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春光

春光

例句を挙げる。

あをきの実春光けふを俄かなり 林原耒井 蜩
おとうととわらわれている春景色 阿部完市 春日朝歌
かざす手の春光へだてがたきかな 嶋田一歩
ぬかづきしわれに春光尽天地 久女
ひとを待つ椅子に春光届かざり 谷口桂子
ふるさとは銅貨一個の春景色 柿本多映
みちのくに春色おそし牧の草 炎天
むしろ寒し春光に海女着物きて 加藤知世子
ステッキを振れば春光ステッキに 田中王城
一*ちゅうの香の春色草の庵 後藤夜半 底紅
三輪素麺干され春光千筋なす 渡会昌広
下駄履や春光をぬひ蕎麦屋まで 加藤 隆一
入院の春光にゐてものいはず 柴田白葉女 遠い橋
古町の春色の濃きところかな 日野草城
大漁に春光まぶし網の中 西嶋明美
天が下にも春光の出土仏 岩崎照子
山茱萸の黄を春色の出入口 後藤比奈夫
店奥にゐて春光を感じる日 岩川みえ女
手にあふれ春光洩るることもなし 原裕
春光そそげよと不具の子たかく抱く 成瀬桜桃子 風色
春光にいか透きとほる生簀かな 今井千鶴子
春光につぶてとなりて飛ぶ鳥も 稲畑汀子 春光
春光に人語鳥語の谺かな 梅谷紀子
春光に包まれてゐるあめふらし 河内協子
春光に君見る医師の眼もて 相馬遷子 山河
春光に指のかげ置く書をひらく 藤後左右
春光に木々の昏さのはじまれり 上村敦子
春光に消えなんと立つ雪の嶺 相馬 遷子
春光に渇きつ馬は止まらざる 対馬康子 吾亦紅
春光に艶惜しみなき牡牛の背 柴田白葉女 花寂び 以後
春光に触れなんとして乗り換えす 対馬康子 純情
春光に面テを上げて退官す 樹生まさゆき
春光に齢かくさず眠りけり 川端京子
春光のあまねきときぞ吾も仏 星野立子
春光のかくまでやさし四畳半 対馬康子 吾亦紅
春光のもつともしるく竹の青 星野立子
春光のクルス三角島の穂に 下村ひろし 西陲集
春光のステンドグラス天使舞ふ 森田峠 避暑散歩
春光の中春光を忘れゐし 奥田智久
春光の中瞑れば暗し暗し 内藤吐天 鳴海抄
春光の二人が一人づつになる 嶋田一歩
春光の像逆光の帰路となる 稲畑汀子 春光
春光の半紙につぎ~字が生れ 池内友次郎
春光の唇にもありて出勤す 蓬田紀枝子
春光の大師の杖も軽からん 甲斐 重子
春光の大竹藪へ庇かな 松本たかし
春光の手のひらいっぱい自由市場 石川青狼
春光の沼改めて大いなる 石井とし夫
春光の滝打つばかりサキソフォン 鈴木修一
春光の空の打擲杭打たれ 小林美夜子
春光の落書笑う指の丸 兵庫池人
春光の遍けれども風寒し 高浜虚子
春光の魚紋の中の鯉紫金 小松崎爽青
春光は見え春風は見えざりし 嶋田一歩
春光へすべり落ちたる領収書 岡田史乃
春光へ消えゆく大型巡視船 岡田史乃
春光へ炉火虹色に燃親ふ 加藤知世子 黄 炎
春光へ閉してちさし漁家はねぐら 香西照雄 素心
春光も波もとどまつてはをらず 竹下陶子
春光やこぼれてはづむ金米糖 龍野よし絵
春光やさゞなみのごと茶畑あり 森田峠 避暑散歩
春光やふくらみ渡る阿蘇の雲 斉子堅一郎
春光やクルスを刻む鬼瓦 水原春郎
春光やパジヤマの僕と籐椅子と 岸風三楼 往来
春光や下りかぢ取りて流れ鳶 寸七翁
春光や人起きぬ間に椿落つ 前田普羅 新訂普羅句集
春光や児を抱く妻の誕生日 今泉貞鳳
春光や卒寿の歩み恙なく 富田潮児
春光や四ツ手に乗りて雀どち 大串章 朝の舟
春光や嫁して子を成し乳も足り 関森勝夫
春光や展翅のごとくうつぶせに 日原傳
春光や岩に嘴研ぐ川がらす 田中俊尾
春光や掌でぬぐひやる父の位牌 村越化石
春光や掌にのるほどの仏彫る 伊藤美喜
春光や掌に取る玉藻潮垂れて 内藤吐天 鳴海抄
春光や斧失いしは軽き病い 児玉悦子
春光や瑪瑙を刻む刀のさき 会津八一
春光や産毛透きたる子豚の肌 大木栄子
春光や白髪ふえたる父と会ふ 草城
春光や石にからまる枯茨 前田普羅
春光や礁あらはに海揺るゝ 前田普羅 能登蒼し
春光や窯入れを待つ壺の肩 川崎俊子
春光や紫を帯ぶ毒魚の瞳 富安風生
春光や網を打ちつつ舟のぼる 平山秀郎
春光や耳掠めゆく小さき翅音 内藤吐天 鳴海抄
春光や蘆にも見えて波一重 石鼎
春光や遠まなざしの矢大臣 銀漢 吉岡禅寺洞
春光や金の鳩抱く乙女像 満田玲子
春光や長城万里風万里 奥田智久
春光や防人像もある画展 北野民夫
春光や鳩の曳きゆく鳩の影 杉 良介
春光や鴎のつばさを風に耐へ 高濱年尾 年尾句集
春光をしづめて蒼き氷河かな 三宅一鳴
春光をやはらかに投げ利尻富士 高澤良一 素抱
春光を吸つて弾いて和紙乾く 関森勝夫
春光を壁に塗りこむ鏝さばき 山本 孟辰
春光を撒きちらしつゝ舟棹せり 森田峠
春光を片手掬ひに苔清水 高瀬哲夫
春光を白樺白として受ける 手塚基子
春光を砕きては波かがやかに 稲畑汀子 春光
春光を芹に振り撒きゆける水 高澤良一 随笑
春光を鈍く放てる利尻富士 高澤良一 素抱
春光出会い交わり汝生まる 高澤晶子
春景色として船は燃ゆるかな 和泉香津子
春望といふべし屏風一帆図 森澄雄 空艪
春望や闘ふ人に遠くゐて 秋元不死男
春色と云ふ幽かなるもの動く 伊藤柏翠
春色に置かるゝものゝ行燈かな 白水郎句集 大場白水郎
春色のうごきそめたる棚田かな 行方克巳
春色の人にうつらふ真昼かな 尾崎紅葉
春色の沖ゆく舟と歩をあはす 原裕 青垣
春色やさずかる古稀の齢抱き 長谷川かな女 花 季
春色や海高くして丘低し 徳永山冬子
春色や甕さゝへる朱の柱 野村喜舟 小石川
母の背へ庭木春色漂はす 原裕 葦牙
水天にたゞ春光のあるばかり 遠入 たつみ
河水厚く青く春光を載せて行くなり 夜の富士 秋山秋紅蓼
潮を聴く耳春色の疾風なか 原裕 葦牙
留萌川留萌本線春景色 高澤良一 素抱
目を細め春光の浜一つゞき 清崎敏郎
真珠撰る少女春光まろばする 西本一都 景色
穴出づる蟻春光に紺ならずや 香西照雄 対話
節穴を来る逆様の春景色 三橋敏雄 長濤
紫さむる峰に春光かぎろひけり 日夏耿之介 婆羅門俳諧
羅宇竹に春光濯ぐ大斜面 橋本夢道 無類の妻
肉牛のさだめの牛よ春光に 及川貞 夕焼
若からぬ歩に春光の銀座憂し 村上 光子
蒲公英に春光蒸すが如きかな 虚子
藪の穂の春光こぼれ交しつつ 松本たかし
赤鉛筆遅々と春光漲れり 林原耒井 蜩
通ひ路の春光ふかき薔薇垣 麦南
遅子得て春光いよいよまぶしくなる 赤城さかえ
郁李に春光あはき蝶のかげ 西島麦南 人音
鏡拭く手に春光の生まれけり 谷口桂子
鏡拭けば廃村という春景色 渋谷道
門を出る人春光の包み去る 虚子
開く扉を春光射し入る幕間かな 村田 脩
雨のやうに降る春光や竹の道 渡辺恭子
雨上り春色俄なる山河 安原良子
青黴の春色ふかし鏡餅 有風
香合にのせ春光を廻したる 深見けん二
骨壺に入る春色の喉仏 篠遠良子
魚裂いて海の春色鮮烈に 河野南畦 湖の森
鳩羽摶つ春光あまねし吾子賜る 大石悦子
あの家の中は老女や春げしき 三橋敏雄 長濤
幾重なす嶺々より春のひかり享く 田島 秩父
うれしさは春のひかりを手に掬ひ 野見山朱鳥
おくれ毛に春の光陰闌けにけり 野澤節子 黄 瀬
ゆき尽す江南の春の光かな 貞徳
川渡る電車に春の光満つ 後澤啼鳥
春の光体(ほし)降るはリルケのわすれもの 高橋比呂子
春の光絵師のいのちの貝殻に 原裕 葦牙
春の光線先生が手をあげてゐる 川島彷徨子 榛の木
春の雲より囁きの光りかな 尾崎三翠
瀬頭に打込む春の光かな 前田普羅 新訂普羅句集
父と子に春の光のをしみなし 松藤夏山 夏山句集
病む人に春の光を贈りたし 細見綾子
磔像の全身春の光あり 阿波野青畝(1899-1992)
鳥の羽に見初る春の光かな 樗良
鳶の背を縁どる春の光りかな 高橋馬相 秋山越
みづうみのかなた寄せくる春の色 佐藤美恵子
先生に春の色問ふ別れかな 秋篠光広
名の寺の春の色なる花菜漬 角川春樹
山吹や谷一筋の春の色 五帛
暮れかかる雲の端に見し春の色 潁原退蔵
濠の水松をうつして春の色 島田青峰
鶯や障子に透る春の色 萬客
手でほぐす土にも春の匂いかな 細木芒角星
先づ春の匂ひも嬉し薺粥 二遊

カレンダーの春色になる子供部屋 宮崎千恵子

春色の兵庫大仏うひうひし 志方章子

春なれば春色の服みなと町 林裕美子

帝釈天春色染みて「火宅の図」 川越静子

晒されて春色出でし蔓細工 百瀬七生子

乾燥機の窓に春色をどりけり 鎌倉喜久恵

春色のショールふはりと空へ廻はす 和田照子

春色を鏤めてゐる樹間かな 鈴木勢津子

春色の爪愛想よく梳る 長崎桂子

春色に変はりゆく日々ウォーキン 増田一代

大あくびを噛んで春色感じけり 上村光八

春色の上着が似合ふコンシェルジュ 増田一代

春色といひて足早なりし色 後藤立夫

春色の流行りルージュや星いくつ 森下康子

レリーフをめぐらせ春色ドームかな 細川洋子

春色の袈裟初初し若き僧 仁平則子

春色のものの音にもありしこと 後藤立夫

春色の汽車を乗り継ぎいま此処に 小嶋洋子


以上
by 575fudemakase | 2015-04-02 00:59 | 春の季語


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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