
春の鴨みぎはの泥を曳きて翔つ 松村蒼石 雪
春の鴨やすらぎてゐて愉しまず 鈴木貞雄
春の鴨スパンコールの陽にまみれ 吉原文音
春の鴨両目をつかふ片目づつ 石田郷子
春の鴨人に親しく啼きにけり 宮川杵名男
春の鴨木靴を穿いて本読む娘 西本一都
春の鴨水こんこんとみどりさす 古舘曹人 砂の音
春の鴨波にぶつかりては弾む 小林愛子
暗きへと少し動きぬ春の鴨 村沢夏風
杭の頭に芽吹くものあり残り鴨 五十嵐みち
柿の木の根に積む藁や春の鴨 大峯あきら 鳥道
榛の枝に水垂り翔てり春の鴨 石田波郷
榛の枝へ水垂り翔てり春の鴨 石田波郷
橋架けの工事休日春の鴨 服部たか子
残りしか残されゐしか春の鴨 岡本眸
残り鴨ばかりとなりて争はず 鶴丸白路
残り鴨ひとりはむしろ潔し 樋笠文
残り鴨一羽で翔つてをさまりぬ 加藤楸邨
残り鴨小群れて游行等速に 北野民夫
残り鴨怯え続けてゐるらしも 相生垣瓜人 明治草抄
残り鴨沼の広きにをりにけり 石井とし夫
残り鴨湖国たひらに曇りけり 鍵和田[ゆう]子
残り鴨相寄る水の広さかな 山田山彦
残り鴨筑摩の神の膝もとに 岡野小寒楼
残り鴨羽根うつくしくひらきけり 九鬼あきゑ
残り鴨間を流るるもの許す 中戸川朝人
残り鴨鴉の群に雑りゐき 相生垣瓜人 明治草抄
残る鴨五六歩漕ぎて浮かびけり 佐々木六戈 百韻反故 わたくし雨
残る鴨何番の花置火燵 子規句集 虚子・碧梧桐選
残る鴨水脈の光の重ならず 関森勝夫
残る鴨浮いて互いに遠き距離 宇咲冬男
残る鴨羽打ち止まざる水しぶき 沢木欣一 往還
残る鴨行人一人岸に佇つ 阿部みどり女 笹鳴
残る鴨記憶の端にねむりをり 篠田悌二郎
水にある空を羽摶ちて春の鴨 遠山りん子
水の湧く江津湖に多し残り鴨 中野孤城
水の輪は水のときめき春の鴨 大庭星樹
水尾白く夕べいざなふ春の鴨 坪井伊年子
水掻の朱がひた濡れて春の鴨 水原秋櫻子
波に乗り残り鴨とはいへぬ数 深見けん二
湖見つめゐての湯ざめや春の鴨 中拓夫
漂ひて湖心へ流れ春の鴨 黒田杏子
漣に起ひこされつゝ春の鴨 山本 二千
火事跡の四五日経たり春の鴨 大峯あきら 鳥道
翳りても光はひかり残る鴨 鎌倉佐弓 潤
胸張って視野に入りくる春の鴨 高澤良一 寒暑
葛飾の夕日が好きで残る鴨 中嶋秀子
誓子三鬼遊ぶや春の鴨あそぶ 鈴木六林男 谷間の旗
近寄りてみても一羽や春の鴨 手塚美佐 昔の香
陵の水さわだてゝ残る鴨 中村七三郎
雨あとの空を掻きゆき残る鴨 橋本榮治 越在
雲ふかく翔けてあはれや春の鴨 水原秋櫻子
飛び立つてきまつて二羽や残り鴨 石井とし夫
鳴きごゑの波よりひくく春の鴨 今井杏太郎
のほほんとしていし鴨の残されし 高澤良一 素抱
以上
例句を挙げる。
かたくなに残る鴨あり茂吉の忌 長谷川史郊
こちら向けわれもひとりぞ残り鴨 清水基吉
さざ波の押すままにゐて残り鴨 田村ひろ
さみしさはすつと影曳く残り鴨 柴田白葉女 花寂び 以後
つらなれる芥の沖の残り鴨 五十嵐播水
ひかりなき藻に羽づくろふ残る鴨 桂樟蹊子
みづうみの揺れては春の鴨翔たす 藤木倶子
みづからの水輪にあそび春の鴨 池田秀水
乾風吹くときさんさんと春の鴨 松村蒼石 寒鶯抄
人の訃に目がうるむかな春の鴨 中山純子 沙 羅以後
噴水のふりかかりつつ残る鴨 岸本尚毅 鶏頭
大方は小さき鴨や残る鴨 岸本尚毅 選集「氷」
大淀の逆波がくれ残る鴨 澤田弦四朗
天守より胡麻と見ゆるは残り鴨 今泉貞鳳
天空も水もまぼろし残り鴨 鷲谷七菜子 花寂び
孕湾遠くは飛ばず春の鴨 上村占魚 球磨
式場は崖上にして春の鴨点々 長谷川かな女 花寂び
忌ごもりの父も見てをり春の鴨 関戸靖子
明ぼのや砂洲にあがれる春の鴨 岡井省二
昏れいろの山の隠り沼春の鴨 柴田白葉女 花寂び 以後
春の鴨みぎはの泥を曳きて翔つ 松村蒼石 雪
春の鴨やすらぎてゐて愉しまず 鈴木貞雄
春の鴨スパンコールの陽にまみれ 吉原文音
春の鴨両目をつかふ片目づつ 石田郷子
春の鴨人に親しく啼きにけり 宮川杵名男
春の鴨木靴を穿いて本読む娘 西本一都
春の鴨水こんこんとみどりさす 古舘曹人 砂の音
春の鴨波にぶつかりては弾む 小林愛子
暗きへと少し動きぬ春の鴨 村沢夏風
杭の頭に芽吹くものあり残り鴨 五十嵐みち
柿の木の根に積む藁や春の鴨 大峯あきら 鳥道
榛の枝に水垂り翔てり春の鴨 石田波郷
榛の枝へ水垂り翔てり春の鴨 石田波郷
橋架けの工事休日春の鴨 服部たか子
残りしか残されゐしか春の鴨 岡本眸
残り鴨ばかりとなりて争はず 鶴丸白路
残り鴨ひとりはむしろ潔し 樋笠文
残り鴨一羽で翔つてをさまりぬ 加藤楸邨
残り鴨小群れて游行等速に 北野民夫
残り鴨怯え続けてゐるらしも 相生垣瓜人 明治草抄
残り鴨沼の広きにをりにけり 石井とし夫
残り鴨湖国たひらに曇りけり 鍵和田[ゆう]子
残り鴨相寄る水の広さかな 山田山彦
残り鴨筑摩の神の膝もとに 岡野小寒楼
残り鴨羽根うつくしくひらきけり 九鬼あきゑ
残り鴨間を流るるもの許す 中戸川朝人
残り鴨鴉の群に雑りゐき 相生垣瓜人 明治草抄
残る鴨五六歩漕ぎて浮かびけり 佐々木六戈 百韻反故 わたくし雨
残る鴨何番の花置火燵 子規句集 虚子・碧梧桐選
残る鴨水脈の光の重ならず 関森勝夫
残る鴨浮いて互いに遠き距離 宇咲冬男
残る鴨羽打ち止まざる水しぶき 沢木欣一 往還
残る鴨行人一人岸に佇つ 阿部みどり女 笹鳴
残る鴨記憶の端にねむりをり 篠田悌二郎
水にある空を羽摶ちて春の鴨 遠山りん子
水の湧く江津湖に多し残り鴨 中野孤城
水の輪は水のときめき春の鴨 大庭星樹
水尾白く夕べいざなふ春の鴨 坪井伊年子
水掻の朱がひた濡れて春の鴨 水原秋櫻子
波に乗り残り鴨とはいへぬ数 深見けん二
湖見つめゐての湯ざめや春の鴨 中拓夫
漂ひて湖心へ流れ春の鴨 黒田杏子
漣に起ひこされつゝ春の鴨 山本 二千
火事跡の四五日経たり春の鴨 大峯あきら 鳥道
翳りても光はひかり残る鴨 鎌倉佐弓 潤
胸張って視野に入りくる春の鴨 高澤良一 寒暑
葛飾の夕日が好きで残る鴨 中嶋秀子
誓子三鬼遊ぶや春の鴨あそぶ 鈴木六林男 谷間の旗
近寄りてみても一羽や春の鴨 手塚美佐 昔の香
陵の水さわだてゝ残る鴨 中村七三郎
雨あとの空を掻きゆき残る鴨 橋本榮治 越在
雲ふかく翔けてあはれや春の鴨 水原秋櫻子
飛び立つてきまつて二羽や残り鴨 石井とし夫
鳴きごゑの波よりひくく春の鴨 今井杏太郎
のほほんとしていし鴨の残されし 高澤良一 素抱
以上
by 575fudemakase
| 2015-03-30 00:22
| 春の季語
俳句の四方山話 季語の例句 句集評など
by 575fudemakase

S | M | T | W | T | F | S |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | |
7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 |
14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 |
21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 |
28 | 29 | 30 | 31 |
カテゴリ
全体無季
春の季語
夏の季語
秋の季語
冬の季語
新年の季語
句集評など
句評など
自作
その他
ねずみのこまくら句会
ブログ
自作j
自作y
未分類
以前の記事
2023年 04月2023年 03月
2023年 02月
more...
フォロー中のブログ
ふらんす堂編集日記 By...魚屋三代目日記
My style
メモ帳
▽ある季語の例句を調べる▽
《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。
尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。
《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)
例1 残暑 の例句を調べる
検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語
例2 盆唄 の例句を調べる
検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語
以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。
《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。
尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。
《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)
例1 残暑 の例句を調べる
検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語
例2 盆唄 の例句を調べる
検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語
以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。
検索
タグ
お最新の記事
黒船来航 と 小柴港 |
at 2023-04-23 06:15 |
童子主宰・同人作品あてずっぽ.. |
at 2023-04-20 21:46 |
「詳細」秋の生活の例句 in.. |
at 2023-04-20 10:37 |
「詳細」新年の生活の例句 i.. |
at 2023-04-20 07:58 |
「詳細」新年の行事の例句 i.. |
at 2023-04-15 06:26 |
「詳細」新年の時候の例句 i.. |
at 2023-04-15 01:42 |
「詳細」新年の植物の例句 i.. |
at 2023-04-14 06:36 |
「詳細」新年の動物の例句 i.. |
at 2023-04-14 05:53 |
「詳細」新年の天文の例句 i.. |
at 2023-04-14 02:20 |
「詳細」新年の地理の例句 i.. |
at 2023-04-14 00:30 |
「詳細」秋の植物の例句 in.. |
at 2023-04-13 16:00 |
「詳細」秋の天文の例句 in.. |
at 2023-04-06 05:09 |
「詳細」秋の動物の例句 in.. |
at 2023-04-05 16:32 |
「詳細」秋の時候の例句 in.. |
at 2023-04-02 09:27 |
「詳細」秋の行事の例句 in.. |
at 2023-04-01 17:52 |
「詳細」秋の地理の例句 in.. |
at 2023-04-01 17:46 |
黛執 全句集 角川書店 (解.. |
at 2023-03-31 14:40 |
黛執 全句集 を読んで (改訂) |
at 2023-03-31 06:29 |
黛執 全句集 を読んで (高.. |
at 2023-03-27 14:06 |
黛執 全句集 を読んで (高.. |
at 2023-03-27 14:06 |