日本人の暦を読んで
日本人の暦を読んで
各季語に付された例句がいいのである。
ついつい惹かれるままに句を抽いたら以下の通りとなった。
作者名は原著を参照されたし。
日本人の暦 長谷川櫂 著 筑摩書房 2010.12.15
ずたずたの大地に我ら去年今年
初空や雀言祝ぐごとくなり
初空や太陽のまづとほりゆく
暁闇の松を漂ふ淑気かな
太箸や数ふればわれ七十五
太箸や国生みの神さながらに
寒卵笑ふと思ふ笑はずや
大阪の遊びはじめや宵戎
ふっくらと能登大納言小正月
赤ん坊泣かすどんどの煙に当て
大家族の頃もありけり小豆粥
水仙の花びら氷りゐたりけり
龍の玉漸う一句生まれけり
探梅のここまでといふところなし
臘梅の庭の日向が机まで
蠟梅の花みな濡れてゐるやうな
春節の花のランタンぶーらぶら
鬼がいふひゅうどろどろや福は内
薄氷を割って押し出す諸子舟
青空の映れる水に針魚みゆ
村ぢゅうの畦あらはるる雪解かな
淡海といふ大いなる雪間あり
春泥の光るところを大股に
流氷のあっけらかんと去りにけり
弁当のまづは鰆へ箸延ばし
街道の梅も老いたりとろろ汁
ぽつぽつと雨の音する末黒かな
すきずきにうぐひす餅と桜餅
雛の日やしんとこころに父と母
白酒の酔のほのめく薄まぶた
紅梅の中に小鳥のゐるらしく
たつた今蛤置きしところ濡れ
若布刈舟鎌をかざしてすすみけり
春雷や蕎麦を肴に昼の酒
温みゆく水のたてたる音ならむ
芹の上に笊のせて芹摘んでをり
ざくざくとよそひてくれし蜆汁
朝粥のしまひは目刺炙りけり
内陣を火の海にしてお水取
涅槃図やうたた寝のごとおん姿
酢で緊むる湖の魚や西行忌
加賀びとの實先生鳥雲に
猫の恋初手から鳴きて哀れなり
をちこちの前の後ろの山笑ふ
鯉に髭仏に髭や山笑ふ
田楽に果つる大山詣かな
けつかうな御世とや蛇も穴を出る
蛇穴を出づ棟上の真っ只中
取り出す袈裟冷たしや朝桜
大渦に舟廻さるる花の昼
鯛めしやほのかにうごく花の色
茎立の天辺に花西の京
春風や鯉にも二つ鼻の穴
囀や粥は一匙づつ熱し
ぶらんこや昨夜の雨の水溜り
菜の花の花も莟もちらし鮓
蔵王堂花びらに乗り飛ぶごとく
いざ竹の秋風聞かむ相国寺
眠りゐる子猫をそっともらひけり
春眠のひとときに乳たまりけり
しんとして朝寝してゐる一戸かな
はるさめや暮なんとしてけふも有
春霞白蛇のごとく大河あり
寝姿の山も朧となりにけり
目もとまで水につかりて初蛙
旅先の銭湯にゐて春の暮
同じ箇所ばかり間違ふ遅日かな
而して無為を行ふ遅日かな
首あげて人なつかしの蚕かな
わたつみもときにはやさし桜貝
街道の右も左も茶摘かな
ばさばさと打ち重なれり柏餅
太郎とは男のよき名柏餅
この国に新茶を贈るよき習ひ
筍や笑ふがごとく湯の煮ゆる
蕗を煮る柱時計の音の中
そら豆のまだ眠さうな顔ばかり
子が問ふて応へて今日は豆ご飯
良寛の酒の礼状ほととぎす
万緑や山頂は空あるばかり
万緑やどの道をどう行かうとも
青嵐雀の喧嘩空へ地へ
寝ころんで何の思案か青嵐
嫁ぐ子に名残の蚊帳のひろさかな
鄙ぶりの大きな蚊帳に手こずりぬ
麦秋や雲より上の山畠
麦の秋加賀一国は晴れわたり
早苗よりうまるる水輪越の国
鮎の腸(わた)かすかに灰の味したり
だぶだぶの皮のなかなる蟇
奪衣婆に糸瓜の乳房五月闇
紫陽花の無き寺もまたよかりけり
実盛が草摺ゆかし杜若
蝸牛又も音なく降り出しぬ
短夜をさらに短く眠りけり
火取虫篠突く雨をかいくぐり
朝採りの胡瓜の先や花の殻
睡蓮の浮葉ばかりの暑さかな
葉先より指に梳きとる蛍かな
尾を振って金魚なかなか進まざる
子燕も仰ぎ見る子もかしましく
飛びたちて宙にためらふ燕の子
この道のいつもぬかるみ柿の花
籐椅子や黒雲かかる箱根山
一つづつ大事片づく団扇かな
羅やところどころの糸太く
暮れかねてやがて暮れきる冷し酒
笠ひとつ棚田のぼるや雲の峰
出向かねばならぬ日傘を開きけり
打水につかれが見えて来たりけり
ねぶの花初産といふ大仕事
羽衣のごとくに瀧の吹かれをり
この夏が過ぎれば嫁ぐ浴衣かな
空蝉や鋭き爪を残したる
ひと畝は皆花つけて茄子かな
茄子の紺うそいつはりはなかりけり
大夕立青樟の香を残したる
大空を鳥流れ飛ぶ夕立かな
金色の鯉と生まれて喜雨の下
お遍路の笠一つゆく青田かな
土用波鬼の洗濯岩を打つ
味見して塩ひとつまみ夜の秋
石鹸のにほへる娘夜の秋
夕顔や月の光に無きごとく
白玉やちょっと苦手なひととゐて
天花粉子どもに羽の生えさうな
けさ秋の掌になじませて化粧水
新涼やはらりと取れし本の帯
新涼や溺るるごとく梨食はな
朝顔や家を離るること二日
七夕竹ウルトラマンになれるとも
寝に帰るばかりの家か天の川
冷房はとことん嫌ひ生身魂
盆踊り一声かけて輪の中へ
その中に蛾のをどりをる切子かな
蜩や妻氷囊を換へに来し
かなかなと鳴きかなかなと返しけり
桐一葉又一葉又一葉哉
いく粒か緑をのこす葡萄かな
道元のつむりに似たる梨一つ
桃食べて桃のにほひや女の子
その人の顔は忘れし秋扇
飛びしもの飛んできしもの大野分
この家をつかみて揺する野分かな
もんぺ着て村夫子然(そんふうしぜん)稲の花
赤ん坊の乳に吸ひつく稲の花
枝豆ヤ三寸飛ンデ口二入ル
枝豆の殻を残して散会す
無花果も無花果の葉も青きとき
蜻蛉の羽がかさっと網の中
とんぼうの取り合ってゐる竿の先
露の世に豆腐つくりて老いしかな
きりぎりす顎よりうごきはじめたる
きりぎりす帰省十日のまたたく間
馬追の髭よく動く紙の上
秋の鮎魚籠をひと搏ちしてしづか
突進の面構なる鱸かな
花売の一桶はみな芒かな
里芋のやうな御仁でありしかな
何もかも修行と思へ衣被
いちめんの花野のころや軽井沢
宝戒寺奥の奥まで萩白く
水音に又めぐりあふ野菊かな
レガッタの大差となりぬ秋うらら
蟷螂を狙ふ猫の尾揺れ止まず
蟷螂の青き一身とびきたる
窯跡は蛇が眠りにつくところ
水澄むや深沈として無きごとく
爽やかや何かにつけて出て歩く
輪になって魚籠を覗くや鯊日和
今年また所違へず曼珠沙華
渋柿と勝手にきめて通りけり
この風にもう邯鄲の声のなし
邯鄲は鳴くたび羽根を砕くらむ
鷹匠の鷹にもの云ふ夜長かな
皮椅子にくぼみをこさへ夜長人
虫すだく闇大いなる京(みやこ)かな
虫鳴いて海の上なる滑走路
風韻に耳そばだてて牡鹿たつ
鴟尾といふ金のかたまり夜の鹿
腹の中土ばかりなる蚯蚓 鳴く
子育ての頃の秋刀魚を思ひけり
大輪となるべき菊の莟あり
頂は日の中にあり登高す
雲飛んで伊豆山の秋高きかな
耕しの馬と生まれて肥ゆるかな
うちうちの宴のうへを後の月
この秋のなごりの月を出雲崎
かりがねの初音聞かんと卯辰山
色鳥や麹匂へる桶干して
色鳥にまじる吾家の雀かな
けさよりは鵙の天地となりにけり
鵙鳴いて隠れ家めいて来りけり
鶏頭のくろがねの種こぼしけり
身に入むや草折れ伏して草のうへ
雀らに侮られゐる案山子かな
石畳熟柿落ちたるしぶきかな
日がさして熟柿の中の種みゆる
鉄橋の上に駅ある紅葉かな
激つ瀬をあらおもしろの紅葉舟
行く秋を淋しくないと云ふは嘘
帰り来て妻が灯す秋の暮
一言で足ることばかり冬隣
杖つきて残りの菊を見てをられ
末枯るる蔓に重たし烏瓜
やがてまた落葉に埋まる山の墓
もののふの鎌倉の山眠りけり
ギリシャ劇始まってゐる枯野かな
釣宿の昼は静かや返り花
牡蠣剥や見てゐる方が寒からん
木の葉髪ばっさりやってくれたまへ
このあたり荒涼たるや浮寝鳥
綿虫をいくたび見失ひたるや
大綿のさもやはらかに当りくる
大根の味噌汁に酔ふ心地かな
さを鹿の角にたばしる霰かな
曲り釘伸ばして打って雪囲
葱の鞘光の鞘といふべしや
息白き犬に行きたき道のあり
大いなる蕪のごとき志
熱燗やまったうに生き悔少し
熱燗や世間のせゐにするなかれ
こまかなる銀器の傷や雪催
眼口閉ぢしまきの中を人来たり
包丁の動きて河豚をうすづくり
河豚の口ちょんとつけたるごとくなり
短日や薬怠けて叱らるる
暮早き東京灯りはじめけり
湯豆腐の土鍋小さし京泊り
笹鳴や眼鏡しばらく本の上
細やかな豆腐の布目笹子鳴く
梵鐘をくすぐるごとし煤払
トロ箱に鮟鱇ぺたと均さるる
関東煮まづ一亙りいただかん
餅の臼まだ濡れてゐる日向かな
餅ふくる崑崙山も天山も
どの星も一つ年取り除夜の鐘
以上
各季語に付された例句がいいのである。
ついつい惹かれるままに句を抽いたら以下の通りとなった。
作者名は原著を参照されたし。
日本人の暦 長谷川櫂 著 筑摩書房 2010.12.15
ずたずたの大地に我ら去年今年
初空や雀言祝ぐごとくなり
初空や太陽のまづとほりゆく
暁闇の松を漂ふ淑気かな
太箸や数ふればわれ七十五
太箸や国生みの神さながらに
寒卵笑ふと思ふ笑はずや
大阪の遊びはじめや宵戎
ふっくらと能登大納言小正月
赤ん坊泣かすどんどの煙に当て
大家族の頃もありけり小豆粥
水仙の花びら氷りゐたりけり
龍の玉漸う一句生まれけり
探梅のここまでといふところなし
臘梅の庭の日向が机まで
蠟梅の花みな濡れてゐるやうな
春節の花のランタンぶーらぶら
鬼がいふひゅうどろどろや福は内
薄氷を割って押し出す諸子舟
青空の映れる水に針魚みゆ
村ぢゅうの畦あらはるる雪解かな
淡海といふ大いなる雪間あり
春泥の光るところを大股に
流氷のあっけらかんと去りにけり
弁当のまづは鰆へ箸延ばし
街道の梅も老いたりとろろ汁
ぽつぽつと雨の音する末黒かな
すきずきにうぐひす餅と桜餅
雛の日やしんとこころに父と母
白酒の酔のほのめく薄まぶた
紅梅の中に小鳥のゐるらしく
たつた今蛤置きしところ濡れ
若布刈舟鎌をかざしてすすみけり
春雷や蕎麦を肴に昼の酒
温みゆく水のたてたる音ならむ
芹の上に笊のせて芹摘んでをり
ざくざくとよそひてくれし蜆汁
朝粥のしまひは目刺炙りけり
内陣を火の海にしてお水取
涅槃図やうたた寝のごとおん姿
酢で緊むる湖の魚や西行忌
加賀びとの實先生鳥雲に
猫の恋初手から鳴きて哀れなり
をちこちの前の後ろの山笑ふ
鯉に髭仏に髭や山笑ふ
田楽に果つる大山詣かな
けつかうな御世とや蛇も穴を出る
蛇穴を出づ棟上の真っ只中
取り出す袈裟冷たしや朝桜
大渦に舟廻さるる花の昼
鯛めしやほのかにうごく花の色
茎立の天辺に花西の京
春風や鯉にも二つ鼻の穴
囀や粥は一匙づつ熱し
ぶらんこや昨夜の雨の水溜り
菜の花の花も莟もちらし鮓
蔵王堂花びらに乗り飛ぶごとく
いざ竹の秋風聞かむ相国寺
眠りゐる子猫をそっともらひけり
春眠のひとときに乳たまりけり
しんとして朝寝してゐる一戸かな
はるさめや暮なんとしてけふも有
春霞白蛇のごとく大河あり
寝姿の山も朧となりにけり
目もとまで水につかりて初蛙
旅先の銭湯にゐて春の暮
同じ箇所ばかり間違ふ遅日かな
而して無為を行ふ遅日かな
首あげて人なつかしの蚕かな
わたつみもときにはやさし桜貝
街道の右も左も茶摘かな
ばさばさと打ち重なれり柏餅
太郎とは男のよき名柏餅
この国に新茶を贈るよき習ひ
筍や笑ふがごとく湯の煮ゆる
蕗を煮る柱時計の音の中
そら豆のまだ眠さうな顔ばかり
子が問ふて応へて今日は豆ご飯
良寛の酒の礼状ほととぎす
万緑や山頂は空あるばかり
万緑やどの道をどう行かうとも
青嵐雀の喧嘩空へ地へ
寝ころんで何の思案か青嵐
嫁ぐ子に名残の蚊帳のひろさかな
鄙ぶりの大きな蚊帳に手こずりぬ
麦秋や雲より上の山畠
麦の秋加賀一国は晴れわたり
早苗よりうまるる水輪越の国
鮎の腸(わた)かすかに灰の味したり
だぶだぶの皮のなかなる蟇
奪衣婆に糸瓜の乳房五月闇
紫陽花の無き寺もまたよかりけり
実盛が草摺ゆかし杜若
蝸牛又も音なく降り出しぬ
短夜をさらに短く眠りけり
火取虫篠突く雨をかいくぐり
朝採りの胡瓜の先や花の殻
睡蓮の浮葉ばかりの暑さかな
葉先より指に梳きとる蛍かな
尾を振って金魚なかなか進まざる
子燕も仰ぎ見る子もかしましく
飛びたちて宙にためらふ燕の子
この道のいつもぬかるみ柿の花
籐椅子や黒雲かかる箱根山
一つづつ大事片づく団扇かな
羅やところどころの糸太く
暮れかねてやがて暮れきる冷し酒
笠ひとつ棚田のぼるや雲の峰
出向かねばならぬ日傘を開きけり
打水につかれが見えて来たりけり
ねぶの花初産といふ大仕事
羽衣のごとくに瀧の吹かれをり
この夏が過ぎれば嫁ぐ浴衣かな
空蝉や鋭き爪を残したる
ひと畝は皆花つけて茄子かな
茄子の紺うそいつはりはなかりけり
大夕立青樟の香を残したる
大空を鳥流れ飛ぶ夕立かな
金色の鯉と生まれて喜雨の下
お遍路の笠一つゆく青田かな
土用波鬼の洗濯岩を打つ
味見して塩ひとつまみ夜の秋
石鹸のにほへる娘夜の秋
夕顔や月の光に無きごとく
白玉やちょっと苦手なひととゐて
天花粉子どもに羽の生えさうな
けさ秋の掌になじませて化粧水
新涼やはらりと取れし本の帯
新涼や溺るるごとく梨食はな
朝顔や家を離るること二日
七夕竹ウルトラマンになれるとも
寝に帰るばかりの家か天の川
冷房はとことん嫌ひ生身魂
盆踊り一声かけて輪の中へ
その中に蛾のをどりをる切子かな
蜩や妻氷囊を換へに来し
かなかなと鳴きかなかなと返しけり
桐一葉又一葉又一葉哉
いく粒か緑をのこす葡萄かな
道元のつむりに似たる梨一つ
桃食べて桃のにほひや女の子
その人の顔は忘れし秋扇
飛びしもの飛んできしもの大野分
この家をつかみて揺する野分かな
もんぺ着て村夫子然(そんふうしぜん)稲の花
赤ん坊の乳に吸ひつく稲の花
枝豆ヤ三寸飛ンデ口二入ル
枝豆の殻を残して散会す
無花果も無花果の葉も青きとき
蜻蛉の羽がかさっと網の中
とんぼうの取り合ってゐる竿の先
露の世に豆腐つくりて老いしかな
きりぎりす顎よりうごきはじめたる
きりぎりす帰省十日のまたたく間
馬追の髭よく動く紙の上
秋の鮎魚籠をひと搏ちしてしづか
突進の面構なる鱸かな
花売の一桶はみな芒かな
里芋のやうな御仁でありしかな
何もかも修行と思へ衣被
いちめんの花野のころや軽井沢
宝戒寺奥の奥まで萩白く
水音に又めぐりあふ野菊かな
レガッタの大差となりぬ秋うらら
蟷螂を狙ふ猫の尾揺れ止まず
蟷螂の青き一身とびきたる
窯跡は蛇が眠りにつくところ
水澄むや深沈として無きごとく
爽やかや何かにつけて出て歩く
輪になって魚籠を覗くや鯊日和
今年また所違へず曼珠沙華
渋柿と勝手にきめて通りけり
この風にもう邯鄲の声のなし
邯鄲は鳴くたび羽根を砕くらむ
鷹匠の鷹にもの云ふ夜長かな
皮椅子にくぼみをこさへ夜長人
虫すだく闇大いなる京(みやこ)かな
虫鳴いて海の上なる滑走路
風韻に耳そばだてて牡鹿たつ
鴟尾といふ金のかたまり夜の鹿
腹の中土ばかりなる蚯蚓 鳴く
子育ての頃の秋刀魚を思ひけり
大輪となるべき菊の莟あり
頂は日の中にあり登高す
雲飛んで伊豆山の秋高きかな
耕しの馬と生まれて肥ゆるかな
うちうちの宴のうへを後の月
この秋のなごりの月を出雲崎
かりがねの初音聞かんと卯辰山
色鳥や麹匂へる桶干して
色鳥にまじる吾家の雀かな
けさよりは鵙の天地となりにけり
鵙鳴いて隠れ家めいて来りけり
鶏頭のくろがねの種こぼしけり
身に入むや草折れ伏して草のうへ
雀らに侮られゐる案山子かな
石畳熟柿落ちたるしぶきかな
日がさして熟柿の中の種みゆる
鉄橋の上に駅ある紅葉かな
激つ瀬をあらおもしろの紅葉舟
行く秋を淋しくないと云ふは嘘
帰り来て妻が灯す秋の暮
一言で足ることばかり冬隣
杖つきて残りの菊を見てをられ
末枯るる蔓に重たし烏瓜
やがてまた落葉に埋まる山の墓
もののふの鎌倉の山眠りけり
ギリシャ劇始まってゐる枯野かな
釣宿の昼は静かや返り花
牡蠣剥や見てゐる方が寒からん
木の葉髪ばっさりやってくれたまへ
このあたり荒涼たるや浮寝鳥
綿虫をいくたび見失ひたるや
大綿のさもやはらかに当りくる
大根の味噌汁に酔ふ心地かな
さを鹿の角にたばしる霰かな
曲り釘伸ばして打って雪囲
葱の鞘光の鞘といふべしや
息白き犬に行きたき道のあり
大いなる蕪のごとき志
熱燗やまったうに生き悔少し
熱燗や世間のせゐにするなかれ
こまかなる銀器の傷や雪催
眼口閉ぢしまきの中を人来たり
包丁の動きて河豚をうすづくり
河豚の口ちょんとつけたるごとくなり
短日や薬怠けて叱らるる
暮早き東京灯りはじめけり
湯豆腐の土鍋小さし京泊り
笹鳴や眼鏡しばらく本の上
細やかな豆腐の布目笹子鳴く
梵鐘をくすぐるごとし煤払
トロ箱に鮟鱇ぺたと均さるる
関東煮まづ一亙りいただかん
餅の臼まだ濡れてゐる日向かな
餅ふくる崑崙山も天山も
どの星も一つ年取り除夜の鐘
以上
by 575fudemakase
| 2016-01-18 10:24
| 句集評など

俳句の四方山話 季語の例句 句集評など
by 575fudemakase
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次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。
尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。
《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)
例1 残暑 の例句を調べる
検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語
例2 盆唄 の例句を調べる
検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
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[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語
以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。
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《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
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