2015年3月 ねずみのこまくら句会の諸句(コメント付)
2015年3月 ねずみのこまくら句会の諸句(コメント付)
予選でザッと句を抜いてみたら、下記の如くとなった。
ちなみに、当句会メンバーの平均年齢は後期高齢者の部類にはいる。
1薇干す家々上ミに永平寺
5お涅槃会襁褓替え居る堂の隅
11老海女の陸に上がりて磯嘆き
22春光や群峰のごとハーケン跡
23朧夜の時報をオフに鳩時計
30矢狭間に覗く街並みよなぐもり
31春の雨去年切り株となりし木に
切株に春雨の句だが、こう述べられるとなるほどという俳句になる
33其角忌の二本榎にうかれ猫
二本榎は芝二本榎。地名と知った。
36針供養淡島さまの艶柱
39口開けや鳥も俯瞰の海女太鼓
46流氷期板打ちつける岬小屋
47雪解けや村に漂ふ安堵感
48青き踏む速歩スキツプ愉しめり
49婦人部の総出の接待午祭り
54主の恵み説く人聖鐘寒空に
61熾火より上がる炎や諸子焼く
熾火という語が現代ではもう判らなくなって来ているのではないか?
火消し壺があった時代の言葉である。
64針供養乙女の白き糸切り歯
65大手門番所戸鳴らす春疾風
66土筆長け初めし葛飾船渡し
矢切の渡し?寅さんの世界である。
68町住みに春泥めっきり遠ざかる
町住みとはなかなか含みがありそうな言葉である。
71楽器抱き集まる館貝寄せ吹く
74蝶の昼手持ち無沙汰の骨董屋
こういう光景は、いかにも俳句にでも詠んでくださいという光景ですね
76若布寄す志摩の湾処の鱗小波(こけさなみ)
鱗小波(こけさなみ)は細かな小波ということらしい。
織物の世界に鱗小波(紋様)の用例がある。
77先付の諸子や湖に夜の来て
旅先の湖辺での一献。大湖を闇にしずめて…
78春風に赤子の足のよく動く
79花菜風女子の溢るるカフェテリア
83初ざくら鋼びかりに馬の尻
86葦の角渡口の跡の杭一つ
95珈琲の湯気淡雪の三崎町
97遅日かな寄りくる鯉の口の数
98春寒の脳幹に染む点眼薬
「脳幹」の一語にギクッとするがそれが的確であることは後で判る
106仔猫来て園児の列の乱れけり
光景が目に浮かびます
107宮詣りの嬰すやすやと梅かほる
109雨の日は雨に装う黄水仙
雨には雨の風情ありと言うのにこんな言葉を使う日本語とは奥深い。
111枝たはめ一羽離れし寒雀
113路地裏の安らぎにあり蜆汁
114節分の豆を数へるひとりの夜
115着流しのをとこ提げ来る花うぐひ
116春光や埃をたてて児の歩む
子育ての一コマ。母と子だけのワンシーン。
117校門を溢れ来る児ら風光る
119紅梅を離れしみじみ独りなる
120茹であがる苦みほどよき蕗の薹
123冬山に貼りつきゐたり登り窯
126花粉症ニュースにマスク増ゆる町
127たんぽぽや誉められてゐる盲導犬
たんぽぽも一緒に褒められているようだ
129プリムラや軽病癒ゆる兆しあり
131下校の児やがて駆け出し春時雨
途中からダッと駆け出したか?
133乳鉢のきめのやさしき春灯
細かいところをよく見ている
141春風やゼブラゾーンに樹影伸び
142飼猫のけふはいづこへ涅槃寺
144野遊びのふうはり跳ねるリボンの子
147踏青の草の名二つ三つ覚ゆ
欲張らないで俳句を詠んだという感じ
151オリーブの島を染めたり花ミモザ
花ミモザといえば地中海的花木。日本では瀬戸内海あたりがふさわしい。
158這ひ這ひの子をかたはらに雛飾る
160海女の背の栄螺ことりと息洩らす
161「坂の上の雲」は言はずも春の雲
165 文字褪せぬウイスキー樽春の雨
なべて風化してゆく世界に風化しないのはウイスキーの樽文字。外には春雨。
166まどろみに亡き夫の来て春の宵
168先づは子に触れさせ雛を飾りけり
173ポストまで二度目の散歩夕長し
後期高齢者に突入したわたくしめにとっては、そうだと実感するところ。
おまけに脊椎間狭窄の身にとっては…
174マスクして将棋指す目の鋭かり
碁は全方位的目配りが大事。将棋は局所的戦闘が身上。従って直線的な目線。
176田鶴降りて湖を傾けゐたりけり
180二世契りたる婆さまと蓬摘む
181ここにまたさっきの猫や花はこべ
「さっき」という一語が鍵。この親和性ある言葉が猫とハコベを結びつけた。「さっき」と言えば晴子の次句を思い出す。
さっきから夕立の端にゐるらしき 飯島晴子
184春の風邪しょうことなしになほこの世
「しょうことなし」のところ、どっちみち作者は後期高齢者世代なのだから、もっと古くさく「せうことなし」と表記した方がよい。
185頭書き欲しき句が増ゆ其角の忌
其角と言えば博学。それから推して「頭書き」の一語がふさわしい。
186春風に押されて四脚門に入る
187雛納むやさしく包む娘となりぬ
189啓蟄や焼け野原より七十年
192手をつなぐ男の子と女の子つくしんぼ
193隋道に響く滝音春深し
194這ふごとく耕す婆に一番星
作者自らを称した自嘲か?
197本堂の青き畳や冴返る
198筑子(こきりこ)に跳ねる狩衣春炉爆づ
200ぐずる子が真ん中にゐる雛まつり
203蛸壺の転がってゐる焚火かな
206過ぎ日はおほかたふきのとうの味
ふきのとうと言えば苦味。持って回ったが評価はどうか?
207大仏はだう受け応ふ春一番
つっかかるのが春一番。さあ大仏はどう受け止めるかといったところ。
漫画的。
210山笑ふ夫あるときも亡きときも
夫あるときもにウエイトがかかる。
句の前の番号は選句稿の通し番号。ネット句会の選句時、この番号を
指定して選句する。
以上
予選でザッと句を抜いてみたら、下記の如くとなった。
ちなみに、当句会メンバーの平均年齢は後期高齢者の部類にはいる。
1薇干す家々上ミに永平寺
5お涅槃会襁褓替え居る堂の隅
11老海女の陸に上がりて磯嘆き
22春光や群峰のごとハーケン跡
23朧夜の時報をオフに鳩時計
30矢狭間に覗く街並みよなぐもり
31春の雨去年切り株となりし木に
切株に春雨の句だが、こう述べられるとなるほどという俳句になる
33其角忌の二本榎にうかれ猫
二本榎は芝二本榎。地名と知った。
36針供養淡島さまの艶柱
39口開けや鳥も俯瞰の海女太鼓
46流氷期板打ちつける岬小屋
47雪解けや村に漂ふ安堵感
48青き踏む速歩スキツプ愉しめり
49婦人部の総出の接待午祭り
54主の恵み説く人聖鐘寒空に
61熾火より上がる炎や諸子焼く
熾火という語が現代ではもう判らなくなって来ているのではないか?
火消し壺があった時代の言葉である。
64針供養乙女の白き糸切り歯
65大手門番所戸鳴らす春疾風
66土筆長け初めし葛飾船渡し
矢切の渡し?寅さんの世界である。
68町住みに春泥めっきり遠ざかる
町住みとはなかなか含みがありそうな言葉である。
71楽器抱き集まる館貝寄せ吹く
74蝶の昼手持ち無沙汰の骨董屋
こういう光景は、いかにも俳句にでも詠んでくださいという光景ですね
76若布寄す志摩の湾処の鱗小波(こけさなみ)
鱗小波(こけさなみ)は細かな小波ということらしい。
織物の世界に鱗小波(紋様)の用例がある。
77先付の諸子や湖に夜の来て
旅先の湖辺での一献。大湖を闇にしずめて…
78春風に赤子の足のよく動く
79花菜風女子の溢るるカフェテリア
83初ざくら鋼びかりに馬の尻
86葦の角渡口の跡の杭一つ
95珈琲の湯気淡雪の三崎町
97遅日かな寄りくる鯉の口の数
98春寒の脳幹に染む点眼薬
「脳幹」の一語にギクッとするがそれが的確であることは後で判る
106仔猫来て園児の列の乱れけり
光景が目に浮かびます
107宮詣りの嬰すやすやと梅かほる
109雨の日は雨に装う黄水仙
雨には雨の風情ありと言うのにこんな言葉を使う日本語とは奥深い。
111枝たはめ一羽離れし寒雀
113路地裏の安らぎにあり蜆汁
114節分の豆を数へるひとりの夜
115着流しのをとこ提げ来る花うぐひ
116春光や埃をたてて児の歩む
子育ての一コマ。母と子だけのワンシーン。
117校門を溢れ来る児ら風光る
119紅梅を離れしみじみ独りなる
120茹であがる苦みほどよき蕗の薹
123冬山に貼りつきゐたり登り窯
126花粉症ニュースにマスク増ゆる町
127たんぽぽや誉められてゐる盲導犬
たんぽぽも一緒に褒められているようだ
129プリムラや軽病癒ゆる兆しあり
131下校の児やがて駆け出し春時雨
途中からダッと駆け出したか?
133乳鉢のきめのやさしき春灯
細かいところをよく見ている
141春風やゼブラゾーンに樹影伸び
142飼猫のけふはいづこへ涅槃寺
144野遊びのふうはり跳ねるリボンの子
147踏青の草の名二つ三つ覚ゆ
欲張らないで俳句を詠んだという感じ
151オリーブの島を染めたり花ミモザ
花ミモザといえば地中海的花木。日本では瀬戸内海あたりがふさわしい。
158這ひ這ひの子をかたはらに雛飾る
160海女の背の栄螺ことりと息洩らす
161「坂の上の雲」は言はずも春の雲
165 文字褪せぬウイスキー樽春の雨
なべて風化してゆく世界に風化しないのはウイスキーの樽文字。外には春雨。
166まどろみに亡き夫の来て春の宵
168先づは子に触れさせ雛を飾りけり
173ポストまで二度目の散歩夕長し
後期高齢者に突入したわたくしめにとっては、そうだと実感するところ。
おまけに脊椎間狭窄の身にとっては…
174マスクして将棋指す目の鋭かり
碁は全方位的目配りが大事。将棋は局所的戦闘が身上。従って直線的な目線。
176田鶴降りて湖を傾けゐたりけり
180二世契りたる婆さまと蓬摘む
181ここにまたさっきの猫や花はこべ
「さっき」という一語が鍵。この親和性ある言葉が猫とハコベを結びつけた。「さっき」と言えば晴子の次句を思い出す。
さっきから夕立の端にゐるらしき 飯島晴子
184春の風邪しょうことなしになほこの世
「しょうことなし」のところ、どっちみち作者は後期高齢者世代なのだから、もっと古くさく「せうことなし」と表記した方がよい。
185頭書き欲しき句が増ゆ其角の忌
其角と言えば博学。それから推して「頭書き」の一語がふさわしい。
186春風に押されて四脚門に入る
187雛納むやさしく包む娘となりぬ
189啓蟄や焼け野原より七十年
192手をつなぐ男の子と女の子つくしんぼ
193隋道に響く滝音春深し
194這ふごとく耕す婆に一番星
作者自らを称した自嘲か?
197本堂の青き畳や冴返る
198筑子(こきりこ)に跳ねる狩衣春炉爆づ
200ぐずる子が真ん中にゐる雛まつり
203蛸壺の転がってゐる焚火かな
206過ぎ日はおほかたふきのとうの味
ふきのとうと言えば苦味。持って回ったが評価はどうか?
207大仏はだう受け応ふ春一番
つっかかるのが春一番。さあ大仏はどう受け止めるかといったところ。
漫画的。
210山笑ふ夫あるときも亡きときも
夫あるときもにウエイトがかかる。
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指定して選句する。
以上
by 575fudemakase
| 2015-03-11 09:26
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俳句の四方山話 季語の例句 句集評など
by 575fudemakase
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先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。
尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。
《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)
例1 残暑 の例句を調べる
検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語
例2 盆唄 の例句を調べる
検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語
以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。
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