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朝寝

朝寝

例句を挙げる。

あめつちの中のひとりの朝寝かな 村越化石
うぐひすを夜るにして聞朝寝哉 横井也有 蘿葉集
うやむやの朝寝の中の約なりし 筑紫磐井 花鳥諷詠
お降に草の庵の朝寝かな 高浜虚子
かへらざるものに執する愚の朝寝 稲垣きくの 牡 丹
くさまくら旅の朝寝のゆめの魚 稲垣きくの 黄 瀬
この頃のことに捨身の朝寝かな 井沢正江 一身
ちちははの朝寝の富士の美しく 勝又一透
つゆの土隣につづく朝寝かな 松村蒼石 露
どんたくの疲れもありし朝寝かな 高濱年尾 年尾句集
なきがらや大朝寝しておはすかに 長谷川櫂 虚空
ならはしの朝寝に疲れ花の露路 石塚友二
はづかしき朝寝の薺はやしけり 高橋淡路女 淡路女百句
ひとつ蚊屋に僕も朝寝の枕哉 加舎白雄
みちのくの旅長かりし朝寝かな 深川正一郎
みどり児もともに朝寝の足りにけり 千原草之
ものの芽のほぐれほぐるゝ朝寝かな 松本たかし
ものの音聞き分けてをる朝寝かな 野中 亮介
もの憂しとにはあらぬ花の朝寝かも 清水基吉 寒蕭々
もの音の我家とまがふ旅朝寝 翁長恭子
よき家や朝寝の襖隙もなし 龍胆 長谷川かな女
われとわが虚空に堕ちし朝寝かな 永井龍男
カーテンの透けて紅来る朝寝かな 山口青邨
フィアンセが来るてふ朝寝してをれず 藤丹青
ミサの鐘すでに朝寝の巷より 阿波野青畝
ミサの鐘芝生の天使朝寝せよ 林 翔
三光鳥山の朝寝はゆるされず 下村ひろし
世にありしわが名を呼ばれ朝寝覚む 井沢正江 一身
世にまじり立たなんとして朝寝かな 松本たかし
世上の医者朝寝の種やけふの菊 口慰 選集「板東太郎」
二の腕の裏白し朝寝の土工らし 香西照雄 対話
佳き壷を運びし疲れ朝寝せり 朝倉和江
充電をすると言ふ子の大朝寝 塩川祐子
光射す微塵眺めて朝寝継ぐ 小林綾子
六感のどれかが覚めてゐる朝寝 山下しげ人
六根の濁り果てたる朝寝かな 小島千架子
受難節天上にあり朝寝せり 百合山羽公 寒雁
句を案じ暫し朝寝も虚子掌上 高澤良一 さざなみやっこ
向ひ山鳥も朝寝の奥道後 高澤良一 寒暑
吾子ら来て朝寝の我に挙手の禮 京極杞陽
土佐湊鳰のゆらゆら朝寝して 高澤良一 寒暑
夜や昼や朝寝の床のきり~す 土芳
大いなるもくろみありて朝寝かな 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
大原女に起されてゐし朝寝かな 岸風三樓
大年や朝寝の床に耳すます 浅原六朗 欣求鈔
大朝寝して六道の埓外に 瀬川芹子
大朝寝して匂やかに現れし 山田弘子
大朝寝人に訪はれて起さるる 上村占魚 球磨
大都会動いてゐたる朝寝かな 山本歩禅
夫留守のわれの朝寝を雛は知る 下村梅子
始発待つベンチの朝寝登山口 癸生川昭
娘の家に旅の終りの大朝寝 桶川 皆舟
嫁の座もしかと十年大朝寝 服部壽賀子
子の朝寝篁に日矢遊びをり 清水基吉 寒蕭々
子の親のつとめをへにし朝寝かな 麻田椎花
定年やなにか疾しき大朝寝 平木智恵子
寒声のうたてき朝寝宵寝哉 島道素石
寝くたれて朝寝いよいよ起き難し 石塚友二 光塵
山雀や朝寝して出る竹の縁 ぜぜ-游刀 俳諧撰集「藤の実」
山風を濤と聞きつつ朝寝せり 米谷静二
山鳩のくぐもり鳴ける朝寝かな 中 憲子
川音の切なくなりぬ朝寝覚め 雨宮きぬよ
帰国して畳の朝寝ほしいまま 岡安仁義
彩のある夢にさまよひ大朝寝 上村占魚 『かのえさる』
思はざる禊の朝寝とはなりぬ 手塚美佐 昔の香
惜命といふいくぢなき朝寝かな 西本一都 景色
我が僕落花に朝寝ゆるしけり 榎本其角
投句して何もかもなき大朝寝 小原菁々子
旅にあることも忘れて朝寝かな 高浜虚子
旅に馴れニューヨークにも馴れ朝寝 星野立子
日曜の客に朝寝の夫不興 一円あき子
日曜日大魚籠のごと朝寝せり 高澤良一 ぱらりとせ
暗緑の肖像画ある朝寝かな 波多野爽波 『骰子』
月の夜の桜に蝶の朝寝かな 千代尼
朝寝していま極楽にゐたりけり 片山鶏頭子
朝寝しておのれに甘えをりにけり 下村梅子
朝寝してせはし~は口ぐせに 田畑美穂女
朝寝してとり戻したる力あり 稲畑汀子
朝寝してをんなの齢いみじけれ 大石悦子 聞香
朝寝してスペースシヤトル飛ぶがまま 京極杞陽
朝寝して世に問ふこともなかりけり 下村梅子
朝寝して体内ふかき鍵ひとつ 能村登四郎 天上華
朝寝して句会は午後の一時より 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
朝寝して可き日やくやしく覚めてゐる 奈良文夫
朝寝して吾には吾のはかりごと 星野立子
朝寝して夢のごときをもてあそぶ 山田みづえ
朝寝して夢の余白に遊びをり 櫛原希伊子
朝寝して打ち寄するごと心拍音 高澤良一 燕音
朝寝して授かりし知恵ありにけり 片山由美子 風待月
朝寝して旅のきのふに遠く在り 上田五千石
朝寝して松喰虫をおそれけり 吉本伊智朗
朝寝して犬に鳴かるる幾たびも 臼田亞浪 定本亜浪句集
朝寝して生死二つに遊ぶごと 井澤正江
朝寝して白波の夢ひとり旅 金子兜太 詩經國風
朝寝して窓の隣は埴輪塚 瀧井孝作
朝寝して精一ぱいに生きてをり 大塚鶯谷楼
朝寝して色変りけり茄子漬 青木月斗
朝寝して花鳥の世に目覚めける 上田五千石
朝寝して街騒に耳たのします 片山由美子 天弓
朝寝して霧氷は天にもどりけり 大島民郎
朝寝して餅焼く遅れ始めなり 殿村莵絲子
朝寝して餅花かざす顔の上 林翔 和紙
朝寝して馬上杯てふおもしろし 田中裕明 櫻姫譚
朝寝して鴉の声もにくからず 平野 伸子
朝寝して鵯に椿を踏まれをり 宇佐美魚目 天地存問
朝寝して鼻のひかりの青蜜柑 中拓夫
朝寝する障子の間や霧の山 立花北枝
朝寝せり幼き跫音階鳴らし 堀口星眠 営巣期
朝寝せり木を挽く音と思ひつゝ 千代田葛彦
朝寝の朝朝の洗面器の白さに水張る 人間を彫る 大橋裸木
朝寝もし久し振りなるわが家かな 稲畑汀子
朝寝ややさせて勤労感謝せむ 亀井糸游
朝寝児の乳さぐらざる生ひ立ちよ 『定本石橋秀野句文集』
朝寝子や永日つゞく寝ざまして 原石鼎 花影以後
朝寝髪撫でもつけずに茶摘笠 高田蝶衣
松の内こゝろおきなき朝寝かな 高橋淡路女 梶の葉
枇杷たわゝ朝寝たのしき女の旅 近藤愛子
梅咲いて朝寝の家となりにけり 貴志沾州 (1671-1741)
椿に来る鵯にも会はず朝寝して 石田波郷
段々に夢叶ふらし朝寝など 殿村菟絲子 『菟絲』
毎日の朝寝とがむる人もなし 松本たかし
気まゝなる旅の朝寝を許されし 井桁蒼水
水仙や朝寝をしたる乞食小屋 素牛 俳諧撰集「藤の実」
浅蜊汁匂ふ朝寝を惜しみけり 宮坂静生 青胡桃
渡りゆく彼岸の遠き朝寝かな 石原八束
温泉の宿の窓の低きに朝寝かな 龍胆 長谷川かな女
溶けてゆく星座のための朝寝かな 水野真由美
点滴の枷を解かれし朝寝かな 松村英子
熊の糞見に連れ出さる朝寝かな 茨木和生 倭
物の芽のほぐれほぐるる朝寝かな 松本たかし(1906-56)
独居の野分ながらに朝寝かな 黒柳召波 春泥句集
獏の舌長々しきを朝寝かな 辻桃子 ねむ 以後
病間の朝寝のいとも長かりし 高浜年尾
白蓮に貧乏寺の朝寝かな 山口花笠
百彩の顕ちくる刻を朝寝して 林翔 和紙
百本杭潮落ちはじむ朝寝かな 龍岡晋
神主の朝寝の雨戸芙蓉咲く 清水晴子
美しき眉をひそめて朝寝かな 高浜虚子
耳洗ふ楽あり朝寝覚めゐたる 岡田 貞峰
職退いて朝寝の夫や春の雨 國武和子
胎内もかくなん朝寝ありがたし 黒鳥一司
脳神経外科医朝寝の階下に父 相原左義長
航空路朝寝の上をすぢかひに 山本歩禅
色里や朝寝の門の注連貰ひ 岡本松濱
花ちるや朝寝の窓のしづけさに 五十崎古郷句集
花を踏し草履も見えて朝寝哉 蕪村
花屋のはさみの音朝寝してをる 尾崎放哉
若き敗北一月一日の朝寝 中尾寿美子
茎立は一寸伸びに子等朝寝 上野泰 佐介
蕣に今朝は朝寝の亭主あり 正岡子規
薄氷の寄るべなく泛き朝寝ぐせ 鍵和田[ゆう]子 浮標
薄闇は胎内に似し朝寝かな 上野美智子
蚊帳ごしに日のさして居る朝寝かな 河東碧梧桐
蝶追ふや朝寝の枕ふり上げて 雑草 長谷川零餘子
血統書自慢の犬も朝寝せり 大島民郎
行年を鴎の朝寝昼寝かな 渋川玄耳
西行のそのもちづきのころ朝寝 山口速
誇などそんなものなき朝寝かな 下村梅子
誕生日朝寝も一理電話鳴る 河野南畦 『広場』
誰彼の声聞き分けて朝寝かな 河村紫山
象頭山詣でし朝寝のふくらはぎ 高澤良一 寒暑
退院の妻の朝寝のいとほしき 本井英
遊学の了りし吾子の大朝寝 山田ゆう子
遠浅の海に遊べるごと朝寝 高澤良一 ねずみのこまくら
還り来し吾に母ある朝寝かな 桐田春暁
野あがりの日まちとなりし朝寝の戸 長谷川素逝 村
鐘つかぬ大仏殿と朝寝せり 百合山羽公
長崎は汽笛の多き朝寝かな 車谷弘
雛の間の闇うつくしき朝寝かな 原コウ子
雨だれの世を隔てゐる朝寝かな 迫牛彦
雨戸掻く犬に朝寝を起されぬ 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
雨蛙朝寝の足を冷しをり 米沢吾亦紅 童顔
電燈に笠の紫布垂れ朝寝かな 龍胆 長谷川かな女
霜くすべ終へたる父の朝寝かな 皆川盤水
青柳の朝寝をまくる霞かな 千代尼
馬車ゆききしてゐて町の朝寝かな 田村了咲
鳰二つこゑのもつるる朝寝かな 森澄雄
鳶の輪の屋根めぐるらし朝寝よし 福田蓼汀
鶯や朝寝を起す人もなし 正岡子規
朝寝して通勤の日を遠くせり 高澤良一 石鏡

以上
by 575fudemakase | 2015-04-14 00:27 | 春の季語


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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